説明

家畜の細菌による病気を予防する組立形の小屋

【課題】鳥、豚、牛、ほか家畜の細菌による病気を予防するための空気調整システムを持つ組み立て式小屋を提供する。
【解決手段】家畜小屋の中を小さく仕切り家畜小屋相互の間を空気が出入りしないようにし、各家畜小屋の仕切りの間を一括してこれより低い気圧で取り囲み、 家畜小屋の空気は排出口からダクトに集められ、フィルタを通してから空気を長いダクトを通し、この中を紫外線で殺菌し外部に菌の無い空気を放出し、各仕切られた小屋の中に同じだけの空気が送り込まれるように、空気口の大きさや空気の抵抗を調整し、空気の流通を検出して監視する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鳥、豚、牛、ほか家畜の細菌による病気を予防するための空気調整システムを持つ組み立て式小屋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家畜のウイルス性の細菌による病気の対策としては、感染後の焼却処分や隔離、消毒が行われている。
従って、人間や餌、塵埃、糞、等によって直接空気を通さないで伝染する経路の遮断は、既知の技術であり熱や消毒液により本発明の分野ではない。
空気に対策を施し、病気を予防することを目的とした考案としては、フィルタと紫外線によって空気を殺菌する鳥小屋、が下記にある。
【特許文献1】特許願2007−41423
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、家畜小屋を密閉し外部から出入する空気を消毒し、家畜小屋に出入りする人、家畜、飼料、機材、糞等の、出し入れによって、各種の菌を家畜小屋に出入りさせないようにして病気を予防するものである。
上記課題を経済的に解決する、家畜小屋の構造と操作の方法を提供することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明では上記の課題を解決するために、塵埃の少ない上空の空気を取り入れ、フィルタで菌以外のものを入れないようにし、フアンで長いダクトに空気を送る。
長いダクトは周囲を鏡で覆い中心に殺菌用の紫外線ランプを取り付け、殺菌した加圧した空気を家畜小屋に送る。
【0005】
家畜小屋の中を小さく仕切り家畜小屋相互の間を空気が出入りしないようにし、各家畜小屋の仕切りの間を一括してこれより低い気圧で取り囲み、家畜小屋に小さな隙間があった場合の空気の出入りをさせない。
家畜小屋の空気は排出口からダクトに集められ、フィルタを通してから空気を長いダクトを通し、この中を紫外線で殺菌し外部に菌の無い空気を放出する。
各仕切られた小屋の中に同じだけの空気が送り込まれるように、空気口の大きさや空気の抵抗を調整し、場合によっては空気の流通を検出して監視する。
【0006】
人や物の出入りによって、直接外部の空気が入らないように出入り口を2重、または3重にした隔離室をもうけ、この隔離室に人間や飼料や機材や家畜を入れ充分殺菌した後2重のドアと通路を通してから各小屋の中に出入りする。
糞尿は各家畜小屋毎に小さな溜め場所を作り常時は蓋をしておき、掃除のとき蓋をあけて溜め場所に集め、蓋を閉めた後真空によって大きな溜場所に集め、熱処理、または消毒薬による殺菌を行い外部に取り出す。
【0007】
この糞の処理に使用した空気はすべてフィルタ付きのダクトを通し、ダクトの中の紫外線で殺菌して外部に放出する。
これらの小屋は各地に組み立て式の小屋として小さく折り畳んで保管しておき、必要な時、現地に運搬して使用する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、家畜小屋に出入りする空気と、人間、飼料、機材、糞尿、家畜、の出入りにあたって菌を殺菌しかつ出入りさせない効果がある。
感染した家畜があっても病気が家畜小屋全体に広がることを防ぐ効果がある。
紫外線による殺菌を完全なものとするため、空気がダクトの中を一方向に進むようにし、その間紫外線ランプによって完全に殺菌し、さらに殺菌効果を高めるために鏡が全面に設置されているので紫外線の効率が良く、電力消費が少ない効果がある。
【0009】
空気圧を制御することにより、ドアの開閉などで空気が逆流しない効果がある。吸入口と排出口の先端は下向きのダクトとし強風によって外部の空気が逆流しない効果がある。
