説明

広告配信装置、コンピュータプログラム、プログラム格納媒体

【課題】あるユーザがブラウザで閲覧した媒体ページを起源として同じユーザがブラウザフォンで広告主サイトにアクセスする際、ユーザや媒体ページのアフィリエイトを識別する。
【解決手段】インターネットに接続され、広告データベースにアクセスする手段と、コンピュータAからアフィリエイトBの識別情報とスクリプト生成要求が送付されてくると文字潜在画像要求スクリプトを返送する手段と、ブラウザCが取り寄せたWebページ中の前記スクリプトを解釈してアフィリエイトBの識別情報を送付してくると広告コンテンツDと文字潜在画像EをブラウザCに転送する手段と、ブラウザフォンFが画像Eを解釈実行してアフィリエイトBの識別情報を送付してアクセスしてくると、当該識別情報をログに記録してブラウザフォンFを広告コンテンツDに対応するリンク先へアクセスさせる広告配信装置とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は広告配信装置に関し、具体的には、インターネットに接続されるコンピュータにより構成され、Webページに広告コンテンツを掲載する処理を行う広告配信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット上にあるポータルサイトには、バナー画像やテキストなどによる広告が氾濫している。近年では、一般ユーザが開設する私的なWebサイト上でも広告をよく目にするようになった。広告コンテンツ(広告内容を含んだテキスト・動画データ・静止画データなど)には、広告主が管理するWebサイト(広告主サイト)のホームページなどへのハイパーリンクが設定されている。
【0003】
一般ユーザが使用するコンピュータに実装されているブラウザが、広告コンテンツが掲載されているWebページ(媒体ページ)を取り寄せ、そのページ中の広告コンテンツをマウスでクリックするなどしてコンテンツに設定されているハイパーリンクを指示すると、ブラウザは広告主サイトへ瞬時にアクセスできる。
【0004】
このようにWebページを広告媒体に利用することは、媒体ページの管理者(アフィリエイト)や広告主にとって、従来の紙を媒体とした広告における印刷費や媒体の配送費が削減でき、さらに、広告内容をいつでも修正することができるという利点がある。広告コンテンツに興味を持った人にとっては、時間や距離の制約を受けることなく、広告に関連する詳細な情報源である広告主サイトの内容を瞬時に閲覧することができる。
【0005】
広告主とアフィリエイトとの広告掲載に関する契約を仲介する広告配信代行業者は、アフィリエイトと広告主とを募集し、広告主が出稿した広告コンテンツを預かり、そのコンテンツを適宜なアフィリエイトの媒体ページに掲載してもらう。広告配信代行業者は、従来の広告代理業者と同様に、広告主からアフィリエイトへの広告コンテンツの掲載に関する広告料の一部を手数料として得ることで、ビジネスモデルを構築している。
【0006】
しかしながら、媒体ページを閲覧した一般ユーザが必ずしも広告コンテンツのハイパーリンクを指示して広告主サイトを閲覧するとは限らず、広告主にとってみれば、支払った広告料に対して十分な効果が得られないという問題がある。そこで、広告コンテンツの表示回数に対して広告料の支払いが行われる料金体系、ブラウザによる広告コンテンツへのハイパーリンク指示回数に対して広告料の支払いが行われるいわゆる「クリック従量制」とよばれる料金体系など、広告配信に関して様々な料金体系が採用されるようになった。
【0007】
さらに現在では、広告主サイトのWebページを閲覧したユーザが、その広告主サイトで何らかのトランザクション(商品の購入、アンケートの記入、会員登録など)をブラウザにより発生させてはじめて広告料がアフィリエイトに支払われる成功報酬型広告配信手法「アフィリエイト・プログラム」に基づく料金体系が盛んに採用されている。それによって、広告主は広告出稿に際してリスクを負うことなく確実な成果(トランザクションの発生)を得た上で広告料を支払えるようになった。
