説明

引掛具及び引掛具ユニット

【課題】小物の数等に適した引掛具又は引掛具ユニットとして利用することができ、保管が容易で且つ外観及び安全性を向上することができる引掛具及び引掛具ユニットを提供する。
【解決手段】被取付体に取り付ける取付部6と、小物を引っ掛けるための引掛部7を備えた引掛具である。被嵌着部13と、他の引掛具2の被嵌着部13に着脱自在に嵌着して引掛具2同士を連結するための嵌着部16を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は鍵等の小物を掛けるための引掛具及び引掛具ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、壁やホワイトボード等からなる被取付体に取り付けられて、鍵等の小物を掛けるための引掛具ユニットが利用されている。例えば特許文献1に開示される引掛具ユニットは、被取付体に取り付けられる取付部に小物を引っ掛けるための鉤状の引掛部が複数設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3107228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで特許文献1の引掛具ユニットは、取付部に多数の引掛部が設けられているために全体としてはサイズが大きく、引っ掛ける小物が少数である場合には適していない。
【0005】
また、従来、特許文献1と同様の引掛具ユニットにおいて、取付部の引掛部間の部位に切断用溝を形成し、該切断用溝を境にして取付部を手で折って切断することで、引掛部を1個備えた分割体を複数形成できるようにしたものも利用されている。
【0006】
しかし、上記のように取付部を手で折ることで得られた分割体は、綺麗な切断面になり難く、また、この切断面に鋭利な部分ができて怪我をする恐れもある。
【0007】
本発明は上記従来の事情に鑑みてなされたものであって、小物の数等に適した引掛具又は引掛具ユニットとして利用することができ、保管が容易でかつ外観及び安全性を向上することができる引掛具及び引掛具ユニットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明の引掛具は、被取付体に取り付ける取付部6と、小物を引っ掛けるための引掛部7を備えた引掛具において、被嵌着部13と、他の引掛具2の被嵌着部13に着脱自在に嵌着して引掛具2同士を連結するための嵌着部16を備えていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の引掛具ユニットは、被取付体に取り付ける取付部6と、小物を引っ掛けるための引掛部7とを備えた引掛具2を複数具備し、各引掛具2が引掛具2同士を連結するための被嵌着部13を備え、各引掛具2がその被嵌着部13で他の引掛具2に着脱自在に嵌着されて互いに連結されることを特徴とする。
【0010】
上記構成を有する引掛具2及び引掛具ユニット1にあっては、引掛部7に鍵等の小物を引掛けて利用することができる。そして、引掛具2は嵌着部16を他の引掛具2の被嵌着部13に着脱自在に嵌着して連結することで、小物が多数ある場合等に適した引掛部7を多数有する引掛具ユニット1として利用することができ、また、複数の引掛具2を連結してまとめて保管することもできる。また、引掛具ユニット1は引掛具2の嵌着部16を他の引掛具2の被嵌着部13から取り外して分離することで、小物が少数ある場合等に適した引掛具2として利用することができる。また、引掛具2の嵌着部16を被嵌着部13から取り外すだけで引掛具2を容易に分離することができ、切断等によって得られるものと比べて、外観が綺麗で、また、鋭利な部分が形成されず安全性が高いものとなる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の引掛具及び引掛具ユニットにあっては、小物の数等に適した引掛具又は引掛具ユニットとして利用することができ、保管が容易で且つ外観及び安全性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態の一例の引掛具ユニットの背面図である。
【図2】同上の引掛具ユニットの正面図である。
【図3】同上の引掛具の斜視図である。
【図4】同上の引掛具を示し、(a)は連結体を取り付けた引掛具の背面図であり、(b)は連結体を取り外した引掛具の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図1乃至図4に基づいて本発明の実施形態につき説明する。図1及び図2に示す本実施形態の引掛具ユニット1は、ホワイトボードやスチール製キャビネットのようなスチール製の機器等からなる被取付体に着脱自在に取り付けられ、鍵掛けとして使用されるものである。
【0014】
引掛具ユニット1は着脱自在に連結される複数の引掛具2で構成され、図示例の引掛具ユニット1は左右方向に一列に並べて連結される3個の引掛具2で構成されている。図3及び図4に示すように各引掛具2は引掛具本体3と引掛具本体3に着脱自在に取り付けられる連結体5とからなる。なお、一端に配置される引掛具2は引掛具本体3のみで構成されるもの、または引掛具本体3と連結体5とで構成されるもののいずれであってもよい。
【0015】
各引掛具2の引掛具本体3は引っ掛けられる小物の用途や種類等に応じて容易に分類できるよう後述の取付部本体8の色が異ならせてあるが、その他は同一の構成を有するものである。各引掛具本体3は、主として被取付体の鉛直面に取り付けられる取付部6と、取付部6に設けられた引掛部7と、で構成されている。
【0016】
