説明

工作物を加工する工具および方法

工具(1)は軸Aを中心として回転可能であり、加工面(11)のほうを向いた少なくとも1つの粗加工用の切削インサート(15)と工作物の精密加工をするための研削部材(9)とを備える工具本体(3)を有する。研削部材(9)は工具本体(3)に対して相対的に引き込まれた休止位置から加工面に向って加工位置へと位置調節可能である。それにより、簡単な設計的手段によってコンビネーション型のフライス・研削工具が構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工面のほうを向いた少なくとも1つの粗加工用の切削インサートと、工作物の精密加工をするための研削部材とを備える工具本体を有する、軸を中心として回転可能な工作物を加工する工具、特にフライス工具に関する。さらに本発明は、このような工具を用いて工作物を加工する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このような種類の工具は米国特許出願公開第4,993,891号明細書から読み取ることができる。工作物を加工するとき、多くの場合、2種類の異なる加工工程が必要である。まず最初に、高い剥離率が求められる粗削りとも呼ばれる工作物の粗加工が行われる。粗削りには多くの場合ダイヤモンド・セラミック切れ刃または超硬合金切れ刃が用いられる。粗加工の後、加工された領域は、再加工しなければならない粗い表面を有するのが通常である。そのために、たとえば研削砥石や鋭利なダイヤモンドICBN砥粒による精密加工または研削が適用される。その際には、粗削りに比べて低い剥離率しか達成されない。
【0003】
この2つの加工工程の1つの相違点は、通常、工具の異なる回転速度で行われるという点にあり、粗削りのほうがはるかに高い回転速度が適用される。ねずみ鋳鉄を加工する場合、粗削りのときは最大1000m/minの切削速度が適用されるのに対して、精密加工のときの切削速度はおよそ300m/minほどにすぎない。切削インサートが円周に配置されている回転する工具の場合、円周速度が切削速度に相当する。さらに別の相違点は、研削時には、普通、冷却のための冷却剤が必要になることであり、すなわち湿式加工が行われることである。これと対照的に、超硬合金切れ刃またはセラミック切れ刃は高い熱衝撃感度を有してはいないので、粗削りでは乾式加工が必要とされる。
【0004】
これら両方の加工工程をただ1つの工具によって行う試みがすでになされている。たとえば冒頭に掲げた米国特許出願公開第4,993,891号明細書より、工作物をフライス加工と研削加工するための正面フライスが知られている。円筒形をした正面フライスの円周面の外側縁部に、多数の切削インサートが組み付けられている。下面にある切削インサートの内側には、研磨表面をもつ正方形の切削部材が円形の列をなして配置されている。この正面フライスで格別に重要なのは、粗加工の痕跡を剥離して工作物の表面を平滑にする研削部材の向きである。研削部材は小さい正の軸方向の傾斜角と小さいピッチ角とを有し、それによって、半径方向内側のエッジが研削面から若干持ち上げられるようになっている。これに加えて研削部材は半径方向の傾斜角を有し、それにより、いっそう広い研削面を提供するように向きを変えられている。作動時には、最初に切削インサートが工作物と係合してこれをフライス削りし、その後に、工作物を研削する研削部材が続く。この実施形態では、研削部材は工具に不動に組み付けられ、およそ1000m/minを超えるくらいの切削インサートと同じ切削速度を有する。このような切削速度で冷却剤を用いないと、工作物から剥離される材料と研削部材との非常にすばやい接着が起こるため、切削インサートよりもはるかに頻繁に交換をしなくてはならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、工作物を粗加工および精密加工するための、簡素に構成された低コストな工具を提供することである。本発明のさらに別の課題は、このような工具によって工作物の表面を加工する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
工具を対象とする課題は、本発明によると、軸を中心として回転可能な、加工面のほうを向いた少なくとも1つの粗加工用の切削インサートと工作物の精密加工をするための研削部材とを備える工具本体を有する、工作物を加工する工具によって解決される。この研削部材は本体に対して相対的に、引き込まれた休止位置から加工面に向って加工位置へと位置調節可能である。
