説明

循環式穀物乾燥機の梱包構造

【課題】循環式穀物乾燥機の構成部品を低コストで梱包する構造を提供することを技術的課題としたものである。
【解決手段】
本発明の梱包構造によると、前記乾燥機本体下部3における前側となる一側面3aには、バーナーボックス33等を保護する梱包枠40を形成するが、この梱包枠40の一部分の梱包材料に、穀物貯留タンク部2の構成部品の一つであるタンクステー14…を使用するので、梱包の数及び梱包材料の使用量(開梱後の廃棄量)が削減できる。このため、梱包費用の低コスト化や運搬効率アップ、開梱時間の短縮化の効果を奏する。また、前記複数のタンクステー14の少なくとも一本は、前記枠体30の下部位置に水平状態に取り付けることにより、前記乾燥機本体下部3をトラックの荷台等から降ろすときなどに、作業者が前記下部のタンクステー14を持って持ち上げる際に便利である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農家用の循環式穀物乾燥機に係り、特に、その構成部品を生産工場から出荷する際の梱包構造(荷造り構造)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、前述のように上記循環式穀物乾燥機を生産工場から出荷する際のその構成部品の梱包構造(荷造り構造)については、特許文献1のものがあった。このものは、循環式穀物乾燥機の構成部品の一つである乾燥機本体部(同公報では乾燥室部と記載)の上部開口内部に、穀粒が流下する溝を嵌合体で埋めて載置可能な状態にし、この嵌合体等の上部に構成部品(上部螺旋や張込ホッパなど)を載置し、テープ等を巻きかけて梱包するものである。
【0003】
【特許文献1】実公平4−38233号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記循環式穀物乾燥機の梱包構造には以下の問題点があった。上記梱包構造は、前記乾燥機本体部の上部開口内部に構成部品を収納して集約梱包するものであるが、循環式穀物乾燥機の構成部品は、この外にも多数あるため、例えば、貯留タンクを組立てるための複数のタンク側板などは別梱包となっている。このため、別梱包品の数が多いため、前記設置現場においては、複数の前記梱包部品を開梱・組立した際に、梱包材料である木枠やスチール枠、ポリ袋、ダンボール箱などの廃材が大量に発生し、梱包材料の廃材を処分するための余計な廃棄処分費用等が必要となっている。また、前記梱包部品の数が多いと、トラック等の運搬荷役の作業時間が長時間化する外、前記設置現場における開梱時間もそれだけの時間を必要としている。このため、前記構成部品の梱包数を更に減らして運搬効率等を向上させるとともに、梱包材料の使用量を更に削減することが望まれている。
本発明は、上記問題点にかんがみ、循環式穀物乾燥機の構成部品を低コストで梱包する構造を提供することを技術的課題としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、請求項1により、
穀物を乾燥して排出する乾燥機本体下部3と、
該乾燥機本体下部3の上部に重設した、前後左右の各4枚ずつからなる各段の側板6a,6b,6c,6d,7a,7b,7c,7d…を順に多段状に重合して四角柱状の枠体8とするとともに該枠体8の上部開口を天板10a,10bでふさぎ、前記枠体8の内部の対向する左右の側板7a,7b,7c,7dの間を複数のタンクステー14,17で補強してなる穀物貯留タンク部2と、
前記乾燥機本体下部3の一側面3aに配設した穀物乾燥用の熱風を生成供給するバーナーボックス33と、
前記乾燥機本体下部3から排出された穀物を前記穀物貯留タンク部2に還流する還流部5と、を備えた循環式穀物乾燥機において、
前記乾燥機本体下部3において、前記バーナーボックス33を配設した前側となる一側面3aには、該一側面3aの左右の両端部から前記バーナーボックス33等の側面側を保護するように延設し、かつ、着脱自在にした枠体30を配設するとともに、左右の前記枠体30の両端部間に、複数の前記タンクステー14を着脱自在に掛け渡す、という技術的手段を講じた。
