説明

実験動物の作成に用いる用具

【課題】簡便かつ確実に尿路感染症モデル動物を作成可能な実験動物及び該実験動物の作成に有用な膀胱内留置用具を提供する。
【解決手段】尿路感染症モデル動物を作成するための、実験動物の膀胱内に留置するラセン状の熱可塑性樹脂からなる弾性体用具であって、ガイドワイヤー又はガイドチューブにより与えられる外力の存在下で直線状に変形して経尿道的に膀胱内に導入することができる留置用具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緑膿菌などが引き起こす複雑性尿路感染症などの尿路感染症実験モデル動物の作成に用いる実験動物の作成に用いる膀胱内留置用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
緑膿菌などが関与する複雑性尿路感染症では、経尿道的に挿入され膀胱内部に留置されるカテーテルなどの異物表面に、菌体から分泌される多糖などの成分から構成されるフィルム(バイオフィルム)が形成される場合がある。抗生物質や抗菌剤はバイオフィルムの内部に容易に浸透できず、かつバイオフィルム内部の菌は増殖速度が小さいため、一旦バイオフィルムが形成されると尿路感染症が難治化し易く、また耐性菌が出現するという問題を生じる。
【0003】
バイオフィルムが関与する尿路感染症の発症や病態の研究、あるいはその治療方法の検討などのために、複雑性尿路感染症などの尿路感染症を実験動物において再現した尿路感染症モデル動物が開発されている。一般に、尿路感染症モデル動物の作成は、膀胱内に緑膿菌やその他の感染起因菌を接種するとともに、膀胱内にカテーテルなどの異物を留置することにより行われる(膀胱内異物留置法)。実験動物としてウサギあるいはウサギより大きい動物を用いる場合には、経尿道的にカテーテルを膀胱内に挿入した後、動物を拘束することによってカテーテルを膀胱内部に留置する方法(経尿道的な膀胱内異物留置法)が採用されているが、ラットやマウスなどの小動物を用いる場合には、長時間にわたって動物を拘束することが困難であり、微小なカテーテルが容易に膀胱から排泄されてしまうという問題があるので、開腹手術によって膀胱内に異物を留置するのが一般的である。
【0004】
しかしながら、マウスなどの小動物に対して膀胱の切開、あるいは異物としての糸の刺入を伴う開腹手術を行うためには術者の熟練を要するとともに、一個体の処置にも長時間を要するという問題がある。また、このような手術は侵襲が大きく、術後に充分な静養期間を必要とするので、短期間に効率的に実験を行うことが困難であった。従って、マウスやラットなどの小動物を用いて、開腹手術を要することなく、簡便かつ確実に尿路感染症モデルを作成する方法の開発が求められていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、簡便かつ確実に尿路感染症モデル動物を作成可能な実験動物及び該実験動物の作成に有用な膀胱内留置用具を提供することにある。より具体的には、開腹手術を要せずに、マウスやラットなどの小動物の膀胱内に経尿道的に容易に導入することができ、膀胱内に留置された後に容易に排泄されない留置用具を提供すること、並びに、該留置用具を経尿道的に膀胱内に留置したマウスやラットなどの小型実験動物を提供することが本発明の課題である。また、上記の実験動物を用いて尿路感染症モデル動物を作成する方法を提供することも本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意努力した結果、ラセン形に加工したポリエチレン製チューブをガイドワイヤーを用いて伸直させ、ガイドワイヤーの他端からポリエチレン製ガイドチューブを差し込んで、このガイドチューブにより加工したチューブを膀胱内に押し出した後、ガイドワイヤーを引き抜くことによって、膀胱内にラセン形のポリエチレン製チューブを効率的に留置することができること、並びに、このようにして留置されたラセン形のポリエチレン製チューブが膀胱から全く脱落せずに膀胱内異物として作用し、緑膿菌などを経尿道的に接種することにより難治性尿路感染症モデル動物を容易に作成できることを見い出した。また、このようにして作成したモデル動物では、ラセン形のポリエチレン製チューブの表面にバイオフィルムが形成されており、難治性の尿路感染症モデル動物として極めて優れた性質を有していることを見い出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
