説明

建設機械

【課題】大型の建設機械であっても、油圧配管の配索のはみ出しを防いで見映えよくし、また、油圧配管を安全に脱着できるようにする。
【解決手段】複数の油圧配管20で上部旋回体3(建設機械本体)が内蔵する油圧源と各油圧アクチュエータとをつなぐ。油圧配管20として、フットアダプタ19(第1中間ブーム)を這う第1油圧配管21と、フロントブーム6(第2中間ブーム)を這う第2油圧配管22と、基端側が第1油圧配管21に接続され、フットアダプタ19の先端部から離れる方向に逆U字状に湾曲して立ち上がるように延びて先端が第2油圧配管22に接続される湾曲型配管23とを設ける。第1油圧配管21は、フットアダプタ19の側面19aを這った後、少なくとも一部がフットアダプタ19の腹面19bに沿って延び、フットアダプタ19の先端部を折り返すように背面19cまで延びた後、湾曲型配管23の基端に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の中間ブームが連結される解体機などの建設機械に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、油圧源を備えた建設機械本体と、この建設機械本体に起伏自在に連結されるブームの一部を構成する第1中間ブームと、この第1中間ブームの一端側に中間連結ピンによって回動自在に連結される第2中間ブームと、一端が上記第1中間ブームに連結され、他端が上記第2中間ブームに連結された中間ジブシリンダと、複数の単位配管に分割されると共に、該単位配管同士が互いの継手により接続されて上記油圧源と上記中間ジブシリンダを含む各油圧アクチュエータとをつなぐ複数の油圧配管とを備えた建設機械は知られている。
【0003】
通常、複数本よりなる油圧配管は、ブームの起伏動作を阻害しないように、ブームの背面に沿って配索され、それぞれの単位配管はクイックカプラと呼ばれる継手で連結されている。ブームの組立分解の作業性の関係上、第1中間ブームと第2中間ブームとに中間ジブシリンダをつなげたまま運搬される。例えば、メインブームの先端に第1中間ブームとしてのフットアダプタを取り付け、第2中間ブームとしてのフロントブームにアームを連結し、このアームにさらに破砕機やバケットを連結する建設機械が知られている。このような建設機械では、フットアダプタの背面を這う油圧配管は、フロントブームの動きにあわせて油圧配管が無理なく追従できるように上方向に逆U字状に湾曲した油圧配管に接続されている。
【0004】
一方、超ロングブーム、セパレートブーム等を取り替え可能な大型の建設機械では、ブーム背面に油圧配管を這わせると、ブーム自体の高さが高いため、油圧配管の脱着時にブーム背面にのぼって作業を行う必要があり、安全性が低下するという問題がある。
【0005】
そこで、例えば、特許文献1のようにブームの側面に油圧配管を沿わせることが行われている。
【特許文献1】特開2006−233571号公報(特に、図13及び図14)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の建設機械で、配索のはみ出しを防いで見映えよくするため上記従来の建設機械のように、中間ブームの連結部分に上方向に湾曲した油圧配管を設けようとすると、側面に沿う油圧配管を背面側へ向かわせる必要が出てくる。
【0007】
特に上記フットアダプタのように、建設機械のバランスの上で長くできない部位に油圧配管の配索をしようとすると、全ての油圧配管を湾曲した油圧配管へ向かわせるルートの確保が極めて困難になり、油圧配管の配索のはみ出し等が発生するという問題があった。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、大型の建設機械であっても、油圧配管の配索のはみ出しを防いで見映えよくし、また、油圧配管を安全に脱着できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、この発明では、第1中間ブームの側面を這う油圧配管の少なくとも一部を第1中間ブームの腹面に沿って延ばし、さらに第1中間ブームの一端側を折り返すように背面まで延ばした。
