説明

引摺り試験装置における回転軸停止位置設定方法

【課題】 ロータを任意位置にて停止させることを可能にして、試験毎のロータの回転位置と引摺り試験結果との関係を整合できるようにした。
【解決手段】 ディスクブレーキ動作に基づく各種データを取得する引摺り試験装置において、試験装置における回転部分5、7の任意位置を検出し、前記検出された任意位置を試験装置の回転軸5を駆動する駆動モータ9の停止位置とする制御を制御手段26により行うことにより、回転軸すなわちロータ7を任意の設定位置にて停止させることが可能となり、試験毎のロータ回転開始位置と引摺り試験結果とのデータ同士の関係を正確に整合させることができるので、ロータ回転位置を毎回一致させて引摺り結果を正確に比較して分析することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクブレーキ動作に基づく各種データを取得する引摺り試験装置における回転軸停止位置設定方法に係り、所定回転中におけるブレーキロータの各種条件下での引摺りトルクを測定する引摺り試験装置に採用される回転軸停止位置設定方法に関する。各種条件の中の1つとして、例えば、ブレーキロータの振れを設定した試験を行うことを実施例とすることがきる。
【背景技術】
【0002】
車両において使用されるディスクブレーキ装置にあって、パッド部材により挟圧されて制動が行われるブレーキロータは、足廻りやロータ自体の厚さ等の精度の影響、制動圧の高低の影響、ロータ振れ等により生じる引摺り現象の分析・把握のために、引摺りトルクを発生させる各種条件を実験的に作り出した引摺り試験が行われている(例えば、下記非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】JASO−C448−89(自動車規格)引摺り試験
【0004】
この種の従来の引摺り試験装置では、一連の試験中において、各試験毎の所定の回転後に回転軸を停止させるには、回転軸が惰性で停止するのを待って、次の試験に取りかかるのを常としていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来の引摺り試験装置では、回転軸すなわちブレーキロータが惰性で停止するために、次の試験の回転開始位置が前回の試験の開始位置と一致させることは稀である。このため、試験毎にロータ位置とキャリパとの関係が回転方向においてまちまちとなり、その結果として、例えば、ロータ振れ試験の場合には、試験毎にロータ振れ位置がばらつくことになり、引摺り値や測定された波形が異なって同一の試験条件下にも関わらず、同じ結果が得られない不都合が生じた。また、試験装置側やロータそのものの精度に起因して発生するロータ振れ等の影響を、試験結果毎に変更しないようにする必要があった。特に、キャリパが移動するフローティングタイプのディスクブレーキでは、回転スタート位置の違いによって、引摺り波形に影響が及ぶことは避けられなかった。そのようなことから、ディスクブレーキ装置における引摺り試験装置にあっては、試験毎のロータの開始位置と引摺り試験結果との関係を整合させるために、回転軸の所定の特定位置での停止すなわち再試験の際の回転軸の開始位置を特定する技術が待たれていた。
【0006】
そこで本発明は、従来の引摺り試験における課題を解決して、回転軸に装着したロータを任意位置にて停止させることを可能にして、試験毎のロータの回転位置と引摺り試験結果との関係を整合できるようにした引摺り試験装置における回転軸停止位置設定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このため本発明は、ディスクブレーキ動作に基づく各種データを取得する引摺り試験装置において、試験装置における回転部分の任意位置を検出し、前記検出された任意位置を試験装置の回転軸を駆動する駆動モータの停止位置とする制御を制御手段により行うことを特徴とする。また本発明は、前記回転部分の任意位置を駆動モータ内に設置した回転角検出センサにて検出するように構成したことを特徴とする。また本発明は、前記試験装置における第1の試験に続いて第2の試験を行うに当り、前記第1の試験の回転軸の停止位置に対し前記第2の試験の回転軸の停止位置を同一に設定可能に構成したことを特徴とする。