【0008】
広告配信代行業者が管理し、広告配信に関する各種情報処理を行うコンピュータ(広告配信装置)は、アフィリエイト・プログラムに基づく広告配信サービスを実施するために、トランザクションの発生起源となった広告コンテンツやそのコンテンツを掲載している媒体ページを特定し、一般ユーザのブラウザが最終的にトランザクションに関わるイベント(商品購入指示、アンケート記入、会員登録指示など)を発生させるまでの情報流通経路を追跡する必要がある。その追跡(トラッキング)に関する処理を実行するコンピュータシステムやプログラムが周知のトラッキング・システムである。
【0009】
一般的なトラッキングの手法としては、広告コンテンツをある媒体ページに掲載するならば、その広告コンテンツに設定されるハイパーリンクを記述したURL中に、広告掲載サイトの識別情報など、アフィリエイトを特定するための情報(アフィリエイトID)をトラッキングに利用するための情報(トラッキング情報)として、周知のトラッキングURLなどの記述形式に従って記載しておく。
【0010】
広告コンテンツに設定されているハイパーリンク先としては、広告配信装置に実装されている所定のプログラムなどがある。広告がクリックされてハイパーリンクが指示されると、先の所定のプログラムにトラッキング情報が送達され、どの媒体ページを起点としてどの広告主の広告コンテンツがクリックされたのかがわかる。そして、広告主サイトへリダイレクトさせるためのHTTPレスポンスをブラウザに返送する。ブラウザは、このレスポンスの内容を解釈して広告主サイトのホームページなどを取り寄せる。またトラッキング情報は、このリダイレクトの際にもブラウザを経由してリンク先の広告主サイトへ通知される。
【0011】
広告主サイトでは、アクセスしてきたブラウザから取得したトラッキング情報を記録するとともに、このブラウザとの以後の通信を、例えば、周知のCookieなどを使ってセッション管理する。セッション継続中に何らかのトランザクションが発生すれば、広告主サイトが取得したトラッキング情報とそのトランザクションの内容とを広告管理装置に送付するなどして、広告主が広告配信代行業者に広告コンテンツを起点とした成果を通知する。それによって広告配信代行業者は、アフィリエイトに対する成功報酬の算出根拠を得ることができる。なお、アフィリエイト・プログラムやトラッキングに関する技術については、以下の特許文献1〜3に記載されている。
【0012】
ところで、現在、インターネットの利用形態が多様化している。インターネットに接続可能なハードウエアも、ブラウザを実装したパーソナルコンピュータなどの固定的に設置されたコンピュータやブラウザ機能を備えた携帯電話機(ブラウザフォン)など様々である。そして、インターネットユーザの多くは、PCとブラウザフォンなど、複数のインターネット接続手段を所有し、場所や時間、あるいは閲覧するWebコンテンツの種類やデータ量に応じてそれらの手段を適宜に使い分けている。
【0013】
例えば、ユーザが自身のPCによりある広告掲載ページを取り寄せ、そのページに掲載されているある広告コンテンツに興味を持ったとする。そして、その広告コンテンツのリンク先にある広告主サイトを外出先などでも閲覧したいと思ったとする。このような場合、広告主がブラウザフォン用の広告主サイト(以下、モバイルサイト)を開設していれば、ユーザはそのモバイルサイトに自身のブラウザフォンにてアクセスし、広告サイトにある情報を入手することができる。このようにしてユーザは、自身が所有するインターネット接続手段を駆使して時間や場所を選ばず、所望の情報にアクセスすることができる。なお、モバイルサイトのURLなどは、先の広告コンテンツに添えてその文字列を記載しておいてもよいし、広告掲載ページにそのURL文字列を電子メールで送付できる機能を含むフォームなどを用意しておいてもよい。URLをバーコードやQRコード(登録商標)など文字情報を潜在させるための所定規格の画像に変換したり、周知の電子透かし技術によって自然画などの画像に潜在させたりしてもよい。すなわち、ブラウザフォンに、そのURL等の文字情報を潜在した画像(文字潜在画像)を光学的に読み取って解釈する機能があれば、その機能により所定のモバイルサイトにアクセスすることができる。
