情報取り扱い装置
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば電子カメラのように画像情報を扱う情報取り扱い装置、詳しくは画像の微妙なホワイトバランス調整を簡便に行えるようにしたこの種の装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
DOS(DISK OPERATION SYSTEM)を適用する情報取り扱い装置である画像情報記録再生装置等に適用される情報記録媒体であるICメモリカードは、図8に示すようなメモリ領域の構成を有している。
【0003】
上記メモリカードは、アトリビュートメモリとコモンメモリで構成され、コモンメモリは、属性情報領域と、メモリ管理領域100と、主情報領域であるデータ領域104とで構成されている。上記属性情報領域は、各装置に対しては変更されない固定データが書き込まれている。上記メモリ管理領域100は、第1の管理情報領域であるブートセクタ101と、第2の管理情報領域であるFAT情報領域102と、同じく第2の管理情報領域であるディレクトリエントリ領域103とで構成されている。また、データ領域104には画像等のデータが記録される。
【0004】
上記ブートセクタ101には、当該メモリカードの論理的なセクタ長,トラック数,1トラック当たりのセクタ数等が記録される。図9は、該ブートセクタ101のフォーマットの内容を示す図である。また、上記FAT情報領域102には、データ領域104のメモリ領域情報がチェーン形式で記録され、ディレクトリエントリ領域103には、データ領域104にデータがどのように記録されているか、あるいは、該データファイルの属性情報等が書き込まれている。
【0005】
未使用のメモリカード、または、データの書き込みが行われた使用済みメモリカードを、データ記録可能な状態にする初期化処理として、1つは、メモリカード内のデータを全て消去し、メモリチェックを行い、更に、ブートセクタ等が書き込まれる初期化フォーマット処理と、他の1つは、ディレクトリエントリとFATのみを消去する全コマ消去処理とがある。そして、上記初期化フォーマット処理は、全メモリ領域のデータを初期化することから長い処理時間、例えば、1分間位を必要とするが、上記全コマ消去処理は、管理情報の書き換えのみで済むことから比較的短時間、例えば、約15秒で初期化が完了する。
【0006】
情報記録再生装置等での上記初期化処理において、処理時間を短縮可能なものとして、図10のフローチャートに示す方式が考えられる。本処理においては、まず、ブートセクタを読み込み(ステップS101)、該ブートセクタ情報が当該装置に対して適合しているかをチェックする(ステップS102)。該ブートセクタ情報が不適合であった場合は、前記初期化フォーマット処理を実行する(ステップS105)。また、該ブートセクタ情報が適合するものであった場合は、ディレクトリエントリの消去とFATの初期化を実行し(ステップS103,S104)、初期化を終了する。このようにしてメモリカードのブートセクタ情報が装置に対して適合しているものに対する初期化では、フォーマットによる長い時間待ちを無くすことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般にビデオカメラではホワイトバランス(WB)調整を行う必要があるが、従来のカメラでは、オートWB,ワンタッチWB,プリセットWBの調整が可能であった。
【0008】
上記オートWB調整は、入力画像信号に基づいて、適正なWBが得られるように、図14に示すカラーベクトル平面上のWB補正中心の位置を自動的に設定する調整である。この調整の欠点は、画面内全体の色がある色に片寄っているようなとき、その色を白色になるように補正するので、必ずしも良好な色あいで記録されるとは限らない。
【0009】
また、ワンタッチWB調整は、真白の被写体の画像信号を取り込み、その信号を白として認識するように調整する。この調整では、真白の被写体を持ち歩く必要があり、使い勝手が悪い。
【0010】
また、プリセットWB調整は、WB補正中心値データとして、システムに代表的な複数の色温度の値を記憶させておき、晴,曇等の被写体の状態に合わせて上記色温度の値を選択する。例えば、図14のカラーベクトル平面上の黒体軌跡を示すI軸上で、晴れているときは点P0、また、曇のときは点P1、また、夕焼けときは点P2の何れかをWB補正中心に設定してWB調整する。しかし、この調整では、必ずしも使用者が所望する微妙なWB調整ができない。
【0011】
上記の不具合を解決するため、従来は、上記図14のカラーベクトル平面のR(赤)−Y(輝度)軸とB(青)−Y軸の2軸の変数を設定してWB補正中心を定めることによって、WBの微調整を手動で行う方法が採られていた。しかしながら、このような方法では、2つの値を設定する必要があることから調整がやりにくいという課題があった。
【0012】
