説明

尿細管間質障害の治療及び/又は予防剤

【課題】 尿細管間質障害の治療及び/又は予防のために有用な医薬を提供する。
【解決手段】 下記式(I):


で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を有効成分として含む、尿細管間質障害の治療及び/又は予防のための医薬。代表的な化合物としては、例えば3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンが挙げられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を有効成分として含む尿細管間質障害の治療及び/又は予防のための医薬に関する。
【背景技術】
【0002】
尿細管間質障害は、様々な腎疾患における末期腎不全に至る共通の最終経路であると考えられている。例えば、尿細管間質性腎炎には、急性尿細管・間質性腎炎と慢性尿細管・間質性腎炎の2種類の型があり、腎臓が障害を受けると、急性や慢性の腎不全に至ることがある。また、尿細管間質障害の原因としては、細菌感染症(例えば、O-157感染など)、腎盂腎炎、尿閉(前立腺肥大症などで、膀胱から尿が出なくなること)、自己免疫疾患(サルコイドーシス、シェーグレン症候群など)などが挙げられる。
【0003】
一方、下記式(I):
【化1】

(式中、R1は水素原子、アリール、炭素数1〜5のアルキル又は総炭素数3〜6のアルコキシカルボニルアルキルを表し、R2は、水素原子、アリールオキシ、アリールメルカプト、炭素数1〜5のアルキル又は1〜3のヒドロキシアルキルを表し、あるいは、R1及びR2は、共同して炭素数3〜5のアルキレンを表し、R3は水素原子、炭素数1〜5のアルキル、炭素数5〜7のシクロアルキル、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル、ベンジル、ナフチル又はフェニル、又は炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル、総炭素数2〜5のアルコキシカルボニル、炭素数1〜3のアルキルメルカプト、炭素数1〜4のアルキルアミノ、総炭素数2〜8のジアルキルアミノ、ハロゲン原子、トリフルオロメチル、カルボキシル、シアノ、水酸基、ニトロ、アミノ、及びアセトアミドからなる群から選ばれる同一若しくは異なる1〜3個の置換基で置換されたフェニルを表す。)で表されるピラゾロン誘導体については、医薬の用途として、脳機能正常化作用(特許文献3参照)、過酸化脂質生成抑制作用(特許文献4参照)、抗潰瘍作用(特許文献5参照)、血糖上昇抑制作用(特許文献6参照)等が知られている。また、上記式(I)の化合物のうち、3-メチル-1- フェニル-2- ピラゾリン-5- オンを有効成分として含む急性腎不全の予防・治療剤が特許文献7に記載されている。さらに、上記したピラゾロン誘導体若を有効成分として含む薬剤性腎障害の予防及び/又は治療のための医薬が特許文献8に記載されている。
【0004】
また、上記式(I)の化合物のうち、3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンを有効成分とする製剤は、2001年6月以来、脳保護剤(一般名「エダラボン」、商品名「ラジカット」:三菱ウェルファーマ株式会社製造・販売)として上市されている。この「エダラボン」は、活性酸素に対して高い反応性を有することが報告されている(非特許文献1;非特許文献2参照)。このように、エダラボンは活性酸素をはじめとする種々のフリーラジカルを消去することで、細胞障害などを防ぐ働きをするフリーラジカルスカベンジャーである。しかしながら、これまでエダラボンが尿細管間質障害の治療及び/又は予防に対して有効であるか否かの検討については全く報告がない。
【0005】
【特許文献1】特開2002−138052号公報
【特許文献2】特開2003−81872号公報
【特許文献3】特公平5−31523号公報
【特許文献4】特公平5−35128号公報
【特許文献5】特開平3−215425号公報
【特許文献6】特開平3−215426号公報
【特許文献7】特開平9−52831号公報
【特許文献8】特開2004−99560号公報
【非特許文献1】Kawai, H., et al., J. Phamacol. Exp. Ther., 281(2), 921, 1997
【非特許文献2】Wu, TW. et al., Life Sci, 67(19), 2387, 2000
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、尿細管間質障害の治療及び/又は予防のために有用な医薬を提供することにある。本発明の課題は、特に、尿細管間質の繊維化を抑制することができる上記医薬を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決することを目的として、式(I)で示されるピラゾロン誘導体を用いて、尿細管間質障害に対する治療効果について検討した。その結果、上記ピラゾロン誘導体の投与により、尿細管間質の繊維化を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明によれば、下記式(I):
【化2】