【0007】
このような構成は、工作物を加工するための従来式の工具、特に正面フライスを、構造に関して少し改変することにより、コンビネーション型の工具として、工作物の粗加工にも研削加工にも利用することを可能にする。この場合、両方の加工工程は互いに無関係に実施することができ、一方の加工工程の加工パラメータや作業条件が他方の加工工程にマイナスの影響を及ぼすことがない。
【0008】
これを実現するために、特に研削砥石として構成された研削部材は、作動時に2つの位置の間で位置調節される。休止位置にあるとき、研削部材は内方に向って若干引き込まれ、工具を使用するときには加工面から間隔をおく。加工面は、複数の切削インサートを備える工具、たとえば正面フライスの場合、これらの切削インサートを通って広がる平面によって定義される。一般に加工面は、作動時に切削インサートが係合する工作物の表面と一致する。この場合、工作物の表面に係合して粗加工を行うのは、工具の切削インサートだけである。後続の精密加工のために研削部材が外方に向って押し出され、それにより、研削部材は切削インサートから間隔をおくように外方に向って位置決めされ、研削部材だけが工作物と係合するようになる。このとき加工面は、研削部材の平面によって定義される。
【0009】
両方の加工プロセスは、特に互いに別個に行われるので、たとえばセラミック切削インサートを損傷させる危険なしに、精密加工のときの冷却剤の使用が可能である。
【0010】
工具本体には、研削部材と機械的に連結された変位可能な押圧プレートが設けられているのが好ましい。押圧プレートは、研削部材の休止位置と加工位置に対応する、内側の位置と外側の位置を有する。研削部材がその休止位置にあるとき、押圧プレートはその内側の位置にある。押圧プレートを外側の位置へ変位させるために、力が押圧プレートに及ぼされ、機械的な連結を通じて研削部材へと伝達され、それによって研削部材が加工位置へと位置調節される。この力が押圧プレートに作用しなくなると、押圧プレートはその内側の位置へと戻り、それに伴って研削部材も休止位置に戻る。このような設計は簡単かつ低コストな技術的手段によって具体化され、信頼度の高い工具利用を保証する。
【0011】
押圧プレートは流体の圧力室を仕切っているのが好ましい。流体は、たとえば液体または混合気である。この圧力室には作動時に流体が供給され、この流体が、圧力室内の圧力を上昇させ、それによって内側の位置から外側の位置への押圧プレートの変位、ないしは加工位置への研削部材の変位を引き起すように作用する。押圧プレートは、圧力室の圧力が高いあいだは外側の位置にとどまっている。すなわち、閉じた圧力室内に流体が保たれるか、または、圧力室が開いている場合には流体が常時供給されることによって定常的に保たれる。このように、液圧式または空気圧式のやり方によって、切削部材の位置調節が簡単な仕方で行われる。
【0012】
1つの有利な実施形態では、工具本体は、開口部を介して圧力室と接続された冷却流体供給配管を有する。工作物の精密加工のために冷却流体が工具に供給されるのが普通なので、この実施形態により、冷却流体の冷却機能が、圧力機能によって粗加工から精密加工へ切換をするために巧みに利用される。追加の制御は必要なく、むしろ、研削部材は冷却流体供給部が接続されると自動的に加工位置へと移動する。冷却流体はそのために圧力室を充填し、そこで十分に高い圧力を生成し、この圧力が押圧プレートをその内側の位置から外側の位置へと押圧し、それによって研削部材を加工位置へと位置調節する。必要な圧力は、ほぼ10.105Paを超える程度の範囲内にある、冷却流体の通常の圧力を通じて提供される。
【0013】
別の有利な実施形態では、圧力室は冷却流体通路を介して加工面へ向う方向で開いている。したがって、冷却流体を圧力室から研削部材へ直接案内することができ、そこで冷却流体が研削部材を作動中に冷却する。この場合、特に冷却流体の常時の供給によって研削砥石を確実に加工位置で保つために、圧力室への同量の連続した供給と排出が意図される。代替的または追加的に機械的なロックが意図される。
【0014】
加工面に向う押圧プレートの変位を制限する受け部が工具本体に設けられるのが好ましい。この受け部は、押圧プレートが受け部に当たったときに研削部材が精密加工用として定義された加工位置へ正確にくるように位置決めされている。受け部は弾性的でない硬質材料で構成され、曲げることができず、あるいは押圧プレートの圧力のもとで偏向することがない。受け部によって、研削部材が正確な加工位置へ繰り返し移動することも保証される
