説明

射撃訓練装置

【課題】現実的な射撃訓練を可能とする標的装置を提供する。
【解決手段】
可動標的部10と移動台車部20を備える標的装置である。標的駆動部130は、標的を起立又は倒れさせる。台車駆動部230は、可動標的部10が載置された台車を駆動する。この上で、標的から所定範囲内における着弾座標を検出するエリア検出センサ部120を備える。制御部100は、この着弾座標を複数のエリアとして判定し、エリアにより異なる隠顕又は移動の動作を行わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射撃訓練用の標的装置に係り、特に弾の通過位置が判定できるセンサを備えた標的装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、射撃訓練に用いるための標的装置が存在していた。たとえば、特許文献1を参照すると、画像を表示する表示部と、前記表示部を搭載する本体を移動する移動部と、前記移動部の位置を判断し当該位置に基づいて前記表示部の画像を異ならせるべく制御する制御部と、を具備することを特徴とする標的装置が記載されている(以下、従来技術1とする。)。
従来技術1の標的装置は、画像表示部の標的画像を任意に切り替えることで、射撃対象と非射撃対象をランダムに表示させて、訓練者の状況判断を伴う射撃訓練ができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−58756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、通常の射撃訓練の場合、敵に対して射撃すると、当然ながら、被弾すれば倒れ、外れたら倒れない。しかしながら、実際の人間同士の射撃訓練では、敵は当たった部位により倒れるが、部位によっては動きが止まるだけで倒れない。また、外れると次の銃撃に備えて伏せたり、避けたり、撃ち返してくることが考えられる。
これに対して、従来技術1のような訓練用の標的装置は、当たると倒れ、外れても倒れず起立状態を保持していた。また、従来技術1の標的装置のように、プログラムで自律動作している場合、当たっても、同じ場所で起立/倒れを繰り返すだけだった。
このため、従来技術1は、射撃訓練の現実感に乏しいという問題があった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上述の課題を解消することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の標的装置は、標的を起立又は倒れさせる可動標的部と、前記可動標的部が載置された台車を駆動する台車駆動部と、前記標的から所定範囲内における着弾座標を検出するセンサと、前記着弾座標を複数のエリアに判定し、該エリアにより異なる隠顕又は移動の動作を前記可動標的部に又は前記台車駆動部に行わせる制御部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、着弾座標からエリアを判定して動作変更することで、現実的な訓練を可能とする標的装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態に係る標的装置1の一例を示す概念図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る標的装置1の制御構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る標的制御処理のフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態に係る着弾エリアの概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施の形態>
〔標的装置1の制御構成〕
以下で、本発明の第1の実施の形態に係る標的装置1の制御構成について、図面を参照して詳しく説明する。
図1を参照すると、標的装置1は、実体弾、レーザ、電波等を用いた射撃訓練の標的となる装置である。標的装置1は、主に可動標的部10と、この可動標的部10が載置され固定された移動台車部20とから構成される。
可動標的部10は、電動アクチュエータ等の標的駆動部130(図2)により、ヒトのシルエット等の板状形状をした「標的」の昇降、回転、起立/倒れといった動作を行うことができる。また、可動標的部10には、訓練者である射手の射撃用の端末(図示せず)から発射/送出された実体弾、レーザ、電波等による「弾」の通過(着弾)位置を検出するエリア検出センサ部120を備えている。
移動台車部20は、前後左右に移動動作可能な台車であり、GPS等の位置検出部210(図2)を内蔵している。