【0014】
なお、QRコードについては以下の非特許文献に記載されている。
【特許文献1】特開2001−117847号公報
【特許文献2】特開2002−117318号公報
【特許文献3】特開2002−157494号公報
【非特許文献1】株式会社デンソーウェーブ、"QRコードドットコム"、[online]、[平成16年10月7日検索]、インターネット<URL:http://www.denso-wave.com/qrcode/aboutqr.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
上述したように、媒体ページを起点として広告主サイトへユーザが誘導される場合、そのユーザは、必ずしも、媒体ページを閲覧したコンピュータで広告主サイトへアクセスするとは限らない。もし、アフェリエイトがクリック従量制による広告収入を得ていたとすると、自身が管理する媒体ページを起点として広告主のモバイルサイトが閲覧されたのにもかかわらず、その閲覧機会についてはクリック回数に算入されず、広告収入の機会を逸することになる。アフェリエイトプログラムに参加している場合には、より高額な成功報酬を得ることができず、損失は大きい。
【0016】
広告主についても、ユーザがどの媒体ページの閲覧を契機としてモバイルサイトにアクセスしてきたのかわからず、アフェリエイトサイトの内容と自身の商材とが整合しているかどうかなどを把握することができない。また、今後の広告掲載に関わる業務の方向性を判断したり、マーケッティングに関する情報を得たりすることもできない。
【0017】
広告主が、PCのブラウザ用の広告主サイト(以下、PCサイト)とモバイルサイトとを開設し、場所や時間に寄らず、ユーザに広告主が意図した情報を確実に提示したり何らかのトランザクションを発生させたりしたい場合、ハードウエアを使い分けて広告主サイトを閲覧する確実にユーザを識別して、その閲覧起源となった媒体ページのアフィリエイトを特定することが重要な課題となる。
【0018】
また、PCサイトとモバイルサイトにおいて、ユーザの識別やアフィリエイトの特定をすることができたとしても、PCサイトとモバイルサイトの閲覧環境がブラウザのハードウエアによって大きく異なれば、ユーザはPCサイトとモバイルサイトの双方を閲覧しようとする意欲が減退してしまう。すなわち、ユーザが外出先で気になる情報を得ようとして、その情報源となるモバイルサイトのURLをいちいち自身のブラウザフォンに転送するなどの煩雑な作業を要すれば、その作業自体がモバイルサイトへの閲覧意欲を減退させる。
【0019】
媒体ページにブラウザフォンのメールアドレスを入力するフォームなどを用意しておき、モバイルサイトのURLをその入力されたアドレスに簡単に転送する機能があったとしても、私的なメールアドレスを第3者に通知することになり、ユーザにしてみれば少なからず抵抗を感じるはずである。また、ユーザがブラウザフォンの移動体通信事業者(キャリア)のメールサーバーに対して電子メールの限定受信設定をしている場合もある。このような場合には、キャリアのメールサーバーに対して限定受信機能の設定を変更するなど、極めて面倒な手続きが必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題に鑑み本発明を創作した。本発明の目的は、多様化するインターネット利用形態においても複雑な広告ビジネスに対応でき、広告掲載に関してアフィリエイトに対する公平な報酬を確保するとともに、ユーザが媒体ページを起点として広告主サイトにブラウザフォンでアクセスする際の利便性を確保した広告配信装置を提供することを目的としている。
【0021】
上記目的を達成するための本発明の広告配信装置は、次の事項(1)〜(5)によって特定されるものである。
(1)インターネットに接続される1台以上のコンピュータにより構成される広告配信装置であること。
