説明

家畜の排泄物回収具および排泄物回収装置とそれらを用いた無臭牛舎

【課題】牛舎で飼育されている乳牛は、牛床に糞尿を垂れ流した上に座るため、乳房が衛生的でなくなり、乳房炎などを発症させる場合があった。牛床の汚れは人の手で清掃されていたが、清掃作業は重労働であり、また糞尿に起因する悪臭のため乳牛も人も大きなストレスを感じていた。
【解決手段】乳牛の肛門の下方に糞尿を受ける排泄物回収具を設け、排泄物回収点に糞尿を確実にかつ悪臭を拡散させずに集める。これによって牛床は清潔を保て、作業する人もストレスを感じない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家畜の排泄物の回収具に関し、特に、繋ぎ方式で乳牛を飼育する際に、牛舎にたちこめる糞尿に起因する悪臭の発生を防止する牛の排泄物回収具に関するものである。また、悪臭の発生を解消した無臭牛舎に係るものである。
【背景技術】
【0002】
近年酪農では、搾乳量の増加のために、乳牛への餌や飼育方法が検討されている。特に乳牛を清潔に管理することで、乳房炎等の疫病の発生等を押さえ、牛乳の生産性を高めることができることが分かってきた。
【0003】
酪農にはいくつかの方法がある。大面積の土地で、また飼育頭数も多い場合は放し飼いとなるフリーバーン方式が行われる。しかし、フリーバーン方式の場合は、いたるところで牛が排泄を行うため、糞尿の上に乳牛が寝そべり、清潔に飼育することができないという問題があった。この問題を解決するために、導入されたのがフリーストール方式の牛舎である。
【0004】
フリーストール方式では、乳牛が給飼場、搾乳室等を移動するための通路と、通路に面して、それぞれの乳牛が個別に専用できる牛床(ストール)が確保される。すなわち、ストールに入った乳牛は、位置と姿勢を制御され、糞尿は主として通路側に排出されることとなる。これによって、通路側の糞尿を処理すればよく、フリーバーン方式の場合と比較して、掃除の手間が大変に省力化できるというメリットがあった。また、通路側に糞尿を回収移送する所謂バーンクリーナー(例えば、特許文献1)などが配置されていれば、より作業が簡便となる。
【0005】
しかし、フリーストール方式においても、個々の乳牛の大きさや動作の癖によって、ストール中に糞尿が落ちてしまい、乳牛が糞尿で汚れてしまうという問題が残っている。
【0006】
この問題に対し、特許文献2では、フリーバーン方式の飼育方法ながら、乳牛が糞尿を行う場所を定め、その場所で排泄させることを目的とする発明が開示されている。ここでは、フリーバーン方式の牛舎内に乳牛の便所ともいうべき排泄場所(便所式装置)を設ける。この便所式装置では、乳牛の向きを制御し、糞尿が落下する付近に「すのこ」による糞尿回収装置を設ける。さらに、便所式装置の側面には、乳牛の乳房付近を洗浄する洗浄装置が設けられる。
【0007】
そして、乳牛の尻尾に検知装置を配置し、牛がこの便所式装置以外の場所で排泄を行おうとすると、牛の耳付近に配置させたスピーカーから、乳牛に不快な音を聞かせ、乳牛に排泄場所を学習させるというものである。
【0008】
また、特許文献3は、乳牛の後駆胴体に係留し、糞尿を所定の場所まで移送する排泄物誘導装置が開示されている。これはいわば、乳牛のパンツのようなもので、これを装着された乳牛は、尾部に袋をかぶせられたようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平2−104225号公報
【特許文献2】特開平2−261329号公報
【特許文献3】特開平09−107834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
フリーバーン方式やフリーストール方式は比較的面積の広い場所で酪農を行う場合には適している。しかし、小面積の土地で酪農を行う場合は、所謂繋ぎ方式といって、乳牛それぞれがストールに繋がれたまま飼育され、搾乳される牛舎形式が採用される。このような繋ぎ方式の牛舎の場合は、特許文献2のように、排泄場所を決めるということは容易ではない。やはりストールの外になる通路側にバーンクリーナー等の施設を配置して、飼育するのが好ましい。
【0011】
特許文献3に開示された排泄物誘導具は、このような繋ぎ方式の牛舎に適した排泄処理装置であると言える。しかし、糞尿の処理は乳牛の健康管理という問題だけではなく、作業者のストレスおよび牛舎の設置場所といった問題にもつながる。すなわち、乳牛による糞尿が嫌気性発酵された際に発生する硫化水素やメチルメルカプタンといった悪臭成分は、なにより作業者へのストレスとなり、牛舎の設置場所が人家の近傍に設けにくいという課題になる。
【0012】
