説明

対話制御システム及びプログラム、並びに、多次元オントロジー処理システム及びプログラム

【課題】多次元オントロジーを利用することにより、ユーザの発言に対して対話の流れを円滑に、質問すべき事柄の重要度を刻々と変化させたりすることができる。
【解決手段】本発明は、概念や概念間の関係を示すドメイン知識を体系的に表現したオントロジーを用いてユーザに対する質問を決定して質問を行い、受け取ったユーザ回答に応じた対話を行う対話制御システムであり、1又は複数の次元別オントロジーと、基本オントロジーとを格納し、ユーザ回答の概念が条件として設定されると、この条件に合う1又は複数の次元別オントロジーを取り出し、取り出された各次元別オントロジーのうち、次元優先度に従って次元優先度の低いものから順に、各次元別オントロジーの内容を基本オントロジーに上書きして多次元オントロジーを生成し、この多次元オントロジーを用いて対話を制御することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対話制御システム及びプログラム、並びに、多次元オントロジー処理システム及びプログラムに関し、例えば、対話の中で徐々に掘り下げた質問を繰り返すことにより、利用者のニーズや価値観を引き出し、多種多様でかつ大量のサービスやコンテンツの中から、利用者のニーズや価値観にマッチするものを検索する情報検索・解析システムに適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
IT(情報技術)を通じたコミュニケーションは、将来、テキスト情報から、個人の記憶する動画像や会話、放送映像や映画映像、商品情報やセンサー情報、生産履歴や交通履歴、刻一刻と変化する地理・気候情報等の様々な情報媒体に対象を広げ、その利用局面も、情報家電、車載端末、電子タグや、公共交通機関、企業の生産・流通現場、市場の店頭等の様々な局面へとダイナミック拡大していくことが予想される。
【0003】
その契機となるのは、現在のパソコンによるホームページの中だけのテキスト中心の情報検索ではない、個人の生活、ビジネス等のあらゆる局面での新たなコミュニケーションニーズに応える次世代の情報検索・解析技術である。
【0004】
従来の情報検索・解析技術は、キーワードの入力を受け付け、ネットワーク上の情報から入力キーワードと一致する情報を検索し、ヒット件数が多い順から紹介するというのが一般的である。この他にも、入力キーワードと一緒に使われるキーワードも表示するキーワード自動拡張技術や、多くのユーザによる口コミ情報から商品等をレコメンドする技術等もある。
【0005】
しかしながら、上記のような技術によれば、当該利用者は入力キーワードを含む多くの情報を検索することができるが、これらの情報は、多くの他ユーザにより検索された結果を統計的にまとめた情報であって、当該利用者の真のニーズや希望する個別化された情報ではない。
【0006】
また、情報過多の時代において、情報量の爆発的な増加に対応しきれず、情報選択基準を見失い易くなっている人が増えているという現状がある。自らの欲する情報や行動を決めきれないという問題を抱えるユーザに対して、単なる検索だけではなく、検索に至るまでの考え方をシステムが一緒に探るという情報検索・解析技術が求められている。
【0007】
これに対して、本願発明者は、対話の中で、徐々に掘り下げた質問を繰り返すことにより、利用者のニーズや価値観を引き出すラダリング手法を活用し、利用者とシステムとが対話を繰り返すことにより、利用者が自ら表現することが困難であったサービスやコンテンツに関するニーズを引き出し、多種多様でかつ大量のサービスやコンテンツの中からこれにマッチングするものを検索する情報検索・解析技術を提案する(特願2008−036342、特願2008−036356)。
【0008】
この対話型検索システムでは、ドメイン知識に基づいて質問文を生成して利用者に提示し、利用者からの回答を意図解析によって意味レベルで解釈し、その利用者から引き出した情報及び予め検索対象解析(例えば、利用者の回答から解釈したいと解析結果)と、検索対象データを解析した結果とマッチングすることにより検索を実現している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】溝口理一郎他2名,「オントロジー工学基礎論−意味リンク、クラス、関係、ロールのオントロジー的意味論−」,人工知能学会誌,Vol.14,pp.1019−1032,1999年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、対話型検索システムにおいて、徐々に掘り下げた質問を繰り返して利用者の真のニーズや希望を引き出すためには、(1)意思決定プロセスを支援すること、(2)ユーザ本人だけでは言語化しきれていない「気付き」の促し、(3)情報の選択基準を正確に認識することが重要となる。
【0011】
つまり、対話型検索システムでは、利用者一人一人に応じたパーソナライズが動的に行われることや、利用者の発言に対して、寄り添い感を与える応答や対話の流れや、様々な状況変化に応じて質問すべき事柄の重要度は刻々と変化するから、これに応じて、質問文を提示することやマッチングを行うことが求められる。
【0012】
非特許文献1には、オントロジーの意義に関して記載されている。オントロジーとは、特定の領域についての知識、複数の領域にまたがる知識、あるいは、汎用の知識を定義し、体系化したものである。ここで、知識とは、用語・語彙とその意味、他の用語・語彙との関係を示し、領域とは、医学、工学、不動産、自動車、金融などの分野を指す。
【0013】
オントロジーは、語の概念や、語と語の関係を体系的に表現することができるので、対話型検索システムにおいては、ドメイン毎にオントロジーで記述したものを、ドメイン知識として利用することが考えられる。
【0014】
これにより、オントロジーを利用した質問文を提示することができ、またこの質問文に対する回答を関連付けることができるので、利用者の回答(入力)を理解することができたり、それまでの対話のモデル化が簡易になる。
【0015】
しかしながら、現行のオントロジーは、語の概念や語と語の関係を表す際、1つの観点からの語の概念や語と語の関係しか表現することができない。つまり、文脈すなわちコンテキストを認識して対話を制御できる体系になっていない。
【0016】
また、現行のオントロジーは、対話と検索に必要なドメイン毎の知識・情報を記述することができるが、上記のように1つの観点からしか知識の関係を表現することができないから、静的なデータとなってしまい、対話や検索のダイナミック性を記述することができないという問題が生じ得る。
【0017】
さらに、対話型検索システムでは、対話で得られる利用者のデータや状況に応じて、使用する意味空間を瞬時に切り替えることが求められるが、これを実現することができないという問題が生じ得る。
【0018】
上記のような課題を解決する方法として、ロール概念を用いて、コンテキストに依存したクラスやプロパティを表現することも考えられる。
【0019】
しかし、ロール概念は、ある概念との間で意味関係における役割を示す概念をいい、概念間の関係を示すことができても、ロール概念間の関係性を記述することができず、例えば100種類のロール概念があれば、100種類全ての関係性を独立に存在しなければならない。従って、データ作成やデータ管理の煩雑化かつ複雑化を招くという問題が生じ得る。
【0020】
本発明は、上記課題に鑑みて、多次元オントロジーを利用することにより、ユーザの発言に対して、寄り添う感を与える応答や対話の流れを円滑にしたり、ユーザの状況変化に応じて質問すべき事柄の重要度を刻々と変化させたりすることができる対話制御システム及びプログラム、並びに、多次元オントロジー処理システム及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0021】
かかる課題を解決するために、第1の本発明の対話制御システムは、概念や概念間の関係を示すドメイン知識を体系的に表現したオントロジーを用いて所定の処理を行うオントロジー処理システムであって、(1)条件の組み合わせという次元によってドメイン知識の内容が異なる1又は複数の次元別オントロジーを格納する次元別オントロジー格納手段と、(2)条件なしの時のドメイン知識の内容を有する基本オントロジーを格納する基本オントロジー格納手段と、(3)次元毎の優先度を示す次元優先度を格納する次元優先度格納手段と、(4)条件が設定されると、次元別オントロジー格納手段から設定された条件に合う1又は複数の次元別オントロジーを取り出す次元別オントロジー取出手段と、(5)取り出された各次元別オントロジーのうち、次元優先度格納手段の次元優先度に従って次元優先度の低いものから順に、各次元別オントロジーの内容を基本オントロジーに上書きして、設定された条件で使用する多次元オントロジーを生成する多次元オントロジー生成手段と、(6)多次元オントロジー生成手段により生成された多次元オントロジーを用いて所定の処理を行う処理手段とを備えることを特徴とする。
【0022】
第2の本発明のオントロジー処理プログラムは、概念や概念間の関係を示すドメイン知識を体系的に表現したオントロジーを用いて所定の処理を行うオントロジー処理プログラムであって、(1)条件の組み合わせという次元によってドメイン知識の内容が異なる1又は複数の次元別オントロジーを格納する次元別オントロジー格納手段と、(2)条件なしの時のドメイン知識の内容を有する基本オントロジーを格納する基本オントロジー格納手段と、(3)次元毎の優先度を示す次元優先度を格納する次元優先度格納手段とを備え、コンピュータを、(4)条件が設定されると、次元別オントロジー格納手段から設定された条件に合う1又は複数の次元別オントロジーを取り出す次元別オントロジー取出手段、(5)取り出された各次元別オントロジーのうち、次元優先度格納手段の次元優先度に従って次元優先度の低いものから順に、各次元別オントロジーの内容を基本オントロジーに上書きして、設定された条件で使用する多次元オントロジーを生成する多次元オントロジー生成手段、(6)多次元オントロジー生成手段により生成された多次元オントロジーを用いて所定の処理を行う処理手段として機能させることを特徴とする。
