官能性細孔を含む炭素含有マトリックス
物質の組成物は、炭素含有マトリックスを含む。炭素含有マトリックスは、鉛結晶性炭素材、炭素粉末、人造黒鉛粉末、炭素繊維、及びその組み合わせを備えるグループから選択される1つ又は複数の炭素材を含んでよい。さらに、炭素含有マトリックスは、複数の細孔を含む。物質の組成物は、前記複数の細孔の内の少なくとも一部の内部に加圧配置される、金属ではない反応性添加剤も含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権主張および関連出願に対する相互参照)
本願は、参照により本書に組み込まれる、2010年6月3日に出願された米国非仮出願第12/793,659号に対する優先権を主張し、それに関する。
【0002】
2010年6月3日に出願された米国非仮出願第12/793,659号は、参照により本書に組み込まれる、2009年6月5日に出願された米国仮出願第61/184,549号に対する優先権を主張し、それに関する。
【0003】
本発明は、炭素含有マトリックスの細孔に官能性を持たせることすることを対象とする。物質の本組成物は、炭素含有マトリックスから構築される。炭素含有マトリックスは、黒鉛結晶性炭素材、炭素粉末、及び人造黒鉛粉末、炭素繊維、又はその組み合わせ等の、少なくとも1種類の炭素材を含んでよい。炭素含有マトリックスは、ブロック、布、シート、又は薄板として形成され得る。また、炭素含有マトリックスは、無定形であってもよい。さらに、炭素含有マトリックスは複数の細孔を含む。金属ではない反応性の添加剤は、炭素含有マトリックスの複数の細孔の内の少なくとも一部を部分的に充填し、それが炭素含有マトリックスの細孔に官能性を持たせる。官能性細孔のある炭素含有マトリックスは、フィルタとして、又は特定の物質のための貯槽としての機能を果たしてよい。
【背景技術】
【0004】
反応性添加剤は、高圧含浸反応を介して等、化学反応を介して炭素含有マトリックスの細孔の少なくとも一部内に配置され得る。例えば、1つ又は複数の先駆物質が、炭素含有マトリックスの細孔内部に配置され、炭素含有マトリックスの炭素と反応し、炭素含有マトリックスの細孔内部で反応性添加剤を形成してよい。圧力及び/又は熱が適用され、1つ又は複数の先駆物質に基づいて炭素含有マトリックスの細部内部で反応性添加剤を形成する1つ又は複数の反応を開始する。また、反応添加剤は、参考によって本明細書に組み込まれる米国特許第6,649,265号に説明される高圧含浸プロセス等の、高圧含浸プロセスを介して炭素含有マトリックスの細孔内部に配置され得る。
【0005】
発明を実施するための形態は、添付の図を参照して説明される。図中、参照番号の最も左側の数字(複数の場合がある)は、その参照番号が最初に表示される図を識別する。類似した特長及び要素を参照するために、図を通して同じ番号が使用される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1A】より高品質の針状コークス及びより低品質のコークスの走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す図である。
【図1B】より高品質の針状コークス及びより低品質のコークスの走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す図である。
【図2】粗い黒鉛粒子構造及び細かい黒鉛粒子構造のSEM画像を示す図である。
【図3】例示的な炭素含有マトリックスを作る方法を示すフロー図である。
【図4】炭素含有マトリックスの透過型電子顕微鏡(TEM)画像を示す図である。
【図5A】炭素含有マトリックスのナノ黒鉛プレートの追加のTEM画像を示す図である。
【図5B】炭素含有マトリックスのナノ黒鉛プレートの追加のTEM画像を示す図である。
【図6A】炭素含有マトリックスのTEM回析パターン及び画像を示す図である。
【図6B】炭素含有マトリックスのTEM回析パターン及び画像を示す図である。
【図7】化学反応を介して炭素含有マトリックスの細部内部に反応性添加剤を配置する方法のフロー図である。
【図8】高圧含浸プロセスを介して炭素含有マトリックスの細孔の内部に反応性添加剤を配置する方法のフロー図である。
【図9】官能性細孔のある炭素含有マトリックスの応用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
多孔質炭素は、多くの用途で活用できる。いくつかの場合、多孔質炭素はフィルタとして使用できる。例えば、木炭は、1グラムの多孔性炭素が約500m2の表面積を有するように、高度の微細孔性を達成するために処理できる。多くの用途にとって、多孔性炭素の大きな表面積は、流体及び/又は気体をろ過するために信頼される。
【0008】
さらに、多孔質炭素は、多孔質炭素の表面を正の電荷で帯電させ、ろ過されている流体及び/又は気体からの不純物を吸着することによって活性化され得る。いくつかの場合、多孔性炭素を形成するために使用される木炭は、多孔性炭素を介して達成される吸着を強化するために化学的に処理されてよい。活性化された多孔性炭素は、天然ガス及びH2ガスを保管するための燃料貯槽としても使用できる。
【0009】
物質の本組成物は、細孔の内の少なくとも一部内に反応性添加剤が配置される多孔性炭素含有マトリックスを含む。物質の本組成物は、種々の目的のために炭素含有マトリックスの細孔に官能性を持たせる際に柔軟性を与えるプロセスから形成されてよい。例えば、高圧含浸反応は、ろ過又は貯蔵等の、炭素含有マトリックスのための所望される機能に基づいた特定の反応性添加剤で、炭素含有マトリックスの細孔を被覆するために多くの反応性添加先駆物質と活用されてよい。別の例では、高圧含浸プロセスは、炭素含有マトリックスの所望される機能に従って、炭素含有マトリックスの細孔内部に特定の反応性添加剤を配置するために活用されてもよい。
【0010】
炭素含有マトリックスの細孔内部に配置される反応性添加剤の量は、高圧含浸プロセス又は高圧含浸反応プロセスの間に実施される、温度、圧力及び時間等のプロセス条件に依存する。このようにして、細孔のコーティングの厚さ等、細孔の内部に配置される反応性添加剤の量は、適用されるプロセス条件によって操作できる。さらに、複数の反応性添加剤が、炭素含有マトリックスの細孔の内部に配置されてよく、反応性添加剤のそれぞれが、保管及びろ過等の異なる機能を実行してよい。例えば、ある反応性添加剤が、ある物質をろ過するために炭素含有マトリックスの細孔の内部に配置されてよく、別の反応性添加剤が、別の物質をろ過するための炭素含有マトリックスの細孔の内部に配置されてよい。
【0011】
炭素含有マトリックスの黒鉛炭素は、産業用コークス生成物に基づいてよい。残留炭素は、天然源から、又は石炭業界及び石油業界においてのような精製プロセスから引き出すことができる。いくつかの例示的な実施形態では、石油生成物から派生するより高品質の針状コークスが、炭素含有マトリックスを形成するために活用されてよい。
【0012】
図1Aは、図1Bに示されるより低品質のコークスと比較される、より高品質の針状コークスの走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す。また、ピッチ/タールが、おもに結合剤として機能するために針状コークスに添加されてもよく、2600℃以上の温度、通常は、3200℃から3600℃の範囲内での加熱中に黒鉛炭素に変わる。未処理の黒鉛材料は、0.2mmから2mmの範囲の平均的なサイズの粗い黒鉛粒子及び細かい黒鉛粒子を含み得る。いくつかのケースでは、粒子の約10%が、楕円状の形状を示す。図2は、「a」と表示される写真で粗い粒子構造の、楕円状の粒子が矢印で示される、「b」と表示される写真で細かい粒子構造のSEM画像を示す。
