説明

引戸

【課題】 縦長で長尺の引手を仮施錠装置の解錠操作するための操作部材を取り付ける座板と兼用させることで取り付け作業が容易で体裁のよい引戸を提供すること。
【解決手段】 ラッチング鎌錠等の仮施錠装置を取り付けた引戸に形成された縦長の溝に縦長で長尺の引手を取り付けてある引戸において、前記引手は引戸の高さの50%〜100%の長さで、表面側には前記仮施錠装置の解錠操作するためのサムターンやスライドボタン等の操作部材が収容される溝が形成され、裏面側には前記引戸に形成された縦長の溝の低壁との間に1mm〜3mmのクリアランスが形成されるような2つの足片が形成され、前記仮施錠装置を解錠操作するための操作部材の操作桿を仮施錠装置内に嵌入させるための丸孔や角孔等の孔を予め形成してあることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦長で長尺の引手付き引戸に関するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
従来から縦長で長尺の引手付き引戸は公知である。
【0003】
縦長で長尺の引手付き引戸は身長の高低に拘らずどの位置からでも手を掛けて引戸を開閉できるので、身長の低い小児のいる室内の間仕切り戸では特に便利であり、また、縦長で長尺の引手は引戸の装飾にもなり、体裁のよい引戸を提供できることから近年多くの家庭で採用されている。
【0004】
このような引戸において引戸を閉めた後引手に手を掛けただけの状態では開けないように仮に保持しておく仮施錠装置として、特開平10−292693号公報に記載されるような所謂ラッチング鎌錠を取り付けて使用する場合がある。
【0005】
しかしながら、仮施錠装置の解錠操作するための操作部材を引手とは別の箇所に設けなければならず、引手の取付作業の他に操作部材の座板を取り付ける作業を要するだけでなく、座板が引手とは別の箇所に見えて体裁が悪いという問題点があった。
【発明の目的】
【0006】
本発明の目的は、縦長で長尺の引手を仮施錠装置の解錠操作するための操作部材を取り付ける座板と兼用させることで取り付け作業が容易で体裁のよい引戸を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る引戸は、ラッチング鎌錠等の仮施錠装置を取り付けた引戸に形成された縦長の溝に縦長で長尺の引手を取り付けてある引戸において、前記引手は引戸の高さの50%〜100%の長さで、表面側には前記仮施錠装置の解錠操作するためのサムターンやスライドボタン等の操作部材が収容される溝が形成され、裏面側には前記引戸に形成された縦長の溝の低壁との間に1mm〜3mmのクリアランスが形成されるような2つの足片が形成され、前記仮施錠装置を解錠操作するための操作部材の操作桿を仮施錠装置内に嵌入させるための丸孔や角孔等の孔を予め形成してあることを特徴とするものである。
【発明の作用】
【0008】
本発明に係る引戸では、引手に仮施錠装置を解錠操作するためのサムターンやスライドボタン等の操作部材を収容できる溝が形成され、且つ、操作部材の操作桿を仮施錠装置内に嵌入させるための丸孔乃至角孔が予め形成されているので、仮施錠装置の解錠操作するための操作部材を取り付ける座板を別途に取り付ける必要がなく、取付作業が容易で、体裁のよい引戸が提供できる。
【実施例1】
【0009】
図1は、本発明引戸の分解斜視図、図2は、引手の斜視図、図3は、図2のA−A線における拡大断面図である。
【0010】
図において、1は、木製の引戸であって、敷居の溝を滑るものやレール上を転動するもの或いは吊り引戸であってもよいものである。
【0011】
2は、引戸1に取り付けられた特開平10−292693号公報に記載されるようなラッチング鎌錠等のケースロックやチューブラーロック形式の仮施錠装置で、サムターンやスライドボタン等の操作部材2−1で解錠操作ができる従来から公知のものであるので、具体的な作動の説明は省略する。
【0012】
3は、引手であって、アルミニュウム等の金属或いは樹脂の引き抜き又は押し出しにより成形した長尺のものを引戸1の高さの50%〜100%の長さに切断して使用するもので、その断面形状は、
▲1▼ 正面板となる平板部3−1と
▲2▼ 同平板部3−1の左右端部から立ち上がる側壁部3−2、3−2と
▲3▼ 両側壁部3−2、3−2の上端から左右に延びるフランジ部3−3、3−3と
▲4▼ 両側壁部3−2、3−2を反対側に延長した足片3−4、3−4とから
成るコ字形の形状をしており、平板部3−1の仮施錠装置2の解錠操作位置には操作部材2−1の操作桿2−2を仮施錠装置2内に嵌入させるための丸孔、角孔等の孔3−5が形成されている。