【0023】
第3の本発明の対話制御システムは、質問に用いる概念や概念間の関係を示すドメイン知識を体系的に表現したオントロジーを用いて、ユーザに対する質問を定めて質問を行い、その質問に対するユーザ回答を受け取り、そのユーザ回答に応じた対話を制御する対話制御システムであって、(1)ドメイン知識は、概念や概念間の関係、及び、次の質問に適用する概念への移行を設定する対話進行情報を有するものであり、(2)条件の組み合わせという次元によって、ドメイン知識の内容が異なる1又は複数の次元別オントロジーを格納する次元別オントロジー格納手段と、(3)条件なしの時のドメイン知識の内容を有する基本オントロジーを格納する基本オントロジー格納手段と、(4)次元毎の優先度を示す次元優先度を格納する次元優先度格納手段と、(5)ユーザ回答の概念が条件として設定されると、次元別オントロジー格納手段から条件に合う1又は複数の次元別オントロジーを取り出す次元別オントロジー取出手段と、(6)取り出された各次元別オントロジーのうち、次元優先度格納手段の次元優先度に従って次元優先度の低いものから順に、各次元別オントロジーの内容を基本オントロジーに上書きして、条件で使用する多次元オントロジーを生成する多次元オントロジー生成手段と、(7)多次元オントロジー生成手段により生成された多次元オントロジーの対話進行情報に基づいて次の質問に適用する概念を決定して、ユーザに質問を与える対話制御手段とを備えることを特徴とする。
【0024】
第4の本発明の対話制御プログラムは、質問に用いる概念や概念間の関係を示すドメイン知識を体系的に表現したオントロジーを用いて、ユーザに対する質問を定めて質問を行い、その質問に対するユーザ回答を受け取り、そのユーザ回答に応じた対話を制御する対話制御プログラムであって、(1)ドメイン知識は、概念や概念間の関係、及び、次の質問に適用する概念への移行を設定する対話進行情報を有するものであり、(2)条件の組み合わせという次元によって、ドメイン知識の内容が異なる1又は複数の次元別オントロジーを格納する次元別オントロジー格納手段と、(3)条件なしの時のドメイン知識の内容を有する基本オントロジーを格納する基本オントロジー格納手段と、(4)次元毎の優先度を示す次元優先度を格納する次元優先度格納手段とを備え、コンピュータを、(5)ユーザ回答の概念が条件として設定されると、次元別オントロジー格納手段から条件に合う1又は複数の次元別オントロジーを取り出す次元別オントロジー取出手段、(6)取り出された各次元別オントロジーのうち、次元優先度格納手段の次元優先度に従って次元優先度の低いものから順に、各次元別オントロジーの内容を基本オントロジーに上書きして、条件で使用する多次元オントロジーを生成する多次元オントロジー生成手段、(7)多次元オントロジー生成手段により生成された多次元オントロジーの対話進行情報に基づいて次の質問に適用する概念を決定して、ユーザに質問を与える対話制御手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、多次元オントロジーを利用することにより、ユーザの発言に対して、寄り添い感を与える応答や対話の流れを円滑にしたり、ユーザの状況変化に応じて質問すべき事柄の重要度を刻々と変化させたりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1の実施形態の対話型解析・検索システムの全体構成を示す全体構成図である。
【図2】多次元オントロジーの基本概念を説明する説明図である(その1)。
【図3】多次元オントロジーの基本概念を説明する説明図である(その2)。
【図4】第1の実施形態の対話制御システムの全体の流れを示すフローチャートである。
【図5】プロパティ定義(表形式)を説明する説明図である。
【図6】プロパティ定義(ネットワーク形式)を説明する説明図である。
【図7】第1の実施形態の意図解析処理を示すフローチャートである。
【図8】「サイト訪問目的」クラスのクラス定義及び異表記定義を説明する説明図である。
【図9】意図解析部が解析した意図解析結果を説明する説明図である。
【図10】第1の実施形態の対話制御処理を示すフローチャートである。
【図11】「サイト訪問目的」クラスのクラス定義及びオプション定義を説明する説明図である。
【図12】第1の実施形態のドメイン知識マネージャ*処理を示すフローチャートである。
【図13】ドメイン知識マネージャが取得したユーザデータを説明する説明図である。
【図14】次元の優先度を示す次元リストを説明する説明図である。
【図15】次元優先度定義テーブルを説明する説明図である。
【図16】多次元オントロジーの生成処理を説明する説明図である。
【図17】第1の実施形態の推論処理の際に用いる推論定義を説明する説明図である。
【図18】ドメイン知識マネージャが取得したユーザデータと推論後のユーザデータを説明する説明図である(その1)。
【図19】ドメイン知識マネージャが取得したユーザデータと推論後のユーザデータを説明する説明図である(その2)。
【図20】第1の実施形態のプロパティ定義の多次元化を行うドメイン知識マネージャが取得したユーザデータを説明する説明図である。
【図21】ベース次元のプロパティ定義を説明する説明図である。
【図22】「/人間/パーソナリティ/現在の職種=営業」次元のプロパティ定義を説明する説明図である。
【図23】「/人間/パーソナリティ/現在の職種=SE」次元のプロパティ定義を説明する説明図である。
【図24】第1の実施形態の基本質問文及びつなぎ文の多次元化を行うドメイン知識マネージャが取得したユーザデータを説明する説明図である。
【図25】各次元のプロパティ定義を説明する説明図である。
【図26】第1の実施形態の頻出表現サブルーチン定義を説明する説明図である。
【図27】頻出表現を検出した場合のユーザデータの構成を説明する説明図である。
【図28】「状態=不安」クラスのクラス定義及び受け止め文定義を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(A)第1の実施形態
以下では、本発明の対話制御システム及びプログラム、並びに、多次元オントロジー処理システム及びプログラムの第1の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0028】
第1の実施形態では、ユーザに対して質問を繰り返してユーザの真のニーズや希望を引き出すラダリングを利用した対話型解析・検索システムに本発明を適用した実施形態を例示して説明する。
【0029】
(A−1)多次元オントロジーの基本概念
まず、第1の実施形態において利用する多次元オントロジーの概念を、図面を参照しながら説明する。
【0030】
多次元オントロジーとは、多数の意味空間を多次元化して保持し、対話で得られるユーザのデータ又は対象データ/状況に応じて、使用する意味空間を瞬時に切り替えることができるオントロジーをいう。
【0031】
上述したように、現行のオントロジーは、ある1つの観点からしか語の概念や語と語の関係を表現していないので、現行のオントロジーを対話型検索システムに利用しても、静的なデータしか得られない。
【0032】
そこで、第1の実施形態では、オントロジーを多次元化して保持できるようし、さらにユーザから引き出した情報が変化するたびに次元間を自動的に移動する仕組みを提案する。
【0033】
これにより、対話で得られるユーザデータや状況に応じて瞬時に、意味空間を切り替えたり、対話のための情報を切り替えることができ、対話や検索がもつダイナミック性をシステムとして実現できる。また、次元間でデータを継承できるようにすることで、記述性とその省力性(最小限の記述)を同時に実現した。多次元化の最大の特徴である記述したいところだけを詳細に記述することができる。
【0034】
図2及び図3は、多次元オントロジーの基本概念を説明する説明図である。図2及び図3では、第1の実施形態の対話型検索・解析システム1を職業紹介システムに利用した場合を例示する。
【0035】
図2及び図3に示すように、多次元オントロジーは、それぞれプロパティが設定されている次元が、優先度に従って位置づけされており、ベースの次元と、ベース以外の特別な次元(以下、サブ次元という)とを有して構成される。
【0036】
ベースの次元及びサブ次元には、それぞれ様々なオントロジーが定義されている。ベースの次元とは、最も優先度が低い次元であり、サブ次元に定義される全てのクラス及びプロパティが定義されているものである。また、サブ次元は、それぞれ必要なクラス及びプロパティだけが定義されており、条件の数が多いものほど優先度が高くなる。なお、条件の数が同数の場合には、例えば、開発者により予め優先度付けしておく。
【0037】
例えば、図2及び図3では、ベースの次元を含めて6次元オントロジーを例示する。「業種=IT」のサブ次元、「職種=営業」のサブ次元、「職種=SE」のサブ次元はそれぞれ、条件が1個であり、条件数が同数であるが、「業種=IT」のサブ次元、「職種=営業」のサブ次元、「職種=SE」のサブ次元の順に優先度を高く設定したものとする。
【0038】
また「職種=営業&&業種=IT(この表記は「職種が営業であり、かつ、業種がITである」ことを示す、以下同様である)」のサブ次元、「職種=SE&&業種=IT」サブ次元はそれぞれ条件が2個であり、条件数が同数であるが、「職種=営業&&業種=IT」のサブ次元、「職種=SE&&業種=IT」の順に優先度を高く設定したものとする。
【0039】
