説明

容器詰め惣菜の製造方法

【課題】 一群の充填幅が広いにも拘わらず当該範囲で満遍なく充填された容器詰め惣菜が得られ、内容量に応じた売価で販売可能な、充填工程、包装工程及び表示工程を含む容器詰め惣菜の製造方法を提供する。
【解決手段】 充填幅15〜50gの一群を、さらに充填幅が10〜25gの2〜8の区分に分け、当該一区分に応じた量の惣菜を充填する充填工程、包装工程、および充填量である内容量と、内容量に単価を乗して算出した売価とを表示する表示工程を組み合わせた容器詰め惣菜の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充填工程、包装工程及び表示工程を含む容器詰め惣菜の製造方法に関する。詳しくは、充填幅の広い一群をさらに複数区分し、当該一区分に応じた量の惣菜を充填する充填工程、充填物を包装する包装工程、並びに充填量である内容量と、内容量に単価を乗して算出した売価とを表示する表示工程を含み、一群の充填幅が広いにも拘わらず当該範囲で満遍なく充填された容器詰め惣菜が得られ、内容量に応じた売価で販売可能な容器詰め惣菜の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパー等では多くの惣菜が販売されている。従来、惣菜はスーパーのバックヤードで製造し消費者の必要量を販売する量り売りがなされていた。しかしながら、近年、スーパーの大型化や人件費削減に伴い容器詰め惣菜を惣菜工場で大量生産し、これを販売するケースが増加している。
【0003】
容器詰め惣菜において、焼き魚等のような食材が大きいものは、内容量を一定とすることが難しいことから、惣菜の内容量に応じた売価で販売されている。一方、マカロニサラダ等の小さい食材の集合物からなる惣菜は、内容量をほぼ一定とすることが比較的容易であるため、一定価格で販売されている。例えば、容器詰めマカロニサラダにおいて内容量が200gの場合、計量法及び景品表示法を考慮し、200〜205gの範囲で充填されたものが販売されている。
【0004】
しかしながら、マカロニサラダ等のような小さい食材の集合物からなる惣菜は、内容量をほぼ一定とすることが容易であるが、個々の食材の重さや大きさが一定していないので、充填機のみで上記狭い充填幅に収めることは難しい。また、上記範囲で充填し一定価格で販売する場合、200gを超えた部分が多いほど利益が減少するため、利益改善の目的で出来る限り200gに近い充填量とする必要がある。したがって、微妙な量をコントロールするため、充填工程は人手に頼らざるを得なかった。
【0005】
一方、小さい食材の集合物からなる容器詰め惣菜は、ほぼ一定内容量のものを一定価格で販売されているため、消費者は量的な部分で選択する余地がない。また、消費者によっては、家族構成やその日の体調等により、上記内容量よりやや多いもの、あるいはやや少ないものを要望するケースが増えている。
【0006】
そこで、本発明者らは、消費者の要望に応えるため、充填幅を広げて製造することを試みた。まず、充填幅が広がったことから、本発明者らは、充填機による充填が可能ではないかと考えこれを試みた。しかしながら、充填機の設定は、充填バラツキを考慮し、充填幅のほぼ中心値に設定する必要がある。そのため、得られる容器詰め惣菜の大多数は、充填幅のほぼ中心値の内容量を有したものとなり、内容量を充填幅の範囲で満遍なく分散させることは困難であった。一方、何の指示もなく人手で充填させた場合、充填バラツキをコントロールすることは難しいためか、個人より充填バラツキが異なる上、内容量を充填幅の範囲で満遍なく分散させることは困難であった。なお、特開平8−151004号公報(引用文献1)にはサラダ等に用いることが可能な定量充填機が記載されているが、当該充填機を用いたとしても内容量を充填幅の範囲で満遍なく分散させることは困難であった。
【0007】
