説明

小型表示装置

【課題】簡単な構成で、操作性がよく、眼鏡に安全に固定する、画像を表示する小型表示装置を提供する。
【解決手段】眼鏡に固定する小型表示装置であって、映像を表示する表示部と、眼鏡の一部を挟持するクリップ部と、表示部を眼鏡に対して非接触状態を維持し、眼鏡の片眼のレンズの前面に固定するため、クリップ部と表示部とを連結する支持体と、外部装置からの映像信号を入力し、入力した映像信号の表示部への供給、並びに、表示部への電力供給源として機能する電力供給部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を表示する小型表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なデジタルカメラは、静止画の撮影時にカメラ本体が備える液晶画面にファインダ画像を表示し、ユーザがファインダ画像を確認しながら撮影することができるよう構成されている。また、本体に備える記憶装置に保存した撮影データを液晶画面に表示し確認することができる。
【0003】
一方で、撮像機能を有するカメラ部と表示機能を有するファインダユニットとの別体構成にすることができるデジタルカメラが紹介されている(特許文献1)。
【0004】
また、眼鏡に取付けた画像表示装置にて、DVDなどの記録媒体に記録されていた画像データを表示する画像表示装置が紹介されている(特許文献2)。
【特許文献1】特開平7−199280号公報
【特許文献2】特許第4018677号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のようなカメラは、専用のファインダユニットを眼前に取付ける必要があるため、眼鏡を使用している人は、そのファインダユニットと、眼鏡のレンズが重なり合い、表示画像が見ずらく、使用上も煩わしさを伴うという問題があった。
【0006】
また、特許文献2のような画像表示装置は、眼鏡に固定されて使用されている。しかしながら、眼鏡レンズを加工したり、吸盤によって貼り付けた画像表示装置を取り外す際に、思わぬ力が加わり眼鏡を傷つけてしまうというおそれがあった。従って、撮影時に必要なだけのファインダ機能としては不向きであった。従ってこのような表示装置が固着された専用の眼鏡を別途用意する必要があった。
【0007】
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、このような問題を解決し、簡単な構成で、操作性がよく、眼鏡に安全に固定する、画像を表示する小型表示装置を提供することを目的とする。
【0008】
また、カメラのファインダとして眼鏡に固定する場合はシャッター操作等カメラの操作性が煩雑となる不都合があった。本発明は、カメラや眼鏡に依存せず、簡単な構成で、カメラの操作性がよく、眼鏡に固定する小型表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明に係る小型表示装置は、眼鏡に固定する小型表示装置であって、映像を表示する表示部と、眼鏡の一部を挟持するクリップ部と、表示部を前記眼鏡に対して非接触状態を維持し、眼鏡のレンズの前面に固定するため、クリップ部と表示部とを連結する支持体と、外部装置からの映像信号を入力し、入力した映像信号の表示部への供給、並びに、表示部への電力供給源として機能する電力供給部とを備える。ここで眼鏡の一部とは眼鏡のレンズ、レンズフレーム、サイドフレームを指す。
【0010】
また本発明に係る小型表示装置は、眼鏡に固定する小型表示装置であって、映像を表示する表示部と、外部装置からの映像信号を入力し、入力した映像信号の前記表示部への供給、並びに、前記表示部へ電力供給源として機能する電力供給部と、前記外部装置はカメラであって、該カメラへ撮影を指示するための撮影指示手段とを有し、前記電力供給部は、入力された映像信号を前記電力とともに前記表示部に供給するための共通のケーブルとを備え、前記撮影指示手段を、前記表示部から離れた位置であって、かつ、前記ケーブルに沿った位置に設ける。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、簡単な構成で、操作性がよく、眼鏡に安全に固定する、画像を表示する小型表示装置を提供することができる。
【0012】
また本発明は、カメラや眼鏡に依存せず、簡単な構成で、カメラの操作性がよく、眼鏡に固定する小型表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
【0014】
(実施例1)
図1に、本発明に係る実施形態における小型表示装置を含むシステムの外観図を示す。なお、本実施例では、小型表示装置に配接される外部機器として、カメラが示されているが、これに限定されず、例えばビデオカメラ、携帯カメラ等でもよい。
【0015】
小型表示装置1は、カメラ20のAV端子30とケーブル40を介して配接されており、中間部材200を介して、眼鏡50の眼鏡レンズ51に取付けられて装着される。
【0016】
なお、本実施例では、眼鏡レンズ51に小型表示装置1を取付けた例についての説明を行うが、これに限定されず、眼鏡のサイドフレーム52に小型表示装置1を取付ける事も可能である(後述する)。
【0017】
小型表示装置1とカメラ20の間に配接される電力供給部60は、小型表示装置1に電力を供給する電力供給源としての一次もしくは二次電池等が格納される。この電力供給部60により、カメラ20からの電力を必要としないので、小型表示装置1は、カメラ20の構成に依存せず、電力を使用することができる。
【0018】
また、電力供給部60は、後述するカメラ20のAV端子30から出力されるAV信号を受信後、ケーブル40を介して小型表示装置1にそのままAV信号を引き渡す。よって、カメラ20に特別な構成を必要とせず、カメラ20の構成に依存しないで、カメラ20にて撮像された画像を小型表示装置1に表示することが可能である。
