説明

情報システム及びプログラム

【課題】決裁処理をより円滑に進めることを可能とする。
【解決手段】決裁装置10は、人事情報41を記憶すると共に決裁の種類に応じた決裁経路の雛形となる決裁ルールを記憶する記憶装置14と、人事情報41と決裁ルールとに基づき決裁経路を決定し、決裁期限日数を経ても決裁処理を完了しない決裁者が生じた場合、人事情報41に基づき当該決裁者の上長であって決裁経路上に存在しない者に当該決裁者による決裁処理をスキップするスキップ権限を付与するCPU11と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決裁装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
決裁を必要とする申請内容について、あらかじめ決定された決裁者の端末(決裁者端末)に対して申請内容を示す電子文書データ等を配信し、決裁者端末に対する入力操作によって決裁処理を行う決裁システムが知られている。決裁システムは、申請を行う申請者端末と、決裁者端末と、申請者端末及び決裁者端末と通信可能に接続されて決裁処理に関する各種処理を行う決裁装置とにより構成される。
【0003】
決裁システムは、決裁者が複数存在する決裁処理を行う場合、あらかじめ定められた決裁処理順序(決裁経路)に基づき決裁者の決裁処理を順次受け付ける処理を行うことが一般的であるが、このとき一人の決裁者が不在等の理由により決裁処理を滞留させると、以後の決裁者による決裁処理が滞ってしまう。そこで、決裁処理を滞留させている決裁者による決裁処理を、その直後に決裁処理を行う予定の決裁者によってスキップさせることが可能な決裁システムや(例えば特許文献1)、決裁処理を滞留させている決裁者の上長に該当する決裁者を決裁経路上から検索し、その者を代理決裁者として設定する決裁システムがある(例えば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−107082号公報
【特許文献2】特開2007−156678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述の特許文献1、2による決裁システムでは決裁処理の滞留を防止できない場合がある。
図20に決裁経路の一例を示す。
例えば、図20に示すように、Vが行った申請の決裁経路上に複数の決裁者W、X、Yが設定され、かつ、決裁処理を滞留させている決裁者が当該決裁経路における一の所属(甲)の最後の決裁者(X)であった場合を考える。
【0006】
特許文献1の決裁システムでは決裁処理を滞留させている決裁者の次の決裁者即ち所属の異なる決裁者(乙に所属するY)がスキップ処理を行うこととなる。しかしながら、所属の異なる決裁者が他の所属の最後の決裁者の決裁処理をスキップすることはシステムとして可能ではあっても、実際に決裁処理を進めることは難しい場合がある。
【0007】
特許文献2の決裁システムでは、決裁処理を滞留させている決裁者の上長に該当する決裁者を決裁経路上から検索するが、図20に示す例の場合、決裁処理を滞留させている決裁者は決裁経路における一の所属の最後の決裁者であるので、代理決裁者を設定することができない。
【0008】
本発明の課題は、決裁処理をより円滑に進めることができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、複数の決裁者による決裁処理順序が定められた決裁経路上に存在する決裁者の決裁者端末に対して決裁に関する情報を順次配信し、前記決裁者端末からの入力に基づき決裁処理を行う決裁装置において、前記決裁者を含む複数の者の人事情報を記憶する人事情報記憶手段と、決裁経路の雛形情報を記憶する決裁経路雛形情報記憶手段と、前記人事情報と前記決裁経路の雛形情報とに基づき決裁経路を決定する決裁経路決定手段と、前記決裁経路上の決裁処理に際し、所定の期間を経ても決裁処理を完了しない決裁者が生じた場合、前記人事情報に基づき当該決裁者の上長であって前記決裁経路上に存在しない者に当該決裁者による決裁処理をスキップするスキップ権限を付与するスキップ権限付与手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の決裁装置において、前記スキップ権限付与手段は、前記決裁経路上に複数の決裁者が存在し、かつ、当該決裁経路上において決裁処理の滞留した決裁者の次の決裁者が前記人事情報において決裁処理の滞留した決裁者の上長に該当しない場合、前記スキップ権限の付与を行い、前記決裁経路上に複数の決裁者が存在し、かつ、当該決裁経路上において決裁処理の滞留した決裁者の次の決裁者が前記人事情報において決裁処理の滞留した決裁者の上長に該当する場合、決裁処理の滞留した決裁者による決裁処理をスキップして次の決裁者による決裁処理へと進めることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の決裁装置において、前記スキップ権限を付与された者に対してスキップ権限が付与されたことを通知するスキップ権限付与通知手段を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項3に記載の決裁装置において、前記スキップ権限付与通知手段は、前記スキップ権限が付与されたことを通知するメッセージをスキップ権限の付与された者の決裁者端末の画面に表示することを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項3又は4に記載の決裁装置において、前記スキップ権限付与通知手段は、前記スキップ権限が付与されたことを通知するメールを配信することを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の決裁装置において、前記スキップ権限付与手段によって決裁処理をスキップされた決裁者に対して決裁処理がスキップされたことを通知するスキップ処理通知手段を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項6に記載の決裁装置において、前記スキップ処理通知手段は、スキップされたことを通知するメッセージをスキップされた決裁者の決裁者端末の画面に表示することを特徴とする。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項6又は7のいずれか一項に記載の決裁装置において、前記スキップ処理通知手段は、スキップされたことを通知するメールを配信することを特徴とする。
【0017】
請求項9記載の発明は、請求項1から8のいずれか一項に決裁装置において、前記所定の期間を設定する設定手段を備えることを特徴とする。
【0018】
請求項10記載の発明によるプログラムは、コンピュータを、決裁者を含む複数の者の人事情報を記憶する人事情報記憶手段、決裁経路の雛形情報を記憶する決裁経路雛形情報記憶手段、人事情報と決裁経路の雛形情報とに基づき決裁経路を決定する決裁経路決定手段、前記決裁経路上の決裁処理に際し、所定の期間を経ても決裁処理を完了しない決裁者が生じた場合、前記人事情報に基づき当該決裁者の上長であって前記決裁経路上に存在しない者に当該決裁者による決裁処理をスキップするスキップ権限を付与するスキップ権限付与手段、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、決裁処理をより円滑に進めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態である決裁装置を含む決裁システム1の主要構成を示す図である。
【図2】決裁装置のブロック図である。
【図3】本実施形態の記載において用いる組織図である。
【図4】所属情報の一例を示す図である。
【図5】社員情報の一例を示す図である。