取付部6はABS等の合成樹脂からなる取付部本体8の後面にマグネット9を設けて構成されている。取付部本体8は正面視略矩形状に形成され、取付部本体8の下端部には前方に向けて突出する山形の突出部10が左右に亘って形成されている。図4(b)のように突出部10の後面には左右に長い断面V字状の溝12が形成されている。溝12の左右両端は突出部10の両側端部によって閉塞されている。
【0017】
溝12の奥側端部を構成する突出部10の頂部には被嵌着部13として後方に突出する筒状のボス部13aが左右方向に複数形成され、図示例では等間隔で計4個のボス部13aが取付部本体8と一体に形成されている。各ボス部13aの中央には後方に開口した被嵌着穴14が形成されている。
【0018】
取付部本体8の突出部10より上方に位置する上部11は薄板状に形成され、該上部11の後面に沿って板状のマグネット9が貼着されている。マグネット9は引掛具2を前方から見たときに上部11によって隠されるよう上部11よりも僅かに小さい矩形状に形成されている。引掛具2を単独で被取付体に取り付けるには、マグネット9の後面を被取付体の一面に当接し、該マグネット9によって引掛具本体3を被取付体に吸着固定する。
【0019】
引掛部7は金属製で取付部本体8の突出部10から下方に向かって突出して設けられ、側面視略J字状に屈曲した棒状に形成されている。引掛部7の下部は前側に突出し、該突出部分が鍵等の小物に形成された孔(図示せず)に通されることで、小物が引掛部7に懸吊される。
【0020】
図1及び図3に示す連結体5はボス部13aを利用して隣り合う引掛具2同士を連結するものである。連結体5は、溝12と略同じ長さの左右に長い矩形板状の板状部15と、板状部15から前方に突出する複数の嵌着部16とで構成されている。嵌着部16はボス部13aと同一ピッチで左右方向に4個設けられ、各嵌着部16はいずれのボス部13aの被嵌着穴14に対しても嵌脱自在に凹凸嵌合可能となっている。なお、引掛具本体3は、図4(a)のように連結体5を取り付けた状態及び図4(b)のように連結体5を取り外したいずれの状態であっても同様に被取付体に取り付けられるようになっている。
【0021】
図1のように前記複数の引掛具2を連結して引掛具ユニット1を形成するにあたって、引掛具本体3同士を連結体5で連結するには、連結体5の片側2個の嵌着部16を一方の引掛具2において他方の引掛具2側に位置する2個の被嵌着穴14に夫々嵌着し、該連結体5の残り2個の嵌着部16を他方の引掛具2において一方の引掛具2側に位置する2個の被嵌着穴14に夫々嵌着する。この連結状態では各取付部6の前面は略面一となり、両引掛具本体3間に跨って配置された連結体5は図2のように隣接する取付部6によって前方が覆われる。そして、このように連結された引掛具本体3のうちいずれかの引掛具本体3に前述と同様に連結体5を用いて他の引掛具本体3を数珠繋ぎで連結することで、複数の引掛具本体3と、隣接する引掛具本体3同士を連結する連結体5からなる引掛具ユニット1が形成される。
【0022】
この引掛具ユニット1は左右一列に並んだ各引掛具2の取付部6によって構成される取着部17を備えると共に、左右一列に並んだ引掛具2と同数の引掛部7を備える。該引掛具ユニット1を被取付体に取り付けるには、取着部17が有する各マグネット9の後面を被取付体の一面に当接し、これら複数のマグネット9によって取着部17を被取付体に吸着固定する。
【0023】
このように被取付体に取り付けられた引掛具ユニット1は多数の引掛部7を備えるため、引っ掛ける小物が多数ある場合や小物を分類して引っ掛ける場合等に便利である。また、この引掛具ユニット1の各引掛具2は隣接する引掛具2に嵌着された嵌着部16を被嵌着穴14から取り外すことで、隣接する引掛具2から分離することができる。このため、引掛具ユニット1を複数の引掛具2に分離して、前述した単独の引掛具2としても利用することができ、引っ掛ける小物が少数である場合にも適している。また、これら複数の引掛具2を連結体5で連結してまとめて保管することもできる。
【0024】
なお、本例の引掛具ユニット1の取着部17及び引掛具2の取付部6はマグネット9の磁力により被取付体に取り付けられるものとしたが、接着シート等のその他の取付手段によって被取付体に取り付けられるものであってもよく、この場合、マグネット9が吸着しない材料からなる被取付体にも引掛具ユニット1や引掛具2を取り付けることができる。また、引掛具ユニット1は2個又は4個以上の引掛具2で構成されるものであってもよい。また、各引掛部7は各引掛具2に一つだけ設けたが、引掛具2は複数の引掛部7を備えるものであってもよい。また、本例では嵌着部16を引掛具本体3とは別体の連結体5に形成したが、嵌着部16は引掛具本体3と一体に形成されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0025】
1 引掛具ユニット
2 引掛具
7 引掛部
13 被嵌着部
16 嵌着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被取付体に取り付ける取付部と、小物を引っ掛けるための引掛部を備えた引掛具において、被嵌着部と、他の引掛具の被嵌着部に着脱自在に嵌着して引掛具同士を連結するための嵌着部を備えていることを特徴とする引掛具。
【請求項2】
被取付体に取り付ける取付部と、小物を引っ掛けるための引掛部とを備えた引掛具を複数具備し、各引掛具が引掛具同士を連結するための被嵌着部を備え、各引掛具がその被嵌着部で他の引掛具に着脱自在に嵌着されて互いに連結されることを特徴とする引掛具ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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