説明

家具

【課題】 水受けトレーを後ろから照らすことで、該トレーに溜まっ水の量を簡単に視認することができ、水を捨てるタイミングを容易に確認することができる家具を提供する。
【解決手段】 家具の透光材質で形成された着脱自在な水受けトレーの後方に、照明器具を配設し、該照明器具の光が水受けトレーを照らすように構成した。また、前記水受けトレーの上部には、水切りされた水を集めて水受けトレーへと導水する水切りプレートを配設し、該水切りプレートを透光材質で形成し、前記照明器具は、家具の内部を照らすことができるように構成した。さらに、前記照明器具は、家具の下方をも照らすことができることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、水受けトレーを備えた家具、特に、水受けトレーを備えた昇降吊戸棚に好適な家具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、洗った皿や鍋等の物品を水切り棚に載置する機能を備えた昇降式吊戸棚は、例えば、特許文献1に示すように公知である。
【0003】
【特許文献1】特開2001−87061号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような水切り機能を備えた昇降式吊戸棚にあっては、水受けトレーには照明が当たらないように構成されていたため、水受けトレーの内部が暗く、溜まった水の量を視認しにくく、水が溢れてしまい易い、という不具合を有していた。
【0005】
この発明は、かかる現状に鑑み創案されたものであって、その目的とするところは、水受けトレーを後ろから照らすことで、該トレーに溜まっ水の量を簡単に視認することができ、水を捨てるタイミングを容易に確認することができる家具を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の家具にあっては、透光材質で形成された着脱自在な水受けトレーの後方に、照明器具を配設し、該照明器具の光が水受けトレーを照らすように構成したことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に記載の発明にあっては、請求項1に記載の家具を技術的前提とし、前記水受けトレーの上部には、水切りされた水を集めて水受けトレーへと導水する水切りプレートが配設されていることを特徴とする。
【0008】
さらに、請求項3に記載の発明にあっては、請求項1に記載の家具を技術的前提とし、前記照明器具は、家具の下方をも照らすことができることを特徴とする。
【0009】
さらに、請求項4に記載の家具にあっては、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の家具を技術的前提とし、前記水切りプレートを透光材質で形成し、前記照明器具は、家具の内部を照らすことができることを特徴とする。
【0010】
さらに、請求項5に記載の家具にあっては、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の家具を技術的前提とし、前記家具を電動式吊戸棚としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
それ故、請求項1に記載の発明にあっては、水受けトレーを後ろから照らすことで、該トレーに溜まっ水の量を簡単に視認することができ、水を捨てるタイミングを容易に確認することができる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明にあっては、水切り棚から流下する水を集めて水受けトレーへと自動的に導水することができる。
【0013】
さらに、請求項3に記載の発明にあっては、家具の下方を照らす照明器具を別途配設する必要がないため、この種の家具の構成を単純化して、部品点数を削減でき製造コストを低減することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明にあっては、水受けトレーと家具の内部を同時に照らすことができ、家具の内部を照明する照明器具が必要ないため、部品点数を削減でき製造コストを低減することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明にあっては、本発明を電動式昇降吊戸棚に適用した場合、デザイン性が向上し、かつその機能も最も効果的となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面に示す発明の一実施形態例に基づき、この発明を詳細に説明する。
【0017】
図1は、この発明の一実施形態例に係る電動式昇降吊戸棚の水受けトレー部を示す断面図を、図2は同水受けトレー部の平面図を、図3は同水受けトレー部のA−A線断面図を、図4は同水受けトレー部の正面図を、図5は同水受けトレー部の側面図を、図6は同水受けトレー部のB−B線断面図を、図7は同水受けトレー部が適用された電動式昇降吊戸棚のインナーキャビネットを示す断面図を夫々示している。
【0018】
この実施形態例の電動式昇降吊戸棚1は、食器の水きり機能を備えており、その下方にはカウンター(図示せず)が配設されるもので、下部が開口された箱型のアウターケース(図示せず)と、該アウターケースの開口からインナーケース2が上下に昇降操作可能に構成されている。
【0019】