【図6】申請書情報の一例を示す図である。
【図7】決裁ルール情報の一例を示す図である。
【図8】決裁者選定ルール情報の一例を示す図である。
【図9】決裁申請書情報の一例を示す図である。
【図10】決裁者情報の一例を示す図である。
【図11】決裁経路の一例を示す図である。
【図12】スキップ処理の概念図を示す図である。
【図13】自動スキップ処理が行われた決裁者情報の一例を示す図である。
【図14】スキップ権限を付与された社員の決裁者端末の画面表示内容の一例を示す図である。図14(a)は1件のスキップ処理決裁内容の概要が示された画面、図14(b)は1件のスキップ処理決裁内容の詳細が示された画面、図14(c)はスキップ処理の完了後の画面を示す。
【図15】スキップ権限を付与された社員によるスキップ処理後の決裁者情報の一例を示す図である。
【図16(a)】決裁装置による決裁処理の進行の全体を示すフローチャートのうち、ステップS1〜S10を示す。
【図16(b)】決裁装置による決裁処理の進行の全体を示すフローチャートのうち、ステップS11〜S18を示す。
【図17】図16(a)のステップS10に示す滞留決裁者の上長の社員番号の取得処理内容を示すフローチャートである。
【図18】図16(b)のステップ17に示す自動スキップ処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図19】スキップ権限を付与された社員によるスキップ処理が行われた場合の決裁装置10の動作を示すフローチャートである。
【図20】決裁経路の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図を参照して本発明の実施形態について詳細に説明するが、この発明は、この実施の形態に限定されない。また、この発明の実施の形態は発明の最も好ましい形態を示すものであり、発明の用途はこれに限定されない。
【0022】
図1に、本発明の実施形態である決裁装置10を含む決裁システム1の主要構成を示す。決裁システム1は、申請者端末2と、決裁者端末3と、決裁装置10と、これらを接続する回線としてのネットワーク4と、を有する。
【0023】
申請者端末2及び決裁者端末3は、WEBクライアント6及びメールクライアント7としての機能並びに表示装置8及び入力装置9を有する。決裁者端末3を介して行われる画面表示は表示装置8によって行われ、決裁者端末3を介して行われる入力操作は入力装置9によって行われる。
図1において、申請者端末2及び決裁者端末3はそれぞれ一つずつの構成となっているが、複数の申請者端末2及び決裁者端末3を設けてもよい。
【0024】
決裁装置10は、メールサーバ20、WEBサーバ30、DBサーバ40及び決裁期限監視サーバ50としての機能を有する。
【0025】
メールサーバ20は、申請者端末2又は決裁者端末3に対してメールの配信を行う。当該メールは、メールが配信された端末のメールクライアント7によって閲覧可能に表示される。
【0026】
WEBサーバ30は、申請者端末2又は決裁者端末3のWEBクライアント6で閲覧可能なWEBページデータを配信すると共に、WEBクライアント6を介して行われた入力内容に応じた処理を行う。
【0027】
DBサーバ40は少なくとも、人事システムの情報である人事情報41と、決裁システムの情報である決裁ルール42及び決裁情報43と、を記憶し、その内容を管理する。人事情報41、決裁ルール42及び決裁情報43の各内容については後述する。
【0028】
決裁期限監視サーバ50は、決裁処理の決裁期限日数に基づく決裁処理の滞留監視を行う。その詳細は後述する。
【0029】
図2に、決裁装置10のブロック図を示す。
決裁装置10は、決裁装置10の各種処理を行うCPU11と、CPU11が読み込んで処理する各種プログラム及びデータを記憶するROM12と、CPU11の処理において生じるデータを格納するRAM13と、各種のプログラム及びデータを書き換え可能に記憶する記憶装置14と、ネットワーク4と決裁装置10とを接続する通信装置15と、オペレータによる入力操作を可能とする入力装置16と、決裁措置10の出力を表示する表示装置17と、カレンダー及び時計として機能する計時装置18と、これらを接続するバス19と、を有する。
【0030】
CPU11は、ROM12及び記憶装置14から各種プログラム及びデータを読み込んで実行処理することにより、決裁装置10が行う各種動作を実現する所謂ソフトウェア処理を行う。以降、CPU11が行う処理は、ソフトウェア処理による。図1に示すメールサーバ20、WEBサーバ30、DBサーバ40及び決裁期限監視サーバ50としての機能も同様である。
【0031】
ROM12は少なくとも、決裁経路決定プログラム12a、スキップ処理プログラム12b及び決裁期限日数設定プログラム12cを記憶する。これらの各プログラムを読み込んで実行処理した場合のCPU11の動作については後述する。
【0032】
記憶装置14は、ハードディスク、フラッシュメモリ、その他の書き換え可能な記憶装置またはその組み合わせによる記憶装置である。DBサーバ40が記憶する内容は、記憶装置14に記憶されている。
図2において、記憶装置14は決裁装置の構成の一つとして記載されているが、外部に接続された記憶装置でもよいし、ネットワーク4を介して読込可能な記憶装置やデータベースでもよい。
【0033】
通信装置15は、例えばNIC等であり、決裁装置10をネットワーク4に接続するインターフェースとして機能する。
入力装置16は、例えばキーボードやマウス等であり、CPU11が行う処理内容に関する各種入力等を行える。
表示装置17は、例えばCRTや液晶ディスプレイ等であり、CPU11が行う処理における表示出力内容を表示する。
【0034】
計時装置18は、現在の年月日及び時刻を計時、管理する。以後、計時装置18から取得される年月日をシステム日付、計時装置18から取得される時刻をシステム時刻とする。
【0035】
次に、人事情報41について説明する。人事情報41は、図示しない人事システムによって生成、更新、削除その他の管理を受けるデータであり、企業等の組織を構成する人員(例えば社員等)の相互関係を示す情報を記憶する。
【0036】
図3に、本実施形態の記載において用いる組織図を示す。
図3に示す組織図は、独立した所属として、総務部内の総務課と、第一開発部とを有する。第一開発部はその下位所属として、「11開発室」及び「12開発室」を有する。「11開発室」はその下位所属として、「11開発室第一チーム」及び「11開発室第二チーム」を有する。「12開発室」はその下位所属として、「12開発室第一チーム」及び「12開発室第二チーム」を有する。
【0037】
総務課に所属する社員として、Dと、Dの上長である課長Eとが存在する。第一開発部に所属する社員として、部長Cが存在する。「11開発室」に所属する社員として、室長Bが存在する。「11開発室第一チーム」に所属する社員として、Zと、Zが属するチームのリーダであるAが存在する。
【0038】
以降、図3に示す組織図に対応した人事情報41について説明する。
人事情報41は少なくとも、所属情報及び社員情報を有する。所属情報は主として各所属に関する情報を含む情報であり、社員情報は主として各社員に関する情報を含む情報である。以下、順を追って説明する。
【0039】
図4に、所属情報の一例を示す。
所属情報は、所属コード、所属名、上位所属コード及び所属長社員番号の各レコードを有する。図4に示す所属情報の各項目が、一つの所属に関する情報を示すレコード群として設定されている。
【0040】
所属名は、前述の図3に示す組織図の各所属の名称に対応するレコードである。
所属コードは、各所属名に割り当てられた所定の桁数の数値(例えば5桁の数値)レコードであり、所属名ごとに異なる所属コードが割り当てられている。