従って、これらの次元を重ねると、「ベースの次元」は優先度が最も低いので、次元の優先度は、「ベースの次元」→「業種=IT」のサブ次元→「職種=営業」のサブ次元→「職種=SE」のサブ次元→「職種=営業&&業種」のサブ次元→「職種=SE&&業種=IT」サブ次元の順に高くなる。
【0040】
また、図2及び図3において、各サブ次元上の丸は、各サブ次元で定義されているクラス及びプロパティを示す。
【0041】
図2は、ユーザが「何も(データを)取得していない時」を示す。この場合、まだ対話が進行していない。このとき、ベース次元に定義されているクラス及びプロパティ(図2には図示しない)を用いて対話進行する。
【0042】
対話が進行して、ユーザが「業種=IT」とする条件を取得したとする。この場合、図3に示すように、適用される次元は「業種=IT」のサブ次元となり、この「業種=IT」のサブ次元に定義されているクラス及びプロパティを用いた対話に切り替る。
【0043】
さらに対話が進行して、ユーザが「職業=営業かつ業種=IT」とする条件を取得したとする。この場合、図3に示すように、適用される次元は「職種=営業&&業種=IT」のサブ次元となり、この「職種=営業&&業種=IT」のサブ次元に定義されているクラス及びプロパティを用いた対話に切り替る。
【0044】
ここで、対話に適用された次元は、「業種=IT」と「職業=営業かつ業種=IT」の2個のサブ次元であり、適用された各サブ次元のクラス及びプロパティは、ベースの次元に上書きされて継承される。このとき、優先度の高いサブ次元のクラス及びプロパティが記憶されるように、優先度が低いサブ次元から順に継承される。つまり、ベースの次元には、「業種=IT」のサブ次元のクラス及びプロパティが記憶されてから、「職業=営業かつ業種=IT」のサブ次元のクラス及びプロパティが上書きされる。
【0045】
このように多次元オントロジーを用いることにより、次元間でデータを継承することができる。
【0046】
(A−2)第1の実施形態の構成
以下では、第1の実施形態の対話型解析・検索システムの全体構成について、図1を参照しながら説明する。
【0047】
図1において、第1の実施形態の対話型解析・検索システム1は、対話管理部10、意図解析部20、ドメイン知識管理部30、マッチング部40、マッチング対象分析部50を少なくとも有して構成される。
【0048】
対話型解析・検索システム1は、ユーザにデータを提供するデータ提供サーバ80と接続しており、データ提供サーバ80が保持する対象データを取得し、マッチング対象分析部50の拡張対象データ54に格納する。
【0049】
ユーザは、ブラウザ90を用いてWebサーバ70にアクセスすることで、対話型解析・検索システム1を起動させる。なお、ユーザ側のインターフェースとしては、通信機能を有するPCや携帯端末や専用端末など広く適用することができるが、ユーザが発した音声をテキスト変換する音声合成・認識部等を備えるようにしてもよい。
【0050】
対話管理部10は、検索を希望するユーザとの間の対話進行を管理するものであり、対話進行を制御する対話制御部11を有する。
【0051】
対話制御部11は、ドメイン知識管理部30から多次元オントロジーを受け取り、この多次元オントロジーに基づいて、対話進行に係る質問文(システム発話文ともいう)を作成するものである。
【0052】
また、対話制御部11は、質問文に対するユーザからの回答文(ユーザ発話文ともいう)を意図解析部20に与えてユーザ発話文の内容を解析させるものである。なお、対話制御部11は、ユーザ発話文の意図解析結果を受け取ると、そのユーザ発話文の意図解析結果をユーザデータとして、マッチング対象分析部50の拡張ユーザデータ53に格納する。
【0053】
さらに、対話制御部11は、意図解析部20から意図解析結果を受け取ると、その意図解析結果をドメイン知識管理部30に与えて、対話進行に利用する多次元オントロジーを生成させ、ドメイン知識管理部30からの多次元オントロジーを利用して、次の質問文を決定して対話を進行させる。
【0054】
また、対話制御部11は、マッチング部40に対してユーザのデータと対象データとのマッチングを指示するものである。このマッチングを指示するタイミングは、例えば、ユーザからのマッチング指示を受けたときや、各質問文に対する回答文が得られたときや、全ての質問項目が終了したときなどと種々のタイミングを設定することができる。
【0055】
意図解析部20は、対話制御部11から取得した質問文に対してユーザが回答したユーザ発話文を受け取り、ユーザ発話文の内容を解析するものである。また、意図解析部20は、解析した意図解析結果をオントロジー形式にして対話制御部11に与える。意図解析部20は、意図解析実行部21、意図解析用辞書22を有する。
【0056】
意図解析実行部21は、意図解析用辞書22を参照して、ユーザ発話文に対して形態素解析を行う形態素解析部211と、意図解析用辞書22を参照して、ユーザ発話文に対して構文解析を行う構文解析部212を有する。
【0057】
意図解析実行部21は、ユーザ発話文に対して形態素解析や構文解析を行うことで、ドメイン知識DB32のプロパティ定義に定義されるクラスを取得し、取得したクラスをドメイン知識管理部30に与える。
【0058】
意図解析用辞書22は、ユーザ発話文の内容を解析するための辞書群であり、例えば、形態素辞書(例えば、日本語形態素辞書)、構文辞書(例えば、日本語構文辞書)、ベース次元及び各次元のクラス定義から自動生成されたドメイン知識辞書等が該当する。
【0059】
ドメイン知識管理部30は、ドメイン毎の多次元オントロジーを知識とするドメイン知識を管理するものである。ドメイン知識管理部30は、ドメイン知識マネージャ31、ドメイン知識DB32を有する。
【0060】
ドメイン知識DB32には、多次元オントロジーを構築するためのベース次元及び各次元のプロパティ定義及びクラス定義及び推論定義、多次元オントロジーを構成するための次元の条件、次元の条件の優先度を定義する次元優先度定義テーブル、生成された多次元オントロジーを格納するものである。
【0061】
ドメイン知識マネージャ31は、対話制御部11から意図解析結果を受け取り、意図解析結果から特徴を抽出して、ドメイン知識DB32のプロパティ定義及び次元優先度定義テーブルを参照しながら、多次元オントロジーを生成するものである。ドメイン知識マネージャ31は、生成した多次元オントロジーをドメイン知識DB32に格納するものである。
【0062】
ドメイン知識管理部30のドメイン知識マネージャ31は、特徴抽出部311、条件照合部312、多次元オントロジー生成部313を有する。
【0063】
特徴抽出部311は、ユーザ発話文の内容を解析した意図解析結果に、次元の条件となる特徴(次元条件にあたる値)がセットされているか否かを確認し、セットされている場合には、その特徴を抽出するものである。
【0064】
ここで、ユーザデータ管理部51が管理するユーザデータDB53は、対話制御部11がユーザ発話から得られたユーザ情報を格納するものである。このユーザデータDB53には、ユーザ情報の格納場所(格納位置)を示すユーザデータパスと、ユーザ情報の値を示すユーザデータクラス名とを保持する。
【0065】
条件照合部312は、特徴抽出部311が抽出した次元の値と次元優先度定義テーブルの内容を照合するものである。
【0066】
多次元オントロジー生成部313は、次元優先度定義テーブルの優先度に従って、次元別オントロジーを基本オントロジーに重ねて、多次元オントロジーを生成するものである。
【0067】
マッチング部40は、ユーザデータ管理部51に格納されるユーザデータと、対象データ管理部50に格納される対象データとのマッチングを行い、ユーザが希望する条件のマッチングを行うものである。
【0068】
マッチング部40は、対話制御部11から受け取った多次元オントロジーをマッチャー42に与えたり、マッチャー42によりマッチングされた情報を対話制御部11に与えたりするマッチングマネージャ41と、ユーザデータと対象データとのマッチング処理を行うマッチャー42とを有する。
【0069】
マッチング対象分析部50は、マッチング対象とするユーザデータや対象データを格納するものであり、マッチングしやすい形に拡張し、拡張したユーザデータ及び対象データを格納するものである。マッチング対象分析部50は、ユーザデータ管理部51、対象データ管理部52、拡張ユーザデータ53、拡張対象データ54を有する。
【0070】
(A−3)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態の対話型解析・検索システム1における対話制御システムの動作について図面を参照しながら説明する。
【0071】
(A−3−1)全体動作
まず、対話型解析・検索システム1における対話制御の全体の流れについて図面を参照しながら説明する。
【0072】
図4は、対話型解析・検索システム1の対話制御の全体の流れを示すフローチャートである。
【0073】
対話型解析・検索システム1を利用するユーザは、ブラウザ90を用いて指定のURLにアクセスし、Webサーバ70を通じて対話型解析・検索システム1を起動する。
【0074】
対話型解析・検索システム1が起動すると、対話制御部11が、ドメイン知識マネージャ31を通じて、ドメイン知識DB32に格納されるプロパティ定義を参照し、現在のポインタを定義域に持つプロパティで最も優先度が高いプロパティを選択する。
【0075】
ここで、図5は、プロパティ定義の構成を示す構成図であり、図6は、プロパティ定義の一部をネットワーク形式で示した図である。
【0076】
図5に示すプロパティ定義は、多次元のベースとなるプロパティ定義の例であり、例えば、「人間」を頂点として、各クラスのプロパティ関係を記述したものである。また、各プロパティが有する対話戦略やシステム発話に関するオプション情報を記述し、システムがどのような質問をどの順番でするかを規定する。
【0077】