【0013】
図3は、炭素含有マトリックスを作る方法300を示すフロー図である。310で、原材料がともに混合される。混合プロセス中、3つの原材料―石油コルク、ニードルコルク、タール(液体)又はその組み合わせ―が使用され得る。ニードルコルクは、炭素含有マトリックスの形状を制御し、最終的な炭素含有マトリックスの抵抗力を引き下げるために使用され得る。また、液体タールはカーボンブロックの形状を制御し、炭素含有マトリックスの細孔を充填するために使用されてもよい。異なる比率が使用されてよいが、石油コルクおよびニードルコルクは砕かれ、約10:1の割合で混合される。
【0014】
次に、混合物は約500℃以上での焼成プロセスにさらされ、硫黄等の不純物を蒸発させる。次に、液体タールが混合物の中に添加される。また、ニードルコルクはよい高い炭素含有量、より低い硫黄含有量、より低い熱膨張係数、より高い熱伝導性を有し、石油コルクよりも容易に形成されるため、ニードルコルク及びタールは、石油コルクなしでも炭素含有マトリックスを作るために使用されてよい。
【0015】
320で、方法300は、炭素含有マトリックス内での熱消散の方向を決定することを含む。例えば、炭素含有マトリックスが押出プロセスを活用して製造されるときに、炭素含有マトリックスはZ方向でより速く熱を消散し得る。別の例では、炭素含有マトリックスが高圧成形プレスを活用して製造されるときに、炭素含有マトリックスはXY方向でより速く熱を消散し得る。XY方向に沿った熱消散が指定されると、方法300は、50MPaよりも高い圧力で高圧整形プレス内に原材料を設置することによって、炭素含有マトリックスが形成される330に移動する。それ以外の場合、Z方向に沿った熱消散が指定されると、次に方法300は340に移動する。
【0016】
340で、石油コルク、ニードルコルク、及び/又はタールの原材料の混合物が、押出プロセスの中に送り込まれ、炭素含有マトリックスを作るために活用される型の形状及びサイズに基づいてカーボンブロックを形成する。例示的な実施形態では、炭素型は、直径が約700mmで、長さが約2700mm、少なくとも約1トンの重量を有する円筒形であってよい。ただし、型の寸法は、処理施設の能力に基づいて変更できる。
【0017】
押出プロセスは、500℃から800℃の温度範囲で実行され得る。混合物を1つのカラム形状に押し込むために活用される力は、約30分間適用される約3500トンである。いくつかの例では、押し出された炭素ブロックは、高圧成形プレスを使用して処理されてよい。次に、炭素ブロックは、ひび割れを防ぐために、冷却水槽に移され、冷却される。
【0018】
350で、ブロックは焼成される。焼成プロセスは、高温でタールを炭化処理し、揮発成分を排除できる。いくつかの状況では、炭素ブロックは、冷却槽から炉に移送され、約1600℃の温度で加熱される。炭素ブロックは、2日から3日の範囲の持続期間、焼成されてよい。焼成プロセスの後、炭素ブロックの表面は、より粗く、より多孔性となることがある。さらに、炭素ブロックの直径は、約10mm減少することがある。
【0019】
360で、3200℃から3600℃の範囲の温度で炭素ブロックを加熱することによって、黒鉛化が起こる。いくつかの実施形態では、黒鉛化は、約2600℃で開始し、より高品質の黒鉛は約3200℃で形成される。特に約3000℃で、炭素ブロックの黒鉛プレートの積み重ねは平行になり、乱層構造の無秩序は減少する、又は排除される。
【0020】
いくつかの場合、加熱がより高圧で発生する場合、炭素ブロックはより低温に加熱され、結晶化した黒鉛を生成してよい。炭素ブロックは、約2-3日加熱されてよい。加熱プロセス中、硫黄及び炭素ブロックの揮発成分は、削減され得る、又は完全に排除され得る。
【0021】
370で、炭素ブロックは検査され、所望される形状に機械加工される。例えば、生産の次の段階の前に、炭素ブロックの電気的特性が試験され、機械的な亀裂又は目視で識別可能な欠陥がチェックされる。試験後、炭素含有マトリックスは、次に炭素ブロックの用途に従って特定の形状に機械加工されてよい。
【0022】
炭素含有マトリックスは、多様な形の炭素及び微量の他の物質を含んでよい。例えば、他素含有マトリックスは、黒鉛結晶性炭素材、炭素粉末、人造黒鉛粉末、炭素繊維、又はその組み合わせを含んでよい。炭素含有マトリックスブロックは、1.6g/cm3から1.9g/cm3の範囲の密度を有してよい。さらに、炭素ブロックの抵抗率は、4μΩmから10μΩmの間の範囲であってよい。いくつかの例では、炭素含有マトリックスの抵抗率は約5μΩmである。炭素ブロックのより低い抵抗率は、より高い熱伝導性を提供することもある、炭素含有マトリックスの黒鉛シートのより優れた整列を示すことがある。
【0023】
図4は、炭素含有マトリックスの透過型電子顕微鏡(TEM)画像を示す。図4のTEM画像は、サイズが約100nm未満の黒鉛プレートの積み重ねの形成を示す。図4は、約50nmの厚さを有する黒鉛プレートの具体的な例を示す。高熱伝導性の方向は、図4の矢印によって示される長い軸に沿っている。
【0024】
図5A及び図5Bは、炭素含有マトリックスの(「NGP」と表示される)ナノ黒鉛プレートの追加のTEM画像を示す。プレートは、一般に押出の方向(図5A)及びプレスプロセスの方向(図5B)に向けられている。ナノ黒鉛プレートの正しく並べられた積み重ねは、プレートの長い軸の方向で効率的な伝熱を促進し得る。図5A及び図5Bは、炭素系粒子を使用する製造プロセスのアーチファクトである、(「NV」と表示される)ナノボイド及び(「NS」と表示される)ナノスリットも示す。図5A及び図5Bは、約70nmの厚さを有するナノボイド及び約30nmの厚さを有するナノスリットを示す。
【0025】
図6A及び図6Bは、炭素含有マトリックスのTEM回折パターン及び画像を示す。図6AのTEM回折パターン及び図6BのTEM画像は、押出プロセスの間に形成される炭素含有マトリックスの結晶性及び黒鉛性質を示す。特に図6Aは、電子が黒鉛材料の結晶格子と相互作用するときに生成される回折パターンを示す。図6Bは、黒鉛プレートの格子構造を示す。
【0026】
図7は、化学反応を介して、多くの細孔704を有する炭素含有マトリックス702の内部に反応性添加剤を配置する方法700のフロー図を示す。炭素含有マトリックス702の細孔704は、反応性添加剤で部分的に充填されてよい。例えば、反応性添加剤は、炭素含有マトリックス702の細孔704の上にコーティングを形成してよい。
【0027】
炭素含有マトリックス702は、ブロック、布、プレート、又はシートとして形成され得る。炭素含有マトリックス702は、無定形であってもよい。特定の例では、炭素含有マトリックスは、炭素ブロックを切断することによって形成される1つ又は複数のプレートを含んでよい。プレートの厚さは、約1mm未満であってよい。
【0028】
いくつかの場合、炭素含有マトリックス702は、図3の方法300を介して生成される炭素含有マトリックスであってよい。さらに、炭素含有マトリックス702は、炭素含有マトリックス702の表面の分子上に正の電荷を置くことによる等、炭素含有マトリックス702の表面を帯電させることによって活性化されてよい。
【0029】
706では、炭素含有マトリックス702は清掃され、炭素含有マトリックス702の物理的特性及び熱的特性が測定される。例えば、炭素含有マトリックス702は、N2吹付器で清掃されてよい。708で、炭素含有マトリックス702は、反応器プレスの型等の容器710に入れられ、712で、反応性添加先駆物質714が容器710に入れられる。反応性添加先駆物質714は、固体、液体、又は気体であってよい。さらに、反応性添加先駆物質714は、金属、合金、有機重合体、及びその組み合わせを含んでよい。