上位所属コードは、その所属の上位に該当する所属の所属コードを示すレコードである。例えば、「11開発室第一チーム」及び「11開発室第二チーム」の上位の所属は「11開発室」であるので、「11開発室第一チーム」及び「11開発室第二チーム」の上位所属コードは「11開発室」の所属コード(10110)である。他の上位所属コードについても同様である。
【0041】
所属長社員番号は、その所属の所属長を示すレコードであり、所属長である社員の社員番号が設定されている。社員番号は社員情報によって定義されており、所属長社員番号は社員情報に含まれる社員番号をその所属の所属長として対応付けする。
【0042】
図5に、社員情報の一例を示す。
社員情報は、社員番号、社員名、所属コード、役職コード及び担当業務の各レコードを有する。図5に示す社員情報の各項目が、一人の社員に関する情報を示すレコード群として設定されている。
【0043】
社員名は、前述の図3に示す各社員の名称に対応するレコードである。
社員番号は、各社員に割り当てられた所定の桁数の数値(例えば5桁の数値)レコードであり、社員名ごとに異なる社員番号が割り当てられている。所属情報の所属長社員番号で対応付けられる社員番号は当該レコードである。
所属コードは、その社員の所属を示すレコードであり、当該所属に対して所属情報で割り当てられた所属コードが設定されている。
役職コードは、その社員の職制上の役職を示す所定の桁数の数値(例えば3桁の数値)レコードである。例えば、101はリーダ、102は室長、103は部長、104は課長を示す。
担当業務は、選定される社員の担当業務を示すレコードであり、所定の桁数の数値(例えば4桁の数値)レコードとして設定される。例えば、1001のレコードは、申請書1による申請の受付担当であることを示す。担当業務に設定されるレコードと業務内容とは図示しない対応付け情報によって対応付けられる。
【0044】
図示しないが、人事情報41は、社員情報と各社員のメールアドレスとを対応付ける情報も含んでおり、CPU11はメールサーバ20の機能により社員番号等の社員を特定可能な情報を参照して各社員を宛先として指定したメールを送信することができる。
【0045】
次に、決裁ルール42について説明する。
決裁ルール42は、決裁を必要とする申請における申請書と当該申請書に対する決裁経路の決定ルールとを対応付ける情報であり、決裁経路の雛形情報として機能する。
【0046】
決裁ルール42は少なくとも、申請書情報、決裁ルール情報及び決裁者選定ルール情報を有する。申請書情報は、申請内容ごとの申請書と、当該申請内容に適用する決裁ルール情報とを対応付ける情報である。決裁ルール情報は、決裁を行う権限を付与する社員(決裁者)を選定するルール及び各決裁者に与えられる決裁処理の期限日数を含む情報である。決裁者選定ルール情報は、決裁者の選定ルールを人事情報41に対応付ける情報である。以下、順を追って説明する。
【0047】
図6に、申請書情報の一例を示す。
申請書情報は、申請書番号、申請書名及び決裁ルールIDの各レコードを有する。図6に示す申請書情報の各項目が、一つの申請書に関する情報を示すレコード群として設定されている。
【0048】
申請書名は、申請書の名称を示すレコードである。申請内容ごとに、名称の異なる申請書が設けられている。
申請書番号は、各申請書名に割り当てられた所定の桁数の数値(例えば5桁の数値)レコードであり、申請書名ごとに異なる申請書番号が割り当てられている。
決裁ルールIDは、その申請書を用いた申請に適用される決裁ルール情報の決裁ルールIDを示すレコードである。決裁ルールIDによって申請書情報と決裁ルール情報とは対応付けられる。
【0049】
図7に、決裁ルール情報の一例を示す。
決裁ルール情報は、決裁ルールID、決裁期限日数及び一つ以上の決裁者選定ルールIDの各レコードを有する。図7に示す決裁ルール情報の各項目が、一つの決裁ルールIDに関する情報を示すレコード群として設定されている。図7の例では、一つの決裁ルールID「1001」に対応するレコードしか示していないが、実際には、複数の決裁ルールIDに夫々対応する複数のレコードが決裁ルール情報のレコード群として設定されている。
【0050】
決裁ルールIDは、特定の決裁期限日数及び決裁者選定ルールIDの組み合わせに対して割り当てられる所定の桁数の数値(例えば4桁の数値)レコードであり、当該組み合わせの種類毎に異なる決裁ルールIDが割り当てられる。
【0051】
決裁期限日数は、一人の決裁者による決裁処理が行える最大の日数を示す数値であり、単位は日である。即ち、決裁期限日数として設定された日数を経ても決裁処理が行われない場合、その決裁者による決裁は滞留しているとみなされる。
【0052】
決裁期限日数は、決裁期限日数設定プログラム12cの機能により、オペレータが任意に設定可能である。具体的には、CPU11が決裁期限日数設定プログラムを読み込んで実行処理することにより、各申請書による決裁処理の決裁期限日数を設定することが可能となる。オペレータは、例えば入力装置16による入力操作等により、決裁期限日数を設定することができる。設定された決裁期限日数は、その申請書に対応した申請書情報の決裁期限日数に反映される。
【0053】
決裁者選定ルールIDは、決裁者選定ルール情報の決裁者選定ルールIDを示すレコードである。決裁者選定ルールIDの数は、その決裁ルールIDが定める決裁者の人数と対応し、第1決裁者選定ルールID、第2決裁者選定ルールID…のように、第n決裁者選定ルールIDの形式で設けられる。即ち、決裁者選定ルールIDの数だけ、決裁者が設定される。決裁者選定ルールIDが示す決裁者は、決裁者選定ルール情報と人事情報41とに基づく。
【0054】
図8に、決裁者選定ルール情報の一例を示す。
決裁者選定ルール情報は、決裁者選定ルールID、対象所属、所属長区分及び担当業務の各レコードを有する。図8に示す決裁者選定ルール情報の各項目が、一つの決裁者選定ルールIDに関する情報を示すレコード群として設定されている。
【0055】
決裁者選定ルールIDは、対象所属、所属長区分及び担当業務の各レコードの組み合わせ毎に割り当てられる所定の桁数の数値(例えば4桁の数値)レコードであり、当該組み合わせの種類毎に異なる決裁者選定IDが割り当てられる。対象所属、所属長区分及び担当業務の各レコードの組み合わせに基づき、人事情報41から当該組み合わせに合致する社員がその選定ルールIDに対応する決裁者として選定される。即ち、決裁ルール情報は決裁ルールIDによって決裁者の選定ルールを指定している。
【0056】
対象所属は、人事情報41の所属コードを示すレコードである。決裁者選定ルール情報によって選定される決裁者は、対象所属に設定されたレコードと対応する所属コードを人事情報41で設定されている社員となる。
所属長区分は、対象所属が示す所属コードの所属長であることを要件とするか否かを示すレコードであり、1又は空白(null)のいずれかが設定される。1の場合、所属長であることを要件とし、空白の場合は要件としない。所属長であるか否かは、例えば社員情報の役職コードが設定されているか否かによって判断される。
担当業務は、選定される社員の担当業務を指定するレコードであり、その内容は社員情報の同名のレコードに対応する。
【0057】
次に、決裁情報43について説明する。決裁情報43は、申請者端末2からの入力により申請された内容に基づき、CPU11が生成する情報であり、決裁情報43によって決裁申請書の決裁の進行状態が管理される。
【0058】
決裁情報43として、決裁申請書情報と、決裁者情報とが生成される。決裁申請書情報は、各申請に割り当てられる固有の番号である申請整理番号と、その申請の決裁状態と、その申請に用いる申請書と、その申請を行った社員と、その申請の決裁期限日数とを対応付ける情報である。決裁者情報は、申請整理番号と、決裁者として選定された社員に関する情報と、各決裁者の決裁状態に関する情報と、を含む情報である。以下、順を追って説明する。