(式中、R1は、水素原子、アリール基、炭素数1〜5のアルキル基又は総炭素数3〜6のアルコキシカルボニルアルキル基を表し;R2は、水素原子、アリールオキシ基、アリールメルカプト基、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を表し;あるいは、R1及びR2は、共同して炭素数3〜5のアルキレン基を表し;R3は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、ベンジル基、ナフチル基、フェニル基、又は炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、総炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜3のアルキルメルカプト基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、総炭素数2〜8のジアルキルアミノ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、カルボキシル基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アミノ基及びアセトアミド基からなる群から選ばれる同一若しくは異なる1〜3個の置換基で置換されたフェニル基を表す。)
で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を有効成分として含む、尿細管間質障害の治療及び/又は予防のための医薬が提供される。
【0009】
本発明の別の側面によれば、上記式(I)で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を有効成分として含む、尿細管間質の繊維化抑制剤が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、上記式(I)で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を有効成分として含む、尿細管間質性腎炎の治療及び/又は予防のための医薬が提供される。
【0010】
本発明のさらに別の側面によれば、上記式(I)で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を有効成分として含む、IV型コラーゲン発現抑制剤が提供される。
【0011】
本発明の好ましい態様によれば、式(I)で示されるピラゾロン誘導体は、3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンである。
【0012】
本発明のさらに別の局面によれば、上記式(I)で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物の治療及び/又は予防有効量をヒトを含む哺乳動物に投与する工程を含む、尿細管間質障害を治療及び/又は予防する方法が提供される。
【0013】
本発明のさらに別の局面によれば、上記式(I)で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物の治療及び/又は予防有効量をヒトを含む哺乳動物に投与する工程を含む、尿細管間質の繊維化を抑制する方法が提供される。
【0014】
本発明のさらに別の局面によれば、上記式(I)で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物の治療及び/又は予防有効量をヒトを含む哺乳動物に投与する工程を含む、IV型コラーゲンの発現を抑制する方法が提供される。
【0015】
本発明のさらに別の側面によれば、尿細管間質障害の治療及び/又は予防のための医薬の製造のための式(I)で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物の使用が提供される。
【0016】
本発明のさらに別の側面によれば、尿細管間質の繊維化抑制剤の製造のための式(I)で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物の使用が提供される。
【0017】
本発明のさらに別の側面によれば、IV型コラーゲン発現抑制剤の製造のための式(I)で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物の使用が提供される。
【発明の効果】
【0018】
本発明による医薬は、尿細管間質障害を効果的に治療及び予防することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明による尿細管間質障害の治療及び/又は予防のための医薬、尿細管間質の繊維化抑制剤、尿細管間質性腎炎の治療及び/又は予防のための医薬、並びにIV型コラーゲン発現抑制剤(本明細書中では、これらを総称して、本発明の医薬と略記する場合がある)は、本明細書に定義する式(I)で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を含む。
【0020】
本発明で用いる式(I)で示される化合物は、互変異性により、以下の式(I')又は(I”)で示される構造をもとりうる。本明細書の式(I)には、便宜上、互変異性体のうちの1つを示したが、当業者には下記の互変異性体の存在は自明である。本発明の医薬の有効成分としては、下記の式(I')又は(I”)で表される化合物若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を用いてもよい。
【0021】
【化3】

