説明

容器専用空気清浄・換気装置、及びそれを装置した容器

【課題】 容器内の汚れた空気が生で室内に漏れ出ることなく繰り返し空気清浄し、かつ容器内を換気することにより、容器内と室内に良好な空気環境を提供すること。
【解決手段】 容器内の汚れた空気が生で室内に漏れ出ることなくその全量を繰り返し空気清浄し、かつ容器内を換気する容器専用空気清浄装置を容器に取付け、容器内と室内に良好な空気環境を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内で使用する容器内の汚れた空気が生(ナマ)のまま室内に漏れ出ることなく繰り返し空気清浄し、かつ容器内を換気するための、容器に取付ける容器専用空気清浄・換気装置と、それを取付けた容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
市販の家庭用空気清浄機をペット容器の近くにおいて使用すれば、ペット容器から漏れ出る汚れた空気のうち、取り込んだ分は清浄空気として室内に排気されるが、取り込まれずに生のまま室内に漏れ出る汚れた空気もある。
【0003】
上部に消臭剤を取付けているペット容器があるが、空気清浄機ほどの処理能力があるとは言えない。また、生のまま室内に漏れ出る汚れた空気もある。
【0004】
収納家具内に置く従来の小型空気清浄器は容器内を空気循環させるだけで、容器内を換気することができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
容器としてペットトイレ、ペット容器など(以下、ペット容器)があるが、室内にあるペット容器内はトイレ臭、ペット臭、フケ、雑菌など(以下、汚れた空気)が常に発生し、かつ滞留しているので、これらを空気清浄および換気する必要がある。
【0006】
ペット容器内で発生する汚れた空気は室内の空気より軽いので、ペット容器内に留まることなく常に室内に生のまま漏れ出ているので、それらを適切に処理しないと人とペットに有害であり、健康を損なう恐れがある。
【0007】
他の容器としてタンス、下足箱などの収納家具があるが、収納している衣類の衣類臭、雑菌、花粉や下足の下足臭、カビ菌など(以下、汚れた空気)が容器内に滞留している。
【0008】
これらを処理するために市販の消臭剤、防虫剤、乾燥剤などを収納容器内に置いているが、換気せず閉め切った状態なので湿気もあり、十分な処理とは言えない。
【0009】
容器内の汚れた空気が生のまま室内に漏れ出ることなく繰り返し空気清浄し、かつ容器内を換気することにより、容器内と室内とに良好な空気環境を提供すること。
【課題を解決するための手段】
【0010】
容器に容器専用空気清浄・換気装置を取付け、その排気ブロアーを稼働して容器内循環空気流を発生させ、容器内の汚れた空気を繰り返し空気清浄装置を通してきれいな空気にするとともに、その一部を室内に排気し、室内から給気して容器内を換気することで容器内と室内とに良好な空気環境を提供する。
【発明の効果】
【0011】
容器内の汚れた空気は、排気ブロアーによる容器内空気循環流で繰り返し空気清浄装置を通るので、きれいな空気になる。また、容器内空気循環流の任意の一部を室内に排気し、それに見合う分の室内空気を給気して換気することができる。このとき容器内が負圧になるので、容器内の汚れた空気が生で室内に漏れ出ることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を説明する。なお、容器専用空気清浄・換気装置、及び該装置付き容器は室内にあるものとする。従って、容器専用空気清浄・換気装置、及び該装置付き容器の外部とは室内のことであり、室内の空気は適切に管理された良い空気とする。
【0013】
図1は容器専用空気清浄・換気装置の斜視図である。ボックス11は一辺10センチくらいの立方体であり、そのうちの竪1面だけ解放していて、ボックス11の両側の竪溝に上から嵌め込み、上下動する前板12で開閉し、ボックス11を密閉あるいは開放できるようになっている。
【0014】
ボックス11の上板に排気ブロアー2を取付けてあり、排気ブロアー2は電源を接続する(図示していない)と稼働する。
【0015】
ボックス11内に区画板13があり、排気ブロアー2、各種フィルター3の収納部と、還流ダクト19とを区画している。区画板13の上部にブロアー排気口21に接する同大、同位置の区画板排気口16が開いている。
