役務提供システム、承認装置、及びプログラム
【課題】特定の役務提供者に顧客の秘匿情報を視認させることなく業務の効率化を図ることができる役務提供システム、承認装置、及びプログラムを提供する。
【解決手段】役務提供支援装置16の表示部に表示された受付画面を共有して表示する表示部82、顧客特定情報により特定される銀行の従業員に割り当てられ、権限者であるか否かを特定可能なIDを受け付けるカードリーダ78、及び役務提供支援装置16の表示部及び表示部82に顧客特定情報が隠蔽された受付画面が表示され、かつカードリーダ78によって読み取られたIDにより特定される従業者が権限者である場合に役務提供支援装置16の表示部での表示状態に影響を与えることなく表示部82で顧客特定情報の隠蔽された状態が解除されるように制御するCPU70を有する承認装置18を備える。
【解決手段】役務提供支援装置16の表示部に表示された受付画面を共有して表示する表示部82、顧客特定情報により特定される銀行の従業員に割り当てられ、権限者であるか否かを特定可能なIDを受け付けるカードリーダ78、及び役務提供支援装置16の表示部及び表示部82に顧客特定情報が隠蔽された受付画面が表示され、かつカードリーダ78によって読み取られたIDにより特定される従業者が権限者である場合に役務提供支援装置16の表示部での表示状態に影響を与えることなく表示部82で顧客特定情報の隠蔽された状態が解除されるように制御するCPU70を有する承認装置18を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、役務提供システム、承認装置、及びプログラムに係り、特に、顧客の秘匿情報の外部流出を抑制する機能を有する役務提供システム、承認装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のATM(Automatic teller machine)システムでは、顧客によって視認されると共にタッチパネル・ディスプレイに表示された画面と同じ画面が役務提供者(顧客に対して役務を提供する者)側に設置された端末装置のディスプレイに表示される。役務提供者は、端末装置のディスプレイに表示された内容(役務の提供の要求)に従って顧客に対して最適な役務を提供することになる。
【0003】
顧客が役務提供者に対して役務の提供を要求する場合、役務の提供内容によっては顧客の秘匿情報(例えば電話番号や暗証番号など)を役務提供者に提示しなければならない場合がある。ATMシステムでは、顧客の秘匿情報は顧客によってタッチパネル・ディスプレイを介して入力されることによって役務提供者に提示される。しかし、顧客の秘匿情報は役務提供者であったとしても特定の者以外の人目に極力触れさせない方が良いとされている。そこで、顧客に対する役務の提供を承認する承認権限を有する役務提供者とそれ以外の役務提供者とを区別するIDを事前に各役務提供者に付与しておき、そのIDを例えばカードリーダなどで読み取って本人認証を行った上で、承認権限を有する役務提供者にのみ顧客の秘匿情報を視認させる技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
ところで、ATMシステムを導入している銀行や証券会社、消費者金融などの承認業務を要する金融機関では、承認権限を有しない役務提供者(例えばパートタイマー)が顧客の接客業務に専念し、承認権限を有する役務提供者(パートタイマーの上長(例えば正社員))が他の業務(例えば承認権限を有する役務提供者にしかできない業務)に専念する場面が多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−178498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では承認権限を有しない役務提供者は顧客の秘匿情報を見ることができないため、承認権限を有しない役務提供者は接客中に承認権限を有する役務提供者から承認を得る場面が発生した場合、承認権限を有する役務提供者を呼び出して秘匿情報を確認してもらって承認を得なければならず、承認権限を有しない役務提供者及び承認権限を有する役務提供者共に長時間作業を中断せざるを得ない場合があり、業務全体が遅滞化する、という問題点があった。なお、この問題点は、金融機関に限らず、役所や一般企業などの接客業務で顧客の個人情報を取り扱う機関にも当て嵌まることである。
【0007】
本発明は上記問題点を解決するために成されたものであり、特定の役務提供者に顧客の秘匿情報を視認させ難くすると共に業務の効率化を図ることができる役務提供システム、承認装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の役務提供システムを、顧客を特定すると共に該顧客の秘匿情報を含む顧客特定情報を受け付ける顧客受付装置と、前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報を、前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示する第1表示手段を有する役務提供支援装置と、前記第1表示手段に表示された画面を共有して表示する第2表示手段、前記顧客特定情報により特定される顧客に対して役務を提供する役務提供者に割り当てられ、該役務提供者が前記顧客に対する役務の提供を承認する権限を有する権限者であるか否かを特定可能な役務提供者特定情報を受け付ける承認用受付手段、及び前記第1表示手段及び前記第2表示手段に前記秘匿情報が隠蔽された前記顧客特定情報を含む画面が表示され、かつ前記承認用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく前記第2表示手段で前記秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する制御手段を有する承認装置と、を含んで構成した。
【0009】
上記目的を達成するために、請求項2に記載の役務提供システムを、顧客を特定すると共に該顧客の秘匿情報を含む顧客特定情報を受け付ける顧客受付装置と、前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報を、前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示可能な第1表示手段、前記顧客特定情報により特定される顧客に対して役務を提供する役務提供者に割り当てられ、該役務提供者が前記顧客に対する役務の提供を承認する権限を有する権限者であるか否かを特定可能な役務提供者特定情報を受け付ける役務提供用受付手段、及び前記役務提供用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報が前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示されるように前記第1表示手段を制御し、前記役務提供用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者でない場合に前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報が前記秘匿情報を隠蔽しない状態で表示されるように前記第1表示手段を制御する表示制御手段を有する役務提供支援装置と、前記第1表示手段に表示された画面を共有して表示する第2表示手段、前記役務提供者特定情報を受け付ける承認用受付手段、及び前記第1表示手段及び前記第2表示手段に前記秘匿情報が隠蔽された前記顧客特定情報を含む画面が表示され、かつ前記承認用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく前記第2表示手段で前記秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する制御手段を有する承認装置と、を含んで構成した。
【0010】
請求項1又は請求項2に記載の役務提供システムを、請求項3に記載の発明のように、前記制御手段が、前記秘匿情報が隠蔽された前記顧客特定情報を含む画面が前記第2表示手段に表示され、かつ前記承認用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者であり、かつ前記秘匿情報が前記隠蔽された状態の解除を指示する条件として予め定められた条件を満足した場合に、前記第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく前記第2表示手段で前記秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御するものとしても良い。
【0011】
請求項3に記載の役務提供システムを、請求項4に記載の発明のように、前記承認装置が、前記秘匿情報が前記隠蔽された状態の解除を指示するための情報を受け付ける解除指示受付手段を更に有し、前記予め定められた条件を、前記解除指示受付手段によって受け付けられた情報が予め定められた情報であるとの条件としたものとしても良い。
【0012】
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の役務提供システムを、請求項5に記載の発明のように、前記承認装置が、前記第2表示手段によって表示された顧客特定情報により特定される顧客に対する役務の提供を承認するか否かを示す承認可否情報を受け付ける承認可否受付手段と、前記承認可否受付手段によって受け付けられた前記承認可否情報を前記役務提供支援装置に出力する出力手段と、を更に有し、前記役務提供支援装置が、前記出力手段から出力された前記承認可否情報が入力され、入力された承認可否情報が顧客に対する役務の提供を承認しないことを示している場合に前記権限者によって顧客に対する役務の提供が承認されなかったことを示す情報が前記第1表示手段に表示されるように制御し、前記出力手段から出力された前記承認可否情報が入力され、入力された承認可否情報が顧客に対する役務の提供を承認することを示している場合に前記権限者によって顧客に対する役務の提供が承認されたことを示す情報が前記第1表示手段に表示されるように制御する表示制御手段を更に有するものとしても良い。
【0013】
上記目的を達成するために、請求項6に記載の承認装置を、顧客を特定すると共に該顧客の秘匿情報を含む顧客特定情報を受け付ける顧客受付装置、及び前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報を、前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示する第1表示手段を有する役務提供支援装置を含む役務提供システムの前記第1表示手段に表示された画面を共有して表示する第2表示手段と、前記顧客特定情報により特定される顧客に対して役務を提供する役務提供者に割り当てられ、該役務提供者が前記顧客に対する役務の提供を承認する権限を有する権限者であるか否かを特定可能な役務提供者特定情報を受け付ける承認用受付手段と、前記第1表示手段及び前記第2表示手段に前記秘匿情報が隠蔽された前記顧客特定情報を含む画面が表示され、かつ前記承認用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく前記第2表示手段で前記秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する制御手段と、を含んで構成した。
【0014】
上記目的を達成するために、請求項7に記載の承認装置を、顧客を特定すると共に該顧客の秘匿情報を含む顧客特定情報を受け付ける顧客受付装置、並びに前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報を、前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示可能な第1表示手段、前記顧客特定情報により特定される顧客に対して役務を提供する役務提供者に割り当てられ、該役務提供者が前記顧客に対する役務の提供を承認する権限を有する権限者であるか否かを特定可能な役務提供者特定情報を受け付ける役務提供用受付手段、及び前記役務提供用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報が前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示されるように前記第1表示手段を制御し、前記受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者でない場合に前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報が前記秘匿情報を隠蔽しない状態で表示されるように前記第1表示手段を制御する表示制御手段を有する役務提供支援装置を含む役務提供システムの前記第1表示手段に表示された画面を共有して表示する第2表示手段と、前記役務提供者特定情報を受け付ける承認用受付手段と、前記第1表示手段及び前記第2表示手段に前記秘匿情報が隠蔽された前記顧客特定情報を含む画面が表示され、かつ前記承認用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく前記第2表示手段で前記秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する制御手段と、を含んで構成した。
【0015】
上記目的を達成するために、請求項8に記載のプログラムを、顧客を特定すると共に該顧客の秘匿情報を含む顧客特定情報を受け付ける顧客受付装置、及び前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報を、前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示する第1表示手段を有する役務提供支援装置を含む役務提供システムの前記第1表示手段に表示された画面を共有して第2表示手段に表示させる手段、並びに、前記第1表示手段及び前記第2表示手段に前記秘匿情報が隠蔽された前記顧客特定情報を含む画面が表示され、かつ前記顧客特定情報により特定される顧客に対して役務を提供する役務提供者に割り当てられ、該役務提供者が前記顧客に対する役務の提供を承認する権限を有する権限者であるか否かを特定可能な役務提供者特定情報を受け付ける承認用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく前記第2表示手段で前記秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する制御手段としてコンピュータを機能させるためのものとした。
【0016】
上記目的を達成するために、請求項9に記載のプログラムを、顧客を特定すると共に該顧客の秘匿情報を含む顧客特定情報を受け付ける顧客受付装置、並びに前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報を、前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示可能な第1表示手段、前記顧客特定情報により特定される顧客に対して役務を提供する役務提供者に割り当てられ、該役務提供者が前記顧客に対する役務の提供を承認する権限を有する権限者であるか否かを特定可能な役務提供者特定情報を受け付ける役務提供用受付手段、及び前記役務提供用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報が前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示されるように前記第1表示手段を制御し、前記受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者でない場合に前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報が前記秘匿情報を隠蔽しない状態で表示されるように前記第1表示手段を制御する表示制御手段を有する役務提供支援装置を含む役務提供システムの前記第1表示手段に表示された画面を共有して第2表示手段に表示させる手段、並びに、前記第1表示手段及び前記第2表示手段に前記秘匿情報が隠蔽された前記顧客特定情報を含む画面が表示され、かつ前記役務提供者特定情報を受け付ける承認用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく前記第2表示手段で前記秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する制御手段としてコンピュータを機能させるためのものとした。
【発明の効果】
【0017】
請求項1,2,6〜9に係る発明によれば、役務提供支援装置の第1表示手段及び承認装置の第2表示手段に秘匿情報が隠蔽された顧客特定情報を含む画面が表示され、かつ承認用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が権限者である場合に第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく第2表示手段で秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する機能を有しない場合に比べ、特定の役務提供者に顧客の秘匿情報を視認させ難くすると共に業務の効率化を図ることができる、という効果が得られる。
【0018】
請求項3に係る発明によれば、秘匿情報が隠蔽された顧客特定情報を含む画面が第2表示手段に表示され、かつ承認用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者であり、かつ秘匿情報が隠蔽された状態の解除を指示する条件として予め定められた条件を満足した場合に、第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく第2表示手段で秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する機能を有しない場合に比べ、特定の役務提供者による顧客の秘匿情報の外部流出を抑制することができる、という効果が得られる。
【0019】
請求項4に係る発明によれば、秘匿情報が前記隠蔽された状態の解除を指示するための情報を受け付ける解除指示受付手段によって受け付けられた情報が予め定められた情報であるとの条件を満足した場合に、第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく第2表示手段で秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する機能を有しない場合に比べ、特定の役務提供者による顧客の秘匿情報の外部流出を容易かつ的確に抑制することができる、という効果が得られる。
【0020】
請求項5に係る発明によれば、
【0021】
第2表示手段によって表示された顧客特定情報により特定される顧客に対する役務の提供を承認するか否かを示す承認可否情報を受け付ける承認可否受付手段によって受け付けられた承認可否情報を役務提供支援装置に出力し、役務提供支援装置が、入力された承認可否情報が顧客に対する役務の提供を承認しないことを示している場合に権限者によって顧客に対する役務の提供が承認されなかったことを示す情報が第1表示手段に表示されるように制御し、入力された承認可否情報が顧客に対する役務の提供を承認することを示している場合に権限者によって顧客に対する役務の提供が承認されたことを示す情報が第1表示手段に表示されるように制御する機能を有しない場合に比べ、業務のより一層の効率化を図ることができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施の形態に係る役務提供システムの全体構成の一例を示す構成図である。
【図2】実施の形態に係る顧客受付装置の構成の一例を示す構成図である。
【図3】実施の形態に係る役務提供支援装置の構成の一例を示す構成図である。
【図4】実施の形態に係る承認装置の構成の一例を示す構成図である。
