説明

建築用竹集成材の製造方法及び竹集成材を用いた家屋

【課題】十分な防腐効果を得ることのできるようにして、建築材料として有効に利用しやすくする。
【解決手段】竹材を防腐液に浸漬する工程(1−3)と、防腐液に浸漬された竹材を乾燥する工程(1−4)と、乾燥された竹材を熱処理する工程(1−5)と、熱処理された複数の竹材を接着する工程(1−9)とからなり、防腐液が、濃度が0.4〜0.6質量パーセント濃度であり、かつ、温度が83℃〜93℃の亜塩素酸ナトリウムの水溶液であり、竹材を熱処理する工程(1−5)において、竹材を、炭化炉内に入れ、炭化炉内の気圧を大気圧よりも大きくして加熱し、竹材を炭化した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、地梁、柱、壁、床及び屋根などに用いられる建築用竹集成材の製造方法及びこの製造方法で製造された竹集成材を用いた家屋に関する。
【背景技術】
【0002】
現代社会において、人口の増加にともなって、大量の地球資源を消費するようになっている。
しかしながら、人口が増加しても、人の住居の生活レベルを一定に保つようにするには、建築材料としての材木が欠かすことができない。このような木材を用いた建築物は、その特長として、融通性があり個性化と住人のニーズに合わせた造りにでき、需要が大きい。また、コンクリート構造建築と比較して大型の建設工程や施工設備も不要であり時間や労力などコストを抑えることができるだけでなく、耐震性や耐候性にも優れている。
【0003】
しかしながら、この種の住宅には優位な点が多いにもかかわらず建築材料に木材を使うことにより大量の自然資源の消費してしまうという問題があった。このため、建築材料の確保と、森林資源の保全とを両立することが問題となっている。
特に、建築材料として、熱帯雨林の材木などが用いられており、毎年、広い面積の森林が消失している。このような森林資源の減少は、地球温暖化、大気汚染などを発生させる大きな原因ともなっている。
【0004】
そこで、本願の発明者らは、一般に用いられている木材に変わる新しい建築材料として、竹材を、利用できるようにする研究を重ねてきた。
従来、この種の建築用竹集成材としては、特許文献1記載の技術が知られている。
【0005】
この特許文献1の技術は、まず、伐採した原料の竹を所定の大きさの竹片としたあと、この竹片を、漂白・防虫のために過酸化水素水に浸漬する工程、過酸化水素水に浸漬した竹片を乾燥し、乾燥した竹片を乾熱雰囲気で熱処理する工程を経て、組織構造及び形態が安定した竹片を得る。
過酸化水素水に浸漬する工程においては、過酸化水素水を90℃に加温し、これに竹片を5時間浸漬している。
そして、竹片を、集成のために所定の形状に成形し、複数の竹片を、接着剤を用いて接合して竹集成材を得ている。
【0006】
【特許文献1】特開2001−277209号公報(段落「0033」〜「0044」)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような従来の建築用竹集成材は、防腐効果が十分でなく、耐久性が良好でなく建築材料として利用しにくいという問題があった。
また、竹集成材の防腐性が十分でないことから、竹集成材を用いた建築物である家屋全体の耐久性が劣ってしまうおそれもあった。
【0008】
本発明は、以上のような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、十分な防腐効果を得ることのできるようにして、耐久性の向上を図り、建築材料として利用しやすくした建築用竹集成材の製造方法の提供を目的とする。
また、この製造方法で製造された建築用竹集成材を用いることにより、構造建築物全体の耐久性の向上を図った家屋の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の建築用竹集成材の製造方法は、竹材を防腐液に浸漬する工程と、防腐液に浸漬された竹材を乾燥する工程と、乾燥された竹材を熱処理する工程と、熱処理された複数の竹材を接着する工程とからなり、前記防腐液が、亜塩素酸ナトリウム(NaClO:Sodium Chlorite)の水溶液である構成としてある。
【0010】
本発明の建築用竹集成材の製造方法において、竹材の原料となる竹としては、どのような種でもよく、毛竹(Phyllostachysheteroclavar 別名:楠竹、猫頭竹、孟宗竹)を用いることが好ましい。