【0030】
容器に入れられる反応性添加先駆物質714は、炭素含有マトリックス702の細孔704の所望される機能に依存する。例えば、細孔704が水素用の貯槽として使用されるとき、反応性添加先駆物質714は、1つ又は複数の金属水素化物先駆物質であってよい。さらに、細孔704がウォータフィルタとして使用されるとき、反応性添加先駆物質714は、水の中から細菌をろ過して取り除くための反応性添加剤を形成するために使用される生物反応性先駆物質であってよい。
【0031】
716で、圧力及び/又は熱の形をしたエネルギーが、反応性添加先駆物質714及び炭素含有マトリックス702に適用される。例えば、金型718が、反応性添加先駆物質714及び炭素含有マトリックス702に適用され得る。いくつかの場合、反応性添加先駆物質714が固体又は液体であるとき、反応性添加先駆物質714及び炭素含有マトリックス702に適用される圧力は少なくとも500psiを超えている。反応性添加先駆物質714が気体であるとき、部分的な真空等、約500psiを下回る圧力が、反応性添加先駆物質714及び炭素含有マトリックス702に適用されてよい。さらに、特定の状況では、反応性添加先駆物質714及び炭素含有マトリックス702に適用される圧力は、10MPaから50MPaに及んでよい。反応性添加先駆物質714及び炭素含有マトリックス702に適用される温度は200℃から1000℃に及んでよい。
【0032】
いくつかの場合、反応性添加先駆物質714の反応性が、容器710内の反応性添加先駆物質714及び炭素含有マトリックス702に適用される圧力及び/又は温度に影響を及ぼすことがある。さらに、細孔704内部に配置される反応性添加剤の量は、容器710内の反応性添加先駆物質714及び炭素含有マトリックス702に適用される圧力及び/又は温度に影響を及ぼすことがある。圧力及び/又は温度が反応性添加先駆物質714及び炭素含有マトリックス702に適用される時間量も、反応性添加剤で充填される細孔704の容積に影響を及ぼすことがある。
【0033】
圧力及び/又は温度が炭素含有マトリックス702及び反応性添加先駆物質714に適応される一方、化学反応が発生し、1つ又は複数の反応性添加剤を含む最終生成物が、炭素含有マトリックス702の細孔内部で形成され、官能性細孔720のある炭素含有マトリックスを生成する。炭素含有マトリックス702の細孔704の内の少なくとも一部が、反応性添加剤722で部分的に充填される。いくつかの場合、反応性添加剤722は非金属である。724で、官能性細孔720のある炭素含有マトリックスが清掃され、硬化される。
【0034】
いくつかの場合、複数の反応性添加剤722が、炭素含有マトリックス702の細孔704内に配置されてよい。複数の反応性添加剤722は、単一の反応性添加先駆物質714と炭素含有マトリックス702の炭素の間の単一の化学反応を介して、炭素含有マトリックス702の細孔704内部に配置されてよい。また、複数の反応性添加剤722は、複数の反応性添加先駆物質714、炭素含有マトリックス702の炭素、及びその組み合わせを含む、複数の化学反応を介して炭素含有マトリックス702の細孔704内部に配置されてもよい。化学反応のそれぞれは、炭素含有マトリックス702及び反応性添加先駆物質714に、さまざまな温度及び圧力を適用することによって開始されてよい。いくつかの例では、反応性添加剤722のそれぞれは単一の機能を実行してよい。一方、他の例では、反応性添加剤722は複数の機能を実行してよい。
【0035】
図8は、高圧含浸プロセスを介して、多くの細孔804を有する炭素含有マトリックス802の内部に反応性添加剤を配置する方法800のフロー図を示す。炭素含有マトリックス802の細孔804は、反応性添加剤で部分的に充填されてよい。例えば、反応性添加剤は、炭素含有マトリックス802の細孔804上にコーティングを形成してよい。
【0036】
炭素含有マトリックス802は、ブロック、プレート、シート又は布として形成され得る。さらに、炭素含有マトリックス802は、無定形であってもよい。特定の例では、炭素含有マトリックス802は、炭素ブロックを切断することによって形成される1つ又は複数のプレートを含んでよい。プレートの厚さは、約1mm未満であってよい。いくつかの場合、炭素含有マトリックス802は、図3の方法300を介して生成される炭素含有マトリックスであってよい。さらに、炭素含有マトリックス802は、炭素含有マトリックス802の表面の分子に正の電荷を置く等、炭素含有マトリックス802の表面を帯電させることによって活性化されてよい。
【0037】
806で、炭素含有マトリックス802は清掃され、炭素含有マトリックスの物理的特性及び熱的特性が測定される。例えば、炭素含有マトリックス802は、N2吹付器で清掃されてよい。808で、炭素含有マトリックス802は、反応器プレスの型等の容器810に入れられ、812で、反応性添加剤814は、容器810に入れられる。反応性添加剤814は、固体、液体、又は気体であってよい。反応性添加剤814は、有機重合体等の非金属であってよい。さらに、反応性添加剤814は、金属、合金、及びその組み合わせを含んでよい。容器内に入れられる反応性添加剤814は、炭素含有マトリックス802の細孔804の所望される機能に依存する。
【0038】
816で、容器810は加圧され、加熱される。例えば、金型818が、反応性添加剤814及び炭素含有マトリクス802に適用されてよい。反応性添加剤814及び炭素含有マトリックス802に適用される圧力は、10MPaから50MPaに及ぶことがある。反応性添加剤814が固体又は液体であるとき、反応性添加剤814及び炭素含有マトリックス802に適用される圧力は、少なくとも500psiを超えている。反応性添加剤814が気体であるとき、部分的な真空等の約500psiを下回る圧力が、反応性添加剤814及び炭素含有マトリックス802に適用されてよい。さらに、特定の状況では、反応性添加剤先駆物質814及び炭素含有マトリックス802に適用される圧力は、10MPaから50MPaに及んでよい。反応性添加剤814及び炭素含有マトリックス802に適用される温度は、200℃から1000℃に及んでよい。
【0039】
圧力及び/又は温度が炭素含有マトリックス802及び反応性添加剤814に適用される一方、炭素含有マトリックスの細孔804の少なくとも一部が反応性添加剤814で部分的に充填される。いくつかの場合、細孔804内部に配置される反応性添加剤814の量が、容器810内の反応性添加剤814及び炭素含有マトリクス802に適用される圧力及び/又は温度に影響を及ぼすことがある。824で、官能性細孔802のある炭素含油マトリックスが清掃され、硬化される。
【0040】
さらに、複数の反応性添加剤814が、炭素含有マトリックス802の細孔802の内部に配置されてよい。反応性添加剤814のそれぞれは、保管又はろ過等の異なる機能を実行してよい。さらに、反応性添加剤814は、それぞれ複数の機能を実行してよい。反応性添加剤814は、異なる物質に関してではあるが、同じ機能を実行してよい。例えば、反応性添加剤814は、アミン及びカルボン酸等の、異なる物質をろ過するフィルタ材であってよい。細孔804内部にそれぞれの反応性添加剤814を配置するために、異なる温度及び圧力が、炭素含有マトリックス802及び反応添加剤814に適用されてよい。
【0041】
