説明

履物乾燥用具

【課題】 対象となる履物の形状や大きさにかかわらず濡れた履物における乾燥しにくい内部から迅速に水分を吸収して乾燥を促進させることができる履物乾燥用具の提供。
【解決手段】 履物乾燥用具Aは袋状部Lの外表面の全面にわたり、多数のパイルを有する第1パイル部Tが形成されてなる。基体は、袋状に形成されたパイル用の基布Sと、基布Sの内側に設けられた裏地Bからなる。第1パイル部Tに多数有する各パイルPは、略円柱形状をなし、パイルPの基部は、基布Sに結合されている。各パイルPは、略円柱形状をなし、0.3デニールの非吸水性のフィラメントFが、パイルPの軸線を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように密設され且つ軸線方向に密設されてなり、パイルPの略円柱形状外周面は、各フィラメントFの先端部により形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濡れた靴等の履物を乾燥させるために用いる履物乾燥用具に関する。
【背景技術】
【0002】
濡れた靴等の履物を乾燥させるために用いる履物乾燥用具として、従来、温風による乾燥器具の他、実公平6−20409号公報には、靴(1)の内面(1a)に密着又はほぼ密着する大きさの袋状に膨らますことが可能な可撓性の空気袋(2)に、当該空気袋(2)内に空気を吹き込むための空気吹込口(3)と、当該空気吹込口(3)を閉止する口閉止体(4)とを設けるとともに、前記空気袋(2)の表面のうち、少なくとも靴(1)内に差し入れられる部分の表面の一部に、吸水性物質(5)を保持させた又は吸水性物質(5)から構成された可撓性の繊維状シート(7)を付設してあることを特徴とする靴乾燥具が開示されており、実開平5−48863号公報には、極細繊維の布を重ね合わし靴の形をした布の塊を靴の中いっぱいに詰め込み、極細繊維の毛細管現象による吸水性の大きい事を利用して靴の中の湿気をこれに吸収させ、これを完全に乾燥させるを特徴とした靴の乾燥具が開示されている。
【0003】
実公平6−20409号公報記載の靴乾燥具は、雨水等に濡れた靴を乾燥する場合、まず、空気袋の空気吹込口から空気を吹き込んで当該空気袋を膨らませたのち、この空気袋を濡れた靴内に挿入する。この挿入状態では、空気袋の表面に設けた繊維状シートの全体又は一部が靴内面に密着し、当該繊維状シートに保持された吸水性物質又は当該繊維状シートを構成する吸水性物質により、靴内面に付着した水分のみならず、靴内の空気中の水分を吸収させることができるとされている。しかしながら、空気の吹き込みを必要とする点で簡便性に優れるとは言えず、また、吸水及び乾燥性においても、十分とは言い難いものである。
【0004】
また、実開平5−48863号公報記載の乾燥具は、極細繊維の毛細管現象による吸水性、及びこれによる速乾性の高い事を利用して靴の中に詰め込み、これに湿気を吸収させ、乾燥させるとされているが、様々な大きさ及び形状の靴に容易に適合させ得るものとは言い難い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公平6−20409号公報
【特許文献2】実開平5−48863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来技術に存した上記のような課題に鑑み行われたものであって、その目的とするところは、対象となる履物の形状や大きさにかかわらず、甲部で覆われた前部まで濡れた靴等の履物における乾燥しにくい前部の内部から迅速に水分を吸収して乾燥を促進させることができる履物乾燥用具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明の履物乾燥用具は、
袋状部を備える基体の前記袋状部における、少なくとも先端閉塞部から基端開口部に向かう所定袋形状部の外表面の全面にわたり、多数のパイルを有する第1パイル部が形成され、
前記第1パイル部に多数有する各パイルを形成するパイル形成体は、略円柱形状をなし、繊維製の線条体が、パイル形成体の軸線を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように密設され且つ軸線方向に密設されてなり、その略円柱形状外周面は、前記各線条体の先端部により形成されているものであることを特徴とする。
