説明

媒体挟み付け装置および画像形成装置

【課題】
帯部材の損傷が回避された媒体挟み付け装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】
媒体挟み付け装置において、記録媒体よりも堅い周面を有する、周回移動の方向と直交する方向における周面の長さが記録媒体表面の第1方向の長さよりも長い第1の周動体と、記録媒体よりも堅い周面を有する、この周面と第1の周動体の周面との間を記録媒体が第1方向に交わる第2方向へと通過する第2の周動体と、第1の周動体および第2の周動体の少なくとも一方に荷重を付与することで第1の周動体および第2の周動体によって記録媒体をその荷重で挟み付ける荷重付与部と、第1の周動体および上記第2の周動体の少なくとも一方の周面における、記録媒体の通過時に記録媒体に接触する領域を外れた箇所で周面を取り巻いた帯部材と、帯部材に対して記録媒体の通過方向に並んだ、記録媒体の通過経路に対してこの帯部材よりも突き出した突き出し部材とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体挟み付け装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置に備えられた媒体挟み付け装置の例として、矯正ロールと板材との間に用紙を挟み、用紙が通過する際に圧力を加えてバリを押しつぶすバリ取装置が示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−254887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、帯部材の損傷が回避された媒体挟み付け装置、およびそのような媒体挟み付け装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る媒体挟み付け装置は、
表面に画像が形成される記録媒体よりも堅い周面を有する、この周面が周回移動する、その周回移動の方向と直交する方向におけるこの周面の長さがこの記録媒体表面の第1方向の長さよりも長い第1の周動体と、
上記記録媒体よりも堅い周面を有する、この周面が周回移動する、その周回移動の方向と直交する方向におけるこの周面の長さがこの記録媒体表面の上記第1方向の長さよりも長い、この周面と上記第1の周動体の周面との間をこの記録媒体がこの第1方向に交わる第2方向へと通過する第2の周動体と、
上記第1の周動体および上記第2の周動体の少なくとも一方に荷重を付与することでそれら第1の周動体および第2の周動体によって上記記録媒体をその荷重で挟み付ける荷重付与部と、
上記第1の周動体および上記第2の周動体の少なくとも一方の周面における、上記記録媒体の通過時にこの記録媒体に接触する領域を外れた箇所でこの周面を取り巻いた、この周面よりも軟らかい、この記録媒体よりも薄い帯部材と、
上記帯部材に対して上記記録媒体の通過方向に並んだ、この記録媒体の通過経路に対してこの帯部材よりも突き出した突き出し部材とを備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に係る媒体挟み付け装置は、上記第1の周動体と上記第2の周動体との間を通過する記録媒体の表裏面に沿って広がる、この記録媒体が通過する経路をこの記録媒体の表裏面に交わる方向で挟んで1対が設けられた板状部材であって、その1対の相互間の隙間を上記突き出し部材が埋めている板状部材を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に係る媒体挟み付け装置は、上記突き出し部材が、上記記録媒体の通過経路に沿って延びた、上記通過方向での下流側の端が、この通過方向での上流側の端よりもこの通過経路に近い位置に突き出しているものであることを特徴とする。
【0008】
請求項4に係る画像形成装置は、
表面に画像が形成される記録媒体よりも堅い周面を有する、この周面が周回移動する、その周回移動の方向と直交する方向におけるこの周面の長さがこの記録媒体表面の第1方向の長さよりも長い第1の周動体と、
上記記録媒体よりも堅い周面を有する、この周面が周回移動する、その周回移動の方向と直交する方向におけるこの周面の長さがこの記録媒体表面の上記第1方向の長さよりも長い、この周面と上記第1の周動体の周面との間をこの記録媒体がこの第1方向に交わる第2方向へと通過する第2の周動体と、
上記第1の周動体および上記第2の周動体の少なくとも一方に荷重を付与することでそれら第1の周動体および第2の周動体によって上記記録媒体をその荷重で挟み付ける荷重付与部と、
上記第1の周動体および上記第2の周動体の少なくとも一方の周面における、上記記録媒体の通過時にこの記録媒体に接触する領域を外れた箇所でこの周面を取り巻いた、この周面よりも軟らかい、この記録媒体よりも薄い帯部材と、
上記帯部材に対して上記記録媒体の通過方向に並んだ、この記録媒体の通過経路に対してこの帯部材よりも突き出した突き出し部材と、
上記第1の周動体の周面と上記第2の周動体の周面との間を通過した記録媒体の表面に画像を形成する画像形成部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る媒体挟み付け装置によれば、帯部材の損傷が回避される。
【0010】
請求項2に係る媒体挟み付け装置は、記録媒体を、表裏面方向と表裏面に交わる方向との双方で案内することができる。
【0011】
請求項3に係る媒体挟み付け装置は、記録媒体の位置を通過経路に向けて修正することができる。
【0012】
請求項4に係る画像形成装置は、帯部材の損傷が回避される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の画像形成装置の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明の挟み付け装置の実施の形態であるバリ取装置を示す斜視図である。
【図3】図2に示すバリ取装置の装置本体部を支持部から取り出す途中の状態を示す斜視図である。
【図4】図3に示す装置本体部を示す斜視図である。
【図5】図4に示す装置本体部内部の概略構造を示す断面図である。
【図6】用紙の端部を拡大して示す断面図である。
【図7】図4に示す装置本体部を別の角度から見た斜視図である。
【図8】ロール支持機構の構造を説明する図である。
【図9】ロール退避の動作を説明する図である。
【図10】上側バリ取ロールと下側バリ取ロールを示す図である。
【図11】帯部材を示す図である。
【図12】装置本体における、案内部材、バリ取ロールおよび補助搬送ロールの位置を示す平面図である。
【図13】案内部材を示す斜視図である。
【図14】図2に示す支持部の分解斜視図である。
【図15】組立てられた状態の支持部を示す斜視図である。
【図16】組立てられた状態の支持部を別の方向から見た斜視図である。
【図17】支持部による装置本体部の支持構造を説明する断面図である。
【図18】バリ取装置による、用紙の処理前と処理後のバリ高さを示すグラフである。
【図19】画像形成装置において、定着器のベルトに生じる傷の量を表わすグラフである。
