密封された流体バッグを実験施設における清潔な側に提供する方法及び装置
【課題】特殊なケージ装置及び所定のケージへ水を送出する装置の両者を改善することによって、実験動物の健康を向上させ且つより良く飼育する。
【解決手段】動物実験用の動物を収容するための、複数のケージレベルバリヤ型のケージへ水を送出するための方法であって、この方法は、動物実験のための複数のケージレベルバリヤ型ケージを実験施設の現場に提供する段階と、実験施設現場における洗い場の清潔な側に、バッグ形成装置を配置する段階と、を備え、バッグ形成装置は、ケージレベルバリヤ型ケージにおいて使用するための、密封された水バッグを提供することが出来る。方法はさらに、バッグの材料を実験施設現場に提供する段階を具備する。
【解決手段】動物実験用の動物を収容するための、複数のケージレベルバリヤ型のケージへ水を送出するための方法であって、この方法は、動物実験のための複数のケージレベルバリヤ型ケージを実験施設の現場に提供する段階と、実験施設現場における洗い場の清潔な側に、バッグ形成装置を配置する段階と、を備え、バッグ形成装置は、ケージレベルバリヤ型ケージにおいて使用するための、密封された水バッグを提供することが出来る。方法はさらに、バッグの材料を実験施設現場に提供する段階を具備する。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[関連出願]
本願は、2002年10月21に出願した米国特許出願第10/274,619号の一部継続出願に該当するものであり、同出願は、2001年10月19日に出願した米国仮特許出願第60/346,218号の利益を主張しており、これら両出願の内容をここに参照して引用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般的には、流体送出装置に関し、より詳しくは、動物ケージ又は収容装置用の流体送出装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
毎年、多くの実験動物が、実験研究に使用されている。これらの動物のサイズは、ハツカネズミから、人以外の霊長類に至る範囲にまで及んでいる。有効かつ信頼性のある実験を行うためには、研究者は、彼らの動物が試験結果や結論に影響を与える病原体及び微生物汚染物質から保護されていることを保証しなければならない。動物設備の適切なハウジング及び管理は、動物の健康、研究の質、及び動物に使用するティーチングプログラムまたは試験プログラム、及び職員の健康及び安全にとって重要である。
【0004】
通常、動物は、その特定の条件に従って、飲料に適した非汚染飲料水又は必要な栄養物を含有したその他の流体にアクセスできなくてはならない。飲料に適した水の水質及び定義は、現場毎に変わることがある。特に、所定の箇所における水の通常の成分が研究に使用され、得られる結果に影響を及ぼす場合には、水質が許容できるものであることを確保するため、pH、硬度、微生物的または化学的汚染物質について定期的に監視する必要がある。プロトコルが高度の純水を必要とするとき、水は、汚染物質を最小限にし又は無くすように処理され又は純化される。水処理の選択は注意深く考察されるべきであって、というのは、多くの水処理形態は、生理的変化、微生物相(マイクロフロラ)の変化または実験結果への影響を引起こす可能性があるからである。例えば、給水を塩素処理することは、いくつかの種には有効であるが、その他に対して毒性であることがある。
【0005】
ハウジング及び畜産の条件は、動物及び職業的な健康と安全並びにデータの変動性、及び動物の健康に影響を与えるため、本発明は、最適な環境条件及び動物の快適性が得られるように、ケージレベルバリヤ型ケージまたは一体型ケージ及びラック装置内の実験動物用の、汚染されることがなく、交換可能で使い捨ての流体源を提供することに関する。
世界中の動物供給業者は、特定病原体を保有しない動物に対する前例のないほどの要求を経験しており、今や、このような動物の生産と世話を研究者に任せている。同様に、実験動物用のケージ製造業者は、病原体の存在しない環境を確保する技術及び機器を提供すべく、多くのケージ装置を開発している。例えば、換気型ケージ/ラック装置は当業界において良く知られている。このような換気型ケージ/ラック装置の一例は、ラブプロダクト社(Lab Products Inc.)に譲渡された米国特許第4,989,545号に開示されており、その内容は参照によって本願に引用するが、かかる特許によれば、各々がエアプレナムとして形成されている複数の棚を備えたオープンラック装置が提供される。ラック装置には、ラック内の各ケージ及び動物を換気するための換気装置が連結されており、このため、病原体、アレルゲン、好ましくないフェロモン、または他の有害ヒュームによって容易に汚染されないケージへの要望を不要にする。このような換気型ケージ/ラック装置内での研究用のために、例えば、ラットを収容することが知られている。
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,989,545号
【0007】
実験動物を効率的かつ安全に収容し、かつ飼育するための改善された技術的進歩に対する強い要望は、主として、病原体のない実験動物環境の創るための現在の関心から、免疫無防備状態の、免疫欠損、形質転換及び誘起された突然変異(「ノックアウト」)動物の使用に関して生じている。急速に拡大する形質転換技術は、モデル化分子生物学の適用にほとんどの動物集団を提供する。形質転換動物は、人の病気に対するハツカネズミ及びラットのモデル化、病気の治療及び予防のモデル、及び発育遺伝学に関する知識の進歩が連続的に成功した根拠となっている。また、新しい免疫欠損モデルの開発は、ノックアウト技術を用いた遺伝子ターゲット型モデルの創出により、近年、途方もなく進歩したことを示している。従って、非汚染型のケージ環境及び物質免疫無防備状態の動物(すなわちSCIDハツカネズミ)の増大する使用に対する要望は、病原体の存在しない餌及び水の必要性を大きく増大させている。隔離された動物ケージの環境内に病原体を導入するひとつの主な手段は、さもなければ、単一又は複数の動物に与えられる汚染された餌及び水である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、特殊なケージ装置及び所定のケージへ水を送出する装置の両者を改善することによって、実験動物の健康を向上させ且つより良く飼育することが要望されている。水または流体を供給するための関連するケージ装置は、汚染の危険、バイオ閉込め条件、DNA危険排出物、遺伝子伝達技術による病気の誘発、仕事場でのアレルゲンの曝露、及び動物福祉の問題など、ある種の欠点を有している。
現在、研究所その他の施設は、ケージから取外し、分解し、洗浄し、滅菌し、再び組み立ててケージに戻さなくてはならない、ボトルその他の容器を用いて動物に流体を供給している。さらに、研究所は、その将来の必要性及び/又は研究すべき動物の種類に基いた種々の条件に応じて、大量の流体ボトルないし容器を保管しなくてはならない。一般に毎週行なわれるこの大量の保管、洗浄及び滅菌を行なう努力は、反復作業であり、しばしば退屈である仕事を行うのに、多量の時間と、スペース及び人手を必要とする。
さらに、ガラス瓶と、その取扱いは、危険であり、比較的費用も要する。動物に水を与えるのに水ボトルを使用する場合には、ボトル洗浄機や、ボトル充填機、廃水、温水、ボトルを保持するワイヤーバスケット、吸引管、ゴム製ストッパ、人間工学的観点による取り外しストッパ、吸引管を挿入するネジキャップなどのすべてが、それぞれ固有の問題点を有する。
自動給水装置も利用可能ではあるが、ケージあたりのコストは多くの研究所にとって高額に過ぎる。ステンレス鋼の弁とマニホールドについては、スライムと蓄積した鉱物堆積物とを定期的にパージする必要がある。
人間がワイヤーバスケットを取り扱って、ボトルの装荷及び除荷を行うことは、産業界に蔓延する腰痛や、手首の負傷、及び割れたガラスによる目の負傷、及びその他の人間工学的なヒューマンファクターにつながる。いくつかの見積りによれば、負傷に関連した産業界のコストと、作業場所の生産性の喪失は、毎年何百万ドルにもなる。
さらに、水ボトルを用いることは代表的に多大なエネルギーコストをもたらすが、というのは、水ボトルを洗浄するには約180゜Fに加熱した熱湯が必要になるためであり、また、水ボトル及びキャップのすべての構成要素を危険な化学薬品で洗う必要がある。このように、ケージレベルバリヤ型ラック/ケージ装置内で生活する実験動物に流体を供給するための、改善された装置が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明はこの要望を満たすものである。簡単に言えば、本発明のひとつの実施形態によれば、動物を収容する動物ケージ装置に流体を供給する流体送出装置が開示される。流体送出装置には、流体を保持する流体バッグに連結できる流体送出弁組立体を設けると良い。消毒された使い捨て流体バッグを有利に使用することにより、本発明は、ケージから取外し、洗浄し且つ常に衛生的にしなければならない流体ボトルを使用する必要性を最小にできる。
送出装置は、当該技術で知られている換気型ケージ/ラック装置に一体化された単一または複数のケージに使用できる。ここに開示する本発明のひとつの実施形態は、流体送出弁組立体を有し、流体送出弁組立体は、ケージ装置への流体の供給を行なうため流体バッグに連結でき且つ流体バッグからの流体を、動物を収容する動物ケージ装置に供給する流体送出装置を提供する。流体送出弁組立体は更に、穿刺部材及び連結部材を備えた上方部材を有し、上方部材はこれを貫通して形成された流体チャネルを備え、ベースを有し、ベースは、フランジ部材と、ベースを貫通して形成されたベース流体チャネルとを備え、ベースは上方部材に連結できるようにデザインされている。流体送出弁組立体は更に、ベース流体チャネル内に配置されるスプリング要素と、ベース流体チャネル内に一部が配置されるステム部材とを有し、スプリング要素の一部は下面に当接してステム部材に付勢力を付与する。
【0010】
本発明の他の実施形態は、流体を1又は複数の動物ケージに供給する方法であって、動物ケージまたはケージ装置内で使用するためにシールされ且つ消毒された流体バッグを用意する段階を有する方法を提供する。この方法は更に、流体バッグの形成に使用されるバッグ材料を用意する段階を有する。
他の実施形態は、動物実験用の動物を収容するための、複数のケージレベルバリヤ型のケージへ水を送出するための方法に関する。方法は、動物実験のための複数のケージレベルバリヤ型ケージを実験施設の現場に提供する段階と、実験施設現場における洗い場の清潔な側に、バッグ形成装置を配置する段階と、を備える。バッグ形成装置は、ケージレベルバリヤ型ケージにおいて使用するための、密封された水バッグを提供することが出来る。さらに、方法は、バッグの材料を実験施設現場に提供する段階をさらに備えても良い。
【0011】
本発明の他の実施形態は、動物実験用の動物を収容するための、実験施設現場に配置された、複数のケージレベルバリヤ型のケージへ水を送出するための方法に関する。方法は、実験施設現場における洗い場の清潔な側に、バッグ形成装置を配置する段階、を備え、バッグ形成装置は、ケージレベルバリヤ型ケージにおいて使用するための、密封された水バッグを提供することが出来る。
本発明の他の実施形態は、動物実験用の動物を収容するための、実験施設現場に配置された、複数のケージレベルバリヤ型のケージへ水を送出するための装置に関する。装置は、実験施設現場における洗い場の清潔な側に配置されるべくデザインされ構成された、バッグ形成装置、を備え、バッグ形成装置は、ケージレベルバリヤ型ケージにおいて使用するための、密封された水バッグを提供することが出来る。
【0012】
本発明のさらに別の目的及び利点は、明細書の記載からその一部が明らかになるであろう。本発明の他の特徴及び利点は、添付図面を参照して述べる本発明の例示的な実施形態についての以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
単なる例示であるいくつかの図面において、同様の構成要素は対応する参照番号で示されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1及び図2を参照すると、流体送出弁組立体1を備えてなる動物ケージ組立体90が示されている。動物ケージ組立体90は、フィルタ保持器91と、フィルタフレーム92と、フィルタ頂部ロック93と、噛付き防止部材94と、複数のスナップリベット95と、流体を収容する流体バッグ60と、流体送出弁組立体1と、支持部材50を形成する餌供給装置96と、餌受け111と、流体バッグ受け110と、ケージ本体98とを有している。ケージ本体98は、動物ケージ組立体90内の動物に餌と液体の両方を供給できるような、組合せ型餌供給装置96を備えた箱型の動物ケージである。一般に、動物ケージ組立体90には、フィルタ保持器91とフィルタフレーム92との間にサンドイッチにしたフィルタ99も備える。ケージ本体98には、一体の側壁100と、底壁ないし床101と、開放上部端とが形成されている。ケージ本体98の開放上部端は、そのまわりに連続的に延びた、周囲唇部102によって境界を定められている。ケージ本体98はまた、その積重ねを容易にすべく、複数の積重ね用コーナータブ103を備えている。
【0014】
図3〜図5を参照すると、流体送出弁組立体1が示されている。流体送出弁組立体1は、それを動物ケージ90内で使用するために、上方部材10と、スプリング要素20と、トリガ組立体30と、カップ要素40とを有している。水送出装置1は、支持要素50により動物ケージ90内の所定位置に保持される。支持要素50は、餌供給装置96から延び、流体バッグ受け110の床を形成している。変形例として、水送出装置1は、餌供給装置96と一体に成形されていても良い。
【0015】
図4及び図5に示すように、上方部材10は、穿刺部材11と、コア部材12と、フランジ部材13とを有している。上方部材10も、流体チャネル14を有している。矢印「A」は、流体送出弁組立体1の中を通ってトリガ組立体30に流れる流体の流れを示し、トリガ組立体30において、流体の流れは、動物ケージ90内の動物によって作動される。穿刺部材11は、その上端部に傾斜先端部15を有し、傾斜先端部15の上縁は鋭い孔あけ用刃16を有し、この孔あけ用刃16は、流体バッグ60に接触し且つ孔あけし、バッグ60内の流体を流体チャネル14から流出させる。フランジ部材13がコア部材12から延びている。好ましい実施形態では、フランジ部材13は円形である。しかしながら、当業者ならば、フランジ部材13が任意の所望形状であっても良いことを容易に理解できよう。しかしながら、フランジ部材13の少なくとも一部の直径は、コア部材12の流体チャネル14よりも大きくなくてはならない。図3に示すように、スプリング要素20は、密に巻回されたコイル巻き部材で形成され、コイル巻き部材は、ステム31の上端部33の上面35の上に乗り、流体チャネル14の中を通って上方部材10に入る。図5に示すように、流体チャネル14は、流体チャネル14の上方部分の直径が穿刺部材11内の位置17で細くなっており、これにより、スプリング要素20が流体チャネル14を通って穿刺部材11から出ることが防止される。
【0016】
図6を参照すると、トリガ組立体30が示されている。トリガ組立体30は、シール部材32を通して挿入されたステム31を有している。ステム31は、上端部33及び下端36を有している。ステム31の下端部36は、実質的に平らである。ステム31の上端部33は、ほぼ円錐形であるが、他の形状であっても良い。シール部材32は、ステム31の周囲にきつく嵌まり、これにより、ステム31回りの運動を制限することが可能である。シール部材32は、上端部33の円錐形部分のベースがシール部材32の上に乗るように寸法決めされている。シール部材32は、ゴム、シリコーンゴム又は他の柔軟な弾性材料で形成される。好ましい実施形態では、シール部材32は、哺乳類に有害でない材料で作られる。
【0017】
図7〜図9に、カップ要素40が示されている。カップ要素40は、ベース43と、内面41と、外面42とを有している。ベース43はまた、作動チャネル400を有している。トリガ組立体30のステム31の下端部36は、作動チャネル400の中を通って動物ケージ90の内部に延びている。流体チャネル14は、孔あけ用刃16から穿刺部材11、コア部材12及びスプリング要素20を通って延び、カップ要素40の底壁で終端する。トリガ組立体30は、作動チャネル400の中を通って延びている。カップ要素40は、フランジ部材13のすぐ下の上方部材10のコア部材12に摩擦嵌めされる。