【0008】
甲部で覆われた前部まで濡れた靴等の履物を乾燥させる場合、その履物前部に対し袋状部をその先端部から挿入する。外表面の全面にわたり多数のパイルを有する第1パイル部は、袋状部の先端閉塞部から基端開口部に向かう所定袋形状部に形成されているので、その所定袋形状部の内側から、外表面側の多数のパイルを履物の前部における爪先部内側、底部上側及び甲部内側にあてがうように袋状部を挿入することができる。これにより、対象となる履物の形状や大きさにかかわらず、第1パイル部の多数のパイルが履物の前部における爪先部内側、底部上側及び甲部内側に満遍なく接するようにすることができる。
【0009】
この履物乾燥用具の表側の第1パイル部に多数有するパイルを形成するパイル形成体は、略円柱形状をなし、繊維製の線条体(例えば各種合成繊維フィラメント、合成繊維若しくは天然繊維ステープル糸等)が、パイル形成体の軸線を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように密設され且つ軸線方向に密設されてなり、その略円柱形状外周面は、前記繊維製の線条体の先端部により形成されている。パイル形成体における繊維製の線条体の密度はパイル形成体の表面部から内方部に向かうほど高くなり、毛管現象により、パイル形成体の内方部に向かって強い吸液力が作用するので、パイルは、繊維製の線条体の先端部が位置する表面部からパイル形成体の内方部に向かって迅速に比較的多量の水(他の成分を含有する水又はその他の液体でもよい)を吸収し得る。
【0010】
そのため、対象となる履物の形状や大きさにかかわらず、甲部で覆われた前部まで濡れた靴等の履物における乾燥しにくい前部の内部から迅速に水分を吸収して乾燥を促進させることができる。
【0011】
また本発明の履物乾燥用具は、上記基体が、袋状部の基端開口部の一部から後方に延びた平坦状部を有し、その平坦状部の外表面に、多数のパイルを有する第2パイル部が形成されているものとすることができる。
【0012】
この場合、履物における甲部で覆われた前部に袋状部を挿入し、前部よりも後方の履物の底部上面に平坦状部の外表面の第2パイル部が接するようにすることにより、前部よりも後方の履物の底部の水分吸収及び乾燥促進を実現し得る。
【0013】
上記パイル形成体は、繊維製の線条体を飾り糸とするモール糸によるループ部が、そのモール糸の芯糸を中心として撚り合わさることにより略円柱形状を形成したものとすることができる。
【0014】
また上記パイル形成体における上記線条体は、0.05乃至0.8デニールの非吸水性のフィラメントであるものとすることが望ましい。
【0015】
この場合の履物乾燥用具は、
袋状部を備える基体の前記袋状部における、少なくとも先端閉塞部から基端開口部に向かう所定袋形状部の外表面の全面にわたり、多数のパイルを有する第1パイル部が形成され、
前記第1パイル部に多数有する各パイルを形成するパイル形成体は、略円柱形状をなし、0.05乃至0.8デニールの非吸水性のフィラメントが、パイル形成体の軸線を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように密設され且つ軸線方向に密設されてなり、その略円柱形状外周面は、前記各フィラメントの先端部により形成されているものであることを特徴とする。
【0016】
この履物乾燥用具の表側の第1パイル部に多数有するパイルを形成するパイル形成体は、略円柱形状をなし、0.05乃至0.8デニールの極めて細い非吸水性のフィラメントが、パイル形成体の軸線を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように密設され且つ軸線方向に密設されてなり、その略円柱形状外周面は、前記フィラメントの先端部により形成されている。パイル形成体におけるフィラメントの密度はパイル形成体の表面部から内方部に向かうほど高くなり、毛管現象により、パイル形成体の内方部に向かって強い吸液力が作用するので、パイルは、フィラメントの先端部が位置する表面部からパイル形成体の内方部に向かって迅速に比較的多量の水(他の成分を含有する水又はその他の液体でもよい)を吸収し得る。
【0017】
