説明

属性情報更新方法及び情報更新方法

【課題】コンテンツの属性情報及びユーザの属性情報を修正するための信頼性の高い評価情報を、低コスト、かつ、短時間に収集する。
【解決手段】ユーザが使用する計算機と、ユーザに提供するコンテンツを送信するコンテンツ提供サーバと、ユーザに提供するコンテンツを選択して、計算機に送信し、ユーザ属性情報又はコンテンツ属性情報を更新する評価システムを備える計算機システムにおける属性情報更新方法であって、評価システムが、ユーザ属性情報信頼度に基づいてユーザ属性情報を更新する評価対象ユーザを選択するステップと、コンテンツ属性情報信頼度に基づいてユーザ属性情報を更新するための評価用コンテンツを選択するステップと、評価用コンテンツを評価対象ユーザに送信し、評価用コンテンツに対する評価対象ユーザの操作内容に基づいて、評価対象ユーザのユーザ属性情報及びユーザ属性情報信頼度を更新するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ユーザに対してコンテンツを提供し、コンテンツに対するユーザの反応を利用して、コンテンツ及びユーザの特徴を評価するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの発達によって、コンテンツ提供者が自らの作成したコンテンツを不特定多数のユーザに向けて発信することが容易になっている。一方、コンテンツを利用したユーザに対して個別に利用料を課金することは多くのコンテンツ提供者にとって敷居が高いため、コンテンツの管理及び課金などを代行するサービスが存在する。
【0003】
前述したサービスの代表例として、Amazon.com(登録商標、以下同じ)のようなECサイト、又は携帯電話の公式コンテンツサービスがある。
【0004】
また、前述したコンテンツ管理サービスの一つとして、ユーザの電気使用量データを活用したコンテンツの管理サービスの登場が期待されている。従来、電気の使用量及び料金は、1ヶ月に1回、検針員が電力量メータを確認し、電力量メータから読み取られた値を検針用のハンディコンピュータに入力することによって、料金のおしらせ票が印刷され、当該おしらせ票をポスト又は新聞受けなどに投函するという方法で通知されていた。
【0005】
しかし、通信回線を利用して自動的に電気使用量を電力会社に送信するAMI(Advanced Metering Infrastructure)の導入によって、検針員の確認が不要となり、また、15分又は30分単位など詳細な使用量を把握することができるようになる。
【0006】
これによって、ユーザの電気使用量パターンにあわせた省エネコンサルサービス、最適な電力料金プラン提案、又は、買い替え効果の高い機器の提案(電力使用量連動広告)などのコンテンツが、電力会社及び電気機器メーカ等から提供されるようになると考えられている。
【0007】
前述のコンテンツ管理サービスの1つの機能として、コンテンツ管理サービスに登録される多数のコンテンツから、特定のユーザに適したコンテンツを推薦する機能(推薦機能)がある。
【0008】
前述の推薦機能を実現する方式としては、ユーザが過去に選択したコンテンツに基づいて選択傾向(以下、利用傾向情報と記載する)が類似する他のユーザ群を特定し、特定されたユーザ群が選択したコンテンツを推薦する協調フィルタリング方式、及び、コンテンツの特徴を表現した情報(以下、特徴情報と記載する)とユーザの嗜好を現す情報(以下、嗜好情報と記載する)とに基づいて、ユーザの嗜好に合ったコンテンツを推薦するコンテンツベースの推薦方式がある。
【0009】
協調フィルタリング方式は、特徴情報及び嗜好情報をあらかじめ決定しておく必要がないが、各ユーザの利用傾向情報が大量に必要となる。
【0010】
一方、コンテンツベースの推薦方式では、特徴情報及び嗜好情報をあらかじめ準備しておく必要がある。特徴情報を取得する方法としては、コンテンツ提供者が自ら特徴情報を設定する方法、選択されたモニタ(評価者)にコンテンツを利用してもらいアンケートの回答結果から特徴情報を設定する方法、及び、コンテンツ自体を解析して特徴情報を抽出する方法などが知られている。一方、嗜好情報の設定方法に関しては、サービスの利用登録時にユーザが、自身の興味の対象を選択する方法が知られている。
【0011】
しかし、コンテンツ提供者によって設定された特徴情報、又はユーザが自己申告した嗜好情報は、必ずしも実態を反映しているとは限らない。また、任意のコンテンツを利用するユーザ、及びユーザの嗜好傾向が時間の経過とともに変化するため特徴情報及び嗜好情報を、逐次更新する必要がある。
【0012】
前述した問題を解決する方法として、特徴情報及び嗜好情報を、ユーザが利用したコンテンツへの反応に基づいて動的に修正する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0013】
特許文献1に記載の方法では、推薦された動画コンテンツに対するユーザの反応(スキップ、繰り返し閲覧など)から、推薦された動画コンテンツに対するユーザの評価情報を推定し、推定された評価情報に基づいて特徴情報及び嗜好情報が逐次的に修正される。
【0014】
また、特許文献1に記載の方法では、特徴情報及び嗜好情報が適切か否かを表すパラメータである信頼度を用いて、逐次的な修正の度合いを調整する。すなわち、信頼度の低い特徴情報及び嗜好情報については積極的に修正され、信頼度の高い特徴情報及び嗜好情報については、むやみに修正されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2004−54768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
特許文献1に記載される技術では、ユーザの嗜好に基づいて推薦されたコンテンツに対するユーザの反応に基づいて評価情報が推定されて、特徴情報及び嗜好情報が修正される。
【0017】
したがって、ユーザに提示されるコンテンツは、ユーザの嗜好に合ったものという意味で偏りが生じる。すなわち、ユーザが興味を持つと推定されるコンテンツのみが提示される。このため、提示されたコンテンツに対してユーザが否定的な評価をした場合、当該ユーザがどのような嗜好を実際に持っているのかを推定することは困難である。
【0018】
また、特許文献1に記載の発明では以下のような問題がある。一つの問題点は、特徴情報又は嗜好情報のいずれかの信頼度が低い場合、誤った修正が行われる可能性がある。また、他の問題点は、特徴情報又は嗜好情報のいずれかの信頼度が低い場合、信頼度に基づいて更新の頻度が調整されるため、特徴情報又は嗜好情報がなかなか修正されない。
【0019】
また、電力使用量を活用したコンテンツに対するコンテンツ管理サービスにおいて、従来の方法を適用した場合に以下のような問題がある。
【0020】
すなわち、当該コンテンツ管理サービスでは、利用するユーザは多いが、利用頻度が月に1回など低くなる可能性があるため、特徴情報及び嗜好情報を修正するためにかかる時間が極めて長くなる。前述した課題を解決するために、全員又は大量のユーザに対してコンテンツの評価を依頼する方法が考えられる。しかし、当該方法では、コストが大きいわりに、評価情報の信頼性が低くなるという問題がある。
【0021】
本発明の目的は、特徴情報及び嗜好情報を修正するための信頼性の高い評価情報(ユーザ属性情報及びコンテンツ属性情報)を、低コストで、かつ、短時間に収集することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、ユーザが使用する計算機と、前記ユーザに提供するコンテンツを送信するコンテンツ提供サーバと、前記コンテンツ提供サーバから送信された前記コンテンツを受信し、前記ユーザに提供する前記コンテンツを選択して、前記計算機に前記選択されたコンテンツを送信し、前記ユーザの特徴を表すユーザ属性情報又は前記コンテンツの特徴を表すコンテンツ属性情報を更新する評価システムを備える計算機システムにおける属性情報更新方法であって、前記計算機は、第1のプロセッサと、前記第1のプロセッサに接続されるメモリと、前記第1のプロセッサに接続される第1のネットワークインタフェースとを備え、前記コンテンツ提供サーバは、第2のプロセッサと、前記第2のプロセッサに接続されるメモリと、前記第2のプロセッサに接続される第2のネットワークインタフェースとを備え、前記評価システムは、第3のプロセッサと、前記第3のプロセッサに接続されるメモリと、前記第3のプロセッサに接続される第3のネットワークインタフェースとを備え、前記評価システムは、前記ユーザ属性情報及び前記ユーザ属性情報の信頼性を表すユーザ属性情報信頼度、並びに、前記コンテンツ属性情報及び前記コンテンツ属性情報の信頼性を表すコンテンツ属性情報信頼度を保持し、前記方法は、前記評価システムが、前記ユーザ属性情報信頼度に基づいて、前記ユーザ属性情報を更新する前記ユーザである評価対象ユーザを選択する第1のステップと、前記評価システムが、前記コンテンツ属性情報信頼度に基づいて、前記ユーザ属性情報を更新するための前記コンテンツである評価用コンテンツを選択する第2のステップと、前記評価システムが、前記評価用コンテンツを前記評価対象ユーザに送信し、前記評価用コンテンツに対する前記評価対象ユーザの操作内容を取得する第3のステップと、前記評価システムが、前記取得された操作内容に基づいて、前記評価対象ユーザの前記ユーザ属性情報及び前記ユーザ属性情報信頼度を更新する第4のステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ユーザ属性情報信頼度が低いユーザが積極的に選択され、コンテンツ属性信頼度の高いコンテンツを利用して当該ユーザのユーザ属性情報及びユーザ属性情報信頼度が更新できる。