説明

平型ショーケースにおけるルーバーの支持構造

【課題】取り付けが容易であり、ルーバーの取り付けを行う使用者にかかる負担が少ない平型ショーケースにおけるルーバーの支持構造を提供すること。
【解決手段】外箱3の前壁3aに向って開口し、正面側に向って開口幅が順次減少する複数の突出段部を有しているハット型の固定金具16を備え、内箱2の背壁の上縁から冷気吹出口12に向けて、冷気を垂直方向から水平方向へ整流する左右に延びる複数のルーバー14,15を、外箱3の前壁3a側から正面側に、順次突出段部に取り付け、固定金具16を外箱3の前壁3aに取り付けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷気吹出口から冷気吸込口に向けて吹き出される冷気により庫内を冷却する平型ショーケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の平型ショーケースとしては、例えば、上方に開口を有する平型ショーケース本体の背面側上部に冷気吹出口が設けられており、平型ショーケース内の冷却機によって生成された冷気を送風機により送風し、冷気吹出口近傍でショーケース背面板に固定金具により取り付けられたルーバーによって冷気を平型ショーケースの庫内に向けて吹き出せるように整流して、ショーケース庫内に冷気を冷気吹出口から吹き出すようにしているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−251595号公報(第4頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の平型ショーケースにおけるルーバーの支持構造にあっては、ルーバーを、固定金具を介して支持するには、まず固定金具自体を冷気吹出口内に取り付け、側面視階段状に形成された固定金具に背面側から順次ルーバーを取り付けていかなければならないために、ルーバーの取り付けが容易にできないばかりか、取り付けに時間がかり、使用者は長時間負荷のかかる姿勢で取り付け作業をしなければならないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、取り付けが容易であり、ルーバーの取り付けを行う使用者にかかる負担が少ない平型ショーケースにおけるルーバーの支持構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の平型ショーケースにおけるルーバーの支持構造は、
上方が開放する内箱と外箱の間に通風路を形成し、この通風路内に冷却器及び送風機を配置し、そして通風路の庫内背面側の冷気吹出口から庫内正面側の冷気吸込口に向けて吹き出される冷気により庫内を冷却する平型ショーケースであって、
前記外箱の前壁に向って開口し、前記正面側に向って前記開口幅が順次減少する複数の突出段部を有しているハット型の固定金具を備え、
前記内箱の背壁の上縁から冷気吹出口に向けて、冷気を垂直方向から水平方向へ整流する左右に延びる複数のルーバーを、
前記外箱の前壁側から前記正面側に、順次前記突出段部に取り付け、該固定金具を前記外箱の前壁に取り付けたことを特徴としている。
この特徴によれば、ルーバーと固定金具を予めサブアセンブリし、かつ、サブアセンブリした固定金具を外箱前壁に取り付けることで、平型ショーケースに対するルーバーの取り付けが容易となる。また、ルーバーの取り付けに要する時間が短縮されるため、使用者が長時間負荷のかかる姿勢で取り付け作業を行う必要がなくなり、使用者に対する負荷が軽減される。
【0007】
本発明の請求項2に記載の平型ショーケースにおけるルーバーの支持構造は、請求項1に記載の平型ショーケースにおけるルーバーの支持構造であって、
前記固定金具の冷気流通方向の長さは、前記各突出段部にわたって一定であることを特徴としている。
この特徴によれば、固定金具を、長方形状の板体のプレス成形等により製造することができるので、製作が容易であり、かつ強固な構造体が得られる。
【0008】
本発明の請求項3に記載の平型ショーケースにおけるルーバーの支持構造は、請求項1または2に記載の平型ショーケースにおけるルーバーの支持構造であって、
前記ルーバー及び固定金具はネジの螺着により取り付けられ、該ルーバーには、前記固定金具を前記外箱の前壁に取り付けるための通し穴が穿設されていることを特徴としている。