【図20】帯部材の各条件における動作音を示すグラフである。
【図21】バリ取装置のフレームの振動と画像形成装置の支持枠の振動との比を示すグラフである。
【図22】比較例における、装置本体部のフレームの振動と画像形成装置の支持枠の振動との比を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
[画像形成装置]
図1は、本発明の画像形成装置の実施形態を示す概略構成図である。
【0015】
図1に示す画像形成装置1は、静電潜像を形成しトナーで現像してトナー像を形成し、そのトナー像を最終的に用紙上に転写および定着することによりその用紙上に定着トナー像からなる画像を形成する装置である。なお、この画像形成装置1は、用紙すなわち紙の記録媒体のみならず、OHPシートに代表される樹脂の記録媒体にも対応した装置であるが、以下の説明では、特に断らない限り、用紙で記録媒体を代表させて説明しているものとする。本実施形態の画像形成装置1は、互いに異なる色の画像形成を担う6つの画像形成部10A,10B,10C,10D,10E,10Fが並列に配置されたタンデム型のカラープリンタであり、単色の画像をプリントすることができるほか、複数色のトナー像からなるカラーの画像をプリントすることができる。例えば、6つの画像形成部10A〜10Fのうち、4つの画像形成部10C,10D,10E,10Fは、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)および、ブラック(K)の各色に対応し、残り2つの画像形成部10A,10Bは、上記YMCK以外の特色に対応する。特色には、例えば特定の企業のコーポレートカラーを表わす色や、パステルカラー、光沢用の透明色といった、上記YMCKによる合成では正確に表現することが容易でない色が含まれる。画像形成装置1には、画像形成部10A〜10Fにそれぞれ対応した色のトナーを収容する6つのトナーカートリッジ18A,18B,18C,18D,18E,18Fが備えられている。
【0016】
6つの画像形成部10A〜10Fは同様の構成を有しているため、これらを代表してブラックに対応する画像形成部10Fを取り上げて説明すると、画像形成部10Fは、感光体11と、感光体11表面を帯電させる帯電器12と、外部から供給される画像信号に基づく露光光を感光体11に照射する露光器13と、感光体11表面をトナーで現像する現像器14と、トナー像を中間転写ベルトに転写する一次転写器15とを備えている。感光体11は円筒状の表面を有しており、円筒の軸周りである矢印a方向に回転する。
【0017】
また、画像形成装置1には、画像形成部10A〜10Fの感光体11からトナー像が転写される中間転写ベルト20と、中間転写ベルト20からトナー像を用紙に転写する二次転写器30と、トナーを用紙に定着する定着器40と、用紙の巻きを矯正するデカーラ50と、用紙を搬送経路R1および表裏反転経路R2に沿って搬送する用紙搬送部60とが備えられており、用紙を収容する用紙収容器71,72と、画像形成前に用紙のバリを矯正するバリ取装置80と、用紙の姿勢を修正する姿勢修正部73とを備えている。また、画像形成装置1には、トナー定着後の用紙を冷却する冷却部74と、画像形成装置1による画像の形成が終了した用紙を受ける排出用紙収容部69と、画像形成装置1の各部を制御する制御部90も備えられている。
【0018】
中間転写ベルト20は、ベルト支持ロール21,22,23によって支持された無端の帯状部材であり、画像形成部10A〜10F、および二次転写器30をこの順に経由する矢印bの方向に循環移動する。ここで、画像形成部10A〜10F、中間転写ベルト20、二次転写器30、および定着器40の組合せが本発明にいう像形成部の一例に相当する。
【0019】
用紙搬送部60は、用紙を搬送経路R1および表裏反転経路R2に沿って搬送する。用紙搬送部60は、用紙収容器71,72から用紙を取り出す取出ロール61,62と、二次転写器30がトナー像を転写するタイミングに合わせて二次転写器30に用紙を送り込むレジストレーションロール64と、用紙をベルト65aの外周面に吸着させながら二次転写器30から定着器40まで搬送するベルト搬送器65と、用紙を画像形成装置1の外に排出する排出ロール66と、搬送経路R1および表裏反転経路R2に沿って配置された、用紙を搬送する搬送ロール68とを備えている。なお、図の見易さのため、図1では、画像形成装置1内の搬送ロール68のうち一部に符号を付している。
【0020】
用紙搬送部60は、用紙を、用紙収容器71,72からバリ取装置80、姿勢修正部73、二次転写器30、定着器40、冷却部74、およびデカーラ50を順に経る搬送経路R1に沿って搬送する。また、画像形成装置1内で両面印刷を実行する場合、用紙搬送部60は、搬送経路R1から分岐して搬送経路R1に戻る表裏反転経路R2に沿って用紙を搬送し、表裏反転経路R2の途中で用紙の進行を折返しさせることによって表裏面を反転させる。表裏面が反転された用紙は搬送経路R1に戻り、バリ取装置80、姿勢修正部73を再び経て、二次転写器30で裏面すなわちトナー像が未転写の面にトナー像が転写される。
【0021】
図1に示す画像形成装置1の基本動作を説明する。代表として例えばブラック(K)に対応する画像形成部10Fについて説明すると、感光体11が矢印a方向に回転駆動され、感光体11の表面に帯電器12によって電荷が付与される。露光器13は、外部から供給される画像信号に基づく露光光を感光体11に照射することで静電潜像を形成する。より詳細には、露光器13は、画像信号中のブラックに対応するデータに応じた露光光を照射することで、感光体11の表面に静電潜像を形成する。現像器14は、静電潜像をブラックのトナーで現像することで、トナー像を形成する。画像形成部10Fの現像器14には、トナーカートリッジ18Fからトナーが供給される。感光体11は、トナー像の形成を受けてこのトナー像を保持する。感光体11の表面に形成されたトナー像は、一次転写器15によって中間転写ベルト20に転写される。
【0022】
ブラック以外の色に対応する5つの画像形成部10A〜10Eも、ブラックに対応する画像形成部10Fと同様にしてそれぞれの色に対応するトナー像を形成する。中間転写ベルト20は、支持ロール21〜23に支持され矢印bの方向に循環移動しており、画像形成部10A〜10Fは、中間転写ベルト20に、それぞれの色のトナー像を重畳して転写していく。中間転写ベルト20には、このようにして画像データに応じたトナー像が形成され、トナー像を保持して移動する。
【0023】
一方、用紙収容器71,72内の用紙は、取出ロール61,62によって取り出され、搬送ロール68、およびレジストレーションロール64によって搬送経路R1を二次転写器30に向かう矢印c方向に搬送される。搬送経路R1の途中に配置されたバリ取装置80によって、用紙の端に存在するバリが除去され、姿勢修正部73によって、用紙の姿勢および位置が修正される。二次転写器30は、中間転写ベルト20と用紙との間に転写用のバイアス電位を与えることによって、中間転写ベルト20のトナー像を用紙に転写する。二次転写器30によって、トナー像は、最終的に用紙に転写される。用紙はさらにベルト搬送器65によって矢印d方向に搬送され、用紙上に転写されたトナー像が定着器40で定着される。このようにして、用紙上に画像が形成される。定着器40は、熱容量を高めるため定着ベルト410を有している。画像が形成された用紙は、冷却部74によって冷却され、デカーラ50によって巻きが矯正された後、排出ロール66によって排出される。
【0024】
画像形成装置1内で両面印刷が実行される場合、用紙搬送部60は、搬送経路R1に沿って搬送した用紙を今度は表裏反転経路R2に沿って搬送して表裏面を反転してから再度搬送経路R1に沿って搬送する。また、両面印刷ではないものの、用紙を表裏反転して排出することが指定された場合、用紙搬送部60は、搬送経路R1に沿って搬送した用紙を一旦表裏反転経路R2の途中まで退避させた後、逆向きに搬送して排出する。排出された用紙は、排出用紙収容部69に積載される。
[バリ取装置]
図2は、本発明の挟み付け装置の実施の形態であるバリ取装置を示す斜視図である。
【0025】
図2に示すバリ取装置80は、図1に示す画像形成装置1内で、画像形成部10A,10B,10C,10D,10E,10Fおよび二次転写器30の下方に配置されており、画像形成装置1の全体の構造を支持する支持枠Fに取り付けられている。バリ取装置80は、装置本体80Aと、装置本体80Aを支持する支持部80Bとを備えている。バリ取装置80には、後述するモータユニット80C(図16参照)も備えられている。
【0026】
支持部80Bは画像形成装置1の支持枠Fに取り付けられており、画像形成装置1に対して装置本体80Aを着脱自在に支持している。装置本体80Aが用紙を搬送する方向を搬送方向X(または通過方向X)と称する。また、搬送方向Xと交わる、搬送される用紙の幅に沿った方向を幅方向Yと称する。また、搬送方向Xおよび幅方向Yと交わる方向を上下方向Zと称する。
【0027】
図3は、図2に示すバリ取装置の装置本体部を支持部から取り出す途中の状態を示す斜視図である。
【0028】
支持部80Bには、幅方向Yに延びたレール891が設けられており、装置本体80Aの上部には、支持部80Bのレールに対応して幅方向Yに延びたレール811が設けられている。支持部80Bのレールは、支持部80Bの縁が搬送方向Xの両側に向けて外向きに折り曲げられ形成されたものであり、支持部80Bの搬送方向X両側に2本設けられている。装置本体80Aのレール891は、装置本体80A全体の構造を支えるフレーム81の上部が内向き、すなわち互いに対向する向きに折れ曲がって形成されたものである。支持部80Bのレール811に対応して2本設けられている。装置本体80Aのレール811は、支持部80Bのレール891の上に乗っている。装置本体80Aのレール811が、レール891上を摺れながら移動することで、装置本体80Aが、レール891が延びる幅方向Yに移動する。操作者が例えば内部に詰まった用紙を除去する場合、装置本体80Aは、操作者によって幅方向Yに引き出されることで、画像形成装置1から抜き出される。また、装置本体80Aは、幅方向Yに押し込まれることによって、画像形成装置1に装着される。装置本体80Aの構造を支持するフレーム81には、装置本体80Aが装着された場合に、装置本体80Aを支持部80Bに対して位置決めするための突起812が設けられている。
【0029】
支持部80Bは、内部に組み込まれた緩衝機構を介して装置本体80Aを支持しているが、支持部80Bの構造については後述し、先に装置本体80Aについて説明する。
[装置本体部]
図4は、図3に示す装置本体部を示す斜視図である。また、図5は、図4に示す装置本体部内部の概略構造を示す断面図である。
【0030】
図4および図5に示す装置本体80Aは、一対のバリ取ロール82A,82Bと、一対の補助搬送ロール83A,83Bと、用紙を案内する用紙案内部84,85と、一対のバリ取ロール82A,82Bのうち一方のバリ取ロール82Aを支持するロール支持機構86と、装置本体80Aの各部分の構造を支持するフレーム81とを備えている。また、装置本体80Aには、用紙の通過を検知する用紙センサSも設けられている。装置本体80Aは、供給されてくる用紙を、まず用紙案内部84に案内させながら、補助搬送ロール83A,83Bの間を通過させ、この後、バリ取ロール82A,82Bの間を通過させ、用紙案内部85に案内させて、排出する。
【0031】
一対のバリ取ロール82A,82Bは、用紙を上下から挟む位置に互いに対向して設けられている。バリ取ロール82A,82Bは、周面が周回移動する第1の周動体および第2の周動体としてそれぞれ機能する。バリ取ロール82A,82Bのうち、下側に配置された下側バリ取ロール82Bは駆動ロールであり、バリ取駆動モータ801(図16参照)によって駆動されて回転する。上側に配置された上側バリ取ロール82Aは従動ロールであり、回転する下側バリ取ロール82Bに接触することで、下側バリ取ロール82Bとは用紙を挟む位置で同じ方向に回転駆動される。なお、図4には、用紙詰まりの際に用紙を取り除くとき、操作者に下側バリ取ロール82Bを手動で回転させるための握り821が示されている。
【0032】
一対の補助搬送ロール83A,83Bは、用紙を挟んで回転し用紙を搬送する部材である。バリ取ロール82A,82Bが、後述する互いに離間した状態となっても、補助搬送ロール83A,83Bによって用紙が搬送される。一対の補助搬送ロール83A,83Bのうち、下側に配置された下側補助搬送ロール83Bは駆動ロールであり、下側補助搬送ロール83Bと対向して配置された上側補助搬送ロール83Aは従動ロールである。下側補助搬送ロール83Bは、下側バリ取ロール82Bに結合した図示しない歯車を介し、バリ取駆動モータ801(図16参照)によって駆動される。
【0033】
上側バリ取ロール82Aには、下側バリ取ロール82Bに向かう荷重が付与されており、上側バリ取ロール82Aと下側バリ取ロール82Bとの間に用紙が挟み付けられることで用紙の端部に存在するバリのバリ高さが低くなる。
【0034】
図6は、用紙の端部を拡大して示す断面図である。
【0035】
用紙Pには、原紙から裁断される際、裁断により盛り上がったバリBが端部に形成される。バリBは通常、用紙の四辺それぞれの端部に形成される。バリを有する用紙が、二次転写器30および定着器40に供給されると、中間転写ベルト20や定着器40の定着ベルト410にバリが当たって傷が生じ、この傷に起因して画像欠陥が生じる。上側バリ取ロール82Aと下側バリ取ロール82Bとの間に用紙が挟まれると用紙のバリBは押しつぶされてバリ高さHが低くなる。またバリBの角が変形して平滑化される。バリ取装置80で上側バリ取ロール82Aと下側バリ取ロール82Bとの間を通過した用紙は、二次転写器30および定着器40に供給され、画像が形成される。バリ取装置80より下流側に配置された二次転写器30および定着器40に、バリ取装置80によってバリBが平滑化しバリ高さHが低くなった用紙が供給されることにより、傷の発生、および傷に起因する画像欠陥が低減される。
[ロール支持機構]