標的装置1は、内蔵する制御部100(図2)による自律制御、サーバ等の制御装置(図示せず)からの無線又は有線によるプログラム制御、又はオペレータPによるマニュアル操作による制御を行うことができる。
以下では、主に自律制御の構成について説明するが、制御装置が別にあるプログラム制御においても同様に構成可能である。
【0010】
図2を参照すると、標的装置1の可動標的部10と移動台車部20とは、共通のバス等で接続されて構成される。可動標的部10は、制御部100、記憶部110、エリア検出センサ部120(センサ)、標的駆動部130、通信部140を含んで構成される。また、移動台車部20は、位置検出部210、台車駆動部230、電源部300を含んで構成される。
制御部100は、標的装置1の全体の動作を制御するCPU(中央処理装置)等の制御演算部位である。制御部100は、記憶部110に記憶された制御プログラムを、ハードウェア資源を用いて実行し、標的装置1を自立制御することができる。
記憶部110は、RAM等の主記憶部と、ROMやフラッシュメモリ等の補助記憶部を備えた記憶部位である。記憶部110の主記憶部には、補助記憶部から制御プログラムやデータが読み出されて記憶される。また、主記憶部は、「標的」の出現/隠れ、昇降の高さ、回転の角度、起き上がり/倒れの状態、標的装置1の位置座標、バッテリの残量といった、標的装置1の状態情報を記憶している。また、記憶部110の補助記憶部には、制御プログラムや設定情報やファームウェア等が記憶されている。
エリア検出センサ部120は、射撃の弾着を検知するためのセンサである。エリア検出センサ部120は、標的から所定範囲内で射撃の「弾」が当たった着弾位置又は「弾」が通過した通過位置の座標を「着弾座標」として取得する各種センサである。エリア検出センサ部120は、駆動する「標的」の前に設置され、標的の同一平面上のXY座標等に変換された着弾座標を検出できる。また、この着弾座標を用いて、後述する着弾エリアを判定することができる。なお、エリア検出センサ部120は、実体弾の場合、着弾座標の検出手段として、衝撃波を検出するセンサや超音波センサ等を用いることができる。また、射撃の弾にあたるレーザの着弾を検出する場合、フォトダイオード等の受光素子のアレイを用いて、照射方向から着弾座標を検知することができる。また、射撃の弾にあたる電波の着弾を検出する場合、複数のアンテナを用いて電波の照射方向から着弾座標を取得することができる。なお、標的への着弾そのものを検出するため、着弾座標の検出用センサとは別に、ピエゾ素子の圧力センサ等の着弾センサを用意してもよい。
標的駆動部130は、ヒト型等の「標的」を駆動するためのモータ、エンコーダ、電磁アクチュエータ等を含む部位である。標的駆動部130は、連結部とモータ等を用いて、敵の身体動作に対応する多彩な表現を行う。標的駆動部130は、例えば、身体の延び縮みに対応して「標的」を昇降させ、身体の向きの変化に対応して「標的」を回転させ、身体の起立/倒れに対応して、「標的」の起立/倒れさせる等の駆動を行う。
通信部140は、有線やRF(電波)や赤外線等で情報の送受信を行う通信手段である。通信部140は、射手の射撃端末に、射撃に係る反撃情報を送信する。図示しないサーバ等の指令装置との間で、標的装置1の各種状態、射撃のスコア(点数)等の情報を送信する。また、通信部140は、指令装置から、訓練の開始/終了指示や大まかな標的装置1の移動や作戦の指示等の情報を受信する。また、通信部140は、プログラム制御やマニュアル操作による制御に係る指令の情報も受信可能である。
【0011】
位置検出部210は、例えば、標的装置1の前後左右方向の絶対位置や相対位置を座標として取得するセンサ等である。位置検出部210は、GPS(Global Positioning System)や、部屋内の位置を赤外線等で検出するセンサ(図示せず)や、台車駆動部230のエンコーダ等のカウントに係る駆動情報を用いて、標的装置1の位置を検出することができる。
台車駆動部230は、モータと車輪等を用いて、標的装置1の移動台車部20と、搭載された可動標的部10とを、制御部100の指示により移動させる部位である。なお、台車駆動部230は、前後左右に敷かれたレールやケーブル(図示せず)上を駆動するように構成されていてもよい。
電源部300は、バッテリとスイッチング電源等を備えた電源部位であり、標的装置1の各部位に電力を供給する。なお、電源部300は、レールやケーブルから有線で、又は電磁誘導等で電力を供給する部位として構成してもよい。
【0012】
なお、標的装置1は、弾着を隠顕動作だけでなく、発光により報知するためのLEDやブザー等の報知部を備えていてもよい。また、標的装置1は、反撃のため、実体弾、電波、レーザ等の「弾」を放射する射撃部を備えていてもよい。