【0019】
なお、電力供給部60の内部構成については、後述する。電力供給部60には、後述するシャッターボタン90(撮影指示部)が設けられている。
【0020】
図2は、本実施形態における小型表示装置1の透視図、図3は分解図を示す図である。
【0021】
小型表示装置1は、略直方体形状に形成されたケース120を備えている。このケース120は、これには限られないが、例えば、樹脂製である。ケース120の後方の面には、鏡筒70が設けられており、鏡筒70は、略円筒形状とされている。なお、ここでは「前方」という語は、眼鏡を使用者が顔に装着した場合の顔から遠い側を意味し、「後方」とは、顔に近い側を意味するものとする。
【0022】
ケース120の後方の面には、また、穴100が設けられている。穴100の内部には、所定の広さの空間が設けられている。穴100の開口部分には、穴100の開口を塞ぐようにして板状の弾性片110が4枚取付けられている。この弾性片110は、弾性を有するものとなっており、その厚さ方向に多少曲折できるようになっている。
【0023】
小型表示装置1は、ケーブル40と接続されている。このケーブル40はカメラ20のAV端子30と、電力供給部60を介して配接され、後述するように、カメラ20からの画像信号が、電力供給部60を介して小型表示装置1へと送られるとともに電力も供給される。即ち、共通の1本のケーブル40によって、画像信号(映像信号)と電力とが小型表示装置1に供給される。ケーブル40は、眼鏡50が備えるツルに、例えば断面略C字形状に形成された部材(この部材については、図示を省略する。)でかしめることで固定することができる。この、ケーブル40は、小型表示装置1の外側面(小型表示装置1を眼鏡50に装着した場合における使用者の側方側の面)に接続されている。
【0024】
また、ケース120の内部には、変換基板130、バックライトユニット140、液晶ディスプレイ80が設けられている。鏡筒70の内部には拡大レンズ150が設けられている。
【0025】
変換基板130は、ケーブル40と接続されており、ケーブル40を介してカメラ20から送られてくる画像信号を、液晶ディスプレイ80に表示できるようなものに変換し、液晶ディスプレイ80に画像を表示させるものである。より詳細には、変換基板130は、小型表示装置1の外部からケーブル40を介して送られてくるビデオ信号やRGB信号などの画像信号を受信して、この画像信号に基づく画像を液晶ディスプレイ80に表示する。
【0026】
もっとも、変換基板130は、小型表示装置1の内部に設けられている必要はなく、そのすべて、或いは一部が、小型表示装置1外に設けられていても構わない。また、変換基板130は、ケーブル40を介さずに、画像信号を無線で受信するようになっていてもよい。
【0027】
バックライトユニット140は、液晶ディスプレイ80を背後から照明するバックライトと、このバックライトを制御する制御回路とを含んでおり、制御を行いながらバックライトを点灯させるものとなっている。
【0028】
尚、液晶ディスプレイ80の代わりに有機EL等の自発光タイプの表示素子を使用することも可能で、その場合は、バックライトユニットは不要となる。
【0029】
液晶ディスプレイ80は、変換基板130の制御下で、動画、或いは静止画である所定の画像を表示するものである。
【0030】
拡大レンズ150は、液晶ディスプレイ80に表示された画像の像光を、拡大するものである。なお、拡大レンズ150は、1枚である必要はなく、複数枚のレンズから構成されている場合もある。この実施形態の拡大レンズ150は、また、鏡筒70を回転させることで前後動(光軸に沿う方向での移動)するようになっている。
【0031】
この拡大レンズ150の前後動は、液晶ディスプレイ80からの像光の結像位置を変化させるためのものである。これにより、使用者の視力の良し悪しによらず、或いは使用者が使っている眼鏡50の眼鏡レンズ51の度が使用者の目に合っていないなどの事情があったとしても、使用者の目の網膜に上述の画像をしっかり結像させられるようになる。拡大レンズ150を前後動させるための構成はどのようなものでもよいが、例えば、鏡筒70を2重の構造とし、その内側の構造物の外面と、外側の構造物の内面にネジ切りをして螺合させるとともに、鏡筒70の2重にした内、外側の構造物をケース120に固定し、且つ鏡筒70の2重にした内、内側の構造物の内面に拡大レンズ150を固定することで実現できる。
【0032】
なお、この実施形態では、鏡筒70を回転することで拡大レンズ150が前後動を行うようになっているが、これに限定されず、例えば拡大レンズ150の光軸方向への移動は、ケース120に設けられたボタン等でも可能である。
【0033】
また、拡大レンズ150の光軸上の位置が互いに異なっている複数の鏡筒70であって、ケース120に対して着脱自在なものを用意しておき、使用者の視力などに応じて鏡筒70ごと拡大レンズ150を交換できるようにしてもよい。
【0034】
また、この実施形態の拡大レンズ150は、上述したように、鏡筒70を回転させることで前後動するようになっている。よって、使用者は、必要に応じて拡大レンズ150を前後に移動させ、画像を見やすい位置に拡大レンズ150を移動させることができる。
【0035】
使用者がシャッターボタン90を押すと、カメラ20の不図示のシャッターボタンが押された場合と同様に被写体の撮影が実施される。シャッターボタン90が押されると、シャッターボタン90が押されたという撮影指示の信号が後述するカメラ20のCPU21へ送信される。CPU21は、このコマンドを受信すると、カメラ20の不図示のシャッターボタンが押されたときと同様に被写体の撮影を実施する。ここで、シャッターボタン90が押されたという撮影指示の信号をカメラ20に送信するには、後述するインタフェース96を介して送信するが、赤外無線にて送信や、ケーブル40を介した電気信号にて送信することも可能である。
【0036】