【特許文献1】特開平8−151004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の目的は、一群の充填幅が広いにも拘わらず当該範囲で満遍なく充填された容器詰め惣菜が得られ、内容量に応じた売価で販売可能な、充填工程、包装工程及び表示工程を含む容器詰め惣菜の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記目的を達成すべく充填方法について鋭意検討を重ねた。その結果、充填幅の広い一群をさらに複数区分し、当該一区分に応じた量の惣菜を充填する充填工程、および充填量である内容量と、内容量に単価を乗して算出した売価とを表示する表示工程を組み合わせた容器詰め惣菜の製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、
(1)重さ20g超の固形食材の総量が内容量に対し2割未満(ゼロを含む)である惣菜を容器に充填する充填工程、
充填物を包装する包装工程、
及び包装物に内容量と売価を表示する表示工程
を含む容器詰め惣菜の製造方法において、
充填工程及び表示工程が以下の条件を満たす容器詰め惣菜の製造方法。
<充填工程>
一群の充填幅が15〜50gであり、
前記一群をさらに2〜8に区分し、
前記区分した一区分の充填幅が10〜25gであり、
前記一区分が隣接する他の一区分と20〜80%で重なっており、
前記一区分に応じた量の惣菜を容器に充填する。
<表示工程>
充填量である内容量を秤量後、該内容量と、内容量に単価を乗して算出した売価とを表示する。
(2)前記一群の区分が3〜5である(1)の容器詰め惣菜の製造方法、
である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の容器詰め惣菜の製造方法によれば、一群の充填幅が広いにも拘わらず当該範囲で満遍なく充填された容器詰め惣菜が得られことから、消費者の必要量に応じた容器詰め惣菜を提供できる。また、本発明の製造方法で得られた惣菜は、内容量に単価を乗して算出した売価で販売することが可能であるから、ほぼ一定内容量のものを一定価格で販売する場合に生じる重量オーバー分の利益減少がなく、大量生産される惣菜工場でも利益が改善される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を意味する。
【0013】
本発明において「重さ20g超の固形食材の総量が内容量に対し2割未満(ゼロを含む)である惣菜」とは、惣菜に含まれる固形食材の1個1個において、1個の重さが20gを超える固形食材の合計量が内容量に対し、ゼロあるいは2割未満であることを意味する。したがって、本発明の惣菜は、その殆どが20g以下の固形食材の集合体、あるいは当該固形食材とペースト状食材又は液状食材との組合せからなる惣菜等である。個々の重さが20g超の固形食材の総量が内容量に対し2割以上であると、後述する充填工程において、一区分の充填幅を10〜25gでコントロールすることが難しく、その結果、内容量を一群の充填幅で満遍なく分散させた容器詰め惣菜が得られず好ましくないからである。
【0014】
本発明の上記惣菜に適合する代表的な惣菜の例としては、マカロニサラダ、スパゲティーサラダ、春雨サラダ、ポテトサラダ、ごぼうサラダ等のサラダが挙げられるが、これらに限定されず、例えば、ひじき煮、卯の花、金平等の惣菜も本発明に含まれる。一方、例えば焼き魚、煮魚、かき揚げ、天ぷら等の惣菜は、惣菜中の個々の重さが20gを超えるものが殆どである場合が多いことから、本発明の「重さ20g超の固形食材の総量が内容量に対し2割未満(ゼロを含む)である惣菜」には含まれない場合がある。
【0015】
本発明は、上記惣菜を容器に充填する充填工程、充填物を包装する包装工程、及び包装物に内容量と売価を表示する表示工程
を含む容器詰め惣菜の製造方法であって、充填工程及び表示工程に特徴を有する。
【0016】
本発明の充填工程は、一群の充填幅が15〜50g、好ましくは20〜40gであり、前記一群をさらに2〜8、好ましくは3〜5に区分し、前記区分した一区分の充填幅が10〜25g、好ましくは10〜20gであり、前記一区分が隣接する他の一区分と20〜80%、好ましくは30〜80%で重なっており、前記一区分に応じた量の惣菜を充填することを特徴とする。
【0017】
これにより、一群の充填幅が広いにも拘わらず当該範囲で満遍なく充填された容器詰め惣菜が得られる。
【0018】
特に、上記一区分と隣接する他の一区分との重なりに関し、隣接する他の一区分と上限側及び下限側で重なる一区分であって、一群の最上限側にある一区分において、下限側の重なりの程度が上限側より多いと、より満遍なく充填されたものが得られ易く、10%以上多いほうが好ましく、20%以上がより好ましい。