図9は、官能性細孔のある炭素含有マトリックスの応用を示す。特に、902で、炭素含有マトリックス906の細孔904は、フィルタ材で被覆されてよい。フィルタ材は、図7及び図8の反応性添加剤722及び814を含んでよい。さらに、フィルタ材は、炭素含有マトリックス906の表面に反応性化学官能基を付着できる。図9に示される特定の例では、炭素含有マトリックス906は、多くのプレート908として形成される。液体910が、プレート908を通して排出され、特定の物質が、細孔904の内部に配置されるフィルタ材に応じて、液体910の中からろ過して取り除かれる。例えば、液体910が水であるとき、塩素及び細菌等の物質が、プレート910によってろ過して取り除かれてよい。
【0042】
いくつかの代替実装形態では、炭素含有マトリックス906は、プレート908の中に形成され、フィルタ材が炭素含有マトリックス906の細孔904上に被覆されずに、液体910等の液体用のフィルタとして機能してよい。したがって、図3の方法300を介して形成された炭素含有マトリックス等のむき出しの炭素含有マトリックスが、液体用のフィルタとして活用されてよい。さらに、いくつかの状況では、むき出しの炭素含有マトリックスは、活性炭を含むことがある。
【0043】
912で、炭素含有マトリックス906の細孔904は、細孔904内にH2ガスを蓄えるために、金属窒化物で被覆される。炭素含有マトリックス906の試料断面914は、金属水素化物918で被覆された3つの細孔916を示す。さらに、試料断面914は、細孔916内のH2ガスの貯蔵を示す。金属水素化物918は、Mg、LiH、NaBH4、LiAIH4、LaNi5H6、TiFeH2、LiNH2、NaBH4、LiBH4、又はその組み合わせを含んでよい。いくつかの場合、細孔904は、H3NBH3で被覆されてよい。
【0044】
920で、炭素含有マトリックス906の細孔904は、キャパシタ電極又は電池電極として機能するために導電体で被覆される。炭素含有マトリックス906の試料断面922は、導電体926で被覆された2つの細孔924を示す。図9に示されるように、導電体926の部分は、正の電荷又は負の電荷を帯びてよい。
【技術分野】
【0001】
(優先権主張および関連出願に対する相互参照)
本願は、参照により本書に組み込まれる、2010年6月3日に出願された米国非仮出願第12/793,659号に対する優先権を主張し、それに関する。
【0002】
2010年6月3日に出願された米国非仮出願第12/793,659号は、参照により本書に組み込まれる、2009年6月5日に出願された米国仮出願第61/184,549号に対する優先権を主張し、それに関する。
【0003】
本発明は、炭素含有マトリックスの細孔に官能性を持たせることすることを対象とする。物質の本組成物は、炭素含有マトリックスから構築される。炭素含有マトリックスは、黒鉛結晶性炭素材、炭素粉末、及び人造黒鉛粉末、炭素繊維、又はその組み合わせ等の、少なくとも1種類の炭素材を含んでよい。炭素含有マトリックスは、ブロック、布、シート、又は薄板として形成され得る。また、炭素含有マトリックスは、無定形であってもよい。さらに、炭素含有マトリックスは複数の細孔を含む。金属ではない反応性の添加剤は、炭素含有マトリックスの複数の細孔の内の少なくとも一部を部分的に充填し、それが炭素含有マトリックスの細孔に官能性を持たせる。官能性細孔のある炭素含有マトリックスは、フィルタとして、又は特定の物質のための貯槽としての機能を果たしてよい。
【背景技術】
【0004】
反応性添加剤は、高圧含浸反応を介して等、化学反応を介して炭素含有マトリックスの細孔の少なくとも一部内に配置され得る。例えば、1つ又は複数の先駆物質が、炭素含有マトリックスの細孔内部に配置され、炭素含有マトリックスの炭素と反応し、炭素含有マトリックスの細孔内部で反応性添加剤を形成してよい。圧力及び/又は熱が適用され、1つ又は複数の先駆物質に基づいて炭素含有マトリックスの細部内部で反応性添加剤を形成する1つ又は複数の反応を開始する。また、反応添加剤は、参考によって本明細書に組み込まれる米国特許第6,649,265号に説明される高圧含浸プロセス等の、高圧含浸プロセスを介して炭素含有マトリックスの細孔内部に配置され得る。
【0005】
発明を実施するための形態は、添付の図を参照して説明される。図中、参照番号の最も左側の数字(複数の場合がある)は、その参照番号が最初に表示される図を識別する。類似した特長及び要素を参照するために、図を通して同じ番号が使用される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1A】より高品質の針状コークス及びより低品質のコークスの走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す図である。
【図1B】より高品質の針状コークス及びより低品質のコークスの走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す図である。
【図2】粗い黒鉛粒子構造及び細かい黒鉛粒子構造のSEM画像を示す図である。
【図3】例示的な炭素含有マトリックスを作る方法を示すフロー図である。
【図4】炭素含有マトリックスの透過型電子顕微鏡(TEM)画像を示す図である。
【図5A】炭素含有マトリックスのナノ黒鉛プレートの追加のTEM画像を示す図である。
【図5B】炭素含有マトリックスのナノ黒鉛プレートの追加のTEM画像を示す図である。
【図6A】炭素含有マトリックスのTEM回析パターン及び画像を示す図である。
【図6B】炭素含有マトリックスのTEM回析パターン及び画像を示す図である。
【図7】化学反応を介して炭素含有マトリックスの細部内部に反応性添加剤を配置する方法のフロー図である。
【図8】高圧含浸プロセスを介して炭素含有マトリックスの細孔の内部に反応性添加剤を配置する方法のフロー図である。
【図9】官能性細孔のある炭素含有マトリックスの応用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
多孔質炭素は、多くの用途で活用できる。いくつかの場合、多孔質炭素はフィルタとして使用できる。例えば、木炭は、1グラムの多孔性炭素が約500m2の表面積を有するように、高度の微細孔性を達成するために処理できる。多くの用途にとって、多孔性炭素の大きな表面積は、流体及び/又は気体をろ過するために信頼される。
【0008】
さらに、多孔質炭素は、多孔質炭素の表面を正の電荷で帯電させ、ろ過されている流体及び/又は気体からの不純物を吸着することによって活性化され得る。いくつかの場合、多孔性炭素を形成するために使用される木炭は、多孔性炭素を介して達成される吸着を強化するために化学的に処理されてよい。活性化された多孔性炭素は、天然ガス及びH2ガスを保管するための燃料貯槽としても使用できる。
【0009】
物質の本組成物は、細孔の内の少なくとも一部内に反応性添加剤が配置される多孔性炭素含有マトリックスを含む。物質の本組成物は、種々の目的のために炭素含有マトリックスの細孔に官能性を持たせる際に柔軟性を与えるプロセスから形成されてよい。例えば、高圧含浸反応は、ろ過又は貯蔵等の、炭素含有マトリックスのための所望される機能に基づいた特定の反応性添加剤で、炭素含有マトリックスの細孔を被覆するために多くの反応性添加先駆物質と活用されてよい。別の例では、高圧含浸プロセスは、炭素含有マトリックスの所望される機能に従って、炭素含有マトリックスの細孔内部に特定の反応性添加剤を配置するために活用されてもよい。
【0010】