本発明は、従来のホワイトバランス調整のこのような課題に鑑みて、例えば電子カメラのような画像情報を扱う情報取り扱い装置におけるホワイトバランス調整のための操作が簡単であり、且つ、操作部材の数を徒に増加させることなく微妙な調整をも行い得るようにしたこの種の装置を提案することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の情報取り扱い装置は、画像の記録動作を行うための記録モードと画像の再生動作を行うための再生モードとを選択的に設定可能になされた情報取扱い装置であって、上記記録モードに設定されているときには、カラーベクトル平面上における黒体の色温度と相関を有する一つの軸上の複数の点によってそれぞれ表わされる複数のホワイトバランス状態の内からいずれか一つのホワイトバランス状態を選択するようになされた第1のホワイトバランス調整手段と、該第1のホワイトバランス調整手段によって上記選択されたホワイトバランス状態を上記一つの軸に沿って移動させるに対応したホワイトバランスの微調整を上記再生モードでは再生画像の変更操作に適用される操作部材への操作に基づいて行うようになされた第2のホワイトバランス調整手段とを備えてなることを特徴とする。
【0014】
【作用】
第1のホワイトバランス調整手段によって、例えば、晴れ又は曇若しくは夕焼どき等に略々適合したホワイトバランス状態となるカラーベクトル平面上の一つの点によって表わされる調整状態にした上、更に撮影目的や使用者の趣向に応じた微妙な調整が、上記一つの点を通る、黒体の色温度と相関を有する一の軸に沿って、当該一つの点を移動させるに対応したホワイトバランスの微調整として、第2のホワイトバランス調整手段によって行われ得るが、このとき第2のホワイトバランス調整手段による調整動作は、本情報取り扱い装置が再生モードに設定されているときには再生画像の変更操作に適用される操作部材に対する操作に応動するようにして行われる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。
【0016】
図1ないし図3は、本発明の一実施例を示す情報取り扱い装置の電子スチルカメラのブロック構成図と外観図である。
【0017】
なお、本実施例の電子スチルカメラは、ICメモリカードを情報記録媒体として適用するものであり、その構成を信号の流れに沿って上記図1のブロック構成図を参照して説明する。
【0018】
記録モードにおいて、光学系1を介して入射した被写体の光学像は、その結像面に配設されたCCD等で構成される撮像系2によってアナログの電気信号に変換される。この撮像系2から出力された撮像信号は、クランプ回路3によってDCレベルを一定に保たれた後、アナログ/ディジタル変換回路(以下、A/D変換回路と略記する。)4によってディジタル信号に変換され、フレームメモリ6に書き込まれて一時的に保管される。
【0019】
フレームメモリ6への書き込みが全て終わると、次に、メモリコントローラ5のコントロールによりフレームメモリ6からデータを読み出して、離散型コサイン変換回路(以下、DCT/IDCTと記載する。)7においてデータ圧縮に必要なデータ変換を行い、コーダ/デコーダ8へ出力する。このコーダ/デコーダ8のコーダ部では、圧縮処理を施すために必要な各種のデータやテーブルが書き込まれている補助メモリ9を参照しながら、該映像データを圧縮処理する。そして、圧縮されたデータは、データバス20を通って該電子スチルカメラに着脱可能に取り付けられた情報記録媒体たるICメモリカード10に書き込まれる。
【0020】
なお、上記記録モードにおいて、撮像系2のホワイトバランス調整時等での出力信号のゲインは、システムコントローラ19を介してコントロールされ、また、光学系1の絞りもシステムコントローラ19を介してコントロールされる。そして、該システムコントローラ19には、後述する管理情報判別手段と、管理情報の初期化手段と、管理情報復元手段等が内蔵されている。
【0021】
次に、上述のように記録した映像データを再生する場合の信号の流れに沿って、該電子スチルカメラについての説明を続ける。
【0022】
上記ICメモリカード10から読み出されたデータは、データバス20を通ってコーダ/デコーダ8に入力され、該コーダ/デコーダ8のデコーダ部において上記圧縮処理されたデータを元に戻す伸長処理が施される。この伸長されたデータは、DCT/IDCT回路7において逆DCT処理されてフレームメモリ6に書き込まれる。全てのデータの伸長処理が終了すると、今度はフレームメモリ6からデータがメモリコントローラ5のコントロールによって読み出されて、その出力がディジタルプロセス11によって例えばNTSCに準拠したビデオ信号に変換処理される。そして、D/A(ディジタル/アナログ)変換回路12によってアナログ信号に変換されて、バッファ13により例えば75Ωインピーダンス整合をとられた後に、電子ビューファインダ(以下、EVFと略記する)14において撮影者に観察可能に画像が再生される。そしてこれと同時に、該ビデオ信号は外部への映像出力端子15へ出力されるようになっている。
【0023】
該電子スチルカメラは、日付けや時刻等の文字情報を生成して画面上にオンスクリーン表示を行うキャラクタジェネレータ16と、各種の動作モード等を表示するLCD表示部17と、各種の操作を行う操作部18とを有している。そして、上述の各構成要素は、システムコントローラ19により制御されるようになっている。また、本カメラは、各種のマニュアル操作が可能であるが、そのときの設定値を設定用メモリ21に記憶しておき、以後の操作時に該設定値を呼び出すことによって、同一の操作を再現することができる。