【0006】
また、請求項2により、
前記複数のタンクステー14の少なくとも一本は、前記枠体30の下部位置に水平状態に取りけるとよい。
【0007】
さらに、請求項3により、
前記乾燥機本体下部3において、前記バーナーボックス33を配設した前記一側面3aに対向した後側となる他側面3bには、その下部に、左右の両端部から任意長さだけ延設し、かつ、着脱自在にした他側面側枠体43を配設するとともに、該他側面側枠体の両端部間に、前記タンクステー14を着脱自在に掛け渡すとよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明の梱包構造によると、前記乾燥機本体下部における前側となる一側面には、バーナーボックス等を保護する梱包枠を形成するが、この梱包枠の一部分の梱包材料に、穀物貯留タンク部の構成部品の一つであるタンクステーを使用するので、梱包の数及び梱包材料の使用量(開梱後の廃棄量)が削減できる。このため、梱包費用の低コスト化や運搬効率アップ、開梱時間の短縮化の効果を奏する。また、前記複数のタンクステーの少なくとも一本は、前記枠体の下部位置に水平状態に取り付けることにより、前記乾燥機本体下部をトラックの荷台等から降ろすときなどに、作業者が前記下部のタンクステーを持って持ち上げる際に便利である。さらに、同様に、後側となる他側面の下部にも前記タンクステーを取り付けることにより、乾燥機本体下部を前後方向で持ち上げる際に便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は循環式穀物乾燥機1の全体斜視図である。該循環式穀物乾燥機1は、穀物貯留タンク部2と乾燥機本体部3を重設してなる乾燥機本体4を備えるとともに、前記乾燥機本体下部3から排出された穀物を前記穀物貯留タンク部2に搬送して還流させる還流部5を備える。なお、以下の説明において前後左右とは、「前側」は一側面3aとし、「後側」は他側面3bとし、「左側」は側面部3eとし、「右側」は側面部3gとして説明する。
【0010】
前記穀物貯留タンク部2は、前記乾燥機本体下部3の上部周縁部に、前後左右の複数の側板6a(右側),6b(前側),6c(左側),6d(後側),7a(右側),7b(前側),7c(左側),7d(後側)及び天板10a,10bを組立てて構成される。すなわち、前記上部周縁部3cの各四辺の上端部に、四枚の各側板6(6a,6b,6c,6d)の短い方の側端部同士を嵌合接続した一段分の組立て側板6と、他の四枚の各側板7(7a,7b,7c,7d)の短い方の端部同士を嵌合接続した一段分の組立て側板7と、を嵌合・重合して四角柱状の枠体8を構成する。前記一段分の組立て側板6と一段分の組立て側板7との嵌合接続部分には、着脱自在な固定部材が使用される。例えば、図1及び図5に示したように、前記乾燥機本体下部3の上部周縁部3cにカギ挿入口3fを設けた係合凸部3dを形成するとともに、各側板6(6a,6b,6c,6d)の縁部に前記係合凸部3dと嵌合する嵌合穴6eを形成し、該嵌合穴6eに係合凸部3dを嵌合した後にカギ挿入口3fにカギ42を圧入するようにしたものである。なお、前記係合凸部3dの形成については、前記上部周縁部3c側に予め一体に形成されたものとするのではなく、別体に形成し、前記上部周縁部3c側に別体形成品の係合凸部を挿入する挿入穴を設けるようにしてもよい。
【0011】
図3に示したように、前記一段分の組立て側板6(6a,6b,6c,6d)の内面には、前記側板6aと側板6cの間及び側板6cと側板6dの間に体8を補強するためのタンクステー14,17が水平状に掛け渡してある。前記側板6(6a,6b,6c,6d)の内面には、任意の位置に、前記タンクステー14,17の各端部14a,17aを挿入・固定するための取付部14b,17bが配設してある。
【0012】
この組み立て後、最上段となった前記側板7(7a,7b,7c,7d)の上部開口部は、二枚の前記天板10a,10bによって塞いで密閉状にしてある。
【0013】