【0010】
具体的には、第1の発明では、
油圧源を備えた建設機械本体と、
該建設機械本体に起伏自在に連結されるブームの一部を構成する第1中間ブームと、
該第1中間ブームの一端側に中間連結ピンによって回動自在に連結される第2中間ブームと、
一端が上記第1中間ブームに連結され、他端が上記第2中間ブームに連結された中間ジブシリンダと、
複数の単位配管に分割されると共に、該単位配管同士が互いの継手により接続されて上記油圧源と上記中間ジブシリンダを含む各油圧アクチュエータとをつなぐ複数の油圧配管とを備えた建設機械を対象とする。
【0011】
そして、上記油圧配管は、
上記第1中間ブームを這う第1油圧配管と、
上記第2中間ブームを這う第2油圧配管と、
基端側が上記第1油圧配管に接続され、上記第1中間ブームの一端側から離れる方向に逆U字状に湾曲して立ち上がるように延びて先端が上記第2油圧配管に接続される湾曲型配管とを備え、
上記第1油圧配管は、上記第1中間ブームの側面を這った後、少なくとも一部が該第1中間ブームの腹面に沿って延び、該第1中間ブームの一端側を折り返すように背面まで延びた後、上記湾曲型配管の基端に接続される構成とする。
【0012】
上記の構成によると、中間ジブシリンダによって、第1中間ブームと第2中間ブームとが相対的に回動されても、湾曲型配管により、配索のはみ出しが防止されるので、見映えがよい。第1油圧配管は、第1中間ブームの側面を這うため、大型の建設機械であってもブームの組立又は分解時等に第1中間ブームの基端側の油圧配管の継手との着脱が容易である。また、その少なくとも一部が第1中間ブームの腹面に沿って延びて湾曲型配管に接続されるので、第1中間ブームが建設機械のバランス上短い場合でも、湾曲型配管への配索が容易である上、見映えがよい。なお、第1油圧配管の残りは第1中間ブームの側面から直接第1中間ブームの背面に延ばすようにすれば、第1中間ブームの幅が狭い場合にも対応できる。なお、第1中間ブームと第2中間ブームとは、いずれがブームの基端側に配置されてもよい。
【0013】
第2の発明では、第1の発明において、
上記第1油圧配管の先端は、上記第1中間ブームの背面に設けたマニフォールドブロックに接続され、該マニフォールドブロックには、上記湾曲型配管の基端が接続される構成とする。
【0014】
上記の構成によると、第1中間ブームの一端側を折り返してきた第1油圧配管を、マニフォールドブロックの前面に接続し、残りの第1油圧配管をマニフォールドブロックの左右側面に接続すれば、第1油圧配管の配索が容易である。また、マニフォールドブロックの上面に湾曲型配管の基端を接続することで、湾曲型配管が確実に起立して湾曲するので、第2中間ブームを回動させても、配索のはみ出しを防いで見映えがよくなる。
【0015】
第3の発明では、第1又は第2の発明において、
上記マニフォールドブロックには、上記油圧アクチュエータの推力調整用のリリーフバルブが取り付けられている。
【0016】
上記の構成によると、例えば、ブームの先端に取り付ける破砕機やバケットを操作するバケットシリンダのヘッド側の推力調整を行うためのリリーフバルブを、破片などが衝突しやすいバケットシリンダに取り付ける必要が無くなり、リリーフバルブの破損が防止される。
【0017】
第4の発明では、第1乃至第3のいずれか1つの発明において、
上記第1中間ブームの腹面に沿う第1油圧配管は、左右に延びるクランプ部材により、結束されている。
【0018】
上記の構成によると、クランプ部材が第1中間ブームの腹面に沿う複数の第1油圧配管の取付位置のずれを防ぎ、第2中間ブームの回動時に第1油圧配管が擦れ合うのを防止している。
【0019】
第5の発明では、第1乃至第4のいずれか1つの発明において、
上記第1中間ブームは、上記建設機械本体に起伏自在に連結されたメインブームの先端に回動不能に接続されるフットアダプタである。
【0020】
すなわち、建設機械のバランスの上で長くできないフットアダプタは、第1油圧配管を湾曲型配管まで向かわせるためのスペースを確保しがたいが、上記の構成によると、その一部が第1中間ブームの一端側(先端側)を折り返すように通るので、配索が極めて容易になる。