また本発明は、前記試験装置における第1の試験に続いて第2の試験を行うに当り、前記第1の試験の回転軸の停止位置に対し前記第2の試験の回転軸の停止位置を任意の位相角度に設定可能に構成したことを特徴とする。また本発明は、前記試験装置における回転部分の任意位置を、ディスクブレーキにおけるロータ振れの最も偏った位置としたことを特徴とするもので、これらを課題解決のための手段とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ディスクブレーキ動作に基づく各種データを取得する引摺り試験装置において、試験装置における回転部分の任意位置を検出し、前記検出された任意位置を試験装置の回転軸を駆動する駆動モータの停止位置とする制御を制御手段により行うことにより、回転軸すなわちロータを任意の設定位置にて停止させることが可能となり、試験毎のロータ回転開始位置と引摺り試験結果とのデータ同士の関係を正確に整合させることができるので、ロータ回転位置を毎回一致させて引摺り結果を正確に比較して分析することができる。
【0009】
また、前記回転部分の任意位置を駆動モータ内に設置した回転角検出センサにて検出するように構成した場合は、試験装置における回転部分の任意位置をそのタイミングでの駆動モータの位置で検出でき、センサ等を別途設置する必要がないので構造が簡素化される。さらに、前記試験装置における第1の試験に続いて第2の試験を行うに当り、前記第1の試験の回転軸の停止位置に対し前記第2の試験の回転軸の停止位置を同一に設定可能に構成した場合は、試験毎のロータの停止位置を同一とすることで、試験毎のロータ条件、特にロータ振れを合わせて試験結果の比較・解析がし易くなる。
【0010】
さらにまた、前記試験装置における第1の試験に続いて第2の試験を行うに当り、前記第1の試験の回転軸の停止位置に対し前記第2の試験の回転軸の停止位置を任意の位相角度に設定可能に構成した場合は、第1の試験と異なった任意の位相角度の設定位置を第2の試験の開始位置とすることで、回転スタート位置をあえて変えて、ロータ振れの影響をバラつきとして含むような試験を第1の試験に続けて連続して行うことも可能となる。つまり、市場における車両では、ロータの停止位置が常に同一になることはあり得ず、市場を再現させる形で、敢えてバラついた引摺りデータを取得することでロータ振れによる影響(引摺りの上限〜下限データのバラつき)を調査できることになる。ここで、第1、第2の試験とは、単発のテストを複数回繰り返しても、または、一連の試験の後に再度一連の試験を行ってもよい。また、前記試験装置における回転部分の任意位置を、ディスクブレーキにおけるロータ振れの最も偏った位置とした場合は、ロータの振れが最も著しい部位を回転開始位置あるいは停止位置等に設定して、ロータの振れが最も著しい部位として、ロータ振れ最大量の位置から試験を開始あるいは停止させたデータを得ることができる。具体的には、例えば、ロータ振れが最もインナに寄った部分をキャリパのシリンダ中心の開始位置に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の引摺り試験装置における従来例と比較した回転軸停止位置設定方法の1つの実施例を示すロータの停止位置制御説明図および引摺りトルクと振れとの関係の試験結果例図ならびに制御のブロック構成図である。
【図2】本発明の回転軸停止位置設定方法が採用される引摺り試験装置の全体概略図である。
【図3】本発明の引摺り試験装置による試験結果例図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の引摺り試験装置における回転軸停止位置設定方法を実施するための好適な形態を図面に基づいて説明する。本発明の引摺り試験装置における回転軸停止位置設定方法は、図1に示すように、ディスクブレーキ動作に基づく各種データを取得する引摺り試験装置において、試験装置における回転部分5、7の任意位置を回転角検出センサ25にて検出し、前記検出された任意位置を試験装置の回転軸5を駆動する駆動モータ9の停止位置とする制御を制御手段26により行うことを特徴とするものである。
【実施例1】
【0013】