また、コンテンツ属性情報信頼度が低いコンテンツが積極的に選択され、当該コンテンツをユーザ属性信頼度の高いユーザが評価することによって当該コンテンツのコンテンツ属性情報及びコンテンツ属性情報信頼度が更新できる。したがって、低いコスト、かつ、短時間に、信頼性の高い評価情報(ユーザ属性情報及びコンテンツ属性情報)を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態の計算機システム構成及びソフトウェア構成を説明するブロック図である。
【図2】本発明の実施形態のコンテンツ情報記録部に格納されるコンテンツ情報の一例を示す説明図である。
【図3】本発明の実施形態のユーザ情報記録部に格納されるユーザ情報の一例を示す説明図である。
【図4】本発明の実施形態の評価対象コンテンツ選択部が実行する処理を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態の評価対象コンテンツ選択部が実行する処理を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態の評価用ユーザ選択部が実行する処理を説明するフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態のステップ603において実行される処理の一例を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態の評価用コンテンツ選択部が実行する処理を説明するフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施形態のコンテンツ及びユーザ評価システムにおける各構成の処理の流れを説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明の実施形態の計算機システム構成及びソフトウェア構成を説明するブロック図である。
【0026】
本発明の実施形態における計算機システムは、コンテンツ及びユーザ評価システム101、コンテンツ提供者端末102、並びに、ユーザ端末103から構成される。
【0027】
コンテンツ及びユーザ評価システム101とコンテンツ提供者端末102とは、LAN等のインターネット又は専用回線等によって接続される。また、コンテンツ及びユーザ評価システム101とユーザ端末103とは、LAN等のインターネット又は専用回線等によって接続される。
【0028】
コンテンツ提供者端末102は、コンテンツ提供者が使用する端末であり、ユーザ端末103を使用するユーザに提供する各種コンテンツを送信する。コンテンツ提供者端末102は、CPU(図示省略)、RAM又はROM等のメモリ(図示省略)、HDD又はSSD等の不揮発性記憶媒体(図示省略)、及びネットワークインタフェース(図示省略)を備える計算機である。前述した構成は、内部バス等を用いて接続される。
【0029】
ユーザ端末103は、ユーザが使用する端末であり、コンテンツ提供者端末102から送信される各種コンテンツを利用する。ユーザ端末103は、CPU(図示省略)、RAM又はROM等のメモリ(図示省略)、HDD又はSSD等の不揮発性記憶媒体(図示省略)、及びネットワークインタフェース(図示省略)を備える計算機である。前述した構成は、内部バス等を用いて接続される。
【0030】
コンテンツ及びユーザ評価システム101は、コンテンツ提供者端末102から受信したコンテンツの中から1つ以上のコンテンツを選択し、選択されたコンテンツをユーザ端末103に送信する機能、並びに、コンテンツ提供者端末102に対してコンテンツの利用状況及びコンテンツに対するユーザの評価等を送信する。
【0031】
コンテンツ及びユーザ評価システム101は、CPU(図示省略)、RAM又はROM等のメモリ(図示省略)、HDD又はSSD等の不揮発性記憶媒体(図示省略)、及びネットワークインタフェース(図示省略)を備える計算機である。
【0032】
前述した機能を実現するために、コンテンツ及びユーザ評価システム101は、コンテンツ登録部104、コンテンツ情報記録部105、ユーザ登録部106、ユーザ情報記録部107、コンテンツ推薦部108、情報提示部109、評価対象コンテンツ選択部110、評価用コンテンツ選択部111、評価対象ユーザ選択部112、評価用ユーザ選択部113、反応取得部114、属性更新部115、及び報告部116を備える。
【0033】
前述した各構成要素は、ソフトウェアとしてメモリ(図示省略)上に格納され、CPU(図示省略)によって当該ソフトウェアが実行されることによって各機能が実現される。なお、前述した各構成は、ハードウェアを用いて実現してもよい。
【0034】
コンテンツ登録部104は、コンテンツ提供者端末102から送信されるコンテンツ登録要求を受付け、コンテンツ登録要求に含まれるコンテンツ、及びコンテンツ情報をコンテンツ情報記録部に104に出力する。
【0035】
なお、コンテンツ情報には、コンテンツ属性情報、コンテンツ属性情報の属性信頼度等が含まれる。ここで、コンテンツ属性情報とは、コンテンツの特徴を表す情報であり、1つ以上の属性値が含まれる。
【0036】
コンテンツ情報記録部105は、コンテンツ登録部104から入力されたコンテンツ情報を格納する。コンテンツ情報記録部105は、例えば、リレーショナルデータベース等によって実現できる。なお、コンテンツ情報記録部105に格納されるコンテンツ情報は、図2を用いて後述する。
【0037】
ユーザ登録部106は、ユーザ端末103から送信されたユーザ登録要求を受付け、ユーザ登録要求に含まれるユーザ情報をユーザ情報記録部107に出力する。
【0038】
なお、ユーザ情報には、ユーザ属性情報、ユーザ属性情報の属性信頼度等が含まれる。ここで、ユーザ属性情報とは、ユーザの特徴を表す情報であり、1つ以上の属性値が含まれる。
【0039】
ユーザ情報記録部107は、ユーザ登録部106から入力されたユーザ情報を格納する。ユーザ情報記録部107は、例えば、リレーショナルデータベース等によって実現できる。なお、ユーザ情報記録部107に格納されるユーザ情報は、図3を用いて後述する。
【0040】
コンテンツ推薦部108は、コンテンツ情報記録部105及びユーザ情報記録部107から情報を読み出し、ユーザ端末103を利用するユーザが興味を持つと推定される1つ以上のコンテンツを選択する。以下、コンテンツ推薦部108によって選択されるコンテンツを推薦コンテンツと記載する。
【0041】
コンテンツ推薦部108は、ユーザがユーザ端末103を用いてシステムにアクセスした場合、又は、周期的に処理を実行する。処理を実行する周期は、例えば、月一回の電気料金等の通知時又は何らかのキャンペーン時などが考えられる。コンテンツ推薦部108は、処理を周期的に実行する場合、ユーザ全員に対して、各ユーザに最適なコンテンツを選択する。
【0042】
本実施形態では、ユーザに推薦するコンテンツの選択方法は、コンテンツベースの推薦方式を用いることを前提としている。すなわち、任意のユーザのユーザ属性情報と類似するコンテンツ属性情報であるコンテンツが、当該ユーザが興味を持つ可能性の高いコンテンツとして選択される。
【0043】
ユーザ属性情報とコンテンツ属性情報との類似度の算出方法は、例えば、それぞれ属性情報に含まれる属性値を多次元のベクトルとし、当該多次元ベクトルの内積を算出する方法が考えられる。この場合、コンテンツ推薦部108は、内積の値が大きい順にソートされた上位のコンテンツを、推薦コンテンツとして選択する。
【0044】
評価対象コンテンツ選択部110は、コンテンツ属性情報を更新するコンテンツを選択する。以下、評価対象コンテンツ選択部110によって選択されたコンテンツを評価対象コンテンツと記載する。
【0045】
なお、評価対象コンテンツ選択部110の具体的な処理については、図4及び図5を用いて後述する。
【0046】
評価用ユーザ選択部113は、評価対象コンテンツのコンテンツ属性情報を更新するために、当該コンテンツの評価を依頼するユーザを選択する。以下、評価用ユーザ選択部113によって選択されるユーザを評価用ユーザと記載する。