また、従来このような悪臭成分は、大気中に自然拡散させており、それゆえ牛舎は広い空間が必要であった。つまり、牛舎を小さく作ることが容易でないという問題があった。このような観点から特許文献3を見ると、牛の周囲に糞尿が散布される状況は回避できそうであるが、悪臭の処理についての言及はない。
【0013】
本発明はかかる課題に鑑みて想到されたものであり、乳牛を清潔に飼育し、作業者等にもストレスの無い環境を構築するための牛の排泄物回収具と排泄物回収装置およびそれを用いた無臭牛舎を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために本発明ではまず、家畜の排泄物回収具を提供する。より具体的には、本発明の家畜の排泄物回収具は、排泄物回収地点の付近に係留された家畜からの排泄物を回収し排泄物回収地点まで移送する排泄物回収具であって、
家畜の体に配置させる固定手段と、
家畜の肛門の下方に配置させる本体部と、
前記本体部の下部開口に前記本体部と屈曲角を持って連結された筒状の延長部と、
前記延長部の開口と前記排泄回収地点の間を連結する連結帯と、
前記本体部の上部の開口を覆い、家畜の尻尾を貫通させる尻尾用孔を有するカバー部と、
前記カバー部の上端と前記固定手段を連結するカバー繋止紐と、
前記本体部の上端を前記固定手段に連結する上部繋止紐と、
前記本体部の下端を前記固定手段に連結する下部繋止紐を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明の排泄物回収具は、家畜(乳牛)の肛門下方に配置され、排泄物回収点までをつなぐ連結通路である。特に、牛が排泄を行う際には尻尾を上げることに着目し、尻尾が上がると、カバー部が引き上げられ、排泄物を回収する本体部の上部開口がちょうど肛門若しくは外陰部の下方に位置するようになり、好適に排泄物を回収することができる。
【0016】
また、本発明の家畜の排泄物回収装置は、
上記の排泄物回収具と、
前記排泄物回収具に連結される排泄物回収点と、
前記排泄物回収点の下方に配置され、前記排泄物回収具から送られた糞尿を回収し移送する回収路と、
前記回収路の移送先に配置され、前記糞尿を処理する排泄物処理装置と、
前記排泄物回収具に接続された吸引手段と
排泄が行われたことを検知するセンサーと、
前記センサの信号に応じて前記吸引手段を動作させる制御装置
を含むことを特徴とする。
【0017】
本発明の排泄物回収装置であれば、家畜の糞尿を排泄物回収点から排泄物処理装置まで移送するので、乳牛は自分の糞尿にまみれたストールで伏臥位にならない。したがって、乳房が雑菌で汚染される事が無い。また、排泄が行われた際には、排泄物回収具内を排気しながら洗浄するので、家畜の排泄に基づく悪臭の発生を抑制することができる。
【0018】
また、本発明の無臭牛舎は、
上記の排泄物回収装置と
上記排泄物回収装置を設けた準密閉建築物と、
前記準密閉建築物内へフィルタを介して外気を導入する空調装置と、
前記準密閉建築物内を陽圧にした状態で前記準密閉建築物の空気を外部に排出するファンを有することを特徴とする。
【0019】
本発明の無臭牛舎は、本発明の排泄物回収装置を有しているので、牛舎内から排尿に係る悪臭が排除される。そのため、牛舎内を陽圧にした準密閉状態にすることができるので、外部から害虫やウイルス等の進入を防止することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の排泄物回収装置は、排泄物だけでなく、排泄物に係る臭気も同時に回収することとしたので、乳牛を飼育する環境から排泄物に係る悪臭を排除することができるという効果を奏する。
【0021】
また、本発明の排泄物回収装置を備えた牛舎は、外部から害虫などが入り込めない準密閉状態で管理することができ、人間の出入りさえ管理することでウイルスの侵入も防止することができる。
【0022】
さらに開放型の牛舎では排泄物の悪臭を大気に開放するため、建屋の高さを高くするので、温度制御も困難であったが、本発明の排泄物回収装置を備えた牛舎は、悪臭が出ないため、牛の体臭の換気と牛舎の空調制御が可能となる。また冷房も可能であるので、特に夏場において、乳牛の搾乳量が減少する傾向を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の排泄物回収装置の概念図である。
【図2】本発明の排泄物回収具の構成を示す図である。
【図3】本発明の排泄物回収具を家畜に装着させた様子を示す図である。
【図4】乳牛が排泄する際に排泄物回収具がどのように動くかを示す図である。
【図5】乳牛が伏臥位を取った際の排泄物回収具の様子を示す図である。
【図6】回収路の構成を示す図である。
【図7】排泄物処理装置の構成を示す図である。
【図8】無臭牛舎の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の排泄物回収装置について図を用いて説明を行うが、以下の説明は本発明の実施形態の一例を示すものであり、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、変更することができる。