竹は、外観が美しく、堅牢で強度が高く耐食性があり、また、様々な環境下でも生育する。
現在、世界中に500種以上が確認されており、中国の雲南省には200種以上が存在している。
【0011】
毛竹は、原産地が中国であり、また中国の全土に広く分布しており、生息面積は一番広く、入手が容易で最も経済的な種である。
また、毛竹は、単軸型散性竹で、散性竹の中でも最も大きな種であり、この点からも経済効果の高い種である。一般的に高さ10m、直径6〜15cm、節の長さは10〜25cm、大きなものは高さ20m以上、直径20cm、節の長さは45cmになるものもある。
【0012】
また、毛竹は、環境が比較的悪条件であっても生育でき、年平均気温14℃〜20℃で生育するが、14℃〜16℃の条件でも生育することができる。また、年間降水量800mm〜1900mm、海抜300m〜2100mの条件での生育が最も良い。また、降雪や降霜にも耐える。
このような構成からなる建築用竹集成材の製造方法によれば、防腐液として、亜塩素酸ナトリウムを用いているので、十分な防腐効果を容易に得ることができる。これにより、竹集成材は、その耐久性が向上するので、建築材料として有効に利用される。
【0013】
また、前記亜塩素酸ナトリウム水溶液が、濃度が0.01〜1.0質量パーセント濃度であり、温度が83℃〜93℃である構成が好ましい。
これにより、防腐液に浸漬する工程において、竹材に亜塩素酸ナトリウムがよく含浸される。そのため、防腐液の浸漬工程を短時間で行うことができ、製造工程を簡略化することができる。
【0014】
また、前記竹材を熱処理する工程において、前記竹材を、炭化炉内に入れ、該炭化炉内の気圧を大気圧よりも大きくして加熱し、前記竹材を炭化することが好ましい。
このようにすると、竹材に、自然色と炭化色の2種類を発現させることができる。
また、油分、糖分の脱化することができ、防虫効果に優れた効果を得ることができる。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の家屋は、上記製造方法により製造された建築用竹集成材が用いられる。
このような構成からなる家屋によれば、上述の竹集成材を用いたので、防腐性は木材と比較して強く竹材に防腐性があるので、構造建築物全体の耐久性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明の建築用竹集成材の製造方法によれば、防腐液として、亜塩素酸ナトリウムを用いているので、十分防腐効果を得ることができる。これにより、竹集成材の耐久性を向上させることができ、竹集成材を建築材料として有効に利用させることができる。
また、本発明の家屋によれば、上記の竹集成材を用いたので、木材と比較して強くなり、しかも、竹材に防腐性があるので、構造建築物の耐久性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る建築用竹集成材の製造方法の好ましい一実施形態について説明する。
次に、本発明の実施形態に係る建築用竹集成材の製造方法を、図1に示す工程図を用いて説明する。
(1−1)伐採・竹の切削加工
原料の竹を切削加工し、矩形板状の竹材を得る。
原料の竹としては、生育して3年〜5年を経過したものが用いられる。
竹材は、切削加工により、その厚さが、5.0mm〜6.0mm、幅が、約20mm、長さが、50〜100mmとすることが特に好ましい。
【0018】
(1−2)高温煮沸(防腐液浸漬)
竹材を、防腐液に浸漬する。防腐液としては、亜塩素酸ナトリウム(NaClO:Sodium Chlorite)の水溶液が用いられる。
この亜塩素酸ナトリウム水溶液は、0.4〜0.6質量パーセント濃度とすることが好ましい。本実施形態においては、0.5質量パーセント濃度としている。
また、この亜塩素酸ナトリウム水溶液は、その温度が、83℃〜93℃とすることが好ましい。
このようにすると、亜塩素酸ナトリウムの水溶液がよく竹材に含浸するとともに、含浸した亜塩素酸ナトリウムが竹材に含まれる糖分を分解する。
これにより、竹材の糖分を好む虫などによる害を防止することができる。すなわち、竹材に、良好な防腐、防虫効果を得ることができる。
また、過酸化水素水を用いた従来の竹集成材の製造方法に比較して、処理時間が比較的短時間で済むので、製造工程を簡易にすることができる。