そのため、対象となる履物の形状や大きさにかかわらず、甲部で覆われた前部まで濡れた靴等の履物における乾燥しにくい前部の内部から迅速に水分を吸収して乾燥を促進させることができる。
【0018】
また、各パイルを構成するフィラメントが非吸水性であるという材質と、そのフィラメントがパイル形成体の軸線を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように密設され且つ軸線方向に密設され、パイルの略円柱形状外周面は各フィラメントの先端部により形成されているという構造との両者よりして、遠心脱水性等の慣性力による脱水性又はその他の脱水性及び脱水後の乾燥性に優れる。
【0019】
そのため、履物前部が多量の水分を含む場合であっても、相当程度の水分を吸収した後、一旦取り外して迅速に脱水又は乾燥させて再度その履物前部に袋状部を挿入することにより、水分吸収及び乾燥促進に効果を発揮し得る。
【0020】
上記パイル形成体が、0.05乃至0.8デニールの非吸水性のフィラメントを飾り糸とするモール糸によるループ部が、そのモール糸の芯糸を中心として撚り合わさることにより略円柱形状を形成したもの(パイル形成糸)とすることができる。
【0021】
また上記非吸水性のフィラメントは、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリプロピレン系又はポリエチレン系のフィラメントであるものとすることができる。
【0022】
また上記非吸水性のフィラメントは、その吸水率が20℃相対湿度65%において5%以下であるものとすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の履物乾燥用具によれば、対象となる履物の形状や大きさにかかわらず、甲部で覆われた前部まで濡れた靴等の履物における乾燥しにくい前部の内部から迅速に水分を吸収して乾燥を促進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】模式的縦断面図である。
【図2】模式的背面図である。
【図3】第1パイル部の模式的要部拡大図である。
【図4】パイルの模式的拡大横断面図である。
【図5】モール糸によりパイルを形成する工程の一部を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0026】
図面は何れも本発明の実施の形態の一例としての履物乾燥用具についてのものである。
【0027】
履物乾燥用具Aは、全体が基端開口部に向かって拡がる袋状部Lである基体の全体である所定袋形状部の外表面の全面にわたり、多数のパイルを有する第1パイル部Tが形成されてなる。
【0028】
基体は、袋状に形成されたパイル用の基布Sと、基布Sの内側に設けられた裏地Bからなる。なお、基体は、通気性布、メッシュ状布、吸水性布等を始めとする各種の布や、合成樹脂又はその他の材料からなる網状部又は籠状部等からなるものとすることができる。例えば、パイル用基布Sの内側に合成樹脂又はその他の材料からなる網状部又は籠状部等を装着して基布Sやパイルの乾燥性を高めることもできる。
【0029】
袋状部Lは、図2では円形断面に描かれているが、円形断面であることを要せず、また、図1に描かれるように先端部が半球状であることを要しない。
【0030】
所定袋形状部は、袋状部のうち少なくとも先端閉塞部から基端開口部に向かう部分又は基端開口部までの全部である。例えば、基端開口部側の一定部分を除く残部全てが所定袋形状部であり、その所定袋形状部の外表面の全面にわたり多数のパイルを有する第1パイル部Tが形成されてなるものとすることもできる。
【0031】
第1パイル部Tに多数有する各パイルPは、略円柱形状をなし、パイルPの基部は、基布Sに結合されている。
【0032】
各パイルPは、0.3デニールの非吸水性のポリエステルフィラメントF(なお、フィラメントを用いずにステープル糸等の繊維製の線条体を用いることもできる)を飾り糸とするモール糸Mにより形成されている。すなわち、図5に示すように、基布Sに対し、モール糸Mによるループ部Rを形成した後、ループ部Rを構成するモール糸Mのうち、ループ部Rの一方の基部から端部を構成する部分と他方の基部から端部を構成する部分が、両部分の芯糸Cを中心として撚り合わさることにより、略円柱形状をなすパイル形成体(パイル形成糸)によるパイルPを形成したものである。例えば、強撚モール糸Mを用い、基布Sに対しモール糸Mによるループ部Rを形成した後、熱処理(染色工程における熱処理が好ましい)を行うことにより各ループ部Rがそのモール糸Mの芯糸Cを中心として撚り合わさるものとすることができる。