図1は本発明の引摺り試験装置における従来例と比較した回転軸停止位置設定方法の1つの実施例を示すロータの停止位置制御説明図である。引摺り試験装置の詳細は後述するが、図1(A)において、引摺り試験における試験片であるロータ7の振れは、回転面である図面の紙面に対して、前面あるいは背面方向に傾動されて微調整されて設定される。そして、ロータ7は試験中に矢印方向に回転することになるが、従来の引摺り試験では、回転軸すなわちロータ7の開始位置や停止位置については何ら設定されずに惰性で停止していたので、試験毎に、例えば停止位置がBやC等まちまちでいずれにて停止するかは全く不明であった。
【0014】
図1(B)は引摺りトルクと振れとの関係の試験結果例図(インナ振れ最大位置での加圧後試験例)であるが、図面上部の線図はロータの振れのアウタ側とインナ側との間の変化を表し、図面下部の線図は各回転での引摺りトルクの最大値と最小値との変化を表すものである。10回転の試験後の停止位置について、従来の試験装置による目印B、Cの場合では、本発明による回転軸停止位置設定制御がなされず、どの位置で停止するか全く不明なのに対して、目印Aの場合では本発明による回転軸停止位置設定制御がなされ、10回転の試験後に目印Aが設定されたディスクブレーキキャリパ8に臨む位置にて正確に停止することになる。
【0015】
そこで、本発明の引摺り試験装置では、図1(A)において、試験装置における回転部分の任意位置、例えばロータ7の臨む位置に、例えば、ロータ外周面に目印を付し(図1では分かり易く摺動面に記したが、実際はロータの外周面に付す。無論、必ずしも付す必要はない)、手動にてゆっくりロータを回転させ停止させる。また、制御手段26により回転軸駆動モータであるサーボモータ9を駆動ボタン等の断続により僅かずつ駆動させて、目視にて目印位置で停止させてもよい。もしくは、光電センサ等でその目印を検出して読み取り、この任意位置をロータ7の停止位置として設定し、回転軸駆動モータであるサーボモータ9等の制御手段26により自動的に停止するように構成してもよい。
【0016】
図示の例では、ダイヤル変位計(後述する図2の符号24)等を併用して測定したロータ振れの最も著しい部位を指定して目印を付し、手動にてロータ7の目印位置をキャリパのシリンダ中心位置に回転移動して停止させる。そして、この停止位置を例えばサーボモータ内のエンコーダから構成される回転角検出センサ25により読み取り(回転パルスを検出し)、制御手段(コントローラ)26により10回転後に同一位置で停止するよう停止位置制御信号を駆動モータ9に指令し、停止させる。制御手段の条件を変更して、同一位置ではなく、任意の位相角度進んだ位置で停止させることもできる。
【0017】
図2は本発明の回転軸停止位置設定方法が採用される引摺り試験装置の全体概略図である。引摺り試験装置は、マスタシリンダ15、バキュームポンプ17、台座移動用モータ11等を収容・設置した台枠1の上面にディスクブレーキキャリパ8が設置された静止支柱2と、該静止支柱2に対してロータ7を回転かつ傾動可能に取り付けた回転軸5を軸支する可動支柱3を軸方向に移動可能に設置して構成される。マスタシリンダ15は、エアーサーボ制御により正圧管路20、管路22を通じてディスクブレーキキャリパ8に所定圧のエアーを供給する。バキュームポンプ17は、第1負圧管路21Aを通じてバキュームタンク16からエアーを吸引し、該バキュームタンク16は、第2負圧管路21B、管路22を通じてディスクブレーキキャリパ8に負圧を掛けることができる。管路22と正圧管路20および第2負圧管路21Bとの間の分岐部には切換弁23が配設され、ディスクブレーキキャリパ8への正圧と負圧を供給して、加圧解除、ピストン戻しと解除がなされる。
【0018】
静止支柱2は台枠1の上面の一方側に起立固定され、その上部に水平に支持軸4が支持固定される。該支持軸4の回転軸側の端部に取付板等を介してディスクブレーキキャリパ8が取り付けられる。支持軸4の外側端部には、ディスクブレーキキャリパ8がロータ7からの回転動作がなされた際にパッド等に接触して支持軸4に発生する引摺りトルクを検出するトルク検出アーム18と検出器であるロードセル19が配設される。前記静止支柱2に対して、可動支柱3が台枠1の上面の他方側に軸方向に移動可能に起立設置される。可動支柱3は、レール等(図示省略)を介して台枠1の上面に移動手段によりスライド自在に設置された可動台座14上に固定される。可動台座14は、台枠1内に収容された台座移動用モータ11からの動力を得て、適宜の伝達手段例えばプーリーベルト12等を介して螺子スピンドル13の回転に伴って螺子スピンドル13と螺合する手段を有して軸方向に移動できる。移動手段は、台座移動用モータ11、プーリーベルト12、螺子スピンドル13および可動台座14から構成される。