また、不図示のケーブルレリーズを用いて、カメラ20の不図示のシャッターボタンを押すことも可能である。
【0037】
シャッターボタン90は、電力供給部60と同体の構成としたが、これに限定されず、小型表示装置1や電力供給部60と別体の構成(すなわち小型表示装置1と離れた位置)としても良い。眼鏡の小型表示装置1からケーブル40にそって離れた、胸元あたりの途中位置(表示装置から略20cm以上離れた位置)にシャッターボタン90を設けることで、表示装置への振動を防止できシャッター操作がし易くなる。
【0038】
なお、本実施形態では、シャッターボタン90に限定されず、他の方法(カメラのリモートシャッター入力端子へスイッチ信号が入力できるラインをケーブル40の内側または外側に物理的に沿って設けてケーブルの上記途中位置にシャッター指示入力ができるスイッチを配置する)によって、カメラ20のシャッターボタンが押された場合と同様にカメラ20に撮影指示することもできる。
【0039】
中間部材200は、図4に示したように、板状のベース210と、ベース210の前面からベース210の前方に突出する棒状の突出体220とを備えている。
【0040】
ベース210は、この実施形態では略5mm角の正方形とされている。突出体220の先端には、球状の球体221が設けられている。この球体221の直径は、上述した穴100の内部にやや遊びを持った状態で挿入可能な大きさとなっている。
【0041】
ベース210の背面には、層状とされた粘着剤によって形成された粘着剤層222が設けられている。この粘着剤層222は、その表面を眼鏡レンズ51の平滑な面に当接させることで、中間部材200を眼鏡レンズ51に固定できるようなものとされる。なお、後述するように、眼鏡レンズ51に取付けられた中間部材200には、小型表示装置1が取付けられる。
【0042】
粘着剤層222は、小型表示装置1が取付けられた中間部材200を眼鏡レンズ51に安定して固定できる程度の粘着力を有するものとされる。もっとも、この実施形態では、粘着剤層222の眼鏡レンズ51への取付けは着脱自在なものとされる。つまり、粘着剤層222は、中間部材200に大きな衝撃や強い力を加えない限り中間部材200を眼鏡レンズ51に固定できるけれども、強い力を加えれば中間部材200を眼鏡レンズ51から取外せる程度の粘着力を持つものとされる。
【0043】
球体221は、その先端側が穴100の奥に当接し、且つその基端側が弾性片110と当接した状態となる。これにより、球体221は、穴100の内部で穴100の内側面との摩擦力により一時的に固定され、弾性片110によって、小型表示装置1の使用中における「抜け」を防止できる。また、弾性片110が有する弾性により、球体221を穴100に着脱することが可能となる。以上のような構成により、小型表示装置1は、中間部材200を介して眼鏡レンズ51の前方の面に固定されることになる。
【0044】
本実施形態においては、以上のような方法の他に、例えば、穴100の入り口の径を、球体221の径よりも若干小さくすることによって、球体221を穴100に固定するようにしても良い。その場合に、例えば、球体221を加圧することによって穴100に押し込む「無理嵌め」によって組み立てる。以上のような構成にすることによって、球体221の穴100からの抜け防止も実現することができる。
【0045】
この実施形態の小型表示装置1は、片眼の眼鏡レンズ51の前方の面に非接触状態を維持するように取付けられた状態で、上下方向、左右方向、或いはその間の斜め方向など、3次元的に、所望の方向に球体221を中心に揺動することができる。使用者は、鏡筒70が自分の目の瞳の方向を向いていない場合には、言い換えれば、拡大レンズ150の光軸が自分の目の瞳と重ならない場合には、重なるよう小型表示装置1を揺動させて、小型表示装置1の角度を調整することができる。また、小型表示装置1は、突出体220の軸を中心に回転することも可能である。例えば、使用者は、使用中には、小型表示装置1を図6の様にレンズ面に対して水平にしておき、使用しない場合には、レンズ面に対して垂直となるように回転させることができる。その結果、使用しない場合に、使用者は、視界を非常に瞬時に広く確保することができる。
【0046】
垂直に回転させたときは、後述のように表示装置への電力を遮断して節電できるようにしている。
【0047】
なお、本実施例では、中間部材200は、小型表示装置1を眼鏡に取り付ける「支持体」の一例として機能する。また、中間部材200に限定されず、後述する他の方法によって、小型表示装置1を眼鏡レンズ51に取付けた状態で、上下方向、左右方向、或いはその間の斜め方向など、所望の方向に揺動させるようにしても良い。
【0048】
この支持体により、小型表示装置1を眼鏡50の眼鏡レンズ51に自由な位置、角度で取付けることが可能となり、使用者各々の目の位置、大きさ、見易さ等にあわせて調整ができる。
【0049】
<中間部材200を備えない場合の支持体の変更例>
以下、中間部材200を備えない場合における小型表示装置1の例について(変形例1〜2)説明する。
【0050】
[変形例1]
小型表示装置1は、図5の(a)に示したように、このケース120には、ケース120に設けられていた穴100と、弾性片110がない。その代わりに、穴100があった位置に吸盤160が設けられている。吸盤160は、柔軟性のある素材、例えばゴムでできている。
【0051】
吸盤160は、図5の(b)に示したようにしてケース120に取付けられている。吸盤160は、ケース120の背面に取付けられた第1軸体171及び第1軸体171と直交するようにして、第1軸体171の反対側に設けられている2本の第2軸体172を介してケース120に固定されている。
【0052】
第1軸体171は、その両端を受ける軸受け173によりケース120に取付けられており、且つその軸の中心軸周りに回転できるようになっている。
【0053】