【0025】
(実施の形態1)
図1に本発明の排泄物回収装置10の概略図を示す。本発明の排泄物回収装置10は、個別の乳牛をつないでおく少なくとも1つ以上のストール12と、ストール12の後方に設けられた回収路14と、ストール12に繋がれた乳牛の後駆に装着され回収路14と連結された排泄物回収具16と、排泄物回収具16に接続される吸引パイプ31と洗浄液パイプ32と温風パイプ34とセンサ33と、回収路14の一端に設けられた排泄物処理装置18を含む。
【0026】
また、吸引パイプ31を陰圧で吸引する吸引装置と、洗浄液パイプ32に洗浄液を供給する洗浄液供給装置と、温風パイプ34に温風を送る温風装置と、全体を制御する制御装置19を有する。なお、吸引装置と洗浄液供給装置と温風装置は図示していない。また、洗浄液は乳牛の排泄部(図示せず)と排泄物回収具16内部と回収路14を洗浄して清浄化するものであり、特に微生物の繁殖を防止するために、例えばエタノールやオゾン水を用い、その温度は、30℃〜40℃が好ましい。
【0027】
ストール12は、牛舎の中に設けられた個々の乳牛を配置させるスペースである。通常は、コの字形状の柵で囲まれたスペースとするのが好適であるが、これに限定されるものではない。隣の乳牛との間を分かつために、隣接する乳牛との間には柵があるのが好ましい。乳牛は、通路側に臀部を向けた状態で、頭から柵に入れられ、係留される。
【0028】
本発明の排泄物回収装置10から見ると、ストール12は、排泄する乳牛を回収路14の近傍に係留させるための手段であるともいえる。繋ぎ方式とはいえ、有る程度の行動の自由度がなければ、乳牛もストレスを受け、搾乳量が低下する。従って、ここで近傍とは、乳牛若しくは回収路14から排泄物回収具16が脱着しない程度の距離内をいう。
【0029】
フリーストール方式では、個別の乳牛の起立姿勢での肛門の位置と、通路側に設ける排泄物の回収溝との位置関係によって、糞尿がストール内に落下してストール内を汚染することがあったが、本発明の排泄物回収装置10では、牛に装着した排泄物回収具16が糞尿を回収路14まで移送するので、ストール12内に糞尿が落下することはない。また、排泄物回収具16内は負圧にされる(吸引される)ため、排泄した際の臭気は、外に漏れ出さない。従って、作業者が悪臭でストレスを受けるということはない。
【0030】
回収路14は、ストール12の通路側9に設けられた糞尿の移送通路である。回収路14は、排泄物回収具16との連結部を除き、密閉構造になっている。臭気を外部に漏らさないためである。また、回収路14内に落下した糞尿を移送するコンベア40(後述する図6で説明)が設けられている。すなわち、排泄物回収具16から回収路14に入ってきた糞尿は、コンベア40に乗って移送される。
【0031】
回収路14の先には排泄物処理装置18が配置されている。排泄物処理装置18は牛舎外に設けてもよい。大量の糞尿を牛舎内にとどめておく必要はないからである。糞は堆肥化処理を行う。また尿は浄化処理を行う。浄化処理では、殺菌剤、消臭剤と再生された水と、汚泥と排水に分けられる。排水は、再生不能なアンモニア成分が含まれる溶液で、廃棄若しくは化学品として再生処理を行ってもよい。汚泥は尿中の固形物であり、わずかな量である。これは堆肥化の処理時に一緒にされ、堆肥となる。水は再び洗浄液として使用され、殺菌剤、消臭剤も使用できるものは再度使用する。
【0032】
一方、排泄物回収具16で回収した臭気は、そのまま牛舎外に放出してもよい。悪臭は尿の主成分である尿素が空気にふれ、アンモニアに変化すること、若しくは、糞が発酵して生じる硫化水素によって生じるため、排便排尿直後の臭気はそれほど強くないからである。むしろ悪臭の根絶には、排出された糞尿の処理を重点としておこなわなければならない。すなわち、糞尿を牛舎内で滞留させないことが重要である。本発明の排泄物回収装置10は、排泄された糞尿を牛舎内に滞留させず、速やかに牛舎外に移送する。
【0033】
以上のように、本発明の排泄物回収装置10は、ストール12という空間内で飼育される牛が勝手気ままに排泄する排泄物および臭気を、密閉状態で牛舎外に排出するために、牛舎内には悪臭がほとんどない。また、悪臭の根源である糞尿は密閉状態で一か所に回収され、肥料化および浄化処理が行われる。従って、ストール内の乳牛の乳房が汚染されたり、また、作業者が悪臭によるストレスを受ける事が無い。
【0034】
次にそれぞれの構成要素について、さらに詳細に説明する。
【0035】