【0059】
図9に、決裁申請書情報の一例を示す。
決裁申請書情報は、申請整理番号、決裁状態、申請書番号、申請書名、申請者社員番号、申請者社員名及び決裁期限日数の各レコードを有する。図9に示す決裁申請書情報の各項目が、一つの決裁申請書に関する情報を示すレコード群として設定されている。
【0060】
申請整理番号は、申請者端末2に対する入力によって行われた申請ごとに割り当てられる所定の桁数の数値(例えば5桁の数値)レコードであり、申請ごとに異なるレコードが割り当てられる。
【0061】
決裁状態は、その申請の決裁処理の進行状態を示すレコードであり、01、02、03のいずれかが設定される。01は未申請、02は決裁中、03は決裁完了を示す。未申請とは、申請のための入力を開始したものの決裁の依頼を行う処理まで進めていない申請内容等に対して設定される。
【0062】
申請書番号及び申請書名は、申請書情報の同名のレコードに対応する。即ち、その申請で用いた申請書に対応するレコードが設定される。このとき、決裁申請書情報に含まれる申請書番号と申請書名との対応関係は、申請書情報における申請書番号と申請書名との対応関係と一致する。
【0063】
申請者社員番号は、その申請を行った社員の社員番号を示すレコードであり、社員情報の社員番号のいずれかが設定される。
社員名は、その申請を行った社員の社員名を示すレコードであり、人事情報41において申請者社員番号に設定された社員番号に対応する社員名が設定される。
【0064】
決裁期限日数は、その申請に用いられた申請書の申請書番号に対応付けられた決裁ルールIDによって対応付けられた決裁ルール情報に含まれる決裁期限日数を示すレコードである。即ち、その申請の決裁における決裁期限日数は、申請書の種類に対応した決裁ルール情報によって決定される。
【0065】
図10に、決裁者情報の一例を示す。
決裁者情報は、申請整理番号、決裁ステップ、決裁者社員番号、決裁者社員名、所属コード、決裁状態、決裁依頼日、決裁依頼時刻、決裁期限切れフラグ、スキップ権限付与社員番号及びスキップ理由の各レコードを有する。図10に示す決裁者情報の各項目が、一人の決裁者による一つの決裁処理内容に関する情報を示すレコード群として設定されている。
【0066】
申請整理番号は、決裁申請書情報の申請整理番号を示すレコードである。即ち、申請整理番号によって、決裁申請書情報と決裁者情報とは対応付けられる。決裁者情報は、同一の申請整理番号を有するレコード群が複数存在し得る。決裁ルール情報において決裁者選定ルールIDが複数設定されている決裁ルールIDと対応付けられた申請書による申請の場合、決裁者が複数存在するためである。
【0067】
決裁ステップは、決裁の順序を示すレコードであり、初期値を1とする純増の数値が設定される。同一の申請整理番号を有する決裁処理においては、決裁処理は決裁ステップに設定された数値が小さい決裁者情報による決裁処理から順に行われる。決裁ステップは、決裁ルール情報における決裁者選定ルールIDの順序に基づいて設定され、第1決裁者選定ルールIDによる決裁者には1、第2決裁者選定ルールIDによる決裁者には2、…のように設定される。
【0068】
決裁者社員番号は、決裁者として選定された社員の社員情報における社員番号を示すレコードである。決裁者社員名は、決裁者社員番号に設定された社員番号と対応する社員名である。所属コードは、決裁者社員番号に設定された社員番号と対応する所属コードである。
【0069】
決裁状態は、その決裁者情報の決裁者社員番号により特定される決裁者の決裁処理の状態を示すレコードであり、01、02、03のいずれかが設定される。01は未決裁、02は決裁処理中、03は決裁処理済、40はスキップ処理されたことを示す。決裁者情報の決裁状態レコードに設定された01が示す未決裁は、その決裁者情報による決裁者の決裁処理の段階まで進んでいないことを示す。スキップ処理については後述する。
【0070】
決裁依頼日は、その決裁者情報の決裁者社員番号により特定される決裁者に対する決裁処理の開始日を示すレコードである。即ち、決裁依頼日は、その決裁者に対して決裁の依頼が行われた日を示す。決裁依頼日は、8桁の数値レコードであり、上の桁から順に4桁が西暦年を、2桁が月を、2桁が日を示す所謂yyyymmdd形式により、西暦年、月、日が設定される。決裁依頼日はシステム日付に基づき設定される。
決裁依頼時刻は、その決裁者情報の決裁者社員番号により特定される決裁者に対する決裁処理の開始時刻を示すレコードである。即ち、決裁依頼時刻は、その決裁者に対して決裁の依頼が行われた時刻を示す。決裁依頼時刻は、6桁の数値レコードであり、上の桁から順に2桁が24時間表記での時を、2桁が分を、2桁が秒を示す所謂hhmmss形式により、時分秒が設定される。決裁依頼時刻はシステム時刻に基づき設定される。
【0071】
決裁期限切れフラグは、決裁申請書情報の決裁期限日数に設定された日数を経ても決裁処理が行われない状態の有無即ち決裁処理の滞留の有無を示すレコードであり、1又は空白(null)のいずれかが設定される。1の場合、期限切れであることを示し、空白の場合は期限切れではないことを示す。
スキップ権限付与社員番号は、その決裁者情報の決裁期限フラグが1である場合にその決裁者情報の決裁者社員番号により特定される決裁者による決裁処理をスキップする権限を付与される社員を示すレコードであり、社員情報の社員番号が設定される。即ち、決裁処理の滞留が生じた場合に、スキップ権限付与社員番号に設定された社員番号の社員に滞留した決裁処理をスキップする権限が付与される。
スキップ理由は、スキップ処理が行われた理由を示す所定の桁数の数値(例えば1桁の数値)レコードである。例えば、スキップ理由に1が設定されている場合、スキップ処理の理由が「スキップの権限を付与された社員によるスキップ処理が行われた」ことを示し、2が設定されている場合「次決裁者が上長のため自動スキップ処理された」ことを示す。スキップ理由は、スキップ処理が行われた場合のみ設定され、それ以外の場合は空白である。
【0072】
次に、決裁経路について説明する。決裁経路は、決裁者となる社員、決裁者の数、決裁者による決裁の順序を含む。決裁経路は、決裁ルール42により決定する。具体的には、申請者端末2に対する入力によって、申請に用いる申請書が選択されると、申請書情報によって当該申請書と対応付けられた決裁ルールIDに基づき採用される決裁ルール情報と、当該決裁ルール情報に含まれる決裁者選定ルールIDとによって決定する。決裁ルールの決定処理は、決裁経路決定プログラム12aにより提供される機能により行われる。即ち、CPU11は決裁経路決定プログラム12aを読み込んで実行することにより、申請者端末2を介した申請内容と決裁ルール42とに基づき決裁経路を決定する。
【0073】
図11に、決裁経路の一例を示す。
Zが図6に示す申請書情報の申請書1による申請を行った場合、第1決裁者としてAが、第2決裁者としてBが、第3決裁者としてDが選定された決裁経路が決定する。以下、決裁者が選定される仕組みを示す。
【0074】
申請書情報によって、申請書1には「1001」の決裁ルールIDが対応付けられている。図9に示す決裁ルールID「1001」の決裁ルール情報には、第1決裁者選定ルールIDとして、「2001」が設定されている。決裁者選定ルールIDが「2001」の決裁者選定ルール情報は、対象所属として「10111」、所属長区分として「1」が設定され、担当業務は空白である。この決裁者選定ルール情報を社員情報と照らし合わせると、対象所属「10111」に対応する所属コードを有し、かつ、所属長であることを示す役職コードを有する社員はAであるので、第1決裁者としてAが選定される。他の決裁者についても同様に選定される。
【0075】
