説明

延長管着脱装置

【課題】最終曲げ位置より後方に位置するチューブの直管部が短い場合に、直管部を延長する延長管を自動で着脱でき、かつチューブの外径が変わる場合でも、高さ調整が不要である延長管着脱装置を提供する。
【解決手段】チューブ1の後端に外径が同一の延長管12を着脱する延長管着脱装置であって、チューブと延長管の下面を同一高さで水平に支持するサポート14と、延長管を待機高さHからサポート上に位置する着脱高さLまで下降させ、チューブの後端部を把持し、延長管の先端部をチューブの後端部に挿入する延長管移動装置と、延長管の先端部を拡大又は縮小してチューブと延長管を連結又は分離する延長管連結装置とを備える。延長管移動装置の昇降駆動装置24は、上限高さと下限高さとの間で昇降駆動される昇降金具と、支持金具とからなるフロート機構を有し、昇降金具は上限高さから下降し、支持金具から下方に遊動して下限高さまで下降する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイラパネル用チューブ連続曲げ加工装置に係り、更に詳しくは、最終曲げ位置より後方に位置する直管部が短い場合に直管部を延長する延長管を自動で着脱する延長管着脱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
大型のボイラパネルを構成するチューブ(ボイラパネル用チューブ)は、予め直管を突き合わせ溶接して必要な長さのチューブを構成し、このチューブを右曲げ用金型と左曲げ用金型を備えたチューブ連続曲げ装置によりチューブを軸方向に移動しながら複数回曲げ加工することで製造される。
この場合、3次元の立体曲げはほとんどなく、通常は2次元の平面曲げのみである。
【0003】
このようなボイラパネル用チューブの連続曲げ加工装置は、例えば特許文献1〜3に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平02−42013号公報、「チューブの曲げ加工装置」
【特許文献2】特開昭63−93533号公報、「チューブの連続曲げ加工ライン装置」
【特許文献3】特許第3738428号公報、「チューブ連続曲げ装置及び該装置を用いた曲げ方法」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ボイラパネル用チューブを曲げ加工する場合、加工位置より後方に位置するチューブには、加工方向と反対方向に反力を受ける。そのためこの反力を受けるために、加工位置より後方のチューブを固定する反力受けが設けられている。
この反力受けは、チューブの曲げ加工に必要なトルクを支持するために十分な長さが必要となる。
【0006】
しかし、ボイラパネル用チューブの曲げ形状によっては、最終曲げ位置より後方の直管部が反力受けの長さより短い場合がある。この場合、そのまま最終曲げを行うと、最終直管部のみでは反力を受けられない問題が発生する。
【0007】
また、ボイラパネル用チューブの連続曲げの際には、チューブを軸方向に移動して位置決めするために、加工位置より後方のチューブを把持して移動する把持移動装置が用いられる。この把持移動装置は、曲げ加工を容易にするために曲げ加工時にチューブに軸方向力を付加する機能も有する。
【0008】
しかし最終曲げ位置より後方に位置する直管部が短い場合、把持移動装置で把持する把持部が確保できず、軸方向に位置決めすることも、チューブに軸方向力を付加することもできない問題が発生する。
【0009】
従来、このような問題を解決するために、最終曲げ位置より後方に位置する直管部が短い場合、前後のチューブを接続するジョイント治具を人手によって接続し、あたかも1本のチューブのように直管部を延長することで把持部を確保して曲げ加工を行っていた。
【0010】
この場合、人手でジョイント治具を着脱するには常に人が付いていなければならず、自動での連続動作を行うことができなかった。また、治具の着脱時には装置を一時停止させ装置の稼動部内に人が入って作業する必要がある。そのため、装置の稼働率が大幅に低下し、かつ安全性が損なわれる可能性があった。
【0011】
一方、特許文献3には、終端部にチューブと同一外径で内径に密着するダミー管を自動で着脱する手段が開示されている。しかし、この場合、チューブの外径が変わると、装置の接続高さが変わるため、その都度、段取り替え、もしくは高さ調整が必要であった。
【0012】
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、最終曲げ位置より後方に位置するチューブの直管部が短い場合に、直管部を延長する延長管を自動で着脱でき、かつチューブの外径が変わる場合でも、高さ調整が不要である延長管着脱装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、曲げ加工装置により曲げ加工するチューブの後端に外径が同一の延長管を着脱する延長管着脱装置であって、