他方、第2軸体172は、第1軸体171にその基端が固定されており、第1軸体171の上述の回転にしたがって第1軸体171を中心として回転できるようになっている。
【0054】
他方、吸盤160の裏側には、吸盤160と一体的に形成された2つの把持体141が設けられている。2つの把持体141は、第2軸体172に、第1軸体171を挟むような位置関係で取付けられる。把持体141には、切欠から第2軸体172をその内部に入れることのできる孔が開けられており、第2軸体172を切欠からその孔の中に押込むことで、第2軸体172に取付けられる。
【0055】
この小型表示装置1は、吸盤160を眼鏡レンズ51に吸着させることで、眼鏡レンズ51に着脱自在に固定できる。
【0056】
このような状態でケース120に取付けられた吸盤160は、ケース120に対して、第1軸体171と第2軸体172を回転の軸として揺動させることができるようになっている。
【0057】
この実施形態では、第1軸体171は、ケース120の長手方向に沿うように、第2軸体172はそれに垂直になるようにされており、眼鏡レンズ51に取付けられた小型表示装置1は、上下方向及び左右方向に揺動できるようになっている。
【0058】
なお、吸盤160の位置は、図5の(a)に示した位置以外で、例えば、鏡筒70の先端付近外側に設けるようにしても良い。
【0059】
[変形例2]
変形例1にかかる小型表示装置1は、中間部材200により、眼鏡レンズ51に取付けていたが、この変形例2における小型表示装置1は、中間部材200の代わりにクリップ400(クリップ部)を備える点が、変形例1の場合と異なる。
【0060】
図6に示す、小型表示装置1に備えられた突出体220には、クリップ400が設けられ、クリップ400は眼鏡レンズ51を挟む構成で、その挟持面には、弾性部材500、600が設けられている。
【0061】
クリップ400は、眼鏡レンズ51を挟むことができ、かつ着脱自在なものであれば、構成は何でもよい。
【0062】
本例のように、クリップ400を用いることにより、図6に示すように、眼鏡レンズ51の端部を挟持して小型表示装置1を眼鏡レンズ51に取り付けることができる。その結果、吸盤を着脱する場合に要されるほどの力は不要であるので、取り付け及び取り外しが極めて容易となる。また、吸盤に比べて、挟持する面積はより小さくてすむ。特に、眼鏡レンズ51の端部を挟む場合には、中間部材200のベース210(即ち、クリップ400に相等)によって視界が阻まれず、しかも、弾性部材500及び600によって眼鏡レンズ51を不用意に傷つけることがない。
【0063】
また、本例で用いられるクリップ400は、図7に示すように挟持されても良い。図7に示すように、突出体220の長さを長くし、突出体220とクリップ400との接合面が図6に示すクリップの挟持面の裏面ではなく、挟持面に直交する面とされている。上述のように、クリップ400においては挟持する面積が少なくてすむので眼鏡のサイドフレーム52(又は、レンズフレーム)に取り付けることも可能である。例えば、そのような構成によって、左右のサイドフレームを問わず、取り付けることが可能である。また、上方向からサイドフレームを挟むことも可能であり、下方向からサイドフレームを挟むことも可能である。
【0064】
弾性部材500、600は、眼鏡レンズ51を傷つけないように、例えば樹脂などの柔軟性のある素材で形成されている。
【0065】
また、図8に示すように、弾性部材600が、内側が空洞の椀型とされても良い。、その場合には、弾性部材600の面積すべてが眼鏡レンズ51に接触せず、少ない面積の接触のみで小型表示装置1を眼鏡レンズ51に取付けすることが可能である。よって、眼鏡レンズ51を傷つけるおそれを更に低減することができる。また、弾性部材500も弾性部材600と同様に構成しても良い。ここで、図8に示す弾性部材600は、椀型であるがレンズ面に吸着して取り外しにおける使い勝手が低下することを防ぐために、空気抜けのための例えば、穴があけられてレンズに吸着しないようにしている。
【0066】
この実施形態における小型表示装置1は、眼鏡レンズ51に取付けた状態で、ほぼ左右方向と上下方向に揺動するようになっている。
【0067】
また使用者は、自分が画像を見易くなる位置に小型表示装置1の取付けができるので、使用者各々に適した画像の見易い角度、及び位置の調整が可能となる。
【0068】
また、クリップ400にて眼鏡レンズ51へ小型表示装置1の自由な取付けができるので、小型表示装置1と突出体220は、小型表示装置1の使用中に容易に脱着できない構成とされている必要がある。
【0069】
球体221、穴100、突出体220は、図6に示すように、球体221が穴100に挿入されるように構成される。その場合には、例えば、まず、小型表示装置1のケース120が図3に示すように穴100の中心を通るように2つの部分に分離される(穴100が2つの半球に分離される)。その2つの半球によって球体221を挟みこむことにより生じた穴100の内壁圧によって、球体221を固定する。小型表示装置1は、球体221の軸のもと上下方向、水平方向の回転可能である。また、突出体220は、クリップ400の挟持面からねじ止めされてクリップ400に固定される。以上のような構成の他に、図6に示す穴100近傍に図4に示す弾性片110を設けるようにしても良い。そのように構成された場合の小型表示装置1の動作は、図4における説明と同じである。
【0070】
<カメラ20に係る内部構成>
図9は、カメラ20に係る一般的な内部構成のブロック図である。
