説明

工作機械に発生するチップや冷却液を保持し分離するための装置(輸送)

チップや冷却液を受け入れるための収容タンク(1)、ガイド部分(2)、排出部分(3)、その少なくとも一つが回転駆動装置に連結されるチェーン状閉鎖搬送要素(4)、および当該搬送要素と駆動接続され回転可能に支承されたフィルタドラム(9)を備えて構成される、工作機械に発生するチップや冷却液を保持し分離するための装置。フィルタドラム(9)の下側範囲において、その軸線に平行に延び且つ逆になった溝形状のカバー要素(11)が位置固定に配置されており、当該要素は少なくともフィルタ要素(9)の長さの一部にわたって延びている。カバー要素(11)はその一端で、ドラムケーシングの一つの壁における開口部と気密に連通しており、当該開口部は、高めのレベルに位置し且つ収集タンク(19)に送られる吸引要素(18)に接続した吸引管(17)につながっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械に発生するチップや冷却液を保持し分離するための装置に関する。冷却液は再使用に戻され、チップは除去される。上記保持・分離装置は、チップや冷却液を受け入れるための収容タンク、当該収容タンクに隣接する上り勾配ガイド部分、当該ガイド部分に隣接する持ち上げ排出部分、少なくともチップや冷却液を収容する領域並びに上記排出部分にて戻り要素を越えて案内されるチェーン状閉鎖搬送要素、および当該搬送要素と駆動接続され回転可能に支承されたフィルタドラムを備えて構成される。上記戻り要素の少なくとも一つは回転駆動装置に連結されている。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】ドイツ特許出願第10223290.3号
【特許文献2】GB2302818
【0003】
そのような保持・分離装置は、特許文献1から公知である。同様に、類似の装置が特許文献2に開示されている。この文献には、工作機械に発生するチップや冷却液を保持し分離するための装置であって、回転するドラムフィルタを有するものが記載されている。この場合、フィルタドラムの下部領域において、その軸に平行に延び且つ少なくともフィルタドラム長さの一部にわたって延在する流入管が固定配置されている。当該流入管はまた、吸引管と連結し、吸引管はフィルタドラムの軸を通ってフィルタドラム内に入り、外部でポンプと連結している。この配置によって、ろ過された液体がフィルタドラムの内部から吸い出されることになる。更に、吸い出されたろ過液体の一部をドラムに戻して、それをドラムの上部領域にてスプレーノズルによって壁へ適用して、それで外側に付着する残留物を洗い落とすことができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、特に全体で必要とされる空間要件を著しく減らすように一般タイプの装置を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、冒頭に言及した様式の装置において、フィルタドラムの下側範囲に、その軸線に平行に延び且つ逆になった溝形状のカバー要素が固定配置され、当該要素が少なくともフィルタドラムの長さの一部にわたって延びていること、カバー要素がその一端で、ドラムケーシングの一つの壁における開口部と気密に連通していること、及び当該開口部が、収集タンクに送られ且つ高めに位置する吸引要素に接続する吸引管につながっていることによって、解決される。
【0006】
フィルタドラムに入り、その際に浄化される冷却液は、側壁における開口部を通過し、そして吸引管を介してポンプに供給される。ポンプから、浄化された冷却液は収集タンクに送られる。浄化された冷却液のこの上昇輸送は、したがってドラムケーシングの側壁のすぐそばを進み、一部はこのケーシングより上にも推移するので、装置の直立範囲全体は非常に狭くされる。
【0007】
本発明によれば、カバー要素の側壁がフィルタドラムの内側面の近くに達し、カバー要素下の空間がその側縁で少なくとも部分的に限定されることが更に想定される。したがって、吸引管を介してポンプによって及ぼされる吸引圧は、カバー要素によって閉じられた領域に特に作用する。
【0008】
本発明の更に有利な特徴構成は、特に特許請求の範囲に詳述され、明細書に支持されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、図面に基づいて本発明の実施の形態を記載する。
図1に概略的に示された本発明に係る装置は、上方に少なくとも部分的に開放し工作機械で発生するチップや冷却液を収容する収容タンク1を有する。収容タンク1に上り勾配ガイド部分2が接続しており、当該ガイド部分は持ち上げ排出部分3へと移行する。
【0010】
チップの搬送のために、図示の実施例において、図2に示されたスクレーパーチェーン4が設けられている。当該スクレーパーチェーンは多数の転向要素を介して案内され、チップは収容タンク1から排出部分3における投下位置まで搬送される。
【0011】
図2に係る実施例において、歯車5は内側からスクレーパーチェーンに係合する。それによって歯車5は回転し、クランクピン6を連行する。クランプピンはプッシュロッド7を介して爪車8に係合し、フィルタドラム9を断続的に又は変更回転数で駆動する。
【0012】