(2)それぞれにリンク先が対応付けされた多数の広告コンテンツを記憶した広告データベースにアクセスするデータベースアクセス手段を備えること。
(3)アクセスしてきたコンピュータAからアフィリエイトBの識別情報とともにスクリプト生成要求が送付されてくると、ブラウザにより解釈可能なスクリプトとして、本広告配信装置にアクセスさせてアフィリエイトBの識別情報を送付させて広告コンテンツと所定規格に基づいて文字情報を潜在させた画像の送付を要求する機能と、この要求に応動して本装置から返送されてきた広告コンテンツと文字情報が潜在する文字潜在画像を表示する機能とを含んだ文字潜在画像要求スクリプトをコンピュータAに送付する文字潜在画像要求スクリプト生成手段を備えること。
(4)文字潜在画像要求スクリプトが記載されたWebページを取り寄せたブラウザCが当該スクリプト解釈実行してアフィリエイトBの識別情報を送付してアクセスしてくると、適宜な広告コンテンツDをデータベースより取得してブラウザCに返送するとともに、当該広告コンテンツDに対応するリンク先へアフィリエイトBの識別情報を本広告配信装置経由で送付させるためのURLが潜在する文字潜在画像Eを生成して当該画像EをブラウザCに転送する文字潜在画像転送手段を備えること。
(5)ブラウザフォンFが前記文字潜在画像Eに潜在する文字情報の解釈に基づいてアクセスしてくると、アフィリエイトBの識別情報を取得して当該アクセスについてのログを取った上で、ブラウザフォンFを広告コンテンツDに対応するリンク先へアクセスさせるためのURLを返送するリンク先転送手段を備えること。
【0022】
また上記広告配信装置において、文字潜在画像転送手段は、文字潜在画像EにブラウザCが送付してきた広告掲載サイトBの識別情報をトラッキング情報として含ませ、リンク先転送手段は、ブラウザフォンFがアクセスしてくると、前記アクセスログに当該トラッキング情報を記録するとともに、広告コンテンツDに対応するリンク先へアクセスさせるための前記URLに当該トラッキング情報を付加することとしてもよい。
【0023】
なお本発明の範囲には、コンピュータにより実行されて、当該コンピュータを上記いずれかの広告配信装置として機能させるプログラムと、そのプログラムを記憶したプログラム格納媒体も含んでいる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の広告配信装置によれば、多様化するインターネット利用形態においても複雑な広告ビジネスに対応できる。例えば、同一ユーザがパーソナルコンピュータのブラウザとブラウザフォンとを使い分けて広告主サイトを閲覧する際に、そのユーザや広告主サイトの閲覧起源としてユーザが先に閲覧した媒体ページのアフィリエイトを特定したりすることができる。それによって、場所や時間に寄らず、ユーザに広告主が意図した情報を確実に提示したり、広告コンテンツの広告掲載に関してアフィリエイトに支払う報酬を正確・公平に算出したりすることができる。また、モバイルサイトへのアクセスを補助するための2次元バーコードを媒体ページに掲載することで、モバイルサイトへのアクセスを容易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
===ネットワーク構成===
図1に本発明の広告配信装置を含むネットワーク構成を示した。広告配信装置1、パーソナルコンピュータなど、ブラウザを実装したコンピュータ(以下、ブラウザ)、WWWサーバーがインターネット40に接続されている。ブラウザにはアフィリエイトが使用するもの20aや、一般ユーザが使用するもの30aなどがある。また、移動体通信網50とインターネット40とがゲートウエイ51を介して接続され、ブラウザフォン30bもそのゲートウエイ51を経由してインターネット40との通信を可能としている。
【0026】
WWWサーバーとしては、媒体ページを含むWebサイトを公開しているWWWサーバー(以下、アフィリエイト・サイト)20b、広告主のPCサイト10aやモバイルサイト10bがある。もちろん、モバイルサイト10bはキャリアの「公式サイト」として移動体通信網50の中にあってもよい。
