説明

建設機械のモニター画面取付装置

【課題】モニター画面を大型化することなく、モニター画面の視認性を向上させて作業効率を上げる。
【解決手段】有線式又は無線式のモニター画面16又は17をキャビン8内に設けて成る建設機械のモニター画面取付装置において、モニター画面固定部13,14,15をキャビン8内の複数箇所に設け、該モニター画面固定部13,14,15の何れかにモニター画面16又は17を着脱可能に固定する。有線式のモニター画面16の場合には、モニター画面固定部13,14,15の所定箇所にモニター画面接続用のコネクター18が配備される。又、無線式のモニター画面17の場合には、モニター画面17に受信器19が内蔵され、且つ、受信器18に表示用データ信号を外部から送信するための発信器20が具備される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建設機械のモニター画面取付装置に関するものであり、特に、キャビン内に有線式又は無線式のモニター画面が設けられた建設機械のモニター画面取付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、此種建設機械は、下部走行体上に上部旋回体が旋回可能に搭載され、該上部旋回体の前方一側部にキャビンが配設されている。そして、該キャビン内には運転席が設置されていると共に、該運転席の側方近傍には操作レバーが設置されている。
【0003】
また、運転席の前方下部には走行レバーが設置されている。更に、該運転席の前方部又は側方部には有線式又は無線式のモニター画面が固定して設置されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−307483号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記モニター画面はキャビン内の1箇所に固定して設置されているので、オペレータの体格、姿勢又は作業操作内容等によってはモニター画面の目視が困難になる。かかる場合は、モニター画面の視認性が低下して、作業操作性及び作業効率が悪化するという問題があった。
【0005】
前記問題を解決するためには、例えばモニター画面の表示画面部を大型化することが考えられるが、この場合にはキャビン内のスペースが限られているので、所要の作業空間が確保されなくなる。
【0006】
そこで、モニター画面を大型化することなく、該モニター画面の視認性を向上させて作業効率をアップさせるために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記の目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、キャビン内に有線式のモニター画面が配設された建設機械のモニター画面取付装置において、前記キャビン内の複数箇所に、モニター画面接続用のコネクターを有するモニター画面固定部が設けられ、該モニター画面固定部の何れか1箇所に前記モニター画面を着脱可能に固定できるように構成したことを特徴とする建設機械のモニター画面取付装置を提供する。
【0008】
この構成によれば、キャビンの複数箇所にモニター画面接続用コネクターを有するモニター画面固定部を設けたので、モニター画面を設置する際、オペレータは、複数箇所のモニター画面固定部のうちから最も視認し易い1箇所を選定して、当該箇所に有線式のモニター画面を固定する。そして、該モニター画面にモニター画面固定部側のコネクターを接続することにより、モニター画面に各種情報が表示される。
【0009】
請求項2記載の発明は、キャビン内に無線式のモニター画面が配設された建設機械のモニター画面取付装置において、前記キャビン内の複数箇所にモニター画面固定部が設けられ、該モニター画面固定部の何れか1箇所に前記モニター画面を着脱可能に固定できるように構成したことを特徴とする建設機械のモニター画面取付装置を提供する。
【0010】
この構成によれば、キャビン内の複数箇所にモニター画面固定部を設けたので、モニター画面を設置する際、オペレータは請求項1記載の発明と同様に無線式のモニター画面を設置できる。即ち、複数箇所のモニター画面固定部のうちから最も視認し易い1箇所を選定して、当該箇所に無線式のモニター画面を固定する。そして、無線式のモニター画面に内蔵された受信器に外部から表示用のデータ信号を送信することにより、モニター画面に各種情報が表示される。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明は、オペレータの体格、姿勢又は作業操作内容等に応じて、複数箇所のモニター画面固定部のうちで最適な箇所に有線式のモニター画面を設置できるので、モニター画面をより見易い設置環境に設定でき、以て、モニター画面の視認性が改善して、作業操作性及び作業効率を向上させることができる。
【0012】
請求項2記載の発明は、オペレータの体格、姿勢又は作業操作内容等に応じて、複数箇所のモニター画面固定部のうちで最適な箇所に無線式のモニター画面を設置できるので、請求項1記載の発明と同様の効果、即ち、モニター画面をより見易い設置環境に設定でき、モニター画面の視認性が改善して作業操作性及び作業効率を向上させることができる。又、モニター画面固定部にはモニター画面接続用のコネクターを設ける必要がないので、構造の簡素化が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、モニター画面を大型化することなく、該モニター画面の視認性を向上させて操作作業性を改善するという目的を達成するために、キャビン内に有線式のモニター画面が配設された建設機械のモニター画面取付装置において、前記キャビン内の複数箇所に、モニター画面接続用のコネクターを有するモニター画面固定部が設けられ、該モニター画面固定部の何れか1箇所に前記モニター画面を着脱可能に固定できるように構成したことによって実現した。
【実施例】