【0021】
第6の発明では、第1乃至第5のいずれか1つの発明の建設機械は、解体機とする。
【0022】
上記の構成によると、超ロングアタッチメント、セパレートブーム、バケットブームなどの複数種類のブームに取り替え可能な解体機において、油圧配管の見映えがよくなると共に、その脱着作業が容易になる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明によれば、第1中間ブームの側面を這った第1油圧配管の少なくとも一部を第1中間ブームの腹面に沿って延ばした後、第1中間ブームの一端側を折り返すように背面まで延ばして湾曲型配管の基端に接続するようにしたことにより、大型の建設機械であっても、油圧配管の配索のはみ出しを防いで見映えよくすることができ、また、油圧配管を安全に脱着することができる。
【0024】
上記第2の発明によれば、第1油圧配管の先端を第1中間ブームの背面に設けたマニフォールドブロックに接続し、このマニフォールドブロックに湾曲型配管の基端を接続したことにより、油圧配管の配索を容易に行うことができると共に、湾曲型配管を確実に起立させて配索のはみ出しを防いで見映えよくすることができる。
【0025】
上記第3の発明によれば、マニフォールドブロックに油圧アクチュエータの推力調整用のリリーフバルブを取り付けたことにより、リリーフバルブの破損を防止して、確実かつ安全に油圧アクチュエータの推力調整を行うことができる。
【0026】
上記第4の発明によれば、第1中間ブームの腹面に沿う第1油圧配管を左右に延びるクランプ部材により結束したことにより、第1油圧配管の取付位置のずれを防いで互いに擦れ合うのを防止することができる。
【0027】
上記第5の発明によれば、第1中間ブームを、メインブームの先端に回動不能に接続され、油圧配管を配索する十分なスペースのないフットアダプタとした場合でも、油圧配管の配索を極めて容易に行うことができる。
【0028】
上記第6の発明によれば、油圧配管の見映えがよく、その脱着作業が容易な解体機が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0030】
図1は本発明の実施形態の解体機1を示し、この建設機械としての解体機1は、下部走行体2及びこの下部走行体2に旋回自在に搭載される建設機械本体としての上部旋回体3を備えている。上部旋回体3には、図示しない油圧ポンプ等の油圧源が内蔵され、そのフロント部3aには、メインブーム4が起伏自在に連結されている。メインブーム4は、左右一対の起伏シリンダ5により、起伏操作可能となっている。このメインブーム4に種々のアタッチメントを連結することで解体機1は、様々な用途に使用可能となっている。
【0031】
本実施形態では、ブームとして、いわゆるセパレートブームが連結されている。すなわち、メインブーム4の先端には、第1中間ブームとしてのフットアダプタ19が固定ピン17によって回動不能に連結されている。フットアダプタ19は、解体機1のバランスの関係上、他のブーム構成部材に比べて短く、側面視台形となっている。このフットアダプタ19の上側先端には、第2中間ブームとしてのフロントブーム6が中間連結ピン18によって回動自在にピン結合されている。フロントブーム6は、チューブ側がフロントブーム6の腹面に回動可能に連結され、ロッド側がフットアダプタ19の腹面19bに回動可能に連結された中間ジブシリンダ12により、回動操作可能となっている。このことで、中間ジブシリンダ12を取り外すことなく、固定ピン17を抜き、メインブーム4とフットアダプタ19とを切り離してブームの分解輸送が可能となっている。
【0032】
フロントブーム6の先端には、アーム7がアーム連結ピン8によってピン結合されている。アーム7は、フロントブーム6背面にチューブ側が回動可能に連結されると共に、アーム7の基端にロッドが連結された一対のアームシリンダ9によって回動操作可能となっている。なお、アームシリンダ9は、一本でもよい。
【0033】