チューブと延長管の下面を同一高さで水平に支持するサポートと、
延長管を上方の待機高さからサポート上に位置する着脱高さまで下降させ、チューブの後端部を把持し、延長管の先端部をチューブの後端部に挿入する延長管移動装置と、
チューブの後端部に挿入された延長管の先端部を拡大又は縮小してチューブと延長管を連結又は分離する延長管連結装置と、を備えることを特徴とする延長管着脱装置が提案される。
【0014】
本発明の実施形態によれば、前記延長管移動装置は、
曲げ加工するチューブの軸線と平行に位置し昇降可能な昇降フレームと、
昇降フレームを水平に保持して昇降駆動する昇降駆動装置と、を備え、
昇降フレームは、チューブの軸線方向に前進駆動又は後退駆動可能な移動フレームと、
昇降フレームに取り付けられ、サポート上に位置するチューブの後端部を水平に把持してセンタリングするチューブ把持装置と、
移動フレームに取り付けられ、サポート上に位置する延長管を水平に把持してセンタリングする延長管把持装置と、を有する。
【0015】
また、前記昇降駆動装置は、上限高さと下限高さとの間で昇降駆動される昇降金具と、昇降フレームに固定され昇降金具で支持される支持金具とからなるフロート機構を有し、
昇降金具は、支持金具を支持して上限高さから下降し、延長管の下面がサポートで支持されて延長管が着脱高さで停止した後、支持金具から下方に遊動して下限高さまで下降する。
【0016】
また、前記延長管連結装置は、延長管の先端部を拡大又は縮小するテーパ部材と、先端がテーパ部材に連結され延長管の内側を貫通する駆動ロッドと、延長管の後端部に固定され駆動ロッドを軸方向に駆動するロッド駆動装置と、を有する。
【発明の効果】
【0017】
上記本発明の構成によれば、延長管移動装置により、延長管を上方の待機高さからサポート上に位置する着脱高さまで下降させ、チューブの後端部を把持し、延長管の先端部をチューブの後端部に挿入することができる。
次いで、延長管連結装置により、チューブの後端部に挿入された延長管の先端部を拡大してチューブと延長管を連結することができ、逆に先端部を縮小して分離することができる。
従って、最終曲げ位置より後方に位置するチューブの直管部が短い場合に、直管部を延長する延長管を自動で着脱できる。
【0018】
また、本発明の実施形態によれば、チューブと延長管を同一の昇降フレーム上のチューブ把持装置と延長管把持装置で水平に把持してセンタリングするので、チューブと延長管を同心に位置決めでき、延長管先端部をチューブの後端部に容易に挿入できる。
【0019】
また、昇降フレームを水平に保持して昇降駆動する昇降駆動装置が、上限高さと下限高さとの間で昇降駆動される昇降金具と、昇降フレームに固定され昇降金具で支持される支持金具とからなるフロート機構を有し、昇降金具は、支持金具を支持して上限高さから下降し、延長管の下面がサポートで支持されて延長管が着脱高さで停止した後、支持金具から下方に遊動して下限高さまで下降するので、チューブの外径が変わる場合でも、昇降金具の下限高さの調整、すなわち高さ調整が不要である。
【0020】
すなわち、延長管を下降させた際、昇降金具は規定の下限高さまで下降するが、昇降金具で支持された昇降フレームと延長管は延長管の下面がサポート上に接触した時点で停止する。このため、延長管の外径が変わった場合でも段取り替えやセンサによる停止位置調整を行う必要がなくなる。

【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明による延長管着脱装置の全体構成図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図2のA部詳細図である。
【図4】延長管移動装置の作動を示す第1説明図である。
【図5】延長管移動装置の作動を示す第2説明図である。
【図6】図1のB部詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0023】
図1は、本発明による延長管着脱装置の全体構成図である。
本発明の延長管着脱装置10は、曲げ加工装置(図示せず)により曲げ加工するチューブ1の後端に外径が同一の延長管12を着脱する装置である。
【0024】
図1において、本発明の延長管着脱装置10は、サポート14と延長管移動装置20を備える。
【0025】
チューブ1は、例えば連続曲げ加工中の伝熱管であり、図で右方に位置する図示しない連続曲げ加工装置に向けて水平に保持されている。
【0026】