該アウターケースの内部上部には、図示はしないが滑車と巻取りドラムと駆動モータを備えた昇降機構部が設置されており、該昇降機構部からの一対のベルトにインナーケース2を係着していて、駆動モータによってインナーケース2を昇降することができるように構成されているが、該昇降駆動手段は、公知の各種昇降手段を適用することができる。
【0020】
尚、上記インナーケース2は、該インナーケース2の天板3と水受けトレー4との間に、例えば、カラー塗装して錆び止めした金属線材を複数本架設したワイヤー棚5が着脱自在に配設されており、該金属線材間に皿を立てて挿入して保持したり、又、ちゃわんのような容器状の食器を内部に収容保持できるように構成されている。
【0021】
本実施形態例において、上記水受けトレー4は、透光性材質でパン状に形成されていると共に、水受けトレー4の裏面左右には特に図示はしないが、レールが設けられ、該トレー4を手指でインナーケース2の手前に引出すことで、溜まった水を外部に排水することができるように構成されている。
【0022】
そして、上記水受けトレー4の後方であって、インナーケース2の下部には、照明器具6が配設され、図示しないスイッチの操作により、該照明器具6が点灯したり消灯するように構成されている。尚、該照明器具6は、公知のものを用いることができるが、本実施形態例では、該照明器具6からの光は、水受けトレー4を後方から照らし、かつ、インナーケース2の下部に開設された開口7から下方を照らすことができるように構成されている。
【0023】
また、この実施形態例では、図1に示すように、上記水受けトレー4を収納するトレー収納部8の背板9の上部隙間Sから照明器具6の光が漏れて水受けトレー4を照らすように構成した場合を例にとり説明しているが、この発明にあってはこれに限定されるものではなく、この背板9を廃止して照明器具6からの光で水受けトレー4を直接照らすように構成してもよい。
【0024】
また、該水受けトレー4の上部には、ワイヤー棚5に保持された食器類から滴下する水を受け、集水して排水孔11から水受けトレー4へと排水する水切りプレート10が配設されており、この実施形態例では、該水切りプレート10を透光材質で形成し、照明器具6からの光でインナーケース2の内部を照らすことができるように構成されている。
【0025】
この実施形態例にかかる電動式昇降吊戸棚1は、以上のように構成されているので、水受けトレー4を後ろから照らすことで、該トレー4に溜まった水の量を簡単に視認することができ、水を捨てるタイミングを容易に確認することができ、また、ワイヤー棚5から流下する水を集めて水受けトレー4へと自動的に導水することができ、さらに、下方の手元などを照らす照明器具を別途配設する必要がないため、この種の電動式昇降吊戸棚1の構成を単純化して、部品点数を削減でき製造コストを低減することができ、しかも、水受けトレー4とインナーケース2の内部を同時に照らすことができ、インナーケース2の内部を照明する照明器具が必要ないため、部品点数を削減でき製造コストを低減することができると共に、この種の電動式昇降吊戸棚1のデザイン性が向上する等、幾多の優れた効果を奏することができる。
【0026】
尚、上記実施形態例では、この発明を電動式昇降吊戸棚1に適用した場合を例にとり説明したが、この発明は、これに限定されるものではなく、例えば、水受けトレー4を備えた各種収納庫に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】この発明の一実施形態例に係る電動式昇降吊戸棚の水受けトレー部を示す断面図である。
【図2】同水受けトレー部の平面図である。
【図3】同水受けトレー部のA−A線断面図である。
【図4】同水受けトレー部の正面図である。
【図5】同水受けトレー部の側面図である。
【図6】同水受けトレー部のB−B線断面図である。
【図7】同水受けトレー部が適用された電動式昇降吊戸棚のインナーキャビネットを示す断面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 電動式昇降吊戸棚
2 インナーケース
4 水受けトレー
5 ワイヤー棚
6 照明器具
10 水切りプレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光材質で形成された着脱自在な水受けトレーの後方に、照明器具を配設し、該照明器具の光が水受けトレーを照らすように構成したことを特徴とする家具。
【請求項2】
前記水受けトレーの上部には、水切りされた水を集めて水受けトレーへと導水する水切りプレートが配設されていることを特徴とする請求項1に記載の家具。
【請求項3】
前記照明器具は、家具の下方をも照らすことができることを特徴とする請求項1に記載の家具。
【請求項4】
前記水切りプレートを透光材質で形成し、前記照明器具は、家具の内部を照らすことができることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の家具。
【請求項5】
前記家具は、電動式昇降吊戸棚であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の家具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−237659(P2008−237659A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−83951(P2007−83951)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000002222)サンウエーブ工業株式会社 (196)
【Fターム(参考)】