【図5】第1の実施の形態に係る顧客受付処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態に係る顧客受付装置のタッチパネル・ディスプレイに表示された受付画面(その1)の一例を示す概略図である。
【図7】実施の形態に係る顧客受付装置のタッチパネル・ディスプレイに表示された受付画面(その2)の一例を示す概略図である。
【図8】第1の実施の形態に係る役務提供支援処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態に係る役務提供支援装置の表示部に表示された受付画面(その1)の一例を示す概略図である。
【図10】実施の形態に係る役務提供支援装置の表示部に表示された受付画面(その2)の一例を示す概略図である。
【図11】実施の形態に係る役務提供支援装置の表示部に表示された受付画面(その3)の一例を示す概略図である。
【図12】第1の実施の形態に係る承認処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図13】実施の形態に係る承認装置の表示部に表示された受付画面(その1)の一例を示す概略図である。
【図14】実施の形態に係る承認装置の表示部に表示された受付画面(その2)の一例を示す概略図である。
【図15】実施の形態に係る承認装置の表示部に表示された受付画面(その3)の一例を示す概略図である。
【図16】第1の実施の形態に係る役務提供システムの装置間の遷移状態の一例を示す遷移図である。
【図17】第2の実施の形態に係る役務提供支援処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図18】第2の実施の形態に係る役務提供システムの装置間の遷移状態の一例を示す遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態の一例について詳細に説明する。なお、以下の各実施の形態では、銀行の店舗に顧客が来店して銀行の従業員に対して役務の提供を依頼し、銀行の従業員が顧客の依頼に応じて顧客に対して役務を提供するために用いられる役務提供システムを例に挙げて説明する。また、以下の例では、銀行の従業員の各々が各自を特定可能なIDが記録されたIDカードを所持していることを前提にして説明する。
【0024】
[第1の実施の形態]
先ず、図1〜図4を参照しながら、本第1の実施の形態に係る役務提供システム10の構成について説明する。図1は、本第1の実施の形態に係る役務提供システム10の全体構成の一例を示す構成図である。同図に示すように、役務提供システム10は、管制センタ12、顧客受付装置14、役務提供支援装置16、承認装置18、及び通信回線20を含んで構成されている。なお、本第1の実施の形態に係る役務提供システム10では、通信回線20として、複数の店舗及び管制センタ12間で専用に敷設された専用通信回線を用いた場合を例に挙げて説明する。
【0025】
管制センタ12は、役務提供システム10の全体を通信回線20を介して管制すると共に、店舗及び顧客からの要求に応じて各種役務を各々に提供するサーバを含んで構成されている。
【0026】
店舗は、店舗に来店した顧客が待機する領域である顧客待合エリアと従業員が主に業務をする領域である業務エリアとに大分することができる。顧客待合エリアには顧客受付装置14が設置されている。顧客受付装置14は、店舗に来店した顧客が銀行側に対して役務を要求するために用いられる。なお、本第1の実施の形態において顧客が銀行に対して要求する役務の具体的な内容としては、現金引出、現金預入、現金振込み、現金貸入れ等が例示できる。顧客がこのような役務を受けるためには顧客受付装置14を介して自身を特定する特定情報(以下、「顧客特定情報」という。)を銀行側に提示すると共に銀行側に求める役務を指定する。そして、顧客は、顧客受付装置14を介して銀行側から役務の提供の可否を含む各種役務を受けることなる。
【0027】
一方、業務エリアは、顧客受付装置14を介して役務を要求する顧客を対象にした接客を担当する接客担当者の居室である接客担当者居室と顧客受付装置14を介して役務を要求する顧客に対する役務の提供を承認する権限を有する権限者(例えば、支店長)の居室である権限者居室とに区分けされている。接客担当者居室には役務提供支援装置16が設置されている。役務提供支援装置16は、顧客によって顧客受付装置14を介して提示された顧客特定情報及び要求された役務の内容を確認し、顧客に対して各種役務を提供するために用いられるものである。
【0028】
権限者居室には承認装置18が設置されている。承認装置18は、顧客によって顧客受付装置14を介して提示された顧客特定情報及び指定された役務の内容を確認し、顧客に対する役務の提供に係る承認の可否を接客担当者に通知するために用いられるものである。
【0029】
図2は、本第1の実施の形態に係る顧客受付装置14の構成の一例を示す構成図である。図2に示すように、顧客受付装置14は、顧客受付装置14全体の動作を司るCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)20と、CPU20による各種処理プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)22と、各種処理プログラムや各種パラメータなどが予め記憶されたROM(Read Only Memory)24と、各種情報を記憶するために用いられる二次記憶部(ここでは一例としてハードディスク装置)26と、を含んで構成されている。また、顧客受付装置14は、ATM(Automatic Teller Machine:自動現金預入払出機)28を含んで構成されている。ATM28は、通帳及びカードの受入口、現金の支払口、通帳の記帳内容を読み取る通帳読取装置、記帳を行う記帳装置、及びカードに付与された情報を読み取るカードリーダ等を備えており、銀行側の提供する役務が顧客自身の操作によって取引できるものである。更に、顧客受付装置14は、外部から触れられることによって各種情報を受け付けるために用いられるタッチパネルを有する受付部30A及び各種情報を表示するために用いられるディスプレイを有する表示部30Bが重ねられて構成されたタッチパネル・ディスプレイ30と、通信回線20とは異なる通信回線(例えばLAN回線)を介して役務提供支援装置16に接続され、役務提供支援装置16と役務提供支援装置16との間の各種情報の授受を司る装置間インタフェース(I/F)32と、通信回線20を介して管制センタ12に接続され、管制センタ12との間の各種情報の授受を司る外部I/F34と、を含んで構成されている。
【0030】
CPU20、RAM22、ROM24、二次記憶部26、ATM28、タッチパネル・ディスプレイ30、装置間I/F32、及び外部I/F34はシステムバス36により電気的に相互に接続されている。従って、CPU20は、RAM22、ROM24及び二次記憶部26に対するアクセスと、タッチパネル・ディスプレイ30に対する各種情報の表示と、タッチパネル・ディスプレイ30で受け付けられた情報の取得と、ATM28の動作状態の把握と、ATM28の動作の制御と、装置間I/F32を介した役務提供支援装置16との間の各種情報の授受と、外部I/F34を介した管制センタ12との間の各種情報の授受と、を各々行うことができる。
【0031】
図3は、本第1の実施の形態に係る役務提供支援装置16の構成の一例を示す構成図である。図3に示すように、役務提供支援装置16は、役務提供支援装置16全体の動作を司るCPU40と、CPU40による各種処理プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM42と、各種処理プログラムや各種パラメータなどが予め記憶されたROM44と、銀行の従業員が所持しているIDカードに記録されたIDを読み取るカードリーダ48と、各種情報を受け付けるために用いられるキーボードやマウス(ポインティングデバイス)などを含んで構成された受付部50と、各種情報を表示するために用いられるディスプレイを有する表示部52と、通信回線20とは異なる通信回線(例えばLAN回線)を介して顧客受付装置14に接続され、顧客受付装置14との間の各種情報の授受を司る装置間I/F54と、通信回線20とは異なる通信回線(例えばLAN回線)を介して承認装置18に接続され、承認装置18との間の各種情報の授受を司る装置間I/F56と、通信回線20を介して管制センタ12に接続され、管制センタ12との間の各種情報の授受を司る外部I/F58と、を含んで構成されている。
【0032】
CPU40、RAM42、ROM44、二次記憶部46、カードリーダ48、受付部50、表示部52、装置間I/F54,56、及び外部I/F58はシステムバス60により電気的に相互に接続されている。従って、CPU40は、RAM42、ROM44及び二次記憶部46に対するアクセスと、カードリーダ48の動作の制御と、カードリーダ48によって読み取られた情報の取得と、受付部50で受け付けられた情報の取得と、表示部52に対する各種情報の表示と、装置間I/F54を介した顧客受付装置14との間の各種情報の授受と、装置間I/F56を介した承認装置18との間の各種情報の授受と、外部I/F58を介した管制センタ12との間の各種情報の授受と、を各々行うことができる。
【0033】
図4は、本第1の実施の形態に係る承認装置18の構成の一例を示す構成図である。図4に示すように、承認装置18は、承認装置18全体の動作を司るCPU70と、CPU70による各種処理プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM72と、各種処理プログラムや各種パラメータなどが予め記憶されたROM74と、各種情報を記憶するために用いられる二次記憶部(ここでは一例としてハードディスク装置)76と、銀行の従業員が所持しているIDカードに記録されたIDを読み取るカードリーダ78と、各種情報を受け付けるために用いられるキーボードやマウス(ポインティングデバイス)などを含んで構成された受付部80と、各種情報を表示するために用いられるディスプレイを有する表示部82と、通信回線20とは異なる通信回線(例えばLAN回線)を介して役務提供支援装置16に接続され、役務提供支援装置16との間の各種情報の授受を司る装置間I/F84と、通信回線20とは異なる通信回線(例えばLAN回線)を介して顧客受付装置14に接続され、顧客受付装置14との間の各種情報の授受を司る装置間I/F86と、を含んで構成されている。
【0034】
CPU70、RAM72、ROM74、二次記憶部76、カードリーダ78、受付部80、表示部82、及び装置間I/F84,86はシステムバス88により電気的に相互に接続されている。従って、CPU70は、RAM72、ROM74及び二次記憶部76に対するアクセスと、カードリーダ78の動作の制御と、カードリーダ78によって読み取られた情報の取得と、受付部80で受け付けられた情報の取得と、表示部82に対する各種情報の表示と、装置間I/F84を介した役務提供支援装置16との間の各種情報の授受と、装置間I/F86を介した顧客受付装置14との間の各種情報の授受と、を各々行うことができる。
【0035】
次に本第1の実施の形態に係る役務提供システム10の作用を説明する。先ず、図5を参照して顧客受付装置14によって実行される顧客受付処理について説明する。なお、図5は、顧客受付装置14のタッチパネル・ディスプレイ30によって所定の指示(ここでは一例として現金の貸し出し要求)が受け付けられた際に顧客受付装置14のCPU20によって実行される顧客受付処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0036】
図5のステップ100では、顧客が現金を借り入れるために銀行側から要求される情報として顧客特定情報及び借り入れの希望金額(以下、「借入金額」という。)を含む借入要求情報を受け付けるための受付画面、並びに受付画面への借入要求情報の入力を支援する入力支援画面を表示した後、ステップ102に移行する。図6には、タッチパネル・ディスプレイ30に表示された受付画面及び入力支援画面の一例が示されている。図6に示す例では、タッチパネル・ディスプレイ30の表示部30Bに受付画面90及び入力支援画面92が表示されている。受付画面90は、表示部30Bの全画面領域の中央部に配置されており、受付部30Aによって受け付けられた顧客特定情報である暗証番号が入力される暗証番号欄90A、受付部30Aによって受け付けられた顧客特定情報である電話番号が入力される電話番号欄90B、及び受付部30Aによって受け付けられた借入金額が入力される借入金額欄90Cを含んで構成されている。暗証番号欄90Aの近傍には暗証番号の入力を促すメッセージ(図6に示す例では「暗証番号を入力して下さい。」とのメッセージ)が暗証番号欄90Aに対応付けられた状態で表示されており、暗証番号欄90Aの脇には暗証番号欄90Aに入力された暗証番号を確定する際に押下される確定ボタンが表示されている。また、電話番号欄90Bの近傍には電話番号の入力を促すメッセージ(図6に示す例では「電話番号を入力して下さい。」とのメッセージ)が電話番号欄90Bに対応付けられた状態で表示されており、電話番号欄90Bの脇には電話番号欄90Bに入力された電話番号を確定する際に押下される確定ボタンが表示されている。更に、借入金額欄90Cの近傍には借入金額の入力を促すメッセージ(図6に示す例では「お借り入れ希望額を入力して下さい。」とのメッセージ)が借入金額欄90Cに対応付けられた状態で表示されており、借入金額欄90Cの脇には借入金額欄90Cに入力された借入金額を確定する際に押下される確定ボタンが表示されている。
【0037】
入力支援画面92は、表示部30Bの全画面領域における受付画面90以外の領域(受付画面90を取り囲む領域)に配置されている。すなわち、受付画面90の外周部が入力支援画面92とされている。入力支援画面92はテンキー領域92A、申込ボタン92B及び取消ボタン92Cを含んで構成されている。テンキー領域92Aは、受付部30Aによって受け付けられた情報に従って指定された暗証番号欄90A、電話番号欄90B又は借入金額欄90Cの何れかに0〜9までの何れかの数字を入力する際に押下されるテンキー、及びテンキーによって入力された数字を取り消す際に押下される取消ボタンを有している。申込ボタン92Bは、受付画面90に入力されて確定された内容で銀行側に現金の借り入れを申し込む際に押下されるボタンであり、受付画面90に入力されて確定された内容を全て取り消してデフォルトのメニュー画面(現金の借り入れの他に、現金の払出し、現金の預入れ、現金の振込み、税金の納入などが指定可能な画面)に戻る際に押下されるボタンである。
【0038】
ステップ102では、タッチパネル・ディスプレイ30によって借入要求情報が受け付けられるまで待機し、借入要求情報が受け付けられると肯定判定となってステップ104に移行する。ここで「借入要求情報が受け付けられる」とは、例えば受付画面90の暗証番号欄90A、電話番号欄90B又は借入金額欄90Cの何れかが受付部30Aを介して指定された状態でテンキーによって数字が受け付けられて確定ボタンが押下されることを意味する。なお、図7には、受付画面90の暗証番号欄90A、電話番号欄90B、及び借入金額欄90Cの各々に借入要求情報が入力された状態の一例が示されている。図7に示す例では、暗証番号欄90Aに“12310619”との暗証番号が入力され、電話番号欄90Bに“11122225555”との電話番号が入力され、借入金額欄90Cに“500000円”との借入金額が入力された状態が示されている。
【0039】
ステップ104では、現金の借り入れに必要な全項目についての借入要求情報の受け付け(例えば、暗証番号欄90A、電話番号欄90B、又は借入金額欄90Cの各々に対しての入力)が完了したか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ102に戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ106に移行する。ステップ106では、借入要求情報(例えば、暗証番号欄90A、電話番号欄90B又は借入金額欄90Cの各々に入力された借入要求情報)を含む受付画面90を示す受付画面情報を役務提供支援装置16に送信した後、本顧客受付処理プログラムを終了する。
【0040】
次に、図8を参照して役務提供支援装置16によって実行される役務提供支援処理について説明する。なお、図8は、役務提供支援装置16の電源が投入された際に役務提供支援装置16のCPU40によって実行される役務提供支援処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0041】
図8のステップ200では、顧客受付装置14において上記顧客受付処理プログラムのステップ106の処理が実行されることによって送信された受付画面情報の受信待ちを行った後、ステップ201に移行する。ステップ201では、上記ステップ200の処理で受信された受付画面情報により示される受付画面90を、顧客特定情報を顧客の秘匿情報として隠蔽した状態で表示部52に表示した後、ステップ202に移行する。図9には、表示部52に表示される受付画面90の一例が示されている。図9に示す例では、顧客受付装置14の表示部30Bに現時点で表示されている受付画面90が、暗証番号欄90A及び電話番号欄90Bに入力されている内容(暗証番号及び電話番号)が“*”との記号で隠蔽された状態で表示されている。従って、仮に接客担当者居室内の権限者でない従業者(例えばパートタイマー)が役務提供支援装置16の表示部52に表示されている受付画面90を見たとしても顧客の暗証番号及び電話番号といった顧客の秘匿情報でもある顧客特定情報を知ることはできない。
【0042】
ステップ202では、上記ステップ200の処理で受信された受付画面情報の転送を指示する転送指示情報が受付部50によって受け付けられるまで待機する。本ステップ202において受付部50によって転送指示情報が受け付けられると肯定判定となってステップ203に移行する。ステップ203では、上記ステップ200の処理で受信された受付画面情報を承認装置18に転送した後、ステップ204に移行する。
【0043】
ステップ204では、承認装置18において後述する承認処理プログラムのステップ326の処理が実行されることによって送信される承認可否情報を受信したか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ206に移行する。ここで「承認可否情報」とは、顧客受付装置14のタッチパネル・ディスプレイ30によって受け付けられ、役務提供支援装置16に送信済みの受付画面情報により示される受付画面90に含まれる暗証番号及び電話番号により特定される顧客に対する役務の提供を承認するか否かを示す情報のことである。
【0044】
ステップ206では、上記ステップ204の処理で受信された承認可否情報により顧客に対する役務の提供が承認されたか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ208に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ210に移行する。なお、ステップ204において否定判定となった場合にはステップ212に移行し、ステップ212ではステップ203の処理の実行が終了した時点から所定時間(例えば1分)経過したか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ204に戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ210に移行する。
【0045】
ステップ208では、顧客に対する役務の提供が承認された旨を表示部52に表示した後、本役務提供支援処理プログラムを終了する。なお、図10には、顧客に対する役務の提供が承認された旨が表示部52に表示された状態の一例が示されている。図10に示す例では、暗証番号及び電話番号が隠蔽された状態が保持されたまま受付画面90の脇に“承認OK”との顧客に対する役務の提供が承認されたことを意味するメッセージが表示されている。
【0046】
ステップ210では、顧客に対する役務の提供が承認されなかった旨を表示部52に表示した後、本役務提供支援処理プログラムを終了する。なお、図11には、顧客に対する役務の提供が承認されなかった旨が表示部52に表示された状態の一例が示されている。図11に示す例では、暗証番号及び電話番号が隠蔽された状態が保持されたまま受付画面90の脇に“承認NG”との顧客に対する役務の提供が承認されなかったことを意味するメッセージが表示されている。
【0047】
次に、図12を参照して承認装置18によって実行される承認処理について説明する。なお、図12は、承認装置18の電源が投入された際に承認装置18のCPU70によって実行される承認処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0048】
ステップ300では、カードリーダ78によるIDカードのIDの読み取り待ちを行った後、ステップ302に移行する。ステップ302では、役務提供支援装置16において上記役務提供支援処理プログラムのステップ203の処理が実行されることによって転送された受付画面情報の受信待ちを行う。本ステップ302の処理で受付画面情報が受信されると肯定判定となってステップ304に移行する。ステップ304では、上記ステップ302の処理で受信された受付画面情報により示される受付画面90を、顧客特定情報を顧客の秘匿情報として隠蔽した状態で表示部82に表示した後、ステップ306に移行する。
【0049】
ステップ306では、隠蔽された顧客特定情報を指定する受け付け操作及び隠蔽状態の解除を要求する受け付け操作が受付部50を介して実行されたか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ308に移行する。ステップ308では、IDとは別に権限者に付与された番号である権限者番号を受付可能な権限者番号受付画面を受付画面90に重ねて表示部82に表示した後、ステップ310に移行し、所定情報が受け付けられたか否かを判定する。図13には、権限者番号受付画面が受付画面90に重ねられて表示部82に表示された状態の一例が示されている。例えば図13に示すようにポインタ94を暗証番号欄90Aに重ねて配置しながら受付部80に対して所定の受け付け操作(例えば右クリックボタン及び左クリックボタンを有するマウスに対してを右クリックを実施するという操作)を行うと暗証番号欄90Aの暗証番号が隠蔽状態の解除対象として指定され、暗証番号欄90Aの一部に権限者番号受付画面96が重ねて表示される。権限者番号受付画面96には権限者番号が入力可能な権限者番号欄96Aが表示される。そして、受付部80によって所定桁数の番号が受け付けられると、受け付けられた番号が権限者番号欄96Aに入力されて表示される。なお、図13に示す例では、“999888”との番号が表示されている。このように受付部80によって所定桁数の番号が受け付けられると、ステップ310が肯定判定となってステップ312に移行する。
【0050】
ステップ312では、上記ステップ310の処理によって受け付けられた所定桁数の番号が権限者番号であるか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ314に移行し、上記ステップ310の処理で受け付けられた番号が権限者番号でないことを示すメッセージを含むエラー画面を表示部80に所定時間(例えば10秒間)表示した後、ステップ310に戻る。ステップ312において肯定判定となった場合にはステップ316に移行し、上記ステップ300の処理でカードリーダ78に読み取らせたIDが権限者に付与されたIDであるか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ318に移行した後、上記ステップ300の処理でカードリーダ78に読み取らせたIDが権限者に付与されたIDでないことを示すメッセージを含むエラー画面を表示部80に所定時間(例えば10秒間)表示した後、本承認処理プログラムを終了する。
【0051】
一方、ステップ316において肯定判定となった場合にはステップ320に移行し、権限者番号受付画面96を非表示した後、ステップ322に移行する。ステップ322では、上記ステップ306の処理で指定された顧客特定情報が隠蔽された状態を解除した後、ステップ324に移行する。図14には、隠蔽された状態が解除されて顧客特定情報が表示された場合の一例が示されている。図14に示す例では、暗証番号欄90Aの暗証番号に対する隠蔽状態が解除され、暗証番号欄90Aに暗証番号が表示された状態が示されている。なお、図14に示すように電話番号の隠蔽状態を解除する場合にも暗証番号の場合と同様に電話番号欄90Bにポインタ94を重ね合わせて権限者番号受付画面96を表示させ、利用者(この場合は例えば権限者)に権限者番号の入力を要求することになる。
【0052】
一方、ステップ310において否定判定となった場合にはステップ326に移行し、上記ステップ306の処理における隠蔽された顧客特定情報を指定する受け付け操作及び隠蔽状態の解除を要求する受け付け操作の取り消しを要求する受け付け操作(隠蔽解除要求取消操作)が実行されたか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ310に戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ328に移行する。ステップ328では、権限者番号受付画面96を非表示した後、ステップ324に移行する。なお、図13に示す例では、上記の「隠蔽解除要求取消操作」として、ポインタ94を暗証番号欄90Aから離すという操作が例示できる。この他にもキーボードの所謂エスケープ(Esc)キーを押すという操作が例示できる。このように権限者番号受付画面96が表示された状態でポインタ94を暗証番号欄90Aから離すと、権限者番号受付画面96が非表示される。
【0053】
ステップ324では、受付部80によって承認可否情報が受け付けられたか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ306に戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ326に移行する。図15には、承認可否情報を受付可能な画面が表示部82に表示された状態の一例が示されている。図15に示す例では、受付画面90の近傍に“承認する”と表示された承認可ボタン及び“承認しない”と表示された承認不可ボタンが示されている。また、受付部80に含まれるマウスは左クリックボタン及び右クリックボタンを有しており、承認可ボタン及び承認不可ボタンを選択的に指定可能とされている。このように承認可ボタン及び承認不可ボタンが表示された状態で、例えば利用者はマウスを操作することによって承認可ボタンにポインタ94を重ね合わせて左クリックを行うと顧客に対しての役務の提供を承認することを示す承認可否情報が受け付けられたことになり、承認不可ボタンにポインタ94を重ね合わせて左クリックを行うと顧客に対しての役務の提供を承認しないことを示す承認可否情報が受け付けられたことになる。
【0054】
ステップ326では、上記ステップ324の処理で受け付けられた承認可否情報を役務提供支援装置16に送信した後、本承認処理プログラムを終了する。このように権限者は権限者居室にて受付画面90に含まれる顧客特定情報を視認することができるので、承認のためにわざわざ接客担当者居室に赴く必要はなくなり、業務の効率化を図ることが可能となる。一方、接客担当者である非権限者は権限者居室から承認可否情報が送信されるのを接客担当者居室で待てば良いので、承認が得られるまで他の業務などに従事することが可能となり、業務の効率化を図ることが可能となる。この結果、顧客に対する迅速かつ的確な役務の提供が可能となる。更に、接客担当者居室及び権限者居室の何れにおいても従来に比べ非権限者が顧客特定情報を目にする機会が激減するため、顧客特定情報が外部に流出するという事態の発生を抑制することができる。
【0055】
次に、図16を参照しながら、顧客受付装置14、役務提供支援装置16、及び承認装置18の間で行われる処理の全体的な流れについて説明する。なお、図16は、顧客受付装置14、役務提供支援装置16、及び承認装置18の間で行われる処理の遷移を示す遷移図である。なお、図16に示すS100,102,104,106,200,201,202,203,208,210,300,302,304,306,308,310,318,322,324,236は、図5,8,12に示すステップ番号である。
【0056】
図16に示すように、顧客は顧客受付装置14を介して銀行側に対して役務(例えば現金の貸し出し)を要求すると、顧客受付装置14において、タッチパネル・ディスプレイ30の表示部30Bに受付画面90及び入力支援画面92が表示される(S100)。顧客が入力支援画面92を利用して受付画面90に表示されている各項目に対して顧客特定情報及び借入金額を入力すると(S102,104)、顧客受付装置14は受付画面情報を役務提供支援装置16に送信する(S106)。
【0057】
役務提供支援装置16は、顧客受付装置14から送信された受付画面情報を受信すると
【0058】
(S200)、秘匿情報である顧客特定情報を隠蔽した状態で受付画面90を表示部52に表示する(S201)。従業員(例えばパートタイマー)が役務提供支援装置16に対して受信画面情報の転送を指示すると(S202)、役務提供支援装置16は受信画面情報を承認装置18に転送する(S203)。
【0059】
一方、承認装置18では、カードリーダ78によって従業員(例えば権限者)が所持しているIDカードのIDの読み取りを行う(S300)。そして、承認装置18は、役務提供支援装置16から転送された受付画面情報を受信すると(S302)、顧客特定情報を隠蔽した状態で受付画面90を表示部82に表示する(S304)。従業者は顧客特定情報が隠蔽された状態を解除するために承認装置18に対して予め定められた操作(隠蔽状態の解除を要求する受け付け操作)を実行する(S306)。これに応じて、承認装置18では、権限者番号受付画面96が表示部82に表示される(S308)。ここで、従業者は、権限者番号受付画面96の権限者番号欄96Aに番号を入力する(S310)。これに応じて、承認装置18では、従業者によって入力された番号が権限者に対して予め与えられた権限者番号である場合には顧客特定情報の隠蔽状態が解除され(S322)、顧客特定情報が視認可能になる。一方、業者によって入力された番号が権限者番号でない場合及び既にカードリーダ78に読み取られているIDカードのIDが権限者のものでない場合にはエラー画面が表示される(S318)。
【0060】
承認装置18は、従業者によって承認可否情報が入力されると(S324)、入力された承認可否情報を役務提供支援装置16に送信する(S326)。役務提供支援装置16は、承認装置18から送信された承認可否情報を受信すると(S204)、受信した承認可否情報に応じた情報(承認されたことを示す情報又は権限者によって承認されなかったことを示す情報)を表示部52に表示する。従業者は、表示部52に表示された承認の可否を示す情報に従って顧客に対して如何なる役務を提供するか判断する等の所定処理を行うことなる。
【0061】
以上詳細に説明したように、本第1の実施の形態に係る役務提供システム10では、顧客特定情報を受け付ける顧客受付装置14と、記顧客受付装置14によって受け付けられた顧客特定情報を、秘匿情報(本第1の実施の形態では顧客特定情報そのものが秘匿情報)を隠蔽した状態で表示する第1表示手段の一例である表示部52を有する役務提供支援装置16と、表示部52に表示された画面の一例である受付画面90を共有して表示する第2表示手段の一例である表示部82、顧客特定情報により特定される顧客に対して役務を提供する役務提供者の一例である銀行の従業員に割り当てられ、従業員が顧客に対する役務の提供を承認する権限を有する権限者であるか否かを特定可能な役務提供者特定情報の一例であるIDを受け付ける承認用受付手段の一例であるカードリーダ78、及び表示部52及び表示部82に秘匿情報としての顧客特定情報が隠蔽された受付画面90が表示され、かつカードリーダ78によって読み取られたIDにより特定される従業者が権限者である場合に表示部52での表示状態に影響を与えることなく表示部82で顧客特定情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する制御手段の一例であるCPU70を有する承認装置18と、を備えているので、特定の役務提供者(例えばパートタイマー)に顧客の秘匿情報を視認させることなく業務の効率化を図ることができる。
【0062】
また、本第1の実施の形態に係る役務提供システム10では、承認装置18が、秘匿情報が隠蔽された状態の解除を指示するための情報を受け付ける解除指示受付手段の一例である受付部80を更に有し、受付部80によって受け付けられた情報の一例である番号が予め定められた情報の一例である権限者番号であるとの条件を満足した場合に秘匿情報の隠蔽状態が解除されるように制御しているので、特定の役務提供者(例えばパートタイマー)による顧客の秘匿情報の外部流出を抑制することができる。
【0063】
また、本第1の実施の形態に係る役務提供システム10では、承認装置18が、表示部82によって表示された顧客特定情報により特定される顧客に対する役務の提供を承認するか否かを示す承認可否情報を受け付ける承認可否受付手段の一例である受付部80と、受付部80によって受け付けられた承認可否情報を役務提供支援装置16に出力する出力手段の一例である装置間I/F84と、を更に有し、役務提供支援装置16が、装置間I/F84から出力された承認可否情報が入力され、入力された承認可否情報が顧客に対する役務の提供を承認しないことを示している場合に権限者によって顧客に対する役務の提供が承認されなかったことを示す情報が表示部52に表示されるように制御し、装置間I/F84から出力された承認可否情報が入力され、入力された承認可否情報が顧客に対する役務の提供を承認することを示している場合に権限者によって顧客に対する役務の提供が承認されたことを示す情報が表示部52に表示されるように制御するCPU40を更に有しているので、業務のより一層の効率化を図ることができる。
【0064】
なお、上記第1の実施の形態では、暗証番号及び電話番号を共に顧客の秘匿情報として扱う場合の例を挙げて説明したが、これはあくまでも一例であり、例えば暗証番号及び電話番号の何れか一方を顧客の秘匿情報として扱っても良い。
【0065】
また、上記第1の実施の形態では、承認装置18において、カードリーダ78で読み取られたID及び権限者番号欄96Aに入力された権限者番号の何れもが権限者に予め付与されたものであることを条件に顧客特定情報の隠蔽状態を解除する制御を行っているが、これに限らず、カードリーダ78で読み取られたID及び権限者番号欄96Aに入力された権限者番号の少なくとも一方のみを顧客特定情報の隠蔽状態を解除するための条件として適用するようにしても良い。この場合、カードリーダ78でIDを読み取らせなくても、権限者番号欄96Aに入力させた権限者番号が権限者に対して予め付与された番号である場合に顧客特定情報の隠蔽情報を解除する制御を行うという形態例、及び権限者番号欄96Aに権限者番号を入力させなくてもカードリーダ78で読み取らせたIDが権限者に対して予め付与されたIDであれば顧客特定情報の隠蔽情報を解除する制御を行うという形態例が挙げられる。
【0066】
また、上記第1の実施の形態では、IDカードのIDをカードリーダ78に読み取らせることによって本人確認を行う場合の形態例を挙げて説明したが、IDカードによる認証に代えて、生体認証(例えば、指紋認証、虹彩認証、静脈認証、声紋認証、顔形認証、筆跡認証などのバイオメトリクス認証)を適用しても良い。また、IDカードによる認証及び生体認証を併用しても良い。この場合、セキュリティレベルの向上が期待できる。また、権限者番号の入力による本人認証に代えて生体認証を用いても良い。この場合、権限者番号の入力の手間が省けることに加え、セキュリティレベルの向上も期待できる。なお、IDカードに付与されたIDによる認証に代えて、IDカードに写真を含む情報を予め付しておき、その情報をスキャナで読み取って画像認識によって本人確認を行う、という形態例も挙げられる。
【0067】
また、上記第1の実施の形態では、権限者によって承認されたか否かを示す情報を表示部52に可視表示する場合の形態例を挙げて説明したが、これに限らず、可視表示に代えて、スピーカによる可聴表示及びプリンタによる印字表示(永久可視表示)の何れかを適用しても良いし、これらを併用しても良い。なお、権限者が権限者居室から接客担当者居室に電話などを用いて承認の可否を連絡しても良い。
【0068】
また、上記第1の実施の形態では、承認装置18は、役務提供支援装置16から転送された受付画面情報に基づいて受付画面90を生成する場合の形態例を挙げて説明したが、役務提供支援装置16によって受付画面情報を転送させずに顧客受付装置14から直接受付画面情報を受信し、受信した受付画面情報に基づいて受付画面90を生成しても良い。このように、役務提供支援装置16に表示されている受付画面90と同様の画面が結果的に共有された状態で承認装置18の表示部82に表示されれば良い。
【0069】
また、上記第1の実施の形態では、キーボードやマウスなどを操作することによって転送指示に係る入力や番号の入力、承認可否情報の入力などを行う例を挙げて説明したが、これに限らず、マイクロフォンで音声を捉え、捉えた音声を解析することによって転送指示に係る入力や番号の入力、承認可否情報の入力などを行っても良い。
【0070】
また、上記第1の実施の形態では、顧客待合エリアに設置されている顧客受付装置16で顧客特定情報を受け付ける場合の形態例を挙げて説明したが、顧客受付装置16は携帯性を有する電子機器であっても良い。このような電子機器としては例えば携帯電話機が例示できる。例えば携帯電話機を介して現金の借り入れの可否(借り入れ審査)を銀行側に依頼し、銀行側で人員を動員して審査を行う場合に顧客の待ち時間の短縮及び役務提供者の業務の効率化を図ることができる、という点で上記第1の実施の形態と同様の効果が期待できる。
【0071】
また、上記第1の実施の形態では、役務提供支援装置16及び承認装置18において受付部50(80)及び表示部52(82)を別々に設置したが、顧客受付装置14のようにタッチパネル・ディスプレイとして一体的に構成されたものを適用しても良いことは言うまでもない。また、顧客受付装置14では、タッチパネル・ディスプレイ30を適用しているが、これに限らず、機械的なキーを含んで構成された操作部とディスプレイとを別々に設置しても良いことは言うまでもない。
【0072】
[第2の実施の形態]
上記第1の実施の形態では、役務提供支援装置16の表示部52に表示される受付画面90では表示部52の画面を視認する者が権限者であるか否かに拘わらず顧客特定情報が隠蔽される場合の形態例を挙げて説明したが、本第2の実施の形態では、権限者であれば役務提供支援装置16の表示部52においても受付画面90の顧客特定情報を視認可能にした場合について説明する。なお、本第2の実施の形態では、上記第1の実施の形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略し、上記第1の実施形態と異なる点のみを説明する。
【0073】
図17は、役務提供支援装置16の電源が投入された際に役務提供支援装置16のCPU40によって実行される本第2の実施の形態に係る役務提供支援処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図17に示すフローチャートは、図8に示すフローチャートに比べ、ステップ400,402,404が新たに設けられた点が異なっている。そのため、ここではステップ400,402,404の処理について説明し、図8に示すフローチャートと同一のステップには同一の番号を付してその説明を省略する。
【0074】
図17のステップ400では、カードリーダ48によるIDカードのIDの読み取り待ちを行った後、ステップ200に移行する。ステップ200において肯定判定となった場合にはステップ402に移行し、上記ステップ400の処理で読み取られたIDが権限者に割り当てられたIDであるか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ201に移行する一方、肯定判定となった場合にはステップ404に移行する。ステップ404では、秘匿情報である顧客特定情報が隠蔽されることなく受付画面90を表示部82に表示した後、本役務提供支援処理プログラムを終了する。
