説明

室内用竿保持装置

【課題】 浴室の対向2壁面間に物干竿を掛け渡す為壁面に取付けられる竿受けに竿を保持させたとき、竿に掛けた物の重さで竿が撓み、端が竿受けから跳ね上がることがあるので、これを防ぐ。
【解決手段】 上面と前面が開放された箱状の竿受け1に対して、この竿受けの外形に適合する形の環状体2を予め竿3に通しておき、竿3を竿受けに支承させた後、この環状体2を竿受けの外側にかぶせるようにした。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は浴室を利用した乾燥装置において、浴室内に装脱自在に物干竿を掛け渡す場合のように、室内に竿を掛け渡すための竿保持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上述した室内に装脱自在に竿を掛け渡す従来装置を本考案の一実施形態を示す図1Aを借りて説明する。Wは室内壁で1が竿受けである。これと同じ竿受けが図外の対向壁面の対応位置にも取付けられている。3が竿で、竿端には保護キャップ31が取付けられている。この竿の両端を夫々竿受け1に上から落とし込んで竿を保持させるのであるが、竿は両側の竿受け間の間隔より少し短くしておかないと、竿の装脱が困難である。このため竿3は少し短めであるから、竿受けに保持させたとき竿はその長さ方向にがたつきが生じる。このがたつきを無くすため、竿受け1にはその壁Wへの取付け面の内側に弾性舌片11が形成してあり、この舌片が竿端の保護キャップ31の頭端に当たって竿の長さ方向のがたつきを防いでいる。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
上述したような室内竿保持装置で竿に物を掛けると竿が撓み、図3に示すように竿端の保護キャップ31が上方に変位して、竿のがたつきを防止する舌片11が保護キャップ31の頭端の丸味の下に当たるようになり、舌片11の弾撥力で竿端が跳ね上げられることがある。本考案はこの跳ね上げを防ぐことを目的としてなされた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前面と上面が開放された形で壁に取付けられる竿受けの外形に略々適合する形を有し、稍々拡張されながら竿受けに嵌着される環状或は一部切断された環状の環状体を竿に予め挿通しておき、竿端を上記竿受けに落とし込んだ後、上記環状体を上記竿受けに嵌合させるようにした。
【0005】
上述構成によれば、環状体が竿受けに嵌着された状態では竿端は環状体によって竿受けから上方に跳ね上がるのが抑えられ、環状体は竿受けに弾性的に嵌着されていて自然には抜けないから、竿に物を掛けている間に竿端が動いても、そのために環状体が竿受けから竿端の方に抜けて来るおそれがない。
【0006】
【考案の実施の形態】
図1に本考案の実施形態の一例を示す。基本的な説明は段落番号0002で行ったからこゝでは省略する。竿受け1はプラスチック製で上面と正面が開放された箱形で、背面部分がねじ5によって壁Wに固着される。竿受けの前縁部の正面形は下が丸くてU字形であるが、これは上向きコ字形でもよく、要は上から竿端が落とし込める形である。竿受け1の背面部内側には弾性舌片11が竿受けと一体的に形成されている。舌片11は上端が竿受けの背面部より出発して下端が自由端となって竿受け内に突出している。
【0007】
2が環状体で、帯金をコ字形に折曲し、更に両端を内向きに湾曲させて竿受け1の外側に適合する形としてある。この環状体は下辺が切れていて、弾性的に拡げられるようになっている。この環状体2は図1Aに示すように予め竿3に通しておく。竿3の端を竿受け1に落とし込んだ後、環状体2を竿受け1の方に進めて、図1Bに示すように竿受け1に嵌着させる。このとき環状体2は少し拡げられて竿受けに嵌着されるので、環状体が自然に竿受けから抜けることはない。 竿を取外すには、環状体2を竿3の方へ戻し、竿端を竿受け1から上方に脱出させればよいのである。
【0008】
環状体2は下部が切れている形に限られない。図2は環状体2の正面形の幾つかの例を示す。図2Aは幅が竿受けの外面幅より稍々狭く、上下が弓なりに曲がっていて、竿受けに嵌めると、上下の弓なりが真直になろうとして幅が弾性的に拡がるようにした形である。図2Bは側面に内側に向かって突条21を打出したもので、環状体を竿受けに嵌合させたとき、環状体2はこの突条21の突出量分だけ幅が拡げられて、竿受けに弾性的に保持されるのである。
【0009】
【考案の効果】
本考案によれば、環状体を予め竿に挿通しておいて、竿受けに保持させればよく、竿に物を掛けているとき、竿端が跳ね上がって竿受けから脱出すると云うことが防がれ、安心して竿に物を掛ける作業が出来る。そして環状体は弾性的に押し拡げられる状態で竿受けに嵌着されるので、自然脱落の心配がなく、竿を使わないときも環状体を竿に通したまゝだと環状体は失い易いが、本考案によれば環状体は弾性的に竿受けに嵌着されているので、不使用時には環状体は竿受けに嵌着しておけばよいのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施形態の一例の要部斜視図。
【図2】本考案における環状体の他の例を示す斜視図。
【図3】従来例の要部側面図。
【符号の説明】
1 竿受け
2 環状体
3 竿

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 上面と前面が開放された箱形で壁面に取付けられる竿受けと、この竿受けの外形に略々適合する形を有し、稍々拡張されながら竿受けに嵌着される環状或は一部切断された環状の環状体とよりなり、この環状体を予め竿に挿通しておき、竿端を上記竿受けに上方から落とし込み、その後上記環状体をスライドさせて上記竿受けに嵌合させるようにした室内用竿保持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【登録番号】第3054835号
【登録日】平成10年(1998)9月30日
【発行日】平成10年(1998)12月18日
【考案の名称】室内用竿保持装置
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平10−4604
【出願日】平成10年(1998)6月10日
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)