決裁経路は、決裁者情報としてデータに反映される。例えば、図9に示す決裁申請書情報には、申請書1を用いた申請として申請整理番号「30002」の決裁申請書情報があり、図10に示す決裁者情報には、申請整理番号「30002」の決裁者情報として決裁者社員名が「A」、「B」、「D」の計3つの決裁者情報がある。決裁者社員名「A」の決裁ステップは「1」であり、決裁者社員名「B」の決裁ステップは「2」であり、決裁者社員名「D」の決裁ステップは「3」である。即ち、決裁ステップはその社員が何番目の決裁者であるかを示す。言い換えれば、決裁者情報によって決裁経路が管理される。
【0076】
図11の右側に示す「所属」は、決裁者の所属である。例えば、対象所属「10111」は、所属情報の「11開発室第一チーム」に対応付けられた所属コードである。他の決裁者も同様である。
【0077】
決裁経路と同時に、その申請の決裁期限日数も決定する。申請書1に対応付けられた決裁ルールID「1001」の決裁ルール情報には、決裁期限日数として「2」が設定されているので、その申請における各決裁者の決裁期限日数は2日となる。決裁処理は、一人の決裁者による決裁処理が完了又はスキップ処理されると、次の決裁者による決裁処理へと移る。具体的には、第1決裁者による決裁処理の完了又はスキップ処理後、第2決裁者による決裁処理が行われ、以後第3決裁者へと続く。第4決裁者以降の決裁者が選定されていた場合も同様である。
【0078】
次に、スキップ処理について説明する。
スキップ処理は、決裁処理が滞留した場合に、滞留した決裁処理をスキップする処理である。スキップ処理が行わると、次の決裁者による決裁処理へ移行する。最後の決裁者による決裁処理に対してスキップ処理が行われると、その申請の決裁処理が全て完了する。
【0079】
スキップ処理においては、滞留した決裁処理の決裁者(滞留決裁者)の上長に該当する社員が人事情報41から特定される。そして、滞留決裁者の次の決裁者が滞留決裁者の上長であった場合、自動的に次の決裁者による決裁処理に進むスキップ処理(自動スキップ処理)が行われて決裁処理が進行する。一方、次の決裁者が滞留決裁者の上長でなかった場合又は次の決裁者が存在しない場合、人事情報41に基づき選定された滞留決裁者の上長に該当する社員にスキップ処理を行う権限(スキップ権限)が付与され、当該社員による手動のスキップ操作が行われることで決裁処理が進行する。
【0080】
スキップ処理は、スキップ処理プログラム12bにより提供される機能により行われる。即ち、CPU11はスキップ処理プログラム12bを読み込んで実行することにより、スキップ処理を行う。
【0081】
図12に、スキップ処理の概念図を示す。
図11に示す決裁経路と同様、図6に示す申請書情報の申請書1による申請を行った場合、第1決裁者としてAが、第2決裁者としてBが、第3決裁者としてDが選定された決裁経路が決定する。
【0082】
ここで、Aの社員番号「10002」を有する社員情報において、所属コードは「10111」であり、当該所属コードを有する所属情報における上位所属コードは「10110」である。所属コード「10110」の所属長社員番号は「10003」、即ちBの社員番号である。つまり、BはAの上位所属の所属長である。同様に、Bの上位所属の所属長はCである。さらに、人事情報41に基づき、EはDの上位所属の所属長である。ここで、ある社員の上位所属の所属長は、即ちその社員の上長に該当する。
【0083】
例えば、Aが決裁処理を滞留させた場合、Aの次の決裁者であるBはAの上長に該当するので、CPU11はAの決裁処理を自動スキップ処理し、Bによる決裁処理に移行する。
【0084】
一方、Bが決裁処理を滞留させた場合、Bの次の決裁者であるDはBの上長ではないので、CPU11は人事情報41からBの上長に該当するCを選定し、Cにスキップ権限を付与する。
【0085】
Dが決裁処理を滞留させた場合、Dの次の決裁者は存在しないので、CPU11は人事情報41からDの上長に該当するEを選定し、Eにスキップ権限を付与する。
【0086】
以下、スキップ処理について順を追って説明する。まず、決裁処理の滞留を検知する仕組みについて説明する。
決裁期限監視サーバ50として機能するCPU11は、決裁者情報の決裁依頼日及び決裁依頼時刻の各レコードに基づき、決裁期限日数が経過しても決裁処理を完了させない決裁者を判定する。
具体的には、CPU11は、決裁状態のレコードが「02」即ち決裁処理中の決裁者情報のうち、決裁依頼日及び決裁依頼時刻のレコードに設定されている年月日及び日時から決裁期限日数に対応する日数が経過しているものを滞留している決裁処理とみなす。CPU11は、滞留した決裁処理の決裁者情報(滞留決裁者情報)に対して、決裁期限切れフラグのレコードに「1」を設定する。
【0087】
日数の経過は、CPU11が計時装置18からシステム日付及びシステム時刻を取得し、決裁者情報の決裁依頼日及び決裁依頼時刻のレコードに設定されているレコードから導き出せる決裁依頼開始時刻と比較することで行われる。
【0088】
次に、滞留決裁者の上長に該当する社員の社員番号を人事情報41から特定する仕組みについて説明する。
CPU11は、滞留決裁者情報即ち決裁期限切れフラグのレコードに「1」が設定された決裁者情報の決裁処理について、滞留決裁者がその所属の所属長であるか否かを判定し、その後、滞留決裁者の上長に該当する社員の社員番号を取得する。
【0089】
具体的には、CPU11は、滞留決裁者情報の所属コードを取得し、その所属コードを割り当てられた所属情報のレコード群の所属長社員番号を取得する。そして、滞留決裁者情報の決裁者社員番号を取得し、当該所属長社員番号と比較する。
その結果、当該所属長社員番号と滞留決裁者情報の決裁者社員番号とが一致する場合、CPU11は滞留決裁者情報の所属コードを割り当てられた所属情報のレコード群の上位所属コードと同一のレコードが所属コードとして割り当てられた所属情報のレコード群の所属長社員番号を取得する。一方、比較の結果、当該所属長社員番号と滞留決裁者情報の決裁者社員番号とが一致しない場合、CPU11は滞留決裁者情報の所属コードを割り当てられた所属情報のレコード群の所属長社員番号を取得する。
【0090】
次に、自動スキップ処理とスキップ権限の付与との分岐について説明する。滞留決裁者の次の決裁者が滞留決裁者の上長であった場合、CPU11は自動スキップ処理を行う。
一方、次の決裁者が滞留決裁者の上長でなかった場合、CPU11は滞留決裁者の上長に該当する社員にスキップ権限を付与する。
【0091】
具体的には、CPU11は、次の決裁者の情報として、滞留決裁者情報と申請整理番号が同一であって、かつ、滞留決裁者情報の決裁ステップのレコードより1大きい決裁ステップのレコードを有する決裁者情報のレコード群を検索し、存在する場合は取得する。
図13に、自動スキップ処理が行われた決裁者情報の一例を示す。
Aが滞留決裁者である場合について記載する。Aの決裁者情報と申請整理番号が同一であって、かつ、滞留決裁者情報の決裁ステップのレコードより1大きい決裁ステップのレコードを有する決裁者情報のレコード群の決裁者社員番号は「10003」であり、前述の処理で取得される滞留決裁者の上長に該当する社員の社員番号も図4、図5に示すように「10003」であるので、両者の番号は同一である。この場合、図13に示すように、CPU11は滞留決裁者情報の決裁状態を「40」に更新し、スキップ理由に「2」を設定する。さらに、CPU11は、滞留決裁者情報の決裁ステップのレコードより1大きい決裁ステップのレコードを有する決裁者情報の決裁状態を「02」に更新する。これによって、決裁処理は次の決裁者即ち滞留決裁者の上長に該当する社員による決裁処理に自動的に移行する。
【0092】
自動スキップ処理の場合、滞留決裁者情報の決裁ステップのレコードより1大きい決裁ステップのレコードを有する決裁者情報の決裁状態を「02」に更新するのと同時に、決裁依頼日、決裁依頼時刻の設定がシステム日付、システム時刻に基づいて行われる。