【0047】
評価対象ユーザ選択部112は、ユーザ属性情報を更新するユーザを選択する。以下、評価対象ユーザ選択部112によって選択されるユーザを評価対象ユーザと記載する。
【0048】
評価用コンテンツ選択部111は、評価対象ユーザのユーザ属性情報を更新するために、当該ユーザを評価するためのコンテンツを選択する。以下、評価用コンテンツ選択部111によって選択されるコンテンツを評価用コンテンツと記載する。
【0049】
情報提示部109は、推薦コンテンツを提示するための情報、評価対象コンテンツを評価用ユーザに提示するための情報、又は、評価対象ユーザに評価用コンテンツを提示するための情報を送信する。これによって、ユーザ端末103を使用するユーザに各種コンテンツを提示することが可能となる。
【0050】
なお、ユーザ端末103における提示手法としては、電子メールなどに各種コンテンツへアクセスするためのURLリンクを提示する方法、ユーザがアクセスしたWebサイトの画面上に各種コンテンツへアクセスするためのURLリンクを提示する方法、及び電気の使用量を常時表示する壁掛けディスプレイに各種コンテンツへアクセスするためのURLリンクを提示する方法などが考えられる。
【0051】
なお、本実施形態では、コンテンツ属性情報及びユーザ属性情報の表現方法、及びコンテンツ推薦部108の実装方法などは、既存のコンテンツベースの推薦方式において利用される方法を用いることができる。
【0052】
反応取得部114は、ユーザ端末103に提示された各種コンテンツに対するユーザの反応を取得する。
【0053】
属性更新部115は、反応取得部114が取得したコンテンツに対するユーザの反応に基づいてコンテンツ属性情報又はユーザ属性情報を推定し、されに、当該推定結果に基づいてコンテンツ情報又はユーザ情報を更新する。
【0054】
報告部116は、周期的に、又は、属性更新部115によってコンテンツの属性情報が更新された時に、コンテンツ提供者端末102に、登録されたコンテンツ属性情報を送信する。すなわち、コンテンツ提供者が登録したコンテンツのコンテンツ属性情報が当該コンテンツ提供者に報告される。
【0055】
送信される情報には、現在のコンテンツ属性情報、更新履歴、及び属性信頼度等が含まれる。
【0056】
これによって、コンテンツ提供者は、自らが登録したコンテンツがどのようなユーザ属性情報を持つユーザに高い評価を受けているかを把握することができ、コンテンツ提供者が自ら想定したユーザ層と一致しているか否かを確認できる。
【0057】
また、属性信頼度302が低い場合、参照数が高ければユーザ層を問わずに人気があると考えられるが、参照数が低い場合は、コンテンツを利用すると想定されるユーザ層の興味をとらえていないと考えることができる。
【0058】
本発明の目的は、各コンテンツ及び各ユーザのそれぞれ属性を適切に表現する属性情報を決定することである。すなわち、本発明は、コンテンツ属性情報及びユーザ属性情報を適切に設定するとともに、状況に応じて更新することを目的とする。
【0059】
例えば、コンテンツ提供者がコンテンツ属性情報を設定していない場合は、後述する処理によって、コンテンツ提供者は、推定されたコンテンツ属性情報をレポートとして取得することができる。
【0060】
また、コンテンツ提供者が、どのような嗜好を持つユーザにコンテンツを利用して欲しいかという期待に基づいてコンテンツ属性情報を設定した場合、又は、コンテンツがどのような嗜好を持つユーザの関心を惹くかという予想に基づいてコンテンツ情報を設定した場合、設定されたコンテンツ属性情報の初期値は、必ずしも実際のユーザからの評判と一致するとは限らない。
【0061】
本発明は、後述する処理によって、実際のユーザの評価に合ったコンテンツの属性値が算出され、算出された属性値をコンテンツ提供者にフィードバックすることができる。
【0062】
また、コンテンツ提供者がユーザに事前にコンテンツに対するアンケートなどを行い、当該アンケート結果に基づいて各属性情報の初期値を設定した場合、設定される属性情報の初期値は尊重すべきであり、当該コンテンツ提供者ごとの属性信頼度202の初期値を高く設定することが望ましい。
【0063】
例えば、登録時に属性値がアンケートなどに基づいて設定したものであることをコンテンツ提供者が指定する方法、コンテンツ提供者が直接、属性信頼度202を設定する方法などが用いることができる。
【0064】
なお、コンテンツ登録部104、コンテンツ情報記録部105、ユーザ登録部106、ユーザ情報記録部107、コンテンツ推薦部108、及び情報提示部109は、一般的なコンテンツベースの推薦方式において用いられるものと同一のものである。また、コンテンツ属性情報及びユーザ属性情報の表現方法、並びに、コンテンツ推薦部108の実装方法は、既存のコンテンツベースの推薦方式で用いられているものを利用することができる。
【0065】
以下、本発明の各構成の詳細について説明する。
【0066】
図2は、本発明の実施形態のコンテンツ情報記録部105に格納されるコンテンツ情報の一例を示す説明図である。
【0067】
コンテンツ情報は、コンテンツID201、属性信頼度202、属性203、及び最終被評価日時204を含む。
【0068】
コンテンツID201は、コンテンツを識別する識別子である。なお、コンテンツの実態はメモリ(図示省略)の領域に格納され、コンテンツID201に基づいて参照することができる。
【0069】
属性信頼度202は、コンテンツID201に対応するコンテンツのコンテンツ属性情報が適切か否かを表す情報である。すなわち、コンテンツ属性情報が適切である場合には、コンテンツ属性情報が更新されにくいことを表す。更新頻度又は更新される値の差が大きい場合には、コンテンツ属性情報が適切でないことを示す。
【0070】
属性信頼度202には、例えば、「0」から「100」の間の数値が格納される。図2に示す例では、「0」が最も信頼性が低いことを表し、「100」が最も信頼性が高いことを表す。
【0071】
コンテンツ登録時に、「50」などの一定値、又は、コンテンツ提供者端末102を利用するコンテンツ提供者ごとに割り当てられる属性信頼度、を属性信頼度202の初期値として格納してよい。また、コンテンツ属性情報が設定されていない場合には、属性信頼度202には「0」が格納される。
【0072】
属性203は、コンテンツID201に対応するコンテンツのコンテンツ属性情報である。すなわち、コンテンツの特徴を表す属性値が格納される。なお、属性値には、ユーザの興味及び嗜好を表現するものであれば、どのようなものを用いてもよい。
【0073】
本実施形態では、電力利用に関するユーザの興味及び嗜好を表す属性値が用いられる。具体的には、属性203は、短期コスト210、長期コスト211、環境212、行動負担213、機器購入214、新規性215及び比較・競争216を含む。
【0074】
短期コスト210は、短期的なコストを重要視するユーザの興味を引く度合いを表す。
【0075】
長期コスト211は、長期的なコストを重要視するユーザの興味を引く度合いを表す。
【0076】
環境212は、地球環境又は地域環境を重視するユーザの興味を引く度合いを表す。
【0077】
行動負担213は、具体的な行動(例えば、省エネのためにこまめに照明を消すなど)を行うことに対してユーザが負担を感じる度合いを表す。
【0078】
機器購入214は、ユーザの電力関連機器の購入意欲の度合いを表す。
【0079】
新規性215は、新しいサービス又は機器などに対するユーザの興味の度合いを表す。
【0080】
比較・競争216は、他のユーザとの比較に基づいて、ユーザ自らの行動を決定する傾向の度合いを表す。
【0081】
属性203に含まれる各属性値は、各属性の観点におけるコンテンツの適合度を表す。各属性値には、例えば、「0」から「1」までの値が格納される。図2に示す例では、「0」が最も適合度が低く、「1」が最も適合度が高いことを表す。
【0082】
また、コンテンツ提供者によってコンテンツ属性情報が設定されておらず、かつ、コンテンツ属性情報が推定されていない場合には、各属性値には「−」が格納される。この場合、属性信頼度202は「0」となる。
【0083】
図2に示す例では、コンテンツID201が「1」のコンテンツは、短期的なコストに関心のあるユーザに対する適合度が「0.2182179」であるということを表す。なお、本実施形態では、属性値を属性値ベクトルと考え、属性203の各属性値はベクトル長が1となるように正規化される。
【0084】
例えば、白熱電球からLEDランプへの置き換えを推奨するコンテンツについては、長期コストを重視するユーザが興味を持つと考えられるため、長期コスト211の値が高い。一方、短期コストを重視するユーザは興味を持たないと考えられるため、当該コンテンツの長期コスト211の値は低い。また、比較・競争216の値が高いユーザは、同じような電力機器を保有する、他のユーザとの比較データを参照することによって、省エネのモチベーションが向上する傾向が高い。