続いて、バリ取ロール82A,82Bを支持する機構について説明する。
【0036】
図7は、図4に示す装置本体部を別の角度から見た斜視図である。また、図8は、ロール支持機構の構造を説明する図である。
【0037】
下側バリ取ロール82Bの回転軸を支持する軸受け822Bは、フレーム81に固定されている。上側バリ取ロール82Aには、ロール支持機構86によって下側バリ取ロール82Bに対し荷重が付与されている。ロール支持機構86は、上側バリ取ロール82Aの回転軸を支持するロール支持アーム861と、ロール支持アーム861を押し付けるばね部材862と、ばね部材862を抑えるボルト863と、ロール支持アーム861を上下動させるカム864と、カム864を回転駆動するリトラクトモータ865(図8参照)とを備えている。ロール支持アーム861と、ばね部材862と、ボルト863と、カム864とは、装置本体80Aの幅方向Yでの両側に対となって設けられている。ロール支持アーム861は、上側バリ取ロール82Aを両側から支持している。
【0038】
ロール支持アーム861は、フレーム81に固定された回転軸861Pによって支持されており、回転軸861Pを中心としてフレーム81に対し回転自在となっている。上側バリ取ロール82Aの回転軸を支持する軸受け822Aは、ロール支持アーム861に固定されている。つまり、上側バリ取ロール82Aはロール支持アーム861に支持されている。
[荷重付与部]
ばね部材862は、フレーム81に取り付けられたボルト863の頭部とロール支持アーム861に設けられたピン861Bとの間に挟まれている。ばね部材862は圧縮ばねであり、ボルト863によって上方から押さえ付けられ、ピン861Bを介してロール支持アーム861を下向きに押し付けている。この押し付ける力によって、ロール支持アーム861に支持された上側バリ取ロール82Aには、下側バリ取ロール82Bに向かう下向きの荷重が付与される。
【0039】
ロール支持アーム861において、ばね部材862の荷重を受けるピン861Bの、回転軸861Pからの距離は、上側バリ取ロール82Aの、回転軸861Pからの距離よりも長い。より詳細には、回転軸861Pからピン861Bまでの距離は、回転軸861Pから上側バリ取ロール82Aまでの距離の約5倍となっている。このため、梃子の原理により、上側バリ取ロール82Aには、ばね部材862がロール支持アーム861を押す荷重に比べて大きな荷重が付与される。荷重の大きさは、ボルト863の締め付けによって調節されており、上側バリ取ロール82Aと下側バリ取ロール82Bとの間には、55kg重の荷重が付与されている。このとき、ばね部材862は、上側バリ取ロール82Aに付与される荷重よりも、回転軸861Pからの距離に応じた分の小さな荷重、より詳細には、上側バリ取ロール82Aに付与される荷重の約5分の1の荷重をピン861Bに付与している。このようにして、ロール支持アーム861、ばね部材862、ボルト863、およびピン861Bは、荷重付与部として機能し、上側バリ取ロール82Aに荷重を付与することで、上側バリ取ロール82Aおよび下側バリ取ロール82Bによって用紙を、その荷重で挟み付ける。なお、荷重を付与する手段としては、上側バリ取ロール82Aではなく下側バリ取ロール82Bに上向きの荷重を付与する構成や、双方のロールに荷重を付与する構成も採用され得る。また、荷重を付与する手段としては、ロール支持アームを用いずに、ロールの軸にばね等で直接に荷重を付与する構成も、ばね部材は大型化するものの、採用され得る。
[退避動作]
図8には、上側バリ取ロール82Aと下側バリ取ロール82Bとが用紙を挟み付ける挟み付け状態が示されている。この挟み付け状態からカム864が回転すると、上側バリ取ロール82Aが下側バリ取ロール82Bから退避(リトラクト)して離間状態となる。続いて、状態を遷移させる機構について説明する。
【0040】
ロール支持アーム861の、回転軸861Pとは反対側の端には、カムフォロア861Aが設けられており、カム864は、カムフォロア861Aを介してロール支持アーム861に接触している。カム864は、偏心カムであり、カム面のうち回転軸864Aから最遠の位置に切欠き864Bが設けられている。カム864は、制御部90(図1参照)の制御を受けたリトラクトモータ865によって駆動されて回転する。より詳細には、リトラクトモータ865は、カム864と共通の回転軸864Aを有する歯車866(図5参照)を駆動することで、カム864を駆動する。また、カム864の回転軸864Aには、カム864の変位に対応した半円形状の羽根部材867も取り付けられている。羽根部材867は、カム864に連動して回転することで、カム864の回転姿勢を表わす。センサ868は、羽根部材867の通過を検知し、制御部90(図1参照)に検知結果を表す信号を送信する。制御部90は、センサ868からの信号に基づいて、カム864を回転させ、予め定めた姿勢にする。
【0041】
図9は、ロール退避の動作を説明する図である。
【0042】
リトラクトモータ865がカム864を回転駆動すると、カム864は、ロール支持アーム861を、ばね部材862により付与される押し下げの荷重に抗して押し上げる。羽根部材867はカム864と連動して回転する。制御部90は、センサ868による羽根部材867の通過を検知した後、リトラクトモータ865によるカム864の回転を停止させる。この結果、カム864は半回転し、図9に示すように回転中心から最遠点の位置でカムフォロア861Aに接する。カムフォロア861Aが、カム864の回転中心から最遠点の位置に設けられた切欠き864Bに入り込むことで、カム864が最遠点でも安定した状態となる。このようにして、リトラクトモータ865、カム864、およびロール支持アーム861は切替部として機能し、上側バリ取ロール82Aと下側バリ取ロール82Bとを互いに離間させる離間状態と、上側バリ取ロール82Aを下側バリ取ロール82Bが前記記録媒体を挟み付ける挟み付け状態とを切り換える。カム864の回転によって、ロール支持アーム861が押し上げられながら回転軸861Pを中心として上向きに回転し、上側バリ取ロール82Aが下側バリ取ロール82Bから退避する。離間状態では、上側バリ取ロール82Aと下側バリ取ロール82Bとが互いに離間し、用紙に対する挟み付けが阻止される。上側バリ取ロール82Aおよび下側バリ取ロール82Bは、離間状態では、画像形成装置1が処理し得る最大の用紙厚みよりも十分に大きな間隔をおいて離れているため用紙を搬送しない。このとき用紙は、補助搬送ロール83A,83Bに搬送されて、上側バリ取ロール82Aと下側バリ取ロール82Bとの間を通過する。
【0043】
図9に示す離間状態から、リトラクトモータ865が制御部90に基づいてカム864をさらに半回転させると、カム864は、回転中心から最近点の位置でカムフォロア861Aに接する。この結果、上側バリ取ロール82Aと下側バリ取ロール82Bとが用紙を挟み付ける挟み付け状態(図8参照)となる。なお、図8に示す挟み付け状態では、カム864とカムフォロア861Aが離れていてもよい。
【0044】