【0016】
ボックス11の下板に排気ブロアー2の吸気口と同大、同位置の下板給気口14と、還流排気口15が開いている。
【0017】
ボックス11の側板上部に、区画板排気口16と同大、同位置の側板排気口17が開いていて、水平移動する開閉板18が取付けてあり、側板排気口17を任意に開閉できるようになっている。
【0018】
区画板13で区画された各種フィルター収納内部に合うような大きさの各種フィルター3(消臭フィルター、集塵フィルター、抗菌フィルター等)が下板の上に水平に重ね置きしてある。各種フィルター3は空気清浄する目的に応じて適切であれば良い。
【0019】
開閉板18で側板排気口17を全閉し、排気ブロアー2に電源を接続すると、容器内の汚れた空気は下板給気口14から吸気され、各種フィルター3を通過して空気清浄され、ブロアー排気口21、区画板排気口16、還流ダクト19を通り、還流排気口15から容器内に還流するので、容器内空気循環流が発生する。
【0020】
このとき、開閉板18で側板排気口17を全開すると、空気清浄された空気は側板排気口17から室内に全量排気される。
【0021】
開閉板18は横方向にスライドして、側板排気口17を全開から全閉まで任意の位置に設定できる。側板排気口17の開口分の排気量は室内に排気され、閉口分の排気量は還流スペース19を通り、容器内に還流する。
【0022】
汚れた空気を適切な各種フィルター3で空気清浄しようとしても、1回通過させただけでは万全とは言えず、数回各種フィルターを通過させる必要がある。そのためには空気清浄した空気を容器内に還流すれば良い。
【0023】
しかし、同じ空気を循環させるだけでは空気が疲弊してきれいな空気にならないので、その一部を外部に排気し、その量に見合う量の外部空気を給気して、容器内を換気する必要がある。
【0024】
その必要換気量は、容器内の汚れた空気の度合いによるので一定にするのは適切でなく、任意に調整できる必要があるが、開閉板18を操作することで、必要換気量を任意に調整することができる。
【0025】
たとえば、開閉板18で側板換気口17の開口面積を20%にすれば、80%は還流されるので、容器内の汚れた空気は平均4回各種フィルター3を通って空気清浄され、5回目の各種フィルター3を通った後、室内に排気される。その同量が室内から給気されるので容器内が換気される。
【0026】
本発明ではこのように、容器内の汚れた空気を各種フィルター3で数回空気清浄し、かつその一部を換気することができ、その割合を任意に調整できるので、最良の室内空気環境を提供できる。
【0027】
図3は容器専用空気清浄・換気装置1をペット容器4に取付けた実施例である。ペット容器4は前面にペット出入り口42が開口している片開き戸41がある。
【0028】
ペット容器4の上板に、図1の下板給気口14と同大の容器排気口43が開いていて、それに合わせて容器専用空気清浄装置1を取付けてある。
【0029】
図1の排気ブロアー2を稼働すると、ペット容器4内の汚れた空気が容器排気口43、下板給気口14、図1の各種フィルター3を通って空気清浄され、図1の側板排気口17の開口分の空気は室内に排気され、閉口分の空気は図1の還流ダクト19を通って還流排気口15からペット容器4内に還流する。このとき、室内に排気された分に見合う室内空気がペット出入口42から給気される。
【0030】
ペット出入口42が開口しているが、ペット容器4内が負圧になるため、室内から流入する空気流だけなので、ペット容器4内の汚れた空気が室内に生のまま漏れ出ることがない。
【0031】
このようにして、ペット容器4内の汚れた空気は生のまま室内に漏れ出ることなく繰り返し空気清浄されるとともに、その一部が換気されるので、良好な室内空気環境を提供できる。
【0032】
図4は容器専用空気清浄・換気装置1を下足箱5に取付けた実施例である。下足箱5は前面に両開き戸51があり、内部に数枚の棚板52がある一般的なものである。数枚の棚板52と前扉51、背板との間に隙間があり、両開き戸51を閉めると下端に隙間53がある。
【0033】
下足箱5の上板に、図1の下板給気口14と同大の容器排気口54が開いていて、それに合わせて専用空気清浄装置1を取付けてある。
【0034】