【0027】
本実施例の広告配信装置1は、アフィリエイト・プログラムに基づく各種情報処理を行う。本装置1に付帯する広告データベース2は、広告主から預託された多数の広告コンテンツを格納し、各広告コンテンツにPCサイト10aやモバイルサイト10bのURLなどを対応付けして管理している。
【0028】
そして広告配信装置1は、広告主から預託された多数の広告コンテンツを広告データベース2に蓄積・管理している。そして、広告コンテンツを媒体ページに掲載する際、その媒体ページの識別情報やそのページを管理するアフィリエイトの識別情報など、アフィリエイトを特定できる情報(アフィリエイトID)をトラッキング情報として動的に組み込む。それによって、ある媒体ページを取り寄せたユーザのブラウザ30aが、その媒体ページに掲載した広告コンテンツのハイパーリンクを指示してある広告主サイト20aにアクセスしたり、その広告主サイト20aで何らかのトランザクションを発生させたりした際には、広告主サイト20aに実装されている周知のトラッキントラッキング・システム起点となったアフィリエイト・サイト20bとトランザクションに至るまでのユーザのブラウザ操作状況などの具体的な内容を対応付けして記録することが可能となる。
【0029】
会員データベース3は、広告配信装置1を管理する広告配信代行業者と契約関係にあるアフィリエイトや広告主を会員として、各会員についての各種情報を記憶管理している。そして広告配信装置1は、広告主サイト20a、20bからトラッキングに関する記録が送付されると、例えば、会員データベース3の記憶情報に基づいて、どのアフィリエイトに、どの広告主が、いくらの成功報酬を支払うのか、などを計算したり、アフィリエイト・サイトの内容やトラッキングの記録との対応関係などをマーケッティングのための資料に作成したりするなど、アフィリエイト・プログラムに関する各種情報処理を実行する。
【0030】
===モバイルサイト連携機能===
本実施例の広告配信装置1は、媒体ページに広告コンテンツを掲載するとともに、そのコンテンツにブラウザフォン30bをモバイルサイト10bへアクセスさせるための文字潜在画像を掲載する。本実施例では、文字潜在画像として、多くのキャリアが採用しているQRコードを掲載する。
【0031】
そして広告配信装置1は、アフィリエイト・サイト20bにアクセスしてきたブラウザ30aと、そのサイト30bに掲載したQRコードを解釈してアクセスしてきたブラウザフォン30bとが同一のユーザからのアクセスであるかどうかを認知したり、どのアフィリエイト・サイト20bに掲載したどの広告コンテンツに対応するQRコードに基づいてブラウザフォン30bがアクセスしてきたのかを特定したりする機能(モバイルサイト連係機能)を備えている。
【0032】
それによって、例えば、媒体ページに掲載されているある広告コンテンツに興味を持ったユーザが、そのコンテンツの広告主が開設するモバイルサイト10bへ後日自身のブラウザフォン30bでアクセスしてきたときに、そのアクセスを特定のアフィリエイト・サイト20bにおける広告コンテンツへのクリック回数として計上したり、アクセスしてきたブラウザフォン30bのユーザがモバイルサイト10bにて発生させたトランザクションと、そのトランザクションの起源となったアフィリエイト・サイト20bとを関連づけてアフィリエイトに対する成功報酬の支払根拠を得たりすることができる。
【0033】
===2次元バーコード要求スクリプト作成機能===
本実施例の広告配信装置1が広告を配信/掲載する媒体ページには、そのページを取り寄せたユーザのブラウザ30aが広告配信装置1に広告コンテンツの取り寄せとQRコードの生成とを要求するとともに、この要求に基づいて広告配信装置1から返送されてくる広告コンテンツとQRコードとを可視化する機能を含んだHTMLタグなどのスクリプト(2次元バーコード要求スクリプト、以下、バーコード要求スクリプト)が記載されている。
【0034】