【0015】
受け部は取付リングの形式で構成されるのが目的に適っている。このリングは、摩擦接合による結合によって、特にねじ結合によって、工具本体に不動に取り付けられている。このことは受け部の簡単な組付けを可能にするとともに、リング状の構成によって、確実で定義された押圧プレートの当接部を形成する。
【0016】
有利な実施形態では、研削部材はばね部材によって引き戻された休止位置に保持される。ばね部材は圧縮ばねまたは引張ばねである。圧縮ばねは、押圧プレートが変位したとき、冷却流体によって生成される圧力のもとで圧縮され、応力が緩和されると、圧縮プレートを自動的に初期位置へと移す。引張ばねの場合、その各端部は押圧プレートが変位したときに引き延ばされ、収縮するときに押圧プレートを休止位置へと引き戻す。このようにばね部材によって、設計的に簡単な仕方で、引き戻された位置への押圧プレートの自動的かつ確実な復帰が実現される。
【0017】
さらに、ばね部材は受け部と押圧プレートの間に配置されるのが好ましい。圧縮ばねの場合、このような構成は圧縮ばねの緩やかな挿入を可能にし、その各端部は2つの基底面に支持されるにすぎない。受け部は安定した基底面であり、これにばね部材の一方の端部が支持される。他方の端部は、第2の基底面を提供する押圧プレートに支持される。
【0018】
方法を対象とする前記課題は、本発明によると、請求項10に記載の工作物を切削加工する方法によって解決される。それによれば、このような方法において、工作物を精密加工するために、引き込まれた休止位置から工作物と係合する加工位置へと研削部材が位置調節される。
【0019】
先行する各請求項に記載されている工具の利点および有利な実施形態は、この方法に対しても、内容に即して適用される。
【0020】
研削部材は、工具本体の流体で生成される圧力によって加工位置へ移動するのが好ましい。この流体は特に、精密加工のときに研削部材の冷却と潤滑のために用いられる冷却潤滑流体である。さらにこの冷却潤滑流体は、工具本体で十分に高い圧力を生成し、この圧力によって研削部材を加工位置へと押圧するために利用される。
【0021】
精密加工のために微少量潤滑またはいわゆる最少量潤滑だけが意図されるのが目的に適っている。そのために潤滑流体としてエーロゾルが供給される。エーロゾルでは冷却液が気体中に、特に空気中に分散し、液体の容積割合は非常に少なく抑えられている。この場合、きわめて少ない量の冷却液しか供給されなくなるので、工作物のほぼ乾式の精密加工が行われる。
【0022】
粗加工と精密加工が同時に行われるのが好ましい。エーロゾル中の冷却液の量はきわめて少ないので、両方の加工工程の同時の適用を具体化可能であり、その際に、冷却流体を使用したときの著しい温度変化の結果として切削インサートが損傷することがない。
【0023】
ねずみ鋳鉄を加工する場合には600から1200m/minまでの切削速度、軽金属を加工する場合には2000から10000m/minまでの切削速度を設定するのが目的に適っている。
【0024】
次に、本発明の実施例について図面を参照して詳しく説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
各図面では、同じ作用をする部品には同じ符号が付されている。
【0026】
図1には、工作物の粗加工と精密加工をするための工具1の各コンポーネントが個別に示されている。この工具1は、従来式の平面フライスを基本とするコンビネーション型のフライス・研削工具を構成している。工具1は、工具本体3と、押圧プレート5と、取付リング7と、研削部材9とを有する。工具本体3の外壁のさまざまな領域は円筒状または円錐状に構成され、したがって工具は軸Aを中心として回転対称である。工具本体3の内部空間は、加工面11に向う方向で段階的に広がっている(図2参照)。これらの段階のうちの1つに、特にねじ山を有する、加工面11のほうを向いた取付穴13が穿設されている。工具本体3の円周面には、加工面11のほうを向くように、工具の粗加工をするための複数の切削インサート15が組み付けられている。加工面11は、粗加工については、切削インサート15を通って広がる軸Aに垂直な平面によって定義される。
【0027】