図10〜図12には、流体バッグ受け110及び餌受け111を収容する餌供給装置96が示されている。図11に示すように、流体バッグ受け110は、流体70が入っている流体バッグ60を保持する。流体送出弁組立体1は、フランジ部材13a、13b、13c、13dとロック部材51a、51b、51c、51dとの間の相互連結によって、流体バッグ受け110の受けベース112にしっかりと保持されている。流体送出弁組立体1の孔あけ用刃16は、流体バッグ60を刺してそれに孔をあける。図11及び図12に示すように、餌供給装置96の餌受け111は、ワイヤ製の餌ホルダ要素116を保持している。図10及び図12には、流体バッグ60内に入れられた流体70を流体送出弁組立体1によって容易に空にし且つ動物が流体バッグ受け上に乗ることを防止するために流体バッグ受け110が成形流体バッグ受け110’である、本発明の他の実施形態を示している。変形実施形態では、流体バッグ60は、それを流体送出弁組立体1によって空にすることを容易にするようにテーパにされ、即ち、寸法きめされている。流体バッグ60は、交換可能又は使い捨てに作られても良いし、ユーザの要望に従って任意の量でひとつずつ作られても良い。
【0018】
流体送出弁組立体1は、流体バッグ60の内容物を動物ケージ組立体90内の動物に送出するのに使用される。流体バッグ60内の流体70は、水、蒸留水、種々のビタミン、ミネラル、抗生物質または抗真菌剤等の薬剤及び/又はその他の栄養素が補充された水、又はケージに入れられた動物が摂取できる任意の流体を含む。流体バッグ60内の流体70は、動物ケージ組立体90内の任意の動物を感染から保護すべく、滅菌又は消毒状態で動物に送出される。流体バッグ60は、任意所望の形状又は容積で形成される。好ましい実施形態では、流体バッグ60は、流体バッグ受け110にぴったり合うように形成される。
【0019】
流体バッグ60が可撓性材料から構成される必要はなく、その一部が剛性材料で作られても良いことは明らかである。本発明の実施形態では、流体バッグ60は、穿刺部材11の挿入時に裂けないように耐える1又は複数の層からなる。変形例として、バッグの裂けを防止し且つ挿入された穿刺部材11の周囲にシールを形成するために、可撓性で引伸ばし可能な弾性プラスチック貼着材501がバッグに接着されても良い。加えて、図13〜図15に示すように、流体バッグ60は、孔あけ用刃16が流体バッグ60を穿刺する領域がより薄いプラスチックで作られ又は反転されるのが良く、これにより、流体バッグ60を穿刺すべき位置をエンドユーザが容易に識別することを可能にし、且つ、流体バッグ60が流体バッグ受け110内に収まることを補助する。本発明の更なる実施形態では、孔あけ用刃16が流体バッグ60を位置88で穿刺するとき、流体バッグ60が穿刺部材16に付着して流体70が流体バッグ60から漏れることを防止することができるように、流体バッグ60は、弾性プラスチック又はポリマー材料で作られるのが良い。流体バッグ60は、穿刺部材16によって穿刺することが可能であり且つ流体を滅菌状態で保持することが可能な任意の材料で形成されるのが良い。本発明の他の実施形態では、流体バッグ60は1又は2匹以上の実験動物に送出される流体を収容することが可能なプラスチック又は他の任意の可撓性材料である。ある種の実施形態においては、流体バッグ60はナイロン又はポリエチレンの単一層又は多層のデザインである。多層フィルムを用いることで、異なる層のそれぞれに異なった特性を持たせることができる。例えば、内側層は、密封特性を提供し、外側層は引き裂きに対する抵抗力を提供したり、あるいは、これらを逆にして提供したりする。本発明の更なる実施形態では、流体送出弁組立体1、上方部材10、流体バッグ60及びその内容物である流体70は、限定するわけではないが、紫外線照射、化学的処理、逆浸透、ガス滅菌、蒸気滅菌、濾過、高圧消毒及び/又は蒸留を含む種々の手段のうちの1又は複数の組合せ手段によって滅菌されることが可能である。本発明の要素の各々、即ち、流体送出弁組立体1、流体バッグ60及び流体70は、単独で又は互いに組合された状態で滅菌され又は消毒される。流体バッグ60の流体70は、流体バッグ60がシールされる前又はシールされた後のいずれかに滅菌される。
【0020】
流体バッグ60の内容物の滅菌方法を提供するひとつの実施形態では、流体バッグ60をシールする前に、流体70を滅菌することが可能であり且つ従来技術で知られている化合物を、流体70と共に流体バッグ60内に入れる。その後、化合物は、流体70を滅菌し、次いで、流体70は、動物に送出され、動物に害を与えずに消費される。他の滅菌方法を以下に説明する。
本発明のひとつの実施形態では、漏れ防止部材501が上方部材10に固定され又は形成され、それにより、穿刺部材11による孔あけ後の流体バッグ60からの流体70の損失を防止する。
【0021】
図14に示すように、穿刺部材11は、その先端を上向きにして支持した状態で、流体バッグ受け110の支持要素50に剛性に固定され、その結果、特に、流体バッグ60を支持要素50の上に配置し又は流体バッグ受け110’に入れたときに穿刺部材11が位置88で流体バッグ60に自動的に挿入される(図1及び図4参照)。
本発明のひとつの実施形態では、流体バッグ60は、動物ケージ90の流体バッグ受け110に入れられる。流体バッグ受け110は、ベース112と、内面114と、外面115とを有している。流体バッグ受けベース112はまた、作動チャネル400を有している。流体送出弁組立体1を動物ケージ90と関連して使用するとき、トリガ組立体30のステム31は、カップ40の中を通って動物ケージ90の内部に向かって延びている。他の実施形態では、作動チャネル400を囲む流体バッグ受けベース112の一部分は、1又は2つ以上のロック部材51を有している。
【0022】
図16に示す他の実施形態では、支持部材50は、その上に形成され且つフランジ部材13a、13b、13c、13dを支持部材50に固定するのに使用される4つ(又は幾つかの他の数)のロック部材51a、51b、51c、51dを有している。フランジ部材13a、13b、13c、13dがロック部材51a、51b、51c、51dによって流体受けベース112に又は支持部材50の上に固定されれば、フランジ部材13a、13b、13c、13dの形状を変えても良いことを、当業者に容易に理解するであろう。図16では、ロック部材51a、51b、51c、51dは指のような形状を有し、フランジ部材13は、フランジ部材13a、13b(図示せず)、13c、13dとして示す4つの等しいピースに分割される。
【0023】
図17を参照すれば、本発明の隔離式動物ケージラック装置600が示され、隔離式動物ケージラック装置600は、左側壁625及び右側壁630を備えたオープンラック615と、複数のラック連結ステーション616と、上部部635と、底部640とを有している。複数の支柱645が、上部部635と底部340との間に平行に配置されている。垂直支柱645は、好ましくは、細く、ラック615の正面から背面まで実質的に延びている壁を有していても良いし、各々が2本の垂直部材、即ち、ラック615の正面又はその近傍の垂直部材とラック615の背面又はその近傍の垂直部材、で構成されても良い。隔離式動物ケージラック装置600はまた、ラック615の左側壁625と右側壁630との間に交互に平行に配置された複数の空気供給プレナム610及び空気排出プレナム620を有している。
【0024】
上述した流体送出弁組立体1は、動物への流体の供給を容易にするけれども、あるラックケージ装置形態と組合せて使用するときに幾つかの欠点がある。例えば、図3に戻ってそれを参照すれば、トリガ組立体30のステム31が動物によって作動されるとき、ある環境において、動物がステム31を作動させることを止めた後でも、ステム31が開位置にくっついたままになることがある。ステムが開位置にくっついたままであると、流体がケージ及びケージ内ベッドに漏れ続け、その結果、流体が無駄になり、動物の体温を低下させたり、動物に悪影響を及ぼしたりする可能性がある。
ある環境下でこの問題が生じるひとつの理由は、ステム31が動物によって作動されるとき、ステム31、シール部材32及びスプリング要素20が流体チャネル14内で特別な位置を占めてしまうことにより、スプリング要素20の底部の回りのステム31の上端部33の枢動箇所が、予測されるようにも一定のままにもならない傾向があるからである。従って、動物による作動後、ある環境下において、ステム31がスプリング要素20に対して位置をずらし、かくして、スプリング要素20がステム31を所望の閉位置に戻そうとすることができなくなる。
【0025】
図18を参照すると、特に、ステム部材240、スプリング部材250及びシール部材260の構成が上述した流体送出弁組立体1における対応部品の構成と異なっていることにより、上述した欠点を解消できる流体送出弁組立体200が示されている。以下に詳細に説明するステム部材240、スプリング部材250及びシール部材260の構成は、ステム部材240が予測される一定不変の枢動箇所を有し、かくして、動物によるステム部材240の作動がないとき、ステム部材240を閉位置により確実に戻すことを可能にする。
従って、流体送出弁組立体200は、いくつかの点で、流体送出弁組立体1の構造及び配列と異なっている。しかしながら、本発明によれば、流体送出弁組立体200は、流体送出弁組立体1を参照して説明したすべての実施形態に使用できる。従って、本発明に従えば、限定しない例示として流体バッグ60、隔離式動物ケージラック装置600及び/又は餌供給装置96と組合せて流体送出弁組立体1の使用が説明された本明細書の任意の実施形態において、流体送出弁組立体200も同じように使用できる。
【0026】
図18を再び参照すると、流体送出弁組立体200は、上方部材210と、ベース220とを有している。流体送出弁組立体200はまた、シール部材260と、ステム部材240と、スプリング部材250とを有している。
上方部材210には、前述のように流体バッグ60を穿刺するための鋭い先端214を有するほぼ円錐形の穿刺部材211が形成されている。バッグ60からの流体70が、穿刺部材210内に構成された流体チャネル216内に流れることを容易にする1又は複数の流路孔215が、穿刺部材210の一部分に構成されている。上方部材210にはまた、連結部材212が形成され、この連結部材212は、その一部分を包囲するグリップ部分213を有している。ある種の実施形態では、ステム部材240、ベース220、及び上方部材210は、ポリプロピレンなどのプラスチックから形成されている。ある種の実施形態では、シール部材260はシリコーン・ゴムから形成され、スプリング部材250はステンレス鋼から形成される。ある種の実施形態では、流体送出弁組立体200は、比較的低コストであり、使い捨てにされる。
【0027】
ほぼ円筒形のベース220は、上部部分221及び底部分222を有し、上部部分221と底部分223とは、ベース220を包囲し且つそれから外方に延びるフランジ部材226によって分離されている。フランジ部材226は、流体送出弁組立体1に関して前述したように、流体送出弁組立体200の取付け、即ち、位置決めを容易にするのに使用される。上部部分221は、内面223を有し、この内面223にグリップ部分213が配置されている。
上方部材210は、連結部材212がベース220の上部部分221に挿入されることにより、ベース220に連結されるように設計され且つ寸法決めされている。この連結は、上方部材210のグリップ部分213とベース220のグリップ部分224との摩擦相互作用によって容易にされる。
【0028】
シール部材260、ステム部材240及びスプリング部材250は、ベース流体チャネル230内に配置されている。ステム部材240は、ほぼ平らな上部部分241を有し、その結果、ステム部材243の上部面243がシール部材260の底面262の一部分に接触するとき、シール部材260の流路孔265は、有効にシールされる。ステム部材240の作動部分242は、スプリング部材250及びベース流体チャネル230の中を通って延びている。流体送出弁組立体1に関連して前述したように、流体の流れの制御を容易にするために、スプリング部材250は、ステム部材240をシール部材260に接触するように付勢する。
【0029】
図19を参照すれば、流体チャネル230は、スプリング部材250が流体チャネル230の中を通ってそれから抜け出すことを阻止するのに役立つ細い部分232を有しているので、スプリング部材250は、流体チャネル230の下端部のところで流体チャネル230内に保持される。スプリング部材250の上部部は、ステム部材240の下面244(図20参照)に当接している。スプリング部材250は、ステム部材240を上下方向姿勢に付勢するのに役立ち、かくして、上部面243とシール部材260との間のシール部を形成する。このシール部は、ステム部材240に対するシールを形成するようにスプリング部材250の付勢力を集中させる下方隆起部266を用いることにより容易に形成される。
【0030】
図21及び図22を参照すると、ステム部材240が動物によって作動されたときの流体送出弁組立体200の動作が示されている。明瞭化のため、図21及び図22には、スプリング部材250を示していないことに留意すべきである。しかしながら、上述したように、ステム部材240が動物によって作動されている間、スプリング部材250は、ステム部材240をほぼ上下方向の姿勢に付勢する付勢力を付与する。
図21を参照すると、ステム部材240は、その上部面243がシール部材260の下方隆起部266にシール箇所246のところで有効に当接した状態でほぼ上下方向に配置されている。上部面240と組合せて下方隆起部266を使用することは、上述したようなシールを形成するためにスプリング部材250の付勢力を集中させるのに有利に働く。
図示の流体送出装置200は、流体バッグ60を孔あけしそれに刺さっており、その結果、流体70は、流体バッグ60から上方部材210の流路孔215に流入し、次いで、流体チャネル216に流入して、シール部材260の流路孔265を通り、シール箇所246まで下方に流れている。この時点では、ステム部材240は、その上下方向姿勢(シール位置)にあり、流体の流れは、止められている。
【0031】
本発明のひとつの実施形態では、いったん流体バッグ60が流体送出弁組立体200によって孔あけされると、流体バッグ60の外壁がベース220の上部部分201の面235に沿う範囲に位置決めさせられ、その結果、上側の境界が保持壁217によって定められ且つ下側の境界がフランジの上部面227によって定められる部分内に配置されたままになる。本発明のひとつの実施形態では、流路孔215及び(幾つかの実施形態では)孔部分218は、バッグ保持壁217の縁部の回りに有効に配置される。
図22を参照すると、動物がステム部材240の作動部分242を方向Bに作動させている間にとるであろう位置に配置されたステム部材240が示されている。もちろん、当業者は、ステム部材がその休止位置、即ち、上下方向姿勢から外方に作動される限り同じ結果が得られることを認識するであろう。方向Bへの作動時、ステム部材240は、枢動点236を中心に枢動し、その結果、ステム部材240の上部面243は、シール部材260の下方隆起部266から離れる方向に移動する。この移動により、シール部材260の流路孔265にある流体70が、隙間237を通って流れることを可能にし、流体は、更に、流体チャネル230内に流入し、動物まで方向Aに流出する。
【0032】
流体70の流量を所望値に有利に制限するようにステム部材240の最大移動を制限するために、ベース220には、流体チャネル230内に配置された当接壁233が形成されている。加えて、ステム部材240、ベース220、シール部材250及びスプリング部材250は、ステム部材240が一定の予測可能な枢動点236で枢動し且つ動物による作動から解放された後に開位置にくっついたり引っかかって動かなくならないように、有利に設計され且つ寸法決めされる。その結果、流体が無駄になること、動物を低体温に曝すこと、及びケージ及びベッド材料が過度に濡れることにより引起こされるその他の問題を最小にする。
【0033】
図23に示す本発明の実施形態には、延長部分234を備えた流体送出弁組立体200のベース220が形成されている。作動部分242の一部分だけが延長部分234を越えて延びているので、延長部分234は、ある適用例の特別な場合には、ステム部材240の作動部分242を動物が不意にぶつからないように保護する働きをする。本発明のひとつの実施形態では、延長部分234及び作動部分242のそれぞれの長さL1及びL2は、所望の結果、飼育する動物の種類並びに他の要因に基いて調節される。