本実施例の広告配信装置1は、WWWサーバーとしての機能を備え、バーコード要求スクリプトの作成サービスを受け付けるための会員制Webサイトを開設している。図2に広告配信装置1におけるバーコード要求スクリプト作成時のブラウザとの通信手順を示した。ここでは、アフィリエイトのブラウザ20aがアクセスしてきたものとしている。広告配信装置1は、アクセスしてきたブラウザ20aと会員IDやパスワードなどによる認証手続きを行い、会員(アフィリエイト)のブラウザ20aであると認知したならば、そのブラウザ20aに広告QRコード生成スクリプトの作成要求を受け付けるためのWebページを送付する(s1〜s3,s4→s6)。認証に失敗したときは、エラー画面などの所定のWebページをブラウザ20aに送達すればよい(s4→s5)。
【0035】
バーコード要求スクリプトの作成要求を受け付けるためのWebページには、その旨を指示するためのボタンなどを配設しておけばよい。広告配信装置1は、ブラウザ20aにてそのボタンが指示されるなどして、バーコード要求スクリプトの作成が指示されると、広告配信装置1の所定のプログラムがその指示情報を受け付ける。このプログラムは、バーコード要求スクリプトのひな形を編集するなどして、広告コンテンツとQRコードの表示機能を含んだバーコード要求スクリプトを作成し、そのスクリプトのテキストをWebページの体裁でブラウザ20aに返送する(s7,s8)。
【0036】
なお、作成されたバーコード要求スクリプトを媒体ページに記載するには、コンピュータにおける周知のコピー&ペースト機能により、ブラウザにて表示されるバーコード要求スクリプトのテキストをコピーし、テキストエディタなどを使って媒体ページのHTML文書中の適宜位置にそのコピーを転写すればよい。
【0037】
また、このバーコード要求スクリプトには、アフィリエイトIDを広告配信装置の所定のプログラムに送付する機能を定義したHTMLタグが含まれている。なおアフィリエイトIDは、バーコード要求スクリプト50の作成時にアフィリエイトのブラウザ30aから送付されてきた認証情報や、その認証情報を会員データベース2へ照会した結果として得られる記憶済みの識別子など、適宜な情報から取得することができる。
【0038】
===広告配信処理===
図3に、広告配信装置1における広告コンテンツの配信処理の概略を示した。この図では、ユーザのブラウザ30aにおける通信手順を主体にして示した。ユーザのブラウザ30aが媒体ページを取り寄せると(s11,s12)、そのページに記載されているバーコード要求スクリプト50を解釈実行して、広告配信装置1の所定のCGIにそのスクリプト中のアフィリエイトIDを送付する(s13,s14)。広告配信装置1のCGIは、送付されてきたアフィリエイトIDを取得するとともに、適宜な広告コンテンツを広告データベース11より選出する(s15,s16)。なお、広告コンテンツの選出については、ランダム、あらかじめ広告コンテンツごとに設定されている優先順位やスケジュールなど、検索エンジン10側に実装されているプログラムに従って適宜に行われる。アフィリエイトIDと広告コンテンツとが対応付けされていてもよい。
【0039】
そして広告配信装置1は、選出した広告コンテンツに対応付けされているモバイルサイトのURLと取得したアフィリエイトIDとを含んだQRコードを生成し、このQRコードの画像データを選出した広告コンテンツとともにブラウザ30aに返送する(s17,s18)。ブラウザ30aは送付されてきた広告コンテンツとQRコードとを媒体ページ上に挿入することで、広告コンテンツとQRコードを可視化する。
【0040】
図4に、広告コンテンツとQRコードとが掲載された媒体ページの画面概略を示した。媒体ページ60には、この媒体ページ60自体のコンテンツ61と、テキストによる広告62と、QRコード63とが掲載されている。なお、ここで図示した例では、QRコード63に対応していないブラウザフォンをモバイルサイトへアクセスさせるために、ブラウザフォンのメールアドレスのアカウントを入力するテキストボックス64と、キャリアのドメイン名を選択するためのリストダウンボックス65が配設されている。ユーザがアカウントを入力してドメイン名を選択して送信ボタン66を指示すると、QRコードに含まれている情報が電子メールにより自身のブラウザフォンに送達される。また、テキスト広告には広告主のPCサイト10aへ広告配信装置1経由でアクセスさせるためのURLがハイパーリンクとして設定されている。