この特徴によれば、ルーバーと固定金具をアセンブリした後であっても、ルーバーが固定金具の取り付けを阻害することがない。また、固定金具の冷気流通方向の長さを長くすることによって、ルーバーを固定金具に複数箇所で螺着して取り付けを強固にすることができる。
【0009】
本発明の請求項4に記載の平型ショーケースにおけるルーバーの支持構造は、請求項1ないし3のいずれかに記載の平型ショーケースにおけるルーバーの支持構造であって、
前記冷気吹出口側の端部のルーバーを除いて、前記各ルーバーには、前記固定金具の突出段部が挿通される切欠が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、複数のルーバーを固定金具に対して多層状に容易に取り付けることができる。
【0010】
本発明の請求項5に記載の平型ショーケースにおけるルーバーの支持構造は、請求項1ないし3のいずれかに記載の平型ショーケースにおけるルーバーの支持構造であって、
前記冷気吹出口側の端部側を除いて、前記固定金具の各突出段部には、上方から前記ルーバーの端部を挿通可能な切込が形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、複数のルーバーに切欠を形成する必要なく、しかもルーバーを固定金具に強固に取り付けることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明に係る平型ショーケースにおけるルーバーの支持構造を実施するための最良の形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例1】
【0012】
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、先ず図1は、実施例1における平型ショーケースを示す縦断側面図であり、図2は、第1ルーバー及び第2ルーバーが固定金具を介して外箱前壁に取り付けられている状態を示す要部拡大縦断側面図であり、図3(a)は、固定金具を示す正面図であり、図3(b)は、固定金具を示す平面図であり、図3(c)は、固定金具を示す側面図であり、図4は、第1ルーバーを示す正面図であり、図5は、第1ルーバーを固定金具に取り付ける状態を示す組立斜視図であり、図6は、第2ルーバーを示す正面図であり、図7は、第2ルーバーを固定金具に取り付ける状態を示す組立斜視図であり、図8は、第1ルーバーと第2ルーバーを固定金具に取り付けた状態を示す正面図であり、図9は、第1ルーバーと第2ルーバーが固定金具を介して外箱前壁に取り付けられている状態を示す要部拡大縦断側面図である。以下、図1、図2、図3(c)、図9の紙面左側を平型ショーケースにおけるルーバー支持構造の正面側とし、図3(a)、図4、図6、図8の紙面手前側を平型ショーケースにおけるルーバー支持構造の正面側とし、図3(b)の紙面下方側を平型ショーケースにおけるルーバー支持構造の正面側として説明する。
【0013】
図1の符号1は、本発明の適用された平型ショーケースである。この平型ショーケース1は、例えば、主に商店やスーパーマーケットやコンビニエンスストア等の食品等を取り扱う販売店舗に複数設置され、商品を低温に保ったまま保冷、または冷凍した状態で陳列するために設置される冷蔵ショーケースである。
【0014】
図1に示すように、平型ショーケース1は、上方に開口された内箱2と、この内箱2と同じく上方が開口され、内箱2を囲繞するように設けられた外箱3とからなり、外箱3は発砲ウレタン樹脂材等からなる断熱部材と、この断熱部材の表裏面を覆うスチール金属等の表面板と、から構成され、更に、外箱3の背面側上端部にはスチール金属等のカバー体4が取り付けられている。
【0015】
また、外箱3と内箱2との間には通風路5が形成され、この外箱3と内箱2によってショーケース本体6を成す。この通風路5内には、冷却装置7と送風機8を備えている。更に、上方に開口した内箱2により囲まれた庫内としての冷蔵室9内には、商品を底板10に陳列可能になっている。
【0016】
ショーケース本体6の正面側には、通風路5に空気を取り込む冷気吸込口11が形成されており、ショーケース本体6の背面側には、冷却装置7によって冷却された冷気の冷気吹出口12が形成されている。この冷気吹出口12から、送風機8の稼動によって冷却装置7で冷却された冷気が冷気吸込口11に向って吹き出されて、ショーケース本体6の内箱2の上方への開口を閉塞するエアカーテン13が形成されている。
【0017】