前記天板10a,10bは、その周縁部の任意の位置に、前記側板7(7a,7b,7c,7d)の接合縁部に配設した係合凸部7eに挿入するための嵌合穴10cをそれぞれ複数配設し、それぞれの嵌合穴10cを対応した前記係合凸部7eに挿入嵌合して前記側板7の上部開口部は、塞(ふさ)がれてある。前記係合凸部7eは、図1に示したような、カギ状のくさび9を挿通可能な挿通穴7fを形成した凸状にし、組立て後は前記挿通穴7fにくさび9を圧入して前記天板10a,10bを前記側板7に対して固定できるようにしてある。
【0014】
前記乾燥機本体下部3は、図2に示したように、熱風を通風して穀物を乾燥する乾燥部11と穀粒を集穀して機外に排出する集穀・排出部12とを重設して構成されている。前記乾燥部11は、横設した熱風胴11eを中央に、該熱風胴11eの両側位置に穀物流下層11d,11d及び排風胴11c,11cを順次横設してなる。前記熱風胴11eの一方側開口部には、前記乾燥機本体下部3における一側面3aの外部に配設した熱風発生装置(図示せず)と連通し、該熱風発生装置13はバーナーボックス33によって覆われている。一方、前記排風胴11c,11cの各他方側開口部には、前記乾燥機本体下部3における他側面3b(前記一側面3aの対向側面)の外部に配設した排風ファン(図示せず)が接続してある。
【0015】
前記集穀・排出部12は、前記穀物流下層11d,11dの下端部が合流する位置に配設したロータリーバルブ12aと、その下方位置に横設した縦断面が漏斗状の集穀板12b及び下部搬送スクリュー12cとからなる。
【0016】
前記還流部5は、昇降機15aと上部搬送スクリュー15bとからなる。前記昇降機15aの搬送始端側(下部)は前記下部搬送スクリュー12cの排出側と連通する一方、搬送終端側(上部)は上部搬送スクリュー15bの搬送始端側に連通している。前記上部搬送スクリュー15bの搬送終端側には穀物飛散板16を装着する。
【0017】
前記昇降機15aに隣接して配設されている熱風発生装置13の上部には、当該循環式穀物乾燥機1の運転を制御するコントロールボックス18が装着されている。
【0018】
以上説明した循環式穀物乾燥機1及びその各構成部については、特別なものではなく、周知のものである。
【0019】
本発明における循環式穀物乾燥機の梱包構造について:
図4には、本発明の梱包構造の特徴点を説明するための梱包作業フローが示してある。説明の便宜上、梱包作業フローは、ステップ1からステップ5(梱包完成)に分けて説明する。
【0020】
ステップ1:図5(拡大説明図)参照
ステップ1では、前記乾燥機本体下部3の上部開口内部に、前記循環式穀物乾燥機1を構成する他の構成部品(以下「構成部品」という)を重合して、該構成部品が当該乾燥機本体下部3の上部開口内部(上部開口縁部3c内)に収まるように載置する。本実施例では、例えば、ダンボールシート19、前記側板6b,7b、ダンボールシート20、前記側板6d,7d、ダンボールシート21、前記タンクステー17,17及び前記乾燥部11の構成部品である仕切り板22,22(前述してない)を重合して載置した。本実施例では、最上段の前記タンクステー17,17及び前記乾燥部11の構成部品である仕切り板22,22は、前記乾燥機本体下部3の上部開口縁部3cから外部に突出していない。
【0021】
これに続いて、前記乾燥機本体下部3の上部開口を塞ぐために、これに前記天板10a,10bを重合して開口を塞ぐ。前記天板10a,10bの重合に際しては、前記天板10a,10bの縁部に配設した前記嵌合穴(天板係合部)10cを、上部開口縁部3cに配設した係合凸部(天板係合部)3dに挿入して、前記天板10a,10bが位置決めされてずれないようにしてある。
【0022】
ステップ2:図6(拡大説明図)参照
ステップ2では、さらに他の構成部品を、前記排風胴11c,11cに収納する。前記乾燥機本体下部3において、排風胴11c,11cの側面は、張り込み開閉扉11a又は開閉可能な開閉側板11bにしてある。ステップ2では、前記張り込み開閉扉11a及び開閉側板11bを開き、図2及び図6に示したように排風胴11c,11cのA,B,C,Dの各スペースに前記他の構成部品を収納梱包する。前記各スペースに構成部品を収納梱包する際には、各構成部品を保護シート23a等でくるんだ状態、又は、ダンボール箱23bに入れた状態で収納する。