図2に本発明に係る排泄物回収具16の外観を示す。図2(a)を参照して、本発明の排泄物回収具16は、牛の両腿の間にあてがう筒状の本体部20と、本体部20の下部開口に本体部20と屈曲角を持って連結された筒状の延長部21と、本体部20の上部の開口を覆うカバー部22と、本体部20の上端および下端に連結された繋止紐24、25、26と、繋止紐24、25、26を固定する固定ワイヤ28と、固定ワイヤ28を牛の頸部に固定する固定具29を有する。
【0036】
本体部20は、1面がほぼ平坦若しくは若干の曲率を有する縦面20aを有する筒状形状をしている。この縦面20aは、牛の両腿の間にあてがう部分であり、ちょうど肛門や外陰部より体側に位置する。すなわち、糞尿は、この筒状の本体部20の内部を落下する。延長部21は、本体部20と屈曲角度をもって連結された筒状形状体である。本体部20と延長部21の連結部分の形状は特に限定されないが、隙間なく連結される必要がある。ここを糞尿が流れるからである。また、本体部20と延長部21の継ぎ目の内側はスムースに形成されていると望ましい。継ぎ目の内側に凹凸があると、そこに糞尿が溜まり、悪臭の原因になるからである。
【0037】
本体部20および延長部21の内面は、剥離処理など糞尿が付着しにくい処理がされているのが好ましい。本発明の排泄物回収具16は、洗浄液パイプ32が連結されており、排泄後は洗浄液を排泄物回収具16内に流すことができる。しかし、内面が大変滑りやすく、洗浄液を流すまでもなく、排泄物回収具の中を糞尿が落下すればより好ましいからである。
【0038】
延長部21の開口には排泄物回収点35に連結する連結帯27が配置される。連結帯27は、ストール12に係留され動きが制限されているとはいえ、有る程度自由に動き回る牛と回収路14の所定位置に設けられた排泄物回収点35の間を密閉して連結する伸縮自在の筒状体である。ラバー等のように有る程度伸縮し、内側はスムースに形成されているものがよい。内側は糞尿が通過するため、それらが引っ掛かって残留しないためである。
【0039】
カバー部22は本体部20の上部開口20b部分を覆う。また、尻尾を出しておくための尻尾用孔23が形成されている。カバー部22で本体部20の上部開口20bを塞ぎ、排泄後の臭気が漏れないようにする。また、牛が排泄を行う際には、尻尾を上げるため、尻尾用孔23に尻尾を通しておくと、振り上げられた尻尾によって、カバー部22が引き上げられ、結果、本体部20の上部開口20bが肛門の直下に位置しやすくなる。したがって、カバー部22は、それほど伸縮性を有する必要はない。
【0040】
繋止紐は、本体部20の縦面20aの上端の両端同士をつなぐ上部繋止紐25と、本体部20の縦面20aの下端の両端同士をつなぐ下部繋止紐26と、カバー部22の上部の2箇所をつなぐカバー繋止紐24とからなる。これらは、排泄物回収具16を牛の後駆に取付ける際に用いる。特に下部繋止紐26は、牛が横臥などの姿勢を取った際に、排泄物回収具16を後方に逃す際に大きく伸びるので、少なくとも本体部20に近い部分26aと26bは、伸張性の高いものが望ましい。
【0041】
また、これらの繋止紐を牛に固定する固定ワイヤ28と、固定ワイヤ28を牛の頸部に固定する固定具29を有する。固定具29は牛の頸部に回して固定するもので、首輪形状のものであってよい。また、固定ワイヤ28は例えば頸部上端から肩を通り、背腰に延びるワイヤである。固定ワイヤ28は弾力性のある樹脂製であってもよく、必ず金属製である必要はない。なお、固定具29および固定ワイヤ28で固定手段30を構成する。
【0042】
下部繋止紐26、上部繋止紐25、カバー繋止紐24はこの順で、固定具29に近い固定ワイヤ28の位置にそれぞれ固定される。
【0043】
図2(b)も参照して、延長部21の上部面には、吸入パイプ取付口31iが形成されている。ここには、糞尿の臭気を吸引するための吸引パイプ31が取り付けられる。また、本体部20の上端とカバー部22の境界の内側には、洗浄液の噴射口が設けられ、外側には、洗浄液パイプ取付口32iが形成される。ここには洗浄液パイプ32が取り付けられる。
【0044】
また、洗浄液の噴射口に隣接して、温風吹き出し口も形成されてよい。従って、本体部20の外側には、洗浄液パイプ取付口32iに隣接して温風パイプ取付口34iも併設される。そして、温風パイプ取付口34iには、温風パイプ34が取り付けられる。なお、図示しない吸引装置と吸引パイプ31が吸引手段を構成し、図示しない洗浄液供給装置と洗浄液パイプ32で洗浄手段を構成し、図示しない温風装置と温風パイプ34で温風乾燥手段(例えば、電気ヒーターの温風、ボイラの温風等)を構成する。
【0045】
本体部20の上部側面にはセンサ33が配置されている。これは牛が排泄を行ったことを検知し、それを制御装置19に通知する検知器である。検知するのは、赤外線、臭気、尻尾の動きなど、牛が排泄を行う際に取る行動を検知してもよいし、排泄物を直接検知してもよい。制御装置19との間は、ワイヤレス方式の通信が好ましい。牛はある程度動くので、有線は絡まるおそれが有るからである。