【0024】
なお、上記ICメモリカード10等の記録媒体に記録するときには、例えば、パソコン上で認識可能なフォーマット、具体的には後述するDOSフォーマットに変換して記録するようになっている。
【0025】
次に、上記操作部18等の配置について詳述する。
【0026】
図2および図3の本実施例の電子スチルカメラの外観図には、上記操作部18等の配設状態が示されている。なお、図2は、該カメラの平面図、また、図3は、図2のA矢視図であって、同カメラの接眼部より見た図である。
【0027】
図2に示すように、該カメラ本体上面の中央部には、上述したLCD表示部48が配設されており、後述する各操作等の表示がなされるようになっている。該LCD表示部48の一側方には、テレ,ワイドモード選択用のズームスイッチ(以下、ZOOMスイッチと記載する)T31,W32が配設されている。
【0028】
また、上記ZOOMスイッチT31,W32の図中、下方にはアップスイッチ(以下、UPスイッチと記載する)33,ダウンスイッチ(以下、DOWNスイッチと記載する)34が配設されている。これらのスイッチ33,34は、該カメラが記録モード時にあるときには、モードの調整、たとえば、ホワイトバランスの微調整,シャッタースピードの変更,露出補正値の変更,パワーフォーカスのフォーカシング等に使用され、また、再生モード時には、コマ送り、コマ戻しに使用されるようになっている。
【0029】
次に、図2において、上記LCD表示部48の下方に配設されている前記操作部18を構成する操作スイッチ群の機能について説明する。
【0030】
図中、ホワイトバランススイッチ(以下、WBスイッチと記載する)35は、記録モード時に、ホワイトバランスモードの変更に使用される。
【0031】
以下、ビューイレーズスイッチ(以下、VIEW ERASEスイッチ、または、ERASEスイッチと記載する)36は、記録モード時には、押している間だけ直前に記録された画像が再生され、再生モード時には、コマ消去スイッチとして使用される。
【0032】
また、+/−スイッチ37は、記録モード時に、露出モードの変更に使用される。フォーカススイッチ(以下、FOCUSスイッチと記載する)38は、記録モード時に、オートフォーカスあるいはパワーフォーカスのフォーカスモードの変更に使用される。
【0033】
ストロボスイッチ(以下、STスイッチと記載する)39は、記録モード時に、ストロボモードの変更に使用される。ピクチャースイッチ(以下、PICTUREスイッチ)40は、記録モード時に、色合い,色濃さ等の変更に使用される。再生モードでは、メモリカードの画像データの設定に使用される。ドライブスイッチ(以下、DRIVEスイッチと記載する)41は、記録モード時には、記録スピードモードの変更に使用され、再生モード時には、再生スピードの変更に使用される。
【0034】
モードスイッチ(以下、MODEスイッチと記載する)42は、記録モード時に、圧縮モード,非圧縮モードの変更に使用される。再生モードでは外部端子より出力されるビデオ信号にキャラクタ表示信号を重畳するオンスクリーンモードの指示等に利用される。タイムスイッチ(以下、TIMEスイッチと記載する)43は、時間の設定やブザーのオンオフ操作に使用される。パワースイッチ(以下、POWERスイッチと記載する)44は、本実施例のカメラのパワーオン・オフ操作に使用される。トリガスイッチ45は、撮影動作を指示するのに使用される。
【0035】
上記各操作スイッチ群のさらに下方の、カメラ本体縁部には、記録モードと再生モードの切り換え、または、画像伝送時の送信モードと受信モードとの切り換えに使用するCAMERA/PLAY切り換えスイッチ46と、記録モード時に、フルオート撮影モードとマニュアル撮影モードとの切り換え、または、該カメラを伝送モードに設定するためのAUTO/MANUAL切り換えスイッチ47とが配設されている。また、カメラ本体の手前側側面には、該カメラの前記EVF14のための接眼部49が配設されている。
【0036】
次に、本実施例のカメラにおけるWB(ホワイトバランス)調整について説明する。
【0037】
本実施例のカメラでは、WB微調整処理として、WB補正点を1つの軸上で設定できるようにして、より容易なWBの手動の微調整処理を可能とするものである。
【0038】
即ち、この手動WB微調整は、図14のカラーベクトル平面上の黒体の色温度の変化に沿った(黒体の色温度と相関のある)一の軸であるI軸(註:ここに言うI軸とは、テレビジョンの色情報を表わすべくQ軸と対をなすI軸と同義でなく単に図14に表記された軸を示す記号に過ぎない)に沿ってホワイトバランス状態を表わす点を移動させるに対応した調整を行うことによって行われる。
【0039】
そして、本実施例ではWB微調整を行う場合、上記I軸の傾斜データをメモリに記憶しておき、まず、補正調整点として、図14の晴れているときの点P0、または、曇のときの点P1、または、夕焼けときの点P2の何れかを選択する。更に、それぞれのポイントにおいてWB調整手段(尚、WB調整手段としては、システムコントローラ及びメモリの一部も含まれる)としてのUP/DOWNスイッチ33,34を操作して、上記I軸の傾斜に沿ってWB補正中心を移動し、WBの微調整を行う。