延長管12は、チューブ1の後端部に向けて水平に保持された直管であり、チューブ1と同一の外径を有する。延長管12のチューブ1と同一外径部分の長さは、チューブ1の最終曲げの際にチューブ1の直管部と協働で曲げ反力を受けられる長さであり、かつチューブ1の連続曲げの際に、図示しない把持移動装置により延長管12の後端部を把持してチューブ1を軸方向に移動して位置決めし、曲げ加工時にチューブ1に軸方向力を付加する長さに設定されている。この長さは、例えば3〜5mである。
【0027】
サポート14は、チューブ1と延長管12の下面を同一高さで水平に支持する。サポート14は、例えば水平チェーンコンベアに取り付けられたアタッチメントであり、曲げ加工時にチューブ1の水平移動に同期して水平移動し、チューブ1と延長管12の下面を常に同一高さで水平に支持するようになっている。
【0028】
延長管移動装置20は、延長管12を上方の「待機高さ」からサポート14上に位置する「着脱高さ」まで下降させ、延長管12の先端部42(後述する)をチューブ1の後端部に挿入する機能を有する。
【0029】
図2は、図1の側面図である。
図1、図2において、延長管移動装置20は、昇降フレーム22と昇降駆動装置24とを備える。
【0030】
昇降フレーム22は、曲げ加工するチューブ1の軸線と平行に位置する水平フレーム22aとチューブ1の軸線と直交して水平に延びる支持フレーム22bとからなる。水平フレーム22aと支持フレーム22bは、溶接等により一体的に連結している。
【0031】
昇降駆動装置24は、外部に固定された本体21、本体21に固定された鉛直レール23、及び鉛直レール23に沿って上下動するガイド25を有する。
本体21は、この例では門型形状であるが、その他の形状でもよい。鉛直レール23とガイド25は、この例では、チューブ1の軸線方向に間隔を隔てて2つずつ設けられている。
昇降フレーム22の支持フレーム22bは、チューブ1の軸線方向の前後においてガイド25に固定されている。
上述した昇降駆動装置24の構成により、昇降フレーム22は、ガイド25により常に水平に保持され、かつ鉛直レール23に沿って昇降させることができる。
【0032】
昇降駆動装置24は、さらに、上下に位置するスプロケット26a,26b、スプロケット26a,26bの間に掛け渡されたチェーン27、及び一方のスプロケット26bを回転駆動する昇降モータ28を備える。スプロケット26a,26b及びチェーン27は、チューブ1の軸線方向の前後にそれぞれ設けることが好ましいが、一方のみでもよい。
【0033】
図3は、図2のA部詳細図である。
図2、図3において、昇降駆動装置24は、さらに、昇降金具29aと支持金具29bとからなるフロート機構29を有する。
昇降金具29aは、この例で円筒形の拡径部Aとその上方に連結して位置し拡径部Aより外径の小さい縮径部Bとからなる。昇降金具29aは好ましくは一体部品であり、その軸心の上下端がチェーン27にそれぞれ固定され、昇降モータ28(図2参照)により上限高さと下限高さとの間で昇降駆動される。
支持金具29bは、この例で昇降金具29aの縮径部Bが隙間をもって通過可能な鉛直孔を有する中空円筒形部材である。支持金具29bは、昇降フレーム22の支持フレーム22bに固定され、昇降金具29aで支持される。
【0034】
上述した構成により、昇降モータ28により昇降金具29aをその上限高さと下限高さとの間で昇降駆動し、昇降金具29aで支持された支持金具29bを介して昇降フレーム22を昇降することができる。
【0035】
図4は、延長管移動装置20の作動を示す第1説明図であり、図5は、延長管移動装置20の作動を示す第2説明図である。図4と図5は、延長管12の外径のみが相違する。
図4、図5において、(A)は昇降金具29aの上限高さ、(C)は昇降金具29aの下限高さ、(B)は延長管12の下面がサポート14で支持された高さを示している。
【0036】
(A)に示す昇降金具29aの上限高さh1は、延長管12の外径に影響されず、図4と図5で同一である。また上限高さh1において、延長管12は上方の待機高さHに位置する。
(B)に示す昇降金具29aの支持高さh2は、延長管12の外径により変化するため、図4と図5で異なる。この支持高さh2において、延長管12は下方の着脱高さLに位置する。着脱高さLは図4と図5で同一である。
(C)に示す昇降金具29aの下限高さh3は、延長管12の外径に影響されず、図4と図5で同一である。また下限高さh3において、延長管12は着脱高さLに位置したままで、昇降金具29aが支持金具29bから下方に遊動している。
(A)(C)における昇降金具29aの上限高さh1と下限高さh3は、例えばリミットスイッチで位置決めされる。
【0037】
図4、図5に示したように、昇降金具29aは、支持金具29bを支持して上限高さh1から下降し、延長管12の下面がサポート14で支持されて延長管12が着脱高さLで停止した後、支持金具29bから下方に遊動して下限高さh3まで下降する。