炭素含有マトリックスの細孔内部に配置される反応性添加剤の量は、高圧含浸プロセス又は高圧含浸反応プロセスの間に実施される、温度、圧力及び時間等のプロセス条件に依存する。このようにして、細孔のコーティングの厚さ等、細孔の内部に配置される反応性添加剤の量は、適用されるプロセス条件によって操作できる。さらに、複数の反応性添加剤が、炭素含有マトリックスの細孔の内部に配置されてよく、反応性添加剤のそれぞれが、保管及びろ過等の異なる機能を実行してよい。例えば、ある反応性添加剤が、ある物質をろ過するために炭素含有マトリックスの細孔の内部に配置されてよく、別の反応性添加剤が、別の物質をろ過するための炭素含有マトリックスの細孔の内部に配置されてよい。
【0011】
炭素含有マトリックスの黒鉛炭素は、産業用コークス生成物に基づいてよい。残留炭素は、天然源から、又は石炭業界及び石油業界においてのような精製プロセスから引き出すことができる。いくつかの例示的な実施形態では、石油生成物から派生するより高品質の針状コークスが、炭素含有マトリックスを形成するために活用されてよい。
【0012】
図1Aは、図1Bに示されるより低品質のコークスと比較される、より高品質の針状コークスの走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す。また、ピッチ/タールが、おもに結合剤として機能するために針状コークスに添加されてもよく、2600℃以上の温度、通常は、3200℃から3600℃の範囲内での加熱中に黒鉛炭素に変わる。未処理の黒鉛材料は、0.2mmから2mmの範囲の平均的なサイズの粗い黒鉛粒子及び細かい黒鉛粒子を含み得る。いくつかのケースでは、粒子の約10%が、楕円状の形状を示す。図2は、「a」と表示される写真で粗い粒子構造の、楕円状の粒子が矢印で示される、「b」と表示される写真で細かい粒子構造のSEM画像を示す。
【0013】
図3は、炭素含有マトリックスを作る方法300を示すフロー図である。310で、原材料がともに混合される。混合プロセス中、3つの原材料―石油コルク、ニードルコルク、タール(液体)又はその組み合わせ―が使用され得る。ニードルコルクは、炭素含有マトリックスの形状を制御し、最終的な炭素含有マトリックスの抵抗力を引き下げるために使用され得る。また、液体タールはカーボンブロックの形状を制御し、炭素含有マトリックスの細孔を充填するために使用されてもよい。異なる比率が使用されてよいが、石油コルクおよびニードルコルクは砕かれ、約10:1の割合で混合される。
【0014】
次に、混合物は約500℃以上での焼成プロセスにさらされ、硫黄等の不純物を蒸発させる。次に、液体タールが混合物の中に添加される。また、ニードルコルクはよい高い炭素含有量、より低い硫黄含有量、より低い熱膨張係数、より高い熱伝導性を有し、石油コルクよりも容易に形成されるため、ニードルコルク及びタールは、石油コルクなしでも炭素含有マトリックスを作るために使用されてよい。
【0015】
320で、方法300は、炭素含有マトリックス内での熱消散の方向を決定することを含む。例えば、炭素含有マトリックスが押出プロセスを活用して製造されるときに、炭素含有マトリックスはZ方向でより速く熱を消散し得る。別の例では、炭素含有マトリックスが高圧成形プレスを活用して製造されるときに、炭素含有マトリックスはXY方向でより速く熱を消散し得る。XY方向に沿った熱消散が指定されると、方法300は、50MPaよりも高い圧力で高圧整形プレス内に原材料を設置することによって、炭素含有マトリックスが形成される330に移動する。それ以外の場合、Z方向に沿った熱消散が指定されると、次に方法300は340に移動する。
【0016】
340で、石油コルク、ニードルコルク、及び/又はタールの原材料の混合物が、押出プロセスの中に送り込まれ、炭素含有マトリックスを作るために活用される型の形状及びサイズに基づいてカーボンブロックを形成する。例示的な実施形態では、炭素型は、直径が約700mmで、長さが約2700mm、少なくとも約1トンの重量を有する円筒形であってよい。ただし、型の寸法は、処理施設の能力に基づいて変更できる。
【0017】
押出プロセスは、500℃から800℃の温度範囲で実行され得る。混合物を1つのカラム形状に押し込むために活用される力は、約30分間適用される約3500トンである。いくつかの例では、押し出された炭素ブロックは、高圧成形プレスを使用して処理されてよい。次に、炭素ブロックは、ひび割れを防ぐために、冷却水槽に移され、冷却される。
【0018】
350で、ブロックは焼成される。焼成プロセスは、高温でタールを炭化処理し、揮発成分を排除できる。いくつかの状況では、炭素ブロックは、冷却槽から炉に移送され、約1600℃の温度で加熱される。炭素ブロックは、2日から3日の範囲の持続期間、焼成されてよい。焼成プロセスの後、炭素ブロックの表面は、より粗く、より多孔性となることがある。さらに、炭素ブロックの直径は、約10mm減少することがある。
【0019】
360で、3200℃から3600℃の範囲の温度で炭素ブロックを加熱することによって、黒鉛化が起こる。いくつかの実施形態では、黒鉛化は、約2600℃で開始し、より高品質の黒鉛は約3200℃で形成される。特に約3000℃で、炭素ブロックの黒鉛プレートの積み重ねは平行になり、乱層構造の無秩序は減少する、又は排除される。
【0020】
いくつかの場合、加熱がより高圧で発生する場合、炭素ブロックはより低温に加熱され、結晶化した黒鉛を生成してよい。炭素ブロックは、約2-3日加熱されてよい。加熱プロセス中、硫黄及び炭素ブロックの揮発成分は、削減され得る、又は完全に排除され得る。
【0021】
370で、炭素ブロックは検査され、所望される形状に機械加工される。例えば、生産の次の段階の前に、炭素ブロックの電気的特性が試験され、機械的な亀裂又は目視で識別可能な欠陥がチェックされる。試験後、炭素含有マトリックスは、次に炭素ブロックの用途に従って特定の形状に機械加工されてよい。
【0022】
炭素含有マトリックスは、多様な形の炭素及び微量の他の物質を含んでよい。例えば、他素含有マトリックスは、黒鉛結晶性炭素材、炭素粉末、人造黒鉛粉末、炭素繊維、又はその組み合わせを含んでよい。炭素含有マトリックスブロックは、1.6g/cm3から1.9g/cm3の範囲の密度を有してよい。さらに、炭素ブロックの抵抗率は、4μΩmから10μΩmの間の範囲であってよい。いくつかの例では、炭素含有マトリックスの抵抗率は約5μΩmである。炭素ブロックのより低い抵抗率は、より高い熱伝導性を提供することもある、炭素含有マトリックスの黒鉛シートのより優れた整列を示すことがある。
【0023】
図4は、炭素含有マトリックスの透過型電子顕微鏡(TEM)画像を示す。図4のTEM画像は、サイズが約100nm未満の黒鉛プレートの積み重ねの形成を示す。図4は、約50nmの厚さを有する黒鉛プレートの具体的な例を示す。高熱伝導性の方向は、図4の矢印によって示される長い軸に沿っている。
【0024】
図5A及び図5Bは、炭素含有マトリックスの(「NGP」と表示される)ナノ黒鉛プレートの追加のTEM画像を示す。プレートは、一般に押出の方向(図5A)及びプレスプロセスの方向(図5B)に向けられている。ナノ黒鉛プレートの正しく並べられた積み重ねは、プレートの長い軸の方向で効率的な伝熱を促進し得る。図5A及び図5Bは、炭素系粒子を使用する製造プロセスのアーチファクトである、(「NV」と表示される)ナノボイド及び(「NS」と表示される)ナノスリットも示す。図5A及び図5Bは、約70nmの厚さを有するナノボイド及び約30nmの厚さを有するナノスリットを示す。
【0025】
図6A及び図6Bは、炭素含有マトリックスのTEM回折パターン及び画像を示す。図6AのTEM回折パターン及び図6BのTEM画像は、押出プロセスの間に形成される炭素含有マトリックスの結晶性及び黒鉛性質を示す。特に図6Aは、電子が黒鉛材料の結晶格子と相互作用するときに生成される回折パターンを示す。図6Bは、黒鉛プレートの格子構造を示す。