【0046】
図3には、起立姿勢の牛の後駆に本発明の排泄物回収具16を装着した様子を示す。まず、牛の頸部に固定具29を嵌める。この際固定ワイヤ28が背中側に回るように固定する。固定ワイヤ28を肩から背腰に沿って配置する。次に、本体部20の縦面20aを牛の両腿の間にあてがい、上部繋止紐25を尾の両側から回し、固定ワイヤ28の所定位置28bで係止する。固定ワイヤ28には予め係止用のブラケット28a乃至28cなどが形成されていれば、より好適である。
【0047】
そして、下部繋止紐26を両腿の間から後肢と乳房の間を通し、腿の前から背腰まで伸ばして、固定ワイヤ28の所定位置28aで係止する。この下部繋止紐26によって本体部20は牛の肛門の下方に固定されることとなる。最後に、尻尾用孔23に尻尾を通し、カバー部22の先端を肛門と尾の付け根にあてがい、両端のカバー繋止紐24を尾の両脇からまわして固定ワイヤ28の所定位置28cで係止する。
【0048】
次に、吸入パイプ取付口31iに吸引パイプ31を連結し、さらに洗浄液パイプ32を洗浄液パイプ取付口32iに連結する。また、温風パイプ34を温風パイプ取付口34iに連結する。
【0049】
以上のような状態で、牛が排泄を行うと、本体部20の上端に配置した、センサ33によって排泄を検知し、吸引パイプ31によって空気を吸引する。吸引は、それほど強い負圧で吸引する必要はなく、周囲からカバー部の隙間に空気が流れる程度であってよい。臭気が外に漏れなければ臭わないからである。なお、吸引は排泄時だけでなく、始終行っていてもよい。
【0050】
そして、本体部20の内面に形成された洗浄液噴出口から洗浄液パイプを通じて洗浄液が噴出されてもよい。洗浄液は水であってよいが、消臭液が混入された水であれば好適である。
【0051】
さらに牛の肛門や外陰部を洗浄又は消毒するために、牛の体温より5℃程度高めの温度のオゾン水やエタノール含有水が良く、洗浄液噴出口から洗浄液が霧状に細かく散布されることが最も良い。何故なら、洗浄液を霧状に細かく散布することで、汚れを包み込んで除去することができ、牛にストレスを付与することを極力防止できる。また、排水処理量を少なくすることもでき、大掛かりな排水処理設備が不要である。
【0052】
さらに、牛の肛門や外陰部を所定時間洗浄した後、温風をあてて、局部を乾燥させてもよい。局部を洗浄し清潔にすることで、悪臭の発生はより抑制される。なお、温風を当てている間も吸引手段によって本体部20の内部を吸引していてもよい。
【0053】
排泄された糞尿は、本体部20の底部から屈曲した延長部21を、洗浄液と共に流れ、延長部21の端部から連結帯27を通り、排泄物回収点35から回収路14に排出される。これらの動作はセンサ33から信号を受けた制御装置19が、吸引装置および洗浄液供給装置及び温風装置に指示することで行う。なお、図1では、制御装置19は、排泄物処理装置18の側面に配置させたが、制御装置19の配置場所はここに限定されるものではない。
【0054】
図4には、牛が排泄を行う際の尻尾の動きと本発明の排泄物回収具16の動きを示す。なお、吸引パイプ31と洗浄液パイプ32と温風パイプ34は記載を省略してある。図4(a)を参照して、通常牛は起立姿勢で尻尾を左右に揺らすか、上に振り上げたりする。この際は、本体部20は下部繋止紐26の特に伸縮性の高い部分26a、26b(この図では牛の陰で見えない。)によって、牛の体部分、ちょうど乳房の後ろ側に密着させられている。
【0055】
牛が排泄を行う際は、必ず、尻尾をほぼ水平になるまで上げる(図4(b)参照)。この際排泄物回収具16は、カバー部22の尻尾用孔23が尻尾とともに上に引き上げられる。そして、本体部20の上部開口20bがちょうど肛門および外陰部の真下にずれる。この動きによって、本体部20の上部開口20bは糞尿の回収に失敗することはない。
【0056】
図5には、四肢を折り曲げ所謂座った姿勢となる伏臥位の際の排泄物回収具16の様子を示す。牛は後肢をたたんで座り、さらに睡眠の際は横臥する。牛が座る際には、後肢をたたみながら尻を下げる。この際、排泄物回収具16は、延長部21が本体部20に対して屈曲した角度で連結されているので、延長部21の先端から地面につき、屈曲した角度に沿って、縦面20aの下方が牛の体から離れる。縦面20aの上端は肛門の下方で固定されている。そして、牛が完全に座った時は、図5に示すように、牛の後方に逃げた状態になっている。
【0057】
牛がまた立ち上がると、下部繋止部26の伸縮性が高い部分26a、26bが縮んで、排泄物回収具16は元の位置に戻る。このように、本発明にかかわる排泄物回収具16は起立した牛の排泄物を回収できるとともに、牛が座位になったり、横臥した状態でも、牛の行動をじゃませず、また牛によって押しつぶされることがない。また、通常は牛の体に密着しているが、尻尾を上げると本体部20の上部開口20bの位置が引き上げられ、肛門の直下に位置するので、排泄物の回収に失敗することがない。