図8に示した挟み付け状態と、図9に示した離間状態との間の状態の遷移は、制御部90(図1参照)によって制御されている。制御部90は、図示しないメモリに記憶されたプログラムをプロセッサで実行することでリトラクトモータ865の動作を制御する。制御部90は、操作者の入力操作や、画像形成装置1外部から供給されるデータに基づいて記録媒体の種類を取得し、また、画像形成装置1の各部における記録媒体の処理状態を取得し、挟み付け状態および離間状態を決定する。このようにして、上側バリ取ロール82Aと下側バリ取ロール82Bの状態が、これら上側バリ取ロール82Aと下側バリ取ロール82B間を通過する記録媒体の種類により切り替わる。なお、制御部90は、画像形成装置1の全体を制御するものであるが、バリ取装置80専用に独立して設けられたものであってもよい。
【0045】
本実施形態のバリ取装置80では、記録媒体が用紙すなわち紙の媒体であって、予め定めた坪量よりも小さな坪量を有する場合には、上側バリ取ロール82Aと下側バリ取ロール82Bとが離間状態となる。より詳細には、坪量が157gsm以上の場合には、上側バリ取ロール82Aおよび下側バリ取ロール82Bが挟み付け状態となり、坪量が157gsmよりも小さい場合には離間状態となる。ここで、157gsmの坪量は、一般的な用紙における約150μmの厚みに相当する。坪量が157gsm未満の用紙は、上側バリ取ロール82Aと下側バリ取ロール82Bとによって挟みつけられることで、しわが生じる場合がある。この、坪量が157gsm未満の用紙は、一方で、坪量が157gsm以上の用紙に比べて柔らかいため、中間転写ベルト20や定着ベルト410(図1参照)といった、バリ取装置80の下流に配置された部材に傷をつける程度が低い。したがって、坪量が157gsm未満の用紙に対しては、上側バリ取ロール82Aおよび下側バリ取ロール82Bは離間状態となり、挟み付けが阻止される。
【0046】
また、通過する記録媒体が紙の媒体であって幅方向Y(図2)における幅が320mm未満の場合、または、記録媒体が、例えばOHPシートおよび樹脂フィルムといった樹脂材料の媒体の場合には、幅が320mm以上の用紙に比べ、しわを生じる可能性が低いので、バリ取装置80は、上側バリ取ロール82Aおよび下側バリ取ロール82Bを挟み付け状態とし、下流に配置された部材の傷を低減させる。
【0047】
また、図1に示す画像形成装置1において、用紙の両面に画像を形成する場合、表裏面のうち一方に画像が形成された用紙は、表裏反転経路R2に沿って搬送され、表裏反転された状態で、バリ取装置80を経由した後、反対面に画像が形成される。この場合、表裏面のうちの一方に画像がすでに形成された用紙が上側バリ取ロール82Aと下側バリ取ロール82Bとに押し付けられることによって、用紙上の画像が乱れることを回避するため、上側バリ取ロール82Aと下側バリ取ロール82Bとは、用紙の種類に拘わらず離間状態となる。
[バリ取ロール]
ここで、上側バリ取ロール82Aと下側バリ取ロール82Bについて説明する。
【0048】
図10は、上側バリ取ロールと下側バリ取ロールを示す図である。図10には、バリ取装置80に設置された姿勢での上側バリ取ロール82Aと下側バリ取ロール82Bを、搬送方向Xに見た図が示されている。また、図10には、装置本体80A(図3参照)が支持部80Bに装着された状態で下側バリ取ロール82Bを駆動するバリ取駆動モータ801および歯車803も示されている。
【0049】
上側バリ取ロール82Aおよび下側バリ取ロール82Bは、用紙に接触する周面を有するロール本体部823A,823Bと回転軸824A,824Bとをそれぞれ備えている。回転軸824A,824Bは、ロール本体部823A,823Bの両側に固定されるとともに、軸受け822A,822Bに支持されており、ロール本体部823A,823Bの周面は、ロール本体部823A,823Bの回転によって周回移動する。
【0050】
ロール本体部823A,823Bのそれぞれは、用紙よりも堅い金属材料で形成された、直径35mmの中空円筒である。より詳細には、ロール本体部823A,823Bのそれぞれはステンレス製であり、表面が窒化処理されている。さらに詳細には、ロール本体部823A,823Bのそれぞれは、表面が軟窒化処理されている。ロール本体部823A,823Bのそれぞれは、周面の周回移動の方向Rと直交する方向、すなわち本実施形態における幅方向Yの長さが、上側バリ取ロール82Aおよび下側バリ取ロール82Bの間を搬送される用紙の幅方向Yの長さよりも長い。
【0051】
ロール本体部823A,823Bのそれぞれは、窒化処理によって表面がより堅くなっている。このため、ロール本体部823A,823Bは、用紙を挟み付ける場合に周面が変形し難く、バリに対してより高い圧を加える。したがって、窒化処理されていない場合と比べ、用紙のバリ高さがより低減する。
[帯部材]
上側バリ取ロール82Aおよび下側バリ取ロール82Bのうち、上側バリ取ロール82Aには、ロール本体部823Aの周面における、用紙に接触する領域Dを外れた箇所に帯部材825が設けられている。帯部材825は、画像形成装置が処理可能な最大の大きさの用紙が上側バリ取ロール82Aおよび下側バリ取ロール82Bの間を通過するときにこの最大の大きさの用紙が接触する領域Dを外れた両側で、ロール本体部823Aの周面を取り巻いている。なお、図10では、帯部材825を説明するため、帯部材825の厚みを極端に拡張して図示している。
【0052】
帯部材825は、ロール本体部823Aよりも柔らかく、また、バリ取装置80がバリ取りの対象とする用紙のうち最小の厚み(150μm)を有する用紙よりも薄い。より詳細には、帯部材825は、コピー用紙として普及している普通紙の厚み(約100μm)よりも薄い。
【0053】
帯部材825は、ロール本体部823Aの周面を1重に取り巻いた有端のテープである。帯部材825の両端は、周回方向Rに対して非直交の境界を挟んで近接している。より詳細には、帯部材825の両端は、周回方向Rに対して45°の角度をなして延びている。
【0054】
図11は、帯部材を示す図である。図11には、上側バリ取ロール82Aに取り付けられる前の状態の帯部材が示されており、図11のパート(A)は平面図であり、パート(B)は側面図である。
【0055】
帯部材825は、樹脂材料からなる基層8251と、基層を周面に接着する接着層8252とを有している。基層8251は、より詳細には厚さ50μmのポリイミド製のテープであり、接着層8252は厚さ30μmの接着剤である。したがって、帯部材825全体の厚みは80μmである。なお、基層の材料としては、ロール本体部823Aよりも柔らかい、ポリウレタン、ポリカーボネートも採用可能である。ただし、ポリイミド製の基材は、動作音の低減性に加え、他の樹脂材料に比べ摩擦耐久性が高い。また、ポリイミド製の基材の厚さを50μmとすることで、厚さを50μmより厚くした場合に比べ、ロールに巻き付けたときの、基材の硬さおよび弾性に起因する端の剥がれが回避される。
【0056】