【0075】
次に、図18を参照しながら、顧客受付装置14、役務提供支援装置16、及び承認装置18の間で行われる本第2の実施の形態に係る処理の全体的な流れについて説明する。なお、図18は、顧客受付装置14、役務提供支援装置16、及び承認装置18の間で行われる本第2の実施の形態に係る処理の遷移を示す遷移図である。なお、図16に示すS100,102,104,106,200,201,202,203,208,210,300,302,304,306,308,310,318,322,324,236,400,402,404は、図5,12,17に示すステップ番号である。
【0076】
図18に示すように、顧客は顧客受付装置14を介して銀行側に対して役務(例えば現金の貸し出し)を要求すると、顧客受付装置14において、タッチパネル・ディスプレイ30の表示部30Bに受付画面90及び入力支援画面92が表示される(S100)。顧客が入力支援画面92を利用して受付画面90に表示されている各項目に対して顧客特定情報及び借入金額を入力すると(S102,104)、顧客受付装置14は受付画面情報を役務提供支援装置16に送信する(S106)。
【0077】
一方、役務提供支援装置16では、カードリーダ78によって従業員(権限者及び非権限者を含む従業員)が所持しているIDカードのIDの読み取りを行う(S400)。役務提供支援装置16は、顧客受付装置14から送信された受付画面情報を受信すると(S200)、カードリーダ78に読み取られたIDカードのIDが権限者のものでない場合(S402:N)には、秘匿情報である顧客特定情報を隠蔽した状態で受付画面90を表示部52に表示し(S201)、カードリーダ78に読み取られたIDカードのIDが権限者のものである場合(S402:Y)には、顧客特定情報を隠蔽せずに受付画面90を表示部52に表示する(S404)。そして、従業員(例えばパートタイマー)が役務提供支援装置16に対して受信画面情報の転送を指示すると(S202)、役務提供支援装置16は受信画面情報を承認装置18に転送する(S203)。
【0078】
一方、承認装置18では、カードリーダ78によって従業員(例えば権限者)が所持しているIDカードのIDの読み取りを行う(S300)。そして、承認装置18は、役務提供支援装置16から転送された受付画面情報を受信すると(S302)、顧客特定情報を隠蔽した状態で受付画面90を表示部82に表示する(S304)。従業者は顧客特定情報が隠蔽された状態を解除するために承認装置18に対して予め定められた操作(隠蔽状態の解除を要求する受け付け操作)を実行する(S306)。これに応じて、承認装置18では、権限者番号受付画面96が表示部82に表示される(S308)。ここで、従業者は、権限者番号受付画面96の権限者番号欄96Aに番号を入力する(S310)。これに応じて、承認装置18では、従業者によって入力された番号が権限者に対して予め与えられた権限者番号である場合には顧客特定情報の隠蔽状態が解除され(S322)、顧客特定情報が視認可能になる。一方、業者によって入力された番号が権限者番号でない場合及び既にカードリーダ78に読み取られているIDカードのIDが権限者のものでない場合にはエラー画面が表示される(S318)。
【0079】
承認装置18は、従業者によって承認可否情報が入力されると(S324)、入力された承認可否情報を役務提供支援装置16に送信する(S326)。役務提供支援装置16は、承認装置18から送信された承認可否情報を受信すると(S204)、受信した承認可否情報に応じた情報(承認されたことを示す情報又は権限者によって承認されなかったことを示す情報)を表示部52に表示する。従業者は、表示部52に表示された承認の可否を示す情報に従って顧客に対して如何なる役務を提供するか判断する等の所定処理を行うことなる。
【0080】
以上詳細に説明したように、本第2の実施の形態に係る役務提供システム10では、顧客特定情報を受け付ける顧客受付装置14と、顧客受付装置14によって受け付けられた顧客特定情報を隠蔽した状態で表示可能な第1表示手段の一例である表示部52、顧客特定情報により特定される顧客に対して役務を提供する役務提供者の一例である銀行の従業者に割り当てられ、従業者が顧客に対する役務の提供を承認する権限を有する権限者であるか否かを特定可能な役務提供者特定情報の一例であるIDを受け付ける役務提供用受付手段の一例であるカードリーダ48、及びカードリーダ48によって受け付けられたIDにより特定される銀行の従業者が権限者である場合に顧客受付装置14によって受け付けられた顧客特定情報を隠蔽した状態で受付画面90が表示されるように表示部52を制御し、カードリーダ48によって受け付けられたIDにより特定される銀行の従業者が権限者でない場合に顧客受付装置14によって受け付けられた顧客特定情報を隠蔽しない状態で表示されるように表示部52を制御する表示制御手段の一例であるCPU40を有する役務提供支援装置16と、表示部52に表示された画面を共有して表示する第2表示手段の一例である表示部82、IDを受け付ける承認用受付手段の一例であるカードリーダ78、及び表示部52及び表示部82に秘匿情報が隠蔽された顧客特定情報を含む受付画面90が表示され、かつカードリーダ78によって受け付けられたIDにより特定される銀行の従業員が権限者である場合に表示部52での表示状態に影響を与えることなく表示部82で秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する制御手段の一例であるCPU70を有する承認装置18と、を備えているので、特定の役務提供者(例えばパートタイマー)に顧客の秘匿情報を視認させることなく業務の効率化を図ることができる。
【0081】
なお、上記第2の実施の形態では、カードリーダ48で読み取られたIDが権限者のものであるか否かの判断結果のみに依拠して顧客特定情報を隠蔽して受付画面90を表示するか顧客特定情報を隠蔽せずに受付画面90を表示するかを決める場合の形態例を挙げて説明したが、これに限らず、例えば、承認装置18と同様に従業者に対して権限者番号の入力を要求し、入力された番号が権限者番号であるか否かを判定し、ここで肯定判定になるとの権限者番号条件に加えて、カードリーダ48で読み取られたIDが権限者のものであるとのID条件を満足した場合に受付画面90を表示するか顧客特定情報を隠蔽せずに受付画面90を表示するように制御し、権限者番号条件及びID条件の少なくとも一方を満たさない場合に顧客特定情報を隠蔽して受付画面90を表示するように制御しても良い。これにより役務提供支援装置16の表示部52を介した顧客特定情報の外部流出(例えばショルダーハックなど)を抑制することができる。
【0082】
また、上記各実施の形態では、CPU20によって顧客受付処理プログラムが実行されることによって顧客受付処理プログラムの各ステップを実現し、CPU40によって役務提供支援処理プログラムが実行されることによって役務提供支援処理プログラムの各ステップが実現し、CPU70によって承認処理プログラムが実行されることによって承認処理プログラムを実現するソフトウェア的な形態を例示したが、これに限らず、各種回路(一例として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit))を接続して構成されるハードウェア的な形態や、ソフトウェア的な形態とハードウェア的な形態とを組み合わせた形態も例示できる。
【0083】
また、上記各実施の形態では、各種処理プログラムがROMに予め記憶されているが、これに限らず、各種処理プログラムをCD−ROMやDVD−ROM、USB(Universal Serial Bus)メモリなどのコンピュータによって読み取られる記憶媒体に格納した状態で提供する形態を適用しても良いし、有線又は無線による通信手段を介して配信する形態を適用しても良い。
【0084】
また、上記各実施の形態では、金融機関である銀行に役務提供システム10が導入された場合の形態例を挙げて説明したが、これに限らず、銀行以外の金融機関に適用しても良いし、市役所や区役所などの住民の個人情報を扱う公的機関に適用しても良いことは言うまでもない。その他、携帯電話機の販売店舗や家電量販店などの個人情報を扱う店舗にも適用可能である。
【符号の説明】
【0085】
10 役務提供システム
14 顧客受付装置
16 役務提供支援装置
18 承認装置
40,70 CPU
48,78 カードリーダ
50,80 受付部
52,82 表示部
【技術分野】
【0001】
本発明は、役務提供システム、承認装置、及びプログラムに係り、特に、顧客の秘匿情報の外部流出を抑制する機能を有する役務提供システム、承認装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のATM(Automatic teller machine)システムでは、顧客によって視認されると共にタッチパネル・ディスプレイに表示された画面と同じ画面が役務提供者(顧客に対して役務を提供する者)側に設置された端末装置のディスプレイに表示される。役務提供者は、端末装置のディスプレイに表示された内容(役務の提供の要求)に従って顧客に対して最適な役務を提供することになる。
【0003】
顧客が役務提供者に対して役務の提供を要求する場合、役務の提供内容によっては顧客の秘匿情報(例えば電話番号や暗証番号など)を役務提供者に提示しなければならない場合がある。ATMシステムでは、顧客の秘匿情報は顧客によってタッチパネル・ディスプレイを介して入力されることによって役務提供者に提示される。しかし、顧客の秘匿情報は役務提供者であったとしても特定の者以外の人目に極力触れさせない方が良いとされている。そこで、顧客に対する役務の提供を承認する承認権限を有する役務提供者とそれ以外の役務提供者とを区別するIDを事前に各役務提供者に付与しておき、そのIDを例えばカードリーダなどで読み取って本人認証を行った上で、承認権限を有する役務提供者にのみ顧客の秘匿情報を視認させる技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
ところで、ATMシステムを導入している銀行や証券会社、消費者金融などの承認業務を要する金融機関では、承認権限を有しない役務提供者(例えばパートタイマー)が顧客の接客業務に専念し、承認権限を有する役務提供者(パートタイマーの上長(例えば正社員))が他の業務(例えば承認権限を有する役務提供者にしかできない業務)に専念する場面が多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−178498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では承認権限を有しない役務提供者は顧客の秘匿情報を見ることができないため、承認権限を有しない役務提供者は接客中に承認権限を有する役務提供者から承認を得る場面が発生した場合、承認権限を有する役務提供者を呼び出して秘匿情報を確認してもらって承認を得なければならず、承認権限を有しない役務提供者及び承認権限を有する役務提供者共に長時間作業を中断せざるを得ない場合があり、業務全体が遅滞化する、という問題点があった。なお、この問題点は、金融機関に限らず、役所や一般企業などの接客業務で顧客の個人情報を取り扱う機関にも当て嵌まることである。
【0007】
本発明は上記問題点を解決するために成されたものであり、特定の役務提供者に顧客の秘匿情報を視認させ難くすると共に業務の効率化を図ることができる役務提供システム、承認装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の役務提供システムを、顧客を特定すると共に該顧客の秘匿情報を含む顧客特定情報を受け付ける顧客受付装置と、前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報を、前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示する第1表示手段を有する役務提供支援装置と、前記第1表示手段に表示された画面を共有して表示する第2表示手段、前記顧客特定情報により特定される顧客に対して役務を提供する役務提供者に割り当てられ、該役務提供者が前記顧客に対する役務の提供を承認する権限を有する権限者であるか否かを特定可能な役務提供者特定情報を受け付ける承認用受付手段、及び前記第1表示手段及び前記第2表示手段に前記秘匿情報が隠蔽された前記顧客特定情報を含む画面が表示され、かつ前記承認用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく前記第2表示手段で前記秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する制御手段を有する承認装置と、を含んで構成した。
【0009】
上記目的を達成するために、請求項2に記載の役務提供システムを、顧客を特定すると共に該顧客の秘匿情報を含む顧客特定情報を受け付ける顧客受付装置と、前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報を、前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示可能な第1表示手段、前記顧客特定情報により特定される顧客に対して役務を提供する役務提供者に割り当てられ、該役務提供者が前記顧客に対する役務の提供を承認する権限を有する権限者であるか否かを特定可能な役務提供者特定情報を受け付ける役務提供用受付手段、及び前記役務提供用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報が前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示されるように前記第1表示手段を制御し、前記役務提供用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者でない場合に前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報が前記秘匿情報を隠蔽しない状態で表示されるように前記第1表示手段を制御する表示制御手段を有する役務提供支援装置と、前記第1表示手段に表示された画面を共有して表示する第2表示手段、前記役務提供者特定情報を受け付ける承認用受付手段、及び前記第1表示手段及び前記第2表示手段に前記秘匿情報が隠蔽された前記顧客特定情報を含む画面が表示され、かつ前記承認用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく前記第2表示手段で前記秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する制御手段を有する承認装置と、を含んで構成した。
【0010】
請求項1又は請求項2に記載の役務提供システムを、請求項3に記載の発明のように、前記制御手段が、前記秘匿情報が隠蔽された前記顧客特定情報を含む画面が前記第2表示手段に表示され、かつ前記承認用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者であり、かつ前記秘匿情報が前記隠蔽された状態の解除を指示する条件として予め定められた条件を満足した場合に、前記第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく前記第2表示手段で前記秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御するものとしても良い。
【0011】
請求項3に記載の役務提供システムを、請求項4に記載の発明のように、前記承認装置が、前記秘匿情報が前記隠蔽された状態の解除を指示するための情報を受け付ける解除指示受付手段を更に有し、前記予め定められた条件を、前記解除指示受付手段によって受け付けられた情報が予め定められた情報であるとの条件としたものとしても良い。
【0012】
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の役務提供システムを、請求項5に記載の発明のように、前記承認装置が、前記第2表示手段によって表示された顧客特定情報により特定される顧客に対する役務の提供を承認するか否かを示す承認可否情報を受け付ける承認可否受付手段と、前記承認可否受付手段によって受け付けられた前記承認可否情報を前記役務提供支援装置に出力する出力手段と、を更に有し、前記役務提供支援装置が、前記出力手段から出力された前記承認可否情報が入力され、入力された承認可否情報が顧客に対する役務の提供を承認しないことを示している場合に前記権限者によって顧客に対する役務の提供が承認されなかったことを示す情報が前記第1表示手段に表示されるように制御し、前記出力手段から出力された前記承認可否情報が入力され、入力された承認可否情報が顧客に対する役務の提供を承認することを示している場合に前記権限者によって顧客に対する役務の提供が承認されたことを示す情報が前記第1表示手段に表示されるように制御する表示制御手段を更に有するものとしても良い。
【0013】
上記目的を達成するために、請求項6に記載の承認装置を、顧客を特定すると共に該顧客の秘匿情報を含む顧客特定情報を受け付ける顧客受付装置、及び前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報を、前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示する第1表示手段を有する役務提供支援装置を含む役務提供システムの前記第1表示手段に表示された画面を共有して表示する第2表示手段と、前記顧客特定情報により特定される顧客に対して役務を提供する役務提供者に割り当てられ、該役務提供者が前記顧客に対する役務の提供を承認する権限を有する権限者であるか否かを特定可能な役務提供者特定情報を受け付ける承認用受付手段と、前記第1表示手段及び前記第2表示手段に前記秘匿情報が隠蔽された前記顧客特定情報を含む画面が表示され、かつ前記承認用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく前記第2表示手段で前記秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する制御手段と、を含んで構成した。
【0014】
上記目的を達成するために、請求項7に記載の承認装置を、顧客を特定すると共に該顧客の秘匿情報を含む顧客特定情報を受け付ける顧客受付装置、並びに前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報を、前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示可能な第1表示手段、前記顧客特定情報により特定される顧客に対して役務を提供する役務提供者に割り当てられ、該役務提供者が前記顧客に対する役務の提供を承認する権限を有する権限者であるか否かを特定可能な役務提供者特定情報を受け付ける役務提供用受付手段、及び前記役務提供用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報が前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示されるように前記第1表示手段を制御し、前記受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者でない場合に前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報が前記秘匿情報を隠蔽しない状態で表示されるように前記第1表示手段を制御する表示制御手段を有する役務提供支援装置を含む役務提供システムの前記第1表示手段に表示された画面を共有して表示する第2表示手段と、前記役務提供者特定情報を受け付ける承認用受付手段と、前記第1表示手段及び前記第2表示手段に前記秘匿情報が隠蔽された前記顧客特定情報を含む画面が表示され、かつ前記承認用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく前記第2表示手段で前記秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する制御手段と、を含んで構成した。