【0041】
==モバイルサイトへのアクセス===
図5(A)(B)にQRコードに含まれている情報の概略を示した。このQRコードには、広告配信装置1の所定のプログラムをリンク先として、そのリンク先にアフィリエイトID71とモバイルサイト10bのURL70をトラッキング情報として送付するためのURLがコード化されている(A)。なお、広告配信装置1に送付されるモバイルサイトなどのトラッキング情報は、文字コードに変換されている。(B)に、そのトラッキング情報のテキストを示した。
【0042】
図6にブラウザフォン30bがモバイルサイト10bにアクセスする手順を示した。媒体ページ60を閲覧しているユーザが、デジタルカメラ機能とそのカメラ機能により撮影したQRコードの画像を解釈実行する機能とを備えたブラウザフォンを使い、PCのブラウザ画面上に表示されているQRコードを撮影してその画像をブラウザフォンに記憶させたのち、そのQRコードの画像を呼び出してQRコードを解釈させると、ブラウザフォンは、広告配信装置の上記所定のプログラムにモバイルサイトのURLとアフィリエイトIDとを送付する(s21〜s23)。広告配信装置1は、このアクセスについてのログにアフィリエイトIDを対応付けして記憶する。そして、受け取ったモバイルサイトのURLをリダイレクト先とし、アフィリエイトIDをトラッキング情報として含んだURLを生成して、このURLをHTTPレスポンスとしてブラウザフォン30bに返送する(s24〜s26)。ブラウザフォン30bは、このレスポンスに記載されているURLに従って、モバイルサイト10bにアクセスし、アフィリエイトIDをトラッキング情報として受け渡す(s27)。モバイルサイト10bでは、送付されてきたトラッキング情報を取得し、モバイルサイトのホームページなど、ブラウザフォン用の所定のWebページを返送する(s28,s29)。
【0043】
なお、周知の通り、ブラウザフォン30bは固有の端末識別子を記憶し、その識別子をアクセス先に通知するようになっている。モバイルサイト10b側では、アクセスしてきたブラウザフォン30bの端末識別子を取得し、その識別子に基づいてセッションを管理する。そして、そのセッション継続中にユーザが何らかのトランザクションを発生させたならば、そのトランザクションの内容と先に取得済みのアフィリエイトIDとを対応付けして記憶する。後日、その記憶した対応関係を広告配信装置1に送付することで、広告配信装置1はアフィリエイトに対する成功報酬を計算するなど、アフィリエイト・プログラムに基づく処理を実行する。
【0044】
===ログに基づく各種処理===
上記実施例では、QRコードにトラッキング情報が含まれ、媒体ページを閲覧したユーザが、その閲覧に使用したコンピュータとは別のハードウエアであるブラウザフォンにより広告主のモバイルサイトにアクセスしたとしても、そのアクセスの起源となったアフィリエイトを特定することができる。そして、ユーザがモバイルサイトで何らかのトランザクションを発生させた際には、QRコードに含まれていたトラッキング情報に基づいてアフィリエイトに支払う成功報酬の算出根拠を得ることができる。
【0045】
なお、QRコードに含まれているアフィリエイトIDは、広告コンテンツに対するクリック回数の算出根拠を得るための情報としても利用できる。すなわち、QRコードを解釈したブラウザフォンが広告配信装置にアクセスしてきた際、QRコードに含まれているモバイルサイトのURLとアフィリエイトIDとに基づいて、広告コンテンツに対するクリック回数として計上する。それによって、クリック回数従量制に基づく広告掲載料を算出することができる。
【0046】
