説明

子動物用給餌装置

【課題】
離乳直後から一定期間において、子ペット、子豚等の複数の子動物が、食欲又は大きさ等とは無関係に他のものから全く干渉されずに、しかも給餌空間が自身の大きさに応じて自動的に決められる子動物用給餌装置の提供である。
【解決手段】
離乳直後から一定期間内の子ペット、子豚等の複数の子動物に対して同時に給餌可能な子動物用給餌装置であって、直方体箱の一側面が開口されて出入口1となった形状の装置本体Aと、当該装置本体Aの両横側壁2と奥側壁3とで構成される空間Vに、前記奥側壁3に平行な方向にスライド可能に配置されて、前記空間Vを前記奥側壁3と平行な方向に沿って複数に仕切るための横断面L字形のブックエンド状の複数の仕切板S1 とで構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、離乳直後から一定期間内において、犬、ネコ等のペット類の子供、子豚等の複数の子動物の大きさ、食欲等とは無関係に、同じ条件で餌を食べられるようにして、成長差を抑制できる子動物用給餌装置に関するものである。なお、本明細書において、「子動物」とは、出生後、離乳食の摂取を経て、一般の餌が食べられるまでの間の動物の子供のことである。
【背景技術】
【0002】
家庭で飼われる犬、ネコ等のペット類は、通常複数の子供を生んで、生後約3週間で離乳食を食べるようになる。ペット類の子供(以下、「子ペット」という)は、生れながらにして、大きさ、食欲、餌を食べる速さ、元気の程度等において差がある。このため、複数の子ペットが自由に餌を食べられる場合には、体格が小さかったり、虚弱で食が細かったり、餌をゆっくり食べるものは、体格が大きくて元気なものに餌を横取りされて、発育差が更に大きくなってしまう。即ち、離乳後の一定期間は、最も成長差のつき易い期間であって、この期間の餌の摂取量が将来の成長に大きく影響する。
【0003】
このため、複数の子ペットが、他のものに影響されないで、餌を食べられる給餌装置が考え出されている。例えば特許文献1に開示の装置は、給餌のみならず、飼育自体を分離した飼育室で一匹ずつおこない、各飼育室に、それぞれ給餌ホッパーが設けられた構成である。
【0004】
特許文献1のように、飼育室そのものを分離すれば、当然に給餌器も分離されて配置されることになるが、家庭でペット類を飼う場合には、給餌の際のみに、複数の子ペットに対して互いに干渉されることなく、給餌できる装置が必要となる。一度に多頭出産を行う豚の子供に関しても、同様のことが言える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平5−91311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、離乳直後から一定期間において、子ペット、子豚等の複数の子動物が、大きさ、食欲の程度等とは無関係に他のものから全く干渉されずに、しかも給餌空間が自身の大きさに応じて自動的に決められる子動物用給餌装置の提供を課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための請求項1の発明は、離乳直後から一定期間内のペット類の子供、子豚等の複数の子動物に対して同時に給餌可能な給餌装置であって、直方体箱の一側面が開口されて出入口となった形状の装置本体と、当該装置本体の両横側壁と奥側壁とで構成される空間に、前記奥側壁に平行な方向にスライド可能に配置されて、前記空間を前記奥側壁と平行な方向に沿って複数に仕切るための横断面L字形をしたブックエンド状の複数の仕切板とから成ることを特徴としている。
【0008】
請求項1の発明によれば、装置本体の空間内に、同時飼育している子ペット、子豚等の子動物の数、及び大きさに対応した個数のブックエンド状の仕切板を、奥側壁と平行な方向に沿ってスライド可能に配置しておく。装置本体に対する仕切板の配置は、当該仕切板を構成する起立板部が、装置本体の奥側壁に対して垂直となるように配置する。これにより、装置本体の空間は、複数の仕切板により奥側壁と平行な方向に沿って(仕切板の数+1)に分割されて仕切られ、各仕切空間における奥側壁に近接した部分には、それぞれ餌容器が配置される。
【0009】
そして、各仕切空間の出入口から個々の子動物が当該仕切空間に入り込むと、ブックエンド状の仕切板は、横方向(奥側壁と平行な方向)にスライド可能であるので、仕切空間の幅が子動物に対して小さい場合には、当該仕切空間に子動物が入り込むことにより、少なくとも一方の仕切板に子動物の体が当たることにより押し拡げられて、仕切空間は特定の子動物に必要な幅が自動的に確保される。一方、仕切空間の幅が特定の子動物に対して広過ぎる場合には、残りの仕切空間のいずれかは、他の子動物に対して狭くなっているので、上記のようにして、幅の狭い仕切空間を構成する仕切板が、後に入り込む別の子動物により横方向にスライドして拡げられることにより、結果として、広い仕切空間の幅が狭められて、個々の子動物に対応した幅が確保される。そして、複数の子動物の大きさが異なる場合には、各子動物の大きさに応じた幅の仕切空間が形成される。