カメラ20は、カメラレンズ28により得られた像から光電変換デバイス(CCD、CMOSなど)を用いて画像信号のデータを生成する撮像部24と、撮像部24で生成した生データをJPEG等の静止画像やMPEG4等の動画像に変換する画像処理部25と、変換した画像信号のデータ(静止画像および動画像)を表示する液晶表示部27と、小型表示装置1と接続して一体化するためのAV端子を含むインタフェース26と、液晶表示部27よりも画素数が大きい電子ビューファインダー201を有している。インタフェース26は、変換した画像信号のデータ(静止画像および動画像)を小型表示装置1にケーブル40を介して出力する。また、撮影した画像信号のデータを不図示のメモリに保存し、保存したメモリから画像信号のデータを取り出し、液晶表示部27に再生することも、小型表示装置1にケーブル40を介して再生することも可能である。
【0071】
インタフェース26は、AV端子に限定されず、例えばDV端子等、外部機器にカメラ20からの画像信号を出力できるものであればよい。
【0072】
さらに、上記各部の制御プログラムを実行して制御するCPU21、制御プログラムを記憶しているROM22、一時記憶領域として用いられるRAM23、不図示のシャッターボタンを有している。そして、上記それぞれの部位はシステムバス29により相互に接続されている。
【0073】
<小型表示装置1に係る変換基板130の内部構成>
図10は、小型表示装置1に係る変換基板130の例示的な内部構成のブロック図である。小型表示装置1は、カメラ20のインタフェース26から出力された画像信号の受信を行い、カメラ20と接続して一体化するためのインタフェース16と、受信した画像信号のデータ(JPEG等の静止画やMPEG4等の動画)に復号処理などを行う画像処理部15と、画像を表示する表示部14を有している。
【0074】
なお、表示部14はたとえば液晶ディスプレイ80で構成される。例えば、表示部14は、24万画素であり、カメラ20の液晶表示部27は20万画素である。つまり、表示部14は、カメラ20の液晶表示部27やカメラ20の電子ビューファインダー201と同じか、それらより大きい画素数のものであり、また、同じ視野をもっている。
【0075】
さらに、上記各部の制御プログラムを実行して制御するCPU11、制御プログラムを記憶しているROM12、一時記憶領域として用いられるRAM13を有している。そして、上記それぞれの部位はシステムバス17により相互に接続されている。
【0076】
<電力供給部60に係る内部構成>
図11は、電力供給部60の例示的な内部構成のブロック図である。電力供給部60は、カメラ20及び小型表示装置1と接続するためのインタフェース66と、小型表示装置1に電力を供給するための電源部64と、電力を制御する電源制御部65を含んでいる。
【0077】
カメラ20のインタフェース26のAV端子30(図1)から出力された画像信号は、インタフェース66を介して、そのまま小型表示装置1のインタフェース16へ出力される。以上においては、電力供給部60とAV端子30との間は、従来用いられているケーブルにより画像信号(映像信号)が送信される例について説明した。ここで、電力供給部60とAV端子30との間で、音声信号も流すケーブルを使うこともできる。その場合、電力供給部60に(、インタフェース66に)イヤホン端子を設けそのケーブルの音声部分を接続し、この端子にイヤホンを接続して、音声を聞くことも可能である。この場合、画像信号はそのまま小型表示装置1へ出力されるが、小型表示装置1へのケーブル40は、カメラ20から電力供給部60までのケーブルと異なり、音声信号を小型表示装置1へ流さない。
【0078】
尚、小型表示装置1に音声出力端子(イヤホン直結も含む)を設けて電力供給部60から音声信号をケーブル内の別線で流してこの端子から取り出せる構成とすることもできる。これにより電力供給部から使用者の頭部へのケーブルが一本となって、すっきりする。電力供給部に音声出力端子を有する構成には、汎用の音声入力端子を備えた各種イヤホンやヘッドホンを使えるメリットがある。電力供給部60、小型表示装置1の一方又は両方にこの音声出力端子を設けることでイヤホンの使用自由度が増えて便利である。
【0079】
さらに、上記各部の制御プログラムを実行して制御するCPU61、制御プログラムを記憶しているROM62、一時記憶領域として用いられるRAM63を有している。そして、上記それぞれの部位はシステムバス67により相互に接続されている。
【0080】
また、図6に示すように、角度スイッチ1000(電源供給停止部)を小型表示装置1のケース120に設け、小型表示装置1による目視を止めて小型表示装置1をレンズ面に対して垂直方向に回転させることにより、角度スイッチ1000が突出体220に押圧され(停止指示部)、電源部64からの電源供給が停止されるように構成しても良い。すなわち、使用者の視野が小型表示装置1から外れた場合(眼鏡レンズ51と小型表示装置1が略平行でなくなった場合)、電源部64をオフする構成も可能である。また、以上のような構成の他に、電力供給部60がカメラ20から画像信号(映像信号)を入力していない場合に、CPU61がその旨を検知し、電源部64をオフするようにしても良い。
【0081】
更には、画像信号が入力されなくなった時点から予め定められた時間が経過した後に、CPU61が電源部64をオフするようにしても良い。即ち、待機モード等の動作として、電源部64が一定時間後にオフするように構成しても良い。更に、画像信号が再度入力されると、CPU61は、その旨を検出し、電源部64を再度オンとするようにしても良い。
【0082】
また、電力供給部60には、シャッターボタン90を備えた構成も可能である。
【0083】
また、カメラ20からのAV出力された画像信号(映像信号)をそのまま小型表示装置1へ出力する構成としたが、カメラ20からの画像信号をインタフェース66で受信し、CPU61で信号を加工することも可能である。これにより、例えば、電池の残量が少なくなった場合、電池の残量電圧に応じたグラフ信号、または所定値以下での警告信号を、画像信号に合成して、小型表示装置1に送信し、表示部14(液晶ディスプレイ80)にて従量表示させることができる。
【0084】