このエアカーテン13の一部が冷蔵室9内に供給されることで、冷蔵室9内は一定の低温を保つことができ、冷蔵室9内に載置される商品(図示省略)を冷蔵・冷凍した状態で陳列できるようになっている。
【0018】
更に、図2に示すように、通風路5の背面側上端部から冷気吹出口12にかけて、第1ルーバー14及び第2ルーバー15が配置されている。これら第1ルーバー14及び第2ルーバー15は、ショーケース本体6の左右方向に延設されるとともに、通風路5内で略垂直に配置される垂直部14a,15aと、垂直部14a,15aから正面側に屈曲された整流部14b,15bとからなる側面視略L字形状に形成されている。尚、垂直部15aは、垂直部14aよりも上下方向に短く形成されている。
【0019】
これら第1ルーバー14及び第2ルーバー15は、垂直部14a,15aで固定金具16を介して外箱前壁3aに取り付けられており、垂直部14a,15aによって内箱2の背壁の上縁から冷気吹出口12に向けて、冷気を垂直方向から略水平方向へ整流している。
【0020】
次に、第1ルーバー14及び第2ルーバー15が取り付けられる固定金具16について図3に基づき説明する。固定金具16は、略長方形状のスチール金属等の板体をプレス加工することにより製造されており、図3(b)に示すように、外箱3の背壁に向って開口している。
【0021】
また、固定金具16の左右両端部は、外箱前壁3aに取付ネジ17(図9参照)により取り付けられる取付片16aに形成されており、この取付片16aには、取付ネジ17が挿通される取付孔16bが設けられている。更に、固定金具16の両取付片16aの内側端部間には、冷気吹出口12側(正面側)に向って突出した第1突出段部16cが設けられている。
【0022】
尚、図3(a)に示すように、第1突出段部16cの中央部は、第1突出段部16cの左右端部よりも更に冷気吹出口12側(正面側)に向って突出した第2突出段部16fが設けられており、第2突出段部16fの正面側は外箱前壁3aと平行となる第2垂直面16gに形成されている。また、第2垂直面16gの左右に位置する第1突出段部16cの正面側は、第2垂直面16gと同じく外箱前壁3aと平行となる第1垂直面16dに形成されている。
【0023】
そして、図3(a)及び図3(b)に示すように、第2突出段部16fを挟んで左右に位置する第1突出段部16cの第1垂直面16dには、上下一対の第1螺着孔16eが設けられている。同様に、第2垂直面16gには上下一対の第2螺着孔16hが設けられており、この上下に第2螺着孔16hの中心を結ぶ直線を対称軸として、固定金具16は左右対称に形成されている。
【0024】
尚、固定金具16は、これら第1突出段部16c及び第2突出段部16fによって、外箱前壁3aに向って開口した開口幅を正面側(冷気吹出口12側)に向けて順次減少するように形成され、固定金具16は平面視ハット型を成している。更に尚、図3(a)及び図3(c)に示すように、固定金具16は、通風路5内での冷気の流通方向、つまり上下方向の長さは、第1突出段部16c、第2突出段部16f及び取付片16aにわたって、全て一定となっている。したがって、固定金具16は製作が容易で、強固な構造体となっている。
【0025】
次に、第1ルーバー14について説明すると、図4に示すように、第1ルーバー14の垂直部14aの正面視左右端部近傍と中央には、下端部から切欠14cが設けられている。これら切欠14cは、左右長さが固定金具16の第2突出段部16fが挿通可能な長さに形成されており、上下長さが固定金具16の上下長さ、つまり、第1突出段部16c及び第2突出段部16fの上下長さよりも長く形成されている。
【0026】
また、これら切欠14cの左右には、固定金具16の取付片16aに設けられた取付孔16bよりも大径である通し穴としての第1貫通孔14dが設けられているとともに、各第1貫通孔14dと切欠14c間には、上下一対の第1挿通孔14eが設けられている。更に、これら切欠14cの上方には第1挿通孔14eと同径のカバー孔14fが設けられている。
【0027】
尚、これら第1挿通孔14eの上下間隔は固定金具16の第1垂直面16dに設けられた第1螺着孔16eと同一間隔であるとともに、切欠14cを挟んで隣り合う第1挿通孔14eの左右間隔は、第2突出段部16fを挟んで隣り合う第1螺着孔16eと同一間隔となっている(図3(a)参照)。
【0028】