【0019】
一群の充填幅が前記範囲より狭いと、ほぼ一定内容量のものを一定価格で販売されている従来品と区別され難く、消費者の量的な部分で選択する余地がなくなり好ましくない。
【0020】
一方、一群の充填幅が前記範囲より広いと、当該範囲で満遍なく充填させるには一群を必要以上に多数の区分に分ける必要がある。また、見栄えを考慮した内容量と容器との容量バランスより、同一容量の容器を用いた場合、充填量の下限域で空間があり過ぎる、充填量の上限域で空間が少な過ぎるため、全体の見栄えが悪くなる。したがって、一群の充填幅が前記範囲より広いと、内容量と容器との容量バランスが良い製品を得るには、容量の異なる複数の容器が必要となる場合があり、生産性に欠け好ましくない。
【0021】
また、一群の区分数が前記範囲より少ない場合、一区分の充填幅が前記範囲より広い場合、又は隣接する他の一区分との重なりが前記範囲より狭い場合は、いずれも一群の充填幅の範囲で満遍なく充填することは難しく好ましくない。
【0022】
一方、一群の区分数が前記範囲より多い場合、一区分の充填幅が前記範囲より狭い場合、又は隣接する他の一区分との重なりが前記範囲より広い場合は、いずれも充填工程が煩雑となり、生産性に欠け好ましくない。
【0023】
なお、充填の際に用いる容器は、惣菜で一般的に用いられている容器であれば、特に限定するものではない。このような容器としては、代表的には例えば、プラスチック製のトレー、発泡スチロール製のトレー等が挙げられる。
【0024】
また、本発明の製造方法は、上記充填工程における一群を複数設けたものも、本発明の技術的範囲に含まれる。複数の群の分け方としては、従来の一定価格で販売されている容器詰め惣菜と同様、例えば2〜5群とすることができる。
【0025】
本発明の表示工程は、充填量である内容量を秤量後、当該内容量と、内容量に単価を乗して算出した売価とを表示することを特徴とする。
【0026】
これにより、従来の一定価格で販売する場合に生じていた重量オーバー分の利益減少が解消され、大量生産される惣菜工場でも利益が改善される。
【0027】
充填量である内容量の秤量は、例えば、ラインに組み込まれた秤量機、あるいは後述の表示機と一体となった秤量機等で行えば良い。内容量は、容器を含めた全体の質量から予め設定した内容物以外の容器等の質量を引くことで求めることができる。
【0028】
表示方法として、表示機により、例えば、容器に直接、内容量及び売価を印字する方法、内容量及び売価を印字したラベルを容器に貼り付ける方法等が挙げられる。また、印字項目には、内容量及び売価だけでなく、例えば、製造者、販売者、品名、原材料名等を表示することができる。
【0029】
以上、本発明の製造方法で特徴ある充填工程及び表示工程について詳述したが、充填工程後の充填物を包装する包装工程は、従来行われている方法を採用すれば良く、例えば、トレーに充填した場合は、フィルムでラップする、カップに充填した場合は、蓋を施す等の方法が挙げられる。
【0030】
なお、表示工程を経た容器詰め惣菜は、コンピューターにより完成品として数量カウントされる場合がある。したがって、包装工程と表示工程の間に、事前に内容量をチェックし、一群の充填幅に適合しないものを選別する選別工程を有することが好ましい。これにより、一群の充填幅に適合しないものは排除されることから、完成品として数量カウントされず、数量トラブルの原因となることがない。
【0031】
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
【実施例】
【0032】
[実施例1]
<充填工程>
惣菜としてマカロニサラダを準備した。一群として87〜114gと設定し、さらに当該一群をさらに第一区分として87〜102g、第二区分として90〜105g、第三区分として99〜114gと設定した。区分毎に充填者を決め、充填者は、設定された区分の範囲となるように秤量しながらマカロニサラダを発砲スチロール製のトレーに充填した。充填物は、ベルトコンベヤーで次工程の包装工程に移送させた。各区分の充填物をそれぞれ50個製した。
【0033】