図24に示す本発明の実施形態では、動物ケージ90内の動物への感染を防止するために、水送出装置1(又は流体送出弁組立体200)は、滅菌及び/又は高圧消毒され、使用前にラップ47または他の適当な容器内に滅菌状態に維持される。なお、以下に説明する本発明の実施形態は、簡単のために、流体送出弁組立体1のみを特に参照するが、同様に、流体送出弁組立体200も全ての例に使用できることを理解すべきである。ユーザが、流体バッグ60と組合される清潔な水送出装置が必要であることを決定したとき、水送出装置1を滅菌状態で、即ち、非汚染方法を用いてラップ47から取出し、動物ケージ90に挿入し、流体バッグ受け110に入れる。流体送出弁組立体1の全部をラップ47内に収容することも考えられるが、図24では、流体送出弁組立体1の一部分だけを示す。次に、流体バッグ60を流体バッグ受け110に入れて、穿刺部材11によって孔あけすると、流体、又は、水70が流体チャネル14を通って動物ケージ90内の動物に送出される。この方法は、滅菌流体70が汚染されていない流体チャネルを通して送出されること、及び、流体送出弁組立体1自体が非汚染状態及び病原体のない状態にあることを確保する。加えて、本発明の実施形態では、流体送出弁組立体1は、種々の量のグループになったブリスターパックの形態で販売され且つ保管されるのが良い。
【0034】
図25に示す本発明の他の実施形態では、上方部材10及び穿刺部材11を含む流体送出弁組立体1の上方部分は、使い捨てキャップ45で覆われ、ユーザは、流体バッグ60を流体バッグ受け110内に配置してそれを孔あけして動物ケージ90内の動物に流体を送出させるために水送出装置1を使用したいとき、使い捨てキャップ45を取外す。使い捨てキャップ45は、任意の適当な材料から作られ、流体バッグ60内の流体の種類を指示する色が着けられていても良いし、透明であっても良いし、不透明であっても良い。使い捨てキャップ45は、流体送出弁組立体1から容易に取外される。使い捨てキャップ45は、滅菌された流体送出弁組立体1を構成するものではないが、ラベル機能を有し、ひとつの実施形態では、ユーザにうっかり突き刺さることを防止する保護機能を有している。
本発明のひとつの実施形態は、1又は複数の動物ケージに流体を送出する装置及び方法を提供する。本発明により提供される装置は、少なくとも2つの使用方法を有し、第1の方法では、動物ケージ又はケージ装置に使用するための密封及び滅菌された流体バッグを供給する工程を有している。供給者は、使用のために予め包装された非汚染流体、例えば、水又は動物が必要とする栄養素等を含む流体を供給し、好ましくは、殺菌された流体を充填したバッグをユーザが指定した場所に配送する。その代替方法として、供給者は、シール装置、流体バッグを製造するための材料及び流体供給源をユーザが指定した箇所に配置しても良い。次に、供給者は、ユーザのための適当な数の流体バッグを指定箇所で組立て、充填し、シールする。第2の方法では、供給者は、シール装置及び流体バッグを製造するための材料をユーザに提供する。この第2の方法では、供給者はまた任意の適当な流体をユーザが指定した場所でユーザに供給しても良い。次に、ユーザは、流体バッグを組立て、充填し、シールして、本発明の流体送出装置に適当に使用する。
【0035】
図26には、本発明のひとつの実施形態による、流体バッグ(ないしポーチ)を充填し且つシールする方法及び装置300が示されている。前述のように任意の適当な材料で形成されるバッグ材料(ないしフィルム)310を、ロール形態等のバルク形態で貯蔵する。プロセスを続けるとき、バッグ材料310をバッグ形成部分330上に移動させ、ほぼ平らな形状のバッグ材料310をチューブに形成する。プロセスを続けるとき、上下方向シール装置340がバッグ材料310に上下方向シールを形成し、これにより、チューブの形成が完了する。
内容物供給部分320は、例えば、重力式供給方法により、構成成分をバッグ材料310のチューブ内に加える働きをする。内容物供給部分320は、液体貯蔵容器、粉末貯蔵容器、種々のポンプ、及びその他の供給手段を含んでおり、その結果、例えば、流体(又は水)70が、上述した添加剤を入れるか入れないかのいずれかで、当業界で知られているような適当な量で定量される。また、内容物供給部分320は、内容物供給部分320から供給される内容物がほぼ滅菌状態となるように、加熱及び/又は滅菌装置を含むのが良い。
次に、水平シール装置350が、熱接着又は当業者に知られていると認識されている他のいくつかの方法によって、水平シールを形成する。この水平シールは、チューブの内容物を別々の部分に隔離する機能を有している。次に、バッグ切断装置が、バッグ材料を水平シールの位置で切断し、流体70を収容する個々の流体バッグ60を形成する。
もちろん、本発明の精神によれば、流体バッグ60を形成する正確な工程を、適用例における特定の設計上の選択に従って変えても良い。本発明のいくつかの実施形態では、工程を追加しても良いし、省略しても良いし、異なる順序で行っても良い。加えて、流体バッグ60の内容物及びバッグ材料310は、完成バッグの形成前に滅菌されても良いし、その形成後に滅菌されても良い。
【0036】
図27〜図29に示す本発明のひとつの実施形態では、流体70を約180°Fに加熱し、流体バッグを貯蔵容器370内に積重ねる。その結果、流体70、流体バッグ60及び貯蔵容器370の全てが、満足できる程度に滅菌される。本発明のひとつの実施形態では、ケージ本体98をかかる貯蔵容器として使用するのが良い。この方法の追加部分も、容器を積重ねる際にロボットアーム380を使用することによって示すように、自動化されるのが良い。
貯蔵容器(又は運搬箱)370又はケージ本体98には、隔離式ケージラック装置600内に配置される前、ワークステーション382のところで流体バッグが供給されるのが良い。加えて、貯蔵容器370又はケージ本体98を、他の種々の滅菌装置に通過させるのが良い。
前述の如く、供給者は、バッグの充填装置及び密封装置、並びに、流体バッグを作る材料をユーザに提供する。ユーザは、ある種の実施形態に従って、流体送出装置に用いるための流体バッグを組み立て、充填し、密封する。
そうした例において、充填及び密封装置は、例えば、研究実験室、製薬会社、政府機関、大学、契約研究会社、畜産家、及び化学会社の現場で据付けられる。代表的には、これらのタイプの施設は頻繁に、実験動物に関する協会(AALAC:Association for Assessment and Accreditation of Laboratory Animal Care International)にて検査され、医薬品安全性試験実施基準(GLP:Good Laboratory Practice)に関する承認を必要とし、米国厚生省(U.S. Department of Health and Human Services)及び食品医薬品局(FDA:Food and Drug administration)の基準に従って、そうした施設は運用される。これらの厳格な承認条件を満たすために、これらの施設は一般的に、中央洗い場コンプレックスを有していて、そこに送られたケージやラック及びその他の付属物は洗浄されて、洗濯機や洗剤その他を用いて洗浄される。代表的に、これらの領域は組織化され、洗い場に対して汚れた側、及び洗い場に対して清潔な側と称される、建物の流れパターンから供給される。これは、汚い粒子が清潔な廊下に移動することを防ぐために行われ、動物室には清浄な機器及び動物が再供給される。これらの流れパターンによれば、施設の人員もまた、流れのパターンに従い、ガウンなどの保護服と使い捨ての靴カバーを着用することが求められる。流れのパターンは、機器の移動にも関係する。実験室へ持ち込まれる機器は、洗い場においてラック洗浄を行う、清潔な側を経由しなければならない。
洗い場における汚れた側は代表的に、ラック洗浄機、ケージトンネル洗浄機、高圧滅菌釜、及び動物の汚れた寝床などを廃棄する缶を備えている。これらの機械は、コンクリートの孔に設置され、配管及び配線が施され、施設の建物に永久的に据え付けられる。ほとんどの機器にはドアを通ってアクセスし、それにより、洗濯機に入れられるラック、ケージ、及び機器を装荷することができる。これらの機械は代表的には、洗い場の分割壁に対して面一に配置される。機器は、汚れた側において洗濯機に入れられて、壁の開口部を通り抜けて、洗い場の清潔な側から排出される。機器を装荷した後には、代表的には、熱湯と洗剤を用いて約15〜20分間、洗浄される。洗浄サイクルが完了した後には、清潔な側からスタッフがドアを開いて、洗浄された機器を清潔な領域へと持ち出す。これらの清潔な領域における床面は、床面の排水について防水領域を作るため、タイルや、エポキシ、及び/又は、エポキシと石の混合物から形成される。ラックは(自動車洗浄機から出た車の如く)びっしょり濡れて出てくるので、滴り落ちる水のための排水が考慮される。洗い場における清潔な側において実行される他の代表的な活動は、ボトルに水を満たしたり、ケージ・ラックに水を装填する(ラックの自動給水装置をパージする)ことなどがある。従って、ラックへの装填は代表的に洗い場における清潔な側にて実行されるので、清潔な側は代表的に、主たる給水設備、水処理、及び/又は、濾過装置へのアクセスを備えている。そうした装置は、水の塩素殺菌、酸処理、及び/又は、ミクロン濾過などの装置から構成される。また、そうした装置には圧力減少ステーションが具備されて、自動給水されるように構成されたラックに、処理された水を結合して水を満たすと共に、装置に潜在しているであろう古い水をパージする。
【0037】
前述の如く、バッグの充填及び形成装置は、洗い場における清潔な側に配設するのが有利である。ある種の実施形態では、バッグの充填及び形成装置は、およそ16平方フィートの床面積を必要とするが、変形例においては、装置が必要とする面積は変化するだろう。ある種の実施形態では、バッグの充填及び形成装置は、産業等級のキャスターを備え、所定位置にころがして移動できる。バッグの充填及び形成装置は、組込式の床ジャッキを備え、いったん水平に配置されたならば、半永久的に配置される。ある種の実施形態では、バッグの形成及び充填装置は、電力配線を機械の近くに設けられて、110/220VAC、20アンペア(50/60Hz)の電力を受けるように、事前に配線されている。もちろん、本願の開示に従って、当業者に公知である他の電力供給を用いることもできる。
図30を参照すると、ある種の実施形態では、既存の建物内処理装置の下流側にある、1.5インチの冷水配管420を用いて、バッグの充填及び形成装置450に水を供給している。もちろん、本願の開示に従って、当業者に公知である他の給水配管のサイズを用いても良い。前述の如く、ある種の実施形態では、バッグ(ないしポーチ)の材料は、ロール410として提供される。そうした実施形態では、可動式のロール持ち上げ装置430を洗い場における清潔な側に提供することで、バッグの材料410のロールを容易に、例えばパレットから、バッグの充填及び形成装置450に装填できる。ある種の実施形態による装置では、割り出し式又はその他のタイプのモータ駆動コンベア460を、洗い場における清潔な側に配置して、充填された水バッグ440を充填及び形成装置から運び出す。また、洗い場における清潔な側には、好ましくは半透明のプラスチックから形成されてなる、箱形の運搬箱470を提供する。ある種の実施形態では、運搬箱470は堅固であって、満杯時に積み重ねられると共に、空のときには入子式にして容易に保管できる。ある種の実施形態では、可動式の運搬箱コンベアプラットホーム465を用いて、運搬箱470が水バッグ440で満杯になるまで、開いた運搬箱470を動力コンベア460の端部に位置決めする。次に、可動式の運搬箱コンベアプラットホーム465を運搬台車480へと移動させる。運搬台車480は、水バッグ440で満杯になった運搬箱470を、実験室やその他の領域へと搬送する。一般に、ある種の実施形態では、水バッグ440は、洗い場の清潔な側にて、充填及び形成されて、運搬箱470を水バッグ440で満杯にして保管する。そして、運搬箱470は、運搬台車480に載せられて、動物ケージが水のサービス又は再供給を必要としている部屋及び/又は廊下へと搬送される。使い捨ての弁(例えばプラスチック部品から作られた弁)を殺菌されたパッケージから取り出して、餌供給装置の開口部又はワイヤ棒の蓋のインサートに挿入し、水バッグ(又はポーチ)を位置決めして、弁が水バッグを穿刺して、水がバッグから弁を通ってケージ内の動物が水にアクセスできるようにする。変形例としては、弁は、使い捨て又はプラスチックである必要は無く、当業者に知られている、ステンレス鋼又はその他の適当な材料から形成しても良い。
【0038】
使用された(ほとんど空になった)ポーチは、ケージから取り外されて、例えば、空の運搬箱などの容器に入れられて、洗い場における汚れた側へと搬送される。ある種の実施形態では、洗い場における汚れた側には、圧縮装置/詰込装置490が提供される。圧縮装置は、使用済みのポーチと弁とを圧縮して、コンパクトな束、または、使い捨てバッグとして、簡単に廃棄できるようにする。
【0039】
図31を参照すると、実験施設500における代表的な流れの経路を模式的に示している。実験研究室510は、汚れた廊下520と、清潔な廊下530との間に配置されている。実験室の出口512は、実験研究室510を汚れた廊下520に結合し、実験室の入口514は、実験研究室510を清潔な廊下530に結合する。中央の洗い場540は、汚れた廊下520と清潔な廊下530との間に配置される。洗い場の入口542は、汚れた廊下520から洗い場540における汚れた側546へとつながる。前述の如く、水バッグ440及び弁の廃棄を容易にする圧縮装置/詰込装置490は、洗い場540における汚れた側546に配置される。洗い場440における清潔な側548は、洗い場の出口544を介して、清潔な廊下530に結合される。前述の如く、ある種の実施形態では、バッグの充填及び形成装置450は、洗い場540における清潔な側548に配置される。前述の如く、代表的な流れの経路においては、洗い場540における清潔な側548にあるバッグの充填及び形成装置450によって、水バッグが生産される。水バッグは、出口544を出て清潔な廊下530へと搬送され、次に、実験室への入口514のひとつを通って、実験研究室541のひとつへ入り、ここで水バッグは、ケージレベルバリヤ型ケージに配置される。使用済みの水バッグは、ケージから取り除かれて、空の運搬箱に入れられ、実験室の出口512のひとつから汚れた廊下520へと搬出され、洗い場の入口542を通って、洗い場540の汚れた側546へと入り、ここで、ある種の実施形態では、使用済みのバッグ及び弁は、圧縮装置/詰込装置490で圧縮されて容易に廃棄される。ある種の実施形態では、圧縮された水バッグ及び弁は、取り外す前に洗浄される。
【0040】
図32を参照すると、他の実験施設700における代表的な流れの経路を模式的に示している。実験研究室710は、廊下725に隣接して配置される。実験室の出入口713は、実験研究室710を、一方通行である廊下725に結合している。洗い場の入口742は、廊下725を洗い場740における汚れた側746に結合する。洗い場740における清潔な側748は、洗い場の出口744を介して、廊下725に結合される。前述の如く、ある種の実施形態では、バッグの充填及び形成装置450は、洗い場740における清潔な側748に配置される。また、前述の如く、代表的な流れの経路においては、洗い場740における清潔な側748にあるバッグの充填及び形成装置450によって、水バッグが生産される。水バッグは、出口744を出て一方通行の廊下725へと搬送され、次に、実験室への入口713のひとつを通って、実験研究室741のひとつへ入り、ここで水バッグは、ケージレベルバリヤ型ケージに配置される。使用済みの水バッグは、ケージから取り除かれて、空の運搬箱に入れられ、実験室の出入口713のひとつから廊下725へと搬出され、洗い場の入口742を通って、洗い場740の汚れた側746へと入り、ここで、ある種の実施形態では、使用済みのバッグ及び弁は、圧縮されて容易に廃棄される。
【0041】
図33を参照すると、ある種の実施形態に従って水バッグを提供するための、例示的な方法800を示している。この方法においては、複数のケージレベルバリヤ型ケージを有するラック/ケージ装置は、動物実験を実行する実験研究室に設けられる(段階810)。次に、水バッグ(又はポーチ)のためのバッグの材料(又はフィルム)が実験施設現場に提供される(段階820)。次に、水バッグの充填及び形成装置を、実験施設の洗い場における清潔な側に設ける。(段階830)。次に、水バッグで用いるための使い捨て弁を提供する(段階840)。この実施形態においては、分かりやすくするために、段階は1回だけ所定の順序で実行されるものとした。しかしながら、各段階は、図示した順序で実行される必要はなく、様々な段階を別の段階で実行したり、及び/又は、1又は複数の段階を同時に実行したりしても良い。さらに、ある種の実施形態では、1又は複数の段階を省略したり、及び/又は、1又は複数の段階を2回以上実行したり、及び/又は、追加的な段階を実行したりしても良い。
【0042】