【0085】
最終被評価日時204は、コンテンツID201に対応するコンテンツが、評価対象コンテンツとして評価用ユーザに評価された日時を格納する。
【0086】
以上がコンテンツ情報記録部105に格納されるコンテンツ情報の一例の説明である。
【0087】
図3は、本発明の実施形態のユーザ情報記録部107に格納されるユーザ情報の一例を示す説明図である。
【0088】
ユーザ情報は、ユーザID301、属性信頼度302、属性303、最終被評価日時204、及び最終評価日時205を含むコンテンツ情報200を含む。
【0089】
ユーザID301は、ユーザを識別する識別子である。
【0090】
属性信頼度302は、ユーザID301に対応するユーザのユーザ属性情報が適切か否かを表す情報である。すなわち、ユーザ属性情報が適切である場合には、ユーザ属性情報が更新されにくいことを表す。更新頻度又は更新される値の差が大きい場合には、ユーザ属性情報が適切でないことを示す。
【0091】
属性信頼度302には、属性信頼度202と同様に、「0」から「100」間の数値が格納される。図3に示す例では、「0」が最も信頼性が低いことを表し、「100」が最も信頼性が高いことを表す。
【0092】
属性信頼度302には、ユーザ登録時に「50」などの一定値を初期値として格納されてもよいし、アンケートへの回答量に応じた初期値が設定されてもよい。また、ユーザ属性情報が設定されない場合には、属性信頼度302には「0」が設定される。
【0093】
属性303は、ユーザID301に対応するユーザのユーザ属性情報である。すなわち、ユーザの特徴を表す属性値が格納される。なお、属性値には、ユーザの興味及び嗜好を表現するものであれば、どのようなものを用いてもよい。
【0094】
本実施形態では、電力利用に関するユーザの興味及び嗜好を表す属性値が用いられる。具体的には、属性303は、短期コスト310、長期コスト311、環境312、行動負担313、機器購入314、新規性315及び比較・競争316を含む。
【0095】
短期コスト310は、ユーザID301に対応するユーザが短期的なコストを重視する度合いを表す。
【0096】
長期コスト311は、ユーザID301に対応するユーザが長期的なコストを重視する度合いを表す。
【0097】
環境312は、ユーザID301に対応するユーザが地球環境又は地域環境を重視する度合いを表す。
【0098】
行動負担313は、ユーザID301に対応するユーザが具体的な行動(例えば省エネのためにこまめに照明を消すなど)を行うことに対する負担の度合いを表す。
【0099】
機器購入314は、ユーザID301に対応するユーザが電力関連機器を購入する意欲の度合いを表す。
【0100】
新規性315は、ユーザID301に対応するユーザが新しいサービス又は機器などに興味を示す度合いを表す。
【0101】
比較・競争316は、他のユーザとの比較に基づいて、ユーザID301に対応するユーザが自身の行動を決定する傾向の度合いを表す。
【0102】
属性303に含まれる各属性値は、各属性の観点におけるコンテンツの適合度を表す。各属性値には、例えば、「0」から「1」までの値が格納される。図3に示す例では、「0」が最も適合度が低く、「1」が最も適合度が高いことを表す。
【0103】
また、ユーザ属性情報が設定されておらず、かつ、ユーザ属性情報が推定されていない場合には、各属性値には「−」が格納される。この場合、属性信頼度302は「0」となる。
【0104】
また、本実施形態では、属性値を属性値ベクトルと考え、属性303の各属性値はベクトル長が1となるように正規化される。
【0105】
例えば、白熱電球からLEDランプへの置き換えを推奨するコンテンツについては、長期コストを重視するユーザが興味を持つと考えられるため、長期コスト311の値が高い。一方、短期コストを重視するユーザは当該コンテンツには興味を持たないと考えられるため、当該コンテンツの長期コスト211の値は低い。また、比較・競争316の値が高いユーザは、同じような電力機器を保有する、他のユーザとの比較データを参照することによって、省エネのモチベーションが向上する傾向が高い。
【0106】
属性303に含まれる各属性の値は、例えば、ユーザ登録時に、ユーザが各属性の初期値を直接入力してもよいし、アンケートの回答と属性値との対応表を参照して初期値が設定されてもよい。
【0107】
最終被評価日時304は、ユーザID301に対応するユーザが評価用コンテンツを用いて評価された日時を格納する。
【0108】
最終評価日時305は、評価用ユーザとして評価対象コンテンツを評価した日時を格納する。
【0109】
以上がユーザ情報記録部107に格納されるユーザ情報の一例の説明である。
【0110】
次に、評価対象コンテンツ選択部110が実行する処理について説明する。
【0111】
評価対象コンテンツ選択部110は、2つの処理(モード)を並列して実行する。具体的には、周期的に属性信頼度202が低いコンテンツを選択するモード(以下、第1のモードと記載する)、及び、所定の条件を満たすコンテンツを選択するモード(以下、第2のモードと記載する)の2つのモードが並列して実行される。
【0112】
第1のモードは、1週間に1回、1日に1回などのタイミング若しくは毎月の電気の使用料金が通知されるタイミング、又は、これらを組み合わせたタイミングで実行される。第1のモードは、全コンテンツの中から、最も属性信頼度202の低いコンテンツが選択される。なお、選択されるコンテンツは、複数であってもよい。
【0113】
一方、第2のモードは、次の3つの条件を満たすときに処理が実行される。すなわち、(条件1)コンテンツの登録時、(条件2)所定の期間、属性信頼度202が基準値以下である場合、(条件3)所定の期間内に、属性信頼度202が基準値以下に低下した場合の3つである。
【0114】
(条件1)では、コンテンツの登録時に当該コンテンツのコンテンツ属性情報の初期値を設定するために処理が実行される。(条件1)は、特に、コンテンツの属性203及び属性信頼度202が設定されていないコンテンツの初期値を推定する処理の開始条件である。
【0115】
(条件2)は、全コンテンツの中では属性信頼度202が低くないため第1のモードでは評価対象コンテンツとして選択されないが、属性信頼度202の低い状態が継続する場合に、当該コンテンツを再評価する処理の開始条件である。
【0116】
(条件3)は、属性信頼度202が高いコンテンツが、それまでに利用されなかったユーザ層から利用された場合に、再度、当該コンテンツを評価する処理の開始条件である。これは、それまでに利用されなかったユーザ層からコンテンツが利用されるようになったために属性信頼度202は低下し、再度評価する必要があるためである。
【0117】
計算機システムの初期設定時、又は、コンテンツ登録時には、(条件1)の条件を満たすため処理が実行される。また、計算機システムが稼動中には、(条件2)及び(条件3)の条件に従って処理が実行される。すなわち、本発明は、新たに、計算機システムを構築する場合、又は、稼働中の計算機システムにおいても適用することが可能となる。
【0118】
以下、第1のモードと第2のモードとに分けて、評価対象コンテンツ選択部110が実行する処理について説明する。
【0119】
図4は、本発明の実施形態の評価対象コンテンツ選択部110が実行する処理を説明するフローチャートである。図4は、第1のモードの処理を説明するフローチャートである。
【0120】
評価対象コンテンツ選択部110は、前述した周期が経過した場合に、選択イベントが発生することによって処理を開始する(ステップ401)。
【0121】
評価対象コンテンツ選択部110は、コンテンツ情報記録部105に格納されるコンテンツ情報200を読み出し、読み出されたコンテンツ情報200に基づいて、属性信頼度202が最も低いコンテンツを選択する(ステップ402)。なお、複数のコンテンツが選択されてもよい。
【0122】
評価対象コンテンツ選択部110は、選択されたコンテンツ、すなわち、評価対象コンテンツを情報提示部109に出力し(ステップ403)、処理を終了する。
【0123】
なお、ステップ402において、評価対象コンテンツ選択部110は、最終被評価日時204から一定期間経過しているか否かを判定し、最終被評価日時204から一定期間経過していない場合には、評価対象コンテンツとして選択しなくともよい。これによって、同一のコンテンツが評価対象コンテンツとして頻繁に選択されることを防ぐことができる。
【0124】
図5は、本発明の実施形態の評価対象コンテンツ選択部110が実行する処理を説明するフローチャートである。図5は、第2のモードの処理を説明するフローチャートである。
【0125】