【0019】
(1−3)定温乾燥
防腐液に浸漬された竹材を、乾燥してその含水率を低減せしめる。
この工程においては、63℃〜70℃の乾燥温度下で、7〜8日間乾燥させることが好ましい。
このようにすると、竹材の含水率を12パーセント以下とすることができる。
これにより、後述の熱処理を容易に行うことができる。
【0020】
(1−4)高圧炭化(熱処理)
次に、乾燥された竹材を熱処理する。
この熱処理工程においては、竹材を、密封可能な金属製で円筒形状の炭化炉に入れ、炭化炉内の気圧を大気圧よりも大きくして加熱し、竹材を炭化する。
【0021】
具体的には、まず、炭化炉に竹材を入れた後、炭化炉内の雰囲気を、真空ポンプなどを用いて気圧を0.07MPaに減圧し、電気電熱器などを用いて温度を75℃に加熱する。この状態で、竹材を、約10分間おく。このようにすると、(1−3)定温乾燥で乾燥された竹材の乾燥度を、さらに高めることができる。
【0022】
次に、この炭化炉を、電気電熱器で加熱して所定の温度とするとともに、空気を導入して竹材を加圧する。
この状態で、電気電熱炭化炉内に防腐剤を噴霧し、竹材に防腐剤を加圧注入する。
本実施形態では、防腐剤の注入処理は、温度を125℃、気圧を1.20MPaとし、15分間行なわれる。
このようにすると、竹材に防腐剤が良く浸透するので、防虫、防腐効果を得ることができる。
【0023】
また、この状態で、炭化炉内を、電気電熱器で150℃〜220℃に加熱する。本実施形態では、175℃としている。
このようにすると、竹材に、自然色と炭化色の2種類を発現させることができる。
また、油分、糖分を脱化することができ、竹材の硬度確保及び防虫効果に優れるという効果を得ることができる。
【0024】
その後、炭化炉内を減圧して、雰囲気の温度を45℃、気圧を0.3MPaとし、この状態で竹材を15分間おく。
次に、炭化炉内をさらに減圧して、雰囲気の温度を25℃、気圧を0.09MPaとし、この状態で竹材を10分間おく。
このように、雰囲気の冷却及び減圧作業を段階的に行なうので、竹材の品質劣化を防止することができる。
その後、炭化炉内に空気を導入して、炭化炉内を大気圧と同等にし、竹材を取り出す。
【0025】
(1−5)正確切削
竹材の不要部分を、基準に合わせて、切削工作機械を用いて切削し、不要部分を切除する。
このようにすると、容易に竹材を接着できるようになる。
【0026】
(1−6)色選別
竹材の色彩が近似するものを選別する。
このようにすると、完成した竹集成材の全体の色が揃うようになる。
【0027】
(1−7)ラミナ熱圧着(竹材の接着)
複数の竹材(ラミナ)を接着する。
この工程においては、複数の竹材のそれぞれに、接着剤を塗布し、集成材の標準寸法となるように、これらを複数個積み上げて組み合わせる。
この複数の竹材に、500〜1000トンの油圧プレスで圧力を加え、集成材を得る。
このときの接着条件は、圧力10〜15kg/cm、加圧時間を45〜60分、温度45℃〜65℃とすることが好ましい。
これにより、複数の竹材が、互いに接着強固に接着されるので、竹集成材全体の強度が向上させられる。
【0028】
(1−8)切削加工
竹集成材の表面を切削して形状を整える。
(1−9)フィンガージョイント加工
竹集成材同士をフィンガージョイント加工する。
フィンガージョイント加工は、専用の加工機械を用い、竹集成材の端面木口をジグザグ型に切削し端面を接合して行なわれる。
このようにすると、集成材を大きくすることができ、所望の大きさの竹集成材を得ることができる。
【0029】
(1−10)二次圧着
フィンガージョイントされた竹集成材を、圧着する。
この圧着条件は、圧力10〜15kg/cm、加圧時間を45〜60分、温度は、常温としている。
このようにすると、竹材同士の接着が確実になり、竹集成材の強度が向上される。
【0030】
(1−11)切削加工
竹集成材を、製品の形状寸法に合わせて切削加工する。
(1−12)塗料塗布
竹集成材の表面に、G8型外壁塗料(和信化学工業株式会社製)などを塗布する。
(1−13)難燃剤塗布
竹材の表面に、例えば、NS2000(株式会社リコム製)などからなる難燃剤を塗布する。
(1−14)保管
竹集成材に、ワックスを塗布し、耐湿性能を高める。その後、倉庫などに保管する。
【0031】