【0022】
式(I)において、R1の定義におけるアリール基は単環性又は多環性アリール基のいずれでもよい。例えば、フェニル基、ナフチル基などのほか、メチル基、ブチル基などのアルキル基、メトキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、塩素原子などのハロゲン原子、又は水酸基等の置換基で置換されたフェニル基等が挙げられる。アリール部分を有する他の置換基(アリールオキシ基など)におけるアリール部分についても同様である。
【0023】
1、R2及びR3の定義における炭素数1〜5のアルキル基は直鎖状、分枝鎖状のいずれでもよい。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。アルキル部分を有する他の置換基(アルコキシカルボニルアルキル基)におけるアルキル部分についても同様である。
【0024】
1の定義における総炭素数3〜6のアルコキシカルボニルアルキル基としては、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、プロポキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル基、メトキシカルボニルプロピル基等が挙げられる。
【0025】
1及びR2の定義における炭素数3〜5のアルキレン基としては、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、メチルトリメチレン基、エチルトリメチレン基、ジメチルトリメチレン基、メチルテトラメチレン基等が挙げられる。
【0026】
2の定義におけるアリールオキシ基としては、p−メチルフェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基、p−クロロフェノキシ基、p−ヒドロキシフェノキシ基等が挙げられ、アリールメルカプト基としては、フェニルメルカプト基、p−メチルフェニルメルカプト基、p−メトキシフェニルメルカプト基、p−クロロフェニルメルカプト基、p−ヒドロキシフェニルメルカプト基等が挙げられる。
【0027】
2及びR3の定義における炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。R3の定義における炭素数5〜7のシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。
【0028】
3の定義において、フェニル基の置換基における炭素数1〜5のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基等が挙げられ、総炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等が挙げられ、炭素数1〜3のアルキルメルカプト基としては、メチルメルカプト基、エチルメルカプト基、プロピルメルカプト基等が挙げられ、炭素数1〜4のアルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基等が挙げられ、総炭素数2〜8のジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基等が挙げられる。
【0029】
本発明の医薬の有効成分として好適に用いられる化合物(I)として、例えば、以下に示す化合物が挙げられる。
3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−1−(2−メチルフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−1−(3−メチルフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−1−(4−メチルフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−1−(3,4−ジメチルフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−エチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−1−(4−プロピルフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ブチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
【0030】
1−(4−トリフルオロメチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(2−メトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3−メトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−エトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−1−(4−プロポキシフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ブトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(2−クロロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3−クロロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−クロロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3,4−ジクロロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
【0031】
1−(4−ブロモフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−フルオロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3−メチルメルカプトフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−メチルメルカプトフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
4−(3−メチル−5−オキソ−2−ピラゾリン−1−イル)安息香酸;
1−(4−エトキシカルボニルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ニトロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−エチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−フェニル−3−プロピル−2−ピラゾリン−5−オン;
【0032】
1,3−ジフェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−フェニル−1−(p−トリル)−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−メトキシフェニル)−3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−クロロフェニル)−3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