【0033】
このようにして形成された各パイルPは、略円柱形状をなし、0.3デニールの非吸水性のフィラメントFが、パイルPの軸線を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように密設され且つ軸線方向に密設されてなり、パイルPの略円柱形状外周面は、各フィラメントFの先端部により形成される。パイルPの先端部Paは、パイルPを構成する放射状に配されたフィラメントFの先端部により形成された略凸曲面状をなす。
【0034】
甲部で覆われた前部まで濡れた靴等の履物を乾燥させる場合、その履物前部に対し袋状部Lをその先端部(図1における左端部)から挿入する。外表面の全面にわたり多数のパイルを有する第1パイル部Tは、袋状部L全体である所定袋形状部に形成されているので、袋状部Lの内側から、外表面側の多数のパイルを履物の前部における爪先部内側、底部上側及び甲部内側にあてがうように袋状部Lを挿入することができる。これにより、対象となる履物の形状や大きさにかかわらず、第1パイル部Tの多数のパイルが履物の前部における爪先部内側、底部上側及び甲部内側に満遍なく接するようにすることができる。
【0035】
この履物乾燥用具の表側のパイル部に多数有するパイルを形成するパイル形成体は、略円柱形状をなし、0.3デニールの極めて細い非吸水性のフィラメントが、パイル形成体の軸線を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように密設され且つ軸線方向に密設されてなり、その略円柱形状外周面は、前記フィラメントの先端部により形成されている。パイル形成体におけるフィラメントの密度はパイル形成体の表面部から内方部に向かうほど高くなり、毛管現象により、パイル形成体の内方部に向かって強い吸液力が作用するので、パイルは、フィラメントの先端部が位置する表面部からパイル形成体の内方部に向かって迅速に比較的多量の水(他の成分を含有する水又はその他の液体でもよい)を吸収し得る。
【0036】
そのため、対象となる履物の形状や大きさにかかわらず、甲部で覆われた前部まで濡れた靴等の履物における乾燥しにくい前部の内部から迅速に水分を吸収して乾燥を促進させることができる。
【0037】
また、各パイルを構成するフィラメントが非吸水性であるという材質と、そのフィラメントがパイル形成体の軸線を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように密設され且つ軸線方向に密設され、パイルの略円柱形状外周面は各フィラメントの先端部により形成されているという構造との両者よりして、遠心脱水性等の慣性力による脱水性又はその他の脱水性及び脱水後の乾燥性に優れる。
【0038】
そのため、履物前部が多量の水分を含む場合であっても、相当程度の水分を吸収した後、一旦取り外して迅速に脱水又は乾燥させて再度その履物前部に袋状部Lを挿入することにより、水分吸収及び乾燥促進に効果を発揮し得る。
【0039】
パイルの形状は、例えば軸線方向長さが直径の1.5倍乃至10倍の略円柱形状とすることができる。好ましくは、軸線方向長さが直径の2倍乃至8倍、より好ましくは、軸線方向長さが直径の3倍乃至6倍程度である。パイルの軸線方向長さは、例えば5乃至40mmとすることができる。好ましくは10乃至30mmである。なお、パイルの直径は軸線方向にほぼ一定であることが好ましいが、必ずしもこれに限るものではない。
【0040】
パイルPは、0.05乃至0.8デニールの非吸水性のフィラメントを飾り糸とする2本又は3本以上のモール糸が、そのモール糸の芯糸を中心として撚り合わさることにより略円柱形状を形成したパイル形成糸(パイル形成体)等により形成したループパイルとすることもできる。
【0041】