図34は、動物実験用のケージレベルバリヤ型ケージで使用する、密封された水バッグを提供するための別の方法900を示している。ある種の実施形態では、ラック/ケージ装置が実験研究室に設けられる(段階910)。次に、バッグの材料(フィルム)が提供される(段階920)。次に、ある種の実施形態では、ロール持ち上げ装置が提供されて、バッグ材料のロールをパレットからバッグの充填及び形成装置に装填する(段階930)。次に、水バッグの充填及び形成装置を、洗い場における清潔な側に設ける(段階940)。次に、水バッグの充填及び形成装置によって生産された後の水バッグを取り扱うためのコンベア装置を提供する(段階950)。次に、満たされた水バッグを保管及び搬送する運搬箱を提供する(段階960)。次に、複数の運搬箱を運ぶための運搬台車を提供する(段階970)。次に、使い捨ての流体送出弁を供給し、餌供給装置又はモジュールに挿入する。そして、満たされた水バッグのそれぞれを餌供給モジュールに配置して、弁がバッグを穿刺して、水がバッグから弁を通って流出して、動物がこれにアクセスする(段階980)。使用済みのバッグと弁とは、施設における清潔な側から、施設における汚れた側へと搬送される。次に、圧縮装置/詰込装置(廃棄装置)を提供して、使用済みの水バッグと弁とを圧縮する(段階990)。この実施形態においては、分かりやすくするために、段階は1回だけ所定の順序で実行されるものとした。しかしながら、各段階は、図示した順序で実行される必要はなく、様々な段階を別の段階で実行したり、及び/又は、1又は複数の段階を同時に実行したりしても良い。さらに、ある種の実施形態では、1又は複数の段階を省略したり、及び/又は、1又は複数の段階を2回以上実行したり、及び/又は、追加的な段階を実行したりしても良い。
【0043】
従って、実験施設現場の洗い場における清潔な側にバッグの形成装置を提供し、バッグ形成装置がケージレベルバリヤ型ケージで使用する密封された水バッグを提供できることにより、実験施設のユーザは、水ボトルを用いた場合に必要になるであろう、多大な時間及び費用の投資から解放される。さらに、実験施設は、自動給水装置の使用に関連した費用及び危険から解放される。
バッグを形成する装置は、洗い場における清潔な側に提供されるので、実験施設は、主たる給水や専用電力回路の存在など、洗い場の特徴を利用することができる。さらに、実験施設の洗い場における清潔な側に水バッグを提供することによって、実験施設の職員は、既存の清潔な及び汚れた流れの経路を使用でき、水バッグと流体送出弁装置とを、既存の実験施設環境に円満に統合する。
【0044】
従って、本発明の例示の実施形態に適用されるときの本発明の基本的で新規な特徴を図示し、説明し且つ指摘したが、当業者ならば、本発明の精神から逸脱することなく本願に開示した本発明の形態及び詳細に種々の省略、置換及び変更を行なうことができることは理解されよう。上記説明に含まれ且つ添付図面に示された全ての事柄は、例示として示されたものであって、限定するものではない。
特許請求の範囲の記載は、本願に説明した全ての基本的特徴及び特別な特徴及び言語上の問題として行間に含まれることがある本発明の範囲に関する全ての記載をカバーするものである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、動物ケージ組立体に組込まれた流体送出装置を示した分解斜視図である。
【図2】図2は、本発明による流体送出装置及び餌供給装置を示した分解斜視図である。
【図3】図3は、本発明による流体送出弁組立体のひとつの実施形態を示した分解斜視図である。
【図4】図4は、図3の流体送出弁組立体を示した側面図である。
【図5】図5は、図3の流体送出弁組立体について、その上方部材を示した側面図である。
【図6】図6は、本発明による流体送出弁組立体におけるトリガ組立体を示した斜視図である。
【図7】図7は、本発明によるカップ要素を示した平面図である。
【図8】図8は、本発明によるカップ要素を示した斜視図である。
【図9】図9は、本発明によるカップ要素を示した側面図である。
【図10】図10は、餌供給装置を示した斜視図である。
【図11】図11は、本発明による流体送出装置が組み込まれた餌供給装置を示した平面図である。
【図12】図12は、餌供給装置を示した正面図である。
【図13】図13は、本発明による流体バッグを示した底面図である。
【図14】図14は、本発明による流体バッグと流体送出装置を備えた流体餌の構成要素を示した斜視図である。
【図15】図15は、本発明による流体バッグを示した断面図である。
【図16】図16は、本発明による支持体を含む流体送出弁組立体における上方部材を示した斜視図である。
【図17】図17は、動物ケージが組込まれた両面ラック装置を示した側面図である。
【図18】図18は、本発明による流体送出弁組立体のひとつの実施形態を示した分解斜視図である。
【図19】図19は、図18の流体送出弁組立体を示した側面図である。
【図20】図20は、図18の流体送出弁組立体におけるステムを示した斜視図である。
【図21】図21は、密封位置におけるステムを示した、図18の流体送出弁組立体の側面図である。
【図22】図22は、開いた位置におけるステムを示した、図18の流体送出弁組立体の側面図である。
【図23】図23は、ステムを保護する延長部を示した、図18の流体送出弁組立体の側断面図である。
【図24】図24は、本発明によるラップを含む流体送出弁組立体における上方部材を示した側面図である。
【図25】図25は、本発明による使い捨てキャップを含む流体送出弁組立体における上方部材を示した側面図である。
【図26】図26は、本発明による流体バッグの充填・密封装置を示した図である。
【図27】図27は、本発明による流体バッグ準備室を示した図である。
【図28】図28は、本発明による流体バッグ準備室を示した他の図である。
【図29】図29は、本発明による流体バッグ準備室を示した他の図である。
【図30】図30は、ある種の実施形態において使用される設備を示した模式図である。
【図31】図31は、実験施設を示した模式的な平面図であって、流れのパターンと、バッグを形成及び充填する装置の配置とを示している。
【図32】図32は、別の実験施設を示した模式的な平面図であって、流れのパターンと、バッグを形成及び充填する装置の配置とを示している。
【図33】図33は、本発明のある種の実施形態による例示的な工程を示したフローチャートである。
【図34】図34は、本発明の別の実施形態による例示的な工程を示したフローチャートである。
【発明の詳細な説明】
【0001】
[関連出願]
本願は、2002年10月21に出願した米国特許出願第10/274,619号の一部継続出願に該当するものであり、同出願は、2001年10月19日に出願した米国仮特許出願第60/346,218号の利益を主張しており、これら両出願の内容をここに参照して引用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般的には、流体送出装置に関し、より詳しくは、動物ケージ又は収容装置用の流体送出装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
毎年、多くの実験動物が、実験研究に使用されている。これらの動物のサイズは、ハツカネズミから、人以外の霊長類に至る範囲にまで及んでいる。有効かつ信頼性のある実験を行うためには、研究者は、彼らの動物が試験結果や結論に影響を与える病原体及び微生物汚染物質から保護されていることを保証しなければならない。動物設備の適切なハウジング及び管理は、動物の健康、研究の質、及び動物に使用するティーチングプログラムまたは試験プログラム、及び職員の健康及び安全にとって重要である。
【0004】
通常、動物は、その特定の条件に従って、飲料に適した非汚染飲料水又は必要な栄養物を含有したその他の流体にアクセスできなくてはならない。飲料に適した水の水質及び定義は、現場毎に変わることがある。特に、所定の箇所における水の通常の成分が研究に使用され、得られる結果に影響を及ぼす場合には、水質が許容できるものであることを確保するため、pH、硬度、微生物的または化学的汚染物質について定期的に監視する必要がある。プロトコルが高度の純水を必要とするとき、水は、汚染物質を最小限にし又は無くすように処理され又は純化される。水処理の選択は注意深く考察されるべきであって、というのは、多くの水処理形態は、生理的変化、微生物相(マイクロフロラ)の変化または実験結果への影響を引起こす可能性があるからである。例えば、給水を塩素処理することは、いくつかの種には有効であるが、その他に対して毒性であることがある。
【0005】
ハウジング及び畜産の条件は、動物及び職業的な健康と安全並びにデータの変動性、及び動物の健康に影響を与えるため、本発明は、最適な環境条件及び動物の快適性が得られるように、ケージレベルバリヤ型ケージまたは一体型ケージ及びラック装置内の実験動物用の、汚染されることがなく、交換可能で使い捨ての流体源を提供することに関する。
世界中の動物供給業者は、特定病原体を保有しない動物に対する前例のないほどの要求を経験しており、今や、このような動物の生産と世話を研究者に任せている。同様に、実験動物用のケージ製造業者は、病原体の存在しない環境を確保する技術及び機器を提供すべく、多くのケージ装置を開発している。例えば、換気型ケージ/ラック装置は当業界において良く知られている。このような換気型ケージ/ラック装置の一例は、ラブプロダクト社(Lab Products Inc.)に譲渡された米国特許第4,989,545号に開示されており、その内容は参照によって本願に引用するが、かかる特許によれば、各々がエアプレナムとして形成されている複数の棚を備えたオープンラック装置が提供される。ラック装置には、ラック内の各ケージ及び動物を換気するための換気装置が連結されており、このため、病原体、アレルゲン、好ましくないフェロモン、または他の有害ヒュームによって容易に汚染されないケージへの要望を不要にする。このような換気型ケージ/ラック装置内での研究用のために、例えば、ラットを収容することが知られている。
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,989,545号
【0007】
実験動物を効率的かつ安全に収容し、かつ飼育するための改善された技術的進歩に対する強い要望は、主として、病原体のない実験動物環境の創るための現在の関心から、免疫無防備状態の、免疫欠損、形質転換及び誘起された突然変異(「ノックアウト」)動物の使用に関して生じている。急速に拡大する形質転換技術は、モデル化分子生物学の適用にほとんどの動物集団を提供する。形質転換動物は、人の病気に対するハツカネズミ及びラットのモデル化、病気の治療及び予防のモデル、及び発育遺伝学に関する知識の進歩が連続的に成功した根拠となっている。また、新しい免疫欠損モデルの開発は、ノックアウト技術を用いた遺伝子ターゲット型モデルの創出により、近年、途方もなく進歩したことを示している。従って、非汚染型のケージ環境及び物質免疫無防備状態の動物(すなわちSCIDハツカネズミ)の増大する使用に対する要望は、病原体の存在しない餌及び水の必要性を大きく増大させている。隔離された動物ケージの環境内に病原体を導入するひとつの主な手段は、さもなければ、単一又は複数の動物に与えられる汚染された餌及び水である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、特殊なケージ装置及び所定のケージへ水を送出する装置の両者を改善することによって、実験動物の健康を向上させ且つより良く飼育することが要望されている。水または流体を供給するための関連するケージ装置は、汚染の危険、バイオ閉込め条件、DNA危険排出物、遺伝子伝達技術による病気の誘発、仕事場でのアレルゲンの曝露、及び動物福祉の問題など、ある種の欠点を有している。
現在、研究所その他の施設は、ケージから取外し、分解し、洗浄し、滅菌し、再び組み立ててケージに戻さなくてはならない、ボトルその他の容器を用いて動物に流体を供給している。さらに、研究所は、その将来の必要性及び/又は研究すべき動物の種類に基いた種々の条件に応じて、大量の流体ボトルないし容器を保管しなくてはならない。一般に毎週行なわれるこの大量の保管、洗浄及び滅菌を行なう努力は、反復作業であり、しばしば退屈である仕事を行うのに、多量の時間と、スペース及び人手を必要とする。
さらに、ガラス瓶と、その取扱いは、危険であり、比較的費用も要する。動物に水を与えるのに水ボトルを使用する場合には、ボトル洗浄機や、ボトル充填機、廃水、温水、ボトルを保持するワイヤーバスケット、吸引管、ゴム製ストッパ、人間工学的観点による取り外しストッパ、吸引管を挿入するネジキャップなどのすべてが、それぞれ固有の問題点を有する。
自動給水装置も利用可能ではあるが、ケージあたりのコストは多くの研究所にとって高額に過ぎる。ステンレス鋼の弁とマニホールドについては、スライムと蓄積した鉱物堆積物とを定期的にパージする必要がある。
人間がワイヤーバスケットを取り扱って、ボトルの装荷及び除荷を行うことは、産業界に蔓延する腰痛や、手首の負傷、及び割れたガラスによる目の負傷、及びその他の人間工学的なヒューマンファクターにつながる。いくつかの見積りによれば、負傷に関連した産業界のコストと、作業場所の生産性の喪失は、毎年何百万ドルにもなる。
さらに、水ボトルを用いることは代表的に多大なエネルギーコストをもたらすが、というのは、水ボトルを洗浄するには約180゜Fに加熱した熱湯が必要になるためであり、また、水ボトル及びキャップのすべての構成要素を危険な化学薬品で洗う必要がある。このように、ケージレベルバリヤ型ラック/ケージ装置内で生活する実験動物に流体を供給するための、改善された装置が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明はこの要望を満たすものである。簡単に言えば、本発明のひとつの実施形態によれば、動物を収容する動物ケージ装置に流体を供給する流体送出装置が開示される。流体送出装置には、流体を保持する流体バッグに連結できる流体送出弁組立体を設けると良い。消毒された使い捨て流体バッグを有利に使用することにより、本発明は、ケージから取外し、洗浄し且つ常に衛生的にしなければならない流体ボトルを使用する必要性を最小にできる。
送出装置は、当該技術で知られている換気型ケージ/ラック装置に一体化された単一または複数のケージに使用できる。ここに開示する本発明のひとつの実施形態は、流体送出弁組立体を有し、流体送出弁組立体は、ケージ装置への流体の供給を行なうため流体バッグに連結でき且つ流体バッグからの流体を、動物を収容する動物ケージ装置に供給する流体送出装置を提供する。流体送出弁組立体は更に、穿刺部材及び連結部材を備えた上方部材を有し、上方部材はこれを貫通して形成された流体チャネルを備え、ベースを有し、ベースは、フランジ部材と、ベースを貫通して形成されたベース流体チャネルとを備え、ベースは上方部材に連結できるようにデザインされている。流体送出弁組立体は更に、ベース流体チャネル内に配置されるスプリング要素と、ベース流体チャネル内に一部が配置されるステム部材とを有し、スプリング要素の一部は下面に当接してステム部材に付勢力を付与する。
【0010】
本発明の他の実施形態は、流体を1又は複数の動物ケージに供給する方法であって、動物ケージまたはケージ装置内で使用するためにシールされ且つ消毒された流体バッグを用意する段階を有する方法を提供する。この方法は更に、流体バッグの形成に使用されるバッグ材料を用意する段階を有する。
他の実施形態は、動物実験用の動物を収容するための、複数のケージレベルバリヤ型のケージへ水を送出するための方法に関する。方法は、動物実験のための複数のケージレベルバリヤ型ケージを実験施設の現場に提供する段階と、実験施設現場における洗い場の清潔な側に、バッグ形成装置を配置する段階と、を備える。バッグ形成装置は、ケージレベルバリヤ型ケージにおいて使用するための、密封された水バッグを提供することが出来る。さらに、方法は、バッグの材料を実験施設現場に提供する段階をさらに備えても良い。
【0011】
本発明の他の実施形態は、動物実験用の動物を収容するための、実験施設現場に配置された、複数のケージレベルバリヤ型のケージへ水を送出するための方法に関する。方法は、実験施設現場における洗い場の清潔な側に、バッグ形成装置を配置する段階、を備え、バッグ形成装置は、ケージレベルバリヤ型ケージにおいて使用するための、密封された水バッグを提供することが出来る。
本発明の他の実施形態は、動物実験用の動物を収容するための、実験施設現場に配置された、複数のケージレベルバリヤ型のケージへ水を送出するための装置に関する。装置は、実験施設現場における洗い場の清潔な側に配置されるべくデザインされ構成された、バッグ形成装置、を備え、バッグ形成装置は、ケージレベルバリヤ型ケージにおいて使用するための、密封された水バッグを提供することが出来る。
【0012】
本発明のさらに別の目的及び利点は、明細書の記載からその一部が明らかになるであろう。本発明の他の特徴及び利点は、添付図面を参照して述べる本発明の例示的な実施形態についての以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