3,4−ジメチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
4−イソブチル−3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
4−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−4−フェノキシ−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−4−フェニルメルカプト−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
【0033】
3,3',4,5,6,7−ヘキサヒドロ−2−フェニル−2H−インダゾール−3−オン;
3−(エトキシカルボニルメチル)−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1,3−ジメチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−エチル−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−ブチル−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(2−ヒドロキエチル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−シクロヘキシル−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−ベンジル−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
【0034】
1−(α−ナフチル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−メチル−3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
3−メチル−1−(4−メチルフェニル)−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ブチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−メトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ブトキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−クロロフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(2−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
【0035】
1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(3,4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ヒドロキシメチルフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−アミノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−メチルアミノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−エチルアミノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ブチルアミノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(4−ジメチルアミノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;
1−(アセトアミドフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン;及び
1−(4−シアノフェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン
【0036】
本発明の医薬の有効成分としては、式(I)で表される遊離形態の化合物のほか、生理学的に許容される塩を用いてもよい。生理学的に許容される塩としては、塩酸、硫酸、臭化水素塩、リン酸等の鉱酸との塩;メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸等の有機酸との塩;ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩;マグネシウム等のアルカリ土類金属との塩;アンモニア、エタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等のアミンとの塩が挙げられる。この他、生理的に許容されるものであれば塩の種類は特に限定されることはない。
【0037】
式(I)で表される化合物はいずれも公知の化合物であり、特公平5−31523号公報などに記載された方法により当業者が容易に合成できる。
【0038】
本発明の医薬の投与量は特に限定されないが、通常は、有効成分である式(I)で示される化合物の重量として一般に経口投与の場合には一日あたり0.1〜100mg/kg体重であり、非経口投与の場合には一日あたり0.1〜100mg/kg体重である。上記投与量は1日1回又は2〜3回に分けて投与するのが好ましく、年齢、病態、症状により適宜増減してもよい。
【0039】
本発明の医薬としては、上記式(I)で表される化合物若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物をそのまま投与してもよいが、一般的には、有効成分である上記の物質と薬理学的及び製剤学的に許容される添加物を含む医薬組成物を調製して投与することが好ましい。
【0040】
薬理学的及び製剤学的に許容しうる添加物としては、例えば、賦形剤、崩壊剤ないし崩壊補助剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、色素、希釈剤、基剤、溶解剤ないし溶解補助剤、等張化剤、pH調節剤、安定化剤、噴射剤、及び粘着剤等を用いることができる。
【0041】
経口投与に適する医薬組成物には、添加物として、例えば、ブドウ糖、乳糖、D−マンニトール、デンプン、又は結晶セルロース等の賦形剤;カルボキシメチルセルロース、デンプン、又はカルボキシメチルセルロースカルシウム等の崩壊剤又は崩壊補助剤;ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、又はゼラチン等の結合剤;ステアリン酸マグネシウム又はタルク等の滑沢剤;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、白糖、ポリエチレングリコール又は酸化チタン等のコーティング剤;ワセリン、流動パラフィン、ポリエチレングリコール、ゼラチン、カオリン、グリセリン、精製水、又はハードファット等の基剤を用いることができる。
【0042】
注射あるいは点滴用に適する医薬組成物には、注射用蒸留水、生理食塩水、プロピレングリコール等の水性あるいは用時溶解型注射剤を構成しうる溶解剤又は溶解補助剤;ブドウ糖、塩化ナトリウム、D−マンニトール、グリセリン等の等張化剤;無機酸、有機酸、無機塩基又は有機塩基等のpH調節剤等の添加物を用いることができる。
【0043】