【0093】
自動スキップ処理に伴い、CPU11は滞留決裁者情報の決裁ステップのレコードより1大きい決裁ステップのレコードを有する決裁者情報の決裁者社員番号の社員に対して、決裁処理を進めるよう通知する決裁依頼メールを送信する。即ち、次の決裁者に対して決裁依頼メールが送信される。併せて、CPU11は滞留決裁者に対して決裁処理がスキップされたことを通知するメールを送信する。
【0094】
一方、当該レコード群の決裁者社員番号が、前述の処理で取得された滞留決裁者の上長に該当する社員の社員番号と同一でなかった場合又は滞留決裁者情報の決裁ステップのレコードより1大きい決裁ステップのレコードを有する決裁者情報が存在しなかった場合、CPU11は滞留決裁者情報のスキップ権限付与社員番号レコードに滞留決裁者の上長に該当する社員の社員番号を設定する。これによって、滞留決裁者の上長に該当する社員にスキップ権限が付与される。
【0095】
図14に、スキップ権限を付与された社員の決裁者端末3の画面表示内容の一例を示す。図14(a)は1件のスキップ処理決裁内容の概要が示された画面、図14(b)は1件のスキップ処理決裁内容の詳細が示された画面、図14(c)はスキップ処理の完了後の画面を示す。
【0096】
図14(a)〜(c)に示す各画面は、決裁者端末3のWEBクライアント6による表示画面の一例であり、手動のスキップ処理は決裁装置10が提供するWEBシステムを介して行われる。即ち、決裁装置10がWEBサーバ30の機能により、スキップ権限を付与された社員の決裁者端末3に対して図14(a)〜(c)に示す各画面を表示するためのデータを送信する。
【0097】
滞留した決裁処理について、滞留した決裁処理の決裁者の上長に該当する社員にスキップ権限が付与された場合、スキップ権限を付与された社員の決裁者端末3において、図14(a)に示すように、スキップ権限を付与された旨を通知する画面として、スキップ処理決裁内容の概要を示す画面(例えば決裁スキップ権限付与未決裁申請書一覧画面)が表示される。スキップ処理決裁内容の概要を示す画面の表示内容として、例えば図14(a)に示すように、スキップ権限を付与された決裁処理の件数、スキップ権限を付与された決裁処理内容の概要及びスキップ権限を付与された決裁処理内容の詳細を表示させるための詳細ボタン等が挙げられる。スキップ権限を付与された決裁処理内容の概要は、例えば、申請整理番号、申請書名、申請者名、滞留している決裁処理の決裁者名とその所属及び役職、滞留している日数等の表示を含む。詳細ボタンに対する入力操作が行われると、図14(b)に示すスキップ処理決裁内容の詳細が表示される。
【0098】
図14(b)に示すスキップ処理決裁内容の詳細は、前述のスキップ処理決裁内容の概要の下方に表示され、その内容として、例えばその申請の決裁経路における各決裁者の決裁者名、所属、役職、決裁状態、滞留している日数等、決裁者ごと決裁処理内容を示す情報を含む。このとき、表示された各決裁者の決裁処理内容のうちいずれかの決裁者の決裁処理内容は、その決裁者端末3を使用する社員に対してスキップ権限が設定された決裁処理であり、図14(b)では社員名Bの決裁処理内容についてスキップ権限が付与されている。
【0099】
各決裁者の決裁処理内容を示す情報の右側に、決裁処理をスキップするためのスキップボタンが設けられる。スキップボタンは各決裁者の情報の右側に設けられるが、その決裁者端末3を操作する社員にスキップ権限が付与されている決裁処理についてのみ、スキップボタンに対する入力操作が可能な状態で表示され、それ以外のスキップボタンは入力操作不可能な状態(例えばグレーアウト等)で表示される。
【0100】
スキップ権限を付与された社員によるスキップ操作は、スキップボタンに対する入力操作によって行われる。スキップボタンに対する入力操作が行われると、例えば図14(c)に示すスキップ処理の完了後の画面が表示される。このとき、図14(a)で示す画面において1件存在したスキップ権限を付与された決裁処理は、図14(c)において0件となっており、1件のスキップ処理が完了したことを示している。
【0101】
スキップボタンの入力と同時に、スキップ権限を付与された滞留決裁者情報及び滞留決裁者の次の決裁者の決裁者情報に対するレコード内容の更新が行われ、滞留した決裁がスキップされた旨及び次の決裁者による決裁処理に進行した旨が反映される。
【0102】
スキップ処理が行われた後、決裁処理がスキップされた滞留決裁者が決裁者端末にアクセスすると、決裁者端末の表示装置を介して決裁処理がスキップされたことを通知する画面が表示される。当該画面の表示は、例えばWEBクライアント6を介して行われる。
【0103】
図15に、スキップ権限を付与された社員によるスキップ処理後の決裁者情報の一例を示す。
Bが滞留決裁者である場合について記載する。スキップボタンに対する入力操作が行われると、図15に示すように、CPU11はスキップ処理が行われた滞留決裁者情報の決裁状態を「40」に更新すると共に、スキップ理由に「1」を設定する。
さらに、CPU11は滞留決裁者情報と申請整理番号が同一であって、かつ、滞留決裁者情報の決裁ステップのレコードより1大きい決裁ステップのレコードを有する決裁者情報を検索し、存在する場合は検索された決裁者情報の決裁状態を「02」に更新し、決裁依頼日、決裁依頼時刻をシステム日付、システム時刻に基づき設定する。
滞留決裁者情報と申請整理番号が同一であって、かつ、滞留決裁者情報の決裁ステップのレコードより1大きい決裁ステップのレコードを有する決裁者情報が存在しない場合、CPU11は滞留決裁者情報の申請整理番号と同一の決裁申請書情報の決裁状態を「03」に更新する。
【0104】
さらに、スキップボタンの入力に伴い、滞留決裁者情報と申請整理番号が同一であって、かつ、滞留決裁者情報の決裁ステップのレコードより1大きい決裁ステップのレコードを有する決裁者情報が存在する場合、CPU11は、その決裁者情報の決裁者社員番号の社員に対して決裁処理を進めるよう通知する決裁依頼メールを配信する。即ち、次の決裁者が存在する場合、次の決裁者に対して決裁依頼メールが送信される。
【0105】
さらに、スキップボタンの入力によって決裁処理をスキップされた滞留決裁者に対して、CPU11は、決裁処理がスキップされたことを通知するメールを配信する。
【0106】
なお、決裁者端末3と決裁者との対応付けは、所謂ログイン処理によって行われる。即ち、決裁者端末3を利用する場合、決裁者端末の画面にログインを行うための画面が表示され、各社員は自分のIDとパスワード等によりログインを行うことで、その決裁者端末をその社員の決裁者端末として操作可能になる。申請者端末2についても同様である。
【0107】
次に、決裁装置10の動作について、図16及至図19のフローチャートを用いて説明する。
図16は、決裁装置10による決裁処理の進行の全体を示すフローチャートである。図16(a)はステップS1〜S10を、図16(b)はステップS11〜S18を示す。
まず、CPU11は、決裁申請書情報において決裁状態が「02」であるレコード群を抽出し(ステップS1)、その先頭のレコード群即ち最初に抽出されたレコード群を処理対象とする(ステップS2)。次に、CPU11は処理対象となるレコード群が存在するか否か判定する(ステップS3)。処理対象となるレコード群が存在する場合(ステップS3:YES)、CPU11は、処理対象であるレコード群即ち決裁申請書情報の申請整理番号と同一の申請整理番号を有する決裁者情報のレコード群であって、かつ、決裁状態が「02」である決裁者情報のレコード群を抽出する(ステップS4)。
【0108】