従って、この構成により、チューブ1及び延長管12の外径が変わる場合でも、昇降金具29aの下限高さh3の調整、すなわち高さ調整が不要である。
【0038】
図1において、昇降フレーム22は、さらに、移動フレーム30、チューブ把持装置34、及び延長管把持装置36を有する。
移動フレーム30は、直線ガイド31を介して昇降フレーム22の下方に取り付けられ、昇降フレーム22に水平に固定された延長管駆動装置32により、チューブ1の軸線方向に前進駆動又は後退駆動可能に構成されている。延長管駆動装置32は、例えば液圧シリンダである。
【0039】
図1において、2つのチューブ把持装置34が、昇降フレーム22(水平フレーム22a)の前端部に取り付けられ、サポート14上に位置するチューブ1の後端部を水平に把持してセンタリングするように構成されている。
また、この例において、5つの延長管把持装置36が、移動フレーム30に軸方向に間隔を隔てて取り付けられ、サポート14上に位置する延長管12を水平に把持してセンタリングするように構成されている。
チューブ把持装置34と延長管把持装置36は、それぞれ幅方向に開閉する1対の爪を有し、モータにより同期して開閉して同一の軸方向位置にそれぞれチューブ1と延長管12をセンタリングするので、それぞれの幅方向中心位置は一致する。
また、チューブ1と延長管12の下面がサポート14により同一高さで水平に支持されており、チューブ1と延長管12は外径が同一なので、それぞれの上下方向中心位置も一致する。
【0040】
従って、上述した構成により、チューブ把持装置34と延長管把持装置36でサポート14上のチューブ1と延長管12をそれぞれ把持した段階で、チューブ1と延長管12の幅方向と上下方向の中心位置を一致させることができ、この状態で延長管駆動装置32により延長管12をチューブ1の軸線方向に前進駆動することで、延長管12の先端部42をチューブ1の後端部に挿入することができる。
【0041】
図1において、本発明の延長管着脱装置10は、さらに、延長管連結装置40を備える。
図6は、図1のB部詳細図である。
【0042】
図1、図6において、延長管連結装置40は、延長管12の先端部42、テーパ部材44、駆動ロッド46、及び液圧シリンダ48を有する。
【0043】
図6において、先端部42は、延長管12の先端に一体的に形成された中空円筒形部材12aと、中空円筒形部材12aに周方向に間隔を隔てて設けられた半径方向のスロット内に収容され半径方向に移動可能な複数の把持爪43とからなる。
中空円筒形部材12aの外径は、チューブ1の内径より小さく設定されている。また中空円筒形部材12aの内径は、テーパ部材44が軸方向に摺動可能な外径に構成されている。
複数(好ましくは3以上)の把持爪43は、内面43aがテーパ部材44のテーパ面44aと摺動するテーパ面であり、外面43bはチューブ1の内径と密着可能な円弧面となっている。
この例において、把持爪43の外面43bには周方向に延びるリング溝43cが設けられている。リング溝43cには、弾性リング41が嵌められており、複数の把持爪43を半径方向内側に付勢している。弾性リング41は例えばOリングである。
【0044】
テーパ部材44は、円筒形部材でありその周方向の複数個所に、把持爪43を収容する溝を有し、各溝の内面は、把持爪43の内面43aと摺動するテーパ面44aとなっている。
この構成により、テーパ部材44を軸方向に移動させることで、延長管12の先端部42を拡大又は縮小することができる。
【0045】
駆動ロッド46は、先端(図で右端)がテーパ部材44に連結され、延長管12の内側を貫通している。
図1に示すように、ロッド駆動装置48が、延長管12の後端部(図で左端)に固定され、駆動ロッド46を軸方向に駆動するようになっている。ロッド駆動装置48は、例えば液圧シリンダである。
【0046】
上述した延長管連結装置40の構成により、チューブ1の後端部に挿入された延長管12の先端部42を拡大又は縮小してチューブ1と延長管12を連結又は分離することができる。
【0047】
上述した本発明の構成によれば、延長管移動装置20により、延長管12を上方の待機高さHからサポート14上に位置する着脱高さLまで下降させ、チューブ1の後端部をチューブ把持装置34で把持し、延長管12の先端部42をチューブ1の後端部に挿入することができる。
次いで、延長管連結装置40により、チューブ1の後端部に挿入された延長管12の先端部42を拡大してチューブ1と延長管12を連結することができ、逆に先端部42を縮小して分離することができる。
従って、最終曲げ位置より後方に位置するチューブ1の直管部が短い場合に、直管部を延長する延長管12を自動で着脱できる。