【0010】
一方、仕切板はブックエンド状になっていて、その水平板部は、子動物の少なくとも片側の足で踏み付けられた姿勢で餌を食べるので、子動物の体重によって仕切板の配置位置が安定して定めれる。このようにして、仕切空間の幅は、個々の子動物の大きさにより自動的に定められるので、仕切空間に子動物が入り込んでいる状態では、他の子動物は、当該仕切空間に入り込むことはできなくなって、例えば、体格が小さかったり、虚弱な子動物が、体格が大きくて食欲の旺盛な別の子動物により餌を横取りされるのが防止される。更に、成長により、仕切空間を大きくする必要が生じた場合には、装置本体に対して使用する仕切板の数を減ずるのみでよい。このように、請求項1の発明によれば、離乳後の一定期間の最も成長差の生じやすい時期において、複数の子動物に対して餌を摂取する機会を均等に与えることができるので、同時に生れた複数の子ペットの成長差を最少限に喰い止めることが可能となる。なお、給餌装置を構成する装置本体と複数の仕切板とが完全分離状態で使用されるため、装置本体及び複数の仕切板の洗浄が容易である。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記装置本体の底板の上面における出入口開口の部分には、前記空間を仕切る複数の仕切板が前記出入口から脱出するのを防止する突起体が前記奥側壁と平行に設けられていることを特徴としている。
【0012】
請求項2の発明によれば、装置本体の空間に配置された仕切板を横方向にスライドさせる場合において、装置本体の底板の上面における出入口の部分に横方向に設けられた脱出防止突起体は、仕切板が前記空間から脱出するのを防止して、子動物が餌を食べている最中においても、仕切板により仕切られた仕切空間が確保されると共に、仕切板を横方向にスライドさせる場合の案内体としても機能する。
【0013】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記装置本体の底板の上面には、前記奥側壁との間に餌容器の配置が可能な間隔を有してスライドガイド板が前記奥側壁と平行に固定配置され、前記各仕切板を構成する水平板部及び起立板部には、前記スライドガイド板を嵌込み可能な嵌込み溝が形成され、複数の仕切板は、前記スライドガイド板に沿ってスライド可能であることを特徴としている。
【0014】
請求項3の発明によれば、スライドガイド板の存在により、仕切板の横方向へのスライドが容易になるのに加えて、当該仕切板の起立姿勢が安定すると共に、当該仕切板が装置本体の空間から脱出しなくなる。更に、装置本体の奥壁板とスライドガイド板との間に配置される餌容器は、当該配置位置に定置されて、装置本体の出入口の側に移動しなくなる。
【0015】
また、請求項4の発明は、請求項1又は2の発明において、前記装置本体の底板の上方には、前記奥側壁との間に餌容器の配置が可能な間隔を有してスライドガイドバーが前記奥側壁と平行に配置され、前記各仕切板を構成する起立板部には、前記スライドガイドバーを嵌込み可能なバー挿通孔が形成され、複数の仕切板は、前記スライドガイドバーに沿ってスライド可能であることを特徴としていて、請求項4の発明のスライドガイドバーは、請求項3の発明のスライドガイド板と同等の機能を果す。
【0016】
また、請求項5の発明は、請求項3の発明において、前記スライドガイド板の高さは、動物の離乳直後の最も小さな時に、餌容器内の餌を食べるのに障害とならない高さであることを特徴としているため、離乳直後からの給餌が可能となる。
【0017】
また、請求項6の発明は、請求項4の発明において、前記スライドガイドバーの装置本体の底板からの高さは、動物の離乳直後の最も小さな時に、餌容器内の餌を食べるのに障害とならない高さであることを特徴としているため、離乳直後からの給餌が可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る子動物用給餌装置は、直方体箱の一側面が開口されて出入口となった装置本体の空間が複数のブックエンド状の仕切板で仕切られた構成であって、当該仕切板は、子動物の大きさに応じて横方向に自在にスライドして、最適な幅の仕切空間を形成すると共に、仕切空間に子ペットが入り込んで餌を食べたり、寝ている状態では、ブックエンド状の仕切板の水平板部に、子動物の体重の一部が作用して、当該ブックエンド状の仕切板が最適な位置で定置された状態となるため、子動物の大きさに応じた幅の最適な仕切空間が自動的に形成される。そして、仕切空間に子動物が入り込んでいる状態では、当該仕切空間に別の子動物は入り込めなくて、小さくて虚弱な子ペットであっても、大きくて食欲の旺盛な子動物に餌を横取りされないため、離乳直後から一定期間内の最も成長差の最も生じやすい時期において、その成長差が最少に抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】給餌装置F1 の斜視図である。