図5において、プロパティ定義は、定義域、プロパティ、値域、オプション情報の項目を有する。また、オプション情報には、必須の質問かどうかを決定する度合いを示す重要度、質問の順序(すなわち対話の流れ)を決定する度合いを示す優先度が設けられている。
【0078】
さらに、オプション情報には、システム1が生成する基本質問文が定義されている。なお、図5には、オプション情報には、質問文の前に生成するつなぎ文、意図解析結果に基づき生成する各種受け止め文など、システムが円滑に対話を進行するための各種機能が定義されている。
【0079】
なお、オプション情報に記述される例文の種類としては、例えば、開始文、感情受け止め文、プロパティ受け止め文、オントロジー受け止め文、推論受け止め文、推論ルール受け止め文、頻出表現受け止め文、ユーザデータ受け止め文、選択肢受け止め文、説明文、つなぎ文、質問文、終了文等がある。例えば、オントロジー受け止め文は、図16の(A)に見ることができ、ここでは「営業」クラスに対して、「営業のお仕事をされているんですね。」という値がセットされている。
【0080】
また、オプション情報には、プロパティの種類が記述されており、例えば、グループ、取得対象がある。なお、ここではプロパティの種類を2種類の場合を例示したが、これに限定されることなく、設定することができる。
【0081】
プロパティの種類が「取得対象」の場合、ドメイン知識マネージャ31は、基本質問文の項目に設定されている基本質問文を対話制御部11に与え、対話制御部11が、これをシステム発話文としてWebサーバ70を通じてユーザ側に送信する。
【0082】
一方、プロパティの種類が「グループ」の場合、ドメイン知識マネージャ31は、その値域クラスを定義域に持つプロパティを探索して選択する。このとき、この値域クラスを定義域とするプロパティが複数個ある場合、ドメイン知識マネージャ31は、オプション情報の優先度を見て、最も優先度が高いプロパティを選択するようにする。そして、この選択したプロパティが「取得対象」ならば、ドメイン知識マネージャ31は、その基本質問文を対話制御部11に与えて、対話制御部11が、これをシステム発話文としてユーザ側に送信する。
【0083】
このように、プロパティの種類がグループの場合に、優先度を利用することで、値域クラスを定義域に持つプロパティへの移行を実現することができる。
【0084】
図6は、図5に示すプロパティ定義の一部をネットワーク形式に展開した構成図である。
【0085】
図6において、丸はクラス(すなわち、図5の定義域及び値域)を示し、クラスとクラスとの間を結ぶ線はプロパティを示す。
【0086】
例えば、図6おいて、「人間」を頂点とし、プロパティを「パーソナリティ」とする場合の値域は「パーソナリティ」であり、プロパティを「強み」とする場合の値域は「仕事に活かせる強み」であり、プロパティを「転職をしようと思ったきっかけ」とする場合の値域は「転職理由」であり、プロパティを「仕事の経験」とする場合の値域は「現在の仕事」である。
【0087】
また、例えば、「パーソナリティ」を定義域とする場合にも、上記と同様に、例えばプロパティを「サイト訪問目的」とする場合の値域は「サイト訪問目的」である等の関係を持つ。また、「パーソナリティ」と「サイト訪問目的」等とはhas partの関係にあり、「サイト訪問目的」とユーザの回答である「適職を知りたい」とはis Aの関係にある。
【0088】
システム開始時の場合、プロパティ定義では、初期値として選択する定義域が設定されている。図5の第1段目の定義域クラス「人間」に対してポインタが設定されている。
【0089】
従って、ドメイン知識マネージャ31は、初期のポインタが指す定義域クラス「人間」のプロパティで最も優先度の高い「パーソナリティ」とする場合の値域クラス「パーソナリティ」を見る。
【0090】
このとき、この値域クラス「パーソナリティ」のプロパティの種類は「グループ」であるから、ドメイン知識マネージャ31は、値域クラス「パーソナリティ」を定義域とするプロパティのうち、優先度が最も高い定義域クラス「パーソナリティ」−プロパティ「サイト訪問目的」−値域クラス「サイト訪問目的」のプロパティに選択する。
【0091】
そして、ドメイン知識マネージャ31は、このプロパティの基本質問文である「このサイトに来た目的を教えて下さい」を対話制御部11に与えて、対話制御部11がこの基本質問文をシステム発話としてユーザ側に送信する。このようにして、システムからの質問を開始する(ステップS101)。
【0092】
このシステム発話文を受信したユーザは、例えば「自分の適職が何かを知りたいので」と回答し、これを回答文としてWebサーバ70を通じて対話制御部11に送信する(ステップS102)。
【0093】
対話制御部11は、ユーザ発話文を受信すると、このユーザ発話文を意図解析部20に与える。意図解析部20では、意図解析実行部21が、意図解析用辞書22を用いて、ユーザ発話文に対して、形態素解析や構文解析を行い、その結果「適職を知りたい」というユーザの意図を解析し、その意図解析結果を対話制御部11に与える(ステップS103)。
【0094】
このとき、意図解析部20の意図解析結果は、ドメイン知識マネージャ31に与えられ、ドメイン知識マネージャ31により多次元オントロジーが生成され、生成された多次元オントロジーがドメイン知識DB32に記憶される。
【0095】
対話制御部11は、意図解析部20からの意図解析結果を受け取ると、ドメイン知識マネージャ31に対して次の質問の問い合わせを行い、次の質問を決定する(ステップS104)。
【0096】
このとき、ドメイン知識マネージャ31は、プロパティ定義を参照し、値域クラス「サイト訪問」の次に優先度が高い、定義域クラス「パーソナリティ」−プロパティ「現在の職種」−値域クラス「職種」に移行して、基本質問文「現在のあなたの職種は何ですか?」を対話制御部11に与え、対話制御部11がこれをシステム発話文として決定してユーザ側に送信する(ステップS105)。
【0097】
このように、次の質問文の提示とユーザからの回答文の受信とを繰り返し行うことで、システムとユーザとの間の対話が実現される。
【0098】
なお、ステップS104において、次の質問が決定されなかった場合、すなわち全ての質問が終了した場合、システム動作は終了する。
【0099】
(A−3−2)意図解析処理
次に、図4のステップS104における意図解析処理の詳細な動作について、図面を参照しながら説明する。
【0100】
図7は、意図解析処理の詳細な動作を示すフローチャートである。
【0101】
ユーザ発話文を受信した対話制御部11は、このユーザ発話文を意図解析部20に与え(ステップS201)、意図解析実行部21がこのユーザ発話文を意図解析する。
【0102】
例えば、値域クラス「サイト訪問目的」に対するユーザ回答文が「自分の適職が何かを知りたいので」とする。
【0103】
まず、意図解析実行部21では、ユーザ発話文に対して文単位で区切り、日本語文区切りを行い(ステップS202)、形態素解析部211が、意図解析用辞書22の日本語形態素辞書を用いて、ユーザ発話文に対して形態素解析を行う(ステップS203)。
【0104】
次に、構文解析部212が、意図解析辞書22の日本語構文辞書を参照しながら、形態素解析結果を用いて構文解析を行う(ステップS203)。
【0105】
意図解析実行部21は、意図解析用辞書22の日本語構文辞書及びドメイン知識辞書を用いて、構文解析部212による構文解析結果から意図解析を行う(ステップS205)。
【0106】
ここで、ドメイン知識辞書には、事前にクラスとその異表記に関する情報(異表記定義ともいう)が、例えば図8に示すクラス定義及び異表記定義から予め自動生成されて、格納されている。
【0107】
図8は、ドメイン知識辞書に格納されるクラス定義及び異表記定義の構成例を示す。図8は、クラスと異表記とを対応関係を持たせた形式で表記している。
【0108】
図8に示すように、例えば、ドメイン知識辞書には、プロパティ「サイト訪問目的」−値域クラス「サイト訪問目的」の配下にあるクラスとしてクラス「適職が知りたい」が定義されており、このクラスの異表記「適職+知る|自分に合った職業+知る」が定義されている(|は「又は」を意味する)。
【0109】
意図解析実行部212は、ドメイン知識辞書を参照して、値域クラス「サイト訪問目的」に対するクラスを構文解析結果から取得する。例えば、ドメイン知識辞書のクラス定義として「適職が知りたい」がある場合、このクラス「適職が知りたい」を取得する。
【0110】
さらに、意図解析実行部212は、プロパティ「サイト訪問目的」−クラス「適職が知りたい」を、図9に示すようにオントロジー形式にして対話制御部11に与えて(S206)処理を終了する。
【0111】
(A−3−3)対話制御処理
次に、図4のステップS105における対話制御処理の詳細な動作について、図面を参照しながら説明する。
【0112】
図10は、対話制御処理の詳細な動作を示すフローチャートである。
【0113】
意図解析部20による意図解析結果は、対話制御部11に与えられる(ステップS301)。
【0114】
例えば、意図解析結果はオントロジー形式のものであり、例えば、プロパティ「サイト訪問目的」−クラス「適職が知りたい」の場合、「/人間/サイト訪問目的=適職が知りたい」という意図解析結果が与えられる。
【0115】
対話制御部11は、この意図解析結果をユーザデータ管理部51の拡張ユーザデータ53に格納する(ステップS302)。
【0116】
また、対話制御部11は、意図解析結果を、ドメイン知識マネージャ31に与える。ドメイン知識マネージャ31は、ドメイン知識DB32に格納されているクラス「適職が知りたい」のクラス定義を取得する。
【0117】