【0040】
このように本実施例のカメラにおけるWB微調整は簡単な操作で行うことができ、また、この調整を行うことによって、使用者が所望する微妙な色あいでの撮影を行うことができる。
さて、従来の上記図10の初期化処理において、消去動作の途中でメモリカードが引き抜かれたり、装置の電源が切られてしまうと、ブートセクタは正常な状態で書き込まれ、また、ディレクトリエントリも消去されているが、FATの消去が完了していない状態でメモリカードが取り出されることも有り得る。
【0041】
通常、メモリカードにおいては、FATの各データが「0」である範囲の大きさによりその空き容量を判別する。従って、上述のようにFATの消去が完了していないものでは、その分だけ小容量であると判別されてしまう。
【0042】
なお、現在検索しているファイルからFATデータのチェーンを追跡して行けば、正規のFATと異常なFATとの区別がつくので、修正することは可能であるが、例えば、カメラ等の画像記録再生装置等でそこまでのチェック処理をメモリカードの挿入の度に実行することは不適当である。このようなチェック処理は、パソコン等においても、単独のチェックコマンドで実行される程度であって、通常の操作時には行われていない処理である。
【0043】
そこで、本実施例では、情報記録媒体の初期化の敏速な処理が可能であって、情報記録媒体の正常な初期化処理が実行されなかった場合であっても、その後、上記記録媒体の取り扱い上、不都合が生じることなく、また、正常な初期化を行うことができるようにしている。
【0044】
本実施例のカメラにおける、メモリカード10の初期化処理について、図4のサブルーチンのフローチャートにより説明する。
【0045】
ERASEスイッチ36とUPスイッチ33を押圧して、カメラを初期化モードに設定し、そこで、トリガスイッチ45を押圧するとメモリカード10の上記初期化処理が開始される。
【0046】
まず、第1管理情報領域のブートセクタを読み込み(ステップS1)、管理情報判別手段により、該ブートセクタ情報が当該装置に対して適合するものであるかをチェックする(ステップS2)。該ブートセクタ情報が不適正であった場合は、ブートセクタ以下の管理領域、即ち、ブートセクタの第1の管理領域とFAT、および、ディレクトリエントリの第2の管理領域と、主情報記憶領域であるデータ領域のデータを全て初期化するフォーマット処理を実行する(ステップS7)。
【0047】
また、該ブートセクタ情報が当該装置に適合するものの場合は、管理情報初期化手段により、一旦、上記ブートセクタを変更し、ブートセクタ情報が適正でない状態にして(ステップS3)、ディレクトリエントリの消去とFATの初期化を実行する(ステップS4,S5)。その後、管理情報復元手段により、上記ブートセクタを元に戻し、適合するブートセクタとし(ステップS6)、初期化を終了する。
【0048】
前述したように図10に示した従来のメモリカードの初期化処理の場合、消去の途中でカードが引き抜かれてしまうと、ブートセクタは正常であるが、ディレクトリエントリとFAT間が不整合状態となる。そのようなカードをカメラに挿入すると、記録可能なデータ領域が極端に狭められた状態で使用するか、あるいは、記録不可能といった状態になった。
【0049】
しかし、本実施例のカメラにおいては、上記初期化処理を行うことにより、もし、処理の途中で引き抜かれたメモリカード10は、ブートセクタが該当する装置に適合するデータではないので、カメラに挿入しても使用できない状態になっており、記録等での不具合が生じない。また、そのカードを、再度、初期化すると、ブートセクタが適正なものではないことから、必ず上記図4におけるステップS7のフォーマットによる初期化が行われる。
【0050】
本実施例のカメラにおいては、上記自動判別による初期化とは別に、強制的に上記ステップS7のフォーマットを実行することも可能である。この処理は、ERASEスイッチ36とDOWNスイッチ34を押圧することによって、上記強制的初期化モードに設定し、そこで、トリガスイッチ45を押圧すると、メモリカード10の上記強制的に管理領域とデータ領域の双方のフォーマット処理が開始される。
【0051】
なお、メモリカード10の初期化処理において、該初期化処理の途中で記録されたデータを保存しておく必要がわかったような場合、従来では上記初期化動作を中断しても上記データを再生することはできなかった。そのような場合でも、該当するデータに対応するディレクトリエントリとFATがまだ消去されていなければ、再生が可能であるとする変形例を提案することができる。
【0052】
この変形例における初期化処理では、図9に示すブートセクタにおいて、データ処理に直接関係のないエリア、例えば、メーカ名、および、バージョン番号のエリアにチェック用のフラグを書き込んでおく。その場合、他のブートセクタの変更はしない。そして、上述のような理由で初期化を中断した場合、そのメモリカードを引き抜いて、パソコンに挿入することによって、データの再生を行うことができる。即ち、パソコン上で上記フラグをチェックして消去中のデータの再生モードに設定し、まだ消去されていないデータの範囲であれば、復活させることができる。
【0053】