【0058】
次に回収路14について説明する。
【0059】
図6には、回収路14の斜視図面を示す。回収路14は、牛舎の地面に掘削された溝に、設置されている。この時、回収路14の一方の端には、排泄物処理装置18が設置される。回収路14は、プラスチック等の軽量で、気密性に優れた材質で形成されるのが望ましい。
【0060】
回収路14の断面の形状は、特に限定されるものではないが、U字状であれば好ましい。後述するように、回収路14内にはコンベア40が配置されるからである。U字状の回収路14の上端は開口している。開口には、気密性の高い回収路蓋41が嵌合される。回収路14は、糞尿を移送する移送路であるので、糞尿の臭気が充満するからである。また、回収路14の中を掃除するためには、上部が開かなければ掃除ができないからである。
【0061】
回収路蓋41の所定の箇所には、排泄物回収具16の連結帯27からの糞尿を回収路14内に落とす排泄物回収点35が形成されている。
【0062】
回収路14内には、コンベア40が配置されている。回収路14内に落とされた糞尿を排泄物処理装置18まで移送するためである。コンベア40は、フレーム(図示せず)と、フレーム間に配置された環状のキャリアベルト42と、一方の端に配置され、キャリアベルト42を駆動するヘッドプーリ43と、他方の端に配置されたテールプーリ44を含む。フレームの複数箇所には、キャリアベルト42を支持するキャリアロール45が配置されている。
【0063】
また、キャリアベルト42の移送方向面の下部には、キャリアベルト42の走行中にキャリアベルト42の中央が凹み形状になるように、V字ロール46が配置されている。キャリアベルト42は、ゴム等の可撓性材質であればよい。キャリアベルト42の凹み形状に糞尿を保持し、排泄物処理装置18まで移送する。
【0064】
キャリアベルト42は、ヘッドプーリ43に掛架され、フレームの上下に配置されたキャリアロール45およびV字ロール46状に配設され、他方のテールプーリ44にも掛架される。キャリアベルト42を駆動するヘッドプーリ43は排泄物処理装置18の反対側に設置され、制御装置19からの信号によって駆動する。ヘッドプーリ43が駆動軸に連結されたモータ(図示せず)によって回転すると、ヘッドプーリ43側からテールプーリ44側にキャリアベルト42が移動する。
【0065】
ヘッドプーリ43は両端の外径が大きく、中央部分が細い形状をしている。走行中のキャリアベルト42の真ん中を凹ませるためである。キャリアベルト42の移送方向にはV字ロール46が設けられているので、キャリアベルト42は走行中は真ん中がへこんだ状態で走行する。
【0066】
一方、テールプーリ44は両端と真ん中が略フラットな形状をしたプーリである。テールプーリ44の直前の保持プーリ47までは、キャリアベルト42の中央は凹んだ形状をしている。しかし、保持プーリ47を通過後は、除々にキャリアベルト42の両端がフラットになり、移送してきた糞尿を回収槽に落下させやすくしている。
【0067】
排泄物回収具16から回収路14内に落とされた糞尿は、キャリアベルト42上に乗って移動する。この際に、キャリアベルト42は、上述の通り、中央が凹んでいるので、横にこぼれることなく移送される。排泄物処理装置18まで移送された糞は、キャリアベルト42から処理槽内に落とされる。キャリアベルト42は、テールプーリ44を周り、糞尿を載せた面が下になったところで、洗浄液で洗浄される。その後、下側のキャリアロール45上を移動して、テールプーリ44まで移動する。
【0068】
図6(b)には、排泄物処理装置18の入り口部分の断面図を示す。排泄物処理装置18のコンベア40を迎え入れる入り口の下端49には、洗浄ノズル48が設けられている。そして、コンベア40が糞尿を移送し、処理槽内に落下させた後は、この洗浄ノズル48からの洗浄液でキャリアベルト42の表面を洗浄する。
【0069】
また、回収路14中には、消臭剤の噴射口が設けられていてもよい。各排泄物回収具16からキャリアベルト42上に糞尿が落ちる際に、飛沫が回収路14の内壁面に飛んで、悪臭の原因となるので、それを防止するためである。
【0070】
次に排泄物処理装置18について説明する。図7には、排泄物処理装置18の構成を示す。排泄物処理装置18は、牛舎の外側に配置されてもよい。牛舎からは大量の糞尿が毎日排泄されるため、一定の処理面積が必要になるからである。排泄物処理装置18には、地中に排泄された回収路14中のコンベア40から糞尿を回収しなければならない。従って、コンベア40よりも下に空間が必要である。従って、排泄物処理装置18は地中に埋まる。
【0071】