単なる例示であるいくつかの図面において、同様の構成要素は対応する参照番号で示されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1及び図2を参照すると、流体送出弁組立体1を備えてなる動物ケージ組立体90が示されている。動物ケージ組立体90は、フィルタ保持器91と、フィルタフレーム92と、フィルタ頂部ロック93と、噛付き防止部材94と、複数のスナップリベット95と、流体を収容する流体バッグ60と、流体送出弁組立体1と、支持部材50を形成する餌供給装置96と、餌受け111と、流体バッグ受け110と、ケージ本体98とを有している。ケージ本体98は、動物ケージ組立体90内の動物に餌と液体の両方を供給できるような、組合せ型餌供給装置96を備えた箱型の動物ケージである。一般に、動物ケージ組立体90には、フィルタ保持器91とフィルタフレーム92との間にサンドイッチにしたフィルタ99も備える。ケージ本体98には、一体の側壁100と、底壁ないし床101と、開放上部端とが形成されている。ケージ本体98の開放上部端は、そのまわりに連続的に延びた、周囲唇部102によって境界を定められている。ケージ本体98はまた、その積重ねを容易にすべく、複数の積重ね用コーナータブ103を備えている。
【0014】
図3〜図5を参照すると、流体送出弁組立体1が示されている。流体送出弁組立体1は、それを動物ケージ90内で使用するために、上方部材10と、スプリング要素20と、トリガ組立体30と、カップ要素40とを有している。水送出装置1は、支持要素50により動物ケージ90内の所定位置に保持される。支持要素50は、餌供給装置96から延び、流体バッグ受け110の床を形成している。変形例として、水送出装置1は、餌供給装置96と一体に成形されていても良い。
【0015】
図4及び図5に示すように、上方部材10は、穿刺部材11と、コア部材12と、フランジ部材13とを有している。上方部材10も、流体チャネル14を有している。矢印「A」は、流体送出弁組立体1の中を通ってトリガ組立体30に流れる流体の流れを示し、トリガ組立体30において、流体の流れは、動物ケージ90内の動物によって作動される。穿刺部材11は、その上端部に傾斜先端部15を有し、傾斜先端部15の上縁は鋭い孔あけ用刃16を有し、この孔あけ用刃16は、流体バッグ60に接触し且つ孔あけし、バッグ60内の流体を流体チャネル14から流出させる。フランジ部材13がコア部材12から延びている。好ましい実施形態では、フランジ部材13は円形である。しかしながら、当業者ならば、フランジ部材13が任意の所望形状であっても良いことを容易に理解できよう。しかしながら、フランジ部材13の少なくとも一部の直径は、コア部材12の流体チャネル14よりも大きくなくてはならない。図3に示すように、スプリング要素20は、密に巻回されたコイル巻き部材で形成され、コイル巻き部材は、ステム31の上端部33の上面35の上に乗り、流体チャネル14の中を通って上方部材10に入る。図5に示すように、流体チャネル14は、流体チャネル14の上方部分の直径が穿刺部材11内の位置17で細くなっており、これにより、スプリング要素20が流体チャネル14を通って穿刺部材11から出ることが防止される。
【0016】
図6を参照すると、トリガ組立体30が示されている。トリガ組立体30は、シール部材32を通して挿入されたステム31を有している。ステム31は、上端部33及び下端36を有している。ステム31の下端部36は、実質的に平らである。ステム31の上端部33は、ほぼ円錐形であるが、他の形状であっても良い。シール部材32は、ステム31の周囲にきつく嵌まり、これにより、ステム31回りの運動を制限することが可能である。シール部材32は、上端部33の円錐形部分のベースがシール部材32の上に乗るように寸法決めされている。シール部材32は、ゴム、シリコーンゴム又は他の柔軟な弾性材料で形成される。好ましい実施形態では、シール部材32は、哺乳類に有害でない材料で作られる。
【0017】
図7〜図9に、カップ要素40が示されている。カップ要素40は、ベース43と、内面41と、外面42とを有している。ベース43はまた、作動チャネル400を有している。トリガ組立体30のステム31の下端部36は、作動チャネル400の中を通って動物ケージ90の内部に延びている。流体チャネル14は、孔あけ用刃16から穿刺部材11、コア部材12及びスプリング要素20を通って延び、カップ要素40の底壁で終端する。トリガ組立体30は、作動チャネル400の中を通って延びている。カップ要素40は、フランジ部材13のすぐ下の上方部材10のコア部材12に摩擦嵌めされる。
図10〜図12には、流体バッグ受け110及び餌受け111を収容する餌供給装置96が示されている。図11に示すように、流体バッグ受け110は、流体70が入っている流体バッグ60を保持する。流体送出弁組立体1は、フランジ部材13a、13b、13c、13dとロック部材51a、51b、51c、51dとの間の相互連結によって、流体バッグ受け110の受けベース112にしっかりと保持されている。流体送出弁組立体1の孔あけ用刃16は、流体バッグ60を刺してそれに孔をあける。図11及び図12に示すように、餌供給装置96の餌受け111は、ワイヤ製の餌ホルダ要素116を保持している。図10及び図12には、流体バッグ60内に入れられた流体70を流体送出弁組立体1によって容易に空にし且つ動物が流体バッグ受け上に乗ることを防止するために流体バッグ受け110が成形流体バッグ受け110’である、本発明の他の実施形態を示している。変形実施形態では、流体バッグ60は、それを流体送出弁組立体1によって空にすることを容易にするようにテーパにされ、即ち、寸法きめされている。流体バッグ60は、交換可能又は使い捨てに作られても良いし、ユーザの要望に従って任意の量でひとつずつ作られても良い。
【0018】
流体送出弁組立体1は、流体バッグ60の内容物を動物ケージ組立体90内の動物に送出するのに使用される。流体バッグ60内の流体70は、水、蒸留水、種々のビタミン、ミネラル、抗生物質または抗真菌剤等の薬剤及び/又はその他の栄養素が補充された水、又はケージに入れられた動物が摂取できる任意の流体を含む。流体バッグ60内の流体70は、動物ケージ組立体90内の任意の動物を感染から保護すべく、滅菌又は消毒状態で動物に送出される。流体バッグ60は、任意所望の形状又は容積で形成される。好ましい実施形態では、流体バッグ60は、流体バッグ受け110にぴったり合うように形成される。
【0019】
流体バッグ60が可撓性材料から構成される必要はなく、その一部が剛性材料で作られても良いことは明らかである。本発明の実施形態では、流体バッグ60は、穿刺部材11の挿入時に裂けないように耐える1又は複数の層からなる。変形例として、バッグの裂けを防止し且つ挿入された穿刺部材11の周囲にシールを形成するために、可撓性で引伸ばし可能な弾性プラスチック貼着材501がバッグに接着されても良い。加えて、図13〜図15に示すように、流体バッグ60は、孔あけ用刃16が流体バッグ60を穿刺する領域がより薄いプラスチックで作られ又は反転されるのが良く、これにより、流体バッグ60を穿刺すべき位置をエンドユーザが容易に識別することを可能にし、且つ、流体バッグ60が流体バッグ受け110内に収まることを補助する。本発明の更なる実施形態では、孔あけ用刃16が流体バッグ60を位置88で穿刺するとき、流体バッグ60が穿刺部材16に付着して流体70が流体バッグ60から漏れることを防止することができるように、流体バッグ60は、弾性プラスチック又はポリマー材料で作られるのが良い。流体バッグ60は、穿刺部材16によって穿刺することが可能であり且つ流体を滅菌状態で保持することが可能な任意の材料で形成されるのが良い。本発明の他の実施形態では、流体バッグ60は1又は2匹以上の実験動物に送出される流体を収容することが可能なプラスチック又は他の任意の可撓性材料である。ある種の実施形態においては、流体バッグ60はナイロン又はポリエチレンの単一層又は多層のデザインである。多層フィルムを用いることで、異なる層のそれぞれに異なった特性を持たせることができる。例えば、内側層は、密封特性を提供し、外側層は引き裂きに対する抵抗力を提供したり、あるいは、これらを逆にして提供したりする。本発明の更なる実施形態では、流体送出弁組立体1、上方部材10、流体バッグ60及びその内容物である流体70は、限定するわけではないが、紫外線照射、化学的処理、逆浸透、ガス滅菌、蒸気滅菌、濾過、高圧消毒及び/又は蒸留を含む種々の手段のうちの1又は複数の組合せ手段によって滅菌されることが可能である。本発明の要素の各々、即ち、流体送出弁組立体1、流体バッグ60及び流体70は、単独で又は互いに組合された状態で滅菌され又は消毒される。流体バッグ60の流体70は、流体バッグ60がシールされる前又はシールされた後のいずれかに滅菌される。
【0020】
流体バッグ60の内容物の滅菌方法を提供するひとつの実施形態では、流体バッグ60をシールする前に、流体70を滅菌することが可能であり且つ従来技術で知られている化合物を、流体70と共に流体バッグ60内に入れる。その後、化合物は、流体70を滅菌し、次いで、流体70は、動物に送出され、動物に害を与えずに消費される。他の滅菌方法を以下に説明する。
本発明のひとつの実施形態では、漏れ防止部材501が上方部材10に固定され又は形成され、それにより、穿刺部材11による孔あけ後の流体バッグ60からの流体70の損失を防止する。
【0021】
図14に示すように、穿刺部材11は、その先端を上向きにして支持した状態で、流体バッグ受け110の支持要素50に剛性に固定され、その結果、特に、流体バッグ60を支持要素50の上に配置し又は流体バッグ受け110’に入れたときに穿刺部材11が位置88で流体バッグ60に自動的に挿入される(図1及び図4参照)。
本発明のひとつの実施形態では、流体バッグ60は、動物ケージ90の流体バッグ受け110に入れられる。流体バッグ受け110は、ベース112と、内面114と、外面115とを有している。流体バッグ受けベース112はまた、作動チャネル400を有している。流体送出弁組立体1を動物ケージ90と関連して使用するとき、トリガ組立体30のステム31は、カップ40の中を通って動物ケージ90の内部に向かって延びている。他の実施形態では、作動チャネル400を囲む流体バッグ受けベース112の一部分は、1又は2つ以上のロック部材51を有している。
【0022】
図16に示す他の実施形態では、支持部材50は、その上に形成され且つフランジ部材13a、13b、13c、13dを支持部材50に固定するのに使用される4つ(又は幾つかの他の数)のロック部材51a、51b、51c、51dを有している。フランジ部材13a、13b、13c、13dがロック部材51a、51b、51c、51dによって流体受けベース112に又は支持部材50の上に固定されれば、フランジ部材13a、13b、13c、13dの形状を変えても良いことを、当業者に容易に理解するであろう。図16では、ロック部材51a、51b、51c、51dは指のような形状を有し、フランジ部材13は、フランジ部材13a、13b(図示せず)、13c、13dとして示す4つの等しいピースに分割される。
【0023】
図17を参照すれば、本発明の隔離式動物ケージラック装置600が示され、隔離式動物ケージラック装置600は、左側壁625及び右側壁630を備えたオープンラック615と、複数のラック連結ステーション616と、上部部635と、底部640とを有している。複数の支柱645が、上部部635と底部340との間に平行に配置されている。垂直支柱645は、好ましくは、細く、ラック615の正面から背面まで実質的に延びている壁を有していても良いし、各々が2本の垂直部材、即ち、ラック615の正面又はその近傍の垂直部材とラック615の背面又はその近傍の垂直部材、で構成されても良い。隔離式動物ケージラック装置600はまた、ラック615の左側壁625と右側壁630との間に交互に平行に配置された複数の空気供給プレナム610及び空気排出プレナム620を有している。
【0024】
上述した流体送出弁組立体1は、動物への流体の供給を容易にするけれども、あるラックケージ装置形態と組合せて使用するときに幾つかの欠点がある。例えば、図3に戻ってそれを参照すれば、トリガ組立体30のステム31が動物によって作動されるとき、ある環境において、動物がステム31を作動させることを止めた後でも、ステム31が開位置にくっついたままになることがある。ステムが開位置にくっついたままであると、流体がケージ及びケージ内ベッドに漏れ続け、その結果、流体が無駄になり、動物の体温を低下させたり、動物に悪影響を及ぼしたりする可能性がある。
ある環境下でこの問題が生じるひとつの理由は、ステム31が動物によって作動されるとき、ステム31、シール部材32及びスプリング要素20が流体チャネル14内で特別な位置を占めてしまうことにより、スプリング要素20の底部の回りのステム31の上端部33の枢動箇所が、予測されるようにも一定のままにもならない傾向があるからである。従って、動物による作動後、ある環境下において、ステム31がスプリング要素20に対して位置をずらし、かくして、スプリング要素20がステム31を所望の閉位置に戻そうとすることができなくなる。
【0025】
図18を参照すると、特に、ステム部材240、スプリング部材250及びシール部材260の構成が上述した流体送出弁組立体1における対応部品の構成と異なっていることにより、上述した欠点を解消できる流体送出弁組立体200が示されている。以下に詳細に説明するステム部材240、スプリング部材250及びシール部材260の構成は、ステム部材240が予測される一定不変の枢動箇所を有し、かくして、動物によるステム部材240の作動がないとき、ステム部材240を閉位置により確実に戻すことを可能にする。
従って、流体送出弁組立体200は、いくつかの点で、流体送出弁組立体1の構造及び配列と異なっている。しかしながら、本発明によれば、流体送出弁組立体200は、流体送出弁組立体1を参照して説明したすべての実施形態に使用できる。従って、本発明に従えば、限定しない例示として流体バッグ60、隔離式動物ケージラック装置600及び/又は餌供給装置96と組合せて流体送出弁組立体1の使用が説明された本明細書の任意の実施形態において、流体送出弁組立体200も同じように使用できる。
【0026】
図18を再び参照すると、流体送出弁組立体200は、上方部材210と、ベース220とを有している。流体送出弁組立体200はまた、シール部材260と、ステム部材240と、スプリング部材250とを有している。
上方部材210には、前述のように流体バッグ60を穿刺するための鋭い先端214を有するほぼ円錐形の穿刺部材211が形成されている。バッグ60からの流体70が、穿刺部材210内に構成された流体チャネル216内に流れることを容易にする1又は複数の流路孔215が、穿刺部材210の一部分に構成されている。上方部材210にはまた、連結部材212が形成され、この連結部材212は、その一部分を包囲するグリップ部分213を有している。ある種の実施形態では、ステム部材240、ベース220、及び上方部材210は、ポリプロピレンなどのプラスチックから形成されている。ある種の実施形態では、シール部材260はシリコーン・ゴムから形成され、スプリング部材250はステンレス鋼から形成される。ある種の実施形態では、流体送出弁組立体200は、比較的低コストであり、使い捨てにされる。
【0027】
ほぼ円筒形のベース220は、上部部分221及び底部分222を有し、上部部分221と底部分223とは、ベース220を包囲し且つそれから外方に延びるフランジ部材226によって分離されている。フランジ部材226は、流体送出弁組立体1に関して前述したように、流体送出弁組立体200の取付け、即ち、位置決めを容易にするのに使用される。上部部分221は、内面223を有し、この内面223にグリップ部分213が配置されている。
上方部材210は、連結部材212がベース220の上部部分221に挿入されることにより、ベース220に連結されるように設計され且つ寸法決めされている。この連結は、上方部材210のグリップ部分213とベース220のグリップ部分224との摩擦相互作用によって容易にされる。
【0028】
シール部材260、ステム部材240及びスプリング部材250は、ベース流体チャネル230内に配置されている。ステム部材240は、ほぼ平らな上部部分241を有し、その結果、ステム部材243の上部面243がシール部材260の底面262の一部分に接触するとき、シール部材260の流路孔265は、有効にシールされる。ステム部材240の作動部分242は、スプリング部材250及びベース流体チャネル230の中を通って延びている。流体送出弁組立体1に関連して前述したように、流体の流れの制御を容易にするために、スプリング部材250は、ステム部材240をシール部材260に接触するように付勢する。
【0029】