押圧プレート5は加工面11に向って円筒状の付加部17を有し、すなわちピストンのような形式で構成されている。押圧プレート5は鍔19を有し、この鍔はその円周に沿って溝21を有し、組付け状態のときにシールリング23がこの溝に挿入される。さらに鍔19は、加工面11のほうを向いている側に、ばね部材27が挿入される4つの穴25aを有する。付加部17は、その中央部に、冷却流体通路31とボーリング穴33とで取り囲まれた中心穴29を有する。
【0028】
取付リング7は、組付け状態のときに付加部17に悪影響を与える。取付リング7は、押圧プレート5の鍔19の直径よりも大きい直径を有し、円周壁の領域に、ねじ37aがそれぞれ挿通される複数の穴35を有する。取付リング7を工具ホルダ3に取り付けるとき、ねじ37は穴35を通り、次いで取付穴13へ挿入されて、そこで工具本体3とねじ止めされる。
【0029】
研削部材9は、底面に研削リング39が取り付けられた中空円錐台の形状を有する。研削部材の取付面41は中心穴43と穴45を有する。研削部材9の穴45にはねじ37bが挿通され、このねじは付加部17のボーリング穴33まで達して、そこでねじ込まれる。研削部材9の中心穴43を通って押圧プレート5の中心穴29に入るまで、押圧プレート5とねじ止めされる中央ねじ47が挿入されている。
【0030】
図2は、図1の工具1の断面図を示している。研削部材9は引き込まれた休止位置にあり、すなわち、工具1は工作物を粗加工するための作業位置にある。取付リング7はねじ37aで工具本体3に固定されている。加工面11と反対を向いているほうの取付リング7の面は、ばね部材27が挿入されている押圧プレート5の穴25aと対応する穴25bを有する。
【0031】
ばね部材27は本実施形態では圧縮ばねであり、端部を取り付ける必要はなく、取付リング7と押圧プレート5に支持されているにすぎない。取付リング7は、工具1を使用するときには押圧プレート5よりも下に位置し、すなわち、押圧プレート5はばね部材27のばね力によって内側の位置で保持される。押圧プレート5には、これによって仕切られる圧力室49が形成され、開口部51を介して冷却流体供給配管53と接続されている。工具1のこの作業位置のとき、圧力室49の中の圧力は周囲圧力よりも高くない。工具本体3はその円周面に、図1に示す切削インサート15のための収容部55を有する。
【0032】
工作物の精密加工をするための作業位置へ工具1を移行させるには、圧力室49が開口部51を介して冷却流体で充填される。このとき押圧プレート5には、およそ少なくとも10x105Paの圧力のもとにある冷却流体が作用し、それによって図3に示す外側の位置へと押圧される。押圧プレート5が軸方向に変位すると、ばね部材27に応力がかけられて押圧される。このとき押圧プレート5は、受け部を形成する取付リング7の上に載る程度まで、軸方向に変位させることができる。ねじ37bによって押圧プレート5の付加部17と連結されている研削部材9は、押圧プレート5が変位すると下方に向って加工面11のほうへ押圧され、それによって加工位置へ到達する。圧力室49は、冷却流体通路31を介して、研削部材9の中心穴43と流体工学的に接続されている。中心穴43の直径は中心ねじ47の直径よりも大きいので、冷却流体は冷却流体通路31から流出した後、中心ねじ47を介して加工面11へと達し、そこで研削部材9をその使用時に冷却する。
【0033】
切削インサート15と研削部材9を交互に使用する場合、加工面11は、精密加工時には研削部材9が位置している平面によって定義される。研削部材9はその使用時に、工具本体3に対して相対的に、切削インサート15よりも若干軸方向外方に遠く位置決めされ、したがって加工面11も同じく外側に向って変位している。交互の使用に代えて、特に最少量潤滑を採用した場合には、粗加工と精密加工を両方とも同時に実施することが意図される。
【0034】
両方の加工工程を同時に実施する場合、切削インサート15と研削部材9は、加工面11と一致する平面に位置している。交互の作業行程でも同時の作業工程でも、粗加工と精密加工における回転速度は等しい。
【0035】
研削部材9を再び休止位置へ移行させるには、圧力室49への冷却流体供給を中止する。ばね部材27のばね力は、研削部材9の休止位置に相当する内側の位置に押圧プレート5が再びくるまで、上方に向って押圧プレート5を押圧する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】工作物の粗加工と精密加工をするための工具を示す分解図である。