本発明の医薬の形態は特に限定されず、当業者に利用可能な種々の形態をとることができる。経口投与に適する医薬として、例えば、固体の製剤用添加物を用いて錠剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤などを調製することができ、液状の製剤用添加物を用いてシロップ剤などを調製することができる。また、非経口投与に適する医薬として、注射剤、点滴剤、坐剤、経皮吸収剤などを調製することができる。なお、上記の式(I)の化合物を有効成分とする脳保護剤(点滴剤)が、すでに臨床において使用されているので(一般名「エダラボン」、商品名「ラジカット」:三菱ウェルファーマ株式会社製造・販売)、本発明の医薬において上記市販製剤をそのまま用いることができる。
【0044】
本発明の医薬の投与経路は特に限定されず、経口的又は非経口的に投与することができる。非経口投与の投与経路も特に限定されず、静脈内、動脈内に注射投与することができる。
【0045】
本発明の医薬は、尿細管間質障害の発症に先立って予防的に投与しておくこともできる。また、尿細管間質障害を発症した患者に対しては、症状の悪化の防止ないしは症状の軽減などを目的として、本発明の医薬を該患者に投与することができる。
【0046】
本発明の医薬の投与対象となる尿細管間質障害は最も広義に解釈され、尿細管間質の機能が障害される全ての病態を包含するものとする。本発明の医薬は、上記した尿細管間質障害の治療及び/又は予防のために使用することができる。また、本発明の医薬は、腎臓におけるIV型コラーゲン発現を抑制することにより、尿細管間質の繊維化を抑制する作用を有し、これにより尿細管間質障害に対する治療効果及び予防効果を発揮するものである。即ち、本発明の医薬は、尿細管間質の繊維化抑制剤、又はIV型コラーゲン発現抑制剤として使用することができる。
【実施例】
【0047】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により限定されるものではない。
【0048】
合成例:3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン(以下、エダラボンと称す)の合成
エタノール50ml中にアセト酢酸エチル13.0g及びフェニルヒドラジン10.8gを加え、3時間還流攪拌した。反応液を放冷後、析出した結晶をろ取し、エタノールより再結晶して、表題の化合物11.3gを無色結晶として得た。
収率 67%
融点 127.5〜128.5℃
【0049】
試験例:
(方法)
6週齢SD系雄性ラットの左腎の尿管を、一側尿管結紮(Unilateral Ureteral Obstruction;UUO)により結紮した。エダラボン(6mg/kg)の投与はUUO処置の1時間前に腹腔内投与し、以後は7日間、1日2回12時間ごとに腹腔内投与した。対照群としては生理食塩水を投与した。実験群は、(1)sham(偽処置)+生理食塩水投与、(2)UUO処置+生理食塩水投与、(3)UUO処置+エダラボン投与、及び(4)sham(偽処置)+エダラボン投与、の4群で、各群につき3匹のラットを用いた。UUO処置7日後に採血、腎摘出を行なった。尿細管間質線維化は、間質の繊維化の程度を知ることができるマッソントリクローム染色(江原孝史ら、腎と透析、55、429-437 (2003)および繊維化の指標としてよく知られている(Cosimo Stambe, et al. J.Am.Soc.Nephrol, 15, 370-379 (2004))IV型コラーゲンおよびα−平滑筋アクチン(α-SMA)の発現量をウエスタンブロットにより測定した。マッソントリクローム染色およびウエスタンブロットは以下の通り行った。
【0050】
マッソントリクローム染色では、腎組織を10%ホルマリン中性緩衝溶液で固定し、脱水処理を行いパラフィン包埋ブロックを作製した。パラフィンブロックからミクロトームにより6μmの厚さの切片を作製し、脱パラフィン操作を行い、水洗後媒染液(10%重クロム酸カリウム・10%トリクロル酢酸)に20分間浸漬し流水水洗30秒後にマイヤーヘマトキシリンで10分間染色を行った。染色後流水で水洗し、0.8%オレンジG溶液に8分間浸漬し、1%酢酸溶液で軽く洗浄後マッソン溶液に40分間浸漬させた。1%酢酸溶液で洗浄後、2.5%リンタングステン酸で5分間浸漬し、さらに1%酢酸溶液にて軽く洗浄した。アニリンブルー溶液に5分間浸漬させた後、1%酢酸溶液に5分間浸漬後に軽く水洗し、脱水、透徹、封入を行った。
【0051】
ウエスタンブロットでは先ず、摘出した腎組織を溶解バッファー(50 mM Tris-HCl buffer pH 7.4 with 150 mM KCl, 1 mM EDTA, 0.1 mM EGTA, 1% Nonidet P-40, 0.1% SDS, 0.5%sodium deoxycholate, protease inhibitor cocktail, 1 mM 1,10-phenanthroline)で20%ホモジネートを調製した。16,500 回転、30分間遠心処理後、その上清をタンパク質含有試料とした。タンパク質含有試料を常法により、IV型コラーゲンでは12%、α-SMAでは10%のポリアクリルアミドゲルでそれぞれ電気泳動に供し、電気泳動後、蛋白質をニトロセルロース膜にトランスファーした。膜に抗IV型コラーゲン抗体(ウサギポリクローナル抗体)および抗α-SMA抗体(マウスモノクローナル抗体)をブロッキングバッファー(TBS with 0.1% Tween 20 and 5% スキンミルク)で1,000倍に希釈した溶液に浸し、4 ℃でオーバーナイトでシェーキングミキサーで振とうしながらブロッキングを行った。次いで、二次抗体(IV型コラーゲン:抗ウサギ IgG抗体、α-SMA:抗マウス IgG抗体)を室温で60分間反応させた。次いで、ニトロセルロース膜をブロッキングバッファー(TBS with 0.1% Tween 20 and 2.5% スキンミルク)で洗浄後、ブロッキングバッファーから膜を取りだし、発光基質(ECLウエスタンブロッティング検出試薬)を添加し1分間反応させて、ルミノ・イメージアナライザーで検出した。
【0052】
(結果)
一側尿管結紮(UUO)による腎間質繊維化を組織学的に確認する目的で、マッソントリクローム染色を行った。結果を図1に示す。写真の青く染まっているところが膠原繊維でその染色の程度から、腎間質の繊維化の程度を知ることができる。UUOでは、Shamに比べて全体的に青い染色の程度が強く、繊維化が強く起こっていることがわかった。エダラボンで処置すると、UUO単独に比べて青い染色の程度がSham群に近く、繊維化が抑制されていることがわかった。
【0053】
IV型コラーゲン及びα−平滑筋アクチン(α-SMA)の発現量をウエスタンブロットで測定した結果をそれぞれ図2および図3に示す。図2及び図3の結果から、UUOにより腎組織でのIV型コラーゲン及びα-SMAの発現量は増大するが、エダラボンの投与により、UUOによる線維化は抑制されることが実証された。上記の通り、エダラボンはラット一側尿管結紮腎における尿細管間質線維化を抑制したことから、尿細管間質障害の治療及び/又は予防のための医薬として有効であることが示された。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1は、ラットの尿細管間質線維化をマッソントリクローム染色で調べた結果を示す。
【図2】図2は、ラット腎臓におけるIV型コラーゲンの発現量を測定した結果を示す。*:Shamに対してP<0.01、#:UUOに対してP<0.05
【図3】図3は、ラット腎臓におけるα−平滑筋アクチンの発現量を測定した結果を示す。**:Shamに対してP<0.01、#:UUOに対してP<0.01