隔離室は人や物の出入りにあたって前のドアから入り、ドアを閉めてから殺菌し後のドアから各家畜小屋に入り、空気圧が制御された通路を通るようにして、空気を逆流させないようにしながら殺菌し、人間、家畜、飼料、機材、を各家畜小屋の中に安全に出入させる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下本発明の実施例を図1に基づいて説明する。
下向きに取り付けられた吸気口1、から吸い込まれた空気はフィルタ2、を通してフアン3でダクト4に送り込まれる。
【0011】
ダクト4の中には鏡が全体にあり、紫外線ランプ7の光を反射して、効率よく殺菌ができる。
殺菌された空気はダクト5を通って排出口11から各小屋16に送り込まれる。
小さく仕切られた各小屋の下にはダクト7があり、ダクト7に開けられた排気口13から各小屋16の空気をダクト7に集めフルタ3を通してダクト8に入り紫外線ランプ10により殺菌して排気口14から外部に排気する。
各家畜小屋16隔離室15は空気圧が最も高く、次に通路17の圧力が高く、次に通路18の圧力が高い、これらの空気圧は全て外気圧より高いので空気が逆流しない。
【0012】
各家畜小屋の間に小さな隙間があっても通路17の気圧が低いので家畜小屋16相互関の空気の出入りは無く、さらに殺菌していない空気や人間、飼料、機材が出入りすることは無い。
【0013】
隔離室15は消毒を完全に行う設備と、前後のドアに仕切られた部屋であり、ここに送られた空気は排気口13から排出する。
吸気口1と排気口8は台風等の強風時に外気が逆流しないよう、また雨、ごみ、等が入らないように下向きに取り付ける。
【0014】
このように外気に含まれる細菌は各家畜小屋12に入らないようになっているので、あとは餌や人間が直接小屋に細菌を持ち込まないように注意すれば家畜小屋全体の衛生管理は充分であり、一つの家畜小屋に菌があっても家畜小屋全体に広がることはない。
さらに、隔離室15の中で人間、飼料、機材、を常に消毒し通路17も殺菌しておけば、家畜小屋16に菌が持ち込まれる事はない。
【0015】
また、糞尿は各小屋に蓋付きの小さな溜め枡を設け掃除の時は蓋をあけてここに溜めた後、真空ポンプで大きな溜め枡に集め消毒して外部に取り出す。
ここで使用される空気は逆流しないように穴の大きさを小さくし、水は逆流防止の曲り部分を設ける。
さらに糞尿処理で使用済の空気はフィルタを通った後、フアンで加圧しダクトの中で殺菌して外部に放出する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】は本発明の実施例を示す、殺菌装置を取り付けた家畜小屋の原理図である。
【符号の説明】
1 吸気口
2、3 フィルタ
4 ファン
5,6,7,8 ダクト
9,10 紫外線ランプ
11、12、13,14 排気口
15 隔離室
16 家畜小屋
17 通路
18 通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下向きの吸気口1にフィルタ2を取り付けた後部にフアンを取り付け、ダクト5の中に紫外線ランプを取り付け、排気口11を持つダクト6を各家畜小屋と隔離室に接続すること。
各家畜小屋及び隔離室にそれぞれ排気口を持つダクト7を取り付けその終端部はフィルタを通して紫外線ランプを取り付けたダクト8に接続すること。
隔離室は消毒の設備があり、前後にドアを設置し各家畜小屋の外側に家畜小屋より低い気圧の通路17を各家畜小屋及び隔離室を取り巻いて設置すること。
各通路および各部屋はすべてドアで仕切られること。
各家畜小屋に糞尿を溜める蓋付きの小さい枡を取り付けこの枡をダクトで結合した後、真空によって糞尿を大きな溜め枡に移動し大きな溜め枡には殺菌設備を取り付けこれに用いた空気はフィルタを通して紫外線ランプを取り付けたダクトによって殺菌した後外気に排気することを特徴とした家畜小屋。
【請求項2】
これ等の家畜小屋および付帯設備をすべて組立て式とし常時は折り畳んで保管することを特徴とした家畜小屋。

【図1】
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【公開番号】特開2011−254800(P2011−254800A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−148261(P2010−148261)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(504184835)
【Fターム(参考)】