【0019】
前記可動支柱3の上部には水平に回転軸5が軸支され、可動支柱3の上方に回転軸5に平行に設置された回転軸用サーボモータ9から動力を得て、可動支柱3の外側に配置された適宜の伝達手段例えばプーリーベルト10等を介して回転自在に構成される。回転軸5の内側にはロータ振れ調整治具6を介してロータ7が装着される。ロータ振れ調整治具6は、回転軸5に装着される起動側治具とロータ7に装着されるロータ側治具とから構成され、これら起動側治具とロータ側治具とは、支軸6Aを介して揺動首振り自在でかつその揺動角度を調整して固定できるように構成されている。その揺動角度の調整は、起動側治具とロータ側治具との間の隙間を調整ボルト等の進退により行われる。それにより、試験開始前に、所望のロータ振れを容易に設定することができる。ここで符号24は、可動台座14等の可動部に設置されロータ7の側面の軸方向に配設されてロータの振れを計測するダイヤル変位計を示す。ロータ7の軸方向移動量も計測するなら、ダイヤル変位計24を台枠1等の静止部に設置してもよい。
【0020】
<引摺り試験例>
(1)ディスクブレーキキャリパ8とロータ7を試験機にセットする。
(2)ロードセル19のプレロード調整(回転方向に僅かに荷重が掛かるように調整)。(3)試験機の回転部分(ロータ7が好適)に目印(例えば、ダイヤル変位計24によりロータ7が最もインナ側に振れた位置に)を付す。
(4)ロータ7を予備回転し、ロータ7をブレーキ位置で最もインナ側に寄った位置で停止させる(自動化も可能。その場合は(5)と入れ代わる)。
(5)スタートボタンを押す。
(6)エアー抜き(ディスクブレーキキャリパ8のピストンの真空引きと加圧を数回繰り返す)。
(7)ピストン真空引きの後、ロータ7を軸方向にインナ・アウタに移動させ、原位置に戻してロータ7とパッドとの間にクリアランスを確保する(本試験前のイニシャル時の引摺りトルク排除)。
(8)本試験開始。
(8−1)例1:液圧0.5MPaを数回加圧後、解除してロータ7を45rpmで11回転させ、上記(4)と同じ位置で停止させる。(回転角検出センサ(エンコーダ)25によって最初の位置を検出しているので、停止位置等として設定済み)。
(8−2)例2:液圧1.0MPaを数回加圧後、解除してロータ7を45rpmで11回転させ、上記(4)と同じ位置で停止させ、続いて液圧を2.0〜10.0MPaまで1.0MPa毎に液圧を上げて同じ試験を繰り返す。
【0021】
図3は本発明の引摺り試験装置による試験結果例図である。図3(A)はロータの振れがインナ振れ最大位置での加圧後試験の例で、図面上部の線図はロータの振れのアウタ側とインナ側との間の変化を表し、図面下部の線図は各回転での引摺りトルクの最大値と最小値との変化を表すものである。回転スタート位置はロータの振れがインナ振れ最大位置での加圧後に設定されており、10回転の試験後の終了位置(試験は10回転で終了するが、11回転目をデータを採取しない停止のための回転とするために、実際は11回転後の停止位置)も同位置に設定される。この試験を液圧やロータ振れ量等を変更させて試験を繰り返してデータを得ることになるが、試験開始位置と終了位置が同じであるので、これらの複数の試験毎のデータの突合せをすれば、複数回の同一条件試験結果や条件の異なる試験結果の分析・比較検討が容易となる。このようなインナ側セットで試験を実施する理由は、一般的にロータ振れが最もインナ側(またはアウタ側)に寄ったところでセットすると、その180度反対側にてキャリパへの付加(抵抗・衝撃)が高くなり引摺りのピークがくる。そこで、キャリパがフローティングタイプの場合、ロータ振れをインナ側でセットすると、半回転後のアウタ側(アウタ側では軸方向クリアランスがない)でキャリパが最も動き、キャリパ抵抗が加わって1回転目180度で最大値を迎える(因みに2回転目以降はキャリパ抵抗がならされ、最大値は下がる傾向にある)。
【0022】
図3(B)はロータの振れ位置がアウタピーク手前での加圧後試験の例で、前図同様に、図面上部の線図はロータの振れのアウタ側とインナ側との間の変化を表し、図面下部の線図は各回転での引摺りトルクの最大値と最小値との変化を表す。試験開始位置はロータの振れ位置がアウタピーク手前での加圧後に設定されており、10回転の試験の終了停止位置は開始位置とはやや異なり前記図3(A)とほぼ同じ位置に設定されている。本試験例でも、液圧やロータ振れ量等を変更させて試験を繰り返してデータを得ても、試験開始位置が同じであるので、これら複数の試験毎の取得データを突き合わせることで、試験結果の分析・比較検討が容易となる。前記図3(A)の試験に対して、このようにロータ振れをアウタ側でセットすると、インナパッド〜ピストンに微小なクリアランスが存在しているので、半回転後のインナ側ではキャリパ抵抗の影響は少なく、引摺りトルクの上昇もインナ側セットより少ないと思われる。
【0023】
以上、本発明の実施例について説明してきたが、本発明の趣旨の範囲内で、ディスクブレーキの形状、形式、目印の形状、形式およびその貼着等の付設形態、目印を付す試験装置における回転部位(ロータを好適とするが、回転軸等でもよい)、ロータの振れの特定部位に目印を付す場合のロータ振れの検出形態(ダイヤル変位計にて計測しつつ目印を付すが、目視にて付すことを妨げない)、回転角検出センサの形状、形式およびその設置部位、試験の形態(例えば単純試験の繰り返しでもよいし、段落0020のように0.5MPa〜10.0MPaの段階的な試験を再度繰り返してもよい)、試験装置の回転軸を駆動する駆動モータの形状、形式(サーボモータを低速時にパルス信号でパルス駆動するのを好適とするが、アナログ信号による速度制御によって制御することも可能である)、開始位置設定制御形態(目印を付してから予備回転させて停止位置で停止させた位置を開始位置設定とする等)、停止位置設定制御形態(目印を付した開始位置から何回転後、何回転後の位相角度30°の位置とか適宜設定できる)等については適宜選定できる。また、実施例に記載の諸元はあらゆる点で単なる例示に過ぎず限定的に解釈してはならない。
【符号の説明】
【0024】
5 引摺り試験装置の回転軸
7 ロータ
8 ディスクブレーキ(キャリパ)
9 回転軸駆動モータ(サーボモータ等)
25 回転角検出センサ(エンコーダ等)
26 制御手段(コントローラ)
A 目印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクブレーキ動作に基づく各種データを取得する引摺り試験装置において、試験装置における回転部分の任意位置を検出し、前記検出された任意位置を試験装置の回転軸を駆動する駆動モータの停止位置とする制御を制御手段により行うことを特徴とする引摺り試験装置における回転軸停止位置設定方法。
【請求項2】
前記回転部分の任意位置を駆動モータ内に設置した回転角検出センサにて検出するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の引摺り試験装置における回転軸停止位置設定方法。
【請求項3】
前記試験装置における第1の試験に続いて第2の試験を行うに当り、前記第1の試験の回転軸の停止位置に対し前記第2の試験の回転軸の停止位置を同一に設定可能に構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の回転軸停止位置設定方法。
【請求項4】
前記試験装置における第1の試験に続いて第2の試験を行うに当り、前記第1の試験の回転軸の停止位置に対し前記第2の試験の回転軸の停止位置を任意の位相角度に設定可能に構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の引摺り試験装置における回転軸停止位置設定方法。
【請求項5】
前記試験装置における回転部分の任意位置を、ディスクブレーキにおけるロータ振れの最も偏った位置としたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の引摺り試験装置における回転軸停止位置設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−216909(P2010−216909A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−62337(P2009−62337)
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【出願人】(000000516)曙ブレーキ工業株式会社 (621)
【Fターム(参考)】