また、ここには、糞尿があつまるので、最も悪臭の激しい部分となる。したがって、密閉性が必要である。また、コンベア40の受入れ口54が設けられている。受入れ口54の下端49には洗浄ノズル48が配置されているのはすでに説明した。受入れ口54の上端55は、地面より上でも下でもよい。しかし、回収路14との間は気密にするのは容易ではない。そこで、排泄物処理装置18の内部から悪臭が漏れないように、排泄物処理装置18内は陰圧に保つのが好適である。
【0072】
そこで、排泄物処理装置18には排気装置56が設置される。排気装置56の排気口にはフィルタ57が設けられており、排泄物処理装置18内の悪臭を吸着してから大気中に空気を放出する。
【0073】
回収路14中のコンベア40によって運び込まれた糞尿は、まず、「すのこ」50によって糞と尿に分離される。「すのこ」50は、狭い間隔でローラがならんだローラ移動路であってもよい。水分を持った糞を確実に移送できるからである。尿は尿貯留槽51に落ち、糞は糞貯留槽52に落下する。
【0074】
それぞれの貯留槽に貯留された糞と尿は、それぞれ分解処理が行われる。糞は、脱水し好気性の細菌と共に、堆肥化処理を行う。尿は、浄化処理によって水分とアンモニア分等の排水と若干の固形分に分けられる。固形分は余剰汚泥として糞と共に堆肥化処理が行われる。
【0075】
以上のように本発明の排泄物回収装置10は、排泄物回収具16を通じて、悪臭を拡散させないまま糞尿を排泄物処理装置18に集め、その後分解処理を行うので、悪臭の無い環境で牛を飼育することができる。また、回収路14中のコンベア40に替えて、市販されているバーンクリーナーを用いても良い。
【0076】
(実施の形態2)
実施の形態1で開示した排泄物回収装置10は、糞尿の回収装置としては比較的大規模である。しかし、この排泄物回収装置10は、牛の糞尿による悪臭を牛舎に出さないという効果がある。この効果は、従来悪臭を回避するためには、空気を入れ替えることが主であった牛舎を密閉することができるという効果を奏する。
【0077】
牛舎の密閉化は、乳牛を害虫やウイルスから守るという観点からは大変望ましいことである。例えば、乳牛への影響が大きいとされているサシバエへの対策としては、発生源を特定して、除去若しくは殺虫剤の散布といった方法しかないとされている。目の小さな防風ネットなどで牛舎へのサシバエの進入を防止する策も効果はあるとされているが、通気性の阻害は、直ちに悪臭の充満に繋がる。また、家畜を壊滅的な状態に陥れる口蹄疫ウイルス等は、従来の牛舎では防止することができない。
【0078】
一方、悪臭を出さない本発明の排泄物回収装置10があれば、無臭でかつ密閉された牛舎が可能となる。従って、牛舎内部の密閉度を非常に高くすることもでき、入場する人間をも滅菌するエアシャワー室を介することで、いわばクリーンルーム中で乳牛を飼育することもできる。
【0079】
図8には本発明の無臭牛舎60の構成を示す。本発明の無臭牛舎60内では悪臭を気にする必要はないので、乳牛にストレスがない限りにおいて、建物を小さくすることができる。また、建物の継ぎ目は、密封される。害虫などの進入を防止するためである。一方、牛舎60内の乳牛が必要とする酸素は供給しなければならないので、外部からの空気を空調装置61を通じて牛舎60内に導入する。
【0080】
そこで、牛舎の壁の一部にファン62を設け、牛舎60内を外部に対して陽圧になるようにしたままで、牛舎60内の空気を外部に排出してもよい。内部が陽圧であるので、害虫やウイルスが内部に進入してくるおそれはないからである。このように完全に密閉ではないが、内部を陽圧にしておくことで、実質的に害虫の進入を防げる状態を「準密閉状態」と呼ぶ。また、通常の牛舎への入場者を、清浄にするためにエアシャワー室を設けてもよい。牛舎60内部には、実施の形態1で示したストールと、回収路が設けられており、各乳牛は実施形態1で説明した排泄物回収具16を装着されて、各ストールに繋ぎとめられる。
【0081】
牛舎60の外側には、空調装置61、搾乳装置63、排泄物回収装置10の排泄物処理装置18、全体の制御室65が配置される。本発明の無臭牛舎60では、排泄物回収装置10と共に、空調装置61が重要な要素となる。密閉された空間内に必要な空気と、牛舎60内を適切な温度に維持する必要があるからである。乳牛の成体は、体内で食糧を微生物によって処理しているため、発熱しており、寒さには比較的耐性がある。しかし、それゆえ暑さには弱く、夏場の暑い時期は、搾乳量が減少する。本発明の無臭牛舎は密閉空間であるので、夏場は特に空調で牛舎内を適度な温度に保たなければ、乳牛が疲労する。逆に言えば、夏でも温度管理をすることによって、搾乳量は減少しない。
【0082】
空調装置61は、内部の空気を循環させて温度湿度を制御するだけでなく、外気を牛舎内に導入するタイプのものを使用する。糞尿の悪臭は発生しないが、酸素の供給は必要だからである。このように、特に夏場は準密閉状態にするのが好ましい。