評価対象コンテンツ選択部110は、属性信頼度変更イベントが発生したことを契機に処理を開始する(ステップ501)。
【0126】
ここで、属性信頼度変更イベントは、コンテンツの属性信頼度202が変更された場合に発生するイベントである。また、コンテンツの初期登録時に、コンテンツ提供者が属性信頼度202の初期値を設定した場合、又はコンテンツ提供者が属性信頼度202に「0」を設定した場合にも、属性信頼度変更イベントが発生する。
【0127】
以下、属性信頼度202が変更されたコンテンツを処理対象コンテンツと記載する。
【0128】
評価対象コンテンツ選択部110は、処理対象コンテンツが初期登録されたコンテンツであるか否かを判定する(ステップ502)。ステップ502では、(条件1)に該当するか否かが判定される。
【0129】
例えば、評価対象コンテンツ選択部110は、コンテンツ情報記録部105から読み出されたコンテンツ情報200を参照し、処理対象コンテンツの属性203の各属性値に値が設定されているか否かを判定する。属性203の各属性値に値が設定されていない、すなわち、各属性値に「−」が格納されている場合、評価対象コンテンツ選択部110は、処理対象コンテンツが初期登録されたコンテンツであると判定する。
【0130】
処理対象コンテンツが初期登録されたコンテンツであると判定された場合、評価対象コンテンツ選択部110は、処理対象コンテンツを評価対象コンテンツとして選択する(ステップ506)。評価対象コンテンツ選択部110は、選択された評価対象コンテンツを情報提示部109に出力し、処理を終了する。
【0131】
処理対象コンテンツが初期登録されたコンテンツでないと判定された場合、評価対象コンテンツ選択部110は、コンテンツ情報200の最終被評価日時204を参照して、最終被評価日時204に示された日時から一定期間経過しているか否かを判定する(ステップ503)。
【0132】
これは、同一のコンテンツが頻繁に選択されることを防ぐためである。したがって、最終被評価日時204に示される日時から一定期間経過していないコンテンツは評価対象コンテンツとして選択されない。
【0133】
最終被評価日時204に示された日時から一定期間経過していないと判定された場合、評価対象コンテンツ選択部110は、処理を終了する。
【0134】
最終被評価日時204に示された日時から一定期間経過していると判定された場合、評価対象コンテンツ選択部110は、コンテンツ情報200の属性信頼度202を参照し、所定期間、属性信頼度202が基準値以下であるか否かを判定する(ステップ504)。ステップ504では、(条件2)に該当するか否かが判定される。
【0135】
なお、基準値は予め設定された値であり、評価対象コンテンツ選択部110が当該基準値を保持する。
【0136】
所定期間、属性信頼度202が基準値以下であると判定された場合、評価対象コンテンツ選択部110は、処理対象コンテンツを評価対象コンテンツとして選択する(ステップ506)。評価対象コンテンツ選択部110は、選択された評価対象コンテンツを情報提示部109に出力し、処理を終了する。
【0137】
所定期間、属性信頼度202が基準値以下でないと判定された場合、評価対象コンテンツ選択部110は、コンテンツ情報200の属性信頼度202を参照し、所定期間内に、属性信頼度202が既定値以上減少したか否かを判定する(ステップ505)。ステップ505では、(条件3)に該当するか否かが判定される。
【0138】
所定期間内に、属性信頼度202が既定値以上減少していないと判定された場合、評価対象コンテンツ選択部110は、処理を終了する。
【0139】
所定期間内に、属性信頼度202が既定値以上減少したと判定された場合、評価対象コンテンツ選択部110は、処理対象コンテンツを評価対象コンテンツとして選択する(ステップ506)。評価対象コンテンツ選択部110は、選択された評価対象コンテンツを情報提示部109に出力し、処理を終了する。
【0140】
なお、ステップ504及びステップ505の処理は、いずれの処理から実行してもよい。
【0141】
評価対象ユーザ選択部112は、評価対象コンテンツ選択部110が実行する処理と同一の処理を用いることができる。この場合、選択対象がユーザとなる。したがって、図4及び図5に示したフローチャートと同一の処理となる。そのため、評価対象ユーザ選択部112の処理については説明を省略する。
【0142】
次に、評価用ユーザ選択部113が実行する処理について説明する。
【0143】
評価用ユーザ選択部113は、評価対象コンテンツ選択部110と連動して処理を実行する。すなわち、評価対象コンテンツ選択部110が評価対象コンテンツを選択した場合に処理が開始される。
【0144】
図6は、本発明の第1の実施形態の評価用ユーザ選択部113が実行する処理を説明するフローチャートである。
【0145】
評価用ユーザ選択部113は、処理を開始すると(ステップ601)、ユーザ情報記録部107から読み出されたユーザ情報300を参照して、属性信頼度302が所定値以上、かつ、最終評価日時305に示された日時から一定期間経過しているユーザを抽出する(ステップ602)。
【0146】
属性信頼度302が高いユーザが抽出されるのは、属性信頼度302が高いユーザが評価することによって信頼性の高いコンテンツへの評価が取得できるためである。一方、属性信頼度302が低いユーザのコンテンツに対する評価を収集しても、収集された評価は信頼性が低いため正しくコンテンツ属性情報を推定できない。
【0147】
また、最終評価日時305を考慮するのは、属性信頼度302が高いユーザが頻繁に評価用ユーザとして選択されるのを防止するためである。これによって、属性信頼度202が高いユーザの負担を低減することができる。
【0148】
なお、所定値及び一定期間は予め設定されたものであり、これらは評価用ユーザ選択部113が保持する。
【0149】
次に、評価用ユーザ選択部113は、抽出されたユーザの属性値ベクトルが非類似のユーザを選択する(ステップ603)。
【0150】
ステップ603では、属性303の各属性値がばらけたユーザが選択される。すなわち、属性信頼度302が高く、さらに、属性303の各属性値(嗜好傾向)が異なるユーザが複数選択される。
【0151】
これは、嗜好傾向が類似、すなわち、属性値ベクトルが類似するユーザが、評価用ユーザとして選択された場合、コンテンツの評価が偏る可能性があるためである。したがって、属性値ベクトルが非類似のユーザが選択されることによって、評価対象コンテンツの属性情報を推定するための有用な情報を取得できる。
【0152】
なお、ステップ603におけるユーザの選択方法については、図7を用いて後述する。
【0153】
評価用ユーザ選択部113は、選択されたユーザ、すなわち、評価用ユーザを情報提示部109に出力し(ステップ604)、処理を終了する。
【0154】
前述した処理によって、属性信頼度202の高いユーザは、コンテンツ属性情報を更新するための評価者として選択される。信頼性の高いコンテンツ属性情報を算出するためには、属性信頼度302が高い、多くのユーザが必要となる。そこで、本発明では、後述する評価用コンテンツ選択部111及び評価対象ユーザ選択部112によって、属性信頼度302の高いユーザの数を増やすことができる。
【0155】
図7は、本発明の実施形態のステップ603において実行される処理の一例を説明するフローチャートである。
【0156】
図7では、属性値のばらけたユーザを選択する方法としては、K−meansクラスタリング手法について説明する。K−meansクラスタリングは、多次元ベクトルで表現される複数のデータを、クラスタ間の分離がよくなるようにK個のクラスタに分類する手法である。
【0157】
評価用ユーザ選択部113は、処理を開始すると(ステップ701)、抽出されたユーザの属性303の属性値を属性値ベクトルxi(i=1…n)とし、K個のクラスタに対してランダムに属性値ベクトルxiを割り当てる(ステップ702)。ここで、nは抽出されたユーザの数を表す。
【0158】
次に、評価用ユーザ選択部113は、各クラスタの中心Vj(j=1…K)を算出する(ステップ703)。例えば、クラスタの中心は、平均計算などを用いて算出できる。
【0159】
評価用ユーザ選択部113は、各属性値ベクトルxi(i=1…n)とクラスタの中心Vj(j=1…K)との距離を算出する(ステップ704)。
【0160】
評価用ユーザ選択部113は、ステップ704において算出された距離に基づいて、クラスタへの各属性値ベクトルxi(i=1…n)の割当てを変更する(ステップ705)。
【0161】
具体的には、属性値ベクトルxi(i=1…n)とクラスタの中心Vjとの距離が最も小さい、すなわち、クラスタの中心Vjと距離が最も近いクラスタに属性値ベクトルxi(i=1…n)の割当てが変更される。
【0162】