そして、ドメイン知識マネージャ31は、このクラス定義のオプション情報として、オントロジー受け止め文(以下、単に受け止め文という)が記述されているか否かを判断し、記述されている場合には、その受け止め文を対話制御部11に与え、対話制御部11がユーザ側に受け止め文を送信する(ステップS303)。
【0118】
ここで、受け止め文は、ユーザからの回答に対して何らかの受け止めを行うための文である。これは、従来の対話型検索システムの場合、ユーザが発話した内容をシステムが正しく理解できているのかどうか不安にさせることがある。そのため、ユーザに安心感をもってもらうために、クラス定義のオプション情報としてクラスに対応した受け止め文を定義する。
【0119】
図11は、オプション定義をしたクラス定義の構成を示す構成図である。図11は、プロパティ「サイト訪問目的」−クラス「適職が知りたい」の場合のクラス定義を例示する。図11では、プロパティ「サイト訪問目的」−クラス「適職が知りたい」に対して、「自分自身を再確認したいのですね。」が受け止め文として定義されている。
【0120】
ドメイン知識マネージャ31は、図11に例示するクラス定義を取得すると、オプション情報に受け止め文が定義されているので、この場合、受け止め文「自分自身を再確認したいのですね。」を対話制御部11に与え、対話制御部11がこの受け止め文をシステム発話文としてユーザに出力する。
【0121】
さらに、意図解析結果である「/人間/サイト訪問目的=適職が知りたい」に関する推論データが存在する場合、対話制御部11は、その推論データについて推論処理を行う(ステップS304)。この推論処理の詳細については後述する。
【0122】
次に、対話制御部11は、現在のポインタが定義域クラス「パーソナリティ」−値域クラス「サイト訪問目的」であることをドメイン知識マネージャ31に与える。ドメイン知識マネージャ31は、現在のポインタが指している定義域クラス「パーソナリティ」のプロパティのうち、次に優先度が高いプロパティ「現在の職種」を次の質問対象として選択する(ステップS305)
このとき、プロパティ「現在の職種」のオプション情報としてつなぎ文が記述されている場合、ドメイン知識マネージャ31は、このつなぎ文を対話制御部11に与えて、対話制御部11が、つなぎ文をユーザに出力する(ステップS306)。なお、プロパティ「現在の職種」には、つなぎ文が記述されていないので、この場合、つなぎ文の出力をしない。
【0123】
そして、つなぎ文の出力後、対話制御部11は、次に優先度が高いプロパティ「現在の職種」の基本質問文をユーザに出力する(ステップS307)。
【0124】
上記のように、システム発話文は、「受け止め文」−「つなぎ文」−「基本質問文」の順番で発話される。また、「受け止め文」、「つなぎ文」は種々の内容のものを複数発話させるようにしても良い。このような順序でシステムが発話させることで、システムが理解できていることをユーザに示すことができ、ユーザに対する安心感を持たせ、かつ、寄り添い感をユーザに与えながら対話を進行させることができる。
【0125】
(A−3−4)オントロジー受け止め文出力処理
次に、多次元オントロジーを用いたドメイン知識マネージャ31の処理について説明する。
【0126】
第一は、図10のステップS303における、ドメイン知識マネージャ31が対話制御部11に出力する受け止め文出力処理の詳細について図面を参照しながら説明する。
【0127】
図12は、ドメイン知識マネージャ31における受け止め文出力処理の動作を示すフローチャートである。
【0128】
ドメイン知識マネージャ31は、対話制御部11から意図解析結果を受け取る。また、ドメイン知識マネージャ31は、当該ユーザのユーザデータをユーザデータ管理部51から取得する(ステップS401)。
【0129】
例えば、対話制御部11からの意図解析結果が、「/人間/パーソナリティ/現在の職種=営業」とする。
【0130】
また、ユーザデータ管理部51からの当該ユーザのユーザデータが、図13に示す内容であるとする。図13に示すように、ユーザデータは、オントロジー形式で記述されている。図13の場合、当該ユーザのユーザデータとしては、プロパティ「ニックネーム」のクラスがクラス「○ちゃん」であり、同様に、プロパティ「転職活動のステージ」−クラス「履歴書送付」、プロパティ「ライフイベント」−クラス「リストラ・倒産」、プロパティ「現在の業種」−クラス「医薬品」、プロパティ「現在の職種」−クラス「営業」であるとする。
【0131】
なお、ユーザデータは、説明便宜上のため、ユーザの回答から得られたプロパティに対するクラスをデータとする場合を示すが、例えば、ユーザの回答クラスから推論された新たなクラスをデータとする等、ユーザデータを拡張した内容であってよい。
【0132】
ドメイン知識マネージャ31の特徴抽出部311が、ユーザデータと、ドメイン知識DB32に登録されている全ての次元の条件と照合し、条件に合う次元条件を抽出する(ステップS402)。つまり、特徴抽出部311は、ユーザデータに全ての次元の条件となる値が含まれているか否かを確認し、条件となる値がある場合には、その次元の条件となる値を抽出する。
【0133】
例えば、ドメイン知識DB32に格納されている次元の条件として、「/人間/パーソナリティ/現在の職種=営業」、「/人間/パーソナリティ/現在の業種=医薬品」、「/人間/パーソナリティ/ライフイベント=リストラ・倒産&&/人間/パーソナリティ/現在の職種=営業」があるとする。
【0134】
特徴抽出部311は、上記のような次元の条件とマッチングして、「/人間/パーソナリティ/現在の職種=営業」、「/人間/パーソナリティ/現在の業種=医薬品」、「/人間/パーソナリティ/ライフイベント=リストラ・倒産&&/人間/パーソナリティ/現在の職種=営業」という特徴をユーザデータから抽出する。
【0135】
次に、条件照合部312は、特徴抽出部311が抽出した次元の条件となる値を、所定の優先度の高い順に並べ替え(ステップS403)、次元の条件となる値の有無を確認して、次元優先度定義テーブルに格納する(ステップS404)。
【0136】
このとき、例えば、次元の条件の数が多いものを優先度が高くする。また、次元の条件の数が同じ場合には、事前に次元毎の優先度を設定しておき、この優先度に基づいて並べ替えをする。
【0137】
例えば、特徴抽出部311が抽出した次元の条件の値のうち、「/人間/パーソナリティ/ライフイベント=リストラ・倒産&&/人間/パーソナリティ/現在の職種=営業」は条件数が2個であるから、最も優先度が高い。
【0138】
次に、「/人間/パーソナリティ/現在の職種=営業」と「/人間/パーソナリティ/現在の業種=医薬品」とは、次元の条件の数が1個であり、同数である。
【0139】
そこで、条件照合部312は、例えば、図14に示す次元リストを参照して、各次元の条件の値の優先度を確認し、この次元リストに従って各次元の条件の値をソートする。
【0140】
図14の次元リストでは、上に記述されているものほど優先度が高い。例えば、「/人間/パーソナリティ/ライフイベント」は、「/人間/パーソナリティ/現在の職種」よりも優先度が高い。また、次元を表すパスが同じ場合、「/人間/パーソナリティ/現在の職種=営業」は、「/人間/パーソナリティ/現在の職種=SE」よりも優先度が高い。
【0141】
従って、「/人間/パーソナリティ/現在の職種=営業」と「/人間/パーソナリティ/現在の業種=医薬品」について、条件照合部312は、「/人間/パーソナリティ/現在の職種=営業」が「/人間/パーソナリティ/現在の業種=医薬品」より優先度が高くなるように並べ替える。
【0142】
その結果、図15に示すように、「/人間/パーソナリティ/ライフイベント=リストラ・倒産&&/人間/パーソナリティ/現在の職種=営業」、「/人間/パーソナリティ/現在の職種=営業」、「/人間/パーソナリティ/現在の業種=医薬品」の順にソートされる。
【0143】
次に、多次元オントロジー生成部313は、次元優先度定義テーブルの優先度に従って、次元別オントロジーを基本オントロジーに重ね合わせて多次元オントロジーを生成する(ステップS405)。
【0144】
図16は、多次元オントロジーの生成処理を説明する説明図である。図16(A)は、ベース次元に定義されている職種クラス及びクラスオプションを示す。図16(B)は、「業種クラス=医薬品」の次元の職種クラス及びクラスオプションの定義を示す。
【0145】
多次元オントロジー生成部313は、図16(A)のベース次元に定義されている職種クラス及びクラスオプションに対して、図16(B)の「業種=医薬品」の次元の職種クラス及びクラスオプションの内容を上書きする。
【0146】
このとき、図16(A)のベース次元の職種クラスでは、クラス「職種」−クラス「営業」のオプションの受け止め文が「営業のお仕事をされているんですね。」定義されているが、ステップS405の上書きにより、クラス「職種」−クラス「営業」のオプションの受け止め文が「競争の激しい業界でも営業は大変でしょう。」に書き換えされる。
【0147】
このように、多次元オントロジーによれば、ベース次元に定義されるクラスオプション定義の内容を変更することができる。これにより、例えばユーザの職種などに応じて適切な受け止め文を出力することができる。
【0148】
多次元オントロジー生成部313は、生成した多次元オントロジーを対話制御部11に出力する(ステップS406)。なお、この生成された多次元オントロジーは、ドメイン知識DB32に格納される。
【0149】
(A−3−5)推論処理
第二に、図10のステップS304における、ドメイン知識マネージャ31が対話制御部に出力する推論処理の詳細について、図面を参照しながら説明する。
【0150】
ここでの推論処理とは、ユーザから直接得られた回答から別の値を推論することを意味する。一般に、ある値から別の値を推論する場合、その1つの値だけでなく、それに関係する別の値に鑑みて推論しなければ、適切な推論結果を得られることはできない。そこで、第1の実施形態では、このような複数の回答結果を条件とする処理を、多次元オントロジーを用いて行う。