【0026】
図7は、化学反応を介して、多くの細孔704を有する炭素含有マトリックス702の内部に反応性添加剤を配置する方法700のフロー図を示す。炭素含有マトリックス702の細孔704は、反応性添加剤で部分的に充填されてよい。例えば、反応性添加剤は、炭素含有マトリックス702の細孔704の上にコーティングを形成してよい。
【0027】
炭素含有マトリックス702は、ブロック、布、プレート、又はシートとして形成され得る。炭素含有マトリックス702は、無定形であってもよい。特定の例では、炭素含有マトリックスは、炭素ブロックを切断することによって形成される1つ又は複数のプレートを含んでよい。プレートの厚さは、約1mm未満であってよい。
【0028】
いくつかの場合、炭素含有マトリックス702は、図3の方法300を介して生成される炭素含有マトリックスであってよい。さらに、炭素含有マトリックス702は、炭素含有マトリックス702の表面の分子上に正の電荷を置くことによる等、炭素含有マトリックス702の表面を帯電させることによって活性化されてよい。
【0029】
706では、炭素含有マトリックス702は清掃され、炭素含有マトリックス702の物理的特性及び熱的特性が測定される。例えば、炭素含有マトリックス702は、N2吹付器で清掃されてよい。708で、炭素含有マトリックス702は、反応器プレスの型等の容器710に入れられ、712で、反応性添加先駆物質714が容器710に入れられる。反応性添加先駆物質714は、固体、液体、又は気体であってよい。さらに、反応性添加先駆物質714は、金属、合金、有機重合体、及びその組み合わせを含んでよい。
【0030】
容器に入れられる反応性添加先駆物質714は、炭素含有マトリックス702の細孔704の所望される機能に依存する。例えば、細孔704が水素用の貯槽として使用されるとき、反応性添加先駆物質714は、1つ又は複数の金属水素化物先駆物質であってよい。さらに、細孔704がウォータフィルタとして使用されるとき、反応性添加先駆物質714は、水の中から細菌をろ過して取り除くための反応性添加剤を形成するために使用される生物反応性先駆物質であってよい。
【0031】
716で、圧力及び/又は熱の形をしたエネルギーが、反応性添加先駆物質714及び炭素含有マトリックス702に適用される。例えば、金型718が、反応性添加先駆物質714及び炭素含有マトリックス702に適用され得る。いくつかの場合、反応性添加先駆物質714が固体又は液体であるとき、反応性添加先駆物質714及び炭素含有マトリックス702に適用される圧力は少なくとも500psiを超えている。反応性添加先駆物質714が気体であるとき、部分的な真空等、約500psiを下回る圧力が、反応性添加先駆物質714及び炭素含有マトリックス702に適用されてよい。さらに、特定の状況では、反応性添加先駆物質714及び炭素含有マトリックス702に適用される圧力は、10MPaから50MPaに及んでよい。反応性添加先駆物質714及び炭素含有マトリックス702に適用される温度は200℃から1000℃に及んでよい。
【0032】
いくつかの場合、反応性添加先駆物質714の反応性が、容器710内の反応性添加先駆物質714及び炭素含有マトリックス702に適用される圧力及び/又は温度に影響を及ぼすことがある。さらに、細孔704内部に配置される反応性添加剤の量は、容器710内の反応性添加先駆物質714及び炭素含有マトリックス702に適用される圧力及び/又は温度に影響を及ぼすことがある。圧力及び/又は温度が反応性添加先駆物質714及び炭素含有マトリックス702に適用される時間量も、反応性添加剤で充填される細孔704の容積に影響を及ぼすことがある。
【0033】
圧力及び/又は温度が炭素含有マトリックス702及び反応性添加先駆物質714に適応される一方、化学反応が発生し、1つ又は複数の反応性添加剤を含む最終生成物が、炭素含有マトリックス702の細孔内部で形成され、官能性細孔720のある炭素含有マトリックスを生成する。炭素含有マトリックス702の細孔704の内の少なくとも一部が、反応性添加剤722で部分的に充填される。いくつかの場合、反応性添加剤722は非金属である。724で、官能性細孔720のある炭素含有マトリックスが清掃され、硬化される。
【0034】
いくつかの場合、複数の反応性添加剤722が、炭素含有マトリックス702の細孔704内に配置されてよい。複数の反応性添加剤722は、単一の反応性添加先駆物質714と炭素含有マトリックス702の炭素の間の単一の化学反応を介して、炭素含有マトリックス702の細孔704内部に配置されてよい。また、複数の反応性添加剤722は、複数の反応性添加先駆物質714、炭素含有マトリックス702の炭素、及びその組み合わせを含む、複数の化学反応を介して炭素含有マトリックス702の細孔704内部に配置されてもよい。化学反応のそれぞれは、炭素含有マトリックス702及び反応性添加先駆物質714に、さまざまな温度及び圧力を適用することによって開始されてよい。いくつかの例では、反応性添加剤722のそれぞれは単一の機能を実行してよい。一方、他の例では、反応性添加剤722は複数の機能を実行してよい。
【0035】
図8は、高圧含浸プロセスを介して、多くの細孔804を有する炭素含有マトリックス802の内部に反応性添加剤を配置する方法800のフロー図を示す。炭素含有マトリックス802の細孔804は、反応性添加剤で部分的に充填されてよい。例えば、反応性添加剤は、炭素含有マトリックス802の細孔804上にコーティングを形成してよい。
【0036】
炭素含有マトリックス802は、ブロック、プレート、シート又は布として形成され得る。さらに、炭素含有マトリックス802は、無定形であってもよい。特定の例では、炭素含有マトリックス802は、炭素ブロックを切断することによって形成される1つ又は複数のプレートを含んでよい。プレートの厚さは、約1mm未満であってよい。いくつかの場合、炭素含有マトリックス802は、図3の方法300を介して生成される炭素含有マトリックスであってよい。さらに、炭素含有マトリックス802は、炭素含有マトリックス802の表面の分子に正の電荷を置く等、炭素含有マトリックス802の表面を帯電させることによって活性化されてよい。
【0037】
806で、炭素含有マトリックス802は清掃され、炭素含有マトリックスの物理的特性及び熱的特性が測定される。例えば、炭素含有マトリックス802は、N2吹付器で清掃されてよい。808で、炭素含有マトリックス802は、反応器プレスの型等の容器810に入れられ、812で、反応性添加剤814は、容器810に入れられる。反応性添加剤814は、固体、液体、又は気体であってよい。反応性添加剤814は、有機重合体等の非金属であってよい。さらに、反応性添加剤814は、金属、合金、及びその組み合わせを含んでよい。容器内に入れられる反応性添加剤814は、炭素含有マトリックス802の細孔804の所望される機能に依存する。
【0038】
816で、容器810は加圧され、加熱される。例えば、金型818が、反応性添加剤814及び炭素含有マトリクス802に適用されてよい。反応性添加剤814及び炭素含有マトリックス802に適用される圧力は、10MPaから50MPaに及ぶことがある。反応性添加剤814が固体又は液体であるとき、反応性添加剤814及び炭素含有マトリックス802に適用される圧力は、少なくとも500psiを超えている。反応性添加剤814が気体であるとき、部分的な真空等の約500psiを下回る圧力が、反応性添加剤814及び炭素含有マトリックス802に適用されてよい。さらに、特定の状況では、反応性添加剤先駆物質814及び炭素含有マトリックス802に適用される圧力は、10MPaから50MPaに及んでよい。反応性添加剤814及び炭素含有マトリックス802に適用される温度は、200℃から1000℃に及んでよい。