固定金具16に第1ルーバー14を取り付けるには、図5に示すように、先ず、固定金具16の第2突出段部16fを第1ルーバー14の切欠14cに挿通させる。そして、第1ルーバー14の垂直部14a背面と固定金具16の第1垂直面16dを当接させた後に、それぞれの第1挿通孔14eと第1螺着孔16eの位置合わせを行い、第1挿通孔14eにネジ18を挿通する。これら第1挿通孔14eに挿通したネジ18を、第1螺着孔16eにそれぞれ螺着することで、第1ルーバー14の固定金具16への取り付けが完了する。
【0029】
尚、図5では、第1ルーバー14の正面視右端部近傍における切欠14cでの固定金具16への取り付けを示しているが、右端部近傍及び中央における切欠14cにおいても同一方法により第1ルーバー14の固定金具16への取り付けが行われる。
【0030】
次に、図6により第2ルーバー15について説明する。第2ルーバー15の垂直部15aの正面視左右端部近傍と中央には、左右一対の第2貫通孔15cが設けられている。これら第2貫通孔15cは、第1ルーバー14の垂直部14aに設けられた第1貫通孔14dと同径であるとともに、左右間隔も同一に形成されている。
【0031】
また、一対の第2貫通孔15c間には、上下一対の第2挿通孔15dが設けられており、その上下間隔は、固定金具16の第2垂直面16gに設けられた第2螺着孔16hの上下間隔と同一に形成されている。尚、第2ルーバー15には、第1ルーバー14のような切欠は設けられていない。
【0032】
図7に示すように、第2ルーバー15を固定金具16に取り付けるには、第1ルーバー14が固定金具16に取り付けられた後に、第2ルーバー15の垂直部15a背面と固定金具16の第2垂直面16gを当接させる。そして、それぞれの第2挿通孔15dと第2螺着孔16hの位置合わせを行い、第2挿通孔15dにネジ18を挿通し、第2螺着孔16hにネジ18を螺着する。以上の手順により第2ルーバー15と固定金具16の取り付けが完了する。
【0033】
尚、第1ルーバー14の固定金具16への取り付けと同様に、図7では第2ルーバー15の正面視右端部近傍における固定金具16への取り付けを示しているが、右端部近傍及び中央においても同一方法により第2ルーバー15の固定金具16への取り付けが行われ、これによって第1ルーバー14及び第2ルーバー15と固定金具16がサブアセンブリされる。
【0034】
図8に示すように、上述したように第1ルーバー14及び第2ルーバー15が固定金具16に取り付けられると、第1ルーバー14の第1貫通孔14dと、第2ルーバー15の第2貫通孔15cが、固定金具16の取付孔16bと同軸上に配置される。また、第1ルーバー14のカバー孔14fが整流部14b,15b間に位置するように配置される。
【0035】
そして、図9に示すように、固定金具16を外箱前壁3aに取り付ける際には、取付孔16bと同軸上に配置された第1貫通孔14dと第2貫通孔15cから取付ネジ17を挿通させることで、使用者は取付ネジ17を取付孔16bに容易に挿通させ、固定金具16を外箱前壁3aに対して螺着することができる。以上で第1ルーバー14及び第2ルーバー15を固定金具16を介して外箱前壁3aへの取り付けが完了する。
【0036】
尚、図9に示す第1ルーバー14及び第2ルーバー15が固定金具16を介して外箱前壁3aに取り付けられた状態において、カバー体4を外箱から取り外す場合には、カバー孔14fからカバー体4を螺着しているネジ19を操作することで、第1ルーバー14及び第2ルーバー15を外箱3から外すことなくカバー体4を脱着することができる。
【0037】
以上説明したように、実施例1における平型ショーケース1においては、第1ルーバー14及び第2ルーバー15と固定金具16を予めサブアセンブリし、かつ、サブアセンブリした固定金具16を外箱前壁3aに取り付けることで、ショーケース本体6に対する第1ルーバー14及び第2ルーバー15の取り付けが容易となる。また、第1ルーバー14及び第2ルーバー15の取り付けに要する時間が短縮されるため、使用者が長時間負荷のかかる姿勢で取り付け作業を行う必要がなくなり、使用者に対する負荷が軽減される。
【0038】
また、固定金具16の冷気流通方向の長さが、第1突出段部16c及び第2突出段部16fにわたって一定であるので、固定金具16を、長方形状の板体のプレス成形により製造することができる。また、強固な構造体として構成される。
【0039】