以上説明したように、本実施形態に係る建築用竹集成材の製造方法によれば、強度、弾性率、衝撃吸収力、腐食性及び難燃性に優れた竹集成材を得ることができる。
また、防腐液として、亜塩素酸ナトリウムを用いているので、十分防腐効果を得ることができる。これにより、竹集成材の耐久性を向上させることができ、竹集成材を建築材料として有効に利用させることができる。
また、竹集成材は、その平均含水率を9%以下とすることができ、材料強度が均一で機械加工性に富んだ建築材料とすることができる。
また、竹集成材には、その表面に、難燃剤及び外壁塗料が用いられて塗装が施されるので、作業性、汚染防止、乾燥性能、耐久性、防水防火性能など各方面に優れている。
また、材料である竹は、生育が早く、材料を容易に得ることができる。
【0032】
また、竹材が炭化されているので、竹集成材の色調が、くすんだ茶色となり、独特の感覚をもたらすことができる。
また、竹の節が顕著に表現されるようになり、竹の持つ自然の風合いがそのままの形で表される。
【0033】
このようにして製造された竹集成材は、例えば、組み立て式の構造化住宅である家屋などの建築材料として用いられる。
図2に示すように、この家屋Kは、例えば、基礎1、地梁2、最下位層の床3、最下位層の壁4、上位層の床5、上位層の壁6及び屋根7からなる構造枠組みによって構成されている。
建築用竹集成材は、例えば、その地梁2、床3,5、壁4,6、屋根7などに用いられる。
【0034】
次に、以上のような構成からなる本実施形態の竹集成材を用いた家屋Kの構築方法について、図3に示す工程図を用いて具体的に説明する。
(2−1)基礎製作
まず、基礎1用の小石を敷設した後、地梁2を接続するためのアンカーボルトを埋め込む。
(2−2)地梁設置
次に、地梁2の材料となる竹集成材に防腐、防虫処理を施す。そして、防水シート(図示せず)を設置した基礎1の上に位置決めをしてから、竹集成材を設置して地梁2とし、これと基礎1とをアンカーボルトを介して接続する。
【0035】
(2−3)最下層の床の設置
次に、地梁2上に、床面となる板材(合板)を支持するための竹集成材からなる主梁及び副梁(図示せず)に、防腐、防虫処理を施し、これらを定められた位置に設置する。次に、竹集成材からなる床2の材料としての合板を、主梁と副梁の上に設置する。
(2−4)最下層壁構造枠組み設置
集成材法を用いて竹集成材を張り合わせ壁板とし、それらを組み合わせて壁構造枠組みとし、これを床3などに固定する。そして、複数の壁構造枠組みを、組み合わせて壁4とする。
【0036】
(2−5)上位層の床5の設置及び壁構造枠組み設置
最下位よりも上位の層を設置するときは、下位層の天井梁と天井(図示せず)を設置し、この下位層の上側に、上位層の床5を(2−3)と同様にして設置する。さらに、壁構造枠組みを、(2−4)と同様にして設け、上位層の壁6を設置する。
三層以上とするときは、この工程を繰り返す。
(2−6)屋根7の設置
最上位層の上側に屋根7を設ける。
【0037】
以上説明したように、本実施形態の竹集成材を用いた家屋Kによれば、上記製造方法により製造された竹集成材を用いたので、家屋の強度を向上させることができる。
即ち、竹集成材が、一般的に用いられる木材に比較して、木材の約1.8〜2倍の強度があるので、例えば、壁4,6などの建築材料の厚さを約16%程度小さくすることができ、各層を広くできるなど、スペースの有効利用に寄与することができる。
【0038】
また、金属ジョイントや釘などの関連材料も、少なくすることができるので、家屋を建設する際に用いられる建築材の総量を抑制させることができる。
これにより、材料を節約するだけでなくコストも大幅に低減できるため、建築における環境保全と節約の目標を達成することができる。
また、竹集成材の強度が高いので、金属部品(釘など)との結合が堅牢になり耐久性を増加させることができる。
また、上記の製造方法により製造された竹集成材を用いたので、木材と比較して強く、しかも、防腐性があるので、構造建築物の耐久性を向上させることができる。
【0039】
また、竹材の防腐性は木材と比較して強く竹材に防腐性があるので、家屋Kの耐用年数が延ばすことができる。
そのため、一般的に、木材を用いた構造化住宅(K)の補修は2年に1回であるのに対し、竹集成材を用いた構造化住宅(K)の補修は、3〜5年に1度程度でもよくなり補修間隔が長くなる。