以上のように、本実施例では、情報記録媒体を主情報の未記録、または、未記録と同等な状態に初期化する場合、第1の管理情報領域の管理情報を判別し、第1の管理情報領域の管理情報が該当する情報取り扱い装置に適合しているときは、一旦、上記第1の管理情報領域に適合しない管理情報を記録して、第2の管理情報領域を初期化し、その後、第1の管理情報領域に適合した元の管理情報を書き込むようにしたので、情報記録媒体の正常な初期化処理が実行されなかった場合、その情報記録媒体を使用不能とし、不都合が生じないようにすると同時に、また、該記録媒体の正常な初期化処理を行うことが可能となる。
【0054】
次に、本実施例のカメラにおけるデータ消去処理について説明する。
【0055】
従来のカメラ等の画像記録再生装置におけるデータ領域に記録されるデータファイルとしては、図11,12,13のフォーマットに示すような3種類のファイルが作成される。図11に示すフォーマットのデータファイルは、1コマの画像データファイルを示し、記録日時,フィールド/フレーム等のヘッダ情報と圧縮画像データである画像データとで構成される。図12は、音声記録可能なカメラにおいて生成されるファイルである1コマの音声データファイルのフォーマットを示し、ヘッダ情報と圧縮音声データである音声データとで構成される。また、図13は、1ディレクトリエントリに対応する画像ファイルと音声ファイル等の組み合わせの関係を示すリレーションデータファイルのフォーマットを示し、規格情報が記録されるヘッダ情報とファイル相互間の関連情報が記録されるリレーション情報とで構成されている。
【0056】
さて、本実施例におけるデータの消去処理においては、上記画像ファイルの1コマ消去と音声ファイルの1コマ消去が可能であるが、更に、リレーションファイルのデータに基づいて画像ファイルとともに、該画像ファイルに対応する音声ファイルを一括して消去することが可能である。
【0057】
勿論、画像ファイルの全コマ消去、また、音声ファイルの全コマ消去も可能である。
【0058】
なお、本実施例のカメラにおいて、再生時での1コマ消去を行う場合のキーの操作としては、切り換えスイッチ46を「PLAY」側に切り換え、VIEWスイッチと兼用のERASEスイッチ36を押圧しながらレリーズスイッチ45を操作して消去を実行する。
【0059】
一方、記録後に直前の記録画像データを再生する、所謂、レックレビュー再生機能があるが、この再生機能は、切り換えスイッチ46はCAMERA側のままで、ビュー(VIEW)スイッチと兼用のERASEスイッチ36を押圧している間、上記レックレビュー再生機能が働く。そこで、該レックレビュー再生の画像データを消去する場合は、そのままレリーズスイッチ45を押圧すればよい。
【0060】
このように、本実施例のカメラにおいては、上述のようにVIEWスイッチとERASEスイッチとを兼用していることから、上記通常の再生時の1コマ消去動作と、レックレビュー再生データの消去動作が同じような操作で実行でき、使用者に違和感を抱かせることがない。
【0061】
本実施例のカメラにおいては、前述したようにデータ領域に記録されるものとして画像データファイル以外に音声データ,リレーションデータ,パソコン用データ等のファイルが記録される。通常の再生時には、それら画像データファイル以外のファイルのデータと未記録データ部も含めて黒のミュート画面として再生される。そこで、本実施例では、画像データファイル以外のデータを再生中であることを知らせるため、オンスクリーン表示、および、LCD表示部17に該当するコマNO.を点滅表示させる。
【0062】
また、音声データ,リレーションデータ,未記録部等のデータの違いにより点滅の速さを異ならせることも可能である。あるいは、ミュート画面の色を上記データの違いにより異ならせることも可能である。例えば、未記録部は黒ミュート、音声ファイルは青ミュート、パソコン用ファイルは、赤ミュート等にすることによって、使用者は一目で識別できる。
【0063】
また、再生時において、未記録ファイルや音声ファイル等画像ファイル以外を読み飛ばして再生することも可能である。このような再生によると使用者は、意味のない未記録コマのミュート画面などを見る必要がなく、能率的に検索することができる。
【0064】
即ち、所定の間隔での再生処理として、画像データを高速でサーチするための連続再生と、一定時間毎の再生画像を送るインターバル再生とがあるが、この高速サーチ処理は、高速検索やデモンストレーション時に使用される機能であって、画像データ以外は再生する必要がない。従って、これらの機能が働いているときには、上記音声ファイル,未記録ファイル等はスキップして画像ファイルのみを再生することによって非常に使い勝手をよくすることができる。
【0065】
次に、本実施例のカメラにおける各種記録処理について説明する。
【0066】
前述したように、1コマの画像データファイルには、その画像データのデータ形式等を記録するためにヘッダ情報が付加されている。本実施例のカメラでは、このヘッダに、カメラの撮影情報、例えば、シャッタスピード,露出情報,WB(ホワイトバランス)情報,色調整情報,フォーカス段数情報,ストロボ感光情報等を記録している。従って、フルオートで撮影したときであっても、撮影後、上記ヘッダ情報を参照することによって、上記各種の撮影情報を知ることでができる。