フィルタドラム9は、その周囲に上張り10を備えている(図2)。当該上張りは、その下側領域において当該上張りの脇を通り過ぎる液体に篩のように作用し、それでろ過して、それゆえに予備浄化した液体をフィルタドラム9の内側へ入らせる。フィルタドラム9の内側で当該フィルタドラムの下側において、中心にカバー要素11が設けられている。これは逆さ桶状に形成され、その側壁12が下向き、フィルタドラム9の内側縁の内面13の方向で互いに離れるように傾いている。
【0013】
カバー要素11は、その図3の左側端部で壁14に固定支持され、フィルタドラム9全体を通って対向するケーシング壁15にまで延びている。しかしながら、カバー要素11がその左側端部で左側壁から間隔をおいて終端していることも目的に適っている。いずれにせよ右側のケーシング壁15において、ネジと連結片16によってカバー要素11の下側領域と吸引管17の間に密閉連結を形成する開口が設けられる(図3)。上記吸引管17はフィルタドラム9の外側で且つドラム壁の近くで上方へ吸引ポンプ18へと案内され、吸引ポンプはその側で、そのように浄化された冷却水を、収容タンク1の上に置かれた収集タンク19内へ案内する。吸引管17はこの際、目的に適って、部分的にガイド部分2の上で当該ガイド部分の上方に延在するので、そこでガイド部分に対して側方に張り出さない。
【0014】
更に、フィルタドラム9の側壁14に、噴射開口を備えた管20が固定され、その戻り管の自由端がフィルタドラム9の範囲で閉じられていることが想定される。この管20は、内側からフィルタドラム9の上張りに吹き付けてフィルタドラム9の外側にある汚染物質を取り除くために、浄化された冷却水を上張りに対してジェット状に導くのに供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る装置の実施形態の側面図である。
【図2】上記装置のフィルタドラムの横断面図である。
【図3】フィルタドラムの鉛直軸平面図である。
【符号の説明】
【0016】
1 収容タンク
2 ガイド部分
3 排出部分
4 スクレーパーチェーン
5 歯車
6 クランクピン
7 プッシュロッド
8 爪車
9 フィルタドラム
10 上張り
11 カバー要素
12 側壁
13 内面
14 壁
15 ケーシング壁
16 連結片
17 吸引管
18 吸引ポンプ(吸引要素)
19 収集容器
20 戻り管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械に発生するチップや冷却液を受け入れるための収容タンク(1)、当該収容タンク(1)に隣接する上り勾配ガイド部分(2)、当該ガイド部分(2)に隣接する持ち上げ排出部分(3)、少なくともチップや冷却液を収容する領域並びに上記排出部分(3)にて戻り要素を越えて案内され且つその少なくとも一つが回転駆動装置に連結されるチェーン状閉鎖搬送要素(4)、および当該搬送要素と駆動接続され回転可能に支承されたフィルタドラム(9)を備えて構成される、チップや冷却液を保持し分離するための装置であって、上記冷却液は再使用に戻され、チップは除去される装置において、
その際、フィルタドラム(9)の下側範囲に、その軸線に平行に延び且つ逆になった溝形状のカバー要素(11)が固定配置され、当該要素が少なくともフィルタドラム(9)の長さの一部にわたって延びており、カバー要素(11)がその一端で、ドラムケーシングの一つの壁における開口部と気密に連通しており、及び当該開口部が、収集タンク(19)に送られ且つ高めに位置する吸引要素(18)と接続する吸引管(17)につながっている、装置。
【請求項2】
上記吸引要素がベンチュリーインサートを有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
カバー要素(11)の側壁(12)がフィルタドラム(9)の内側面の近くに達していることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
カバー要素(11)がフィルタドラム(9)の軸の下に、これと平行に延びることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
フィルタ要素(9)の一つの壁(14)における開口部が、カバー要素(11)の輪郭の中心に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
フィルタドラム(9)の軸の上に、フィルタドラムの壁を密封貫通して案内されポンプにつながれている戻り管(20)が延びることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−504139(P2008−504139A)
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518549(P2007−518549)
【出願日】平成17年7月1日(2005.7.1)
【国際出願番号】PCT/EP2005/007123
【国際公開番号】WO2006/002950
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(502296648)メイフラン インターナショナル ビー.ブイ. (1)
【Fターム(参考)】