専用空気清浄装置1の排気ブロアー2を稼働すると、下足箱5内の汚れた空気が容器排気口54、下板給気口14、図1の各種フィルター3を通って空気清浄され、図1の側板排気口17の開口分の空気は室内に排気され、閉口分の空気は図1の還流ダクト19を通って還流排気口15から下足箱5内に還流する。このとき、室内に排気された分に見合う室内空気が隙間53から給気される。
【0035】
隙間53が開口しているが、下足箱5内が負圧になるため、室内から流入する空気流だけなので、下足箱5内の汚れた空気が室内に生のまま漏れ出ることがない。
【0036】
このようにして、下足箱5内の汚れた空気は生のまま室内に漏れ出ることなく繰り返し空気清浄されるとともに、その一部が換気されるので、良好な室内空気環境を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の、容器専用空気清浄・換気装置の斜視図である。
【図3】本発明の、容器専用空気清浄・換気装置を取付けたペット容器の断面図である。
【図2】本発明の、容器専用空気清浄・換気装置を取付けたペット容器の斜視図である。
【図4】本発明の、容器専用空気清浄・換気装置を取付けた下足箱の斜視図である。
【符号の説明】
【0038】
[図1]
1 容器専用空気清浄・換気装置
11 ボックス
12 前板
13 区画板
14 下板給気口
15 還流排気口
16 区画板排気口
17 側板排気口
18 開閉板
19 還流ダクト
2 排気ブロアー
21 ブロアー排気口
3 各種フィルター(消臭、集塵、抗菌フィルター)
[図2]
1 容器専用空気清浄・換気装置
13 区画板
14 下板給気口
15 還流排気口
16 区画板排気口
17 側板排気口
18 開閉板
19 還流ダクト
2 排気ブロアー
21 ブロアー排気口
3 各種フィルター(消臭、集塵、抗菌フィルター)
4 ペット容器
41 片開き戸
42 ペット出入口
43 容器排気口
[図3]
1 容器専用空気清浄・換気装置
14 下板給気口
4 ペット容器
41 片開き戸
42 ペット出入口
43 容器排気口
[図4]
1 容器専用空気清浄・換気装置
14 下板給気口
5 下足箱
51 両開き戸
52 棚板
53 両開き戸下の隙間
54 容器排気口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下板に給気口と還流口、区画板に排気口、側板に排気口とそれを任意に開閉する開閉板、竪1面に開閉できる前板を有する一辺10センチ立方くらいの中空容器であることを特徴とするボックス。
【請求項2】
請求項1のボックスの給気口から吸気し、側面排気口から排気できるようボックス上部に取付けた排気ブロアーを有することを特徴とする給排気装置。
【請求項3】
排気ブロアーによる排気を室内排気と還流排気に任意の割合に区分けするための側板排気口と開閉板、還流排気が通過するための還流ダクト、および還流排気が容器内に還流するための還流排気口を有することを特徴とする排気分岐装置。
【請求項4】
容器内の汚れた空気を空気清浄処理するための、消臭、抗菌、集塵などの各種フィルターを請求項1のボックス内に水平に積み重ねて収納し、使用することを特徴とするフィルター収納装置。
【請求項5】
請求項1のボックスに請求項2の給排気装置、請求項3の排気分岐装置、および請求項4のフィルター収納装置を有することを特徴とする容器専用空気清浄・換気装置。
【請求項6】
請求項5の容器専用空気清浄・換気装置を取付け、排気ブロアーで空気負圧密閉しながら容器内の汚れた空気が漏れ出ることなく繰り返し空気清浄するとともに、容器内を換気することを特徴とするペット容器。
【請求項7】
請求項5の容器専用空気清浄・換気装置を取付け、排気ブロアーで空気負圧密閉しながら容器内の汚れた空気が漏れ出ることなく繰り返し空気清浄するとともに、容器内を換気することを特徴とする収納家具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−45052(P2009−45052A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−238501(P2007−238501)
【出願日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(591118557)
【Fターム(参考)】