【0007】
すなわち本発明は、尿路感染症モデル動物を作成するための実験動物の膀胱内に留置するラセン状の弾性体用具であって、外力の存在下で直線状に変形して経尿道的に膀胱内に導入することができる留置用具を提供するものである。この発明の好ましい態様によれば、熱可塑性樹脂からなる上記留置用具;ポリエチレン樹脂からなる上記留置用具;ポリエチレン製チューブ又はポリエチレン製ワイヤーからなる上記留置用具;外力がガイドワイヤー又はガイドチューブにより与えられる上記留置用具;並びに、動物がラット又はマウスである上記留置用具が提供される。
【0008】
また本発明の別の態様によれば、上記各態様の留置用具が膀胱内部に留置されたことを特徴とする尿路感染症モデル動物作成用の実験動物が提供され、その好ましい態様として、ラット又はマウスである上記実験動物が提供される。さらに、尿路感染症モデル動物の作成に用いるための膀胱内にラセン状の弾性体用具が留置された実験動物の作成方法であって、以下の工程:(1) ラセン状の弾性体用具を外力の存在下で直線状に変形させて経尿道的に動物の膀胱内に導入する工程、及び、(2) 外力を取り去ることによって膀胱内部で該弾性体用具をラセン状に復帰させる工程;とを含む方法も提供される。
【0009】
本発明のさらに別の態様によれば、尿路感染症モデル動物の作成方法であって、上記実験動物に対して経尿道的に病原菌を接種する工程を含む方法;及び、尿路感染症モデル動物の作成方法であって、上記実験動物に対して経尿道的に病原菌を接種し、膀胱内留置用具の表面にバイオフィルムを形成させる工程を含む方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の膀胱内留置用具は、開腹手術を要せずに、マウスやラットなどの小動物の膀胱内に経尿道的に簡便に留置することができ、長期間にわたって脱落することがない。また、病原菌の接種によってその表面にバイオフィルムが形成されるので、複雑性尿路感染症などの難治性尿路感染症の実験モデル動物を確実に作成することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の膀胱内留置用具の材質は弾性体であれば特に限定されないが、例えば、ゴム等のエラストマーのほか、熱可塑性樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタンなどを用いることができる。また、ヒトにおける尿道カテーテルと同じ材質、例えばシリコン等をコーティングした弾性体を用いることもできる。熱可塑性樹脂のうち、80〜 100℃程度で塑性成形でき、40℃以下、好ましくは室温下(0〜30℃)において弾性体(本明細書において、弾性体という用語は粘弾性体を含めて最も広義に用いる)の性質を有するものが好適である。
【0012】
例えば、熱湯などを用いて容易に塑性成形できるとともに、室温下において外力の存在下で容易に変形し、外力を取り去ることにより速やかに元の形状に復帰することができるポリエチレンなどを特に好適に用いることができる。もっとも、材質はポリエチレンに限定されることはなく、加工の容易性、塑性成形の容易性、及び弾性変形の容易性などの観点から適宜のものを選択できる。なお、外力は、膀胱内留置のために好ましい本発明の用具の形状を尿道を通過させるために好ましい形状に一時的に変形させるために外部から加えられる力であり、チューブ状の部材を用いて製造された本発明の用具のチューブ内壁に対してガイドワイヤーの表面から外力が加えられる場合や、ガイドチューブ内に伸直された状態で挿入された本発明の用具の外壁に対してガイドチューブ内壁から外力が加えられる場合などがある。