これにより、補修回数も減少するため補修コストを下げることができ、家屋Kのランニングコストを下げることができる。
【0040】
また、構造用竹集成材に、難燃剤を塗布しているので、建築構造材の耐火温度を高めることができる。
また、表面に防水処理を施しているので防水、防湿性能が良好である。
【0041】
次に、本発明の別の実施形態に係る家屋について説明する。
上記実施形態の家屋は、いわゆる2×4(ツーバイフォー)工法、枠組み壁工法で構築された組み立て式の構造化住宅であるが、本実施形態の家屋は、軸組工法で構築されている。
【0042】
図4に示すように、この家屋K1は、土台11、柱12、間柱13、筋かい14、梁や桁などの横架材15、屋根16及び壁19の全部又は一部に上記の竹集成材が用いられている。
以上の構成からなる家屋K1は、例えば、次のようにして構築される。
まず、基礎10の上側に土台11を設け、土台11の上側に、柱12、間柱13、筋かい14、梁や桁などの横架材15を設け、これらの上部に屋根16を設ける。
そして、柱12、間柱13、筋かい14の外側に外壁17を、その内側に内壁18を、それぞれ取り付けて壁19を構築する。
【0043】
以上説明したように、本実施形態の家屋K1によれば、竹集成材を用いることにより、わが国の住宅工法の主流である軸組工法の家屋であっても、家屋K1の強度を向上させることができる。
また、上記の各実施形態の家屋によれば、竹集成材が抗菌性及び消臭性を有しているので、シックハウス症候群などを防止することもできる。
【0044】
以上、本発明の竹集成材の製造方法及び竹集成材を用いた家屋について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係る竹集成材の製造方法及び家屋は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、竹集成材は、家屋だけでなく種々の建築建造物に用いてよくこれに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態に係る建築用竹集成材の製造方法を示す工程図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る竹集成材を用いた家屋を、分解した状態で示す概略図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る家屋の構築方法を示す工程図である。
【図4】本発明の別の実施形態に係る竹集成材を用いた家屋を、分解した状態で示す概略図である。
【符号の説明】
【0046】
K 家屋
1 基礎
2 地梁
3,5 床
4,6 壁
7 屋根
10 基礎
11 土台
12 柱
13 間柱
14 筋かい
15 横架材
16 屋根
17 外壁
18 内壁
19 壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
竹材を防腐液に浸漬する工程と、防腐液に浸漬された竹材を乾燥する工程と、乾燥された竹材を熱処理する工程と、熱処理された複数の竹材を接着する工程とからなり、前記防腐液が、亜塩素酸ナトリウム(NaClO:Sodium Chlorite)の水溶液であることを特徴とする建築用竹集成材の製造方法。
【請求項2】
前記亜塩素酸ナトリウム水溶液が、濃度が0.01〜1.0質量パーセント濃度であり、温度が83℃〜93℃であることを特徴とする請求項1記載の建築用竹集成材の製造方法。
【請求項3】
前記竹材を熱処理する工程において、前記竹材を、炭化炉内に入れ、該炭化炉内の気圧を大気圧よりも大きくして加熱し、前記竹材を炭化することを特徴とする請求項1又は2記載の建築用竹集成材の製造方法。
【請求項4】
前記請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法により製造された建築用竹集成材が用いられることを特徴とする家屋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−297867(P2008−297867A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−147931(P2007−147931)
【出願日】平成19年6月4日(2007.6.4)
【出願人】(507182922)
【Fターム(参考)】