【0151】
この推理処理(推論定義の多次元化処理)は、図10及び図12を用いて説明できるので、図10及び図12を参照しながら説明する。
【0152】
図17は、ドメイン知識DB32に定義されている推論定義の構成を説明する説明図である。
【0153】
例えば、図17(A)は、「/人間/パーソナリティ/現在の会社形態=外資系」の次元の推論定義であり、推論処理を行う定義域は「/人間/パーソナリティ/現在の職種」であり、推論により渡される値域は「/人間/強み/コンピテンシー」である。
【0154】
図17(A)において、現在の職種が「SE」の場合と「営業」の場合の、「ITスキル」、「英語力」、「交渉力」の推定値が定義されている。
【0155】
例えば、外資系に勤務しているユーザの現在の職種が「SE」の場合には、ITスキルや英語力は高いと考えられるので、「ITスキル=0.7」、「英語力=0.8」と高い推定値を設定する。その一方で、交渉力についてはそれほど高くないと考えられるので、「交渉力=0.2」と低めの推定値を設定する。
【0156】
同様にして、外資系に勤務しているユーザの現在の職種が「営業」の場合には、英語力や交渉力は高いと考えられるので、例えば「英語力=0.9」、「交渉力=0.6」と高い推定値を設定する。その一方で、ITスキルについてはそれほど高くないと考えられるので、「ITスキル=0.1」と低めの推定値を設定する。
【0157】
また図17(B)は、「/人間/パーソナリティ/現在の会社形態=ベンチャー系」の次元の推論定義であり、推論処理を行う定義域は「/人間/パーソナリティ/現在の職種」であり、推論により渡される値域は「/人間/強み/コンピテンシー」とする。
【0158】
例えば、ベンチャー企業に勤務しているユーザの現在の職種が「SE」の場合には、ITスキルや交渉力は高いと考えられるので、「ITスキル=0.9」、「交渉力=0.7」と高い推定値を設定する。その一方で、英語力についてはそれほど高くないと考えられるので、「英語力=0.2」と低めの推定値を設定する。
【0159】
同様にして、ベンチャー企業に勤務しているユーザの現在の職種が「営業」の場合には、交渉力はきわめて高いと考えられるので、例えば「交渉力=0.9」と高い推定値を設定する。その一方で、ITスキルや英語力についてはそれほど高くないと考えられるので、「ITスキル=0.2」、「英語力=0.3」と低めの推定値を設定する。
【0160】
また、図17(C)は、ベース次元の推論定義であり、推論処理を行う定義域は「/人間/パーソナリティ/現在の職種」であり、推論により渡される値域は「/人間/強み/コンピテンシー」とする。
【0161】
図17(C)のベース次元の推論定義は、例えば現在の職種「SE」、「営業」…に対するITスキル、英語力、交渉力…の推定値はそれぞれ「0.5」と設定されている。
【0162】
ドメイン知識マネージャ31は、「/人間/パーソナリティ/現在の職種=営業」という意図解析結果として図18(A)に示すユーザデータを取得したとする(S401)。ドメイン知識マネージャ31は、(A−3−4)で説明した対話制御処理と同様に、次元条件と拡張ユーザデータと照合し(S402)、次元の条件を優先度順に並べ替える(S403)。
【0163】
次に、ドメイン知識マネージャ31は、「/人間/パーソナリティ/現在の職種=営業」を定義域にもつ推論定義のみを抽出し(S404)、それらの推論定義を次元優先度定義テーブルの優先度順に従って、次元別のオントロジー(ここでは推論定義)を、ベースの次元のオントロジーに重ねて(S405)、多次元オントロジー(推論定義)を生成する(S406)。
【0164】
ここでは、図18(A)のユーザデータより、図17(A)の「/人間/パーソナリティ/現在の会社形態=外資系」次元の推論定義を、図17(C)のベース次元の推論定義に上書きして、多次元オントロジーを生成する。これにより、図17(A)とまったく同じ内容の推論定義をドメイン知識DB32から対話制御部11に渡される。
【0165】
対話制御部11は、意図解析結果が「/人間/パーソナリティ/現在の職種=営業」なので、図17(A)の推論定義を参照して、外資系に勤務する「現在の職種=営業」である場合の推定値が所定の閾値(例えば0.6)以上である推定値を抽出する。
【0166】
例えば、この場合、「英語力=0.9」、「交渉力=0.6」を抽出する。対話制御部11は、各推定値が閾値(例えば、0.6)以上であるものは、当該ユーザの仕事に活かせる強みであると推定し、図18(B)に示すように、プロパティ「コンピテンシー」に対するクラスとしてクラス「英語力、交渉力」を生成して、ユーザデータに格納する。
【0167】
また同様に、ドメイン知識マネージャ31が「/人間/パーソナリティ/現在の職種=営業」の意図解析結果として図19(A)に示すユーザデータを取得したとする。図19(A)のユーザデータより、「/人間/パーソナリティ/現在の会社形態=ベンチャー系」であるため、推論定義対する多次元オントロジーの生成処理(S405)により、図17(B)の推論定義を生成する。
【0168】
そして、対話制御部11は、「/人間/パーソナリティ/現在の職種=営業」の意図解析結果から、図17(B)の推論定義を参照して、外資系に勤務する「現在の職種=営業」である場合の推定値が所定の閾値(例えば0.6)以上である推定値を抽出する。
【0169】
例えば、この場合、「交渉力=0.9」を抽出する。推定部33は、各推定値が閾値(例えば、0.6)以上であるものは、当該ユーザの仕事に活かせる強みであると推定し、図19(B)に示すように、プロパティ「コンピテンシー」に対するクラスとしてクラス「交渉力」を生成して、ユーザデータに格納する。
【0170】
なお、推論結果がクラスとして生成し、ユーザデータに格納されるので、推論結果としてのクラス定義のオプションに受け止め文が定義されている場合には、ドメイン知識マネージャ31は、その受け止め文(推論受け止め文)が対話制御部11に与え、対話制御部11がユーザに送信する。
【0171】
(A−3−6)プロパティ定義による質問の多次元化処理
第三は、ドメイン知識マネージャ31が、プロパティ定義を多次元化する処理について図面を参照しながら説明する。
【0172】
このプロパティ定義の多次元化処理は、図10及び図12を用いて説明できるので、ここでも図10及び図12を参照して説明する。
【0173】
例えば、ユーザの現在の職種が「SE」の場合と「営業」の場合とで、次に聞くべき質問が違ってくるが、多次元オントロジーでは、質問を変えたい職種毎に次元を複数定義しておき、職種が判明した時点で参照するプロパティ定義を切り替え、ユーザの職種に応じた適正な質問を行うことができる。
【0174】
まず、対話制御部11は、現次元における次のプロパティを決定するために、ドメイン知識マネージャ31に定義域クラスを与える。また、ドメイン知識マネージャ31は、当該ユーザのユーザデータをユーザデータ管理部51から取得する(ステップS301、S302)。
【0175】
例えば、ドメイン知識マネージャ31が取得したユーザデータが図20(A)の場合と、図20(B)の場合について説明する。
【0176】
図20(A)は、ユーザの現在の職種が「営業」である場合であり、図20(B)は、ユーザの現在の職種が「SE」である場合を示す。なお、共に、意図解析結果は「/人間/パーソナリティ/転職理由=キャリアアップ」であり、現在のポインタが示す定義域クラスは「人間」クラスであるとする。
【0177】
ドメイン知識マネージャ31は、図12のS401〜S404に従って、次元優先度定義テーブルを作成する。
【0178】
このとき、ドメイン知識マネージャ31は、次元優先度定義テーブルの優先度に従って、次元別のプロパティ定義を、ベース次元のプロパティ定義に重ね合わせ(上書きし)、プロパティ定義の多次元化を行う(ステップS405)。
【0179】
すなわち、(A−3−4)では、ベース次元である基本オントロジーのクラスオプション定義を変更(上書き変更)した場合を示したが、ここでは、ベース次元の基本オントロジーのプロパティ定義を変更(上書き変更)する。
【0180】
例えば、図21は、ベース次元に定義されているプロパティ定義の構成を示す。図21は、変更前のプロパティ定義であり、図5に示すプロパティ定義の一部に対応する。
【0181】
図21において、クラス間を結ぶ線には、「プロパティ名 重要度/優先度」が示されている。例えば、「パーソナリティ 1/1」は、プロパティ名がパーソナリティ、重要度が1、優先度が1を示す。
【0182】
図20(A)及び図20(B)の例では、「/人間/パーソナリティ/転職理由」まで意図解析されているので、図20に示すように、次に優先度の高いプロパティ「仕事の経験」が選択される。
【0183】
ここで、図20(A)の場合、ユーザデータが「/人間/パーソナリティ/現在の職種=営業」であるから、ドメイン知識マネージャ31は、「/人間/パーソナリティ/現在の職種=営業」次元のプロパティ定義をドメイン知識DB32から取得する。
【0184】
図22(A)は、「/人間/パーソナリティ」/現在の職種=営業」次元のプロパティ定義を表形式にしたときの例である。また図22(B)は、「/人間/パーソナリティ/現在の職種=営業」次元のプロパティ定義をネットワーク形式にしたときの例である。
【0185】
図22(A)及び図22(B)に例示するプロパティ定義は、「/人間/パーソナリティ」/現在の職種=営業」次元のプロパティ定義であるから、所属企業の規模やクライアント業界などよりも、相手顧客や経験業態について質問することが重要と考えられるので、プロパティ「相手顧客」の重要度/優先度を「1/1」とし、プロパティ「経験業態」の重要度/優先度を「1/0.9」と定義している。
【0186】