評価用ユーザ選択部113は、各属性値ベクトルxi(i=1…n)のクラスタへの割当てが変更されたか否かを判定する(ステップ706)。
【0163】
各属性値ベクトルxi(i=1…n)のクラスタへの割当てが変更されたと判定された場合、評価用ユーザ選択部113は、ステップ703に戻り、同様の処理を実行(ステップ703〜ステップ708)。
【0164】
クラスタへの割当てが変更されていないと判定された場合、評価用ユーザ選択部113は、最終的に決定されたクラスタの中心Vj(j=1…K)を算出する(ステップ707)。
【0165】
評価用ユーザ選択部113は、各クラスタに属する属性値ベクトルのうち、ステップ707において算出された各クラスタの中心Vj(j=1…K)に最も近い属性値ベクトルを選択し(ステップ708)、処理を終了する。すなわち、属性値ベクトルに対応するユーザが選択される。
【0166】
以上の処理によって、属性値ベクトルのばらつきが大きいユーザが所定数(K人)選択される。
【0167】
本発明では、属性信頼度202が低いコンテンツのコンテンツ属性情報を更新するために、属性信頼度302が高いユーザが選択される。これによって、属性信頼度202が高いコンテンツ属性情報が設定可能となる。
【0168】
また、本発明では、属性信頼度302が低いユーザのユーザ属性情報を更新するために、属性信頼度202が高いコンテンツが選択される。これによって、属性信頼度302が高いユーザ属性情報が設定可能となる。
【0169】
すなわち、コンテンツ及びユーザ双方が相互に互いの属性情報の属性信頼度202、302を高めていくことができる。したがって、計算機システム全体として、適切なコンテンツ属性情報及びユーザ属性情報を設定することができる。
【0170】
次に、評価用コンテンツ選択部111が実行する処理について説明する。
【0171】
評価用コンテンツ選択部111は、評価用ユーザ選択部113が評価用ユーザを選択基準と異なる基準に基づいて、評価用コンテンツを選択する点が異なる。
【0172】
具体的には、評価用コンテンツ選択部111は、次に2つの基準に基づいて評価用コンテンツを選択する。
【0173】
(基準1)利用するユーザ層が安定していること、つまり、属性信頼度202が高いこと、及び、(基準2)コンテンツ属性情報の属性値のばらつきが大きいことである。
【0174】
評価用コンテンツ選択部111は、コンテンツ選択時に、最終評価日時305に相当する情報を考慮しない。これは、評価用コンテンツが頻繁に選択されても問題はないためである。
【0175】
評価用コンテンツ選択部111は、(基準1)及び(基準2)に基づいて、属性信頼度202が高く、かつ、属性値のばらつきの大きい評価用コンテンツをK個選択することができる。ここで、Kは、評価用ユーザの数とは異なる。
【0176】
図8は、本発明の実施形態の評価用コンテンツ選択部111が実行する処理を説明するフローチャートである。
【0177】
評価用コンテンツ選択部111は、処理を開始すると(ステップ801)、コンテンツ情報記録部105から読み出されたコンテンツ情報200を参照して、属性信頼度202が所定値以上のコンテンツを抽出する(ステップ802)。
【0178】
前述したように最終評価日時305に相当する情報は考慮されない。なお、属性信頼度202が所定値以上のコンテンツを抽出する方法は、評価用ユーザ選択部113が実行する処理と同一の方法を用いることができる。
【0179】
次に、評価用コンテンツ選択部111は、抽出されたコンテンツの属性値ベクトルが非類似のコンテンツを選択する(ステップ803)。
【0180】
ステップ803の処理は、ステップ603と同一の処理である。属性値ベクトルが非類似のコンテンツが選択されることによって、評価対象ユーザのユーザ属性情報を推定するための有用な情報を取得できる。
【0181】
なお、ステップ803では、K−meansクラスタリング手法(図7参照)を用いてコンテンツを選択することができる。
【0182】
評価用コンテンツ選択部111は、選択されたコンテンツ、すなわち、評価用コンテンツを情報提示部109に出力し(ステップ804)、処理を終了する。
【0183】
図9は、本発明の第1の実施形態のコンテンツ及びユーザ評価システム101における各構成の処理の流れを説明するシーケンス図である。
【0184】
評価対象コンテンツ選択部110は一定の周期にしたがって処理を実行すると、評価用ユーザ選択部113も連動して処理を実行する(ステップ901)。
【0185】
評価対象コンテンツ選択部110及び評価用ユーザ選択部113は、それぞれ、評価対象コンテンツ及び評価用ユーザを情報提示部109に出力する(ステップ902)。
【0186】
情報提示部109は、評価対象コンテンツ選択部110及び評価用ユーザ選択部113からの入力に基づいて、評価用ユーザが使用するユーザ端末103に評価対象コンテンツを提示するための情報を送信する(ステップ903)。
【0187】
なお、ステップ916〜ステップ918、及びステップ925〜ステップ927の処理も同一の処理となる。
【0188】
コンテンツが登録される等によって属性信頼度変更イベントが発生した場合、評価対象コンテンツ選択部110は処理を実行し、評価用ユーザ選択部113も連動して処理を実行する(ステップ904)。なお、属性信頼度変更イベントについては、図5において説明したため説明を省略する。
【0189】
評価対象コンテンツ選択部110及び評価用ユーザ選択部113は、それぞれ、評価対象コンテンツ及び評価用ユーザを情報提示部109に出力する(ステップ905)。
【0190】
情報提示部109は、評価対象コンテンツ選択部110及び評価用ユーザ選択部113からの入力に基づいて、評価用ユーザが使用するユーザ端末103に評価対象コンテンツを提示するための情報を送信する(ステップ906)。
【0191】
なお、ステップ907〜ステップ909、ステップ913〜ステップ915、及びステップ922〜ステップ924の処理も同一の処理となる。
【0192】
属性信頼度202が低下することによって属性信頼度変更イベントが発生した場合、評価対象コンテンツ選択部110は処理を実行し、評価用ユーザ選択部113も連動して処理を実行する(ステップ910)。なお、属性信頼度変更イベントについては、図5において説明したため説明を省略する。
【0193】
評価対象コンテンツ選択部110及び評価用ユーザ選択部113は、それぞれ、評価対象コンテンツ及び評価用ユーザを情報提示部109に出力する(ステップ911)。
【0194】
情報提示部109は、評価対象コンテンツ選択部110及び評価用ユーザ選択部113からの入力に基づいて、評価用ユーザが使用するユーザ端末103に評価対象コンテンツを提示するための情報を送信する(ステップ912)。
【0195】
なお、ステップ919〜ステップ921、及びステップ928〜ステップ930の処理も同一の処理となる。
【0196】
次に、コンテンツ属性情報及びユーザ属性情報の更新処理について説明する。
【0197】
コンテンツ属性情報及びユーザ属性情報の更新処理では、評価対象コンテンツに対する評価用ユーザの反応、又は、評価用コンテンツに対する評価対象ユーザの反応が用いられる。前述した各ユーザの反応に関する情報は、反応取得部114によって取得される。
【0198】
反応取得部114は、ユーザの反応として、電子メール又はWebサイト上に提示されたURLリンクにアクセスしたか否かを、推薦コンテンツに対するユーザの反応として取得することができる。また、ユーザのコンテンツ利用時間をユーザの反応として取得することもできる。
【0199】
例えば、コンテンツiに対する、ユーザjの評価値μijを、コンテンツが利用されなかった場合には「0」、利用された場合には「1」、所定時間利用された場合には「2」と決定することが考えられる。
【0200】
また、コンテンツ利用終了時に、ユーザに評価アンケートを提示し、その回答をユーザの評価として取得することもできる。この場合、例えば、全く興味がない「−2」〜非常に興味がある「2」までの評価値をユーザに指定してもらう方法が考えられる。
【0201】
属性更新部115は、コンテンツ情報200又はユーザ情報300を推定し、属性信頼度202又は属性信頼度302を算出する。
【0202】
さらに、属性更新部115は、推定されたコンテンツ情報200又はユーザ情報300、及び、算出された属性信頼度202又は属性信頼度302に基づいて、コンテンツ情報記録部105又はユーザ情報記録部107に格納される情報を更新する。
【0203】
以下、コンテンツ属性情報が更新される場合を例に説明する。
【0204】
評価対象コンテンツの属性値ベクトルをyiとした場合、評価用ユーザの評価によって属性値ベクトルyiは式(1)に示すように更新される。
【0205】
【数1】

【0206】
ここで、αは更新率の制御パラメータを表す。また、eiは各属性値の推定値を表し、式(2)を用いて算出される。
【0207】
【数2】