【0013】
本発明の膀胱内留置用具を製造するためには、ゴム等のエラストマーや上記の熱可塑性樹脂を当業者に利用可能な適宜の方法で成形又は切削すればよいが、本発明の用具を簡便に製造するためには、容易に入手可能なポリエチレン製のチューブを用いることができる。例えば、動静脈及び脳血管撮影用の穿刺用具として市販されているイントラメディック・ポリエチレン・チュービング #427410 (PE50, ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー製, 内径 0.58 mm×外径 0.965 mm)などは、本発明の膀胱内留置用具の製造に特に有用である。また、本発明の膀胱内留置用具を簡便に製造するためには、上記のポリエチレン製チューブのほか、ポリエチレン製のワイヤーなどを用いることができる。
【0014】
ポリエチレン製チューブを用いた本発明の膀胱内留置用具の製造方法及び使用方法の一例を具体的に説明する。上記ポリエチレン製チューブを約 1.5 cm 程度の長さに切断し、内部にステンレス製などの金属製のガイドワイヤー (外径約 0.5 mm 程度、長さ 10 cm程度の直線状ワイヤー)を通して、ポリエチレン製チューブの部分をラセン状 (ラセンピッチ: 約 1 mm 程度; ラセン全長: 約 5 mm 程度; ラセン回数: 約2回)に加工する。加工にあたっては、18ゲージの注射針に巻き付けると簡便である。その後、ポリエチレン製チューブの部分を 100℃の熱湯に 2〜3 秒間浸漬し、冷却後にガイドワイヤーを抜去するこにより、ラセン状に加工された本発明の膀胱内留置用具を製造することができる。なお、適当な長さのポリエチレン製チューブを上記のようにして加工した後に、ラセン全長が約5 mm 程度になるように切断してもよい。
【0015】
上記のようにして得た膀胱内留置用具のチューブ内部のガイドワイヤーを再び伸直させるか、またはチューブ内部に新たに直線状のガイドワイヤーを差し込み、ガイドワイヤーからの外力によってラセン状の膀胱内留置用具を直線状に変形させることができる。変形させた膀胱内留置用具を差し込んだガイドワイヤーの他端から未加工のポリエチレン製チューブを差し込んでガイドチューブとし、変形させた膀胱内留置用具の側からラットの尿道を通して膀胱内に導入する。直線状に変形した膀胱内留置用具を膀胱内部に完全に挿入した後、ガイドチューブを膀胱内部に向かって押し込んで膀胱内部に膀胱内留置用具を押し出すと、膀胱内留置用具が速やかにラセン状に復帰し、ラセン状の膀胱内留置用具が膀胱内部に確実に留置される。
【0016】
ポリエチレン製ワイヤーを用いて膀胱内留置用具を製造する場合には、ステンレスなどの金属製のチューブ内にポリエチレン製ワイヤーを充填し、この金属製チューブを、例えば、18ゲージの注射針に巻き付けてラセン状 (ラセンピッチ:約 1 mm 程度)に加工すればよい。その後、ポリエチレン製ワイヤーを充填した金属製チューブを 100℃の熱湯に 2〜3 秒間浸漬し、冷却後にラセン状に加工されたポリエチレンワイヤーを引き抜き、ラセン全長が約 5 mm 程度(ラセン回数: 約2回)になるように切断することにより、本発明の膀胱内留置用具を製造することができる。
【0017】
上記態様の膀胱内留置用具を膀胱内に留置するには、ラセン状の膀胱内留置用具を金属製の直線状ガイドチューブ内に充填して、ガイドチューブからの外力により膀胱内留置用具を直線状に変形させる。その後、膀胱内留置用具を充填したガイドチューブの先端を経尿道的に膀胱内に挿入し、金属製又はポリエチレン製などのワイヤーなどの押し棒をガイドチューブの他端からチューブ内に押し込んで、ガイドチューブ内に充填された膀胱内留置用具を膀胱内部に押し出す。膀胱内部に押し出された膀胱内留置用具は外力から開放され、速やかにラセン状に復帰して膀胱内部に確実に留置される。
【0018】