【0015】
上記目的を達成するために、請求項8に記載のプログラムを、顧客を特定すると共に該顧客の秘匿情報を含む顧客特定情報を受け付ける顧客受付装置、及び前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報を、前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示する第1表示手段を有する役務提供支援装置を含む役務提供システムの前記第1表示手段に表示された画面を共有して第2表示手段に表示させる手段、並びに、前記第1表示手段及び前記第2表示手段に前記秘匿情報が隠蔽された前記顧客特定情報を含む画面が表示され、かつ前記顧客特定情報により特定される顧客に対して役務を提供する役務提供者に割り当てられ、該役務提供者が前記顧客に対する役務の提供を承認する権限を有する権限者であるか否かを特定可能な役務提供者特定情報を受け付ける承認用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく前記第2表示手段で前記秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する制御手段としてコンピュータを機能させるためのものとした。
【0016】
上記目的を達成するために、請求項9に記載のプログラムを、顧客を特定すると共に該顧客の秘匿情報を含む顧客特定情報を受け付ける顧客受付装置、並びに前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報を、前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示可能な第1表示手段、前記顧客特定情報により特定される顧客に対して役務を提供する役務提供者に割り当てられ、該役務提供者が前記顧客に対する役務の提供を承認する権限を有する権限者であるか否かを特定可能な役務提供者特定情報を受け付ける役務提供用受付手段、及び前記役務提供用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報が前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示されるように前記第1表示手段を制御し、前記受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者でない場合に前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報が前記秘匿情報を隠蔽しない状態で表示されるように前記第1表示手段を制御する表示制御手段を有する役務提供支援装置を含む役務提供システムの前記第1表示手段に表示された画面を共有して第2表示手段に表示させる手段、並びに、前記第1表示手段及び前記第2表示手段に前記秘匿情報が隠蔽された前記顧客特定情報を含む画面が表示され、かつ前記役務提供者特定情報を受け付ける承認用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく前記第2表示手段で前記秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する制御手段としてコンピュータを機能させるためのものとした。
【発明の効果】
【0017】
請求項1,2,6〜9に係る発明によれば、役務提供支援装置の第1表示手段及び承認装置の第2表示手段に秘匿情報が隠蔽された顧客特定情報を含む画面が表示され、かつ承認用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が権限者である場合に第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく第2表示手段で秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する機能を有しない場合に比べ、特定の役務提供者に顧客の秘匿情報を視認させ難くすると共に業務の効率化を図ることができる、という効果が得られる。
【0018】
請求項3に係る発明によれば、秘匿情報が隠蔽された顧客特定情報を含む画面が第2表示手段に表示され、かつ承認用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者であり、かつ秘匿情報が隠蔽された状態の解除を指示する条件として予め定められた条件を満足した場合に、第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく第2表示手段で秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する機能を有しない場合に比べ、特定の役務提供者による顧客の秘匿情報の外部流出を抑制することができる、という効果が得られる。
【0019】
請求項4に係る発明によれば、秘匿情報が前記隠蔽された状態の解除を指示するための情報を受け付ける解除指示受付手段によって受け付けられた情報が予め定められた情報であるとの条件を満足した場合に、第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく第2表示手段で秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する機能を有しない場合に比べ、特定の役務提供者による顧客の秘匿情報の外部流出を容易かつ的確に抑制することができる、という効果が得られる。
【0020】
請求項5に係る発明によれば、
【0021】
第2表示手段によって表示された顧客特定情報により特定される顧客に対する役務の提供を承認するか否かを示す承認可否情報を受け付ける承認可否受付手段によって受け付けられた承認可否情報を役務提供支援装置に出力し、役務提供支援装置が、入力された承認可否情報が顧客に対する役務の提供を承認しないことを示している場合に権限者によって顧客に対する役務の提供が承認されなかったことを示す情報が第1表示手段に表示されるように制御し、入力された承認可否情報が顧客に対する役務の提供を承認することを示している場合に権限者によって顧客に対する役務の提供が承認されたことを示す情報が第1表示手段に表示されるように制御する機能を有しない場合に比べ、業務のより一層の効率化を図ることができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施の形態に係る役務提供システムの全体構成の一例を示す構成図である。
【図2】実施の形態に係る顧客受付装置の構成の一例を示す構成図である。
【図3】実施の形態に係る役務提供支援装置の構成の一例を示す構成図である。
【図4】実施の形態に係る承認装置の構成の一例を示す構成図である。
【図5】第1の実施の形態に係る顧客受付処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態に係る顧客受付装置のタッチパネル・ディスプレイに表示された受付画面(その1)の一例を示す概略図である。
【図7】実施の形態に係る顧客受付装置のタッチパネル・ディスプレイに表示された受付画面(その2)の一例を示す概略図である。
【図8】第1の実施の形態に係る役務提供支援処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態に係る役務提供支援装置の表示部に表示された受付画面(その1)の一例を示す概略図である。
【図10】実施の形態に係る役務提供支援装置の表示部に表示された受付画面(その2)の一例を示す概略図である。
【図11】実施の形態に係る役務提供支援装置の表示部に表示された受付画面(その3)の一例を示す概略図である。
【図12】第1の実施の形態に係る承認処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図13】実施の形態に係る承認装置の表示部に表示された受付画面(その1)の一例を示す概略図である。
【図14】実施の形態に係る承認装置の表示部に表示された受付画面(その2)の一例を示す概略図である。
【図15】実施の形態に係る承認装置の表示部に表示された受付画面(その3)の一例を示す概略図である。
【図16】第1の実施の形態に係る役務提供システムの装置間の遷移状態の一例を示す遷移図である。
【図17】第2の実施の形態に係る役務提供支援処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図18】第2の実施の形態に係る役務提供システムの装置間の遷移状態の一例を示す遷移図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態の一例について詳細に説明する。なお、以下の各実施の形態では、銀行の店舗に顧客が来店して銀行の従業員に対して役務の提供を依頼し、銀行の従業員が顧客の依頼に応じて顧客に対して役務を提供するために用いられる役務提供システムを例に挙げて説明する。また、以下の例では、銀行の従業員の各々が各自を特定可能なIDが記録されたIDカードを所持していることを前提にして説明する。
【0024】
[第1の実施の形態]
先ず、図1〜図4を参照しながら、本第1の実施の形態に係る役務提供システム10の構成について説明する。図1は、本第1の実施の形態に係る役務提供システム10の全体構成の一例を示す構成図である。同図に示すように、役務提供システム10は、管制センタ12、顧客受付装置14、役務提供支援装置16、承認装置18、及び通信回線20を含んで構成されている。なお、本第1の実施の形態に係る役務提供システム10では、通信回線20として、複数の店舗及び管制センタ12間で専用に敷設された専用通信回線を用いた場合を例に挙げて説明する。
【0025】
管制センタ12は、役務提供システム10の全体を通信回線20を介して管制すると共に、店舗及び顧客からの要求に応じて各種役務を各々に提供するサーバを含んで構成されている。
【0026】
店舗は、店舗に来店した顧客が待機する領域である顧客待合エリアと従業員が主に業務をする領域である業務エリアとに大分することができる。顧客待合エリアには顧客受付装置14が設置されている。顧客受付装置14は、店舗に来店した顧客が銀行側に対して役務を要求するために用いられる。なお、本第1の実施の形態において顧客が銀行に対して要求する役務の具体的な内容としては、現金引出、現金預入、現金振込み、現金貸入れ等が例示できる。顧客がこのような役務を受けるためには顧客受付装置14を介して自身を特定する特定情報(以下、「顧客特定情報」という。)を銀行側に提示すると共に銀行側に求める役務を指定する。そして、顧客は、顧客受付装置14を介して銀行側から役務の提供の可否を含む各種役務を受けることなる。
【0027】
一方、業務エリアは、顧客受付装置14を介して役務を要求する顧客を対象にした接客を担当する接客担当者の居室である接客担当者居室と顧客受付装置14を介して役務を要求する顧客に対する役務の提供を承認する権限を有する権限者(例えば、支店長)の居室である権限者居室とに区分けされている。接客担当者居室には役務提供支援装置16が設置されている。役務提供支援装置16は、顧客によって顧客受付装置14を介して提示された顧客特定情報及び要求された役務の内容を確認し、顧客に対して各種役務を提供するために用いられるものである。
【0028】
権限者居室には承認装置18が設置されている。承認装置18は、顧客によって顧客受付装置14を介して提示された顧客特定情報及び指定された役務の内容を確認し、顧客に対する役務の提供に係る承認の可否を接客担当者に通知するために用いられるものである。
【0029】
図2は、本第1の実施の形態に係る顧客受付装置14の構成の一例を示す構成図である。図2に示すように、顧客受付装置14は、顧客受付装置14全体の動作を司るCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)20と、CPU20による各種処理プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)22と、各種処理プログラムや各種パラメータなどが予め記憶されたROM(Read Only Memory)24と、各種情報を記憶するために用いられる二次記憶部(ここでは一例としてハードディスク装置)26と、を含んで構成されている。また、顧客受付装置14は、ATM(Automatic Teller Machine:自動現金預入払出機)28を含んで構成されている。ATM28は、通帳及びカードの受入口、現金の支払口、通帳の記帳内容を読み取る通帳読取装置、記帳を行う記帳装置、及びカードに付与された情報を読み取るカードリーダ等を備えており、銀行側の提供する役務が顧客自身の操作によって取引できるものである。更に、顧客受付装置14は、外部から触れられることによって各種情報を受け付けるために用いられるタッチパネルを有する受付部30A及び各種情報を表示するために用いられるディスプレイを有する表示部30Bが重ねられて構成されたタッチパネル・ディスプレイ30と、通信回線20とは異なる通信回線(例えばLAN回線)を介して役務提供支援装置16に接続され、役務提供支援装置16と役務提供支援装置16との間の各種情報の授受を司る装置間インタフェース(I/F)32と、通信回線20を介して管制センタ12に接続され、管制センタ12との間の各種情報の授受を司る外部I/F34と、を含んで構成されている。
【0030】
CPU20、RAM22、ROM24、二次記憶部26、ATM28、タッチパネル・ディスプレイ30、装置間I/F32、及び外部I/F34はシステムバス36により電気的に相互に接続されている。従って、CPU20は、RAM22、ROM24及び二次記憶部26に対するアクセスと、タッチパネル・ディスプレイ30に対する各種情報の表示と、タッチパネル・ディスプレイ30で受け付けられた情報の取得と、ATM28の動作状態の把握と、ATM28の動作の制御と、装置間I/F32を介した役務提供支援装置16との間の各種情報の授受と、外部I/F34を介した管制センタ12との間の各種情報の授受と、を各々行うことができる。
【0031】
図3は、本第1の実施の形態に係る役務提供支援装置16の構成の一例を示す構成図である。図3に示すように、役務提供支援装置16は、役務提供支援装置16全体の動作を司るCPU40と、CPU40による各種処理プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM42と、各種処理プログラムや各種パラメータなどが予め記憶されたROM44と、銀行の従業員が所持しているIDカードに記録されたIDを読み取るカードリーダ48と、各種情報を受け付けるために用いられるキーボードやマウス(ポインティングデバイス)などを含んで構成された受付部50と、各種情報を表示するために用いられるディスプレイを有する表示部52と、通信回線20とは異なる通信回線(例えばLAN回線)を介して顧客受付装置14に接続され、顧客受付装置14との間の各種情報の授受を司る装置間I/F54と、通信回線20とは異なる通信回線(例えばLAN回線)を介して承認装置18に接続され、承認装置18との間の各種情報の授受を司る装置間I/F56と、通信回線20を介して管制センタ12に接続され、管制センタ12との間の各種情報の授受を司る外部I/F58と、を含んで構成されている。
【0032】
CPU40、RAM42、ROM44、二次記憶部46、カードリーダ48、受付部50、表示部52、装置間I/F54,56、及び外部I/F58はシステムバス60により電気的に相互に接続されている。従って、CPU40は、RAM42、ROM44及び二次記憶部46に対するアクセスと、カードリーダ48の動作の制御と、カードリーダ48によって読み取られた情報の取得と、受付部50で受け付けられた情報の取得と、表示部52に対する各種情報の表示と、装置間I/F54を介した顧客受付装置14との間の各種情報の授受と、装置間I/F56を介した承認装置18との間の各種情報の授受と、外部I/F58を介した管制センタ12との間の各種情報の授受と、を各々行うことができる。
【0033】
図4は、本第1の実施の形態に係る承認装置18の構成の一例を示す構成図である。図4に示すように、承認装置18は、承認装置18全体の動作を司るCPU70と、CPU70による各種処理プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM72と、各種処理プログラムや各種パラメータなどが予め記憶されたROM74と、各種情報を記憶するために用いられる二次記憶部(ここでは一例としてハードディスク装置)76と、銀行の従業員が所持しているIDカードに記録されたIDを読み取るカードリーダ78と、各種情報を受け付けるために用いられるキーボードやマウス(ポインティングデバイス)などを含んで構成された受付部80と、各種情報を表示するために用いられるディスプレイを有する表示部82と、通信回線20とは異なる通信回線(例えばLAN回線)を介して役務提供支援装置16に接続され、役務提供支援装置16との間の各種情報の授受を司る装置間I/F84と、通信回線20とは異なる通信回線(例えばLAN回線)を介して顧客受付装置14に接続され、顧客受付装置14との間の各種情報の授受を司る装置間I/F86と、を含んで構成されている。
【0034】
CPU70、RAM72、ROM74、二次記憶部76、カードリーダ78、受付部80、表示部82、及び装置間I/F84,86はシステムバス88により電気的に相互に接続されている。従って、CPU70は、RAM72、ROM74及び二次記憶部76に対するアクセスと、カードリーダ78の動作の制御と、カードリーダ78によって読み取られた情報の取得と、受付部80で受け付けられた情報の取得と、表示部82に対する各種情報の表示と、装置間I/F84を介した役務提供支援装置16との間の各種情報の授受と、装置間I/F86を介した顧客受付装置14との間の各種情報の授受と、を各々行うことができる。
【0035】
次に本第1の実施の形態に係る役務提供システム10の作用を説明する。先ず、図5を参照して顧客受付装置14によって実行される顧客受付処理について説明する。なお、図5は、顧客受付装置14のタッチパネル・ディスプレイ30によって所定の指示(ここでは一例として現金の貸し出し要求)が受け付けられた際に顧客受付装置14のCPU20によって実行される顧客受付処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0036】
図5のステップ100では、顧客が現金を借り入れるために銀行側から要求される情報として顧客特定情報及び借り入れの希望金額(以下、「借入金額」という。)を含む借入要求情報を受け付けるための受付画面、並びに受付画面への借入要求情報の入力を支援する入力支援画面を表示した後、ステップ102に移行する。図6には、タッチパネル・ディスプレイ30に表示された受付画面及び入力支援画面の一例が示されている。図6に示す例では、タッチパネル・ディスプレイ30の表示部30Bに受付画面90及び入力支援画面92が表示されている。受付画面90は、表示部30Bの全画面領域の中央部に配置されており、受付部30Aによって受け付けられた顧客特定情報である暗証番号が入力される暗証番号欄90A、受付部30Aによって受け付けられた顧客特定情報である電話番号が入力される電話番号欄90B、及び受付部30Aによって受け付けられた借入金額が入力される借入金額欄90Cを含んで構成されている。暗証番号欄90Aの近傍には暗証番号の入力を促すメッセージ(図6に示す例では「暗証番号を入力して下さい。」とのメッセージ)が暗証番号欄90Aに対応付けられた状態で表示されており、暗証番号欄90Aの脇には暗証番号欄90Aに入力された暗証番号を確定する際に押下される確定ボタンが表示されている。また、電話番号欄90Bの近傍には電話番号の入力を促すメッセージ(図6に示す例では「電話番号を入力して下さい。」とのメッセージ)が電話番号欄90Bに対応付けられた状態で表示されており、電話番号欄90Bの脇には電話番号欄90Bに入力された電話番号を確定する際に押下される確定ボタンが表示されている。更に、借入金額欄90Cの近傍には借入金額の入力を促すメッセージ(図6に示す例では「お借り入れ希望額を入力して下さい。」とのメッセージ)が借入金額欄90Cに対応付けられた状態で表示されており、借入金額欄90Cの脇には借入金額欄90Cに入力された借入金額を確定する際に押下される確定ボタンが表示されている。