また、カメラ20に記憶された撮影画像を小型表示装置1で再生する場合、画像再生の制御をするための不図示のリモコン制御部を備える構成とすることも可能である。
【0085】
<シャッターボタン90に係る内部構成>
図12は、シャッターボタン90の例示的な内部構成のブロック図である。
【0086】
シャッターボタン90は、カメラ20及び小型表示装置1と接続するためのインタフェース96と、シャッターボタンを押されたことを検知する入力部95と、入力部からの信号で不図示のソレノイドを制御するシャッター制御部94を含んでいる。
【0087】
シャッター制御部94は、ソレノイドにより、不図示のケーブルレリーズを押して、ケーブルレリーズの先に設けたカメラ20のレリーズボタンをオンにして撮影する。レリーズボタンは、カメラ20のシャッターボタンを押圧するようシャッターボタンを被うように固定されている。
【0088】
インタフェース96は、もし、カメラ20が赤外通信機能を持っていた場合には、赤外無線の送受信を行う。なお、もしカメラ20が電気信号の送受信を行える場合は、ケーブル40を介して電気信号の送受信を行うことも可能である。また、公知技術として、PCからUSBインタフェースを介して、カメラ20のシャッター制御ができるソフトウェアを、ROM92に記憶させ、インタフェース96を介して、カメラ20の不図示のUSB端子と信号の送受信を行い、カメラ20のシャッター操作入力を行うことも可能である。
【0089】
さらに、上記各部の制御プログラムを実行して制御するCPU91、制御プログラムを記憶しているROM92、一時記憶領域として用いられるRAM93を有している。そして、上記それぞれの部位はシステムバス97により相互に接続されている。
【0090】
<小型表示装置1の動作>
次に、小型表示装置1の動作を説明する。なお、カメラ20における撮影時の動作についての詳細は、公知技術であるので、ここでは省略する。
【0091】
小型表示装置1を、配接されたケーブル40を介して、カメラ20のAV端子30(インタフェース26)に接続し、電力供給部60の電源スイッチを「ON」にすると、カメラレンズ28により得られた像が画像信号として、インタフェース16を介し小型表示装置1へ出力される。
【0092】
受信された出力データは画像処理部15によりデコードされ表示データとしてRAM13へ格納される。CPU11はRAM13に格納されている表示データに基づいて表示部14を制御し、表示部14(液晶ディスプレイ80)に画像を形成する。またCPU11は、後述する指示部によって、画像を上下反転させて画像表示を制御することも可能である。
【0093】
使用者は、液晶ディスプレイ80(表示部14)に表示された画像を見ながらシャッターチャンスおよび撮影アングルを決定する。シャッターチャンスおよび撮影アングルが決定されると、使用者により、例えば、電力供給部60に配設されているシャッターボタン90を押し込む。なお、ユーザは液晶ディスプレイ80(表示部14)に表示された画像を見ながらカメラ20の不図示のシャッターボタンを押し込んでもよい。
【0094】
使用者によりシャッターボタン90が押し込まれると、液晶ディスプレイ80(表示部14)には、撮影された画像が静止画として表示される。カメラ20のCPU21にて、撮影された画像が記録処理されると、撮影している被写体が動画として液晶ディスプレイ80(表示部14)に再び表示される。
【0095】
また、カメラ20の不図示のメモリに保存された撮影画像は、カメラ20の液晶表示部27で再生することも、AV端子30からケーブル40を介して小型表示装置1で再生することも可能である。
【0096】
液晶ディスプレイ80(表示部14)に表示された時、使用者の各目には、図13に示したような状態で画像が見える。
【0097】
図13におけるIは画像であり、一般的には暗い空間Sの中に、画像Iがぽっかり浮かんでいるような状態でそれは見える。画像Iが存在するように見える範囲が、本発明の表示範囲に相当する。なお、画像Iの周りにある空間Sは、拡大レンズ150の瞳に対応するものである。また、空間Sの周りには、鏡筒70の先端がぼんやりと見える。鏡筒70の先端がぼんやりとしか見えないのは、これが使用者の目の近点よりも使用者の目寄りにあるからである。
【0098】
また、鏡筒70の周囲には、外界Oが見える。外界Oの周縁は、使用者の目の視野に一致している。この実施形態における表示範囲の大きさは、使用者の画像Iを見る側の目の視野の1/3よりもずっと小さくなっている。なお、この表示範囲の画角は、この実施形態では、左右方向で20°程度である。
【0099】
この実施形態では、使用者は、表示範囲を見ている状態で、視線を動かすことなく、外界Oの景色も認識できる。また、使用者は、視線を動かせば、外界の景色をより多く見ることができる。更に前出のように小型表示装置1をレンズ面に垂直に回転することで鏡筒70を視野から外せて視野はより広くなる。
【0100】
上述したように、本実施の形態では、通常配置されているカメラ20のAV端子30(インタフェース26)に小型表示装置1を配接して使用するため、特別な仕様のカメラを必要としない。つまり、カメラ20の仕様に依存しない小型表示装置1を実現することが可能である。
【0101】
(実施例2)
第2実施形態による小型表示装置1は、図14に示したようなものである。この小型表示装置1は、第1実施形態の小型表示装置1に、更に切替えスイッチ300を備える構成とする。
【0102】
この実施例では、使用者により利き目が異なる場合でも、同様の構成で、画像表示対応できる小型表示装置1を提供するものである。
【0103】
なお、切替えスイッチ300以外の構成は、第1実施形態と同一であるため、ここでは説明を省略する。
【0104】
切替えスイッチ300は、使用者のどちらの目(眼鏡レンズ51)に、小型表示装置1を取付けるかを、使用者によって切替えることができるスイッチである。図14において、使用者は右目の眼鏡に小型表示装置1を取付けているため、切替えスイッチ300は、図15に示すように、右目の眼鏡に取付けた事を示す「R」に切替えられる。なお、図1のように、小型表示装置1を左目の眼鏡に取付けた場合、図15のスイッチは左目に取付けた事を示す「L」に切替えられる。