【0208】
ここでKは評価用ユーザの人数を表す。また、xjは評価用ユーザjの属性値ベクトルを表す。ここでは、周期的に評価が実行され、コンテンツ属性情報が更新される場合を想定している。なお、属性値yiがコンテンツ提供者によって設定されていない場合、eiを更新後の属性値とする。
【0209】
評価対象コンテンツiの属性信頼度202をciとした場合、属性信頼度202は式(3)を用いて更新される。
【0210】
【数3】

【0211】
ここで、βは更新率を表す。
【0212】
属性信頼度202が低く、更新前の属性値yiと推定値eiとに差がある場合は、コンテンツ属性情報が修正されたと考え、属性信頼度202が高い値に変更される。また、属性信頼度202が高く、更新前の属性値yiと推定値eiとに差がある場合は、コンテンツを利用するユーザ層が変化したと考え、属性信頼度202が低い値に変更される。
【0213】
なお、評価対象ユーザiのユーザ属性情報の更新についても、式(1)及び式(2)を用いて更新することができる。ただし、Kは評価用コンテンツの数を表し、xjは評価用コンテンツjの属性値ベクトルを表す。また、μijは評価対象ユーザiの評価用コンテンツjに対する評価値を表す。また、評価対象ユーザiの属性信頼度302の更新についても式(3)を用いることによって更新することができる。
【0214】
本発明の一形態によれば、電力会社やサードパーティが提供するコンテンツの属性信頼度202が低い場合、又は、属性信頼度202が低下した場合に、信頼できるユーザに当該コンテンツの評価を依頼することによって、属性信頼度202の高いコンテンツ属性情報を設定することができる。
【0215】
これによって、不要な評価を行う必要がなく、さらに、属性信頼度302が低いユーザに対してはコンテンツの評価が依頼されないため、金銭的なコスト、及び計算機システムの資源など、コンテンツ評価に関連するコストを削減できるとともに、正確なコンテンツ属性情報を素早く設定することが可能になる。
【0216】
また、本発明の別の形態によれば、属性信頼度202が高く、属性の傾向がばらけた複数のコンテンツを用いて、コンテンツの利用頻度が低く、嗜好傾向が定まらないユーザを評価することが可能となる。これによって、属性信頼度302が高いユーザ属性情報を素早く設定することができる。したがって、ユーザの嗜好傾向を素早く分析することができる。
【0217】
[変形例]
以下、本発明の変形例を説明する。
【0218】
周期的なタイミングで評価対象コンテンツ又は評価対象ユーザを選択する処理の実行時に、当該タイミングが月に1回の料金通知のタイミングと重なった場合に、コンテンツ推薦部108は、評価対象ユーザ及び評価用ユーザ以外のユーザに対して、コンテンツベース推薦方式に基づいたコンテンツを選択し、情報提示部109は選択されたコンテンツをユーザに送信できる。
【0219】
また、このとき、情報提示部109は、評価対象コンテンツに加えて、コンテンツベース推薦方式に基づいたコンテンツも、評価用ユーザが使用するユーザ端末103に送信することができる。
【0220】
これによって、料金通知のタイミングでは、(1)属性信頼度302が低いために、属性信頼度302が高く、属性値のばらつきの大きい評価用コンテンツが提示される評価対象ユーザ、(2)属性信頼度302が高いため、属性信頼度202が低い評価対象コンテンツ、及びユーザの嗜好に応じたコンテンツが提示される評価用ユーザ、(3)それ以外で、ユーザの嗜好に応じたコンテンツのみが提示されるユーザが存在することになる。
【0221】
以上のように、本発明の一形態によれば、ユーザのコンテンツに対する参照数が少ないために協調フィルタリングが精度よく機能しない状況において、コンテンツ及びユーザ評価システム101は、属性信頼度302が高い評価用ユーザに属性信頼度202の低い評価対象コンテンツの評価を依頼し、又は、属性信頼度202の高い評価用コンテンツを属性信頼度302が低い評価対象ユーザに提示することによって、素早く、かつ、属性信頼度202が高いコンテンツ属性情報及び属性信頼度302がユーザ属性情報を設定することが可能となる。
【0222】
これによって、推薦機能、及び報告機能など、コンテンツ提供者及びユーザの双方にとって有用な機能を実現することができる。
【符号の説明】
【0223】
101 ユーザ評価システム
102 コンテンツ提供者端末
103 ユーザ端末
104 コンテンツ登録部
105 コンテンツ情報記録部
106 ユーザ登録部
107 ユーザ情報記録部
108 コンテンツ推薦部
109 情報提示部
110 評価対象コンテンツ選択部
111 評価用コンテンツ選択部
112 評価対象ユーザ選択部
113 評価用ユーザ選択部
114 反応取得部
115 属性更新部
116 報告部
200 コンテンツ情報
300 ユーザ情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが使用する計算機と、前記ユーザに提供するコンテンツを送信するコンテンツ提供サーバと、前記コンテンツ提供サーバから送信された前記コンテンツを受信し、前記ユーザに提供する前記コンテンツを選択して、前記計算機に前記選択されたコンテンツを送信し、前記ユーザの特徴を表すユーザ属性情報又は前記コンテンツの特徴を表すコンテンツ属性情報を更新する評価システムを備える計算機システムにおける属性情報更新方法であって、
前記計算機は、第1のプロセッサと、前記第1のプロセッサに接続されるメモリと、前記第1のプロセッサに接続される第1のネットワークインタフェースとを備え、
前記コンテンツ提供サーバは、第2のプロセッサと、前記第2のプロセッサに接続されるメモリと、前記第2のプロセッサに接続される第2のネットワークインタフェースとを備え、
前記評価システムは、第3のプロセッサと、前記第3のプロセッサに接続されるメモリと、前記第3のプロセッサに接続される第3のネットワークインタフェースとを備え、
前記評価システムは、前記ユーザ属性情報及び前記ユーザ属性情報の信頼性を表すユーザ属性情報信頼度、並びに、前記コンテンツ属性情報及び前記コンテンツ属性情報の信頼性を表すコンテンツ属性情報信頼度を保持し、
前記方法は、
前記評価システムが、前記ユーザ属性情報信頼度に基づいて、前記ユーザ属性情報を更新する前記ユーザである評価対象ユーザを選択する第1のステップと、
前記評価システムが、前記コンテンツ属性情報信頼度に基づいて、前記ユーザ属性情報を更新するための前記コンテンツである評価用コンテンツを選択する第2のステップと、
前記評価システムが、前記評価用コンテンツを前記評価対象ユーザに送信し、前記評価用コンテンツに対する前記評価対象ユーザの操作内容を取得する第3のステップと、
前記評価システムが、前記取得された操作内容に基づいて、前記評価対象ユーザの前記ユーザ属性情報及び前記ユーザ属性情報信頼度を更新する第4のステップと、
を含むことを特徴とする属性情報更新方法。
【請求項2】
前記評価システムが、前記コンテンツ属性情報信頼度に基づいて、前記コンテンツ属性情報を更新する前記コンテンツである評価対象コンテンツを選択する第5のステップと、
前記評価システムが、前記ユーザ属性情報信頼度に基づいて、前記コンテンツ属性情報を更新するための前記ユーザである評価用ユーザを選択する第6のステップと、
前記評価システムが、前記評価対象コンテンツを前記評価用ユーザに送信し、前記評価対象コンテンツに対する前記評価用ユーザの操作内容を取得する第7のステップと、
前記評価システムが、前記取得された操作内容に基づいて、前記評価対象コンテンツの前記コンテンツ属性情報及び前記コンテンツ属性情報信頼度を更新する第8のステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の属性情報更新方法。
【請求項3】
前記ユーザ属性情報は、前記ユーザの特徴を表す複数のユーザ特徴値を含み、
前記コンテンツ属性情報は、前記コンテンツの特徴を表す複数のコンテンツ特徴値を含み、
前記ユーザ属性情報信頼度は、前記ユーザ属性情報の更新頻度又は前記ユーザ特徴値の変化量を表す数値情報であり、前記ユーザ属性情報の更新頻度が低い場合又は前記ユーザ特徴値の変化量が小さい場合には、前記ユーザ属性情報信頼度は高く設定され、
前記コンテンツ属性情報信頼度は、前記コンテンツ属性情報の更新頻度又は前記コンテンツ特徴値の変化量を表す数値情報であり、前記コンテンツ属性情報の更新頻度が低い場合又は前記コンテンツ特徴値の変化量が小さい場合には、前記コンテンツ属性情報信頼度は高く設定され、
前記第2のステップは、前記コンテンツ属性情報信頼度の値が所定値以上であり、かつ、前記コンテンツ属性情報に含まれる前記コンテンツ特徴値の特性が異なる前記コンテンツを前記評価用コンテンツとして選択するステップを含み、