【0037】
入力支援画面92は、表示部30Bの全画面領域における受付画面90以外の領域(受付画面90を取り囲む領域)に配置されている。すなわち、受付画面90の外周部が入力支援画面92とされている。入力支援画面92はテンキー領域92A、申込ボタン92B及び取消ボタン92Cを含んで構成されている。テンキー領域92Aは、受付部30Aによって受け付けられた情報に従って指定された暗証番号欄90A、電話番号欄90B又は借入金額欄90Cの何れかに0〜9までの何れかの数字を入力する際に押下されるテンキー、及びテンキーによって入力された数字を取り消す際に押下される取消ボタンを有している。申込ボタン92Bは、受付画面90に入力されて確定された内容で銀行側に現金の借り入れを申し込む際に押下されるボタンであり、受付画面90に入力されて確定された内容を全て取り消してデフォルトのメニュー画面(現金の借り入れの他に、現金の払出し、現金の預入れ、現金の振込み、税金の納入などが指定可能な画面)に戻る際に押下されるボタンである。
【0038】
ステップ102では、タッチパネル・ディスプレイ30によって借入要求情報が受け付けられるまで待機し、借入要求情報が受け付けられると肯定判定となってステップ104に移行する。ここで「借入要求情報が受け付けられる」とは、例えば受付画面90の暗証番号欄90A、電話番号欄90B又は借入金額欄90Cの何れかが受付部30Aを介して指定された状態でテンキーによって数字が受け付けられて確定ボタンが押下されることを意味する。なお、図7には、受付画面90の暗証番号欄90A、電話番号欄90B、及び借入金額欄90Cの各々に借入要求情報が入力された状態の一例が示されている。図7に示す例では、暗証番号欄90Aに“12310619”との暗証番号が入力され、電話番号欄90Bに“11122225555”との電話番号が入力され、借入金額欄90Cに“500000円”との借入金額が入力された状態が示されている。
【0039】
ステップ104では、現金の借り入れに必要な全項目についての借入要求情報の受け付け(例えば、暗証番号欄90A、電話番号欄90B、又は借入金額欄90Cの各々に対しての入力)が完了したか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ102に戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ106に移行する。ステップ106では、借入要求情報(例えば、暗証番号欄90A、電話番号欄90B又は借入金額欄90Cの各々に入力された借入要求情報)を含む受付画面90を示す受付画面情報を役務提供支援装置16に送信した後、本顧客受付処理プログラムを終了する。
【0040】
次に、図8を参照して役務提供支援装置16によって実行される役務提供支援処理について説明する。なお、図8は、役務提供支援装置16の電源が投入された際に役務提供支援装置16のCPU40によって実行される役務提供支援処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0041】
図8のステップ200では、顧客受付装置14において上記顧客受付処理プログラムのステップ106の処理が実行されることによって送信された受付画面情報の受信待ちを行った後、ステップ201に移行する。ステップ201では、上記ステップ200の処理で受信された受付画面情報により示される受付画面90を、顧客特定情報を顧客の秘匿情報として隠蔽した状態で表示部52に表示した後、ステップ202に移行する。図9には、表示部52に表示される受付画面90の一例が示されている。図9に示す例では、顧客受付装置14の表示部30Bに現時点で表示されている受付画面90が、暗証番号欄90A及び電話番号欄90Bに入力されている内容(暗証番号及び電話番号)が“*”との記号で隠蔽された状態で表示されている。従って、仮に接客担当者居室内の権限者でない従業者(例えばパートタイマー)が役務提供支援装置16の表示部52に表示されている受付画面90を見たとしても顧客の暗証番号及び電話番号といった顧客の秘匿情報でもある顧客特定情報を知ることはできない。
【0042】
ステップ202では、上記ステップ200の処理で受信された受付画面情報の転送を指示する転送指示情報が受付部50によって受け付けられるまで待機する。本ステップ202において受付部50によって転送指示情報が受け付けられると肯定判定となってステップ203に移行する。ステップ203では、上記ステップ200の処理で受信された受付画面情報を承認装置18に転送した後、ステップ204に移行する。
【0043】
ステップ204では、承認装置18において後述する承認処理プログラムのステップ326の処理が実行されることによって送信される承認可否情報を受信したか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ206に移行する。ここで「承認可否情報」とは、顧客受付装置14のタッチパネル・ディスプレイ30によって受け付けられ、役務提供支援装置16に送信済みの受付画面情報により示される受付画面90に含まれる暗証番号及び電話番号により特定される顧客に対する役務の提供を承認するか否かを示す情報のことである。
【0044】
ステップ206では、上記ステップ204の処理で受信された承認可否情報により顧客に対する役務の提供が承認されたか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ208に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ210に移行する。なお、ステップ204において否定判定となった場合にはステップ212に移行し、ステップ212ではステップ203の処理の実行が終了した時点から所定時間(例えば1分)経過したか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ204に戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ210に移行する。
【0045】
ステップ208では、顧客に対する役務の提供が承認された旨を表示部52に表示した後、本役務提供支援処理プログラムを終了する。なお、図10には、顧客に対する役務の提供が承認された旨が表示部52に表示された状態の一例が示されている。図10に示す例では、暗証番号及び電話番号が隠蔽された状態が保持されたまま受付画面90の脇に“承認OK”との顧客に対する役務の提供が承認されたことを意味するメッセージが表示されている。
【0046】
ステップ210では、顧客に対する役務の提供が承認されなかった旨を表示部52に表示した後、本役務提供支援処理プログラムを終了する。なお、図11には、顧客に対する役務の提供が承認されなかった旨が表示部52に表示された状態の一例が示されている。図11に示す例では、暗証番号及び電話番号が隠蔽された状態が保持されたまま受付画面90の脇に“承認NG”との顧客に対する役務の提供が承認されなかったことを意味するメッセージが表示されている。
【0047】
次に、図12を参照して承認装置18によって実行される承認処理について説明する。なお、図12は、承認装置18の電源が投入された際に承認装置18のCPU70によって実行される承認処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0048】
ステップ300では、カードリーダ78によるIDカードのIDの読み取り待ちを行った後、ステップ302に移行する。ステップ302では、役務提供支援装置16において上記役務提供支援処理プログラムのステップ203の処理が実行されることによって転送された受付画面情報の受信待ちを行う。本ステップ302の処理で受付画面情報が受信されると肯定判定となってステップ304に移行する。ステップ304では、上記ステップ302の処理で受信された受付画面情報により示される受付画面90を、顧客特定情報を顧客の秘匿情報として隠蔽した状態で表示部82に表示した後、ステップ306に移行する。
【0049】
ステップ306では、隠蔽された顧客特定情報を指定する受け付け操作及び隠蔽状態の解除を要求する受け付け操作が受付部50を介して実行されたか否かを判定し、肯定判定となった場合にはステップ308に移行する。ステップ308では、IDとは別に権限者に付与された番号である権限者番号を受付可能な権限者番号受付画面を受付画面90に重ねて表示部82に表示した後、ステップ310に移行し、所定情報が受け付けられたか否かを判定する。図13には、権限者番号受付画面が受付画面90に重ねられて表示部82に表示された状態の一例が示されている。例えば図13に示すようにポインタ94を暗証番号欄90Aに重ねて配置しながら受付部80に対して所定の受け付け操作(例えば右クリックボタン及び左クリックボタンを有するマウスに対してを右クリックを実施するという操作)を行うと暗証番号欄90Aの暗証番号が隠蔽状態の解除対象として指定され、暗証番号欄90Aの一部に権限者番号受付画面96が重ねて表示される。権限者番号受付画面96には権限者番号が入力可能な権限者番号欄96Aが表示される。そして、受付部80によって所定桁数の番号が受け付けられると、受け付けられた番号が権限者番号欄96Aに入力されて表示される。なお、図13に示す例では、“999888”との番号が表示されている。このように受付部80によって所定桁数の番号が受け付けられると、ステップ310が肯定判定となってステップ312に移行する。
【0050】
ステップ312では、上記ステップ310の処理によって受け付けられた所定桁数の番号が権限者番号であるか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ314に移行し、上記ステップ310の処理で受け付けられた番号が権限者番号でないことを示すメッセージを含むエラー画面を表示部80に所定時間(例えば10秒間)表示した後、ステップ310に戻る。ステップ312において肯定判定となった場合にはステップ316に移行し、上記ステップ300の処理でカードリーダ78に読み取らせたIDが権限者に付与されたIDであるか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ318に移行した後、上記ステップ300の処理でカードリーダ78に読み取らせたIDが権限者に付与されたIDでないことを示すメッセージを含むエラー画面を表示部80に所定時間(例えば10秒間)表示した後、本承認処理プログラムを終了する。
【0051】
一方、ステップ316において肯定判定となった場合にはステップ320に移行し、権限者番号受付画面96を非表示した後、ステップ322に移行する。ステップ322では、上記ステップ306の処理で指定された顧客特定情報が隠蔽された状態を解除した後、ステップ324に移行する。図14には、隠蔽された状態が解除されて顧客特定情報が表示された場合の一例が示されている。図14に示す例では、暗証番号欄90Aの暗証番号に対する隠蔽状態が解除され、暗証番号欄90Aに暗証番号が表示された状態が示されている。なお、図14に示すように電話番号の隠蔽状態を解除する場合にも暗証番号の場合と同様に電話番号欄90Bにポインタ94を重ね合わせて権限者番号受付画面96を表示させ、利用者(この場合は例えば権限者)に権限者番号の入力を要求することになる。
【0052】
一方、ステップ310において否定判定となった場合にはステップ326に移行し、上記ステップ306の処理における隠蔽された顧客特定情報を指定する受け付け操作及び隠蔽状態の解除を要求する受け付け操作の取り消しを要求する受け付け操作(隠蔽解除要求取消操作)が実行されたか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ310に戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ328に移行する。ステップ328では、権限者番号受付画面96を非表示した後、ステップ324に移行する。なお、図13に示す例では、上記の「隠蔽解除要求取消操作」として、ポインタ94を暗証番号欄90Aから離すという操作が例示できる。この他にもキーボードの所謂エスケープ(Esc)キーを押すという操作が例示できる。このように権限者番号受付画面96が表示された状態でポインタ94を暗証番号欄90Aから離すと、権限者番号受付画面96が非表示される。
【0053】
ステップ324では、受付部80によって承認可否情報が受け付けられたか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ306に戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ326に移行する。図15には、承認可否情報を受付可能な画面が表示部82に表示された状態の一例が示されている。図15に示す例では、受付画面90の近傍に“承認する”と表示された承認可ボタン及び“承認しない”と表示された承認不可ボタンが示されている。また、受付部80に含まれるマウスは左クリックボタン及び右クリックボタンを有しており、承認可ボタン及び承認不可ボタンを選択的に指定可能とされている。このように承認可ボタン及び承認不可ボタンが表示された状態で、例えば利用者はマウスを操作することによって承認可ボタンにポインタ94を重ね合わせて左クリックを行うと顧客に対しての役務の提供を承認することを示す承認可否情報が受け付けられたことになり、承認不可ボタンにポインタ94を重ね合わせて左クリックを行うと顧客に対しての役務の提供を承認しないことを示す承認可否情報が受け付けられたことになる。
【0054】
ステップ326では、上記ステップ324の処理で受け付けられた承認可否情報を役務提供支援装置16に送信した後、本承認処理プログラムを終了する。このように権限者は権限者居室にて受付画面90に含まれる顧客特定情報を視認することができるので、承認のためにわざわざ接客担当者居室に赴く必要はなくなり、業務の効率化を図ることが可能となる。一方、接客担当者である非権限者は権限者居室から承認可否情報が送信されるのを接客担当者居室で待てば良いので、承認が得られるまで他の業務などに従事することが可能となり、業務の効率化を図ることが可能となる。この結果、顧客に対する迅速かつ的確な役務の提供が可能となる。更に、接客担当者居室及び権限者居室の何れにおいても従来に比べ非権限者が顧客特定情報を目にする機会が激減するため、顧客特定情報が外部に流出するという事態の発生を抑制することができる。
【0055】
次に、図16を参照しながら、顧客受付装置14、役務提供支援装置16、及び承認装置18の間で行われる処理の全体的な流れについて説明する。なお、図16は、顧客受付装置14、役務提供支援装置16、及び承認装置18の間で行われる処理の遷移を示す遷移図である。なお、図16に示すS100,102,104,106,200,201,202,203,208,210,300,302,304,306,308,310,318,322,324,236は、図5,8,12に示すステップ番号である。
【0056】
図16に示すように、顧客は顧客受付装置14を介して銀行側に対して役務(例えば現金の貸し出し)を要求すると、顧客受付装置14において、タッチパネル・ディスプレイ30の表示部30Bに受付画面90及び入力支援画面92が表示される(S100)。顧客が入力支援画面92を利用して受付画面90に表示されている各項目に対して顧客特定情報及び借入金額を入力すると(S102,104)、顧客受付装置14は受付画面情報を役務提供支援装置16に送信する(S106)。
【0057】
役務提供支援装置16は、顧客受付装置14から送信された受付画面情報を受信すると
【0058】
(S200)、秘匿情報である顧客特定情報を隠蔽した状態で受付画面90を表示部52に表示する(S201)。従業員(例えばパートタイマー)が役務提供支援装置16に対して受信画面情報の転送を指示すると(S202)、役務提供支援装置16は受信画面情報を承認装置18に転送する(S203)。
【0059】
一方、承認装置18では、カードリーダ78によって従業員(例えば権限者)が所持しているIDカードのIDの読み取りを行う(S300)。そして、承認装置18は、役務提供支援装置16から転送された受付画面情報を受信すると(S302)、顧客特定情報を隠蔽した状態で受付画面90を表示部82に表示する(S304)。従業者は顧客特定情報が隠蔽された状態を解除するために承認装置18に対して予め定められた操作(隠蔽状態の解除を要求する受け付け操作)を実行する(S306)。これに応じて、承認装置18では、権限者番号受付画面96が表示部82に表示される(S308)。ここで、従業者は、権限者番号受付画面96の権限者番号欄96Aに番号を入力する(S310)。これに応じて、承認装置18では、従業者によって入力された番号が権限者に対して予め与えられた権限者番号である場合には顧客特定情報の隠蔽状態が解除され(S322)、顧客特定情報が視認可能になる。一方、業者によって入力された番号が権限者番号でない場合及び既にカードリーダ78に読み取られているIDカードのIDが権限者のものでない場合にはエラー画面が表示される(S318)。
【0060】
承認装置18は、従業者によって承認可否情報が入力されると(S324)、入力された承認可否情報を役務提供支援装置16に送信する(S326)。役務提供支援装置16は、承認装置18から送信された承認可否情報を受信すると(S204)、受信した承認可否情報に応じた情報(承認されたことを示す情報又は権限者によって承認されなかったことを示す情報)を表示部52に表示する。従業者は、表示部52に表示された承認の可否を示す情報に従って顧客に対して如何なる役務を提供するか判断する等の所定処理を行うことなる。
【0061】
以上詳細に説明したように、本第1の実施の形態に係る役務提供システム10では、顧客特定情報を受け付ける顧客受付装置14と、記顧客受付装置14によって受け付けられた顧客特定情報を、秘匿情報(本第1の実施の形態では顧客特定情報そのものが秘匿情報)を隠蔽した状態で表示する第1表示手段の一例である表示部52を有する役務提供支援装置16と、表示部52に表示された画面の一例である受付画面90を共有して表示する第2表示手段の一例である表示部82、顧客特定情報により特定される顧客に対して役務を提供する役務提供者の一例である銀行の従業員に割り当てられ、従業員が顧客に対する役務の提供を承認する権限を有する権限者であるか否かを特定可能な役務提供者特定情報の一例であるIDを受け付ける承認用受付手段の一例であるカードリーダ78、及び表示部52及び表示部82に秘匿情報としての顧客特定情報が隠蔽された受付画面90が表示され、かつカードリーダ78によって読み取られたIDにより特定される従業者が権限者である場合に表示部52での表示状態に影響を与えることなく表示部82で顧客特定情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する制御手段の一例であるCPU70を有する承認装置18と、を備えているので、特定の役務提供者(例えばパートタイマー)に顧客の秘匿情報を視認させることなく業務の効率化を図ることができる。
【0062】
また、本第1の実施の形態に係る役務提供システム10では、承認装置18が、秘匿情報が隠蔽された状態の解除を指示するための情報を受け付ける解除指示受付手段の一例である受付部80を更に有し、受付部80によって受け付けられた情報の一例である番号が予め定められた情報の一例である権限者番号であるとの条件を満足した場合に秘匿情報の隠蔽状態が解除されるように制御しているので、特定の役務提供者(例えばパートタイマー)による顧客の秘匿情報の外部流出を抑制することができる。
【0063】