【0013】
引手3は上記構成により、平板部3−1と両側壁部3−2、3−2との間で形成される溝3aにはサムターンやスライドボタン等の操作部材2−1が収容されるようになっており、また、平板部3−1と両足片3−3、3−3との間で形成されるクリアランスの溝3b内に前記孔3−2に嵌入させる操作部材2−1の操作桿2−2の抜け止め用のリテーナー等の部材が収まるようになっており、このクリアランスは1mm〜3mmが好ましい。
【0014】
次に、本発明の引戸に引手を取り付ける方法を説明する。
【0015】
引戸1の側端面の所定箇所には予め仮施錠装置2を取り付けるための掘り込み孔1aと、前後表面には引手3を嵌め込んで取り付けるための溝1bが形成してあり、この溝の長さは取り付ける引手2の長さに調整してあり、引戸1の高さの50%であれば幼児でも手が届く位置に引手3の一部がくるような箇所に溝を形成し、100%の場合は図1のように引戸1の縦方向全長に亘って溝1bを形成しておく。
【0016】
この状態で仮施錠装置2を所定箇所の掘り込み孔1aに取り付け、引戸1の前後表面の溝1bに引手3を嵌め込んで取り付けるのであるが、引手3には予め仮施錠装置2の解錠操作するための操作部材2−1の操作桿2−2を仮施錠装置2内に嵌入させるための丸孔や角孔等の孔3−5を穿っておく。
本実施例の場合、操作部材2−1としてサムターンを採用したので、丸孔としてある。
【0017】
前記引手3の孔3−1に操作桿2−2を嵌入させ、前記クリアランスの溝3bに収まる厚さのリテーナーで抜け止めを施して操作桿2−2の先端を仮施錠装置2内に嵌入させるようにして引手3を引戸1の溝1bに嵌め込んで取り付ける。
【0018】
この取付手段としてネジ止め手段が最も簡単であるが、体裁を考えて強力な接着剤で取り付けるのが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
以上述べたように、本発明に係る引戸によれば、ラッチング鎌錠等の仮施錠装置を取り付けた引戸に形成された縦長の溝に縦長で長尺の引手を取り付けてある引戸において、前記引手は引戸の高さの50%〜100%の長さで、表面側には前記仮施錠装置の解錠操作するためのサムターンやスライドボタン等の操作部材が収容される溝が形成され、裏面側には前記引戸に形成された縦長の溝の低壁との間に1mm〜3mmのクリアランスが形成されるような2つの足片が形成され、前記仮施錠装置を解錠操作するための操作部材の操作桿を仮施錠装置内に嵌入させるための丸孔や角孔等の孔を予め形成したもので、引手に仮施錠装置を解錠操作するためのサムターンやスライドボタン等の操作部材を収容できる溝が形成され、且つ、操作部材の操作桿を仮施錠装置内に嵌入させるための丸孔乃至角孔が予め形成されているので、仮施錠装置の解錠操作するための操作部材を取り付ける座板を別途に取り付ける必要がなく、そのため、取付作業が容易で、体裁のよい引戸が提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】 本発明引戸の分解斜視図である。
【図2】 引手の斜視図である。
【図3】 図2のA−A線における拡大断面図である。
【符号の説明】
【0021】
1 引戸
2 仮施錠装置
3 引手

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラッチング鎌錠等の仮施錠装置を取り付けた引戸に形成された縦長の溝に縦長で長尺の引手を取り付けてある引戸において、前記引手は引戸の高さの50%〜100%の長さで、表面側には前記仮施錠装置の解錠操作するためのサムターンやスライドボタン等の操作部材が収容される溝が形成され、裏面側には前記引戸に形成された縦長の溝の低壁との間に1mm〜3mmのクリアランスが形成されるような2つの足片が形成され、前記仮施錠装置を解錠操作するための操作部材の操作桿を仮施錠装置内に嵌入させるための丸孔や角孔等の孔を予め形成してあることを特徴とする引戸。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−19061(P2010−19061A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−204795(P2008−204795)
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(592048176)ケージーパルテック株式会社 (35)
【Fターム(参考)】