【0023】
ステップ3:図7(拡大説明図)参照
ステップ3では、さらに他の構成部品である前記側板6a,7a及び側板6c,7cを、前記乾燥機本体下部3における張り込み開閉扉11a及び開閉側板11bが配設された左右の側面部3e,3gにそれぞれ着脱自在に取付け、前記乾燥機本体下部3を保護する梱包材の替わりとする。図7の(A)に示したように、前記乾燥機本体下部3の側面3gに対しては、前記側板6a,7aを取り付ける。この取付けに際しては、前記側板6a,7aの内側(組立てた際のタンク内面側)を外側に向けて取付ける。また、前記側板6aと側板7aは上下方向に互いの端部を重合接合し、該重合接合した状態で取付ける。さらに前記互いの端部の重合接合は、一方側の端部に配設した嵌合穴24と、他方側の端部に配設した前記嵌合穴24と嵌合する係合凸部25とによってなす係合部41によって接合し、端部同士のずれが生じないように位置決めがなされている。
【0024】
前記側板6a,7aの側面3gに対する固定は、任意の固定部材で着脱自在に固定する。本実施例においては、前記側面3g側に設けたボルトネジ穴26に、前記各側板の縁部に設けた取付穴27を介してボルト28で固定するようにした(図7の(A)において一箇所の例を記載)。一方、前記側板6c,7cの側面部3eに対する取付けも同様にして行う。なお、前記側板6a,7a及び側板6c,7cの取付けに際しては、側面部3e,3gとの間に、緩衝材シート29を挟んで行うとよい。変形例を説明する。上記実施例では、前記穀物貯留タンク部2が前記側板6,7の二段構成のものであるが、さらに、上部に増し枠した穀物貯留タンク部2である場合でも、増し枠の左右の側板も側板6a,7a,6c,7cに重合してボルトで前記乾燥機本体下部3の側面部3e,3gに着脱可能に取付けるようにしてもよい(図示せず)。
【0025】
ステップ3では、さらに、もう一つの梱包の工夫がなされる。すなわち、前記乾燥機本体下部3における一側面3a(バーナーボックス33を配設した側)を保護する梱包材料の一部に、前記穀物貯留タンク部2の構成部品の一つである前記タンクステー14を活用する点にある。前記一側面3aには、前記バーナーボックス33等の構成部品を保護するめの枠体30,30を任意の固定部材で着脱自在に固定する。本実施例において、前記枠体30,30はスチール製の棒状角材によって、上下の水平状部30c,30cと垂直状部30dによってコの字状に形成し、前記水平状部30c,30cの各端部はボルト挿通穴30bを設けた接続部30a,30aが形成してある(図7の(A)参照)。そして、前記枠体30,30は、各接続部30a,30aを前記一側面3a左右の端部に設けたボルト挿通穴32に当接して、ボルト31で取付ける。
【0026】
また、前記垂直状部30dには、前記タンクステー14においてフランジ状に形成した前記端部14a,14aを取付けるための取付部30eが形成してある。該取付部30eは、前記タンクステー14のステー胴部が嵌合可能な凹部30fと、前記端部14aに設けたボルトネジ穴14cに対応させたボルト挿通孔30gとから構成する。そして、前記タンクステー14は、前記取付部30eに対して、ステー胴部を凹部30fに嵌合するとともに、ボルトネジ穴14c及びボルト挿通孔30gにボルト31を通して着脱可能に固定する。本実施例では、前記タンクステー14は、前記垂直状部30dの上部、中部、下部の各位置に一本ずつ取付けるようにし、当該構成部品を梱包材料として活用した。なお、前記垂直状部30dの下部の位置に取付けたタンクステー14は、運搬時に、トラックの荷台から乾燥機本体下部3を下ろす際に、作業者が乾燥機本体下部3を持ち上げるのに便利である。
【0027】