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I):
【化1】

(式中、R1は、水素原子、アリール基、炭素数1〜5のアルキル基又は総炭素数3〜6のアルコキシカルボニルアルキル基を表し;R2は、水素原子、アリールオキシ基、アリールメルカプト基、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を表し;あるいは、R1及びR2は、共同して炭素数3〜5のアルキレン基を表し;R3は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、ベンジル基、ナフチル基、フェニル基、又は炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、総炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜3のアルキルメルカプト基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、総炭素数2〜8のジアルキルアミノ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、カルボキシル基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アミノ基及びアセトアミド基からなる群から選ばれる同一若しくは異なる1〜3個の置換基で置換されたフェニル基を表す。)
で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を有効成分として含む、尿細管間質障害の治療及び/又は予防のための医薬。
【請求項2】
式(I)で示されるピラゾロン誘導体が3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンである、請求項1に記載の医薬。
【請求項3】
下記式(I):
【化2】

(式中、R1は、水素原子、アリール基、炭素数1〜5のアルキル基又は総炭素数3〜6のアルコキシカルボニルアルキル基を表し;R2は、水素原子、アリールオキシ基、アリールメルカプト基、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を表し;あるいは、R1及びR2は、共同して炭素数3〜5のアルキレン基を表し;R3は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、ベンジル基、ナフチル基、フェニル基、又は炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、総炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜3のアルキルメルカプト基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、総炭素数2〜8のジアルキルアミノ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、カルボキシル基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アミノ基及びアセトアミド基からなる群から選ばれる同一若しくは異なる1〜3個の置換基で置換されたフェニル基を表す。)
で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を有効成分として含む、尿細管間質の繊維化抑制剤。
【請求項4】
式(I)で示されるピラゾロン誘導体が3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンである、請求項3に記載の尿細管間質の繊維化抑制剤。
【請求項5】
下記式(I):
【化3】

(式中、R1は、水素原子、アリール基、炭素数1〜5のアルキル基又は総炭素数3〜6のアルコキシカルボニルアルキル基を表し;R2は、水素原子、アリールオキシ基、アリールメルカプト基、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を表し;あるいは、R1及びR2は、共同して炭素数3〜5のアルキレン基を表し;R3は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、ベンジル基、ナフチル基、フェニル基、又は炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、総炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜3のアルキルメルカプト基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、総炭素数2〜8のジアルキルアミノ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、カルボキシル基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アミノ基及びアセトアミド基からなる群から選ばれる同一若しくは異なる1〜3個の置換基で置換されたフェニル基を表す。)
で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を有効成分として含む、尿細管間質性腎炎の治療及び/又は予防のための医薬。
【請求項6】
式(I)で示されるピラゾロン誘導体が3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンである、請求項5に記載の尿細管間質性腎炎の治療及び/又は予防のための医薬。
【請求項7】
下記式(I):
【化4】

(式中、R1は、水素原子、アリール基、炭素数1〜5のアルキル基又は総炭素数3〜6のアルコキシカルボニルアルキル基を表し;R2は、水素原子、アリールオキシ基、アリールメルカプト基、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基を表し;あるいは、R1及びR2は、共同して炭素数3〜5のアルキレン基を表し;R3は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、ベンジル基、ナフチル基、フェニル基、又は炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基、総炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜3のアルキルメルカプト基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、総炭素数2〜8のジアルキルアミノ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、カルボキシル基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、アミノ基及びアセトアミド基からなる群から選ばれる同一若しくは異なる1〜3個の置換基で置換されたフェニル基を表す。)
で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を有効成分として含む、IV型コラーゲン発現抑制剤。
【請求項8】
式(I)で示されるピラゾロン誘導体が3−メチル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンである、請求項7に記載のIV型コラーゲン発現抑制剤。



【図2】
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【図3】
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【図1】
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【公開番号】特開2006−182677(P2006−182677A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−376357(P2004−376357)
【出願日】平成16年12月27日(2004.12.27)
【出願人】(000006725)三菱ウェルファーマ株式会社 (92)
【Fターム(参考)】