上側バリ取ロール82Aのロール本体部823Aと、下側バリ取ロール82Bのロール本体部823Bは、上述した挟み付け状態で、間に用紙が挟み付けられていない場合には、帯部材825を挟んでおり、直接には接触しない。バリ取装置80が用紙のバリ取動作を実行する際には、上側バリ取ロール82Aおよび下側バリ取ロール82Bが用紙を間に挟むことによって、それぞれの周面の間隔が用紙の厚みに応じて広がる。用紙の後端が上側バリ取ロール82Aおよび下側バリ取ロール82Bの間を通過すると、上側バリ取ロール82Aは、ばね部材862(図8参照)による荷重によって、下側バリ取ロール82Bの方に戻る。このとき、衝突による衝撃が生じるが、仮に、ロール本体部823Aおよびロール本体部823Bの硬い周面どうしが衝突した場合には、大きな衝撃が生じ、また衝撃音も騒音となる。また、衝撃が画像形成装置の、画像形成部10A,10B,10C,10D,10E,10Fや二次転写器30に伝播すると、画像の乱れの原因ともなる。
【0057】
帯部材825を有する場合には、用紙の後端が上側バリ取ロール82Aおよび下側バリ取ロール82Bの間を通過すると、下側バリ取ロール82Bのロール本体部823Bは、上側バリ取ロール82Aのロール本体部823Aの帯部材825に当たる。上側バリ取ロール82Aおよび下側バリ取ロール82Bよりも柔らかい帯部材825によって衝撃が吸収される。
【0058】
帯部材825は、最大の厚みを有する用紙よりも薄い。したがって、用紙が間を通過する場合には、上側バリ取ロール82Aおよび下側バリ取ロール82Bが、帯部材825に拘わらず、付与された荷重で用紙を間に挟むので、バリの矯正が支障なく実行される。
【0059】
通過する用紙が無い状態では、上側バリ取ロール82Aは、下側バリ取ロール82Bのロール本体部823Bに帯部材825を接触させながら回転するが、帯部材825の両端は、周回方向Rに対して非直交の境界を挟んで近接しているため、下側バリ取ロール82Bのロール本体部823Bが帯部材825の上を一方の端から他方の端へと滑らかに転がる。したがって、記録媒体が無い状態での下側バリ取ロール82Bの回転に伴う振動が、例えば、両端が周回方向Rに対して直交した場合に比べ、低減される。
[用紙案内部]
続いて、用紙案内部84,85について説明する。
【0060】
図12は、装置本体における、案内部材、バリ取ロールおよび補助搬送ロールの位置を示す平面図である。図12には、用紙案内部84,85、上側バリ取ロール82Aおよび上側補助搬送ロール83Aのみが示されている。
【0061】
用紙案内部84,85は、上側バリ取ロール82Aの搬送方向Xにおける上流側と下流側にそれぞれ配置されている。上流側に配置された用紙案内部84と下流側に配置された用紙案内部85とは、搬送方向Xでの長さを除き同様の構造を有しており、一対の板状部材841,842と、板状部材841,842の間に挟まれた突き出し部材843,844とを備えている。
【0062】
図13は、案内部材を示す斜視図である。図13には、2つの用紙案内部84,85のうち搬送方向Xの下流側に配置された用紙案内部85が示されている。
【0063】
用紙案内部85は、一対の板状部材851,852と、板状部材851,852の間に挟まれた突き出し部材853,854とを備えている。
【0064】
板状部材851,852のそれぞれは、上側バリ取ロール82Aと下側バリ取ロール82Bとの間を通過する用紙の表裏面に沿って広がった板状であり、一対の板状部材851,852は、用紙が通過する経路Dを、用紙の表裏面に交わる上下方向Zで挟んで設けられている。突き出し部材853,854は、板状部材851,852の幅方向Yの両端で、板状部材851,852の相互間を埋めている板状の部材であり、一対の板状部材851,852を均等な間隔に保っている。
【0065】
図12に戻って説明を続けると、用紙は、通過経路Dに沿って、用紙案内部84に案内されて進み、1対の補助搬送ロール83A,83Bの間を通過し、1対のバリ取ロール82A,82Bの間を通過し、そして、用紙案内部85に案内されて排出される。
【0066】
ここで、用紙案内部85に備えられた一対の突き出し部材853,854は、一対の帯部材825に対し、用紙の通過方向である搬送方向Xにそれぞれ並んでおり、かつ、通過経路Dに対して、一対の帯部材825よりも突き出した位置に配置されている。また、突き出し部材853,854のそれぞれは、搬送方向Xの下流側の端が、搬送方向Xでの上流側の端よりも通過経路Dに近い位置に突き出している。このため、通過経路Dを外れて進入してきた用紙の位置が通過経路Dに向かって修正される。
【0067】
例えば、バリ取装置80内で詰まった用紙を取り除く場合、操作者は、詰まった用紙のうちバリ取装置80から食み出した部分をつかんで引き出すことがあるが、用紙は搬送方向Xに引き出されるとは限らず、操作者の側に引かれるように、搬送方向Xに対し斜めに引き出される場合がある。この場合、用紙は、帯部材825よりも突き出した突き出し部材853,854に当たり、帯部材825との接触が回避される。また、バリ取装置80が通常に動作している場合であっても、用紙が搬送方向Xに対し傾いた姿勢でバリ取装置80に供給されて来るときに、用紙は、帯部材825よりも突き出した突き出し部材853,854に当たり、帯部材825との接触が回避される。したがって、バリ取ロール82A,82Bよりも柔らかい帯部材825が、用紙と接触して傷付いたり、破損したりする事態が回避される。
[支持部]
続いて、装置本体80Aを支持する支持部80Bについて説明する。
【0068】
図14は、図2に示す支持部の分解斜視図である。
【0069】
支持部80Bは、固定部87と、固定部87に取り付けられた緩衝部材88と、緩衝部材88に取り付けられたレール部材89とを有している。
【0070】
固定部87は、画像形成装置1の支持枠Fに固定される。より詳細には、幅方向Yに延びた固定部87の両端に設けられた固定片871,872が支持枠Fにねじ止めされることで、固定部87が支持枠Fに固定される。
【0071】
緩衝部材88は、固定部87上の4箇所に分散して4つ配置されている。緩衝部材88のそれぞれは、ウレタン樹脂製の緩衝材881の上下に、この緩衝材をねじ止め固定するための1対の固定板882,883が接着された構造を有している。緩衝材881は、15mmの高さを有している。図14では、図の見易さのため、881〜883の符号を、4つの緩衝部材88のうちの1つに付している。
【0072】
レール部材89は、緩衝部材88に取り付けられる部材であり、レール部材89は、緩衝部材88の上に載った状態で各緩衝部材88の固定板883にねじ止めされる。レール部材89には、幅方向Yに延びたレール891が設けられている。レール部材89には、1対のレール891が搬送方向Xの両側に設けられているが、図14では、これらレール891のうち1つが示されている。
【0073】
図15は、組立てられた状態の支持部を示す斜視図である。また、図16は、組立てられた状態の支持部を別の方向から見た斜視図である。図16は、図15に示す支持部に対し、さらに、バリ取駆動モータと歯車も取り付けられた状態が示されている。
【0074】