【0105】
なお、本実施例において切替えスイッチ300は、指示部の一例として機能する。次に、小型表示装置1の動作について、図10を用いて説明する。
【0106】
小型表示装置1を、配接されたケーブル40を介して、カメラ20のAV端子30(インタフェース26)に接続し、電力供給部60で電源スイッチを「ON」にすると、カメラレンズ28により得られた像が画像信号として、インタフェース16を介し小型表示装置1へ出力される。
【0107】
受信された出力データは画像処理部15によりデコードされ表示データとしてRAM13へ格納される。CPU11はRAM13に格納されている表示データに基づいて表示部14を制御し、表示部14(液晶ディスプレイ80)に画像を形成する。
【0108】
この時、使用者が左目に小型表示装置1を取付けた場合、表示される画像は、カメラ20で得られた像と同一である。しかし、右目に取付けた場合、小型表示装置1が上下反転されて取付けられる為(ケーブル40が顔前面に垂れないよう)、カメラ20で得られた像と上下反転した画像が、表示部14(液晶ディスプレイ80)に表示される。
【0109】
そこで、切替えスイッチ300を「R」に使用者が切替えた場合、切替えスイッチ300から「R」の電気信号をCPU11が受信し、CPU11は、RAM13に格納されている表示データに基づいて表示部14を制御し、表示部14(液晶ディスプレイ80)に画像を上下反対に表示する。
【0110】
CPU11は、画像が静止画像の場合、以下のような処理を行うものとすることができる。画像の180°回転が必要であることを示す情報が、切替えスイッチ300から入って来た場合であって、信号が、表示部14(液晶ディスプレイ80)の画素と関連付けられたX−Y座標表示を含む(但し、X=1、2、…、m、Y=1、2、…、n)ものである場合、CPU11は、元のX座標をm−Xに、元のY座標をn−Yにそれぞれ置換えてやることで、画像の180°回転を行う。
【0111】
CPU11は、また、画像が動画像の場合、以下のような処理を行うものとすることができる。CPU11は、画像の180°回転が必要であることを示す情報が、切替えスイッチ300から入って来た場合であって、信号が、表示部14(液晶ディスプレイ80)の画素と関連付けられたX−Y座標表示を含む(但し、X=1、2、…、m、Y=1、2、…、n)ものである場合には、上述の場合と同様の処理を、動画の1フレーム分のデータ毎に繰り返して行うことで画像の180°回転を行う。
【0112】
また、動画の1フレーム分のデータが、所定のディスプレイの走査線に沿った一連の帯状のデータの場合、そのデータの前後を引っくり返せば、画像の180°回転を行える。動画の1フレーム分のデータが、所定のディスプレイの走査線に沿った一連の帯状のデータの場合、CPU11は、このような処理を行うようなものであってもよい。
【0113】
また、切替えスイッチ300を「L」に使用者が切替えた場合、CPU11は「L」の電気信号を受信し、上述したように、表示部14(液晶ディスプレイ80)には、カメラ20で得られた像と同一の画像を表示する。
【0114】
なお、ここでは、左目に小型表示装置1を取付けた場合、表示される画像は、カメラ20で得られた像と同一であるとしたが、これに限定されず、右目に取付けた場合に、カメラ20で得られた像と同一の表示をし、「L」の電気信号を受信することにより、画像を上下反転する構成としても可能である。
【0115】
また、例えば、公知技術であるボールを使用した正逆検知方法を小型表示装置1内部に用いて、CPU11は、小型表示装置1が反転されたことを検知し、画像を上下反転させて、表示部14(液晶ディスプレイ80)に表示させることも可能である。
【0116】
また、マイコンからの反転コマンドにより画像を上下反転することも可能である。図16に表示部14における内部構成図を示す。マイコン900は、切替えスイッチ300から、画像を反転する信号を受信したらLCDドライバ800に反転コマンドを送信する。反転コマンドは、例えば、アドレスXのコマンドレジスタを「0」または「1」によって、上下に変換するコマンドである。LCDドライバ800は、ビデオデコーダ700を介してAV信号(例えば、コンポジットビデオ信号)を受信し、マイコン900から反転コマンドを受信していた場合、液晶ディスプレイ80に画像を反転して表示させる。
【0117】
上述したように、本実施の形態では、眼鏡50の左右どちらに、小型表示装置1を取付けた場合でも、構成を変える事無く、切替えスイッチ300により、撮影に適した画像表示を実現できる。つまり、使用者各々の利き目に依存しない小型表示装置1を提供することが可能である。
【0118】
また、例えば、利用者がカメラ20のカメラレンズ28を自分に向け、鏡を見ているように小型表示装置1を利用することも可能である。その場合、上述した画像の上下反転方法を、左右反転に置換えた方法を用いる。利用者は、小型表示装置1を眼鏡に取付け後、鏡として使用したい場合、不図示の鏡用切替えスイッチを鏡用に切替える。スイッチからの信号により、小型表示装置1は、画像の左右反転を行い、利用者は鏡を見ているように左右反対に画像を見ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明に係る第1実施形態におけるカメラシステムの概観を示す図である。
【図2】第1実施形態における小型表示装置1の構成を示す透視図である。
【図3】第1実施形態における小型表示装置1の構成を示す分解図である。
【図4】第1実施形態における中間部材200の使用状態を示す側面図である。
【図5】本実施形態における支持体の変形例を示す図である。
【図6】本実施形態における支持体の他の変形例を示す図である。