【0067】
更に、上記ヘッダに記録されている撮影情報に基づき撮影条件を設定して撮影を行うこともできるが、その撮影処理について、図5,6のフローチャートによって説明する。
【0068】
図5のフローチャートにおいて、ステップS11において、切り換えスイッチ46を「PLAY」側に切り換え、再生モードに設定する。そして、UP/DOWNスイッチ33,34を操作して、撮影条件を参照しようとする画像の再生コマを表示させ、PICTUREスイッチ40により該コマNO.を指定する。ステップS12にて、サブルーチン「撮影モードのセット」処理が呼び出され、実行される。
【0069】
該サブルーチン「撮影モードのセット」においては、図6に示すように該当するコマの画像ファイルのヘッダ情報からシャッタスピード,露出情報等の撮影情報を読み出し、その撮影情報に基づいて撮影条件がセットされる(ステップS21,22)。
【0070】
その後、図5のステップS13において、切り換えスイッチ46を「CAMERA」側に切り換え、カメラを撮影モードに設定する。ステップS14にて、すでにセットされている撮影条件での撮影を実行する。
【0071】
このようにして、過去の撮影画面での撮影条件を複雑な設定操作もなく再現でき、また、別の撮影者による撮影済みのメモリカードがあれば、その撮影画面の撮影条件をそのまま適用することも可能である。
【0072】
つぎに、本実施例のカメラによるインターバル撮影について説明する。
【0073】
従来の電子スチルカメラシステムによるインターバル撮影は知られている撮影方法であるが、このインターバル撮影においては、撮影期間中、電源はオン状態が保たれていた。電源が電池であるシステムでは、消費電力量が大きいことから長い時間のインターバル撮影は困難であった。
【0074】
インターバル撮影の期間中、必ずしも常時オン状態を保つ必要はないことから、本実施例のカメラにおいては、撮影の待ち時間中は、パワーオフに近いスタンバイ状態として、電力の消費を抑えるようにした。そして、撮影毎の数十秒前にパワーオンとして、撮影に備える。この撮影準備時間にストロボチャージ,オートWB等の処理を行うことになる。また、インターバル撮影中はズーミングを禁止し、撮影画角が変化してフォーカシングがずれることを防止している。
【0075】
また、インターバル時間は従来一定に決められていたものが多かったが、本実施例のものは、あるインターバル時間をプリセット値として保有しておき、その値をUP/DOWNスイッチ33,34等によって細かく変化させて書き換えることができる。該設定値はシステムコントローラ19を介して設定用メモリ21に記憶される。そして、同じようなインターバル撮影を行う場合、いちいち面倒な操作をすることなく、上記設定用メモリ21に記憶される値を読み出し、容易にインターバル時間を設定することができる。なお、パワーオフ状態にしてもこの設定値データは保持される。
【0076】
図7は、上記インターバル撮影のサブルーチンのフローチャートである。
【0077】
本撮影処理においては、ステップS31にて撮影開始指示を確認し、ステップS32にて1コマ目の撮影を実行する。その直後、カメラはスタンバイ状態に移行し、同時にズーム駆動を禁止状態とする(ステップS33)。ステップS34でインターバル設定時間より数十秒少ない所定の時間が経過するのを待ち、その時間の経過後、ステップS35で電源オンの状態とする。そして、ステップS36でストロボチャージとオートWB処理を行って、ステップS37に進み、インターバル時間が経過するのを待ち、ステップS38で撮影を開始する。ステップS39で所定のコマ数の撮影終了、または、撮影時間の経過をチェックし、撮影が終了するまではステップS33に戻る。
【0078】
上記インターバル撮影の処理は、同様にインターバル再生にも当てはめることができる。即ち、切り換えスイッチ46を再生モードに切り換える。DRIVEスイッチ41によりインターバル再生を指定する。また、ズームスイッチ31,32を操作して、インターバル時間を秒単位で設定する。この設定時間は、前記設定用メモリ21に記憶され、パワーオフ状態にしても上記設定値は、保持される。そして、再度インターバル再生を実行するときに参照する。
【0079】
なお、上記のインターバル再生においては、普通数秒であるインターバル時間そのものを可変としたが、一時的に高速検索コマ送りを実行するために、上記設定インターバル時間を変化させることなく、ワンタッチでインターバル時間を短くすることができるように構成すると更に使い勝手のよいカメラとすることができる。上記ワンタッチ操作を、例えば、UP/DOWNスイッチ33,34の操作によって行うようにして、該スイッチ33,34を押圧することによってコマ送りのスピードの一時的な高速処理ができる。
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば、カラーベクトル平面上の一つの点を選ぶという分かり易い操作によってホワイトバランスは略々適切な状態に調節され、更に、黒体の色温度と相関を有する一の軸に沿って、当該一つの点を移動させるに対応した簡易な操作によってホワイトバランスの微調整を行うことができるこの種の装置が実現されるが、この微調整においては、本情報取り扱い装置が再生モードに設定されているときには再生画像の変更操作に適用される操作部材に対する操作に応動するようにして調整が行われるため、操作部材の数を徒に増加させることなく高品位な画像を得るための微妙な操作までが可能な装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す電子スチルカメラのブロック構成図である。