【図2】同じく給餌状態の平面図である。
【図3】図2のX−X線断面図である。
【図4】図2のY1 −Y1 線断面図である。
【図5】子ペットPの大きさに応じて仕切板S1 が横方向Qにスライドされる状態を示す平面図である。
【図6】子ペットPにより仕切板S1 が横方向Qにスライドされて、仕切空間V1 の幅が広くなる状態を示す平面図である。
【図7】(a),(b)は、それぞれ仕切板S1 を増減させて、空間Vの仕切数を変更させた状態の平面図である。
【図8】給餌装置F2 の斜視図である。
【図9】仕切板S2 とスライドガイド板13との関係を示す斜視図である。
【図10】図8のY2 −Y2 線断面図である。
【図11】給餌装置F3 の斜視図である。
【図12】装置本体Aの両横側壁2に支持されるスライドガイドバー15と仕切板S3 との関係を示す斜視図である。
【図13】図11のY3 −Y3 線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、最適な複数の実施形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
【実施例1】
【0021】
最初に、図1〜図4を参照して、実施例1のペット類の給餌装置F1 について説明する。図1は、給餌装置F1 の斜視図であり、図2は、同じく給餌状態の平面図であり、図3及び図4は、それぞれ図2のX−X線及びY1 −Y1 線の各断面図である。給餌装置F1 は、直方体箱の一側面が開口されて出入口1となった形状の装置本体Aと、当該装置本体Aの両横側壁2と奥側壁3とで構成される空間Vに、前記奥側壁3に平行な方向にスライド可能に配置されて、前記空間Vを前記奥側壁3と平行な方向に沿って複数に仕切るための横断面L字形のブックエンド状の複数の仕切板S1 とから成る。仕切板S1 は、L字形の断面を有するブックエンド状であって、水平板部11と起立板部12とで構成されて、その高さ、及び奥行長は、いずれも装置本体Aの高さ、及び奥行長に対応していて、いずれもほぼ同一となっている。仕切板S1 の起立板部12の出入口側及び奥側の各上端部、並びに装置本体Aの横側壁部2の出入口側の上端部は、子ペットPが仕切空間V1 に出入りする際の損傷を防止するために、いずれも円弧状に面取りされている。装置本体Aの空間VにN個の仕切板S1 を配置すると、当該空間を横方向に沿って(N+1)の仕切空間V1 に分割されて仕切られる。図1及び図2で示される例では、装置本体Aの空間Vは、3個の仕切板S1 により4つの仕切空間V1 に仕切られている。各仕切空間V1 には、奥側壁3に近接して円形の餌容器6が配置される。なお、当然のことながら、仕切板S1 の水平板部11の幅は、最大に分割される分割空間の幅(横方向の寸法)よりも短くなっている。また、仕切板S1 は、耐久性、洗浄の便利性等を考慮すると、プチスチック、特にFRP(繊維強化プラスチック)で形成することが望ましい。
【0022】
また、図4に示されるように、装置本体Aの底板4の上面における出入口の側の端部には、装置本体Aの空間V内に配置された複数の仕切板S1 が出入口1の側に移動して当該空間V内から脱出するのを防止する脱出防止突起体5が奥側壁3と平行な方向(横方向)に沿って固着されている。当該脱出防止突起体5は、仕切板S1 が横側壁2に対して平行を維持するように機能すると共に、前記空間V内に配置された仕切板S1 を横方向にスライドさせる際の、案内体としても機能する。
【0023】
そして、各仕切空間V1 の出入口から個々の子ペットPが当該仕切空間V1 に入り込むと、ブックエンド状の仕切板S1 は、図5及び図6に示されるように、横方向Qにスライド可能であるので、仕切空間V1 の幅が子ペットPに対して小さい場合には、当該仕切空間V1 に子ペットPが入り込むことにより、少なくとも一方の仕切板S1 に子ペットPの体が当たることにより押し拡げられて、当該仕切空間V1 は子ペットPに必要な幅が自動的に確保される。一方、仕切空間V1 の幅が子ペットPに対して広過ぎる場合には、残りの別の仕切空間V1 のいずれかは、子ペットPに対して狭くなっているので、上記のようにして、幅の狭い仕切空間V1 を構成する仕切板S1 が、後に入り込む別の子ペットPにより横方向にスライドして拡げられることにより、結果として、広い仕切空間V1 の幅が狭められて、子ペットPに対応した幅が確保される。特に、複数の子ペットPの大きさが異なる場合には、各ペットの大きさに対応した位置に各仕切板S1 がスライドされた後に定置されて、子ペットPとの大きさに対応した幅の異なる仕切空間V1 が形成される。