また、標的装置1は、射撃訓練時に複数台同時に用いることができ、自律制御においてもそれぞれの標的装置1が通信部140にて制御情報を送受信し、協調して動作するよう制御可能である。
【0013】
〔標的装置1の標的制御処理〕
次に、図3と図4とを参照して、本発明の実施の形態に係る標的装置1の標的制御処理について説明する。
本実施形態の標的制御処理においては、標的装置1がハードウェア資源を用いて、着弾エリアに応じて、
(1)射撃結果に基づき、標的の隠顕又は移動等の動作を変更する。
(2)射撃結果に基づき、反撃を行う。
といった、標的動作の処理を行う。これにより、実戦に即した現実感のある射撃訓練を行うことができる。
以下で、この標的制御処理の詳細について、図3のフローチャートを基に説明する。
【0014】
まず、ステップS101において、制御部100は、着弾/エリア検出処理を行う。
具体的に、制御部100は、エリア検出センサ部120にて弾の通過等の着弾を検知した場合、着弾座標を取得し、細分化されたどのエリアに着弾したか判定する。
ここで、図4の概正面図を参照して、エリア検出センサ部120と着弾エリア(以下、エリアという。)の一例について説明する。この例では、制御部100は、「標的」と正対する向きに、左右をX座標、上下をY座標として着弾座標を検出する。具体的には、制御部100は、2つのエリア検出センサ部120の中心から垂直平面上のXY座標を検知し、このX座標及びY座標の距離により、エリアを判定する。
制御部100は、例えばエリア410〜エリア440のようなエリアを判定できる。エリア410は、ほぼ「標的」の座標に対応するエリアである。また、エリア420は、至近弾に対応するエリアである。また、エリア430は、中程度の距離の着弾があった場合に対応するエリアである。また、エリア440は、かなり外れた着弾に対応するエリアである。
なお、このエリアは任意の形状にしても良いし、半円や楕円状等に設定してもよい。
【0015】
ステップS102において、制御部100は、着弾座標がエリア410内であるか否か判定する。つまり、射撃の結果として「標的」に直撃したか否かを判定する。なお、例えばエリア410については、「標的」への着弾センサの着弾検知を用いて判定してもよい。
Yesの場合、制御部100は、処理をステップS103に進める。
Noの場合、制御部100は、処理をステップS105に進める。
【0016】
ステップS103において、制御部100は、部位判定重み付け処理を行う。
この処理では、制御部100は、エリア410は弾着部位による重み付けをし、「標的」を倒したり動かしたりといった、標的装置1の動作変更を行う。たとえば、制御部100は、頭や心臓等の急所では1回で「標的」が倒され、腹であれば3発目で「標的」が倒される等の重み付けによる動作変更を行う。
制御部100は、エリア410の着弾部位と着弾回数とを記憶部110に記憶する。また、制御部100は、「標的」が倒された場合、標的装置1の動作終了として記憶部110に記憶することができる。
【0017】
ステップS104において、制御部100は、標的装置1が動作終了状態であるか否か判定する。
Yesの場合、制御部100は、標的制御処理を終了して動作を待機状態とする。この際に、制御部100は、報知部から発光/音声出力し、倒されたことを報知することができる。また、制御部100は、外れた着弾回数等から、射撃のスコアを算出して、サーバ等に送信することもできる。
Noの場合、制御部100は、処理をステップS101に戻して、着弾の検知を待つ。この際、しばらくの間、「標的」を倒して動作を停止するフリーズ状態としてもよい。
【0018】
ステップS105において、制御部100は、着弾座標がエリア420内であるか否かを判定する。
Yesの場合、制御部100は処理をステップS106に進める。
Noの場合、制御部100は処理をステップS107に進める。
【0019】
ステップS106において、着弾座標がエリア420であった場合、制御部100は、隠れ処理を行う。
ここで、エリア420は、弾が外れた位置であるが、至近弾位置である。このような状況にある場合、人間同士の射撃訓練では、次の弾が着弾するのを避けるため、素早く避けて隠れる等の動作を必要とする。
これを模擬するため、制御部100は、着弾座標が右、つまり弾が右側を通過した場合には、台車駆動部230に標的装置1を左側に移動させるよう指示する。逆に、着弾座標が左の場合は、制御部100は、標的装置1を右側に移動させるよう指示する。
この上で、制御部100は、台車駆動部230に、射撃可能な枠の外又は壁や土嚢のような障害物の後ろ側等である「不可視位置」まで移動して、隠れた状態になるよう指示する。さらに、制御部100は、標的駆動部130に対して、標的装置1の「標的」を倒して隠れた状態にするよう指示してもよい。