パイルPを構成するフィラメントFは、0.05乃至0.8デニールであり、好ましくは0.1乃至0.5デニール、好ましくは0.2乃至0.4デニールである。フィラメントFの材質は、ポリエステル系の他、例えば、ポリアミド系、ポリプロピレン系又はポリエチレン系のフィラメントFを用いることができる。非吸水性のフィラメントの吸水率は、20℃相対湿度65%において5%以下であるものとすることができる。
【0042】
芯糸Cは、吸水性糸および/または非吸水性糸とすることができる。芯糸Cの一部若しくは全部として熱融着糸を用いて飾り糸としてのフィラメントFを融着したモール糸Mの場合、フィラメントFの脱落を確実性高く防ぐことができる。
【0043】
各パイルPは同一形状及び同一サイズであるものとすることができるが、形状及びサイズが異なる複数種のパイルPを備えたものとすることもできる。
【0044】
上記基体は、図1に2点鎖線で示されるように、袋状部の基端開口部の一部から後方に延びた平坦状部Kを有し、その平坦状部Kの外表面(図1における下面)に、多数のパイルPを有する第2パイル部U(第1パイル部Tと第2パイル部Uは連続するものとすることができる)が形成されているものとすることができる。この場合、履物における甲部で覆われた前部に袋状部を挿入し、前部よりも後方の履物の底部上面に平坦状部の外表面の第2パイル部Uが接するようにすることにより、前部よりも後方の履物の底部の水分吸収及び乾燥促進を実現し得る。
【0045】
本発明の履物乾燥用具は、袋状部がシューズキーパーの前部に着脱可能に被せられた態様で使用することにより、濡れた履物を、形状を崩すことを防ぎつつ乾燥させるために用いることができる。
【0046】
なお、以上の実施の形態についての記述における構成部品の寸法、個数、材質、形状、その相対配置などは、特にそれらに限定される旨の記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例に過ぎない。
【符号の説明】
【0047】
A 履物乾燥用具
B 裏地
C 芯糸
F フィラメント
K 平坦状部
L 袋状部
M モール糸
P パイル
Pa 先端部
R ループ部
S 基布
T 第1パイル部
U 第2パイル部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋状部を備える基体の前記袋状部における、少なくとも先端閉塞部から基端開口部に向かう所定袋形状部の外表面の全面にわたり、多数のパイルを有する第1パイル部が形成され、
前記第1パイル部に多数有する各パイルを形成するパイル形成体は、略円柱形状をなし、繊維製の線条体が、パイル形成体の軸線を中心としてほぼ径方向に放射状をなすように密設され且つ軸線方向に密設されてなり、その略円柱形状外周面は、前記各線条体の先端部により形成されているものであることを特徴とする履物乾燥用具。
【請求項2】
上記基体が、袋状部の基端開口部の一部から後方に延びた平坦状部を有し、その平坦状部の外表面に、多数のパイルを有する第2パイル部が形成されている請求項1記載の履物乾燥用具。
【請求項3】
上記パイル形成体が、繊維製の線条体を飾り糸とするモール糸によるループ部が、そのモール糸の芯糸を中心として撚り合わさることにより略円柱形状を形成したものである請求項1又は2記載の履物乾燥用具。
【請求項4】
上記パイル形成体における上記線条体が0.05乃至0.8デニールの非吸水性のフィラメントである請求項1、2又は3記載の履物乾燥用具。
【請求項5】
上記パイル形成体が、0.05乃至0.8デニールの非吸水性のフィラメントを飾り糸とするモール糸によるループ部が、そのモール糸の芯糸を中心として撚り合わさることにより略円柱形状を形成したものである請求項4記載の履物乾燥用具。
【請求項6】
上記非吸水性のフィラメントが、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリプロピレン系又はポリエチレン系のフィラメントである請求項4又は5記載の履物乾燥用具。
【請求項7】
上記非吸水性のフィラメントの吸水率が、20℃相対湿度65%において5%以下である請求項4又は5記載の履物乾燥用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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