【0048】
また、本発明の実施形態によれば、チューブ1と延長管12を同一の昇降フレーム22上のチューブ把持装置34と延長管把持装置36で水平に把持してセンタリングするので、チューブ1と延長管12を同心に位置決めでき、延長管先端部42をチューブ1の後端部に容易に挿入できる。
【0049】
また、昇降フレーム22を水平に保持して昇降駆動する昇降駆動装置24が、上限高さh1と下限高さh3との間で昇降駆動される昇降金具29aと、昇降フレーム22に固定され昇降金具29aで支持される支持金具29bとからなるフロート機構29を有し、昇降金具29aは、支持金具29bを支持して上限高さh1から下降し、延長管12の下面がサポート14で支持されて延長管12が着脱高さLで停止した後、支持金具29bから下方に遊動して下限高さh3まで下降するので、チューブ1の外径が変わる場合でも、昇降金具29aの下限高さh3の調整、すなわち高さ調整が不要である。
【0050】
すなわち、延長管12を下降させた際、昇降金具29aは規定の下限高さh3まで下降するが、昇降金具29aで支持された昇降フレーム22と延長管12は延長管12の下面がサポート14上に接触した時点で停止する。このため、延長管12の外径が変わった場合でも段取り替えやセンサによる停止位置調整を行う必要がなくなる。
【0051】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【符号の説明】
【0052】
1 チューブ、
10 延長管着脱装置、12 延長管、14 サポート、
20 延長管移動装置、21 本体、22 昇降フレーム、
22a 水平フレーム、22b 支持フレーム、
23 鉛直レール、24 昇降駆動装置、25 ガイド、
26a,26b スプロケット、27 チェーン、28 昇降モータ、
29 フロート機構、29a 昇降金具、29b 支持金具、
30 移動フレーム、31 直線ガイド、
32 延長管駆動装置(液圧シリンダ)、
34 チューブ把持装置、36 延長管把持装置、
40 延長管連結装置、41 弾性リング(Oリング)、
42 先端部、43 把持爪、
43a 内面(テーパ面)、43b 外面、43c リング溝、
44 テーパ部材、44a テーパ面、46 駆動ロッド、
48 ロッド駆動装置(液圧シリンダ)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
曲げ加工装置により曲げ加工するチューブの後端に外径が同一の延長管を着脱する延長管着脱装置であって、
チューブと延長管の下面を同一高さで水平に支持するサポートと、
延長管を上方の待機高さからサポート上に位置する着脱高さまで下降させ、延長管の先端部をチューブの後端部に挿入する延長管移動装置と、
チューブの後端部に挿入された延長管の先端部を拡大又は縮小してチューブと延長管を連結又は分離する延長管連結装置と、を備えることを特徴とする延長管着脱装置。
【請求項2】
前記延長管移動装置は、
曲げ加工するチューブの軸線と平行に位置し昇降可能な昇降フレームと、
昇降フレームを水平に保持して昇降駆動する昇降駆動装置と、を備え、
昇降フレームは、チューブの軸線方向に前進駆動又は後退駆動可能な移動フレームと、
昇降フレームに取り付けられ、サポート上に位置するチューブの後端部を水平に把持してセンタリングするチューブ把持装置と、
移動フレームに取り付けられ、サポート上に位置する延長管を水平に把持してセンタリングする延長管把持装置と、を有することを特徴とする請求項1に記載の延長管着脱装置。
【請求項3】
前記昇降駆動装置は、上限高さと下限高さとの間で昇降駆動される昇降金具と、昇降フレームに固定され昇降金具で支持される支持金具とからなるフロート機構を有し、
昇降金具は、支持金具を支持して上限高さから下降し、延長管の下面がサポートで支持されて延長管が着脱高さで停止した後、支持金具から下方に遊動して下限高さまで下降する、ことを特徴とする請求項2に記載の延長管着脱装置。
【請求項4】
前記延長管連結装置は、延長管の先端部を拡大又は縮小するテーパ部材と、先端がテーパ部材に連結され延長管の内側を貫通する駆動ロッドと、延長管の後端部に固定され駆動ロッドを軸方向に駆動するロッド駆動装置と、を有することを特徴とする請求項1に記載の延長管着脱装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−56365(P2013−56365A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197152(P2011−197152)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】