説明

情報共有システム、処理プログラムおよび処理方法

【課題】ある顧客がどの課題の対象になるか又はある課題がどの顧客を対象としているかを明確に管理し、戦略、戦術、事実分析、社内教育内容とも連携させ、周知徹底すること。
【解決手段】顧客管理システムと課題管理システムを密結合し、顧客IDと課題IDを多対多で関連づける。また、戦略や戦術や事実分析や社内教育内容とも同一システム内で各内容のID等で対応づけを行う。社内教育の効果とコスト削減と、顧客や課題や戦略や戦術や事実分析の周知徹底のため、スクリーンセーバーにそれらの情報を配信して、社員が日常的に利用できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータとネットワークを利用した情報共有のための処理装置、処理プログラムおよび処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンピュータとネットワークを利用したさまざまな情報共有システム、例えば、営業管理システム、顧客管理システム、課題管理システム、内部統制システム、戦略(計画を含む)や戦術(アイディアや調達案件を含む)の起案決済システム、事実やコメント(チャンスやリスクについての分析を含む)や反論等(以下、「事実分析等」と呼ぶ)を管理する一般的なコンテンツマネジメントシステム(CMSや掲示板や議事管理システム)、社内教育システム、等がすでに存在する。
しかし、従来は、社内用途でも、これらが十分連携されておらず、課題と社外顧客との対応、すなわちある顧客がどの課題の対象になるか又はある課題がどの顧客を対象としているか、ということが密結合のシステム内で明確に管理されていなかった。
また、顧客や課題とそれ以外の上記システムとの連携が不十分であるため、例えば、ある課題が、どのような顧客や戦略や戦術(アイディア)や事実分析等について発生したものであり、それらの前提が変わったときに課題の重要性や考え方がどのように変わってくるかを検討することが手間であった。
また、こういった顧客や課題や戦略や戦術や事実分析等と、社内教育システムとが十分連携していないため、現実の顧客にかかわる現在の課題に即して機動的に社内教育内容を調整していくことが手間であった。
また、社内事務処理システムと社内教育システムとが別のシステムであり、別個に起動する必要があったため、日常的、継続的かつ手軽に、社員が社内教育内容に触れることが困難であった。
なお、下記非特許文献1のシステムでは、顧客の声をとりいれるための連携が行われているが、顧客管理システムとの連携が行われておらず、同じ課題を声を発した顧客と同じ性格をもつ顧客に敷衍して課題解決を実施するためのデータ構造をもたない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】株式会社野村総合研究所「TrueTeller課題管理システム」http://www.nri.co.jp/news/2007/070516_1.html 2007年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、
従来から、情報共有システムとしてある、営業管理システム、顧客管理システム、課題管理システム、内部統制システム、戦略(計画を含む)や戦術(アイディアや調達案件を含む)の起案決済システム、事実やコメント(チャンスやリスクについての分析を含む)や反論等(以下、「事実分析等」と呼ぶ)を管理する一般的なコンテンツマネジメントシステム(CMSや掲示板や議事管理システム)、社内教育システム、等において、
課題1)社内用途並びに同様の用途でも、課題と社外顧客との対応、すなわちある顧客がどの課題の対象になるか又はある課題がどの顧客を対象としているか、ということを明確に管理し、
課題2)さらに、課題が、どのような顧客や戦略や戦術(アイディア)や事実分析等について発生したものであり、それらの前提が変わったときに課題の重要性や考え方がどのように変わってくるかを検討することを容易し、
課題3)さらに、こういった顧客や課題や戦略や戦術や事実分析等と、社内教育システムとを連携させて、現実の顧客にかかわる現在の課題に即して機動的に社内教育内容を調整でき、
課題4)日常的、継続的かつ手軽に、社員が社内教育内容に触れることを容易にする、
情報共有のための処理装置、処理プログラムおよび処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
手段1)社内用途並びに同様の用途でも、課題と社外顧客との対応、すなわちある顧客がどの課題の対象になるか又はある課題がどの顧客を対象としているか、ということを明確に管理するために、
一般的な課題管理システムにおける課題IDを、複数の顧客IDと関連づけるためのデータ構造、及び/又は、一般的な顧客管理システムにおける顧客IDを複数の課題IDと関連づけるためのデータ構造をHDD等の不揮発メモリに格納できるようにする。いずれか一方だけのデータ構造とした場合にも、従来技術によりその逆をコンピュータプログラムで計算して求めて表示できる。このような実装は、従来の課題管理システムや顧客管理システムで用いられるリレーショナルデータベース(RDB)技術や、XMLデータベース技術で明らかに可能であるため詳述はしないが、例えばRDBでは、課題ID用の半角16桁のフィールドと顧客ID用の半角16桁のフィールドからなるレコードを複数格納できるテーブルとして容易に実装できる。