【0024】
一方、仕切板S1 はブックエンド状になっていて、その水平板部11は、子ペットPの少なくとも片側の足で踏み付けられた姿勢で餌を食べるので、子ペットPの体重によって仕切板S1 の配置位置が安定して定めれる。このようにして、仕切空間V1 の幅は、子ペットPの大きさにより自動的に定められ、しかも一旦、仕切板S1 の幅が定められた後は、子ペットPの体重により定置された状態となるので、仕切空間V1 に子ペットPが入り込んでいる状態では、別の子ペットPは、当該仕切空間V1 に入り込むことはできなくなって、例えば、体格が小さかったり、虚弱な子ペットPが、体格が大きくて食欲の旺盛な別の子ペットPにより餌を横取りされるのが防止されて、同時に生れた複数の子ペットPの成長差を最小限に喰い止めることが可能となる。なお、餌を食べた後に、子ペットPは仕切空間V1 の出入口1から後退りで出る。
【0025】
また、装置本体Aと複数の仕切板S1 とが完全分離状態で使用されるので、これらの洗浄が容易となる。
【0026】
ここで、装置本体Aの空間Vを仕切る仕切板S1 の数は、離乳直後の子ペットPの大きさ、或いは子ペットPの成長に応じて適宜決められる。例えば、離乳直後の子ペットPの大きさが、図1及び図2に示されるよりも小さい場合には、図7(a)に示されるように、仕切板S1 の使用枚数を増して、仕切区間V1 の幅を狭くすればよく、更に子ペットPの成長により大きくなった場合には、図7(b)に示されるように、離乳直後よりも仕切板S1 の数を減らして、仕切空間V1 の幅を広くすればよい。
【実施例2】
【0027】
次に、図8〜図10を参照して、実施例2の給餌装置F2 について、実施例1の給餌装置F1 と異なる部分についてのみ説明する。図8は、給餌装置F2 の斜視図であり、図9は、仕切板S2 とスライドガイド板13との関係を示す斜視図であり、図10は、図8のY2 −Y2 線断面図である。実施例2の給餌装置F2 は、装置本体Aの底板4の上面に接して、スライドガイド板13を横方向に固定配置されている。スライドガイド板13と奥側壁3との間隔は、両者13,3の間に餌容器6を配置できるように定められ、当該スライドガイド板13の高さは、離乳直後の最も小さな子ペットPが餌容器6内の餌を食べる際に障害とならない寸法となっている。装置本体Aの底板4の上面にスライドガイド板13が固定配置される構成に対応して、仕切板S2 の水平板部11の全幅、及び起立板部12の下端から起算して所定高さまでの部分には、前記スライドガイド板13を嵌込み可能な嵌込み溝14が連続して形成されている。
【0028】
そして、装置本体Aに固定配置されたスライドガイド板13に対して仕切板S2 の嵌込み溝14を相対的に嵌め込むと、当該仕切板S2 は、スライドガイド板13に沿って安定状態でスライドされると共に、当該仕切板S2 の配置位置が決定された場合においても、当該仕切板S2 は、嵌込み溝14によってスライドガイド板13に対して安定して固定されているので、仕切板S2 が横側壁2に対して傾斜配置されることはない。また、スライドガイド板13の存在により、餌容器6が出入口1の側に引きずり出されることもない。なお、各仕切空間V1 の幅は、当該仕切空間V1 に子ペットPが入り込むことにより、スライドガイド板13にガイドされて仕切板S2 が横方向Qにスライドすることにより変更される作用は、実施例1の給餌装置F1 と同様である。
【実施例3】
【0029】
次に、図11〜図13を参照して、実施例3の給餌装置F3 について、実施例1,2の各給餌装置F1 ,F2 と異なる部分についてのみ説明する。図11は、給餌装置F3 の斜視図であり、図12は、装置本体Aの両横側壁2に支持されるスライドガイドバー15と仕切板S3 との関係を示す斜視図であり、図13は、図11のY3 −Y3 線断面図である。実施例3の給餌装置F3 は、実施例2の給餌装置F2 のスライドガイド板13に替えて、当該スライドガイド板13の上端に対応する位置にスライドガイドバー15が固定配置された構成である。スライドガイドバー15の両端部は、装置本体Aの両横側壁2に支持され、スライドガイドバー15における両横側壁2の外側に突出した部分には、ストッパー16がそれぞれ取付けられる。
【0030】