本発明の方法は、ラットやマウスなどの小動物に対して好適に用いられるほか、モルモット、ウサギなどの比較的大型の動物に対して適用することも可能である。膀胱内留置用具の形状及び大きさは使用する実験動物の膀胱の大きさなどの条件に応じて適宜選択可能である。より具体的にいうと、膀胱内留置用具の形状と大きさは、直線状に変形した状態で経尿道的に膀胱内部に挿入することができ、かつ、留置後には実験動物の膀胱内で異物として認知されるとともに、経尿道的に容易に排出されないように選択されるべきである。ラットを用いる場合について具体的に説明したラセン形状とその大きさは、本発明の膀胱内留置用具の形状及び大きさの好ましい一例である。従って、本発明の膀胱内留置用具の形状はラセン状に限定されることはなく、例えば、渦巻き状、多角形状、又はこれらの組み合わせの形状など当業者が適宜選択可能である。
【0019】
なお、本明細書において用いる「直線状」という用語は、本発明の用具が全体として尿道を通過させるために好ましい形状であることを意味しており、用具が概ね直線状態にあるという意味に解釈されるべきである。従って、全体及び細部において完全な直線状を呈する場合のほか、全体としては直線状であるものの、細部において非直線状(例えば曲線状)の部分を含むものなどを包含している。また、概ね直線状とは、その用具が多少の湾曲や凹凸を含む場合があることを意味している。
【0020】
上記の方法により膀胱内部に本発明の膀胱内留置用具を留置した後、経尿道的に緑膿菌などを接種することにより、複雑性尿路感染症のモデル動物を作成することが可能である。また、病原菌の接種後、膀胱内留置用具の表面に速やかにバイオフィルムが形成され、膀胱及び腎臓から長期にわたって接種菌が排出され続けるので、難治性の尿路感染症のモデル動物として用いることもできる。さらに、上記の留置方法を無菌的に行うことにより、本発明の膀胱内留置用具が膀胱内に留置された実験用動物を作成することができ、実験開始時まで長期にわたって飼育・維持することが可能である。
【実施例】
【0021】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
例1:膀胱内留置用具の製造ポリエチレン製チューブ(イントラメディック・ポリエチレン・チュービング#427410, PE50, ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー製, 内径 0.58 mm×外径 0.965 mm × 1.5 cm)の内部にステンレス製のガイドワイヤー (外径0.5 mm)を通し、18ゲージの注射針に巻き付けてラセン状に加工した (ラセンピッチ: 約 1 mm;ラセン全長: 約 5 mm;ラセン回数: 約2回)。このチューブを100 ℃の熱湯に 2〜3 秒間浸漬した後に水中で冷却し、ラセン状の膀胱内留置用具を製造した。
【0022】
例2:膀胱内留置用具を用いた緑膿菌尿路感染症モデルラットの作成例1で製造した膀胱内留置用具のチューブ内部のガイドワイヤーを伸直させ、膀胱内留置用具を直線状に変形させた後、ガイドワイヤーの反対側からガイドチューブとして未加工のポリエチレン製チューブを差し込んだ。これを、ケタミン・キシラジン麻酔下で膀胱内留置用具の側からラット(Crj;CD系, 雌性, 6〜8週齢)の尿道に挿入し、さらにガイドチューブを押し込んで膀胱内留置用具を膀胱内部に押し出し、膀胱内で膀胱内留置用具をラセン状に復帰させた。この後、ガイドチューブ及びガイドワイヤーを尿道から抜去した。留置後、尿道常在菌の関与を防ぐ目的で飲水中にアンピシリン (1 mg/ml)を添加して自由摂水させ、全ての試験ラットにおいて常在菌の混入がないことを確認した。
【0023】
留置4日後、前日より絶食絶水にした留置ラットをケタミン・キシラジン麻酔し、緑膿菌 910735 株(尿路感染症由来)を経尿道的に膀胱内に接種して(5×106 cfu/0.5 ml) 、尿道口を小型クリップで4時間閉塞した。接種後4時間から給水を開始した。緑膿菌接種後の腎臓内及び膀胱内の菌数、並びに、膀胱内留置用具に付着した菌数の経日的推移を図1に示す。図中、(A) は腎臓内菌数、(B) は膀胱内菌数、(C) は膀胱内留置用具に付着した菌数を示し、■は本発明の膀胱内留置用具を留置したラットの結果を示し、○は対照として用いた非留置ラットの結果を示す。