手段2)さらに、課題が、どのような顧客や戦略や戦術(アイディア)や事実分析等について発生したものであり、それらの前提が変わったときに課題の重要性や考え方がどのように変わってくるかを検討することを容易するために、
一般的な課題管理システムにおける課題IDを、複数の、顧客IDや戦略IDや戦術IDや事実分析IDと、単一システム内で関連づけるためのデータ構造をもつようにする。ここで戦略IDとは、RDBの中の、戦略の詳細を記録したテーブルの1レコードのプライマリキー等であってよく、ほかのIDも同一のRDBの別のテーブルの1レコードのプライマリーキー等であってよい。なお、XMLDB等の場合も、同様の考え方で、本明細書の説明があれば当業者が容易に実装することができることは、明らかである。
手段3)さらに、こういった顧客や課題や戦略や戦術や事実分析等と、社内教育システムとを連携させて、現実の顧客にかかわる現在の課題に即して機動的に社内教育内容を調整できるようにするために、
こういったシステムに登録されたレコードを参照しながら、システムの管理画面等において、社内教育用のコンテンツを編集できるようにする。こういった実装は、例えば、そのシステム内の顧客や課題や事実分析等や戦略や戦術についてのテーブルにおける過去所定時間以内に更新されたレコードから抽出した情報を公知のビュー挿入技術等により、システムの管理画面(社内教育用コンテンツ表示画面であってもよい)に表示することにより可能になる。
手段4)日常的、継続的かつ手軽に、社員が社内教育内容に触れることを容易にするために、
ネットワーク接続可能な利用者のスクリーンセーバーに、顧客や課題や事実分析や戦略や戦術や社内教育コンテンツを蓄積したシステムから、日々の更新内容を含めて情報を配信し、そのスクリーンセーバーで社員が情報を確認できるようにする。
【発明の効果】
【0006】
効果1)社内用途並びに同様の用途でも、課題と社外顧客との対応、すなわちある顧客がどの課題の対象になるか又はある課題がどの顧客を対象としているか、ということを明確に管理することにより、ある課題の適用される顧客のリストや、又は、ある顧客に関する課題のリストを利用者に明示し、もれのない検討や行動を促すことができる。
効果2)さらに、課題が、どのような顧客や戦略や戦術(アイディア)や事実分析等について発生したものであり、それらの前提が変わったときに課題の重要性や考え方がどのように変わってくるかを検討することを容易することができる。
効果3)さらに、こういった顧客や課題や戦略や戦術や事実分析等と、社内教育システムとを連携させて、現実の顧客にかかわる現在の課題に即して機動的に社内教育内容を調整することができる。
効果4)日常的、継続的かつ手軽に、社員が社内教育内容に触れることが容易になる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
ある顧客がどの課題の対象になるか又はある課題がどの顧客を対象としているかを明確に管理し、戦略、戦術、事実分析、社内教育内容とも連携させ、周知徹底することを目指して、顧客管理システムと課題管理システムを密結合し、顧客IDと課題IDを多対多で関連づけた。また、戦略・戦術・事実分析・社内教育の管理システムを一体化し、戦略や戦術や事実分析や社内教育内容とも各IDで対応づけを行った。
【産業上の利用可能性】
【0008】
本発明は、顧客と課題が存在する多くの業務用システムに適用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客管理システムの機能と課題管理システムの機能を結合した情報共有システムであって、
ある顧客がどの課題の対象になるか又はある課題がどの顧客を対象としているか、ということを明確に管理するために、
課題管理システムにおける課題IDを、複数の顧客IDと関連づけるためのデータ構造、及び/又は、顧客管理システムにおける顧客IDを複数の課題IDと関連づけるためのデータ構造を不揮発メモリに格納できるようにした情報共有システム。
【請求項2】
課題管理システムにおける課題IDを、戦略管理システムにおける戦略ID、戦術管理システムにおける戦術ID、又は、事実分析システムにおける事実分析IDと関連づけるためのデータ構造をもち、関連づけを利用者に表示できるようにした、請求項1に記載の情報共有システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のシステムに登録された情報を参照しながら、社内教育用のコンテンツを編集できるようにした社内教育システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のシステムから配信された情報を社内の利用者向けに表示するスクリーンセーバー。

【公開番号】特開2013−101515(P2013−101515A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245030(P2011−245030)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(301062798)ナレルシステム有限会社 (9)