また、本第1の実施の形態に係る役務提供システム10では、承認装置18が、表示部82によって表示された顧客特定情報により特定される顧客に対する役務の提供を承認するか否かを示す承認可否情報を受け付ける承認可否受付手段の一例である受付部80と、受付部80によって受け付けられた承認可否情報を役務提供支援装置16に出力する出力手段の一例である装置間I/F84と、を更に有し、役務提供支援装置16が、装置間I/F84から出力された承認可否情報が入力され、入力された承認可否情報が顧客に対する役務の提供を承認しないことを示している場合に権限者によって顧客に対する役務の提供が承認されなかったことを示す情報が表示部52に表示されるように制御し、装置間I/F84から出力された承認可否情報が入力され、入力された承認可否情報が顧客に対する役務の提供を承認することを示している場合に権限者によって顧客に対する役務の提供が承認されたことを示す情報が表示部52に表示されるように制御するCPU40を更に有しているので、業務のより一層の効率化を図ることができる。
【0064】
なお、上記第1の実施の形態では、暗証番号及び電話番号を共に顧客の秘匿情報として扱う場合の例を挙げて説明したが、これはあくまでも一例であり、例えば暗証番号及び電話番号の何れか一方を顧客の秘匿情報として扱っても良い。
【0065】
また、上記第1の実施の形態では、承認装置18において、カードリーダ78で読み取られたID及び権限者番号欄96Aに入力された権限者番号の何れもが権限者に予め付与されたものであることを条件に顧客特定情報の隠蔽状態を解除する制御を行っているが、これに限らず、カードリーダ78で読み取られたID及び権限者番号欄96Aに入力された権限者番号の少なくとも一方のみを顧客特定情報の隠蔽状態を解除するための条件として適用するようにしても良い。この場合、カードリーダ78でIDを読み取らせなくても、権限者番号欄96Aに入力させた権限者番号が権限者に対して予め付与された番号である場合に顧客特定情報の隠蔽情報を解除する制御を行うという形態例、及び権限者番号欄96Aに権限者番号を入力させなくてもカードリーダ78で読み取らせたIDが権限者に対して予め付与されたIDであれば顧客特定情報の隠蔽情報を解除する制御を行うという形態例が挙げられる。
【0066】
また、上記第1の実施の形態では、IDカードのIDをカードリーダ78に読み取らせることによって本人確認を行う場合の形態例を挙げて説明したが、IDカードによる認証に代えて、生体認証(例えば、指紋認証、虹彩認証、静脈認証、声紋認証、顔形認証、筆跡認証などのバイオメトリクス認証)を適用しても良い。また、IDカードによる認証及び生体認証を併用しても良い。この場合、セキュリティレベルの向上が期待できる。また、権限者番号の入力による本人認証に代えて生体認証を用いても良い。この場合、権限者番号の入力の手間が省けることに加え、セキュリティレベルの向上も期待できる。なお、IDカードに付与されたIDによる認証に代えて、IDカードに写真を含む情報を予め付しておき、その情報をスキャナで読み取って画像認識によって本人確認を行う、という形態例も挙げられる。
【0067】
また、上記第1の実施の形態では、権限者によって承認されたか否かを示す情報を表示部52に可視表示する場合の形態例を挙げて説明したが、これに限らず、可視表示に代えて、スピーカによる可聴表示及びプリンタによる印字表示(永久可視表示)の何れかを適用しても良いし、これらを併用しても良い。なお、権限者が権限者居室から接客担当者居室に電話などを用いて承認の可否を連絡しても良い。
【0068】
また、上記第1の実施の形態では、承認装置18は、役務提供支援装置16から転送された受付画面情報に基づいて受付画面90を生成する場合の形態例を挙げて説明したが、役務提供支援装置16によって受付画面情報を転送させずに顧客受付装置14から直接受付画面情報を受信し、受信した受付画面情報に基づいて受付画面90を生成しても良い。このように、役務提供支援装置16に表示されている受付画面90と同様の画面が結果的に共有された状態で承認装置18の表示部82に表示されれば良い。
【0069】
また、上記第1の実施の形態では、キーボードやマウスなどを操作することによって転送指示に係る入力や番号の入力、承認可否情報の入力などを行う例を挙げて説明したが、これに限らず、マイクロフォンで音声を捉え、捉えた音声を解析することによって転送指示に係る入力や番号の入力、承認可否情報の入力などを行っても良い。
【0070】
また、上記第1の実施の形態では、顧客待合エリアに設置されている顧客受付装置16で顧客特定情報を受け付ける場合の形態例を挙げて説明したが、顧客受付装置16は携帯性を有する電子機器であっても良い。このような電子機器としては例えば携帯電話機が例示できる。例えば携帯電話機を介して現金の借り入れの可否(借り入れ審査)を銀行側に依頼し、銀行側で人員を動員して審査を行う場合に顧客の待ち時間の短縮及び役務提供者の業務の効率化を図ることができる、という点で上記第1の実施の形態と同様の効果が期待できる。
【0071】
また、上記第1の実施の形態では、役務提供支援装置16及び承認装置18において受付部50(80)及び表示部52(82)を別々に設置したが、顧客受付装置14のようにタッチパネル・ディスプレイとして一体的に構成されたものを適用しても良いことは言うまでもない。また、顧客受付装置14では、タッチパネル・ディスプレイ30を適用しているが、これに限らず、機械的なキーを含んで構成された操作部とディスプレイとを別々に設置しても良いことは言うまでもない。
【0072】
[第2の実施の形態]
上記第1の実施の形態では、役務提供支援装置16の表示部52に表示される受付画面90では表示部52の画面を視認する者が権限者であるか否かに拘わらず顧客特定情報が隠蔽される場合の形態例を挙げて説明したが、本第2の実施の形態では、権限者であれば役務提供支援装置16の表示部52においても受付画面90の顧客特定情報を視認可能にした場合について説明する。なお、本第2の実施の形態では、上記第1の実施の形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略し、上記第1の実施形態と異なる点のみを説明する。
【0073】
図17は、役務提供支援装置16の電源が投入された際に役務提供支援装置16のCPU40によって実行される本第2の実施の形態に係る役務提供支援処理プログラムの処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図17に示すフローチャートは、図8に示すフローチャートに比べ、ステップ400,402,404が新たに設けられた点が異なっている。そのため、ここではステップ400,402,404の処理について説明し、図8に示すフローチャートと同一のステップには同一の番号を付してその説明を省略する。
【0074】
図17のステップ400では、カードリーダ48によるIDカードのIDの読み取り待ちを行った後、ステップ200に移行する。ステップ200において肯定判定となった場合にはステップ402に移行し、上記ステップ400の処理で読み取られたIDが権限者に割り当てられたIDであるか否かを判定し、否定判定となった場合にはステップ201に移行する一方、肯定判定となった場合にはステップ404に移行する。ステップ404では、秘匿情報である顧客特定情報が隠蔽されることなく受付画面90を表示部82に表示した後、本役務提供支援処理プログラムを終了する。
【0075】
次に、図18を参照しながら、顧客受付装置14、役務提供支援装置16、及び承認装置18の間で行われる本第2の実施の形態に係る処理の全体的な流れについて説明する。なお、図18は、顧客受付装置14、役務提供支援装置16、及び承認装置18の間で行われる本第2の実施の形態に係る処理の遷移を示す遷移図である。なお、図16に示すS100,102,104,106,200,201,202,203,208,210,300,302,304,306,308,310,318,322,324,236,400,402,404は、図5,12,17に示すステップ番号である。
【0076】
図18に示すように、顧客は顧客受付装置14を介して銀行側に対して役務(例えば現金の貸し出し)を要求すると、顧客受付装置14において、タッチパネル・ディスプレイ30の表示部30Bに受付画面90及び入力支援画面92が表示される(S100)。顧客が入力支援画面92を利用して受付画面90に表示されている各項目に対して顧客特定情報及び借入金額を入力すると(S102,104)、顧客受付装置14は受付画面情報を役務提供支援装置16に送信する(S106)。
【0077】
一方、役務提供支援装置16では、カードリーダ78によって従業員(権限者及び非権限者を含む従業員)が所持しているIDカードのIDの読み取りを行う(S400)。役務提供支援装置16は、顧客受付装置14から送信された受付画面情報を受信すると(S200)、カードリーダ78に読み取られたIDカードのIDが権限者のものでない場合(S402:N)には、秘匿情報である顧客特定情報を隠蔽した状態で受付画面90を表示部52に表示し(S201)、カードリーダ78に読み取られたIDカードのIDが権限者のものである場合(S402:Y)には、顧客特定情報を隠蔽せずに受付画面90を表示部52に表示する(S404)。そして、従業員(例えばパートタイマー)が役務提供支援装置16に対して受信画面情報の転送を指示すると(S202)、役務提供支援装置16は受信画面情報を承認装置18に転送する(S203)。
【0078】
一方、承認装置18では、カードリーダ78によって従業員(例えば権限者)が所持しているIDカードのIDの読み取りを行う(S300)。そして、承認装置18は、役務提供支援装置16から転送された受付画面情報を受信すると(S302)、顧客特定情報を隠蔽した状態で受付画面90を表示部82に表示する(S304)。従業者は顧客特定情報が隠蔽された状態を解除するために承認装置18に対して予め定められた操作(隠蔽状態の解除を要求する受け付け操作)を実行する(S306)。これに応じて、承認装置18では、権限者番号受付画面96が表示部82に表示される(S308)。ここで、従業者は、権限者番号受付画面96の権限者番号欄96Aに番号を入力する(S310)。これに応じて、承認装置18では、従業者によって入力された番号が権限者に対して予め与えられた権限者番号である場合には顧客特定情報の隠蔽状態が解除され(S322)、顧客特定情報が視認可能になる。一方、業者によって入力された番号が権限者番号でない場合及び既にカードリーダ78に読み取られているIDカードのIDが権限者のものでない場合にはエラー画面が表示される(S318)。
【0079】
承認装置18は、従業者によって承認可否情報が入力されると(S324)、入力された承認可否情報を役務提供支援装置16に送信する(S326)。役務提供支援装置16は、承認装置18から送信された承認可否情報を受信すると(S204)、受信した承認可否情報に応じた情報(承認されたことを示す情報又は権限者によって承認されなかったことを示す情報)を表示部52に表示する。従業者は、表示部52に表示された承認の可否を示す情報に従って顧客に対して如何なる役務を提供するか判断する等の所定処理を行うことなる。
【0080】
以上詳細に説明したように、本第2の実施の形態に係る役務提供システム10では、顧客特定情報を受け付ける顧客受付装置14と、顧客受付装置14によって受け付けられた顧客特定情報を隠蔽した状態で表示可能な第1表示手段の一例である表示部52、顧客特定情報により特定される顧客に対して役務を提供する役務提供者の一例である銀行の従業者に割り当てられ、従業者が顧客に対する役務の提供を承認する権限を有する権限者であるか否かを特定可能な役務提供者特定情報の一例であるIDを受け付ける役務提供用受付手段の一例であるカードリーダ48、及びカードリーダ48によって受け付けられたIDにより特定される銀行の従業者が権限者である場合に顧客受付装置14によって受け付けられた顧客特定情報を隠蔽した状態で受付画面90が表示されるように表示部52を制御し、カードリーダ48によって受け付けられたIDにより特定される銀行の従業者が権限者でない場合に顧客受付装置14によって受け付けられた顧客特定情報を隠蔽しない状態で表示されるように表示部52を制御する表示制御手段の一例であるCPU40を有する役務提供支援装置16と、表示部52に表示された画面を共有して表示する第2表示手段の一例である表示部82、IDを受け付ける承認用受付手段の一例であるカードリーダ78、及び表示部52及び表示部82に秘匿情報が隠蔽された顧客特定情報を含む受付画面90が表示され、かつカードリーダ78によって受け付けられたIDにより特定される銀行の従業員が権限者である場合に表示部52での表示状態に影響を与えることなく表示部82で秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する制御手段の一例であるCPU70を有する承認装置18と、を備えているので、特定の役務提供者(例えばパートタイマー)に顧客の秘匿情報を視認させることなく業務の効率化を図ることができる。
【0081】
なお、上記第2の実施の形態では、カードリーダ48で読み取られたIDが権限者のものであるか否かの判断結果のみに依拠して顧客特定情報を隠蔽して受付画面90を表示するか顧客特定情報を隠蔽せずに受付画面90を表示するかを決める場合の形態例を挙げて説明したが、これに限らず、例えば、承認装置18と同様に従業者に対して権限者番号の入力を要求し、入力された番号が権限者番号であるか否かを判定し、ここで肯定判定になるとの権限者番号条件に加えて、カードリーダ48で読み取られたIDが権限者のものであるとのID条件を満足した場合に受付画面90を表示するか顧客特定情報を隠蔽せずに受付画面90を表示するように制御し、権限者番号条件及びID条件の少なくとも一方を満たさない場合に顧客特定情報を隠蔽して受付画面90を表示するように制御しても良い。これにより役務提供支援装置16の表示部52を介した顧客特定情報の外部流出(例えばショルダーハックなど)を抑制することができる。
【0082】
また、上記各実施の形態では、CPU20によって顧客受付処理プログラムが実行されることによって顧客受付処理プログラムの各ステップを実現し、CPU40によって役務提供支援処理プログラムが実行されることによって役務提供支援処理プログラムの各ステップが実現し、CPU70によって承認処理プログラムが実行されることによって承認処理プログラムを実現するソフトウェア的な形態を例示したが、これに限らず、各種回路(一例として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit))を接続して構成されるハードウェア的な形態や、ソフトウェア的な形態とハードウェア的な形態とを組み合わせた形態も例示できる。
【0083】
また、上記各実施の形態では、各種処理プログラムがROMに予め記憶されているが、これに限らず、各種処理プログラムをCD−ROMやDVD−ROM、USB(Universal Serial Bus)メモリなどのコンピュータによって読み取られる記憶媒体に格納した状態で提供する形態を適用しても良いし、有線又は無線による通信手段を介して配信する形態を適用しても良い。
【0084】
また、上記各実施の形態では、金融機関である銀行に役務提供システム10が導入された場合の形態例を挙げて説明したが、これに限らず、銀行以外の金融機関に適用しても良いし、市役所や区役所などの住民の個人情報を扱う公的機関に適用しても良いことは言うまでもない。その他、携帯電話機の販売店舗や家電量販店などの個人情報を扱う店舗にも適用可能である。
【符号の説明】
【0085】
10 役務提供システム
14 顧客受付装置
16 役務提供支援装置
18 承認装置
40,70 CPU
48,78 カードリーダ
50,80 受付部
52,82 表示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客を特定すると共に該顧客の秘匿情報を含む顧客特定情報を受け付ける顧客受付装置と、
前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報を、前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示する第1表示手段を有する役務提供支援装置と、
前記第1表示手段に表示された画面を共有して表示する第2表示手段、前記顧客特定情報により特定される顧客に対して役務を提供する役務提供者に割り当てられ、該役務提供者が前記顧客に対する役務の提供を承認する権限を有する権限者であるか否かを特定可能な役務提供者特定情報を受け付ける承認用受付手段、及び前記第1表示手段及び前記第2表示手段に前記秘匿情報が隠蔽された前記顧客特定情報を含む画面が表示され、かつ前記承認用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく前記第2表示手段で前記秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する制御手段を有する承認装置と、
を含む役務提供システム。
【請求項2】
顧客を特定すると共に該顧客の秘匿情報を含む顧客特定情報を受け付ける顧客受付装置と、
前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報を、前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示可能な第1表示手段、前記顧客特定情報により特定される顧客に対して役務を提供する役務提供者に割り当てられ、該役務提供者が前記顧客に対する役務の提供を承認する権限を有する権限者であるか否かを特定可能な役務提供者特定情報を受け付ける役務提供用受付手段、及び前記役務提供用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報が前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示されるように前記第1表示手段を制御し、前記役務提供用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者でない場合に前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報が前記秘匿情報を隠蔽しない状態で表示されるように前記第1表示手段を制御する表示制御手段を有する役務提供支援装置と、
前記第1表示手段に表示された画面を共有して表示する第2表示手段、前記役務提供者特定情報を受け付ける承認用受付手段、及び前記第1表示手段及び前記第2表示手段に前記秘匿情報が隠蔽された前記顧客特定情報を含む画面が表示され、かつ前記承認用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく前記第2表示手段で前記秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する制御手段を有する承認装置と、
を含む役務提供システム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記秘匿情報が隠蔽された前記顧客特定情報を含む画面が前記第2表示手段に表示され、かつ前記承認用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者であり、かつ前記秘匿情報が前記隠蔽された状態の解除を指示する条件として予め定められた条件を満足した場合に、前記第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく前記第2表示手段で前記秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する請求項1又は請求項2に記載の役務提供システム。
【請求項4】
前記承認装置は、前記秘匿情報が前記隠蔽された状態の解除を指示するための情報を受け付ける解除指示受付手段を更に有し、
前記予め定められた条件を、前記解除指示受付手段によって受け付けられた情報が予め定められた情報であるとの条件とした請求項3に記載の役務提供システム。
【請求項5】
前記承認装置は、
前記第2表示手段によって表示された顧客特定情報により特定される顧客に対する役務の提供を承認するか否かを示す承認可否情報を受け付ける承認可否受付手段と、
前記承認可否受付手段によって受け付けられた前記承認可否情報を前記役務提供支援装置に出力する出力手段と、を更に有し、