次に、CPU11は、ステップS4の抽出結果による決裁者情報が存在するか判定する(ステップS5)。存在する場合(ステップS5:YES)、ステップS4で抽出した決裁者情報の決裁依頼日及び決裁依頼時刻と、システム日付及びシステム時刻と、を比較し、決裁依頼日時からの経過日数を算出する(ステップS6)。そして、CPU11は、処理対象の決裁申請書情報のレコード群の決裁期限日数を取得し、決裁期限日数とステップS6の算出結果による経過日数とを比較する(ステップS7)。経過日数が決裁期限日数以上である場合(ステップS8:YES)、CPU11は、ステップS4で抽出された決裁者情報の決裁期限切れフラグを「1」に更新し(ステップS9)、滞留決裁者の上長の社員番号の取得処理(ステップS10)を行う。
【0109】
図17は、図16(a)のステップS10に示す滞留決裁者の上長の社員番号の取得処理の処理内容を示すフローチャートである。
滞留決裁者の上長の社員番号の取得処理において、CPU11は、図16のステップS4で抽出した決裁者情報の所属コードと同一の所属コードを割り当てられた所属情報のレコード群を抽出し(ステップS21)、その所属情報のレコード群に含まれる所属長社員番号を取得する(ステップS22)。その後、CPU11は、当該所属長社員番号と図16のステップS4で抽出した決裁者情報の決裁者社員番号とを比較する(ステップS23)。比較結果が一致した場合(ステップS24:YES)、CPU11はステップS21で抽出した所属情報のレコード群に含まれる上位所属コードと同一の所属コードを割り当てられた所属情報のレコード群を抽出し(ステップS25)、ステップS25で抽出したレコード群の所属長社員番号を取得する(ステップS26)。ステップS24において、比較結果が一致しない場合(ステップS24:NO)、ステップS22で取得した所属長社員番号を取得する(ステップS27)。ステップS26又はステップS27により、滞留決裁者の上長に該当する社員の社員番号が取得される。以上で滞留決裁者の上長の社員番号の取得処理は終了する。
【0110】
滞留決裁者の上長の社員番号の取得処理の終了後、図16(b)のステップS11に進み、CPU11は、ステップS4で抽出した決裁者情報のレコード群の申請整理番号と同一の申請整理番号を有し、かつ、ステップS4で抽出した決裁者情報のレコード群の決裁ステップより1大きい決裁ステップを有する決裁者情報のレコード群を抽出し(ステップS11)、ステップS11の抽出結果によるレコード群が存在するか否か判定する(ステップS12)。存在する場合(ステップS12:YES)、CPU11は、ステップS11で抽出したレコード群による決裁者情報の決裁者社員番号と、ステップS10で取得した社員番号とを比較する(ステップS13)。比較結果が一致しない場合(ステップS14:NO)又はステップS11の抽出結果によるレコード群が存在しない場合(ステップS12:NO)、CPU11は、ステップS10で取得した社員番号をステップS4で抽出した決裁者情報のスキップ権限付与社員番号に設定し(ステップS15)、ステップS10で取得した社員番号の社員に対して決裁期限切れ通知メールを送信する処理を行う(ステップS16)。
【0111】
ステップS14において、比較結果が一致する場合(ステップS14:YES)、自動スキップ処理を行う(ステップS17)。
図18は、図16(b)のステップ17に示す自動スキップ処理の処理内容を示すフローチャートである。
自動スキップ処理において、CPU11は、ステップS4で抽出したレコード群による決裁者情報の決裁状態を「40」に更新し(ステップS31)、併せて当該決裁者情報のスキップ理由に「2」を設定する(ステップS32)。CPU11は、ステップS11で抽出されたレコード群による決裁者情報の決裁状態を「02」に更新し、併せて決裁依頼日及び決裁依頼時刻をシステム日付及びシステム時刻に基づき設定する(ステップS33)。CPU11は、ステップS10で取得した社員番号の社員に対して決裁期限切れ通知メールを送信する処理を行う(ステップS34)と共に、ステップS4で抽出したレコード群による決裁者情報の決裁者社員番号の社員に対して、決裁処理がスキップされたことを通知するメールを送信する(ステップS35)。以上で自動スキップ処理は終了する。
【0112】
ステップS16又はステップS17の処理後、CPU11はステップS1で抽出したレコード群の決裁申請書情報について、次のレコードを処理対象とする(ステップS18)。ステップS5において、ステップS3の抽出結果による決裁者情報が存在しない場合(ステップS5:NO)及びステップS8において経過日数が決裁期限日数未満である場合(ステップS8:NO)についても、ステップS18の処理を行う。ステップS18の処理後、CPU11はステップS3の処理に戻る。
ステップS3において、処理対象となるレコード群が存在しない場合(ステップS3:NO)、CPU11は処理を終了する。
【0113】
図19は、スキップ権限を付与された社員によるスキップ処理が行われた場合の決裁装置10の動作を示すフローチャートである。
決裁者端末3に対する入力によってスキップボタンが入力されて手動のスキップ処理が行われると、CPU11は、スキップボタンの入力操作が行われた決裁処理内容に対応する決裁者情報のレコード群を抽出する(ステップS41)。CPU11は、ステップS41で抽出した決裁者情報の決裁状態を「40」に更新し(ステップS42)、スキップ理由に「1」を設定する(ステップS43)。CPU11は、ステップS41で抽出した決裁者情報のレコード群の申請整理番号と同一の申請整理番号を有し、かつ、当該決裁者情報の決裁ステップより1大きい決裁ステップを有する決裁者情報のレコード群を検索する(ステップS44)。
【0114】
検索の結果、レコード群が存在する場合(ステップS45:YES)、CPU11は、ステップS44の検索結果に該当する決裁者情報のレコード群の決裁状態を「02」に更新し、併せて決裁依頼日及び決裁依頼時刻をシステム日付及びシステム時刻に基づき設定する(ステップS46)。そして、CPU11はステップS44の検索結果に該当する決裁者情報のレコード群の決裁者社員番号の社員に対して決裁依頼メールを送信する(ステップS47)。ステップS45において、レコード群が存在しない場合(ステップS45:NO)、CPU11は、ステップS41で抽出した決裁者情報の申請整理番号と同一の申請整理番号を割り当てられた決裁申請書情報のレコード群を抽出し(ステップS48)、当該決裁申請書情報の決裁状態を「03」に更新する(ステップS49)。
【0115】
ステップS47又はステップS49の処理後、CPU11は、ステップS41で抽出した決裁者情報のレコード群の決裁者社員番号の社員に対して、決裁処理がスキップされたことを通知するメールを送信する(ステップS50)。
【0116】
以上、本実施形態によれば、決裁処理が滞留した場合、CPU11は人事情報41に基づき滞留決裁者の上長に該当する社員にスキップ権限を付与するので、スキップ権限を付与された社員がスキップ処理を行うことで決裁処理を進めることができる。即ち、滞留決裁者の次の決裁者が滞留決裁者と異なる所属であっても、滞留決裁者をスキップするのは人事情報41に基づき選定された滞留決裁者の上長に該当する社員であるので、次の決裁者が所属の異なる滞留決裁者に関する処理に困ることはなくなる。加えて、決裁経路上である所属の最高責任者による決裁処理が滞留した場合であっても、滞留決裁者の上長に該当する社員を人事情報41に基づき選定するので、選定された上長のスキップ処理により滞留決裁者の決裁処理をスキップできる。その結果、決裁処理をより円滑に進めることが可能となる。
さらに、決裁経路の各決裁者及びスキップ権限を付与される社員は人事情報に基づき選定されるので、人事情報の追加、更新、削除等の各種変更に応じて最新の人事情報に応じた社員の選定が自動的になされる。
【0117】