上記アーム7の先端には、アームトップピン13が挿入可能であり、このアームトップピン13によって、破砕機10がピン結合されている。破砕機10の基端には、バケットリンク14の一端がバケット側リンクピン14aによって連結されている。破砕機10は、チューブ側がアーム7の基端側背面に回動可能に連結され、ロッド側がバケットリンク14の他端に連結されたバケットシリンダ16により、回動操作可能となっている。破砕機は、基端側が回転可能に構成され、先端には、開閉自在の腕10aが設けられている。なお、先端アタッチメントは、破砕機10に限定されず、バケット等でもよい。
【0034】
上記油圧源と、上記中間ジブシリンダ12を含む各油圧アクチュエータとは、複数の油圧配管20で接続されている。油圧配管20は、フットアダプタ19よりも先端側にあるアクチュエータに必要な数だけ存在する。例えば、破砕機10の回転、開閉、ドレンのための油圧配管20や、一対のアームシリンダ9、中間ジブシリンダ12、バケットシリンダ16等の伸縮のための油圧配管20が配索されている。各油圧配管20は、複数の単位配管に分割されると共に、これら単位配管同士が互いの油圧継手20aやブロック等により接続されている。単位配管は、ゴム製ホースであってもよいし、金属製のチューブであってもよく、適宜クランプ20b等によりブームに固定されている。
【0035】
図2乃至図4に示すように、上記油圧配管20のうち、フットアダプタ19を這う第1油圧配管21は、例えば、13本あり、その全てがフットアダプタ19の左右いずれかの側面19aを這った後、少なくとも一部(例えば、13本中7本)がフットアダプタ19の腹面19bに沿って延び、さらに、フットアダプタ19の先端部の中間連結ピン18を支持するボスの外周に沿って折り返され、フットアダプタ19の背面19cまで延びている。フットアダプタ19の腹面19bに沿う第1油圧配管21は、左右に延びるクランプ部材27により、結束されている。このクランプ部材27がフットアダプタ19の腹面19bに沿う複数の第1油圧配管21の取付位置のずれを防ぎ、フロントブーム6の回動時に第1油圧配管21が擦れ合うのを防止している。
【0036】
図5に示すように、上記フロントブーム6の左右側面には、第2油圧配管22が這っている。詳しくは図示しないが、第2油圧配管22のうち3本が一対のアームシリンダ9に接続され、2本が中間ジブシリンダ12に接続され、残りがさらにアーム7側へ延びている。なお、第1油圧配管21及び第2油圧配管22は、それぞれ複数の単位配管に分割され、互いに油圧継手20aで互いに接続されると共に、適宜クランプ20bによってフットアダプタ19やフロントブーム6に固定されている。
【0037】
第1油圧配管21の先端は、フットアダプタ19の背面19cに設けたマニフォールドブロック25に接続されている。マニフォールドブロック25には、湾曲型配管23の基端が接続されている。湾曲型配管23は、フットアダプタ19の先端部から離れる方向に逆U字状に湾曲して立ち上がるように延び、第1油圧配管21と第2油圧配管22とを接続している。例えば、フットアダプタ19の先端部を折り返してきた7本の第1油圧配管21を、マニフォールドブロック25の前面に上下2段に分けて接続し(図4は、その上段側を示す)、残りの8本の第1油圧配管21をマニフォールドブロック25の左右側面に3本ずつ接続すれば、フットアダプタ19の幅が狭い場合でも、第1油圧配管21の配索が容易となっている。また、マニフォールドブロック25の上面に湾曲型配管23の基端を接続することで、湾曲型配管23が確実に起立して湾曲するので、フロントブーム6を回動させても、配索のはみ出しを防いで見映えがよくなっている。また、第1油圧配管21は、フットアダプタ19の側面19aを這うため、大型の解体機1であってもブームの組立又は分解時等にフットアダプタ19の基端側の油圧配管20の継手20aとの着脱が容易である。また、その少なくとも一部がフットアダプタ19の腹面19bに沿って延びて湾曲型配管23に接続されるので、フットアダプタ19が解体機1のバランス上短い場合でも、湾曲型配管23への配索が容易である上、見映えがよい。
【0038】