図19を参照すれば、流体チャネル230は、スプリング部材250が流体チャネル230の中を通ってそれから抜け出すことを阻止するのに役立つ細い部分232を有しているので、スプリング部材250は、流体チャネル230の下端部のところで流体チャネル230内に保持される。スプリング部材250の上部部は、ステム部材240の下面244(図20参照)に当接している。スプリング部材250は、ステム部材240を上下方向姿勢に付勢するのに役立ち、かくして、上部面243とシール部材260との間のシール部を形成する。このシール部は、ステム部材240に対するシールを形成するようにスプリング部材250の付勢力を集中させる下方隆起部266を用いることにより容易に形成される。
【0030】
図21及び図22を参照すると、ステム部材240が動物によって作動されたときの流体送出弁組立体200の動作が示されている。明瞭化のため、図21及び図22には、スプリング部材250を示していないことに留意すべきである。しかしながら、上述したように、ステム部材240が動物によって作動されている間、スプリング部材250は、ステム部材240をほぼ上下方向の姿勢に付勢する付勢力を付与する。
図21を参照すると、ステム部材240は、その上部面243がシール部材260の下方隆起部266にシール箇所246のところで有効に当接した状態でほぼ上下方向に配置されている。上部面240と組合せて下方隆起部266を使用することは、上述したようなシールを形成するためにスプリング部材250の付勢力を集中させるのに有利に働く。
図示の流体送出装置200は、流体バッグ60を孔あけしそれに刺さっており、その結果、流体70は、流体バッグ60から上方部材210の流路孔215に流入し、次いで、流体チャネル216に流入して、シール部材260の流路孔265を通り、シール箇所246まで下方に流れている。この時点では、ステム部材240は、その上下方向姿勢(シール位置)にあり、流体の流れは、止められている。
【0031】
本発明のひとつの実施形態では、いったん流体バッグ60が流体送出弁組立体200によって孔あけされると、流体バッグ60の外壁がベース220の上部部分201の面235に沿う範囲に位置決めさせられ、その結果、上側の境界が保持壁217によって定められ且つ下側の境界がフランジの上部面227によって定められる部分内に配置されたままになる。本発明のひとつの実施形態では、流路孔215及び(幾つかの実施形態では)孔部分218は、バッグ保持壁217の縁部の回りに有効に配置される。
図22を参照すると、動物がステム部材240の作動部分242を方向Bに作動させている間にとるであろう位置に配置されたステム部材240が示されている。もちろん、当業者は、ステム部材がその休止位置、即ち、上下方向姿勢から外方に作動される限り同じ結果が得られることを認識するであろう。方向Bへの作動時、ステム部材240は、枢動点236を中心に枢動し、その結果、ステム部材240の上部面243は、シール部材260の下方隆起部266から離れる方向に移動する。この移動により、シール部材260の流路孔265にある流体70が、隙間237を通って流れることを可能にし、流体は、更に、流体チャネル230内に流入し、動物まで方向Aに流出する。
【0032】
流体70の流量を所望値に有利に制限するようにステム部材240の最大移動を制限するために、ベース220には、流体チャネル230内に配置された当接壁233が形成されている。加えて、ステム部材240、ベース220、シール部材250及びスプリング部材250は、ステム部材240が一定の予測可能な枢動点236で枢動し且つ動物による作動から解放された後に開位置にくっついたり引っかかって動かなくならないように、有利に設計され且つ寸法決めされる。その結果、流体が無駄になること、動物を低体温に曝すこと、及びケージ及びベッド材料が過度に濡れることにより引起こされるその他の問題を最小にする。
【0033】
図23に示す本発明の実施形態には、延長部分234を備えた流体送出弁組立体200のベース220が形成されている。作動部分242の一部分だけが延長部分234を越えて延びているので、延長部分234は、ある適用例の特別な場合には、ステム部材240の作動部分242を動物が不意にぶつからないように保護する働きをする。本発明のひとつの実施形態では、延長部分234及び作動部分242のそれぞれの長さL1及びL2は、所望の結果、飼育する動物の種類並びに他の要因に基いて調節される。
図24に示す本発明の実施形態では、動物ケージ90内の動物への感染を防止するために、水送出装置1(又は流体送出弁組立体200)は、滅菌及び/又は高圧消毒され、使用前にラップ47または他の適当な容器内に滅菌状態に維持される。なお、以下に説明する本発明の実施形態は、簡単のために、流体送出弁組立体1のみを特に参照するが、同様に、流体送出弁組立体200も全ての例に使用できることを理解すべきである。ユーザが、流体バッグ60と組合される清潔な水送出装置が必要であることを決定したとき、水送出装置1を滅菌状態で、即ち、非汚染方法を用いてラップ47から取出し、動物ケージ90に挿入し、流体バッグ受け110に入れる。流体送出弁組立体1の全部をラップ47内に収容することも考えられるが、図24では、流体送出弁組立体1の一部分だけを示す。次に、流体バッグ60を流体バッグ受け110に入れて、穿刺部材11によって孔あけすると、流体、又は、水70が流体チャネル14を通って動物ケージ90内の動物に送出される。この方法は、滅菌流体70が汚染されていない流体チャネルを通して送出されること、及び、流体送出弁組立体1自体が非汚染状態及び病原体のない状態にあることを確保する。加えて、本発明の実施形態では、流体送出弁組立体1は、種々の量のグループになったブリスターパックの形態で販売され且つ保管されるのが良い。
【0034】
図25に示す本発明の他の実施形態では、上方部材10及び穿刺部材11を含む流体送出弁組立体1の上方部分は、使い捨てキャップ45で覆われ、ユーザは、流体バッグ60を流体バッグ受け110内に配置してそれを孔あけして動物ケージ90内の動物に流体を送出させるために水送出装置1を使用したいとき、使い捨てキャップ45を取外す。使い捨てキャップ45は、任意の適当な材料から作られ、流体バッグ60内の流体の種類を指示する色が着けられていても良いし、透明であっても良いし、不透明であっても良い。使い捨てキャップ45は、流体送出弁組立体1から容易に取外される。使い捨てキャップ45は、滅菌された流体送出弁組立体1を構成するものではないが、ラベル機能を有し、ひとつの実施形態では、ユーザにうっかり突き刺さることを防止する保護機能を有している。
本発明のひとつの実施形態は、1又は複数の動物ケージに流体を送出する装置及び方法を提供する。本発明により提供される装置は、少なくとも2つの使用方法を有し、第1の方法では、動物ケージ又はケージ装置に使用するための密封及び滅菌された流体バッグを供給する工程を有している。供給者は、使用のために予め包装された非汚染流体、例えば、水又は動物が必要とする栄養素等を含む流体を供給し、好ましくは、殺菌された流体を充填したバッグをユーザが指定した場所に配送する。その代替方法として、供給者は、シール装置、流体バッグを製造するための材料及び流体供給源をユーザが指定した箇所に配置しても良い。次に、供給者は、ユーザのための適当な数の流体バッグを指定箇所で組立て、充填し、シールする。第2の方法では、供給者は、シール装置及び流体バッグを製造するための材料をユーザに提供する。この第2の方法では、供給者はまた任意の適当な流体をユーザが指定した場所でユーザに供給しても良い。次に、ユーザは、流体バッグを組立て、充填し、シールして、本発明の流体送出装置に適当に使用する。
【0035】
図26には、本発明のひとつの実施形態による、流体バッグ(ないしポーチ)を充填し且つシールする方法及び装置300が示されている。前述のように任意の適当な材料で形成されるバッグ材料(ないしフィルム)310を、ロール形態等のバルク形態で貯蔵する。プロセスを続けるとき、バッグ材料310をバッグ形成部分330上に移動させ、ほぼ平らな形状のバッグ材料310をチューブに形成する。プロセスを続けるとき、上下方向シール装置340がバッグ材料310に上下方向シールを形成し、これにより、チューブの形成が完了する。
内容物供給部分320は、例えば、重力式供給方法により、構成成分をバッグ材料310のチューブ内に加える働きをする。内容物供給部分320は、液体貯蔵容器、粉末貯蔵容器、種々のポンプ、及びその他の供給手段を含んでおり、その結果、例えば、流体(又は水)70が、上述した添加剤を入れるか入れないかのいずれかで、当業界で知られているような適当な量で定量される。また、内容物供給部分320は、内容物供給部分320から供給される内容物がほぼ滅菌状態となるように、加熱及び/又は滅菌装置を含むのが良い。
次に、水平シール装置350が、熱接着又は当業者に知られていると認識されている他のいくつかの方法によって、水平シールを形成する。この水平シールは、チューブの内容物を別々の部分に隔離する機能を有している。次に、バッグ切断装置が、バッグ材料を水平シールの位置で切断し、流体70を収容する個々の流体バッグ60を形成する。
もちろん、本発明の精神によれば、流体バッグ60を形成する正確な工程を、適用例における特定の設計上の選択に従って変えても良い。本発明のいくつかの実施形態では、工程を追加しても良いし、省略しても良いし、異なる順序で行っても良い。加えて、流体バッグ60の内容物及びバッグ材料310は、完成バッグの形成前に滅菌されても良いし、その形成後に滅菌されても良い。
【0036】
図27〜図29に示す本発明のひとつの実施形態では、流体70を約180°Fに加熱し、流体バッグを貯蔵容器370内に積重ねる。その結果、流体70、流体バッグ60及び貯蔵容器370の全てが、満足できる程度に滅菌される。本発明のひとつの実施形態では、ケージ本体98をかかる貯蔵容器として使用するのが良い。この方法の追加部分も、容器を積重ねる際にロボットアーム380を使用することによって示すように、自動化されるのが良い。
貯蔵容器(又は運搬箱)370又はケージ本体98には、隔離式ケージラック装置600内に配置される前、ワークステーション382のところで流体バッグが供給されるのが良い。加えて、貯蔵容器370又はケージ本体98を、他の種々の滅菌装置に通過させるのが良い。
前述の如く、供給者は、バッグの充填装置及び密封装置、並びに、流体バッグを作る材料をユーザに提供する。ユーザは、ある種の実施形態に従って、流体送出装置に用いるための流体バッグを組み立て、充填し、密封する。
そうした例において、充填及び密封装置は、例えば、研究実験室、製薬会社、政府機関、大学、契約研究会社、畜産家、及び化学会社の現場で据付けられる。代表的には、これらのタイプの施設は頻繁に、実験動物に関する協会(AALAC:Association for Assessment and Accreditation of Laboratory Animal Care International)にて検査され、医薬品安全性試験実施基準(GLP:Good Laboratory Practice)に関する承認を必要とし、米国厚生省(U.S. Department of Health and Human Services)及び食品医薬品局(FDA:Food and Drug administration)の基準に従って、そうした施設は運用される。これらの厳格な承認条件を満たすために、これらの施設は一般的に、中央洗い場コンプレックスを有していて、そこに送られたケージやラック及びその他の付属物は洗浄されて、洗濯機や洗剤その他を用いて洗浄される。代表的に、これらの領域は組織化され、洗い場に対して汚れた側、及び洗い場に対して清潔な側と称される、建物の流れパターンから供給される。これは、汚い粒子が清潔な廊下に移動することを防ぐために行われ、動物室には清浄な機器及び動物が再供給される。これらの流れパターンによれば、施設の人員もまた、流れのパターンに従い、ガウンなどの保護服と使い捨ての靴カバーを着用することが求められる。流れのパターンは、機器の移動にも関係する。実験室へ持ち込まれる機器は、洗い場においてラック洗浄を行う、清潔な側を経由しなければならない。
洗い場における汚れた側は代表的に、ラック洗浄機、ケージトンネル洗浄機、高圧滅菌釜、及び動物の汚れた寝床などを廃棄する缶を備えている。これらの機械は、コンクリートの孔に設置され、配管及び配線が施され、施設の建物に永久的に据え付けられる。ほとんどの機器にはドアを通ってアクセスし、それにより、洗濯機に入れられるラック、ケージ、及び機器を装荷することができる。これらの機械は代表的には、洗い場の分割壁に対して面一に配置される。機器は、汚れた側において洗濯機に入れられて、壁の開口部を通り抜けて、洗い場の清潔な側から排出される。機器を装荷した後には、代表的には、熱湯と洗剤を用いて約15〜20分間、洗浄される。洗浄サイクルが完了した後には、清潔な側からスタッフがドアを開いて、洗浄された機器を清潔な領域へと持ち出す。これらの清潔な領域における床面は、床面の排水について防水領域を作るため、タイルや、エポキシ、及び/又は、エポキシと石の混合物から形成される。ラックは(自動車洗浄機から出た車の如く)びっしょり濡れて出てくるので、滴り落ちる水のための排水が考慮される。洗い場における清潔な側において実行される他の代表的な活動は、ボトルに水を満たしたり、ケージ・ラックに水を装填する(ラックの自動給水装置をパージする)ことなどがある。従って、ラックへの装填は代表的に洗い場における清潔な側にて実行されるので、清潔な側は代表的に、主たる給水設備、水処理、及び/又は、濾過装置へのアクセスを備えている。そうした装置は、水の塩素殺菌、酸処理、及び/又は、ミクロン濾過などの装置から構成される。また、そうした装置には圧力減少ステーションが具備されて、自動給水されるように構成されたラックに、処理された水を結合して水を満たすと共に、装置に潜在しているであろう古い水をパージする。
【0037】
前述の如く、バッグの充填及び形成装置は、洗い場における清潔な側に配設するのが有利である。ある種の実施形態では、バッグの充填及び形成装置は、およそ16平方フィートの床面積を必要とするが、変形例においては、装置が必要とする面積は変化するだろう。ある種の実施形態では、バッグの充填及び形成装置は、産業等級のキャスターを備え、所定位置にころがして移動できる。バッグの充填及び形成装置は、組込式の床ジャッキを備え、いったん水平に配置されたならば、半永久的に配置される。ある種の実施形態では、バッグの形成及び充填装置は、電力配線を機械の近くに設けられて、110/220VAC、20アンペア(50/60Hz)の電力を受けるように、事前に配線されている。もちろん、本願の開示に従って、当業者に公知である他の電力供給を用いることもできる。
図30を参照すると、ある種の実施形態では、既存の建物内処理装置の下流側にある、1.5インチの冷水配管420を用いて、バッグの充填及び形成装置450に水を供給している。もちろん、本願の開示に従って、当業者に公知である他の給水配管のサイズを用いても良い。前述の如く、ある種の実施形態では、バッグ(ないしポーチ)の材料は、ロール410として提供される。そうした実施形態では、可動式のロール持ち上げ装置430を洗い場における清潔な側に提供することで、バッグの材料410のロールを容易に、例えばパレットから、バッグの充填及び形成装置450に装填できる。ある種の実施形態による装置では、割り出し式又はその他のタイプのモータ駆動コンベア460を、洗い場における清潔な側に配置して、充填された水バッグ440を充填及び形成装置から運び出す。また、洗い場における清潔な側には、好ましくは半透明のプラスチックから形成されてなる、箱形の運搬箱470を提供する。ある種の実施形態では、運搬箱470は堅固であって、満杯時に積み重ねられると共に、空のときには入子式にして容易に保管できる。ある種の実施形態では、可動式の運搬箱コンベアプラットホーム465を用いて、運搬箱470が水バッグ440で満杯になるまで、開いた運搬箱470を動力コンベア460の端部に位置決めする。次に、可動式の運搬箱コンベアプラットホーム465を運搬台車480へと移動させる。運搬台車480は、水バッグ440で満杯になった運搬箱470を、実験室やその他の領域へと搬送する。一般に、ある種の実施形態では、水バッグ440は、洗い場の清潔な側にて、充填及び形成されて、運搬箱470を水バッグ440で満杯にして保管する。そして、運搬箱470は、運搬台車480に載せられて、動物ケージが水のサービス又は再供給を必要としている部屋及び/又は廊下へと搬送される。使い捨ての弁(例えばプラスチック部品から作られた弁)を殺菌されたパッケージから取り出して、餌供給装置の開口部又はワイヤ棒の蓋のインサートに挿入し、水バッグ(又はポーチ)を位置決めして、弁が水バッグを穿刺して、水がバッグから弁を通ってケージ内の動物が水にアクセスできるようにする。変形例としては、弁は、使い捨て又はプラスチックである必要は無く、当業者に知られている、ステンレス鋼又はその他の適当な材料から形成しても良い。
【0038】