【図2】上記図1のカメラの外観を示す平面図である。
【図3】上記図2のA矢視図である。
【図4】上記図1のカメラにおける「メモリカードの初期化」処理のフローチャートである。
【図5】上記図1のカメラにおける「記憶データに基づく撮影処理」のフローチャートである。
【図6】上記図5の「記憶データに基づく撮影処理」中でコールされるサブルーチン「撮影データのセット」処理のフローチャートである。
【図7】上記図1のカメラにおける「インターバル撮影」処理のフローチャートである。
【図8】従来の情報取り扱い装置に適用されるメモリカードのメモリ領域の構成を示す図である。
【図9】上記図8のメモリカードのブートセクタのフォーマットを示す図である。
【図10】従来の情報取り扱い装置における「メモリカードの初期化」処理のフローチャートである。
【図11】従来の情報取り扱い装置に適用されるメモリカードのデータ領域のうち画像データの構成を示す図である。
【図12】従来の情報取り扱い装置に適用されるメモリカードのデータ領域のうち音声データの構成を示す図である。
【図13】従来の情報取り扱い装置に適用されるメモリカードのデータ領域のうちリレーションデータの構成を示す図である。
【図14】従来のビデオカメラのWB調整の処理に適用されるカラーベクトル平面上のI軸特性を示す図である。
【符号の説明】
19 システムコントローラ
(管理情報判別手段,管理情報の初期化手段,管理情報復元手段)
101 ブートセクタ
(第1の管理情報領域)
102 FAT領域
(第2の管理情報領域)
103 ディレクトリ領域
(第2の管理情報領域)
104 データ領域(主情報領域)
ステップS2 管理情報判別手段
ステップS3,4,5 管理情報の初期化手段
ステップS6 管理情報復元手段
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば電子カメラのように画像情報を扱う情報取り扱い装置、詳しくは画像の微妙なホワイトバランス調整を簡便に行えるようにしたこの種の装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
DOS(DISK OPERATION SYSTEM)を適用する情報取り扱い装置である画像情報記録再生装置等に適用される情報記録媒体であるICメモリカードは、図8に示すようなメモリ領域の構成を有している。
【0003】
上記メモリカードは、アトリビュートメモリとコモンメモリで構成され、コモンメモリは、属性情報領域と、メモリ管理領域100と、主情報領域であるデータ領域104とで構成されている。上記属性情報領域は、各装置に対しては変更されない固定データが書き込まれている。上記メモリ管理領域100は、第1の管理情報領域であるブートセクタ101と、第2の管理情報領域であるFAT情報領域102と、同じく第2の管理情報領域であるディレクトリエントリ領域103とで構成されている。また、データ領域104には画像等のデータが記録される。
【0004】
上記ブートセクタ101には、当該メモリカードの論理的なセクタ長,トラック数,1トラック当たりのセクタ数等が記録される。図9は、該ブートセクタ101のフォーマットの内容を示す図である。また、上記FAT情報領域102には、データ領域104のメモリ領域情報がチェーン形式で記録され、ディレクトリエントリ領域103には、データ領域104にデータがどのように記録されているか、あるいは、該データファイルの属性情報等が書き込まれている。
【0005】
未使用のメモリカード、または、データの書き込みが行われた使用済みメモリカードを、データ記録可能な状態にする初期化処理として、1つは、メモリカード内のデータを全て消去し、メモリチェックを行い、更に、ブートセクタ等が書き込まれる初期化フォーマット処理と、他の1つは、ディレクトリエントリとFATのみを消去する全コマ消去処理とがある。そして、上記初期化フォーマット処理は、全メモリ領域のデータを初期化することから長い処理時間、例えば、1分間位を必要とするが、上記全コマ消去処理は、管理情報の書き換えのみで済むことから比較的短時間、例えば、約15秒で初期化が完了する。
【0006】
情報記録再生装置等での上記初期化処理において、処理時間を短縮可能なものとして、図10のフローチャートに示す方式が考えられる。本処理においては、まず、ブートセクタを読み込み(ステップS101)、該ブートセクタ情報が当該装置に対して適合しているかをチェックする(ステップS102)。該ブートセクタ情報が不適合であった場合は、前記初期化フォーマット処理を実行する(ステップS105)。また、該ブートセクタ情報が適合するものであった場合は、ディレクトリエントリの消去とFATの初期化を実行し(ステップS103,S104)、初期化を終了する。このようにしてメモリカードのブートセクタ情報が装置に対して適合しているものに対する初期化では、フォーマットによる長い時間待ちを無くすことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般にビデオカメラではホワイトバランス(WB)調整を行う必要があるが、従来のカメラでは、オートWB,ワンタッチWB,プリセットWBの調整が可能であった。