さらに、前記タンクステー14の梱包材料として活用は、前記乾燥機本体下部3の他側面3bの下部にも活用する。すなわち、図7の(B)に示したように、前記タンクステー14の各端部14aを、他側面3bにおける下部の左右端部に取付けるための枠体(他側面側枠体)43,43を設ける。各枠体43,43は、前記枠体30,30の取り付け構造と同様にして、断面L字状の板状部材の接続部にボルトネジ穴43aを形成するとともに、他側面3bの下部の対応位地に設けたボルト挿通孔34を形成し、ボルト35によって他側面3bに着脱自在に取付ける。また、各枠体43,43に前記タンクステー14の各端部14aを着脱自在に取付ける構造は、前記取付部30eと同じ構造とする。すなわち、ボルト36をボルト挿通穴43b及びボルトネジ穴14cに通して固定する。また、前記タンクステー14のステー胴部が嵌合可能な凹部43cも形成する。これにより、前記他側面3bの下部に取付けたタンクステー14は、前記一側面3aの下部に取付けたタンクステー14と同様に、運搬時に、トラックの荷台から乾燥機本体下部3を下ろす際に、作業者が乾燥機本体下部3を持ち上げるのに便利である。
【0028】
ステップ4:図8(拡大説明図)参照
ステップ4は、前記ステップ5の梱包作業が終了した状態の乾燥機本体下部3の前後の斜視図である。
【0029】
ステップ5:図9(拡大説明図)参照
ステップ5では、梱包作業の仕上げである。前記ステップ5の梱包を終えた前記乾燥機本体下部3に対し、袋状の保護シート37を全体に被せ、さらにその上部と下部の任意位置に、積み重ね用の木製の角材棒38,38,…を乾燥機本体下部3にボルト39で固定する。また、前記乾燥機本体下部3の一側面3aに、前記枠体30とタンクステー14,14,14とによって構成した、いわゆる梱包枠40の内部の余りの空間には、前記排風ファンの排風口に接続する屈曲管44を載置して集約梱包する。
【0030】
以上述べた本発明の梱包構造によると、前記穀物貯留タンク部2の構成部品である前記側板6a,7a及び側板6c,7cを前記乾燥機本体下部3の側面部3e,3gに着脱自在に取付けて、集約梱包するので、梱包の数と梱包材料の使用量(開梱後の廃棄量)をより削減することができる。また、前記側板6a,7a及び側板6c,7cをそれぞれ上下に重合した状態で取り付けるので、前記乾燥機本体下部3の側面部3e,3gの面積を有効活用でき、前記側板係合部41を介しての重合のためずれ防止や搬送時のガタつき防止効果も奏する。さらに、前記側板の内面側を外側に向けて取付けるため、側板の外面にキズ等を付けることなく前記乾燥機本体下部3の保護効果もある。
【0031】
また、前記乾燥機本体下部3の一側面3aのバーナーボックス33等を保護する梱包枠40の一部分に、構成部品の一つであるタンクステーを使用するので、この点においても、梱包の数と梱包材料の使用量(開梱後の廃棄量)の削減に効果を奏する。
【0032】
さらに、前記乾燥機本体下部3の上部開口内部に構成部品を梱包し、さらに、前記天板10a,10bも乾燥機本体下部3の上部開口に重合して集約梱包できるので、この点においても、梱包の数と梱包材料の使用量(開梱後の廃棄量)の削減に効果を奏する。また、前記天板10a,10bと乾燥機本体下部3の上部開口の縁部の重合は、前記天板10a,10bと乾燥機本体下部3の上部開口縁部とに設けた天板係合部10c,3dを介しての重合のため、ずれ防止や搬送時のガタつき防止効果も奏する。さらに、前記天板係合部10c,3dは、前記天板10a,10b及び側板6(6a,6b,6c,6d)を組立てる際に使用するものなので、特別に設けなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】循環式穀物乾燥機の前方斜視図である。
【図2】図1の循環式穀物乾燥機の縦正面断面図である。
【図3】前記穀物貯留タンク部2の内部において、タンクステーの取付け状態を示した図である。
【図4】本発明の梱包構造の特徴点を説明するための梱包作業フローを示す。
【図5】図4の梱包作業フローにおけるステップ1の拡大・詳細説明図である。
【図6】図4の梱包作業フローにおけるステップ2の拡大説明図である。
【図7】図4の梱包作業フローにおけるステップ3の拡大説明図である。
【図8】図4の梱包作業フローにおけるステップ4の拡大説明図である。
【図9】図4の梱包作業フローにおけるステップ5の拡大説明図である。
【符号の説明】