【0014】
以下、本発明に係る好適な一実施例を図1乃至図4に従って説明する。本実施例は油圧ショベルに適用したものであるが、本発明はこれに限定されるべきではなく、油圧ショベル以外の建設機械のモニター画面取付装置にも適用可能である。
【0015】
図1において、油圧ショベル1の下部走行体2上には上部旋回体3が旋回フレーム4を介して旋回可能に搭載されている。又、上部旋回体3の前方中央部にはブーム5が俯仰動可能に設けられていると共に、該ブーム5の先端部にはアーム6が上下回動可能に枢着されている。さらに、アーム6の先端部にはバケット7が上下回動可能に取り付けられている。
【0016】
上部旋回体3の前方一側部にはキャビン8が配設されている。図2はキャビン8内を示す斜視図である。同図に示すように、キャビン8内には運転席10が設置され、該運転席10の左右両側近傍には、左操作レバー11及び右操作レバー12が設置されている。また、運転席10の前方下部には走行レバー9が設けられている。
【0017】
更に、キャビン8内における複数箇所にはモニター画面固定部が設けられている。図示例では、キャビン8内における前方下部、前方天井部及び側方中間部の3箇所にモニター画面固定部13,14,15が設けられている。尚、本発明に係るモニター画面固定部は図示例に限定されるべきではなく、キャビン8内における前方下部、前方天井部及び側方中間部の3箇所以外に設けることも可能である。
【0018】
従って、オペレータは体格、姿勢又は作業操作内容などに応じて、モニター画面固定部13,14,15の何れか1箇所、即ち、オペレータが最も見易いモニター画面固定部13,14又は15を選定して、該選定した箇所に前記有線式のモニター画面16又は無線式のモニター画面17を着脱可能に固定できるように構成されている。
【0019】
ここで、有線式のモニター画面16を設置する場合には、図3に示すように、モニター画面固定部13,14,15の所定箇所にモニター画面接続用のコネクター18が配備される。依って、モニター画面固定部13,14,15の何れの箇所に有線式のモニター画面16を設置した場合でも、該モニター画面16に設けた接続ポートに前記コネクター18を接続することにより、該モニター画面16に各種機器類の作業状況データなどの情報が表示可能になる。
【0020】
又、無線式のモニター画面17を設置する場合には、図4に示すように、該モニター画面17には受信器19が内蔵されているため、該受信器19に発信器20から表示用データ信号が送信される。これにより、該モニター画面17に各種機器類の作業状況データなどの情報が表示可能になる。
【0021】
尚、前記発信器20はキャビン8内の適宜箇所、例えば、運転席10の近傍に設けた操作パネル(図示せず)に配設することができる。
【0022】
以上の如く本発明によると、有線式のモニター画面16の場合には、キャビン8内の複数箇所に、モニター画面接続用コネクター18を有するモニター画面固定部13,14,15を設けたので、該モニター画面固定部13,14,15のうちで最適な箇所、即ち、オペレータの体格、姿勢又は作業操作内容等に応じて最も見易い1箇所を選定して、当該箇所に有線式のモニター画面16を容易に取り付けることができる。
【0023】
斯くして、オペレータは、有線式のモニター画面16をより見易い設置環境に固定して使用できるので、モニター画面16の視認性が向上して、作業操作性及び作業効率が大幅にアップする。
【0024】
更に、モニター画面16を大型化する必要がないので、キャビン8内のスペースが狭小である場合にも容易に適用することができる。
【0025】
又、受信器19を内蔵した無線式のモニター画面17を設置した場合も、上記同様に、オペレータの体格、姿勢又は作業操作内容等に応じて最も見易いモニター画面固定部13,14又は15の1箇所を選定して、当該箇所に無線式のモニター画面17を容易に取り付けることができる。
【0026】
斯くして、オペレータは、無線式のモニター画面17をより見易い設置環境に固定して使用できるので、モニター画面17の視認性が向上して、作業操作性及び作業効率がアップする。
【0027】
特に、無線式のモニター画面17の場合には、モニター画面固定部13,14,15に上記コネクター18を配線する必要がないので、モニター画面固定部13,14,15の構造が簡素化する利点を有する。
【0028】
尚、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施例を示し、建設機械としての油圧ショベルの側面図。
【図2】一実施例に係るキャビンの内部を部示す斜視図。
【図3】一実施例に係る有線式のモニター画面を固定するためのモニター画面固定部を示す正面図。
【図4】一実施例に係る無線式のモニター画面を示す正面図。
【符号の説明】
【0030】
1 油圧ショベル
2 下部走行体
3 上部旋回体
8 キャビン
10 運転席
13〜15 モニター画面固定部
16 有線式のモニター画面
17 無線式のモニター画面
18 コネクター
19 受信器
20 発信器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビン内に有線式のモニター画面が配設された建設機械のモニター画面取付装置において、前記キャビン内の複数箇所に、モニター画面接続用のコネクターを有するモニター画面固定部が設けられ、該モニター画面固定部の何れか1箇所に前記モニター画面を着脱可能に固定できるように構成したことを特徴とする建設機械のモニター画面取付装置。
【請求項2】
キャビン内に無線式のモニター画面が配設された建設機械のモニター画面取付装置において、前記キャビン内の複数箇所にモニター画面固定部が設けられ、該モニター画面固定部の何れか1箇所に前記モニター画面を着脱可能に固定できるように構成したことを特徴とする建設機械のモニター画面取付装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate