説明

弾性ローラの組立方法および組立治具

【課題】剛性円筒の外周にゴム円筒が装着された構成のゴムローラを簡単な操作により効率良く組立可能にすること。
【解決手段】組立治具10の心棒19の先から剛性円筒2、ゴム円筒3をこの順序で装着し、ブロック23をスライドさせて貫通穴の開口端面24aを心棒19に位置決めし、押し込み具12を押し込み、ゴム円筒3に剛性円筒2を押し込む。ブロック23をスライドして円環状端面27aを心棒19に位置決めし、円環状端面27aにゴム円筒3を押し当てた状態で押し込み具12により剛性円筒2を押して、その円錐台状フランジ6の前端部分をゴム円筒3の前端開口3aから突出させる。ブロック23の円環状部材28aを心棒19に位置決めし、円環状部材28aにゴム円筒3を押し当てた状態で押し込み具12により剛性円筒2を押して円錐台状フランジ6を完全にゴム円筒3から突出させ、ゴム円筒の装着が完了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型プリンタの紙送り機構、紙押さえ機構に用いられる、プラスチック製などの剛性円筒の外周面にゴム製などの弾性円筒が装着された構成の弾性ローラの組立方法および組立治具に関し、特に、剛性円筒に弾性円筒を装着する作業を簡単かつ効率良く行うための弾性ローラの組立方法および組立治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
小型プリンタ、例えば、ラベルを作成するためのラベルプリンタとしては、長尺状の台紙の表面に一定長さのラベルが剥離可能に貼り付けられた台紙を印字位置を経由して搬送して、ラベルに印字を行い、しかる後に、ラベル剥離機構によって、作成後のラベルを台紙から剥離し、台紙およびラベルを別個の経路で排出する構成のものが知られている。このようなプリンタは例えば下記の特許文献1に開示されている。
【0003】
このようなプリンタでは、ラベルが剥がされた後の台紙を排出するためのローラとして、プラスチック製の剛性円筒の外周にゴム円筒が装着された構成のゴムローラが用いられる場合がある。ラベルが剥がれた後の台紙表面にはラベル側の接着剤の一部が付着していることがあり、これが台紙搬送用のローラ外周面に付着すると、台紙の搬送に支障に来たすことにある。シリコンゴムなどからなるゴムローラを用いれば、その外周面に接着剤が付着しにくいので、かかる弊害を防止できる。
【特許文献1】特許第2992363号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、この構成のゴムローラは、一般に、剛性円筒にゴム円筒を手作業によって装着することにより組み立てられている。しかしながら、剛性円筒の両端には、装着したゴム円筒が抜け出ないように、大径のフランジが形成されているので、ゴム円筒を強制的に押し広げながら剛性円筒のフランジ間の円形外周面部分に装着しなければならない。このため、ゴム円筒の装着作業は簡単ではなく、効率が悪いという問題点がある。
【0005】
本発明の課題はこの点に鑑みて、剛性円筒の外周に弾性円筒が装着された構成の弾性ローラにおける弾性円筒を剛性円筒の外周に装着する作業を簡単かつ効率良く行うことのできる組立方法および組立治具を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は、両端に大径のフランジが形成されている剛性円筒と、当該剛性円筒における前記フランジの間の円形外周面を覆うように装着されている弾性円筒とを有し、少なくとも一方の前記フランジが先細りの円錐台状フランジとなっている弾性ローラの組立方法において:前記弾性円筒の第1開口端に前記円錐台状フランジを向けて、当該弾性円筒と前記剛性円筒を同軸状態に位置決めし;前記円錐台状フランジが前記弾性円筒の第2開口端に到るまで、前記弾性円筒内に前記剛性円筒を押し込み;前記弾性円筒の前記第2開口端を、前記円錐台状フランジの最大径より小さく、その最小径より大きな内径の第1円環状端面に同軸状態に押し当てた状態で、前記剛性円筒を同一方向に押し込むことにより、前記第2開口端から前記円錐台状フランジの先端部分を突出させ;前記弾性円筒の前記第2開口端を、前記円錐台状フランジを差し込み可能な内径の第2円環状端面に同軸状態に押し当てた状態で、前記剛性円筒を同一方向に押し込むことにより、前記弾性円筒の前記第2開口端から前記円錐台状フランジを完全に突出させることを特徴としている。
【0007】
本発明の組立方法では、第1円環状端面に弾性円筒の端面を押し当てた状態で剛性円筒を押し込むことにより、円錐台状フランジの先端部分を弾性円筒の端から突出させている。換言すると、弾性円筒の端部分を強制的に円錐台状フランジの外周面に沿って広げながら押し込むようにしている。次に、押し広げられた弾性円筒の端部を、第2円環状端面に押し当てた状態で剛性円筒を押し込むことにより、円錐台状フランジを完全に弾性円筒の端から突出させるようにしている。換言すると、第2円環状端面によって弾性円筒の端を押して、円錐台状フランジを乗り越させるようにしている。このように、本発明の方法によれば、内径の異なる第1、第2円環状端面に弾性円筒の端を押し当てた状態で剛性円筒を押し込むという簡単な操作を繰り返すことにより、剛性円筒に弾性円筒を装着できる。よって、手作業に頼っていた場合に比べて作業効率を改善できる。
【0008】
ここで、前記第1円環状端面を、前記剛性円筒の押し込み方向に向けて小径となるテーパ面とすれば、円錐台状フランジの外周面に沿って弾性円筒の端部を強制的に押し広げなら押し込む操作を円滑に行うことができる。この場合には、当該テーパ面の最大内径を前記円錐台状フランジの最大径よりも小さくなるように設定しておけばよい。
【0009】
また、押し込み操作を円滑に行うと共に、押し込み時に第1円環状端面によって円錐台状フランジおよび弾性円筒の端部を傷つけることの無い様にするためには、前記第1円環状端面を少なくとも前記剛性円筒よりも柔軟な素材から形成しておくことが望ましい。
【0010】
次に、本発明は上記の方法に用いる弾性ローラ組立治具であって:前記剛性円筒を押し込むための押圧端面、および、当該押圧端面から同軸状態に突出している心棒とを備えた押し込み具と;当該押し込み具を軸線方向に一定のストロークで往復移動させるための手動操作部材と;前記心棒のみを差し込み可能な開口端面、前記第1円環状端面および前記第2円環状端面を備え、これらを選択的に、前記心棒に対して同軸状態となるように位置決め可能なスライダとを有しており;前記心棒の先から前記剛性円筒および前記弾性円筒を装着して、前記開口端面、前記第1円環状端面および前記第2円環状端面を順次に、前記心棒に対して位置決めして、前記押し込み部材の前記押圧面によって前記剛性円筒の押し込み操作が行われるようになっていることを特徴としている。
【0011】
本発明の組立治具では、スライダをスライドさせて、円環状端面、第1円環状端面および第2円環状端面を順次に心棒に対して位置決めし、手動操作部材を操作するという簡単な操作によって、剛性円筒に弾性円筒を装着することができる。よって、弾性ローラの組立作業を簡単な操作により効率良く行うことができる。
【0012】
ここで、最後の押し込み時には第2円環状端面の円形開口内に剛性円筒の円錐台状フランジが押し込まれた状態になるので、ローラ組立治具に、前記第2円環状端面から前記円形開口内に押し込まれた前記剛性円筒を押し出すための押し出し棒を配置して、円形開口内から剛性円筒を引き出す作業を簡単に行えるようにすることが望ましい。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明の弾性ローラの組立方法および組立治具においては、内径の異なる第1円環状端面および第2円環状端面に、剛性円筒が押し込まれた状態の弾性円筒の端を押し当て、この状態で剛性円筒を押し込む操作を順次に行うことにより、弾性円筒を剛性円筒におけるフランジ間の外周面部分に装着することができる。弾性円筒の端を円環状端面に押し当て剛性円筒を押し込むという極めて簡単な操作のみを行えばよいので、弾性ローラの組立作業を簡単かつ効率良く行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、図面を参照して、本発明の対象となる弾性ローラの例、本発明を適用した弾性ローラ組立治具の例および、当該治具を用いた弾性ローラの組立手順を説明する。
【0015】
(ゴムローラ)
図1にはゴムローラ(弾性ローラ)の例を示してある。ゴムローラ1は、プラスチック製の剛性円筒2と、この剛性円筒2の外周に装着したシリコンゴムなどからなるゴム円筒3(弾性円筒)とから構成されており、剛性円筒2の中心軸穴4にローラ軸5を通して用いられる。剛性円筒2はその両端に大径のフランジ6、7が一体形成されている。一方のフランジ6は先細りの円錐台形状をした円錐台状フランジであり、他方のフランジ7は円環状フランジである。円錐台状フランジ6の最大径は円環状フランジ7と同一であり、これらの間の円形外周面部分8を覆う状態にゴム円筒3が装着されている。
【0016】
(組立治具)
図2は本発明を適用した組立治具を示す斜視図であり、図3(a)〜(c)はその側面図、スライド式ブロックの正面図および断面図であり、当該組立治具10を用いて剛性円筒2にゴム円筒3を装着する組立作業が行われる。本例の組立治具10は、矩形の基板11を有し、この上面には、その長辺方向に向けて押し込み具12が配置されている。押し込み具12の後端部はリンク13を介して手動操作ハンドル14に連結されている。手動操作ハンドル14を前後に操作すると、押し込み具12は、基板11に取り付けられたガイド15、16によってガイドされて、前後方向(基板11の長辺方向)に一定のストロークで往復直線移動する。
【0017】
押し込み具12は、ガイド15、16によって前後方向に移動可能に支持されている円柱部分17と、この円柱部分17の前端面18(押圧面)から同軸状態で前方に突出している心棒19とを備えている。前端面18はゴムローラ1の剛性円筒2の円環状フランジ7とほぼ同一の外径のものであり、心棒19は、ゴムローラ1の剛性円筒2の中心軸穴4に差し込み可能な小径のものである。
【0018】
基板上面における心棒19の先端側の部位には、当該心棒19の移動方向(すなわち、その軸線方向)に直交する方向に向けて、後側固定ブロック21および前側固定ブロック22が前後方向に一定の間隔を開けて取り付けられている。これらのブロック21、22の間には、スライド式ブロック23(スライダ)が配置されており、ブロック21、22の端面によってガイドされて、心棒19の移動方向に直交する幅方向に向けてスライド可能である。
【0019】
図3(b)、(c)から分かるように、スライド式ブロック23には、その短辺方向(治具前後方向)に貫通する3つの円形貫通穴24、25、26が形成されている。貫通穴24は心棒19を差し通すことのできる内径のものであり、ブロック後端面23aがその開口端面24aとなっている。
【0020】
貫通穴25には、剛性円筒2より柔軟なプラスチック素材からなる円筒状のチューブ27が同軸状態で装着されており、その円環状端面27a(第1円環状端面)がスライド式ブロック23の後端面23aから一定量だけ突出している。当該円環状端面27aは外方に広がったテーパ面となっており、当該テーパ面の最大内径は剛性円筒2の円錐台状フランジ6の先端最小外径より大きく、その最大外径よりも一回り小さい。
【0021】
同様に、貫通孔26にも柔軟なプラスチック素材からなる円筒状のチューブ28が同軸状態で装着されており、その円環状端面28a(第2円環状端面)がスライド式ブロック23の後端面23aから一定量だけ突出している。当該円環状端面28aの内径は、剛性円筒2の円錐台状フランジの最大外径とほぼ同一であり、当該円錐台状フランジを差し込み可能である。この構成のスライド式ブロック23をスライドさせると、貫通穴24の開口端面24a、円環状端面27a、28aを選択的に心棒に対して同軸状態となるように位置決め可能となっている。
【0022】
次に、前側固定ブロック22の上面には、心棒19に対して同軸状態で対峙するように、金属円筒31が取り付けられている。この金属円筒31は心棒19を差し通すことのできる内径となっている。また、当該金属円筒31の前側からはプラスチック製の押し出し棒32の先端部分が差し込まれている。
【0023】
(組立動作)
次に、図4(a)〜(d)を参照して、上記構成の組立治具を用いてゴムローラ1を組み立てる作業手順を説明する。
【0024】
まず、図4(a)に示すように、手動操作ハンドル14を操作して、押し込み具12を後側に引く。この状態では、心棒19の先端が後側固定ブロック21の側方に位置している。この心棒19の先から、剛性円筒2およびゴム円筒3をこの順序で装着する。剛性円筒2は、その円錐台状フランジ6が前方に向く状態で装着する。この結果、剛性円筒2およびゴム円筒3がほぼ同軸状態に位置決めされる。
【0025】
次に、図4(b)に示すように、スライド式ブロック23を治具幅方向(矢印Aの方向)にスライドさせて、その後端面23aに開いている貫通穴24の開口端面24aを、心棒19と同軸状態となるように位置決めする。この状態で、手動操作ハンドル14を操作して、押し込み具12を前方に押し出して、心棒19を貫通穴24に差し込む。心棒19には剛性円筒2およびゴム円筒3が装着されており、心棒19の後端には剛性円筒2の円環状フランジ7と同一径の前端面18が形成されているので、押し込み具12の前進に伴って、まず、ゴム円筒3の前端開口3a(第2開口部)がブロック後端面23aにおける開口端部24aに当る。
【0026】
剛性円筒2は押し込み具12の前端面18によって前方に押し出されるので、ブロック後端面23aに当って止まっているゴム円筒3の後側の開口部3b(第1開口部)から当該ゴム円筒3内に押し込まれる。剛性円筒2を、その前端側の円錐台状フランジ6がブロック後端面23aに当るまで押し込むことができる。この状態では、ゴム円筒2の前端開口3aの部分が円錐台状フランジ6によって強制的に押し広げられた状態で当該フランジ6の外周部分を覆っている。
【0027】
この後は、手動操作ハンドル14を操作して、心棒19が貫通穴24から外れるまで押し込み具12を引き戻す。しかる後に、図4(c)に示すように、スライド式ブロック23をスライドさせて、その円環状端面27aが心棒19と同軸状態となるように位置決めする。次に、手動操作ハンドル14を操作して押し込み具12を前方に押し出し、心棒19を円環状端面27aからその円形穴に差し込む。円環状端面27aはテーパ面とされており、当該テーパ面の最小内径が円錐台状フランジ6の最小径より大きく、その最大径よりわずかに小さいので、前端面18によって剛性円筒2が押されると、当該剛性円筒2の円錐台状フランジ6の先端部分が円環状端面27aに沿って内部に押し込まれる。この際に、テーパ面によって、円錐台状フランジ6の外周を覆っているゴム円筒3の前端開口3a側の部分が後方に押される。この結果、図4(c)に示してあるように、円錐台状フランジ6の外周を覆っているゴム円筒3の前端開口3aの側の部分が後方に強制的に押されて、円錐台状フランジ6の最大径の部分を除き、その先端部分が露出した状態になる。
【0028】
この後は、再び手動操作ハンドル14を操作して、心棒19が円環状端面27aから抜け出るまで押し込み具12を引く。しかる後に、図4(d)に示すように、スライド式ブロック23をスライドさせて、その円環状端面28aが心棒19と同軸状態となるように位置決めする。次に、手動操作ハンドル14を操作して、押し込み具を前方に押し出し、心棒19を円環状端面28aからその円形穴に差し込む。円環状端面28aの内径は円錐台状フランジ6を差し込み可能な寸法に設定されているので、剛性円筒2が前端面18によって押されると、その前側の円錐台状フランジ6が円環状端面28aの円形穴内に差し込まれ、その外周部分を覆っているゴム円筒3の前端開口3aの部分が、当該円環状端面28aによって後方に押されて、当該円錐台状フランジ6の最大径の部分を乗り越える。この結果、剛性円筒2のフランジ間の円形外周面部分8にゴム円筒3が装着された状態になる。
【0029】
最後に、手動操作ハンドル14を操作して押し込み具12を後方に向けて引き、押し出し棒32を後方に向けて押し込み、円環状端面28aからその円形穴に差し込まれている剛性円筒2を後方に向けて押し出す。
【0030】
以上説明したように、本例の組立治具10を用いれば、スライドブロック23のスライド操作、および押し込み具12の押し込み操作を繰り返すことにより、剛性円筒2にゴム円筒3を装着できる。よって、ゴム円筒3の装着作業を、極めて簡単な操作により効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明を適用可能なゴムローラの一例を示す斜視図および分解斜視図である。
【図2】本発明によるゴムローラ組立治具の一例を示す斜視図である。
【図3】図2のゴムローラ組立治具の側面図、そのスライド式ブロックの正面図および断面図である。
【図4】図2のゴムローラ組立治具を用いたゴムローラの組立手順を示す説明図である。
【符号の説明】
【0032】
1 ゴムローラ、2 剛性円筒、3 ゴム円筒、4 中心軸穴、5 ローラ軸、6 円錐台状フランジ、7 円環状フランジ、8 円形外周面部分、10 組立治具、11 基板、12 押し込み具、13 リンク、14 手動操作ハンドル、15、16 ガイド、17 円柱部分、18 前端面、19 心棒、21 後側ブロック、22 前側ブロック、23 スライド式ブロック、23a 後端面、24、25、26 貫通穴、24a 開口端面、27、28 チューブ、27a 第1円環状端面、28a 第2円環状端面、31 金属円筒、32 押し出し棒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端に大径のフランジが形成されている剛性円筒と、当該剛性円筒における前記フランジの間の円形外周面を覆うように装着されている弾性円筒とを有し、少なくとも一方の前記フランジが先細りの円錐台状フランジとなっている弾性ローラの組立方法において、
前記弾性円筒の第1開口端に前記円錐台状フランジを向けて、当該弾性円筒と前記剛性円筒を同軸状態に位置決めし、
前記円錐台状フランジの先端が前記弾性円筒の第2開口端に到るまで、前記弾性円筒内に前記剛性円筒を押し込み、
前記弾性円筒の前記第2開口端を、前記円錐台状フランジの最大径よりも小さく、その最小径より大きな内径の第1円環状端面に同軸状態に押し当てた状態で、前記剛性円筒を同一方向に押し込むことにより、前記第2開口端から前記円錐台状フランジの先端部分を突出させ、
前記弾性円筒の前記第2開口端を、前記円錐台状フランジを差し込み可能な内径の第2円環状端面に同軸状態に押し当てた状態で、前記剛性円筒を同一方向に押し込むことにより、前記弾性円筒の前記第2開口端から前記円錐台状フランジを完全に突出させることを特徴とする弾性ローラの組立方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1円環状端面を、前記剛性円筒の押し込み方向に向けて小径となるテーパ面とし、
当該テーパ面の最大内径が前記円錐台状フランジの最大径よりも小さくなるように設定したことを特徴とする弾性ローラの組立方法。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記第1円環状端面を前記剛性円筒よりも柔軟な素材から形成したことを特徴とする弾性ローラの組立方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のうちのいずれかの項に記載の弾性ローラの製造方法に用いる弾性ローラ組立治具であって、
前記剛性円筒を押し込むための押圧端面、および、当該押圧端面から同軸状態に突出している心棒とを備えた押し込み具と、
前記押し込み具を軸線方向に一定のストロークで往復移動させるための手動操作部材と、
前記心棒のみが通過可能な開口端面、前記第1円環状端面および前記第2円環状端面を備え、これらを選択的に、前記心棒に対して同軸状態となるように位置決め可能なスライダとを有しており、
前記心棒の先から前記剛性円筒および前記弾性円筒を装着して、前記開口端面、前記第1円環状端面および前記第2円環状端面を順次に、前記心棒に対して位置決めして、前記押し込み具の前記押圧面によって前記剛性円筒の押し込み操作が行われるようになっていることを特徴とする弾性ローラ組立治具。
【請求項5】
請求項4において、
前記第2円環状端面からその円形開口内に押し込まれた前記剛性円筒を押し出すための押し出し棒を有していることを特徴とする弾性ローラ組立治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−124086(P2006−124086A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−313404(P2004−313404)
【出願日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】