なお、マカロニサラダ中一番重い固形食材は、マカロニ部分であるが、いずれのマカロニも20gを超えるものでなかった。また、一群の充填幅は27gであり、一区分の充填幅は15gである。また、第一区分と第二区分とは80%、第二区分と第三区分とは40%それぞれ重なっており、第二区分の下限側の重なりが上限側より40%多い。
【0034】
<包装工程>
ベルトコンベヤーで移送された充填物を自動包装機で充填物全体を透明フィルムでラップして包装した。包装物は、ベルトコンベヤーで次工程の選別工程に移送された。
【0035】
<選別工程>
ベルトコンベヤーで移送された包装物を、秤量システムを備えた自動選別機で内容量をチェックし、内容量が一群として設定した範囲(87〜114g)に含まれないものは、ラインから排除し、含まれるものは、ベルトコンベヤーで次工程の表示工程に移送された。
【0036】
<表示工程>
選別工程で排除されることなくベルトコンベヤーで移送された包装物に対し、秤量システムを備えた表示機で、内容量の秤量、内容量に単価を乗じて行う売価の演算、ラベルへの内容量及び売価の印字、及び印字したラベルの貼り付けを行い、本発明の容器詰め惣菜を製した。
【0037】
得られた容器詰め惣菜の内容量の分布を調べたところ、一定価格で販売されている同じ惣菜に比べ、一群の充填幅が広いにも拘わらず充填幅の範囲で満遍なく充填されていた。
【0038】
[比較例1]
実施例1の充填工程を以下のように変更し、その他工程は実施例1と同様な方法で容器詰め惣菜を製した。つまり、一群は実施例1と同様、87〜114gに設定したが、一群をさらに区分することなく、上記一群の範囲で3人の充填者にそれぞれ50個ずつ充填物を製させた。
【0039】
得られた容器詰め惣菜の内容量の分布を調べたところ、実施例1のように区分に分けなかったためか、一群の充填幅で満遍なく充填されていなかった。
【0040】
[実施例2]
実施例1の充填工程の一群を第一群(小)として容器詰め惣菜を製した。さらに一群の充填幅、一区分の充填幅及び各区分の重なりは、実施例1と同様にして、第二群として137〜164g、第一区分として137〜152g、第二区分として140〜155g、第三区分として149〜164gと設定し、それ以外は実施例1と同様な方法で第二群(中)の容器詰め惣菜を製した。
【0041】
さらに、一群の充填幅、一区分の充填幅及び各区分の重なりは、実施例1と同様にして、第三群として187〜214g、第一区分として187〜202g、第二区分として190〜205g、第三区分として199〜214gと設定し、それ以外は実施例1と同様な方法で第三群(大)の容器詰め惣菜を製した。
【0042】
得られた容器詰め惣菜の内容量の分布を調べたところ、第一群(小)、第二群(中)及び第三群(大)とも充填幅が広いにも拘わらず充填幅の範囲で満遍なく充填されていた。
【0043】
[実施例3]
実施例1の充填工程を以下のように変更し、その他工程は実施例1と同様な方法で容器詰め惣菜を製した。つまり、一群として90〜110g、第一区分として90〜100g、第二区分として94〜104g、第三区分として100〜110gと設定した。なお、一群の充填幅は20gであり、一区分の充填幅は10gである。また、第一区分と第二区分とは60%、第二区分と第三区分とは40%それぞれ重なっており、第二区分の下限側の重なりが上限側より20%多い。
【0044】
[実施例4]
実施例1の充填工程を以下のように変更し、その他工程は実施例1と同様な方法で容器詰め惣菜を製した。つまり、一群として80〜120g、第一区分として80〜100g、第二区分として84〜104g、第三区分として88〜108g、第四区分として92〜112g、第五区分として100〜120g、と設定した。なお、一群の充填幅は40gであり、一区分の充填幅は20gである。また、第一区分と第二区分、第二区分と第三区分及び第三区分と第四区分とは80%、第四区分と第五区分とは60%それぞれ重なっており、第四区分の下限側の重なりが上限側より20%多い。
【0045】
[実施例5]