そして、多次元オントロジー生成部313は、図21に示すベース次元のプロパティ定義に、図22(B)に示す「/人間/パーソナリティ」/現在の職種=営業」次元のプロパティ定義を上書きすることにより、図22(C)に示すようなプロパティ定義を生成する。
【0187】
これにより、図20(A)のユーザデータを有するユーザに対する次の質問文として、定義域「現在の仕事」−プロパティ「相手顧客」−値域「顧客」の基本質問文「対象となる顧客はどのような方ですか?」が、対話制御部11から出力される(ステップS305)。
【0188】
また例えば、図20(B)の場合、ユーザデータが「/人間/パーソナリティ/現在の職種=SE」であるから、ドメイン知識マネージャ31は、「/人間/パーソナリティ/現在の職種=SE」次元のプロパティ定義をドメイン知識DB32から取得する。
【0189】
図23(A)は、「/人間/パーソナリティ/現在の職種=SE」次元のプロパティ定義を表形式にしたときの例である。また図23(B)は、「/人間/パーソナリティ/現在の職種=SE」次元のプロパティ定義をネットワーク形式にしたときの例である。
【0190】
図23(A)及び図23(B)に示すプロパティ定義は、「/人間/パーソナリティ/現在の職種=SE」次元のプロパティ定義であるから、相手顧客や経験業態などよりも、所属企業の規模やクライアント業界について質問することが重要と考えられるので、プロパティ「所属企業規模」の重要度/優先度を「1/1」とし、プロパティ「クライアント業界」の重要度/優先度を「1/0.9」と定義している。
【0191】
そして、多次元オントロジー生成部313は、図21に示すベース次元のプロパティ定義に、図23(B)に示す「/人間/パーソナリティ」/現在の職種=営業」次元のプロパティ定義を上書きすることにより、図23(C)に示すようなプロパティ定義を生成する。
【0192】
これにより、図20(B)のユーザデータを有するユーザに対する次の質問文として、定義域「現在の仕事」−プロパティ「相手顧客」−値域「企業規模」の基本質問文「会社の規模はどのくらいですか?」が、対話制御部11から出力される(ステップS305)。
【0193】
(A−3−7)つなぎ文の出力処理
第四は、対話制御部11が出力する多次元オントロジーを用いたつなぎ文出力処理について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0194】
この基本質問文及びつなぎ文の多次元化処理は、図10及び図12を用いて説明できるので、ここでも図10及び図12を参照して説明する。
【0195】
例えば、ユーザからの回答からユーザの状況を把握し、ユーザの状況に応じて次に聞くべき質問が違ってくるが、多次元オントロジーでは、ユーザの状況に応じた次元を複数定義しておき、ユーザの状況に応じた基本質問文及びつなぎ文を切り替えることができる。
【0196】
まず、対話制御部11は、現次元における次のプロパティを決定するために、ドメイン知識マネージャ31に定義域クラスを与える。また、ドメイン知識マネージャ31は、当該ユーザのユーザデータをユーザデータ管理部51から取得する(ステップS301、S302)。
【0197】
例えば、ドメイン知識マネージャ31が取得したユーザデータが図24の場合について説明する。
【0198】
図24は、意図解析結果が「/人間/パーソナリティ/ライフイベント=リストラ・倒産」であり、現在のポインタが示す定義域クラスは「パーソナリティ」クラスであるとする。
【0199】
ドメイン知識マネージャ31は、図12のS401〜S404に従って、次元優先度定義テーブルを作成する。
【0200】
このとき、ドメイン知識マネージャ31は、次元優先度定義テーブルの優先度に従って、次元別のプロパティ定義を、ベース次元のプロパティ定義に重ね合わせ(上書きし)、プロパティ定義の多次元化を行う(ステップS405)。
【0201】
例えば、図25(A)は、「転職活動のステージ=履歴書送付&&ライフイベント=リストラ・倒産&&年代=40歳以上」次元のプロパティ定義の構成を示す。
【0202】
図25(B)は、「転職活動のステージ=履歴書送付&&ライフイベント=リストラ・倒産」次元のプロパティ定義の構成を示す。
【0203】
図25(C)は、条件のない次元のプロパティ定義の構成を示す。
【0204】
ドメイン知識マネージャ31は、図23に示すユーザデータと図25(A)〜図25(C)に示す次元条件とを照合すると、次元条件にマッチする次元条件は、「転職活動のステージ=履歴書送付&&ライフイベント=リストラ・倒産」である。
【0205】
従って、図25(A)に示す次元のプロパティ定義は適用しない。
【0206】
一方、図24のユーザデータがマッチする次元条件は、図25(B)及び図25(C)の次元条件にはマッチする。
【0207】
また、次元優先度定義テーブルでは、次元条件数が多いものについて優先度を高くしているので、ドメイン知識マネージャ31は、図25(B)及び図25(C)のうち、優先度が高い図25(B)を選択し、図25(B)の次元のプロパティ定義を、ベース次元のプロパティ定義に上書きする。
【0208】
これにより、対話制御部11は、図25(B)に記述されているつなぎ文及び基本質問文をユーザに出力する(ステップS305)。
【0209】
すなわち、対話制御部11は、つなぎ文として「はじめまして○ちゃんさん、現在の転職活動状況を見ますと、すでに履歴書を送付しているとのこと。積極的に転職活動を行なっていらっしゃるようですね。さてあなたは、倒産やリストラといったキーワードにチェックされていますね。開示していただきありがとうございます。今回はあなたのできることや強みをきちんと棚卸ししながら、ぜひ一緒に、新しい可能性を見つけていきましょう。」を出力する。
【0210】
さらに、その後、対話制御部11は、基本質問部として「まずは、転職をするきっかけとなった状況について、もう少し詳しく教えていただけますか?」をユーザに出力する。
【0211】
(A−3−8)頻出表現サブルーチン
最後に、対話制御部11による頻出表現サブルーチン処理について図面を参照しながら説明する。
【0212】
頻出表現サブルーチンは、ユーザ発話から、特別な表現又はクラスが指定した回数を超えて取得された場合に発火するサブルーチンである。
【0213】
この頻出表現サブルーチン定義は、ドメイン知識DB32に格納されている。図26は、頻出表現サブルーチン定義の構成例を示す。図26に示すように、頻出表現サブルーチンは、頻出表現クラス名を示すSR名、頻出表現文字列リスト、頻出回数を項目とする。
【0214】
まず、意図解析部20は、ユーザ発話文を解析して、頻出表現文字列リストに登録されている頻出表現文字列が含まれているかチェックする。
【0215】
そして、頻出表現文字列が含まれている場合、意図解析部20は、頻出表現文字列の出現頻度をカウントし、頻出表現サブルーチンに定義されている頻出回数を超えるか否かを判断する。
【0216】
頻出表現文字列の出現頻度が頻出回数を超えている場合、意図解析部20は、図27に示すようなユーザデータを拡張ユーザデータ53に格納する。
【0217】
例えば、図26のクラス「不安」の頻出表現文字列リストに登録されている「心配」、「不安だ」、「心細い」等の表現が3回以上出現した場合、図27に示すユーザデータクラス名「不安」のユーザデータが、ユーザデータ管理部51の拡張ユーザデータ53に格納される(ステップS103)。
【0218】
ドメイン知識マネージャ31は、図27に示す「状態=不安」クラスが、拡張ユーザデータ53に格納されている場合、次の対話制御として処理を行う(ステップS104)。
【0219】
ここで、対話制御処理は、(A−3−4)で説明した処理に準じるが、異なる点は、(A−3−4)の意図解析結果に代えて、頻出表現サブルーチンの解析結果が次元の条件となる点である。
【0220】
つまり、ドメイン知識マネージャ31は、図28(B)に示すの「転職理由」−「倒産」のベース次元のクラス定義の内容に、図28(A)に示す「状態=不安」の次元のクラス定義の内容を上書きをし、多次元オントロジーを生成する。
【0221】
これにより、最終的に、図28(A)で定義した受け止め文が出力される。なお、「状態=不安」の次元のクラスがセットされていない場合には、図28(B)のクラス定義は、上書きされないので、図28(B)で定義した受け止め文が出力される。
【0222】
(A−4)第1の実施形態の効果
以上のように、従来のオントロジーでは静的なデータの取得及び提示となっていたが、第1の実施形態によれば、多次元オントロジーを利用することにより、対話で取得したデータに応じて意味空間を瞬時に切り替えることができるので、ダイナミックな対話を実現することができる。
【0223】
また、第1の実施形態によれば、多次元オントロジーを利用することにより、ユーザの発言に対して、寄り添う感を与える応答や対話の流れを円滑にしたり、ユーザの状況変化に応じて質問すべき事柄の重要度を刻々と変化させたりすることができる。
【0224】
さらに、第1の実施形態によれば、ユーザから得られたデータを基にして推論処理を行うことができるので、ユーザから直接得られた回答だけでなく、ユーザの回答から真意を推定することができる。
【0225】
また、第1の実施形態によれば、ユーザが数多く発話する頻出表現を検出することにより、ユーザの真意を把握し、これに応じた応答を実現することができる。
【0226】
また、第1の実施形態によれば、大量の次元の設定(細かな条件の設定)をしても、実際に使用されるオントロジーは、1層のオントロジーであるため、高速にデータにアクセスできる。
【0227】
(B)他の実施形態
(B−1)多次元オントロジーは、対話制御システム・プログラムだけでなく、常に環境が変化する状態のもとで、その環境に応じてデータを使い分ける必要があるシステム・プログラム全てに有効である。例えば、推論エンジンを備えたエキスパートシステム、意思決定システム、エージェントシステム等が挙げられる。