図14に示す、固定部87に取り付けられた緩衝部材88の上にレール部材89が載せられ取り付けられることで、図15に示す支持部80Bが組立てられる。また、図15に示す支持部80Bのレール部材89に対し、モータユニット80Cが取り付けられることで、図16に示す状態となる。図16に示すモータユニット80Cは、バリ取駆動モータ801と、バリ取駆動モータ801をレール部材89に固定するための固定フレーム802、バリ取駆動モータ801の駆動力を、下側バリ取ロール82Bに伝達する歯車803とを備えている。モータユニット80Cは、固定フレーム802を介して支持部80Bのレール部材89に固定されている。支持部80Bのレール部材89には、レール部材89に対して装置本体80A(図4参照)を位置決めするための位置決め部892が設けられている。位置決め部892は、より詳細には、レール部材89に形成された孔である。
【0075】
図16に示す支持部80Bは、固定部87の固定片871,872が支持枠Fにねじ止めされることで、画像形成装置1内に取り付けられる。
【0076】
操作者が、支持部80Bに対し、装置本体80Aを装着するには、装置本体80Aのフレーム81の上部に設けられた一対のレール811(図4参照)の端を、支持部80Bの一対のレール891の端にそれぞれ載せる。その後、操作者が、図3に示すように、装置本体80Aを押し込んで装着する。モータユニット80Cの歯車803が、下側バリ取ロール82Bと接続される。
【0077】
装置本体80Aのフレーム81には、幅方向Yに突出した突起812(図3)が設けられており、装置本体80Aが装着される際に、突起812が、レール部材89に設けられた位置決め部892に嵌り合うことでレール部材89に対して装置本体80Aが位置決めされる。
【0078】
ロール本体部823Aおよびロール本体部823Bが挟み付け状態の場合に生じる衝撃は、すでに説明したように、ロール本体部823Aの帯部材825によって吸収され低減される。しかし、吸収しきれず残留した衝撃や、この衝撃以外の装置本体80Aの動作による振動が画像形成部10A,10B,10C,10D,10E,10Fや二次転写器30に伝播すると、画像の乱れの原因ともなる。支持部80Bは内部に組み込まれた緩衝機構によって衝撃や振動の伝搬を緩めている。なお、以下の説明では、特に断らない限り、振動も衝撃に含めて説明するものとする。
【0079】
図17は、支持部による装置本体部の支持構造を説明する断面図である。
【0080】
図17に示すように、装置本体80Aが支持部80Bに装着された状態では、画像形成装置1の支持枠F(図16参照)に固定された固定部87の上に、緩衝部材88が載っており、緩衝部材88の上にはレール部材89が載っている。さらに、レール部材89のレール891には、装置本体80Aのレール811が載っている。仮に、レール部材が固定部の下に緩衝部材を介して吊り下げられた構造の場合には、装置本体の重量による引っ張り力で緩衝部材が破断したり、接着部分が剥がれる可能性がある。図17に示す構造では、レール部材が固定部の下に緩衝部材を介して吊り下げられた構造に比べ、装置本体80Aの支持構造が強化されている。また、すでに説明したように、装置本体80Aは、突起812(図3参照)および位置決め部892(図16)によってレール部材89に対し位置決めされており、モータユニット80Cも支持部80Bに固定されている。
【0081】
装置本体80Aにおいて生じる衝撃の、レール部材89から固定部87への伝搬は、緩衝部材88によって低減される。したがって、装置本体80Aから、画像形成部10A,10B,10C,10D,10E,10Fや二次転写器30に伝搬する衝撃が低減される。この結果、用紙に形成される画像の衝撃に起因する乱れが低減される。なお、緩衝材881はウレタン樹脂製であると説明したが、緩衝材として、ウレタン樹脂以外にゴムやばねも採用し得る。
[実施例]
上述した実施形態に基づく実施例の画像形成装置を作成し、特性を測定した。
[バリ高さの測定]
バリ取装置に用紙を通過させ、通過前の用紙のバリのバリ高さH(図6)と通過後の用紙のバリのバリ高さHを測定した。
【0082】
図18は、バリ取装置による、用紙の処理前と処理後のバリ高さを示すグラフである。
【0083】
グラフに示すように、バリ取り処理後のバリ高さはバリ取り処理前に比べて低下した。
[後段の部材における傷の評価]
次に、バリ取装置によるバリ取り処理を実施した場合と、バリ取り処理を実施しなかった場合について、バリ取装置の下流に設けられた定着器40(図1参照)の定着ベルト410に生じた傷の量を調査した。ベルトに生じた傷の量は、目視により0(傷が認められない程度)から5まで、0.5段階刻みに評価した。
【0084】
図19は、画像形成装置において、定着器のベルトに生じる傷の量を表わすグラフである。グラフの横軸は、画像形成装置が処理した用紙の枚数であり、数字は1000枚(kPV)を示す。
【0085】
図19に示すように、バリ取り処理を実施しなかった場合(バリ取り無し)、5000枚を処理した段階で、定着器のベルトに生じる傷の量を表わすグレードが2に増加し、10000枚を処理した段階で、グレードが4に増加した。一方、バリ取り処理を実施した場合(バリ取りあり)、40000枚処理した時点でもグレードは2に達しなかった。
[帯部材の各条件における騒音の測定]
次に、上側バリ取ロール82Aに設けられた帯部材825の、動作音に対する影響と、帯部材の耐久性を調べた。
【0086】
上述した実施形態に基づく実施例1の画像形成装置について、バリ取動作時の定常音を測定した。なお、実施例1における帯部材は、ポリイミドからなる厚さが50μmの基層と厚さ30μmの接着層からなる。また、別の材料として、厚さが同一で、基層がポリウレタン製である実施例2を作成した。また、基層がポリイミドであるが、厚さが70μmである実施例3を作成した。さらに、実施例3と厚さが同一で基層がポリカーボネート製である実施例4とを作成した。実施例3および4では、帯部材の高さを対象となる記録媒体の厚さよりも薄くするため、接着層の厚さは10μmとした。またさらに、帯部材(テープ)無しの比較例を作成した。これら実施例1〜4および比較例を作動させ、定常音を測定した。
【0087】
図20は、帯部材の各条件における動作音を示すグラフである。
【0088】
グラフに示されるように、帯部材のない比較例に比べ、帯部材を有する実施例1〜4は、定常音のレベルが低下した。
[帯部材の耐久性試験]
ここで、上記実施例1〜4における帯部材について耐久性を試験した。耐久性として、帯部材の接着力と、耐磨耗性について測定した。
【0089】
粘着力の測定は、実施例1〜4について、帯部材を上側バリ取ロールに接着した後、24時間放置し、90°ピール法にて帯部材を剥がす際の力を接着力として測定した。接着力の測定結果は、次に示す通りであった。
【0090】
実施例1(ポリイミド50μm) :300g重
実施例2(ポリウレタン50μm) :330g重
実施例3(ポリイミド70μm) :100g重
実施例4(ポリカーボネート70μm):150g重
また、実施例3について、帯部材を上側バリ取ロールに接着した後、24時間放置した際に、端部のロールからの剥がれが認められた。