【0024】
感染翌日の腎臓内菌数は留置ラットよりも非留置ラットにおいて高かったものの、非留置ラットでは腎臓内菌数の速やかな減少が認められた。一方、留置ラットでは、感染10日目まで 105 cfu/g程度の菌数が維持されており、膀胱内留置用具により感染の遷延化が認められた。また、膀胱内菌数についても、非留置ラットでは感染10日後にほぼ完全に除菌されていたのに対して、留置ラットでは感染10日後でも 105 cfu/g以上の菌数が維持されていた。膀胱内留置用具には感染10日後まで 104〜106 cfu/mlの範囲の菌数が認められた。これらの結果から、膀胱内に本発明の膀胱内留置用具を留置して緑膿菌を感染させると、膀胱における接種菌の定着及び維持が容易になり、その結果、腎臓における感染が遷延化ものと考えられる。
【0025】
腎臓の病理組織を観察したところ、感染翌日には腎盂で好中球の浸潤が認められ、感染4日後には腎実質への感染の進展が認められた。また、膀胱内留置用具の表面を走査型電子顕微鏡を用いて経時的に観察したところ、感染2日後には接種菌がほぼ全面に付着しており、接種菌によるバイオフィルムが形成されていた。なお、本発明の膀胱内留置用具を留置したラットでは、2週間後にもポリエチレンチューブの排出が認められず、膀胱内留置用具が膀胱内に完全に留置されていることが確認された。対照として、1.5 cmの直線状ポリエチレンチューブ(例1で用いたもの,未加工)を経尿道的に挿入したラットを作成して経過を観察したところ、対照群では全ての動物の膀胱内からポリエチレンチューブが排出されたことが認められた。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の膀胱内留置用具を留置した実験動物(ラット)に緑膿菌を接種した後の腎臓内及び膀胱内の菌数、並びに、膀胱内留置用具に付着した菌数の経日的推移を示す図である。図中、(A) は腎臓内菌数、(B) は膀胱内菌数、(C)は膀胱内留置用具に付着した菌数を示す。また、■は本発明の膀胱内留置用具を留置したラットの結果;○は対照として用いた非留置ラットの結果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
尿路感染症モデル動物を作成するための、実験動物の膀胱内に留置するラセン状の熱可塑性樹脂からなる弾性体用具であって、ガイドワイヤー又はガイドチューブにより与えられる外力の存在下で直線状に変形して経尿道的に膀胱内に導入することができる留置用具。
【請求項2】
ポリエチレン樹脂からなる請求項1に記載の留置用具。
【請求項3】
ポリエチレン製チューブ又はポリエチレン製ワイヤーからなる請求項1に記載の留置用具。
【請求項4】
動物がラット又はマウスである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の留置用具。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の留置用具が膀胱内部に留置されたことを特徴とする尿路感染症モデル動物作成用の実験動物。
【請求項6】
ラット又はマウスである請求項5に記載の実験動物。

【図1】
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【公開番号】特開2006−280379(P2006−280379A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−161963(P2006−161963)
【出願日】平成18年6月12日(2006.6.12)
【分割の表示】特願平8−134806の分割
【原出願日】平成8年5月29日(1996.5.29)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成8年5月1日 第44回日本化学療法学会総会事務局発行の「日本化学療法学会雑誌Vol.44」に発表
【出願人】(000002831)第一製薬株式会社 (129)
【Fターム(参考)】