【0034】
1 循環式穀物乾燥機
2 穀物貯留タンク部
3 乾燥機本体下部
3a 一側面(前側)
3b 他側面(後側)
3c 上部開口縁部
3d 係合凸部(天板係合部)
3e 側面部(左側)
3f カギ挿入口
3g 側面部(右側)
4 乾燥機本体
5 還流部
6(6a,6b,6c,6d) 側板
6e 嵌合穴
7(7a,7b,7c,7d) 側板
7e 係合凸部
7f 挿通穴
8 枠体
9 くさび(カギ)
10a 天板
10b 天板
10c 嵌合穴(天板係合部)
11 乾燥部
11a 張り込み開閉扉
11b 開閉可能側板
11c 排風胴
11d 穀物流下層
11e 熱風胴
12 集穀・排出部
12a ロータリーバルブ
12b 集穀板
12c 下部搬送スクリュー
13 熱風発生装置
14 タンクステー
14a 端部
14b
14c ボルトネジ穴
15a 昇降機
15b 上部搬送スクリュー
16 穀物飛散板
17 タンクステー
17a 端部
17b 取付部
18 コントロールボックス
19 ダンボールシート
20 ダンボールシート
21 ダンボールシート
22 仕切板
23a 保護シート等
23b ダンボール箱
24 嵌合穴
25 係合凸部
26 ボルトネジ穴
27 取付穴
28 ボルト
29 緩衝シート
30 枠体
30a 接続部
30b ボルト挿通孔
30c 水平状部
30d 垂直状部
30e 取付部
30f 凹部
30g ボルト挿通孔
31 ボルト
32 ボルト
33 バーナーボックス
34 ボルト挿通孔
35 ボルト
36 ボルト
37 保護シート
38 角材棒
39 ボルト
40 梱包枠
41 側板係合部
42 カギ(くさび)
43 枠体(他側面側枠体)
43a ボルトネジ穴
43b ボルト挿通穴
43c 凹部
44 屈曲管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀物を乾燥して排出する乾燥機本体下部3と、
該乾燥機本体下部3の上部に重設した、前後左右の各4枚ずつからなる各段の側板6a,6b,6c,6d,7a,7b,7c,7d…を順に多段状に重合して四角柱状の枠体8とするとともに該枠体8の上部開口を天板10a,10bでふさぎ、前記枠体8の内部の対向する左右の側板7a,7b,7c,7dの間を複数のタンクステー14,17で補強してなる穀物貯留タンク部2と、
前記乾燥機本体下部3の一側面3aに配設した穀物乾燥用の熱風を生成供給するバーナーボックス33と、
前記乾燥機本体下部3から排出された穀物を前記穀物貯留タンク部2に還流する還流部5と、を備えた循環式穀物乾燥機において、
前記乾燥機本体下部3において、前記バーナーボックス33を配設した前側となる一側面3aには、該一側面3aの左右の両端部から前記バーナーボックス33等の側面側を保護するように延設し、かつ、着脱自在にした枠体30を配設するとともに、左右の前記枠体30の両端部間に、複数の前記タンクステー14を着脱自在に掛け渡したことを特徴とした循環式穀物乾燥機の梱包構造。
【請求項2】
前記複数のタンクステー14の少なくとも一本は、前記枠体30の下部位置に水平状態に取り付けた請求項1に記載の循環式穀物乾燥機の梱包構造。
【請求項3】
前記乾燥機本体下部3において、前記バーナーボックス33を配設した前記一側面3aに対向した後側となる他側面3bには、その下部に、左右の両端部から任意長さだけ延設し、かつ、着脱自在にした他側面側枠体43を配設するとともに、該他側面側枠体の両端部間に、前記タンクステー14を着脱自在に掛け渡した請求項1又は請求項2に記載の循環式穀物乾燥機の梱包構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−7964(P2010−7964A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−167969(P2008−167969)
【出願日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(000001812)株式会社サタケ (223)
【Fターム(参考)】