【図2】研削部材が休止位置にある、工作物の粗加工をするための作業位置で図1の工具を示す断面図である。
【図3】研削部材が加工位置にある、工作物の精密加工をするための作業位置で図1の工具を示す断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工面(11)のほうを向いた少なくとも1つの粗加工用の切削インサート(15)と工作物の精密加工をするための研削部材(9)とを備える工具本体(3)を有する、軸(A)を中心として回転可能な工作物を加工する工具(1)において、
前記研削部材(9)は前記工具本体(3)に対して相対的に引き込まれた休止位置から前記加工面(11)に向って加工位置へと位置調節可能であることを特徴とする工具。
【請求項2】
前記工具本体(3)に前記研削部材(9)と機械的に連結された変位可能な押圧プレート(5)が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の工具(1)。
【請求項3】
前記押圧プレート(5)は流体の圧力室(49)を仕切っていることを特徴とする、請求項2に記載の工具(1)。
【請求項4】
前記工具本体(3)は開口部(51)を介して前記圧力室(49)と接続された冷却流体供給配管(53)を有することを特徴とする、請求項3に記載の工具(1)。
【請求項5】
前記圧力室(49)は冷却流体通路(31)を介して前記加工面(11)に向う方向へ開いていることを特徴とする、請求項3または4に記載の工具(1)。
【請求項6】
前記工具本体(3)には前記加工面(11)に向う前記押圧プレート(5)の変位を制限する受け部(7)が設けられていることを特徴とする、請求項2から5のいずれか一項に記載の工具(1)。
【請求項7】
前記受け部(7)は取付リングの形式で構成されていることを特徴とする、請求項6に記載の工具(1)。
【請求項8】
前記研削部材(9)はばね部材(27)によって引き込まれた休止位置で保持されることを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載の工具(1)。
【請求項9】
前記受け部と前記押圧プレート(5)の間に圧縮ばね部材(27)が配置されていることを特徴とする、請求項6または7および8に記載の工具(1)。
【請求項10】
少なくとも1つの粗加工用の切削インサート(15)と工作物の精密加工をするための研削部材(9)とを備える工具本体(3)を有する、軸(A)を中心として回転する工具(2)によって工作物を切削加工する方法において、
工作物を精密加工するために、前記研削部材(9)が前記工具本体(3)に対して相対的に引き込まれた休止位置から工作物と係合する加工位置へと位置調節されることを特徴とする方法。
【請求項11】
前記研削部材(9)は前記工具本体(3)に流体で生成される圧力によって前記加工位置へと移動することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
冷却流体としてエーロゾルが供給されることを特徴とする、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
粗加工と精密加工が同時に行われることを特徴とする、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
ねずみ鋳鉄加工のときは600から1200m/minまでの切削速度が設定され、軽金属加工のときは2000から10000m/minまでの切削速度が設定されることを特徴とする、請求項13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−542053(P2008−542053A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515064(P2008−515064)
【出願日】平成18年4月22日(2006.4.22)
【国際出願番号】PCT/EP2006/003730
【国際公開番号】WO2006/131170
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(399031078)ケンナメタル インコーポレイテッド (182)
【氏名又は名称原語表記】Kennametal Inc.
【住所又は居所原語表記】1600 Technology Way Latrobe PA 15650−0231, USA
【Fターム(参考)】