装置本体Aの両横側壁2にスライドガイドバー15が支持されるのに対応して、仕切板S3 の起立板部12の対応部分には、当該スライドガイドバー15を挿通可能なバー挿通孔17が設けられている。このため、図11及び図12に示されるように、装置本体Aの空間Vに必要数の仕切板S3 を配置しておいて、装置本体Aの一方の横側壁2から各仕切板S3 のバー挿通孔17にスライドガイドバー15を挿通して、当該スライドガイドバー15を装置本体Aの両横側壁2に支持すると、仕切板S3 の奥側の端面は、装置本体Aの奥側壁3に近接して配置されているために、仕切板S3 は、装置本体Aの横側壁2との平行を維持し、しかも装置本体Aの空間Vから脱出することなく、仕切空間V1 に入り込む子ペットPの大きさに対応して横方向Qにスライド可能となる。
【0031】
なお、スライドガイドバー15の高さ位置を上記のように設定すると、餌容器6’が所定位置から引き出されない利点があるが、スライドガイドバー15の高さ位置は、任意に定められる。
【0032】
また、上記実施例1〜3では、仕切板S1 〜S3 の高さは、装置本体Aの横側壁2及び奥側壁3の高さと同一となっているが、子ペットが成長して背が高くなった場合を考慮して、装置本体Aの横側壁2及び奥側壁3の高さよりも大きくすることも可能であると共に、実施例2,3においては、仕切板S2 ,S3 の奥行長は、装置本体Aの奥行長よりも短くして、仕切空間V1 に対して子ペットが出入りし易いようにすることも可能である。
【0033】
なお、給餌対象の子動物には、子ペットに限られず、離乳直後の子豚も含まれる。
【符号の説明】
【0034】
A:装置本体
1 〜F3 :給餌装置
P:ペット類の子供(子動物)
Q:横方向
1 〜S3 :仕切板
V:装置本体の空間
1 :装置本体の仕切空間
1:出入口
2:横側壁
3:奥側壁
5:脱出防止突起体
6,6’:餌容器
11:仕切板の水平板部
12:仕切板の起立板部
13:スライドガイド板
14:嵌込み溝
15:スライドガイドバー
17:バー挿通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
離乳直後から一定期間内のペット類の子供、子豚等の複数の子動物に対して同時に給餌可能な給餌装置であって、
直方体箱の一側面が開口されて出入口となった形状の装置本体と、
当該装置本体の両横側壁と奥側壁とで構成される空間に、前記奥側壁に平行な方向にスライド可能に配置されて、前記空間を前記奥側壁と平行な方向に沿って複数に仕切るための横断面L字形をしたブックエンド状の複数の仕切板と、
から成ることを特徴とする子動物用給餌装置。
【請求項2】
前記装置本体の底板の上面における出入口開口の部分には、前記空間を仕切る複数の仕切板が前記出入口から脱出するのを防止する突起体が前記奥側壁と平行に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の子動物用給餌装置。
【請求項3】
前記装置本体の底板の上面には、前記奥側壁との間に餌容器の配置が可能な間隔を有してスライドガイド板が前記奥側壁と平行に固定配置され、
前記各仕切板を構成する水平板部及び起立板部には、前記スライドガイド板を嵌込み可能な嵌込み溝が形成され、
複数の仕切板は、前記スライドガイド板に沿ってスライド可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の子動物用給餌装置。
【請求項4】
前記装置本体の底板の上方には、前記奥側壁との間に餌容器の配置が可能な間隔を有してスライドガイドバーが前記奥側壁と平行に配置され、
前記各仕切板を構成する起立板部には、前記スライドガイドバーを嵌込み可能なバー挿通孔が形成され、
複数の仕切板は、前記スライドガイドバーに沿ってスライド可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の子動物用給餌装置。
【請求項5】
前記スライドガイド板の高さは、動物の離乳直後の最も小さな時に、餌容器内の餌を食べるのに障害とならない高さであることを特徴とする請求項3に記載の子動物用給餌装置。
【請求項6】
前記スライドガイドバーの装置本体の底板からの高さは、動物の離乳直後の最も小さな時に、餌容器内の餌を食べるのに障害とならない高さであることを特徴とする請求項4に記載の子動物用給餌装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−223879(P2011−223879A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−93618(P2010−93618)
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(510105961)
【Fターム(参考)】