さらに、CPU11は、決裁経路上の滞留決裁者の次の決裁者が滞留決裁者の上長に該当しない場合、人事情報41に基づくスキップ権限の付与を行い、次の決裁者が滞留決裁者の上長に該当する場合、決裁処理の滞留した決裁者による決裁処理をスキップして次の決裁者による決裁処理へと進める。即ち、滞留決裁者による決裁処理は必ずその上長に該当する社員によるスキップ処理又は決裁処理によってフォローされるので、決裁処理をより円滑に進めることが可能となる。
【0118】
さらに、CPU11はスキップ権限を付与された社員にスキップ権限が付与された旨を通知するので、スキップ権限を付与された社員はスキップ権限を付与されたことに容易に気付くことができ、スキップ処理を円滑に進めることができるので、決裁処理をより円滑に進めることが可能となる。
【0119】
さらに、CPU11はスキップ権限を付与された社員の決裁者端末3の画面にスキップ権限が付与されたことを通知するメッセージを表示するので、スキップ権限を付与された社員はスキップ権限を付与されたことに容易に気付くことができ、スキップ処理を円滑に進めることができるので、決裁処理をより円滑に進めることが可能となる。
【0120】
さらに、CPU11はスキップ権限を付与された社員に対してスキップ権限が付与されたことを通知するメールを配信するので、スキップ権限を付与された社員はスキップ権限を付与されたことに容易に気付くことができ、スキップ処理を円滑に進めることができるので、決裁処理をより円滑に進めることが可能となる。
【0121】
さらに、CPU11はスキップされた滞留決裁者に対して決裁処理がスキップされたことを通知するので、スキップされた滞留決裁者は決裁処理がスキップされたことに容易に気付くことができる。
【0122】
さらに、CPU11はスキップされた滞留決裁者の決裁者端末3の画面に決裁処理がスキップされたことを通知するメッセージを表示するので、スキップされた滞留決裁者は決裁処理がスキップされたことに容易に気付くことができる。
【0123】
さらに、CPU11はスキップされた滞留決裁者に対して決裁処理がスキップされたことを通知するメールを配信するので、スキップされた滞留決裁者は決裁処理がスキップされたことに容易に気付くことができる。
【0124】
さらに、決裁期限日数を設定可能であるので、決裁処理の滞留の有無を任意の日数に基づき判定することができる。
【0125】
なお、本実施の形態における記述は、本発明の一例を示すものであり、これに限定しない。
例えば、決裁処理の滞留の有無を判定する所定の期間は、決裁期限日数に限らず、時間、分、秒等を設定可能としてもよい。
【0126】
CPU11のソフトウェア処理による各機能は、それぞれの機能を有する専用の装置によってもよい。
DBサーバ40に記憶された各種情報はあくまで一例であり、実施の形態に応じてその内容を適宜変更してもよい。
【0127】
申請者端末2及び決裁者端末3と各社員との対応付けは、ログイン処理以外によってもよい。例えば、各端末固有の情報(例えばNICのMACアドレス等)と社員とを対応付けて、各端末と社員とを対応付けてもよいし、その他の対応付けが可能な情報によってもよい。
【符号の説明】
【0128】
3 決裁者端末
10 決裁装置
11 CPU
12 ROM
12a 決裁経路決定プログラム
12b スキップ処理プログラム
12c 決裁期限日数設定プログラム
14 記憶装置
20 メールサーバ
30 WEBサーバ
40 DBサーバ
41 人事情報
42 決裁ルール
43 決裁情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の決裁者による決裁処理順序が定められた決裁経路上に存在する決裁者の決裁者端末に対して決裁に関する情報を順次配信し、前記決裁者端末からの入力に基づき決裁処理を行う決裁装置において、
前記決裁者を含む複数の者の人事情報を記憶する人事情報記憶手段と、
決裁経路の雛形情報を記憶する決裁経路雛形情報記憶手段と、
前記人事情報と前記決裁経路の雛形情報とに基づき決裁経路を決定する決裁経路決定手段と、
前記決裁経路上の決裁処理に際し、所定の期間を経ても決裁処理を完了しない決裁者が生じた場合、前記人事情報に基づき当該決裁者の上長であって前記決裁経路上に存在しない者に当該決裁者による決裁処理をスキップするスキップ権限を付与するスキップ権限付与手段と、
を備えることを特徴とする決裁装置。
【請求項2】
前記スキップ権限付与手段は、前記決裁経路上に複数の決裁者が存在し、かつ、当該決裁経路上において決裁処理の滞留した決裁者の次の決裁者が前記人事情報において決裁処理の滞留した決裁者の上長に該当しない場合、前記スキップ権限の付与を行い、前記決裁経路上に複数の決裁者が存在し、かつ、当該決裁経路上において決裁処理の滞留した決裁者の次の決裁者が前記人事情報において決裁処理の滞留した決裁者の上長に該当する場合、決裁処理の滞留した決裁者による決裁処理をスキップして次の決裁者による決裁処理へと進めることを特徴とする請求項1に記載の決裁装置。
【請求項3】
前記スキップ権限を付与された者に対してスキップ権限が付与されたことを通知するスキップ権限付与通知手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の決裁装置。
【請求項4】
前記スキップ権限付与通知手段は、前記スキップ権限が付与されたことを通知するメッセージをスキップ権限の付与された者の決裁者端末の画面に表示することを特徴とする請求項3に記載の決裁装置。
【請求項5】
前記スキップ権限付与通知手段は、前記スキップ権限が付与されたことを通知するメールを配信することを特徴とする請求項3又は4に記載の決裁装置。
【請求項6】
前記スキップ権限付与手段によって決裁処理をスキップされた決裁者に対して決裁処理がスキップされたことを通知するスキップ処理通知手段を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の決裁装置。
【請求項7】
前記スキップ処理通知手段は、スキップされたことを通知するメッセージをスキップされた決裁者の決裁者端末の画面に表示することを特徴とする請求項6に記載の決裁装置。
【請求項8】
前記スキップ処理通知手段は、スキップされたことを通知するメールを配信することを特徴とする請求項6又は7のいずれか一項に記載の決裁装置。
【請求項9】
前記所定の期間を設定する設定手段を備えることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に決裁装置。
【請求項10】
コンピュータを、
決裁者を含む複数の者の人事情報を記憶する人事情報記憶手段、
決裁経路の雛形情報を記憶する決裁経路雛形情報記憶手段、
人事情報と決裁経路の雛形情報とに基づき決裁経路を決定する決裁経路決定手段、
前記決裁経路上の決裁処理に際し、所定の期間を経ても決裁処理を完了しない決裁者が生じた場合、前記人事情報に基づき当該決裁者の上長であって前記決裁経路上に存在しない者に当該決裁者による決裁処理をスキップするスキップ権限を付与するスキップ権限付与手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16(a)】
image rotate

【図16(b)】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2013−84316(P2013−84316A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−26151(P2013−26151)
【出願日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【分割の表示】特願2008−248620(P2008−248620)の分割
【原出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)