使用された(ほとんど空になった)ポーチは、ケージから取り外されて、例えば、空の運搬箱などの容器に入れられて、洗い場における汚れた側へと搬送される。ある種の実施形態では、洗い場における汚れた側には、圧縮装置/詰込装置490が提供される。圧縮装置は、使用済みのポーチと弁とを圧縮して、コンパクトな束、または、使い捨てバッグとして、簡単に廃棄できるようにする。
【0039】
図31を参照すると、実験施設500における代表的な流れの経路を模式的に示している。実験研究室510は、汚れた廊下520と、清潔な廊下530との間に配置されている。実験室の出口512は、実験研究室510を汚れた廊下520に結合し、実験室の入口514は、実験研究室510を清潔な廊下530に結合する。中央の洗い場540は、汚れた廊下520と清潔な廊下530との間に配置される。洗い場の入口542は、汚れた廊下520から洗い場540における汚れた側546へとつながる。前述の如く、水バッグ440及び弁の廃棄を容易にする圧縮装置/詰込装置490は、洗い場540における汚れた側546に配置される。洗い場440における清潔な側548は、洗い場の出口544を介して、清潔な廊下530に結合される。前述の如く、ある種の実施形態では、バッグの充填及び形成装置450は、洗い場540における清潔な側548に配置される。前述の如く、代表的な流れの経路においては、洗い場540における清潔な側548にあるバッグの充填及び形成装置450によって、水バッグが生産される。水バッグは、出口544を出て清潔な廊下530へと搬送され、次に、実験室への入口514のひとつを通って、実験研究室541のひとつへ入り、ここで水バッグは、ケージレベルバリヤ型ケージに配置される。使用済みの水バッグは、ケージから取り除かれて、空の運搬箱に入れられ、実験室の出口512のひとつから汚れた廊下520へと搬出され、洗い場の入口542を通って、洗い場540の汚れた側546へと入り、ここで、ある種の実施形態では、使用済みのバッグ及び弁は、圧縮装置/詰込装置490で圧縮されて容易に廃棄される。ある種の実施形態では、圧縮された水バッグ及び弁は、取り外す前に洗浄される。
【0040】
図32を参照すると、他の実験施設700における代表的な流れの経路を模式的に示している。実験研究室710は、廊下725に隣接して配置される。実験室の出入口713は、実験研究室710を、一方通行である廊下725に結合している。洗い場の入口742は、廊下725を洗い場740における汚れた側746に結合する。洗い場740における清潔な側748は、洗い場の出口744を介して、廊下725に結合される。前述の如く、ある種の実施形態では、バッグの充填及び形成装置450は、洗い場740における清潔な側748に配置される。また、前述の如く、代表的な流れの経路においては、洗い場740における清潔な側748にあるバッグの充填及び形成装置450によって、水バッグが生産される。水バッグは、出口744を出て一方通行の廊下725へと搬送され、次に、実験室への入口713のひとつを通って、実験研究室741のひとつへ入り、ここで水バッグは、ケージレベルバリヤ型ケージに配置される。使用済みの水バッグは、ケージから取り除かれて、空の運搬箱に入れられ、実験室の出入口713のひとつから廊下725へと搬出され、洗い場の入口742を通って、洗い場740の汚れた側746へと入り、ここで、ある種の実施形態では、使用済みのバッグ及び弁は、圧縮されて容易に廃棄される。
【0041】
図33を参照すると、ある種の実施形態に従って水バッグを提供するための、例示的な方法800を示している。この方法においては、複数のケージレベルバリヤ型ケージを有するラック/ケージ装置は、動物実験を実行する実験研究室に設けられる(段階810)。次に、水バッグ(又はポーチ)のためのバッグの材料(又はフィルム)が実験施設現場に提供される(段階820)。次に、水バッグの充填及び形成装置を、実験施設の洗い場における清潔な側に設ける。(段階830)。次に、水バッグで用いるための使い捨て弁を提供する(段階840)。この実施形態においては、分かりやすくするために、段階は1回だけ所定の順序で実行されるものとした。しかしながら、各段階は、図示した順序で実行される必要はなく、様々な段階を別の段階で実行したり、及び/又は、1又は複数の段階を同時に実行したりしても良い。さらに、ある種の実施形態では、1又は複数の段階を省略したり、及び/又は、1又は複数の段階を2回以上実行したり、及び/又は、追加的な段階を実行したりしても良い。
【0042】
図34は、動物実験用のケージレベルバリヤ型ケージで使用する、密封された水バッグを提供するための別の方法900を示している。ある種の実施形態では、ラック/ケージ装置が実験研究室に設けられる(段階910)。次に、バッグの材料(フィルム)が提供される(段階920)。次に、ある種の実施形態では、ロール持ち上げ装置が提供されて、バッグ材料のロールをパレットからバッグの充填及び形成装置に装填する(段階930)。次に、水バッグの充填及び形成装置を、洗い場における清潔な側に設ける(段階940)。次に、水バッグの充填及び形成装置によって生産された後の水バッグを取り扱うためのコンベア装置を提供する(段階950)。次に、満たされた水バッグを保管及び搬送する運搬箱を提供する(段階960)。次に、複数の運搬箱を運ぶための運搬台車を提供する(段階970)。次に、使い捨ての流体送出弁を供給し、餌供給装置又はモジュールに挿入する。そして、満たされた水バッグのそれぞれを餌供給モジュールに配置して、弁がバッグを穿刺して、水がバッグから弁を通って流出して、動物がこれにアクセスする(段階980)。使用済みのバッグと弁とは、施設における清潔な側から、施設における汚れた側へと搬送される。次に、圧縮装置/詰込装置(廃棄装置)を提供して、使用済みの水バッグと弁とを圧縮する(段階990)。この実施形態においては、分かりやすくするために、段階は1回だけ所定の順序で実行されるものとした。しかしながら、各段階は、図示した順序で実行される必要はなく、様々な段階を別の段階で実行したり、及び/又は、1又は複数の段階を同時に実行したりしても良い。さらに、ある種の実施形態では、1又は複数の段階を省略したり、及び/又は、1又は複数の段階を2回以上実行したり、及び/又は、追加的な段階を実行したりしても良い。
【0043】
従って、実験施設現場の洗い場における清潔な側にバッグの形成装置を提供し、バッグ形成装置がケージレベルバリヤ型ケージで使用する密封された水バッグを提供できることにより、実験施設のユーザは、水ボトルを用いた場合に必要になるであろう、多大な時間及び費用の投資から解放される。さらに、実験施設は、自動給水装置の使用に関連した費用及び危険から解放される。
バッグを形成する装置は、洗い場における清潔な側に提供されるので、実験施設は、主たる給水や専用電力回路の存在など、洗い場の特徴を利用することができる。さらに、実験施設の洗い場における清潔な側に水バッグを提供することによって、実験施設の職員は、既存の清潔な及び汚れた流れの経路を使用でき、水バッグと流体送出弁装置とを、既存の実験施設環境に円満に統合する。
【0044】
従って、本発明の例示の実施形態に適用されるときの本発明の基本的で新規な特徴を図示し、説明し且つ指摘したが、当業者ならば、本発明の精神から逸脱することなく本願に開示した本発明の形態及び詳細に種々の省略、置換及び変更を行なうことができることは理解されよう。上記説明に含まれ且つ添付図面に示された全ての事柄は、例示として示されたものであって、限定するものではない。
特許請求の範囲の記載は、本願に説明した全ての基本的特徴及び特別な特徴及び言語上の問題として行間に含まれることがある本発明の範囲に関する全ての記載をカバーするものである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、動物ケージ組立体に組込まれた流体送出装置を示した分解斜視図である。
【図2】図2は、本発明による流体送出装置及び餌供給装置を示した分解斜視図である。
【図3】図3は、本発明による流体送出弁組立体のひとつの実施形態を示した分解斜視図である。
【図4】図4は、図3の流体送出弁組立体を示した側面図である。
【図5】図5は、図3の流体送出弁組立体について、その上方部材を示した側面図である。
【図6】図6は、本発明による流体送出弁組立体におけるトリガ組立体を示した斜視図である。
【図7】図7は、本発明によるカップ要素を示した平面図である。
【図8】図8は、本発明によるカップ要素を示した斜視図である。
【図9】図9は、本発明によるカップ要素を示した側面図である。
【図10】図10は、餌供給装置を示した斜視図である。
【図11】図11は、本発明による流体送出装置が組み込まれた餌供給装置を示した平面図である。
【図12】図12は、餌供給装置を示した正面図である。
【図13】図13は、本発明による流体バッグを示した底面図である。
【図14】図14は、本発明による流体バッグと流体送出装置を備えた流体餌の構成要素を示した斜視図である。
【図15】図15は、本発明による流体バッグを示した断面図である。
【図16】図16は、本発明による支持体を含む流体送出弁組立体における上方部材を示した斜視図である。
【図17】図17は、動物ケージが組込まれた両面ラック装置を示した側面図である。
【図18】図18は、本発明による流体送出弁組立体のひとつの実施形態を示した分解斜視図である。
【図19】図19は、図18の流体送出弁組立体を示した側面図である。
【図20】図20は、図18の流体送出弁組立体におけるステムを示した斜視図である。
【図21】図21は、密封位置におけるステムを示した、図18の流体送出弁組立体の側面図である。
【図22】図22は、開いた位置におけるステムを示した、図18の流体送出弁組立体の側面図である。
【図23】図23は、ステムを保護する延長部を示した、図18の流体送出弁組立体の側断面図である。
【図24】図24は、本発明によるラップを含む流体送出弁組立体における上方部材を示した側面図である。
【図25】図25は、本発明による使い捨てキャップを含む流体送出弁組立体における上方部材を示した側面図である。
【図26】図26は、本発明による流体バッグの充填・密封装置を示した図である。
【図27】図27は、本発明による流体バッグ準備室を示した図である。
【図28】図28は、本発明による流体バッグ準備室を示した他の図である。
【図29】図29は、本発明による流体バッグ準備室を示した他の図である。
【図30】図30は、ある種の実施形態において使用される設備を示した模式図である。
【図31】図31は、実験施設を示した模式的な平面図であって、流れのパターンと、バッグを形成及び充填する装置の配置とを示している。
【図32】図32は、別の実験施設を示した模式的な平面図であって、流れのパターンと、バッグを形成及び充填する装置の配置とを示している。
【図33】図33は、本発明のある種の実施形態による例示的な工程を示したフローチャートである。
【図34】図34は、本発明の別の実施形態による例示的な工程を示したフローチャートである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物実験用の動物を収容するための、複数のケージレベルバリヤ型のケージへ水を送出するための方法であって、この方法が、
動物実験のための複数のケージレベルバリヤ型ケージを実験施設の現場に提供する段階と、
実験施設現場における洗い場の清潔な側に、バッグ形成装置を配置する段階と、を備え、
バッグ形成装置は、ケージレベルバリヤ型ケージにおいて使用するための、密封された水バッグを提供することができる、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
バッグの材料を実験施設現場に提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
バッグ形成装置は、バッグの材料から管を形成できることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
バッグ形成装置は、垂直なシールを管に形成できることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
バッグ形成装置は、管を充填すべく、所定量の水を加えることができることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
バッグ形成装置は、水平なシールを管に形成できることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
バッグ形成装置は、水平なシールの位置にて管を切断し、個別の流体バッグを形成することができることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
バッグ形成装置は、水に添加物を加えることができることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
バッグ形成装置は、水と水バッグとが滅菌されるように、前記所定量の水を加える前に、水を加熱することができることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
水は、約180゜Fの温度に加熱されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
密封された水バッグのひとつと共に併用される、使い捨ての流体弁を提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
使い捨て流体弁は、プラスチックから形成されていることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記方法がさらに、
密封された水バッグのひとつと共に併用される使い捨ての流体送出弁組立体を提供する段階であって、該弁組立体が、
流体チャネルを貫設されてなる上方部材と、
フランジ部材と、これに貫設されたベース流体チャネルとを有するベースであって、上方部材に合致して結合されるべくデザインされたベースと、を備え、
流体送出弁組立体は、流体バッグに結合されるべく適合しており、ケージレベルバリヤ型ケージに水を提供する、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
動物実験用の動物を収容するための、実験施設現場に配置された、複数のケージレベルバリヤ型のケージへ水を送出するための方法であって、この方法が、
実験施設現場における洗い場の清潔な側に、バッグ形成装置を配置する段階、を備え、
バッグ形成装置は、ケージレベルバリヤ型ケージにおいて使用するための、密封された水バッグを提供することが出来る、
ことを特徴とする方法。
【請求項15】
バッグの材料を実験施設現場に提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
密封された水バッグのひとつと共に併用される、使い捨ての流体弁を提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項17】
使い捨て流体弁は、プラスチックから形成されていることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
実験施設現場に配置される複数のケージレベルバリヤ型ケージを備えてなる、換気型ラック/ケージ装置を提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項19】
バッグの材料はロールとして提供され、方法がさらに、バッグ材料のロールを取り扱う持ち上げ装置を備えていることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項20】
実験施設現場における洗い場の清潔な側に、密封された水バッグを搬送するためのコンベア装置を提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項21】
密封された水バッグを収容して搬送するための1又は複数の運搬箱を提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項22】
洗い場における清潔な側から、ケージレベルバリヤ型ケージが収容されている実験室へと、複数の運搬箱を搬送するための運搬台車を提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
密封された水バッグが収容された運搬箱を、コンベア装置から運搬台車へと移送するための運搬箱コンベアプラットホームを提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
ケージレベルバリヤ型ケージから取り外された後の密封された水バッグを圧縮するための圧縮装置を提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項25】
動物実験用の動物を収容するための、実験施設現場に配置された、複数のケージレベルバリヤ型のケージを有する動物実験施設において、水ボトルを使用せずに済ませる方法であって、この方法が、