その後、制御部100は、台車駆動部230に、所定時間停止して隠れた状態のままでいるよう指示する。
つまり、制御部100は、しばらく不可視位置に留まったり、「標的」を起立しないように制御し、敵が伏せたり、隠れて出てこないといった動作を模擬することができる。
その後、制御部100は、処理をステップS101に戻して、着弾の検知を待つ。
【0020】
ステップS107において、制御部100は、着弾座標がエリア430内であるか否かを判定する。
Yesの場合、制御部100は処理をステップS108に進める。
Noの場合、制御部100は処理をステップS109に進める。
【0021】
ステップS108において、着弾座標がエリア430であった場合、制御部100は、移動/隠顕処理を行う。
ここで、エリア430は、弾が中程度に外れた中程度距離着弾位置であるが、このままでは着弾する可能性があると考えられる。このような状況の場合、人間同士の射撃訓練では、このまま弾が当たらないようにするため、移動しつつ、不可視位置に隠れて現れる「隠顕」動作を行うことがある。
よって、これを模擬するため、制御部100は、台車駆動部230に標的装置1が緩やかに左右に移動するように指示する。さらに、制御部100は、台車駆動部230に不可視位置に移動して隠れたり出たりするように指示する。加えて、制御部100は、標的駆動部130に標的装置1の「標的」が起立/倒れを所定間隔で繰り返す動きをさせるよう指示することもできる。
これにより、通常の射撃時における外れ弾の状態にて、敵が移動/隠顕動作をするのを模擬することができる。
その後、制御部100は、処理をステップS101に戻して、着弾の検知を待つ。
【0022】
ステップS109において、制御部100は、着弾座標がエリア440内であるか否かを判定する。
Yesの場合、制御部100は処理をステップS110に進める。
Noの場合、制御部100は処理をステップS111に進める。
【0023】
ステップS110において、着弾座標がエリア440であった場合、制御部100は、小移動処理を行う。
エリア440は、まったくの外れではないものの、かなり弾が外れた遠着位置であり、着弾する可能性があまり高くないと考えられる。よって、人間同士の射撃訓練では、隠顕動作をせずに、多少移動しつつ射撃を続けることが多いと考えられる。
これを模擬するため、制御部100は、台車駆動部230に標的装置1が上述の隠れ処理や移動/隠顕処理よりも少ない距離だけ、例えばランダムに移動するように指示する。この際に、標的駆動部130の「標的」の駆動はしないよう、指示することもできる。
つまり、エリア440の場合、僅かに移動するが隠顕しないといった動作を模擬することができる。
その後、制御部100は、処理をステップS101に戻して、着弾の検知を待つ。
【0024】
なお、エリア420〜エリア440への着弾を検知した場合、制御部100は、上述の処理に加え、台車駆動部230に標的装置1を停止させる又は進行方向を変える等の制御をするよう指示可能である。
つまり、各着弾座標は外れであるものの、着弾に応じた敵の動きを模擬することが可能である。
この際、制御部100は、プログラム動作中でも、上述の制御を反映されることが可能である。
【0025】
ステップS111において、着弾座標がエリア410〜440内になかった場合、制御部100は、反撃処理を行う。すなわち、人間同士の射撃訓練では、外れ弾のあった場合には反撃することが多いため、制御部100は、これを模擬することができる。
具体的には、まず、制御部100は、着弾を検知して各処理を行った後、「標的」が現れた状態で不可視位置以外に位置してから所定時間経過したことを検出する。加えて、制御部100は、その所定時間内にエリア410〜440内外のエリア検出センサ部120の検知範囲内に、所定時間、着弾がないことを検出する。
これらの検出があった場合、制御部100は、標的装置1が反撃したものとして、通信部140から反撃情報を送信する。
射手の射撃端末は、この反撃情報を受信して、発光出力や音声出力により、反撃を報知することができる。もちろん、制御部100は、射撃部から、レーザ等を用い、射手側の受光部に、実際に反撃してもよい。
その後、制御部100は、処理をステップS101に戻して、着弾の検知を待つ。
以上により、本発明の実施の形態に係る標的制御処理を終了する。
【0026】
以上のように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
本発明の実施の形態に係る標的装置1は、着弾座標のエリアを判定し、射撃結果に応じた動作を行わせられる。つまり、射撃訓練用の標的装置1を、人間同士の訓練に模して現実的な動作を用いて制御することができる。