実施例1の充填工程を以下のように変更し、その他工程は実施例1と同様な方法で容器詰め惣菜を製した。つまり、一群として75〜125g、第一区分として75〜100g、第二区分として80〜105g、第三区分として85〜110g、第四区分として90〜115g、第五区分として100〜125gと設定した。なお、一群の充填幅は50gであり、一区分の充填幅は25gである。また、第一区分と第二区分、第二区分と第三区分及び第三区分と第四区分とは80%、第四区分と第五区分とは60%それぞれ重なっており、第四区分の下限側の重なりが上限側より20%多い。
【0046】
[実施例6]
実施例1の充填工程を以下のように変更し、その他工程は実施例1と同様な方法で容器詰め惣菜を製した。つまり、一群として90〜117g、第一区分として90〜100g、第二区分として95〜105g、第三区分として100〜110g、第四区分として107〜117gと設定した。なお、一群の充填幅は27gであり、一区分の充填幅は10gである。また、第一区分と第二区分及び第二区分と第三区分とは50%、第三区分と第四区分とは30%それぞれ重なっており、第三区分の下限側の重なりが上限側より20%多い。
【0047】
実施例3、4又は6で得られた容器詰め惣菜の内容量の分布を調べたところ、いずれも一定価格で販売されている同じ惣菜に比べ、実施例1と同様、一群の充填幅が広いにも拘わらず充填幅の範囲で満遍なく充填されていた。また、実施例5で得られた容器詰め惣菜の内容量の分布を調べたところ、実施例1と比べやや劣るものの、一群の充填幅の範囲でほぼ満遍なく充填されていた。
【0048】
[比較例2]
実施例1の充填工程を以下のように変更し、その他工程は実施例1と同様な方法で容器詰め惣菜を製した。つまり、一群として90〜117g、第一区分として90〜100g、第二区分として98.5〜108.5g、第三区分として107〜117gと設定した。なお、一群の充填幅は27gであり、一区分の充填幅は10gである。また、第一区分と第二区分及び第二区分と第三区分とは15%重なっており、第二区分の下限側の重なりと上限側の重なりは同一である。
【0049】
得られた容器詰め惣菜の内容量の分布を調べたところ、実施例1のように区分に分けたにも拘わらず、一群の充填幅で満遍なく充填されていなかった。
【0050】
[実施例7]
実施例1で充填したマカロニサラダをポテトサラダに変更した以外は、実施例1と同様の方法で容器詰め惣菜を製した。なお、ポテトサラダ中一番重い固形食材は、塊状のポテト部分であるが、いずれのポテトも20gを超えるものでなかった。
【0051】
[実施例8]
実施例1で充填したマカロニサラダを金平に変更した以外は、実施例1と同様の方法で容器詰め惣菜を製した。なお、金平に含まれる固形食材であるゴボウ及び人参とも20gを超えるものでなかった。
【0052】
実施例7の容器詰めポテトサラダ、実施例8の容器詰め金平の内容量の分布を調べたところ、いずれも一定価格で販売されている同じ惣菜に比べ、実施例1と同様、一群の充填幅が広いにも拘わらず充填幅の範囲で満遍なく充填されていた。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
重さ20g超の固形食材の総量が内容量に対し2割未満(ゼロを含む)である惣菜を容器に充填する充填工程、
充填物を包装する包装工程、
及び包装物に内容量と売価を表示する表示工程
を含む容器詰め惣菜の製造方法において、
充填工程及び表示工程が以下の条件を満たすことを特徴とする容器詰め惣菜の製造方法。
<充填工程>
一群の充填幅が15〜50gであり、
前記一群をさらに2〜8に区分し、
前記区分した一区分の充填幅が10〜25gであり、
前記一区分が隣接する他の一区分と20〜80%で重なっており、
前記一区分に応じた量の惣菜を容器に充填する。
<表示工程>
充填量である内容量を秤量後、該内容量と、内容量に単価を乗して算出した売価とを表示する。
【請求項2】
前記一群の区分が3〜5である請求項1記載の容器詰め惣菜の製造方法。


【公開番号】特開2013−55920(P2013−55920A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197290(P2011−197290)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000001421)キユーピー株式会社 (657)
【出願人】(510299503)デリア食品株式会社 (6)
【Fターム(参考)】