【0083】
また、本発明の無臭牛舎は繋ぎ方式の牛舎であるので、個々の乳牛の管理を電子式に行うことが容易である。より具体的には、各乳牛の健康管理や、各乳牛の搾乳量に応じて餌や水を与える自動給餌装置との連動で、作業量はさらに軽減される。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は乳牛を飼育する牛舎に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0085】
10 排泄物回収装置
12 ストール
14 回収路
16 排泄物回収具
18 排泄物処理装置
19 制御装置
20 本体部
20a 縦面
20b 本体部の上部開口
21 延長部
22 カバー部
23 尻尾用孔
24 カバー繋止紐
25 上部繋止紐
26 下部繋止紐
27 連結帯
28 固定ワイヤ
28a乃至28c 係止用ブラケット
29 固定具
30 固定手段
31 吸引パイプ
31i 吸入パイプ取付口
32 洗浄液パイプ
32i 洗浄液パイプ取付口
33 センサ
34 温風パイプ
34i 温風パイプ取付口
35 排泄物回収点
40 コンベア
41 回収路蓋
42 キャリアベルト
43 ヘッドプーリ
44 テールプーリ
45 キャリアロール
46 V字ロール
47 保持プーリ
50 すのこ
51 尿貯留槽
52 糞貯留槽
54 受入れ口
56 排気装置
57 フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排泄物回収地点の付近に係留された家畜からの排泄物を回収し排泄物回収地点まで移送する排泄物回収具であって、
家畜の体に配置させる固定手段と、
家畜の肛門の下方に配置させる本体部と、
前記本体部の下部開口に前記本体部と屈曲角を持って連結された筒状の延長部と、
前記延長部の開口と前記排泄回収地点の間を連結する連結帯と、
前記本体部の上部の開口を覆い、家畜の尻尾を貫通させる尻尾用孔を有するカバー部と、
前記カバー部の上端と前記固定手段を連結するカバー繋止紐と、
前記本体部の上端を前記固定手段に連結する上部繋止紐と、
前記本体部の下端を前記固定手段に連結する下部繋止紐を含むことを特徴とする排泄物回収具。
【請求項2】
前記延長部には、吸引手段を取付ける吸引パイプ取付口が形成されていることを特徴とする請求項1に記載された排泄物回収具。
【請求項3】
前記本体部には、洗浄手段を取付ける洗浄液パイプ取付口が形成されていることを特徴とする請求項1または2のいずれかの請求項に記載された排泄物回収具。
【請求項4】
前記本体部には、温風乾燥手段を取付ける温風パイプ取付口が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1の請求項に記載された排泄物回収具。
【請求項5】
前記本体部には、前記家畜が排泄をしたことを検知するセンサが取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1の請求項に記載された排泄物回収具。
【請求項6】
請求項5に記載された排泄物回収具と、
前記排泄物回収具に連結される排泄物回収点と、
前記排泄物回収点の下方に配置され、前記排泄物回収具から送られた糞尿を回収し移送する回収路と、
前記回収路の移送先に配置され、前記糞尿を処理する排泄物処理装置と、
前記排泄物回収具に取り付けられたセンサの信号に応じて前記吸引手段を動作させる制御装置を含むことを特徴とする排泄物回収装置。
【請求項7】
前記制御装置は、前記センサの信号に応じてさらに前記洗浄手段と前記温風乾燥手段を動作させることを特徴とする請求項6に記載された排泄物回収装置。
【請求項8】
前記回収路中にはコンベアが配設されていることを特徴とする請求項6または7の何れかの請求項に記載された排泄物回収装置。
【請求項9】
前記排泄物回収装置は、前記コンベアの一端を内部に引き込むための受入れ口を有し、
前記受入れ口の下端には、前記コンベアのキャリアベルトを洗浄する洗浄ノズルを有することを特徴とする請求項8に記載された排泄物回収装置。
【請求項10】
請求項7に記載された排泄物回収装置を有する無臭牛舎。
【請求項11】
前記無臭牛舎は準密閉状態に形成されていることを特徴とする請求項10に記載された無臭牛舎。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−40(P2013−40A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132861(P2011−132861)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】