【0039】
圧力及び/又は温度が炭素含有マトリックス802及び反応性添加剤814に適用される一方、炭素含有マトリックスの細孔804の少なくとも一部が反応性添加剤814で部分的に充填される。いくつかの場合、細孔804内部に配置される反応性添加剤814の量が、容器810内の反応性添加剤814及び炭素含有マトリクス802に適用される圧力及び/又は温度に影響を及ぼすことがある。824で、官能性細孔802のある炭素含油マトリックスが清掃され、硬化される。
【0040】
さらに、複数の反応性添加剤814が、炭素含有マトリックス802の細孔802の内部に配置されてよい。反応性添加剤814のそれぞれは、保管又はろ過等の異なる機能を実行してよい。さらに、反応性添加剤814は、それぞれ複数の機能を実行してよい。反応性添加剤814は、異なる物質に関してではあるが、同じ機能を実行してよい。例えば、反応性添加剤814は、アミン及びカルボン酸等の、異なる物質をろ過するフィルタ材であってよい。細孔804内部にそれぞれの反応性添加剤814を配置するために、異なる温度及び圧力が、炭素含有マトリックス802及び反応添加剤814に適用されてよい。
【0041】
図9は、官能性細孔のある炭素含有マトリックスの応用を示す。特に、902で、炭素含有マトリックス906の細孔904は、フィルタ材で被覆されてよい。フィルタ材は、図7及び図8の反応性添加剤722及び814を含んでよい。さらに、フィルタ材は、炭素含有マトリックス906の表面に反応性化学官能基を付着できる。図9に示される特定の例では、炭素含有マトリックス906は、多くのプレート908として形成される。液体910が、プレート908を通して排出され、特定の物質が、細孔904の内部に配置されるフィルタ材に応じて、液体910の中からろ過して取り除かれる。例えば、液体910が水であるとき、塩素及び細菌等の物質が、プレート910によってろ過して取り除かれてよい。
【0042】
いくつかの代替実装形態では、炭素含有マトリックス906は、プレート908の中に形成され、フィルタ材が炭素含有マトリックス906の細孔904上に被覆されずに、液体910等の液体用のフィルタとして機能してよい。したがって、図3の方法300を介して形成された炭素含有マトリックス等のむき出しの炭素含有マトリックスが、液体用のフィルタとして活用されてよい。さらに、いくつかの状況では、むき出しの炭素含有マトリックスは、活性炭を含むことがある。
【0043】
912で、炭素含有マトリックス906の細孔904は、細孔904内にH2ガスを蓄えるために、金属窒化物で被覆される。炭素含有マトリックス906の試料断面914は、金属水素化物918で被覆された3つの細孔916を示す。さらに、試料断面914は、細孔916内のH2ガスの貯蔵を示す。金属水素化物918は、Mg、LiH、NaBH4、LiAIH4、LaNi5H6、TiFeH2、LiNH2、NaBH4、LiBH4、又はその組み合わせを含んでよい。いくつかの場合、細孔904は、H3NBH3で被覆されてよい。
【0044】
920で、炭素含有マトリックス906の細孔904は、キャパシタ電極又は電池電極として機能するために導電体で被覆される。炭素含有マトリックス906の試料断面922は、導電体926で被覆された2つの細孔924を示す。図9に示されるように、導電体926の部分は、正の電荷又は負の電荷を帯びてよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の細孔を備える炭素含有マトリックスと、
前記複数の細孔の内の少なくとも一部の内部に加圧配置される、金属ではない添加性添加剤であって、
前記複数の細孔の内の前記少なくとも前記一部を部分的に充填する前記反応性添加剤と、
を含むことを特徴とする物質の組成物。
【請求項2】
前記炭素含有マトリックスが、黒鉛結晶性炭素材、炭素粉末、人造黒鉛粉末、炭素繊維、及びその組み合わせからなるグループから選択される少なくとも一種類の炭素材から形成される、請求項1に記載の物質の組成物。
【請求項3】
H2ガスが、前記複数の細孔の内の前記少なくとも一部の内部に配置される、請求項1に記載の物質の組成物。
【請求項4】
前記反応性添加剤が導電体を含む、請求項1に記載の物質の組成物。
【請求項5】
前記反応性添加剤が、前記複数の細孔の内の前記少なくとも一部の内部でコーティングとして配置される、請求項1に記載の物質の組成物。
【請求項6】
前記炭素含有マトリックスが、活性炭を含む、請求項1に記載の物質の組成物。
【請求項7】
前記反応性添加剤が、高圧含浸反応から形成される、請求項1に記載の物質の組成物。
【請求項8】
前記反応性添加剤が、高圧含浸によって前記複数の細孔の内の前記少なくとも一部の内部に配置される、請求項1に記載の物質の組成物。
【請求項9】
請求項1に記載の物質の前記組成物を薄板の中に機械加工することによって形成されることを特徴とする製造品。
【請求項10】
請求項1に記載の前記物質の組成物を作る方法であって、
前記炭素含有マトリックス及び反応性添加先駆物質を提供するステップと、
前記炭素含有マトリックスの前記複数の細孔の内の前記少なくとも一部分の内部に前記反応添加剤を形成するための反応を開始するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記炭素含有マトリックス及び反応性添加先駆物質が、約500psiを上回る圧力に加圧される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記反応が、前記炭素含有マトリックス、及び前記反応性添加先駆物質の温度を、200℃から1000℃の範囲に上昇することによって開始される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記炭素含有マトリックスが複数のプレートを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のプレートが約1mm未満の厚さを有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
請求項1に記載の物質の前記組成物を硬化することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
請求項1に記載の物質の前記組成物からフィルタを形成することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
請求項1に記載の物質の前記組成物を作る方法であって、
前記炭素含有マトリックス、及び金属ではない反応性添加剤を提供するステップと、
前記炭素含有マトリックス及び前記反応性添加剤を、200℃から1000℃の範囲の温度で約500psiを上回る圧力に加圧するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
複数の細孔、及び複数の反応性添加先駆物質を含む炭素含有マトリクスを提供するステップであって、
前記炭素含有マトリックスが、黒鉛結晶性炭素材、炭素粉末、人造黒鉛粉末、炭素繊維、及びその組み合わせからなるグループから選択される1つ又は複数の物質を含む、炭素含有マトリックスを提供するステップと、
金属ではない複数の反応性添加剤を、前記炭素含有マトリックスの前記複数の細孔の内の少なくとも一部の内部に配置するために、前記複数の反応性添加先駆物質、前記炭素含有マトリックスの炭素、及びその組み合わせの間で複数の反応を開始するステップであって、