また、マニフォールドブロック25には、バケットシリンダ16の推力調整用のリリーフバルブ26が取り付けられている。このように、ブームの先端に取り付ける破砕機10やバケットを操作するバケットシリンダ16のヘッド側の推力調整を行うためのリリーフバルブ26を、破片などが衝突しやすいバケットシリンダ16に直接取り付ける必要が無くなり、リリーフバルブ26の破損が防止されている。
【0039】
このように、解体機1のバランスの上で長くできないフットアダプタ19は、第1油圧配管21を湾曲型配管23まで向かわせるためのスペースを確保しがたいが、その一部がフットアダプタ19の先端部を折り返すように通るので、配索が極めて容易になる。
【0040】
また、超ロングアタッチメント、セパレートブーム、バケットブームなどの複数種類のブームに取り替え可能な解体機1において、油圧配管20の見映えがよくなると共に、その脱着作業が容易になる。
【0041】
−実施形態の効果−
したがって、本実施形態にかかる解体機1によると、フットアダプタ19の側面19aを這った第1油圧配管21の少なくとも一部をフットアダプタ19の腹面19bに沿って延ばした後、フットアダプタ19の先端部を折り返すように背面19cまで延ばして湾曲型配管23の基端に接続するようにしたことにより、大型の解体機1であっても、油圧配管20の配索のはみ出しを防いで見映えよくすることができ、また、油圧配管20を安全に脱着することができる。
【0042】
上記実施形態によれば、第1油圧配管21の先端をフットアダプタ19の背面19cに設けたマニフォールドブロック25に接続し、このマニフォールドブロック25に湾曲型配管23の基端を接続したことにより、油圧配管20の配索を容易に行うことができると共に、湾曲型配管23を確実に起立させて配索のはみ出しを防いで見映えよくすることができる。
【0043】
上記実施形態によれば、マニフォールドブロック25にバケットシリンダ16の推力調整用のリリーフバルブ26を取り付けたことにより、リリーフバルブ26の破損を防止して、確実かつ安全にバケットシリンダ16の推力調整を行うことができる。
【0044】
上記実施形態によれば、フットアダプタ19の腹面19bに沿う第1油圧配管21を左右に延びるクランプ部材27により結束したことにより、第1油圧配管21の取付位置のずれを防いで互いに擦れ合うのを防止することができる。
【0045】
上記実施形態によれば、第1中間ブームを、メインブーム4の先端に回動不能に接続され、油圧配管20を配索する十分なスペースのないフットアダプタ19とした場合でも、油圧配管20の配索を極めて容易に行うことができる。
【0046】
上記実施形態によれば、油圧配管20の見映えがよく、その脱着作業が容易な解体機1が得られる。
【0047】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0048】
すなわち、上記実施形態では、第1油圧配管21の本数を13本としたが、これに限定されず、何本でもよいが本数が多いほど、本発明の効果が顕著である。また、第1油圧配管21の一部をフットアダプタ19の腹面19bに沿って延ばしたが、その本数は限定されず、また、全てをフットアダプタ19の腹面19bに沿って延ばして先端部を折り返すように背面19cまで延ばしてもよい。
【0049】
上記実施形態では、メインブーム4のすぐ上のフットアダプタ19を第1中間ブームとし、フロントブーム6を第2中間ブームとしたが、これに限定されず、一端が第1中間ブームに連結され、他端が第2中間ブームに連結された中間ジブシリンダを備えた部位であれば、どの位置の中間ブームであっても本発明を適用することができる。
【0050】
また、第1中間ブームと第2中間ブームとは、いずれが基端側に配置されてもよい。すなわち、上記実施形態とは逆に第2中間ブームがブームの基端側に配置され、その第2中間ブームに第1中間ブームが連結されるような場合にも本発明を適用することができる。
【0051】
上記実施形態では、リリーフバルブ26をバケットシリンダ16の推力調整用のものとしたが、これに限定されず、他のアクチュエータの推力調整用のものとしてもよい。
【0052】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0053】