また、第1ルーバー14及び第2ルーバー15に、固定金具16を外箱前壁3aに取り付けるための第1貫通孔14d及び第2貫通孔15cを設けることで、第1ルーバー14及び第2ルーバー15と固定金具16をアセンブリした後であっても第1ルーバー14及び第2ルーバー15が固定金具16の取り付けを阻害することがない。更に、固定金具16の冷気流通方向の長さを長くすることによって、第1ルーバー14及び第2ルーバー15を固定金具16に2箇所以上の複数箇所で螺着して取り付けを強固にすることができる。
【0040】
また、冷気吹出口12側の第2ルーバー15を除いて、第1ルーバー14には、固定金具16の第2突出段部16fが挿通される切欠14cが設けられていることによって、複数のルーバーを固定金具16に対して多層状に取り付けることができる。
【実施例2】
【0041】
次に、実施例2に係る平型ショーケースにおけるルーバーの支持構造につき、図10(a)〜図10(c)及び図11を参照して説明する。尚、前記実施例と同一構成で重複する構成を省略する。図10(a)は、実施例2における固定金具を示す正面図であり、図10(b)は、固定金具を示す平面図であり、図10(c)は、固定金具を示す側面図であり、図11は、第1ルーバーと固定金具の組立を示す組立斜視図である。以下、図10(a)の紙面手前側を平型ショーケースにおけるルーバー支持構造の正面側とし、図10(b)の紙面下方側を平型ショーケースにおけるルーバー支持構造の正面側とし、図10(c)の紙面手前側を平型ショーケースにおけるルーバー支持構造の正面側として説明する。
【0042】
図10(a)〜図10(c)に示すように、固定金具20の第1突出段部20cから更に突出する第2突出段部20fの両側片20gの後端部には、固定金具20の上端部から切欠20hが設けられている。この切欠20hは、側片20gの上端から、取付片20aに設けられた取付孔20bの下方までの上下長さを有しており、上方から第1ルーバー21の垂直部21aを挿通可能な前後幅に形成されている(図11参照)。
【0043】
図11に示すように、第1ルーバー21の垂直部21aの正面視左右端部近傍と中央には、左右一対の第1貫通孔21bが設けられており、これら第1貫通孔21b間には、左右に上下一対の第1挿通孔21cが設けられている。尚、これら第1貫通孔21bは固定金具20への取り付け時に取付孔20bと同一軸上となるように配置され、第1挿通孔21cは第1螺着孔20eと同一軸上となるように配置される。
【0044】
そして、第1ルーバー21を固定金具20に取り付けるには、固定金具20の切欠20hに上方から第1ルーバー21の垂直部21aの下端から挿通させ、第1挿通孔21cと第1螺着孔20eを位置合わせした後に、第1挿通孔21c側から第1螺着孔20eにネジを螺着し、第1ルーバー21の取り付けを完了する。
【0045】
第1ルーバー21取り付け後は、実施例1と同様の手順により第2ルーバー15を固定金具20に取り付けた後に、固定金具20を外箱前壁3aに取付ネジ17により螺着することで第1ルーバー21及び第2ルーバー15を固定金具20を介して外箱前壁3aへの取り付けが完了する。
【0046】
以上説明したように、実施例2における平型ショーケース1においては、固定金具20の第2突出段部20fの側片20g後端部には、上方から第1ルーバー21の垂直部21a端部を挿通可能な切込20hが形成されているので、第1ルーバー21を固定金具20に組み付けるための切欠を形成する必要が無く、また、切込20hに第1ルーバー21の垂直部21a端部を挿通して第1ルーバー21と固定金具20をより強固に取り付けることができる。
【0047】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0048】
例えば、前記実施例では、本発明であるルーバーの支持構造を平型ショーケース1に適用したが、吹出口から吸込口にかけてエアカーテンを形成することで冷蔵室内を一定温度に保つショーケースであれば、ショーケースの形態は問わないのは勿論である。
【0049】
また、前記実施例では、平型ショーケース1を単体で設置されているものとして説明したが、例えば、同一の平型ショーケース1が一対となった2連式であってもよい。
【0050】
また、前記実施例1では、固定金具16に第1突出段部16c及び第2突出段部16fを設けて第1ルーバー14及び第2ルーバー15を取り付けたが、突出段部を更に複数設け、突出段部の数に応じて更にルーバーが取り付けるようにしてもよい。
【0051】