前記複数の反応のそれぞれが、各反応を開始するために必要とされる対応する圧力及び温度を適用することによって開始される、複数の反応を開始するステップと、
を含む方法によって作られることを特徴とする物質の組成物。
【請求項19】
液体用のフィルタとして形成される炭素含有マトリックスであって、
前記炭素含有マトリックスが複数の細孔を含み、黒鉛結晶性炭素材、炭素粉末、人造黒鉛粉末、炭素繊維、及びその組み合わせからなるグループから選択される1つ又は複数の物質から構築される前記炭素含有マトリックスと、
を含むことを特徴とする製造品。
【請求項20】
金属ではない反応性添加剤が、前記炭素含有マトリックスの前記複数の細孔の内の少なくとも一部の内部に配置される、請求項19に記載の製造品。
【請求項21】
前記反応性添加剤が、前記複数の細孔の内の前記少なくとも一部の内部にコーティングとして配置される、請求項20に記載の製造品。
【請求項22】
前記反応性添加剤が高圧含浸反応から形成される、請求項20に記載の製造品。
【請求項23】
前記反応性添加剤が高圧含浸によって前記複数の細孔の内の前記少なくとも一部の内部に配置される、請求項20に記載の製造品。
【請求項1】
複数の細孔を備える炭素含有マトリックスと、
前記複数の細孔の内の少なくとも一部の内部に加圧配置される、金属ではない添加性添加剤であって、
前記複数の細孔の内の前記少なくとも前記一部を部分的に充填する前記反応性添加剤と、
を含むことを特徴とする物質の組成物。
【請求項2】
前記炭素含有マトリックスが、黒鉛結晶性炭素材、炭素粉末、人造黒鉛粉末、炭素繊維、及びその組み合わせからなるグループから選択される少なくとも一種類の炭素材から形成される、請求項1に記載の物質の組成物。
【請求項3】
H2ガスが、前記複数の細孔の内の前記少なくとも一部の内部に配置される、請求項1に記載の物質の組成物。
【請求項4】
前記反応性添加剤が導電体を含む、請求項1に記載の物質の組成物。
【請求項5】
前記反応性添加剤が、前記複数の細孔の内の前記少なくとも一部の内部でコーティングとして配置される、請求項1に記載の物質の組成物。
【請求項6】
前記炭素含有マトリックスが、活性炭を含む、請求項1に記載の物質の組成物。
【請求項7】
前記反応性添加剤が、高圧含浸反応から形成される、請求項1に記載の物質の組成物。
【請求項8】
前記反応性添加剤が、高圧含浸によって前記複数の細孔の内の前記少なくとも一部の内部に配置される、請求項1に記載の物質の組成物。
【請求項9】
請求項1に記載の物質の前記組成物を薄板の中に機械加工することによって形成されることを特徴とする製造品。
【請求項10】
請求項1に記載の前記物質の組成物を作る方法であって、
前記炭素含有マトリックス及び反応性添加先駆物質を提供するステップと、
前記炭素含有マトリックスの前記複数の細孔の内の前記少なくとも一部分の内部に前記反応添加剤を形成するための反応を開始するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記炭素含有マトリックス及び反応性添加先駆物質が、約500psiを上回る圧力に加圧される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記反応が、前記炭素含有マトリックス、及び前記反応性添加先駆物質の温度を、200℃から1000℃の範囲に上昇することによって開始される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記炭素含有マトリックスが複数のプレートを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のプレートが約1mm未満の厚さを有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
請求項1に記載の物質の前記組成物を硬化することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
請求項1に記載の物質の前記組成物からフィルタを形成することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
請求項1に記載の物質の前記組成物を作る方法であって、
前記炭素含有マトリックス、及び金属ではない反応性添加剤を提供するステップと、
前記炭素含有マトリックス及び前記反応性添加剤を、200℃から1000℃の範囲の温度で約500psiを上回る圧力に加圧するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
複数の細孔、及び複数の反応性添加先駆物質を含む炭素含有マトリクスを提供するステップであって、
前記炭素含有マトリックスが、黒鉛結晶性炭素材、炭素粉末、人造黒鉛粉末、炭素繊維、及びその組み合わせからなるグループから選択される1つ又は複数の物質を含む、炭素含有マトリックスを提供するステップと、
金属ではない複数の反応性添加剤を、前記炭素含有マトリックスの前記複数の細孔の内の少なくとも一部の内部に配置するために、前記複数の反応性添加先駆物質、前記炭素含有マトリックスの炭素、及びその組み合わせの間で複数の反応を開始するステップであって、
前記複数の反応のそれぞれが、各反応を開始するために必要とされる対応する圧力及び温度を適用することによって開始される、複数の反応を開始するステップと、
を含む方法によって作られることを特徴とする物質の組成物。
【請求項19】
液体用のフィルタとして形成される炭素含有マトリックスであって、
前記炭素含有マトリックスが複数の細孔を含み、黒鉛結晶性炭素材、炭素粉末、人造黒鉛粉末、炭素繊維、及びその組み合わせからなるグループから選択される1つ又は複数の物質から構築される前記炭素含有マトリックスと、
を含むことを特徴とする製造品。
【請求項20】
金属ではない反応性添加剤が、前記炭素含有マトリックスの前記複数の細孔の内の少なくとも一部の内部に配置される、請求項19に記載の製造品。
【請求項21】
前記反応性添加剤が、前記複数の細孔の内の前記少なくとも一部の内部にコーティングとして配置される、請求項20に記載の製造品。
【請求項22】
前記反応性添加剤が高圧含浸反応から形成される、請求項20に記載の製造品。
【請求項23】
前記反応性添加剤が高圧含浸によって前記複数の細孔の内の前記少なくとも一部の内部に配置される、請求項20に記載の製造品。
【図3】
【図7】
【図8】
【図9】
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【公表番号】特表2012−528787(P2012−528787A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−514181(P2012−514181)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【国際出願番号】PCT/US2010/037435
【国際公開番号】WO2010/141840
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(511134757)アプライド ナノテク インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【国際出願番号】PCT/US2010/037435
【国際公開番号】WO2010/141840
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(511134757)アプライド ナノテク インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]