また、本実施形態の標的装置1は、プログラム動作やオペレータPにより操作する必要がなく、複数の標的を同時に使用して、現実的な訓練を行うことができる。
また、本実施形態の標的装置1は、外れ弾があった後、所定時間内に着弾させないと反撃されるため、緊迫感を高め、射手の射撃の連度を向上させることができる。また、射手に、標的装置1に優先順位をつけて射撃するような動機を与えられ、より現実的な訓練を行える。
また、本実施形態の標的装置1は、従来技術1での訓練に反映しきれなかった外れの判定を有効に活用して、訓練に変化をもたせられる。さらに、弾が外れた後の対応を訓練させることができる。
これらの特徴により、標的装置1を使用して、緊迫感のあり、現実感の高い訓練を行うことができる。
【0027】
以上のような本発明の実施の形態を要約すると、以下のような特徴がある。
本発明の実施の形態に係る標的装置1は、標的を起立又は倒れさせる標的駆動部130と、標的が載置された台車を駆動する台車駆動部230と、標的から所定範囲内における着弾座標を検出するエリア検出センサ部120と、着弾座標を複数のエリアのいずれかに判定し、エリアにより異なる隠顕又は移動の動作を標的駆動部130に又は台車駆動部230に行わせる制御部100とを備えることを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る標的装置1の制御部100は、標的に対応するエリア410では、弾着部位による重み付けによって、標的を動作変更させることを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る標的装置1の制御部100は、至近弾位置に対応するエリア420において、標的を不可視位置に移動させて隠れるよう動作変更させることを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る標的装置1の制御部100は、中程度距離着弾位置に対応するエリア430では、標的の移動/隠顕を行うよう動作変更させることを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る標的装置1の制御部100は、遠着位置に対応するエリア440では、標的の駆動を指示しないよう動作変更させることを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る標的装置1の制御部100は、弾を検知した後、エリア検出センサ部120の検知範囲内に、所定時間、着弾がないことを検出し、反撃することを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る標的装置1は、弾の通過位置が判定できるセンサを備え、標的は隠れたり動いたりする制御ができ、センサの検出した弾の通過位置に応じて各種動作ができる射撃訓練用の標的装置であることを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る標的装置の制御方法は、センサにより、標的から所定範囲内における着弾座標を検出し、制御部により前記着弾座標を複数のエリアに判定し、該エリアにより異なる隠顕又は移動の動作を行わせることを特徴とする。
【0028】
なお、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実行することができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0029】
1 標的装置
10 可動標的部
20 移動台車部
100 制御部
110 記憶部
120 エリア検出センサ部
130 標的駆動部
140 通信部
210 位置検出部
230 台車駆動部
300 電源部
410、420、430、440 エリア
P オペレータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的を起立又は倒れさせる可動標的部と、
前記可動標的部が載置された台車を駆動する台車駆動部と、
前記標的から所定範囲内における着弾座標を検出するセンサと、
前記着弾座標を複数のエリアに判定し、該エリアにより異なる隠顕又は移動の動作を前記可動標的部に又は前記台車駆動部に行わせる制御部を備える
ことを特徴とする標的装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−100958(P2013−100958A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245354(P2011−245354)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)