実験施設現場における洗い場の清潔な側に、バッグ形成装置を配置する段階、を備え、
バッグ形成装置は、ケージレベルバリヤ型ケージにおいて使用するための、密封された水バッグを提供することが出来る、
ことを特徴とする方法。
【請求項26】
バッグの材料を実験施設現場に提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
密封された水バッグのひとつと共に併用される、使い捨ての流体弁を提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項28】
使い捨て流体弁は、プラスチックから形成されていることを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
実験施設現場に配置される複数のケージレベルバリヤ型ケージを備えてなる、換気型ラック/ケージ装置を提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項30】
バッグの材料はロールとして提供され、方法がさらに、バッグ材料のロールを取り扱う持ち上げ装置を備えていることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項31】
実験施設現場における洗い場の清潔な側に、密封された水バッグを搬送するためのコンベア装置を提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項32】
密封された水バッグを収容して搬送するための1又は複数の運搬箱を提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項33】
洗い場における清潔な側から、ケージレベルバリヤ型ケージが収容されている実験室へと、複数の運搬箱を搬送するための運搬台車を提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項34】
密封された水バッグが収容された運搬箱を、コンベア装置から運搬台車へと移送するための運搬箱コンベアプラットホームを提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項35】
ケージレベルバリヤ型ケージから取り外された後の密封された水バッグを圧縮するための圧縮装置を提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項36】
動物実験用の動物を収容するための、実験施設現場に配置された、複数のケージレベルバリヤ型のケージへ水を送出するための装置であって、この装置が、
実験施設現場における洗い場の清潔な側に配置されるべくデザインされ構成された、バッグ形成装置、を備え、
バッグ形成装置は、ケージレベルバリヤ型ケージにおいて使用するための、密封された水バッグを提供することが出来る、
ことを特徴とする装置。
【請求項37】
実験施設現場に提供される、バッグの材料をさらに備えていることを特徴とする請求項36に記載の装置。
【請求項38】
実験施設現場において、密封された水バッグのひとつと共に併用される、使い捨ての流体弁をさらに備えていることを特徴とする請求項36に記載の装置。
【請求項39】
使い捨て流体弁は、プラスチックから形成されていることを特徴とする請求項38に記載の装置。
【請求項40】
実験施設現場に配置される複数のケージレベルバリヤ型ケージを備えてなる、換気型ラック/ケージ装置をさらに備えていることを特徴とする請求項36に記載の装置。
【請求項41】
提供されたバッグの材料であるロールを取り扱う、持ち上げ装置をさらに備えていることを特徴とする請求項37に記載の装置。
【請求項42】
実験施設現場における洗い場の清潔な側に、密封された水バッグを搬送するためのコンベア装置をさらに備えていることを特徴とする請求項36に記載の装置。
【請求項43】
密封された水バッグを収容して搬送するための1又は複数の運搬箱をさらに備えていることを特徴とする請求項36に記載の装置。
【請求項44】
洗い場における清潔な側から、ケージレベルバリヤ型ケージが収容されている実験室へと、複数の運搬箱を搬送するための運搬台車をさらに備えていることを特徴とする請求項43に記載の装置。
【請求項45】
密封された水バッグを、コンベア装置から運搬台車へと移送するための運搬箱コンベアプラットホームをさらに備えていることを特徴とする請求項44に記載の装置。
【請求項46】
ケージレベルバリヤ型ケージから取り外された後の密封された水バッグを圧縮するための圧縮装置を提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項36に記載の装置。
【請求項1】
動物実験用の動物を収容するための、複数のケージレベルバリヤ型のケージへ水を送出するための方法であって、この方法が、
動物実験のための複数のケージレベルバリヤ型ケージを実験施設の現場に提供する段階と、
実験施設現場における洗い場の清潔な側に、バッグ形成装置を配置する段階と、を備え、
バッグ形成装置は、ケージレベルバリヤ型ケージにおいて使用するための、密封された水バッグを提供することができる、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
バッグの材料を実験施設現場に提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
バッグ形成装置は、バッグの材料から管を形成できることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
バッグ形成装置は、垂直なシールを管に形成できることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
バッグ形成装置は、管を充填すべく、所定量の水を加えることができることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
バッグ形成装置は、水平なシールを管に形成できることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
バッグ形成装置は、水平なシールの位置にて管を切断し、個別の流体バッグを形成することができることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
バッグ形成装置は、水に添加物を加えることができることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
バッグ形成装置は、水と水バッグとが滅菌されるように、前記所定量の水を加える前に、水を加熱することができることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
水は、約180゜Fの温度に加熱されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
密封された水バッグのひとつと共に併用される、使い捨ての流体弁を提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
使い捨て流体弁は、プラスチックから形成されていることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記方法がさらに、
密封された水バッグのひとつと共に併用される使い捨ての流体送出弁組立体を提供する段階であって、該弁組立体が、
流体チャネルを貫設されてなる上方部材と、
フランジ部材と、これに貫設されたベース流体チャネルとを有するベースであって、上方部材に合致して結合されるべくデザインされたベースと、を備え、
流体送出弁組立体は、流体バッグに結合されるべく適合しており、ケージレベルバリヤ型ケージに水を提供する、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
動物実験用の動物を収容するための、実験施設現場に配置された、複数のケージレベルバリヤ型のケージへ水を送出するための方法であって、この方法が、
実験施設現場における洗い場の清潔な側に、バッグ形成装置を配置する段階、を備え、
バッグ形成装置は、ケージレベルバリヤ型ケージにおいて使用するための、密封された水バッグを提供することが出来る、
ことを特徴とする方法。
【請求項15】
バッグの材料を実験施設現場に提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
密封された水バッグのひとつと共に併用される、使い捨ての流体弁を提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項17】
使い捨て流体弁は、プラスチックから形成されていることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
実験施設現場に配置される複数のケージレベルバリヤ型ケージを備えてなる、換気型ラック/ケージ装置を提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項19】
バッグの材料はロールとして提供され、方法がさらに、バッグ材料のロールを取り扱う持ち上げ装置を備えていることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項20】
実験施設現場における洗い場の清潔な側に、密封された水バッグを搬送するためのコンベア装置を提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項21】
密封された水バッグを収容して搬送するための1又は複数の運搬箱を提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項22】
洗い場における清潔な側から、ケージレベルバリヤ型ケージが収容されている実験室へと、複数の運搬箱を搬送するための運搬台車を提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
密封された水バッグが収容された運搬箱を、コンベア装置から運搬台車へと移送するための運搬箱コンベアプラットホームを提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
ケージレベルバリヤ型ケージから取り外された後の密封された水バッグを圧縮するための圧縮装置を提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項25】
動物実験用の動物を収容するための、実験施設現場に配置された、複数のケージレベルバリヤ型のケージを有する動物実験施設において、水ボトルを使用せずに済ませる方法であって、この方法が、
実験施設現場における洗い場の清潔な側に、バッグ形成装置を配置する段階、を備え、
バッグ形成装置は、ケージレベルバリヤ型ケージにおいて使用するための、密封された水バッグを提供することが出来る、
ことを特徴とする方法。
【請求項26】
バッグの材料を実験施設現場に提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
密封された水バッグのひとつと共に併用される、使い捨ての流体弁を提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項28】
使い捨て流体弁は、プラスチックから形成されていることを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
実験施設現場に配置される複数のケージレベルバリヤ型ケージを備えてなる、換気型ラック/ケージ装置を提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項30】
バッグの材料はロールとして提供され、方法がさらに、バッグ材料のロールを取り扱う持ち上げ装置を備えていることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項31】
実験施設現場における洗い場の清潔な側に、密封された水バッグを搬送するためのコンベア装置を提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項32】
密封された水バッグを収容して搬送するための1又は複数の運搬箱を提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項33】
洗い場における清潔な側から、ケージレベルバリヤ型ケージが収容されている実験室へと、複数の運搬箱を搬送するための運搬台車を提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項34】
密封された水バッグが収容された運搬箱を、コンベア装置から運搬台車へと移送するための運搬箱コンベアプラットホームを提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項35】
ケージレベルバリヤ型ケージから取り外された後の密封された水バッグを圧縮するための圧縮装置を提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項36】
動物実験用の動物を収容するための、実験施設現場に配置された、複数のケージレベルバリヤ型のケージへ水を送出するための装置であって、この装置が、
実験施設現場における洗い場の清潔な側に配置されるべくデザインされ構成された、バッグ形成装置、を備え、
バッグ形成装置は、ケージレベルバリヤ型ケージにおいて使用するための、密封された水バッグを提供することが出来る、
ことを特徴とする装置。
【請求項37】
実験施設現場に提供される、バッグの材料をさらに備えていることを特徴とする請求項36に記載の装置。
【請求項38】
実験施設現場において、密封された水バッグのひとつと共に併用される、使い捨ての流体弁をさらに備えていることを特徴とする請求項36に記載の装置。
【請求項39】
使い捨て流体弁は、プラスチックから形成されていることを特徴とする請求項38に記載の装置。
【請求項40】
実験施設現場に配置される複数のケージレベルバリヤ型ケージを備えてなる、換気型ラック/ケージ装置をさらに備えていることを特徴とする請求項36に記載の装置。
【請求項41】
提供されたバッグの材料であるロールを取り扱う、持ち上げ装置をさらに備えていることを特徴とする請求項37に記載の装置。
【請求項42】
実験施設現場における洗い場の清潔な側に、密封された水バッグを搬送するためのコンベア装置をさらに備えていることを特徴とする請求項36に記載の装置。
【請求項43】
密封された水バッグを収容して搬送するための1又は複数の運搬箱をさらに備えていることを特徴とする請求項36に記載の装置。
【請求項44】
洗い場における清潔な側から、ケージレベルバリヤ型ケージが収容されている実験室へと、複数の運搬箱を搬送するための運搬台車をさらに備えていることを特徴とする請求項43に記載の装置。
【請求項45】
密封された水バッグを、コンベア装置から運搬台車へと移送するための運搬箱コンベアプラットホームをさらに備えていることを特徴とする請求項44に記載の装置。
【請求項46】
ケージレベルバリヤ型ケージから取り外された後の密封された水バッグを圧縮するための圧縮装置を提供する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項36に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【公表番号】特表2007−532131(P2007−532131A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508419(P2007−508419)
【出願日】平成17年4月11日(2005.4.11)
【国際出願番号】PCT/US2005/012114
【国際公開番号】WO2005/099444
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(506141616)ハイドロパック ラブ プロダクツ インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月11日(2005.4.11)
【国際出願番号】PCT/US2005/012114
【国際公開番号】WO2005/099444
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(506141616)ハイドロパック ラブ プロダクツ インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
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