前記役務提供支援装置は、前記出力手段から出力された前記承認可否情報が入力され、入力された承認可否情報が顧客に対する役務の提供を承認しないことを示している場合に前記権限者によって顧客に対する役務の提供が承認されなかったことを示す情報が前記第1表示手段に表示されるように制御し、前記出力手段から出力された前記承認可否情報が入力され、入力された承認可否情報が顧客に対する役務の提供を承認することを示している場合に前記権限者によって顧客に対する役務の提供が承認されたことを示す情報が前記第1表示手段に表示されるように制御する表示制御手段を更に有する請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の役務提供システム。
【請求項6】
顧客を特定すると共に該顧客の秘匿情報を含む顧客特定情報を受け付ける顧客受付装置、及び前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報を、前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示する第1表示手段を有する役務提供支援装置を含む役務提供システムの前記第1表示手段に表示された画面を共有して表示する第2表示手段と、
前記顧客特定情報により特定される顧客に対して役務を提供する役務提供者に割り当てられ、該役務提供者が前記顧客に対する役務の提供を承認する権限を有する権限者であるか否かを特定可能な役務提供者特定情報を受け付ける承認用受付手段と、
前記第1表示手段及び前記第2表示手段に前記秘匿情報が隠蔽された前記顧客特定情報を含む画面が表示され、かつ前記承認用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく前記第2表示手段で前記秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する制御手段と、
を含む承認装置。
【請求項7】
顧客を特定すると共に該顧客の秘匿情報を含む顧客特定情報を受け付ける顧客受付装置、並びに前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報を、前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示可能な第1表示手段、前記顧客特定情報により特定される顧客に対して役務を提供する役務提供者に割り当てられ、該役務提供者が前記顧客に対する役務の提供を承認する権限を有する権限者であるか否かを特定可能な役務提供者特定情報を受け付ける役務提供用受付手段、及び前記役務提供用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報が前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示されるように前記第1表示手段を制御し、前記受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者でない場合に前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報が前記秘匿情報を隠蔽しない状態で表示されるように前記第1表示手段を制御する表示制御手段を有する役務提供支援装置を含む役務提供システムの前記第1表示手段に表示された画面を共有して表示する第2表示手段と、
前記役務提供者特定情報を受け付ける承認用受付手段と、
前記第1表示手段及び前記第2表示手段に前記秘匿情報が隠蔽された前記顧客特定情報を含む画面が表示され、かつ前記承認用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく前記第2表示手段で前記秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する制御手段と、
を含む承認装置。
【請求項8】
コンピュータを、
顧客を特定すると共に該顧客の秘匿情報を含む顧客特定情報を受け付ける顧客受付装置、及び前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報を、前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示する第1表示手段を有する役務提供支援装置を含む役務提供システムの前記第1表示手段に表示された画面を共有して第2表示手段に表示させる手段、
並びに、前記第1表示手段及び前記第2表示手段に前記秘匿情報が隠蔽された前記顧客特定情報を含む画面が表示され、かつ前記顧客特定情報により特定される顧客に対して役務を提供する役務提供者に割り当てられ、該役務提供者が前記顧客に対する役務の提供を承認する権限を有する権限者であるか否かを特定可能な役務提供者特定情報を受け付ける承認用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく前記第2表示手段で前記秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する制御手段として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
顧客を特定すると共に該顧客の秘匿情報を含む顧客特定情報を受け付ける顧客受付装置、並びに前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報を、前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示可能な第1表示手段、前記顧客特定情報により特定される顧客に対して役務を提供する役務提供者に割り当てられ、該役務提供者が前記顧客に対する役務の提供を承認する権限を有する権限者であるか否かを特定可能な役務提供者特定情報を受け付ける役務提供用受付手段、及び前記役務提供用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報が前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示されるように前記第1表示手段を制御し、前記受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者でない場合に前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報が前記秘匿情報を隠蔽しない状態で表示されるように前記第1表示手段を制御する表示制御手段を有する役務提供支援装置を含む役務提供システムの前記第1表示手段に表示された画面を共有して第2表示手段に表示させる手段、
並びに、前記第1表示手段及び前記第2表示手段に前記秘匿情報が隠蔽された前記顧客特定情報を含む画面が表示され、かつ前記役務提供者特定情報を受け付ける承認用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく前記第2表示手段で前記秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する制御手段として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
顧客を特定すると共に該顧客の秘匿情報を含む顧客特定情報を受け付ける顧客受付装置と、
前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報を、前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示する第1表示手段を有する役務提供支援装置と、
前記第1表示手段に表示された画面を共有して表示する第2表示手段、前記顧客特定情報により特定される顧客に対して役務を提供する役務提供者に割り当てられ、該役務提供者が前記顧客に対する役務の提供を承認する権限を有する権限者であるか否かを特定可能な役務提供者特定情報を受け付ける承認用受付手段、及び前記第1表示手段及び前記第2表示手段に前記秘匿情報が隠蔽された前記顧客特定情報を含む画面が表示され、かつ前記承認用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく前記第2表示手段で前記秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する制御手段を有する承認装置と、
を含む役務提供システム。
【請求項2】
顧客を特定すると共に該顧客の秘匿情報を含む顧客特定情報を受け付ける顧客受付装置と、
前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報を、前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示可能な第1表示手段、前記顧客特定情報により特定される顧客に対して役務を提供する役務提供者に割り当てられ、該役務提供者が前記顧客に対する役務の提供を承認する権限を有する権限者であるか否かを特定可能な役務提供者特定情報を受け付ける役務提供用受付手段、及び前記役務提供用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報が前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示されるように前記第1表示手段を制御し、前記役務提供用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者でない場合に前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報が前記秘匿情報を隠蔽しない状態で表示されるように前記第1表示手段を制御する表示制御手段を有する役務提供支援装置と、
前記第1表示手段に表示された画面を共有して表示する第2表示手段、前記役務提供者特定情報を受け付ける承認用受付手段、及び前記第1表示手段及び前記第2表示手段に前記秘匿情報が隠蔽された前記顧客特定情報を含む画面が表示され、かつ前記承認用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく前記第2表示手段で前記秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する制御手段を有する承認装置と、
を含む役務提供システム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記秘匿情報が隠蔽された前記顧客特定情報を含む画面が前記第2表示手段に表示され、かつ前記承認用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者であり、かつ前記秘匿情報が前記隠蔽された状態の解除を指示する条件として予め定められた条件を満足した場合に、前記第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく前記第2表示手段で前記秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する請求項1又は請求項2に記載の役務提供システム。
【請求項4】
前記承認装置は、前記秘匿情報が前記隠蔽された状態の解除を指示するための情報を受け付ける解除指示受付手段を更に有し、
前記予め定められた条件を、前記解除指示受付手段によって受け付けられた情報が予め定められた情報であるとの条件とした請求項3に記載の役務提供システム。
【請求項5】
前記承認装置は、
前記第2表示手段によって表示された顧客特定情報により特定される顧客に対する役務の提供を承認するか否かを示す承認可否情報を受け付ける承認可否受付手段と、
前記承認可否受付手段によって受け付けられた前記承認可否情報を前記役務提供支援装置に出力する出力手段と、を更に有し、
前記役務提供支援装置は、前記出力手段から出力された前記承認可否情報が入力され、入力された承認可否情報が顧客に対する役務の提供を承認しないことを示している場合に前記権限者によって顧客に対する役務の提供が承認されなかったことを示す情報が前記第1表示手段に表示されるように制御し、前記出力手段から出力された前記承認可否情報が入力され、入力された承認可否情報が顧客に対する役務の提供を承認することを示している場合に前記権限者によって顧客に対する役務の提供が承認されたことを示す情報が前記第1表示手段に表示されるように制御する表示制御手段を更に有する請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の役務提供システム。
【請求項6】
顧客を特定すると共に該顧客の秘匿情報を含む顧客特定情報を受け付ける顧客受付装置、及び前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報を、前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示する第1表示手段を有する役務提供支援装置を含む役務提供システムの前記第1表示手段に表示された画面を共有して表示する第2表示手段と、
前記顧客特定情報により特定される顧客に対して役務を提供する役務提供者に割り当てられ、該役務提供者が前記顧客に対する役務の提供を承認する権限を有する権限者であるか否かを特定可能な役務提供者特定情報を受け付ける承認用受付手段と、
前記第1表示手段及び前記第2表示手段に前記秘匿情報が隠蔽された前記顧客特定情報を含む画面が表示され、かつ前記承認用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく前記第2表示手段で前記秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する制御手段と、
を含む承認装置。
【請求項7】
顧客を特定すると共に該顧客の秘匿情報を含む顧客特定情報を受け付ける顧客受付装置、並びに前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報を、前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示可能な第1表示手段、前記顧客特定情報により特定される顧客に対して役務を提供する役務提供者に割り当てられ、該役務提供者が前記顧客に対する役務の提供を承認する権限を有する権限者であるか否かを特定可能な役務提供者特定情報を受け付ける役務提供用受付手段、及び前記役務提供用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報が前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示されるように前記第1表示手段を制御し、前記受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者でない場合に前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報が前記秘匿情報を隠蔽しない状態で表示されるように前記第1表示手段を制御する表示制御手段を有する役務提供支援装置を含む役務提供システムの前記第1表示手段に表示された画面を共有して表示する第2表示手段と、
前記役務提供者特定情報を受け付ける承認用受付手段と、
前記第1表示手段及び前記第2表示手段に前記秘匿情報が隠蔽された前記顧客特定情報を含む画面が表示され、かつ前記承認用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく前記第2表示手段で前記秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する制御手段と、
を含む承認装置。
【請求項8】
コンピュータを、
顧客を特定すると共に該顧客の秘匿情報を含む顧客特定情報を受け付ける顧客受付装置、及び前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報を、前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示する第1表示手段を有する役務提供支援装置を含む役務提供システムの前記第1表示手段に表示された画面を共有して第2表示手段に表示させる手段、
並びに、前記第1表示手段及び前記第2表示手段に前記秘匿情報が隠蔽された前記顧客特定情報を含む画面が表示され、かつ前記顧客特定情報により特定される顧客に対して役務を提供する役務提供者に割り当てられ、該役務提供者が前記顧客に対する役務の提供を承認する権限を有する権限者であるか否かを特定可能な役務提供者特定情報を受け付ける承認用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく前記第2表示手段で前記秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する制御手段として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
コンピュータを、
顧客を特定すると共に該顧客の秘匿情報を含む顧客特定情報を受け付ける顧客受付装置、並びに前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報を、前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示可能な第1表示手段、前記顧客特定情報により特定される顧客に対して役務を提供する役務提供者に割り当てられ、該役務提供者が前記顧客に対する役務の提供を承認する権限を有する権限者であるか否かを特定可能な役務提供者特定情報を受け付ける役務提供用受付手段、及び前記役務提供用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報が前記秘匿情報を隠蔽した状態で表示されるように前記第1表示手段を制御し、前記受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者でない場合に前記顧客受付装置によって受け付けられた顧客特定情報が前記秘匿情報を隠蔽しない状態で表示されるように前記第1表示手段を制御する表示制御手段を有する役務提供支援装置を含む役務提供システムの前記第1表示手段に表示された画面を共有して第2表示手段に表示させる手段、
並びに、前記第1表示手段及び前記第2表示手段に前記秘匿情報が隠蔽された前記顧客特定情報を含む画面が表示され、かつ前記役務提供者特定情報を受け付ける承認用受付手段によって受け付けられた役務提供者特定情報により特定される役務提供者が前記権限者である場合に前記第1表示手段での表示状態に影響を与えることなく前記第2表示手段で前記秘匿情報の隠蔽された状態が解除されるように制御する制御手段として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
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【図4】
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【図9】
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【図12】
【図13】
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【図15】
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【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−41412(P2013−41412A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177699(P2011−177699)
【出願日】平成23年8月15日(2011.8.15)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月15日(2011.8.15)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
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