また、ログに記録されているQRコードの解釈に基づいてアクセスしてきた日時と、トランザクションが発生した日時とに基づいて、双方の日時が所定期間内であれば、そのトランザクションを広告掲載サイトの閲覧を起源としたものと認定してアフィリエイトに成功報酬を支払うなど、QRコードの解釈に基づくブラウザフォンのアクセスログに基づいてアフィリエイト・プログラムに関する各種処理を実行することが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施例における広告配信装置を含むネットワーク構成図である。
【図2】上記広告配信装置が2次元バーコード要求スクリプトを作成するときのブラウザとの通信手順図である。
【図3】上記広告配信装置における広告コンテンツの配信処理に関わる通信手順図である。
【図4】上記広告コンテンツとQRコードとが掲載された媒体ページの画面概略図である。
【図5】上記QRコードに含まれている情報の概略図である。
【図6】上記QRコードに基づいてユーザのブラウザフォンが広告主のモバイルサイトへアクセスするまでの流れ図である。
【符号の説明】
【0048】
1 広告配信装置
10a WWWサーバー(広告主PCサイト)
10b WWWサーバー(広告主モバイルサイト)
20a ブラウザ(アフィリエイト)
20b WWWサーバー(アフィリエイト・サイト)
30a ブラウザ(ユーザ)
30b ブラウザフォン
40 インターネット
50 移動体通信網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットに接続される1台以上のコンピュータにより構成される広告配信装置であって、
それぞれにリンク先が対応付けされた多数の広告コンテンツを記憶した広告データベースにアクセスするデータベースアクセス手段と、
アクセスしてきたコンピュータAからアフィリエイトBの識別情報とともにスクリプト生成要求が送付されてくると、ブラウザにより解釈可能なスクリプトとして、本広告配信装置にアクセスさせてアフィリエイトBの識別情報を送付させて広告コンテンツと所定規格に基づいて文字情報を潜在させた画像の送付を要求する機能と、この要求に応動して本装置から返送されてきた広告コンテンツと文字情報が潜在する文字潜在画像を表示する機能とを含んだ文字潜在画像要求スクリプトをコンピュータAに送付する文字潜在画像要求スクリプト生成手段と、
文字潜在画像要求スクリプトが記載されたWebページを取り寄せたブラウザCが当該スクリプト解釈実行してアフィリエイトBの識別情報を送付してアクセスしてくると、適宜な広告コンテンツDをデータベースより取得してブラウザCに返送するとともに、当該広告コンテンツDに対応するリンク先へアフィリエイトBの識別情報を本広告配信装置経由で送付させるためのURLが潜在する文字潜在画像Eを生成して当該画像EをブラウザCに転送する文字潜在画像転送手段と、
ブラウザフォンFが前記文字潜在画像Eに潜在する文字情報の解釈に基づいてアクセスしてくると、アフィリエイトBの識別情報を取得して当該アクセスについてのログを取った上で、ブラウザフォンFを広告コンテンツDに対応するリンク先へアクセスさせるためのURLを返送するリンク先転送手段と、
を備えたことを特徴とする広告配信装置。
【請求項2】
文字潜在画像転送手段は、文字潜在画像EにブラウザCが送付してきた広告掲載サイトBの識別情報をトラッキング情報として含ませ、リンク先転送手段は、ブラウザフォンFがアクセスしてくると、前記アクセスログに当該トラッキング情報を記録するとともに、広告コンテンツDに対応するリンク先へアクセスさせるための前記URLに当該トラッキング情報を付加することを特徴とする広告配信装置。
【請求項3】
コンピュータにより実行されて、当該コンピュータを請求項1または2に記載の広告配信装置として機能させるコンピュータプログラム。
【請求項4】
請求項3に記載のプログラムを記憶したプログラム格納媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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