また、前記実施例2においても、切欠が形成された複数の突出段部を形成して複数のルーバーを取り付けるようにすることも可能である。
【0052】
また、前記実施例では、ルーバーの左右端部近傍及び中心で固定金具に取り付けたが、ルーバーの長さや重量に応じて、ルーバーが取り付けられる固定金具の数や取り付けられる位置を適宜変更してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】実施例1における平型ショーケースを示す縦断側面図である。
【図2】第1ルーバー及び第2ルーバーが固定金具を介して外箱前壁に取り付けられている状態を示す要部拡大縦断側面図である。
【図3】(a)は、固定金具を示す正面図であり、(b)は、固定金具を示す平面図であり、(c)は、固定金具を示す側面図である。
【図4】第1ルーバーを示す正面図である。
【図5】第1ルーバーを固定金具に取り付ける状態を示す組立斜視図である。
【図6】第2ルーバーを示す正面図である。
【図7】第2ルーバーを固定金具に取り付ける状態を示す組立斜視図である。
【図8】第1ルーバーと第2ルーバーを固定金具に取り付けた状態を示す正面図である。
【図9】第1ルーバーと第2ルーバーが固定金具を介して外箱前壁に取り付けられている状態を示す要部拡大縦断側面図である。
【図10】(a)は、実施例2における固定金具を示す正面図であり、(b)は、固定金具を示す平面図であり、(c)は、固定金具を示す側面図である。
【図11】第1ルーバーと固定金具の組立を示す組立斜視図である。
【符号の説明】
【0054】
1 平型ショーケース
3a 外箱前壁
11 冷気吸込口
14 第1ルーバー
14c 切欠
14d 第1貫通孔
15 第2ルーバー
15c 第2貫通孔
16 固定金具
16b 取付孔
16c 第1突出段部
16f 第2突出段部
20 固定金具
20b 取付孔
20c 第1突出段部
20f 第2突出段部
20g 側片
20h 切欠
21 第1ルーバー
21a 垂直部
21b 第1貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方が開放する内箱と外箱の間に通風路を形成し、この通風路内に冷却器及び送風機を配置し、そして通風路の庫内背面側の冷気吹出口から庫内正面側の冷気吸込口に向けて吹き出される冷気により庫内を冷却する平型ショーケースであって、
前記外箱の前壁に向って開口し、前記正面側に向って前記開口幅が順次減少する複数の突出段部を有しているハット型の固定金具を備え、
前記内箱の背壁の上縁から冷気吹出口に向けて、冷気を垂直方向から水平方向へ整流する左右に延びる複数のルーバーを、
前記外箱の前壁側から前記正面側に、順次前記突出段部に取り付け、該固定金具を前記外箱の前壁に取り付けたことを特徴とする平型ショーケースにおけるルーバーの支持構造。
【請求項2】
前記固定金具の冷気流通方向の長さは、前記各突出段部にわたって一定であることを特徴とする請求項1に記載の平型ショーケースにおけるルーバーの支持構造。
【請求項3】
前記ルーバー及び固定金具はネジの螺着により取り付けられ、該ルーバーには、前記固定金具を前記外箱の前壁に取り付けるための通し穴が穿設されていることを特徴とする請求項1または2に記載の平型ショーケースにおけるルーバーの支持構造。
【請求項4】
前記冷気吹出口側の端部のルーバーを除いて、前記各ルーバーには、前記固定金具の突出段部が挿通される切欠が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の平型ショーケースにおけるルーバーの支持構造。
【請求項5】
前記冷気吹出口側の端部側を除いて、前記固定金具の各突出段部には、上方から前記ルーバーの端部を挿通可能な切込が形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の平型ショーケースにおけるルーバーの支持構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2009−121723(P2009−121723A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−294089(P2007−294089)
【出願日】平成19年11月13日(2007.11.13)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】