【0228】
(B−2)第1の実施形態では、ユーザ発話を解析するための意図解析部を備えた例を示したが、意図解析部はなくてもよい。例えば、システムが予め用意した選択肢をユーザが選び、選択結果に応じて、次元が切り替わるシステムでも動作原理は同じである。
【0229】
(B−3)第1の実施形態では、次元に応じて、オプション定義の受け止め文、つなぎ文の値や、推論定義で用いる類似度の値が変わる例を示したが、次元に応じて変化する値は、どんなものでも構わない。クラスの値自身も次元に応じて変わるようにしてもよい(例えば、あるクラスのサブクラスを次元によって変わるようにすることもできる)。
【0230】
(B−3)第1の実施形態の(A−3−8)では、頻出表現のサブルーチンを例示したが、これに限定されるものではなく、例えばアラートワードであってもいい。
【符号の説明】
【0231】
1…対話型解析・検索システム、10…対話管理部、11…対話制御部、
20…意図解析部、21…意図解析実行部、22…意図解析用辞書、
211…形態素解析部、212…構文解析部、
30…ドメイン知識管理部、31…ドメイン知識マネージャ、
311…特徴抽出部、312…条件抽出部、313…多次元オントロジー生成部、
32…ドメイン知識DB、
40…マッチング部、41…マッチングマネージャ、42…マッチャー、
50…マッチン対象分析部、51…ユーザデータ管理部、52…対象データ管理部、
53…拡張ユーザデータ、54…拡張対象データ、
80…データ提供サーバ、70…Webサーバ、90…ブラウザ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
概念や概念間の関係を示すドメイン知識を体系的に表現したオントロジーを用いて所定の処理を行うオントロジー処理システムであって、
条件の組み合わせという次元によって上記ドメイン知識の内容が異なる1又は複数の次元別オントロジーを格納する次元別オントロジー格納手段と、
条件なしの時の上記ドメイン知識の内容を有する基本オントロジーを格納する基本オントロジー格納手段と、
上記次元毎の優先度を示す次元優先度を格納する次元優先度格納手段と、
条件が設定されると、上記次元別オントロジー格納手段から設定された上記条件に合う1又は複数の上記次元別オントロジーを取り出す次元別オントロジー取出手段と、
取り出された上記各次元別オントロジーのうち、上記次元優先度格納手段の上記次元優先度に従って上記次元優先度の低いものから順に、上記各次元別オントロジーの内容を上記基本オントロジーに上書きして、設定された上記条件で使用する多次元オントロジーを生成する多次元オントロジー生成手段と、
上記多次元オントロジー生成手段により生成された上記多次元オントロジーを用いて所定の処理を行う処理手段と
を備えることを特徴とするオントロジー処理システム。
【請求項2】
概念や概念間の関係を示すドメイン知識を体系的に表現したオントロジーを用いて所定の処理を行うオントロジー処理プログラムであって、
条件の組み合わせという次元によって上記ドメイン知識の内容が異なる1又は複数の次元別オントロジーを格納する次元別オントロジー格納手段と、
条件なしの時の上記ドメイン知識の内容を有する基本オントロジーを格納する基本オントロジー格納手段と、
上記次元毎の優先度を示す次元優先度を格納する次元優先度格納手段と
を備え、
コンピュータを、
条件が設定されると、上記次元別オントロジー格納手段から設定された上記条件に合う1又は複数の上記次元別オントロジーを取り出す次元別オントロジー取出手段、
取り出された上記各次元別オントロジーのうち、上記次元優先度格納手段の上記次元優先度に従って上記次元優先度の低いものから順に、上記各次元別オントロジーの内容を上記基本オントロジーに上書きして、設定された上記条件で使用する多次元オントロジーを生成する多次元オントロジー生成手段、
上記多次元オントロジー生成手段により生成された上記多次元オントロジーを用いて所定の処理を行う処理手段
として機能させることを特徴とするオントロジー処理プログラム。
【請求項3】
質問に用いる概念や概念間の関係を示すドメイン知識を体系的に表現したオントロジーを用いて、ユーザに対する質問を定めて質問を行い、その質問に対するユーザ回答を受け取り、そのユーザ回答に応じた対話を制御する対話制御システムであって、
上記ドメイン知識は、概念や概念間の関係、及び、次の質問に適用する概念への移行を設定する対話進行情報を有するものであり、
条件の組み合わせという次元によって、上記ドメイン知識の内容が異なる1又は複数の次元別オントロジーを格納する次元別オントロジー格納手段と、
条件なしの時の上記ドメイン知識の内容を有する基本オントロジーを格納する基本オントロジー格納手段と、
上記次元毎の優先度を示す次元優先度を格納する次元優先度格納手段と、
ユーザ回答の概念が条件として設定されると、上記次元別オントロジー格納手段から上記条件に合う1又は複数の上記次元別オントロジーを取り出す次元別オントロジー取出手段と、
取り出された上記各次元別オントロジーのうち、上記次元優先度格納手段の上記次元優先度に従って上記次元優先度の低いものから順に、上記各次元別オントロジーの内容を上記基本オントロジーに上書きして、上記条件で使用する多次元オントロジーを生成する多次元オントロジー生成手段と、
上記多次元オントロジー生成手段により生成された上記多次元オントロジーの上記対話進行情報に基づいて次の質問に適用する概念を決定して、ユーザに質問を与える対話制御手段と
を備えることを特徴とする対話制御処理システム。
【請求項4】
上記ドメイン知識は、概念間の関係に質問文が設定されており、
上記対話制御手段は、次の質問に適用する概念に設定されている上記質問文をユーザに出力することを特徴とする請求項3に記載の対話制御システム。
【請求項5】
上記ドメイン知識は、概念間の関係に、少なくとも受け止め文やつなぎ文が設定されており、
上記多次元オントロジー生成手段が、上記ユーザ回答の概念を条件として上記多次元オントロジーを生成することにより、上記受け止め文や上記つなぎ文を動的に変更し、
上記対話制御手段は、動的に変更した上記受け止め文や上記つなぎ文をユーザに出力する
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の対話制御システム。
【請求項6】
上記基本オントロジー及び上記各次元別オントロジーは、ある概念から他の概念を推論する推論定義情報を有するものであり、
上記多次元オントロジー生成手段が、上記ユーザ回答の概念を条件として上記多次元オントロジーを生成することにより、上記推論定義を動的に変更し、
上記対話制御手段は、動的に変更した上記推論定義に基づいて、上記ユーザ回答の概念に応じた概念を推論する
ことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の対話制御システム。
【請求項7】
上記対話制御手段の前段に、ユーザに対して行った質問に対して取得した上記ユーザ回答の概念からユーザの意図解析を行う意図解析手段を備えることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の対話制御システム。
【請求項8】
上記意図解析手段が、上記ユーザ回答の概念に基づいて、ある特別な表現や単語を所定回数以上だけ検出した場合に、上記多次元オントロジー生成手段は、上記ある特別な表現や単語を条件とした多次元オントロジーを生成することを特徴とする請求項7に記載の対話制御システム。
【請求項9】
質問に用いる概念や概念間の関係を示すドメイン知識を体系的に表現したオントロジーを用いて、ユーザに対する質問を定めて質問を行い、その質問に対するユーザ回答を受け取り、そのユーザ回答に応じた対話を制御する対話制御プログラムであって、
上記ドメイン知識は、概念や概念間の関係、及び、次の質問に適用する概念への移行を設定する対話進行情報を有するものであり、
条件の組み合わせという次元によって、上記ドメイン知識の内容が異なる1又は複数の次元別オントロジーを格納する次元別オントロジー格納手段と、
条件なしの時の上記ドメイン知識の内容を有する基本オントロジーを格納する基本オントロジー格納手段と、
上記次元毎の優先度を示す次元優先度を格納する次元優先度格納手段と
を備え、
コンピュータを、
ユーザ回答の概念が条件として設定されると、上記次元別オントロジー格納手段から上記条件に合う1又は複数の上記次元別オントロジーを取り出す次元別オントロジー取出手段、
取り出された上記各次元別オントロジーのうち、上記次元優先度格納手段の上記次元優先度に従って上記次元優先度の低いものから順に、上記各次元別オントロジーの内容を上記基本オントロジーに上書きして、上記条件で使用する多次元オントロジーを生成する多次元オントロジー生成手段、
上記多次元オントロジー生成手段により生成された上記多次元オントロジーの上記対話進行情報に基づいて次の質問に適用する概念を決定して、ユーザに質問を与える対話制御手段
として機能させることを特徴とする対話制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2010−262343(P2010−262343A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−110637(P2009−110637)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成20年度経済産業省情報大航海プロジェクト「モデルサービスの開発と実証」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受けるもの)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(000139012)株式会社リクルート (20)
【Fターム(参考)】