以上説明したように、本発明は、超ロングブーム、セパレートブーム等を取り替え可能な大型の油圧ショベル等の建設機械について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施形態にかかる解体機を示す側面図である。
【図2】第1油圧配管が配索されたフットアダプタを示す側面図である。
【図3】図2のIII方向からみた矢視図である。
【図4】図2のIV方向からみた矢視図である。
【図5】湾曲型配管及びその周辺を示す側面図である。
【符号の説明】
【0055】
1 解体機(建設機械)
3 上部旋回体(建設機械本体)
4 メインブーム
6 フロントブーム(第2中間ブーム)
12 中間ジブシリンダ
16 バケットシリンダ
18 中間連結ピン
19 フットアダプタ(第1中間ブーム)
19a 側面
19b 腹面
19c 背面
20 油圧配管
20a 継手
21 第1油圧配管
22 第2油圧配管
23 湾曲型配管
25 マニフォールドブロック
26 リリーフバルブ
27 クランプ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧源を備えた建設機械本体と、
該建設機械本体に起伏自在に連結されるブームの一部を構成する第1中間ブームと、
該第1中間ブームの一端側に中間連結ピンによって回動自在に連結される第2中間ブームと、
一端が上記第1中間ブームに連結され、他端が上記第2中間ブームに連結された中間ジブシリンダと、
複数の単位配管に分割されると共に、該単位配管同士が互いの継手により接続されて上記油圧源と上記中間ジブシリンダを含む各油圧アクチュエータとをつなぐ複数の油圧配管とを備えた建設機械であって、
上記油圧配管は、
上記第1中間ブームを這う第1油圧配管と、
上記第2中間ブームを這う第2油圧配管と、
基端側が上記第1油圧配管に接続され、上記第1中間ブームの一端側から離れる方向に逆U字状に湾曲して立ち上がるように延びて先端が上記第2油圧配管に接続される湾曲型配管とを備え、
上記第1油圧配管は、上記第1中間ブームの側面を這った後、少なくとも一部が該第1中間ブームの腹面に沿って延び、該第1中間ブームの一端側を折り返すように背面まで延びた後、上記湾曲型配管の基端に接続されている
ことを特徴とする建設機械。
【請求項2】
請求項1に記載の建設機械において、
上記第1油圧配管の先端は、上記第1中間ブームの背面に設けたマニフォールドブロックに接続され、該マニフォールドブロックには、上記湾曲型配管の基端が接続されている
ことを特徴とする建設機械。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の建設機械において、
上記マニフォールドブロックには、上記油圧アクチュエータの推力調整用のリリーフバルブが取り付けられている
ことを特徴とする建設機械。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1つに記載の建設機械において、
上記第1中間ブームの腹面に沿う第1油圧配管は、左右に延びるクランプ部材により、結束されている
ことを特徴とする建設機械。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1つに記載の建設機械において、
上記第1中間ブームは、上記建設機械本体に起伏自在に連結されたメインブームの先端に回動不能に接続されるフットアダプタである
ことを特徴とする建設機械。
【請求項6】
解体機であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の建設機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−19397(P2009−19397A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−182151(P2007−182151)
【出願日】平成19年7月11日(2007.7.11)
【出願人】(000246273)コベルコ建機株式会社 (644)
【Fターム(参考)】