【図7】図6に示す変形例によって取り付けられた様子を示す図である。
【図8】図6に示す変形例における弾性部材の一例を示す図である。
【図9】カメラ20の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図10】小型表示装置1の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図11】電力供給部60の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図12】シャッターボタン90の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図13】小型表示装置1の使用時において、使用者から見える様子を説明する図である。
【図14】第2実施形態におけるカメラシステムの概観を示す図である。
【図15】切替えスイッチ300の概観の一例を示す図である。
【図16】表示部14の内部構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0120】
1 小型表示装置
20 カメラ
28 カメラレンズ
30 AV端子
40 ケーブル
50 眼鏡
51 眼鏡レンズ
52 サイドフレーム
60 電力供給部
70 鏡筒
80 液晶ディスプレイ
90 シャッターボタン
100 穴
110 弾性片
120 ケース
130 変換基板
140 バックライトユニット
141 把持体
150 拡大レンズ
160 吸盤
171 第1軸体
172 第2軸体
173 軸受け
200 中間部材
220 突出体
221 球体
222 粘着剤層
300 切替えスイッチ
400 クリップ
500、600 弾性部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼鏡に固定する小型表示装置であって、
映像を表示する表示部と、
前記眼鏡の一部を挟持するクリップ部と、
前記表示部を前記眼鏡に対して非接触状態を維持し、前記眼鏡のレンズの前面に固定するため、前記クリップ部と前記表示部とを連結する支持体と、
外部装置からの映像信号を入力し、入力した映像信号の前記表示部への供給、並びに、前記表示部への電力供給源として機能する電力供給部と
を備えることを特徴とする小型表示装置。
【請求項2】
前記電力供給部は、前記表示部に、入力された映像信号と電力とを、共通のケーブルで供給することを特徴とする請求項1に記載の小型表示装置。
【請求項3】
前記クリップ部の挟持面に、弾性部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の小型表示装置。
【請求項4】
前記支持体は、前記表示部の向きを3次元的に変更可能なように支持することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の小型表示装置。
【請求項5】
前記表示部によって表示される映像を上下反対、若しくは、左右反対に切り替えることを指示する指示部を、更に備え、
前記指示部による指示に応じて、前記映像を上下反対、若しくは、左右反対として前記表示部に表示することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の小型表示装置。
【請求項6】
前記電力供給部は、前記表示部とは別体であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の小型表示装置。
【請求項7】
前記外部装置はカメラであって、
該カメラへ撮影を指示するための撮影指示部は、前記表示部から離れた位置に設けられることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の小型表示装置。
【請求項8】
前記表示部への電力供給を停止する停止指示部を、更に備え、
前記停止指示部による指示に応じて、前記表示部への電力供給を停止することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の小型表示装置。
【請求項9】
眼鏡に固定する小型表示装置であって、
映像を表示する表示部と、
外部装置からの映像信号と音声信号を入力し、入力した映像信号の前記表示部への供給、並びに前記表示部への電力の供給源として機能する電力供給部とを有し、
前記電力供給部は、前記映像信号と前記音声信号を入力するケーブルと、入力された少なくとも前記映像信号を前記電力とともに前記表示部に供給するための共通のケーブルを備え、入力された前記音声信号を再生すべく出力する出力端子を前記電力供給部もしくは前記表示部の少なくとも一方に設けることを特徴とする小型表示装置。
【請求項10】
眼鏡に固定する小型表示装置であって、
映像を表示する表示部と、
カメラである外部装置からの映像信号を入力し、入力した映像信号の前記表示部への供給、並びに、前記表示部への電力供給源として機能する電力供給部と、
前記カメラへ撮影を指示するための撮影指示手段とを有し、
前記電力供給部は、入力された映像信号を前記電力とともに前記表示部に供給するための共通のケーブルとを備え、前記撮影指示手段を、前記表示部から離れた位置であって、かつ、前記ケーブルに沿った位置に設けることを特徴とする小型表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−41434(P2010−41434A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−202413(P2008−202413)
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【出願人】(000104652)キヤノン電子株式会社 (876)
【出願人】(300053553)スカラ株式会社 (41)
【Fターム(参考)】