【0091】
耐磨耗性の測定では、摩擦に対する負荷試験を行った。すなわち、実施例1〜4のバリ取装置80について、帯部材が設けられた上側バリ取ロールを回転しないよう強制し、上側バリ取ロールに55kg重の荷重を付与した。この状態で、下側バリ取ロールを回転駆動すると、下側バリ取ロールが帯部材の一箇所に摺れながら回転する。
【0092】
この結果、実施例2(ポリウレタン50μm)では、下側バリ取ロールの回転開始から60min後に帯部材の基材が破損し、実施例4(ポリカーボネート70μm)では、50min後に帯部材の基材が破損した。実施例1(ポリイミド50μm)および実施例3(ポリイミド70μm)では、下側バリ取ロールの回転開始から12時間経過しても破損は認められなかった。
[衝撃の伝搬特性]
次に、緩衝部材88の有無による、装置本体80Aから画像形成装置1の支持枠Fへの衝撃の伝搬特性を測定した。
【0093】
実施例1の画像形成装置において、バリ取装置のフレーム81(図4参照)と、画像形成装置1の支持枠F(図16参照)との双方に、振動を検知するセンサを取り付け、バリ取装置のフレーム81に衝撃を与えて、双方のセンサによって検知された、衝撃による振動の振幅の比を伝達関数のゲインとして測定した。また、緩衝部材88を用いずに、レール部材89を固定部87に直接に固定した比較例についても振動の比を測定した。
【0094】
図21は、実施例1の画像形成装置における、バリ取装置のフレームの振動と画像形成装置の支持枠の振動との比を示すグラフである。また、図22は、比較例における、装置本体部のフレームの振動と画像形成装置の支持枠の振動との比を示すグラフである。図21および図22のグラフの横軸は振動の周波数(成分)を表わし、縦軸は、装置本体部のフレームの振動に対する画像形成装置の支持枠の振動の比(ゲイン)を表わす。
【0095】
図21のグラフに示す実施例1の画像形成装置に振動の比(ゲイン)は、グラフに示すいずれの周波数においても、図22のグラフに示す比較例の振動の比よりも減少している。また、実施例1における振動の比は、グラフに示すいずれの周波数においても、1より小さい。緩衝部材88を備えることで、バリ取装置本体からの画像形成装置の支持枠への衝撃の伝搬が緩められていることが確認された。
【0096】
なお、上述した実施形態では、画像形成装置の例としてタンデム型のカラープリンタを示したが、画像形成装置はこれに限られず、例えば、中間転写ベルトを有しないモノクロ専用プリンタであってもよい。
【0097】
また、上述した実施形態では、画像形成装置の例としてプリンタを示したが、画像形成装置はプリンタに限られず、例えば、複写機やファクシミリであってもよい。
【0098】
また、上述した実施形態では、画像形成部の例として帯電器と露光器と現像器との組合せを示したが、画像形成部はこれに限られず、例えば、像保持体上の画像に対応する位置を狙ってトナーを直接に付着させるものであってもよい。
【符号の説明】
【0099】
1 画像形成装置
10A,10B,10C,10D,10E,10F 画像形成部
20 中間転写ベルト
30 二次転写器
40 定着器
80 バリ取装置
80A 装置本体
80B 支持部
80C モータユニット
81 フレーム
811 レール
812 突起
82A 上側バリ取ロール
82B 下側バリ取ロール
84,85 用紙案内部
86 ロール支持機構
87 固定部
88 緩衝部材
89 レール部材
90 制御部
825 帯部材
843,844,853,854 突き出し部材部材
861 ロール支持アーム
864 カム
865 リトラクトモータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に画像が形成される記録媒体よりも堅い周面を有する、該周面が周回移動する、その周回移動の方向と直交する方向における該周面の長さが該記録媒体表面の第1方向の長さよりも長い第1の周動体と、
前記記録媒体よりも堅い周面を有する、該周面が周回移動する、その周回移動の方向と直交する方向における該周面の長さが該記録媒体表面の前記第1方向の長さよりも長い、該周面と前記第1の周動体の周面との間を該記録媒体が該第1方向に交わる第2方向へと通過する第2の周動体と、
前記第1の周動体および前記第2の周動体の少なくとも一方に荷重を付与することでそれら第1の周動体および第2の周動体によって前記記録媒体をその荷重で挟み付ける荷重付与部と、
前記第1の周動体および前記第2の周動体の少なくとも一方の周面における、前記記録媒体の通過時に該記録媒体に接触する領域を外れた箇所で該周面を取り巻いた、該周面よりも軟らかい、該記録媒体よりも薄い帯部材と、
前記帯部材に対して前記記録媒体の通過方向に並んだ、該記録媒体の通過経路に対して該帯部材よりも突き出した突き出し部材とを備えたことを特徴とする媒体挟み付け装置。
【請求項2】
前記第1の周動体と前記第2の周動体との間を通過する記録媒体の表裏面に沿って広がる、該記録媒体が通過する経路を該記録媒体の表裏面に交わる方向で挟んで1対が設けられた板状部材であって、その1対の相互間の隙間を前記突き出し部材が埋めている板状部材を備えたことを特徴とする請求項1記載の媒体挟み付け装置。
【請求項3】
前記突き出し部材が、前記記録媒体の通過経路に沿って延びた、前記通過方向での下流側の端が、該通過方向での上流側の端よりも該通過経路に近い位置に突き出しているものであることを特徴とする請求項1または2記載の媒体挟み付け装置。
【請求項4】
表面に画像が形成される記録媒体よりも堅い周面を有する、該周面が周回移動する、その周回移動の方向と直交する方向における該周面の長さが該記録媒体表面の第1方向の長さよりも長い第1の周動体と、
前記記録媒体よりも堅い周面を有する、該周面が周回移動する、その周回移動の方向と直交する方向における該周面の長さが該記録媒体表面の前記第1方向の長さよりも長い、該周面と前記第1の周動体の周面との間を該記録媒体が該第1方向に交わる第2方向へと通過する第2の周動体と、
前記第1の周動体および前記第2の周動体の少なくとも一方に荷重を付与することでそれら第1の周動体および第2の周動体によって前記記録媒体をその荷重で挟み付ける荷重付与部と、
前記第1の周動体および前記第2の周動体の少なくとも一方の周面における、前記記録媒体の通過時に該記録媒体に接触する領域を外れた箇所で該周面を取り巻いた、該周面よりも軟らかい、該記録媒体よりも薄い帯部材と、
前記帯部材に対して前記記録媒体の通過方向に並んだ、該記録媒体の通過経路に対して該帯部材よりも突き出した突き出し部材と、
前記第1の周動体の周面と前記第2の周動体の周面との間を通過した記録媒体の表面に画像を形成する画像形成部とを備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−121703(P2011−121703A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−280535(P2009−280535)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】