前記第6のステップは、前記ユーザ属性情報信頼度の値が所定値以上であり、かつ、前記ユーザ属性情報に含まれる前記ユーザ特徴値の特性が異なる前記ユーザを前記評価用ユーザとして選択するステップを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の属性情報更新方法。
【請求項4】
前記評価システムは、前記評価用ユーザとして選択された時間に関する時間情報を保持し、
前記第6のステップは、さらに、前記時間情報に示された時間から所定期間経過しているユーザを前記評価用ユーザとして選択することを特徴とする請求項3に記載の属性情報更新方法。
【請求項5】
前記ユーザ属性情報は、前記ユーザの特徴を表す複数のユーザ特徴値を含み、
前記コンテンツ属性情報は、前記コンテンツの特徴を表す複数のコンテンツ特徴値を含み、
前記ユーザ属性情報信頼度は、前記ユーザ属性情報の更新頻度又は前記ユーザ特徴値の変化量を表す数値情報であり、前記ユーザ属性情報の更新頻度が低い場合又は前記ユーザ特徴値の変化量が小さい場合には、前記ユーザ属性情報信頼度は高く設定され、
前記コンテンツ属性情報信頼度は、前記コンテンツ属性情報の更新頻度又は前記コンテンツ特徴値の変化量を表す数値情報であり、前記コンテンツ属性情報の更新頻度が低い場合又は前記コンテンツ特徴値の変化量が小さい場合には、前記コンテンツ属性情報信頼度は高く設定され、
前記第1のステップは、周期的に前記ユーザ属性情報信頼度を参照し、前記ユーザ属性情報信頼度の値が所定値以下である前記ユーザを前記評価対象ユーザとして選択するステップを含み、
前記第5のステップは、周期的に前記コンテンツ属性情報信頼度を参照し、前記コンテンツ属性情報信頼度の値が所定値以下である前記コンテンツを前記評価対象コンテンツとして選択するステップを含むことを特徴とする請求項2に記載の属性情報更新方法。
【請求項6】
前記第1のステップは、前記計算機から新たな前記ユーザを登録するためのユーザ登録要求を受信した場合に、前記ユーザ登録要求に含まれる前記ユーザを前記評価対象ユーザとして選択するステップを含み、
前記第5のステップは、前記コンテンツ提供サーバから新たな前記コンテンツを登録するためのコンテンツ登録要求を受信した場合に、前記コンテンツ登録要求に含まれる前記コンテンツを前記評価対象コンテンツとして選択するステップを含むことを特徴とする請求項2に記載の属性情報更新方法。
【請求項7】
前記ユーザ属性情報は、前記ユーザの特徴を表す複数のユーザ特徴値を含み、
前記コンテンツ属性情報は、前記コンテンツの特徴を表す複数のコンテンツ特徴値を含み、
前記ユーザ属性情報信頼度は、前記ユーザ属性情報の更新頻度又は前記ユーザ特徴値の変化量を表す数値情報であり、前記ユーザ属性情報の更新頻度が低い場合又は前記ユーザ特徴値の変化量が小さい場合には、前記ユーザ属性情報信頼度は高く設定され、
前記コンテンツ属性情報信頼度は、前記コンテンツ属性情報の更新頻度又は前記コンテンツ特徴値の変化量を表す数値情報であり、前記コンテンツ属性情報の更新頻度が低い場合又は前記コンテンツ特徴値の変化量が小さい場合には、前記コンテンツ属性情報信頼度は高く設定され、
前記第1のステップは、前記ユーザ属性情報信頼度を参照し、前記ユーザ属性情報信頼度の値が所定値以下である状態が所定期間継続している前記ユーザを、前記評価対象ユーザとして選択するステップを含み、
前記第5のステップは、前記コンテンツ属性情報信頼度を参照し、前記コンテンツ属性情報信頼度の値が所定値以下である状態が所定期間継続している前記コンテンツを、前記評価対象コンテンツとして選択するステップを含むことを特徴とする請求項2に記載の属性情報更新方法。
【請求項8】
前記ユーザ属性情報は、前記ユーザの特徴を表す複数のユーザ特徴値を含み、
前記コンテンツ属性情報は、前記コンテンツの特徴を表す複数のコンテンツ特徴値を含み、
前記ユーザ属性情報信頼度は、前記ユーザ属性情報の更新頻度又は前記ユーザ特徴値の変化量を表す数値情報であり、前記ユーザ属性情報の更新頻度が低い場合又は前記ユーザ特徴値の変化量が小さい場合には、前記ユーザ属性情報信頼度は高く設定され、
前記コンテンツ属性情報信頼度は、前記コンテンツ属性情報の更新頻度又は前記コンテンツ特徴値の変化量を表す数値情報であり、前記コンテンツ属性情報の更新頻度が低い場合又は前記コンテンツ特徴値の変化量が小さい場合には、前記コンテンツ属性情報信頼度は高く設定され、
前記第1のステップは、前記ユーザ属性情報信頼度を参照し、所定期間内に前記ユーザ属性情報信頼度の値が既定値以上減少している前記ユーザを、前記評価対象ユーザとして選択するステップを含み、
前記第5のステップは、前記コンテンツ属性情報信頼度を参照し、所定期間内に前記コンテンツ属性情報信頼度の値が既定値以上減少している前記コンテンツを、前記評価対象コンテンツとして選択するステップを含むことを特徴とする請求項2に記載の属性情報更新方法。
【請求項9】
前記ユーザ属性情報は、前記ユーザの特徴を表す複数のユーザ特徴値を含み、
前記コンテンツ属性情報は、前記コンテンツの特徴を表す複数のコンテンツ特徴値を含み、
前記ユーザ属性情報信頼度は、前記ユーザ属性情報の更新頻度又は前記ユーザ特徴値の変化量を表す数値情報であり、前記ユーザ属性情報の更新頻度が低い場合又は前記ユーザ特徴値の変化量が小さい場合には、前記ユーザ属性情報信頼度は高く設定され、
前記コンテンツ属性情報信頼度は、前記コンテンツ属性情報の更新頻度又は前記コンテンツ特徴値の変化量を表す数値情報であり、前記コンテンツ属性情報の更新頻度が低い場合又は前記コンテンツ特徴値の変化量が小さい場合には、前記コンテンツ属性情報信頼度は高く設定され、
前記第4のステップは、
前記評価用コンテンツの前記コンテンツ属性情報、前記評価対象ユーザの前記ユーザ属性情報、及び前記評価用コンテンツに対する前記評価対象ユーザの操作内容に基づいて、前記評価対象ユーザの前記ユーザ属性情報に含まれる前記ユーザ特徴値の推定値を算出するステップと、
前記ユーザ特徴値の推定値、及び、前記評価対象ユーザの前記ユーザ属性情報に基づいて、前記評価対象ユーザの前記ユーザ属性情報に含まれる前記ユーザ特徴値の更新値を算出するステップと、
前記ユーザ特徴値の推定値、前記ユーザ特徴値の更新値及び前記ユーザ属性情報信頼度に基づいて、前記ユーザ属性情報信頼度の更新値を算出するステップと、を含み、
前記第8のステップは、
前記評価用ユーザの前記ユーザ属性情報、前記評価対象コンテンツの前記コンテンツ属性情報、及び前記評価対象コンテンツに対する評価用ユーザの操作内容に基づいて、前記評価対象コンテンツの前記コンテンツ属性情報に含まれる前記コンテンツ特徴値の推定値を算出するステップと、
前記コンテンツ特徴値の推定値、及び、前記評価対象コンテンツの前記コンテンツ属性情報に基づいて、前記評価対象コンテンツの前記コンテンツ属性情報に含まれる前記コンテンツ特徴値の更新値を算出するステップと、
前記コンテンツ特徴値の推定値、前記コンテンツ特徴値の更新値及び前記コンテンツ属性情報信頼度に基づいて、前記コンテンツ属性情報信頼度の更新値を算出するステップと、を含むことを特徴とする請求項2に記載の属性情報更新方法。
【請求項10】
第1の計算機と、第2の計算機と、前記第1の計算機に関する第1情報を更新する更新サーバとを備える計算機システムにおける情報更新方法であって、
前記第1の計算機は、第1のプロセッサと、前記第1のプロセッサに接続されるメモリと、前記第1のプロセッサに接続される第1のネットワークインタフェースとを備え、
前記第2の計算機は、第2のプロセッサと、前記第2のプロセッサに接続されるメモリと、前記第2のプロセッサに接続される第2のネットワークインタフェースとを備え、
前記更新サーバは、第3のプロセッサと、前記第3のプロセッサに接続されるメモリと、前記第3のプロセッサに接続される第3のネットワークインタフェースとを備え、
前記更新サーバは、前記第1情報及び前記第1情報の更新度合いを表す第1情報の信頼度、並びに、前記第2の計算機に関する第2情報及び前記第2情報の更新度合いを表す第2情報の信頼度を保持し、
前記方法は、
前記更新サーバが、前記第1情報の信頼度に基づいて、前記第1情報の信頼度を更新する前記第1情報である評価対象第1情報を選択するステップと、
前記更新サーバが、前記第2情報の信頼度に基づいて、前記第1情報の信頼度を更新するための前記第2情報である評価用第2情報を選択するステップと、
前記更新サーバが、前記評価用第2情報を用いて前記評価対象第1情報及び前記評価対象第1情報の信頼度を更新するステップと、
を含むことを特徴とする情報更新方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−8873(P2012−8873A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−145292(P2010−145292)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】