【0008】
上記オートWB調整は、入力画像信号に基づいて、適正なWBが得られるように、図14に示すカラーベクトル平面上のWB補正中心の位置を自動的に設定する調整である。この調整の欠点は、画面内全体の色がある色に片寄っているようなとき、その色を白色になるように補正するので、必ずしも良好な色あいで記録されるとは限らない。
【0009】
また、ワンタッチWB調整は、真白の被写体の画像信号を取り込み、その信号を白として認識するように調整する。この調整では、真白の被写体を持ち歩く必要があり、使い勝手が悪い。
【0010】
また、プリセットWB調整は、WB補正中心値データとして、システムに代表的な複数の色温度の値を記憶させておき、晴,曇等の被写体の状態に合わせて上記色温度の値を選択する。例えば、図14のカラーベクトル平面上の黒体軌跡を示すI軸上で、晴れているときは点P0、また、曇のときは点P1、また、夕焼けときは点P2の何れかをWB補正中心に設定してWB調整する。しかし、この調整では、必ずしも使用者が所望する微妙なWB調整ができない。
【0011】
上記の不具合を解決するため、従来は、上記図14のカラーベクトル平面のR(赤)−Y(輝度)軸とB(青)−Y軸の2軸の変数を設定してWB補正中心を定めることによって、WBの微調整を手動で行う方法が採られていた。しかしながら、このような方法では、2つの値を設定する必要があることから調整がやりにくいという課題があった。
【0012】
本発明は、従来のホワイトバランス調整のこのような課題に鑑みて、例えば電子カメラのような画像情報を扱う情報取り扱い装置におけるホワイトバランス調整のための操作が簡単であり、且つ、操作部材の数を徒に増加させることなく微妙な調整をも行い得るようにしたこの種の装置を提案することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の情報取り扱い装置は、画像の記録動作を行うための記録モードと画像の再生動作を行うための再生モードとを選択的に設定可能になされた情報取扱い装置であって、上記記録モードに設定されているときには、カラーベクトル平面上における黒体の色温度と相関を有する一つの軸上の複数の点によってそれぞれ表わされる複数のホワイトバランス状態の内からいずれか一つのホワイトバランス状態を選択するようになされた第1のホワイトバランス調整手段と、該第1のホワイトバランス調整手段によって上記選択されたホワイトバランス状態を上記一つの軸に沿って移動させるに対応したホワイトバランスの微調整を上記再生モードでは再生画像の変更操作に適用される操作部材への操作に基づいて行うようになされた第2のホワイトバランス調整手段とを備えてなることを特徴とする。
【0014】
【作用】
第1のホワイトバランス調整手段によって、例えば、晴れ又は曇若しくは夕焼どき等に略々適合したホワイトバランス状態となるカラーベクトル平面上の一つの点によって表わされる調整状態にした上、更に撮影目的や使用者の趣向に応じた微妙な調整が、上記一つの点を通る、黒体の色温度と相関を有する一の軸に沿って、当該一つの点を移動させるに対応したホワイトバランスの微調整として、第2のホワイトバランス調整手段によって行われ得るが、このとき第2のホワイトバランス調整手段による調整動作は、本情報取り扱い装置が再生モードに設定されているときには再生画像の変更操作に適用される操作部材に対する操作に応動するようにして行われる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。
【0016】
図1ないし図3は、本発明の一実施例を示す情報取り扱い装置の電子スチルカメラのブロック構成図と外観図である。
【0017】
なお、本実施例の電子スチルカメラは、ICメモリカードを情報記録媒体として適用するものであり、その構成を信号の流れに沿って上記図1のブロック構成図を参照して説明する。
【0018】
記録モードにおいて、光学系1を介して入射した被写体の光学像は、その結像面に配設されたCCD等で構成される撮像系2によってアナログの電気信号に変換される。この撮像系2から出力された撮像信号は、クランプ回路3によってDCレベルを一定に保たれた後、アナログ/ディジタル変換回路(以下、A/D変換回路と略記する。)4によってディジタル信号に変換され、フレームメモリ6に書き込まれて一時的に保管される。
【0019】
フレームメモリ6への書き込みが全て終わると、次に、メモリコントローラ5のコントロールによりフレームメモリ6からデータを読み出して、離散型コサイン変換回路(以下、DCT/IDCTと記載する。)7においてデータ圧縮に必要なデータ変換を行い、コーダ/デコーダ8へ出力する。このコーダ/デコーダ8のコーダ部では、圧縮処理を施すために必要な各種のデータやテーブルが書き込まれている補助メモリ9を参照しながら、該映像データを圧縮処理する。そして、圧縮されたデータは、データバス20を通って該電子スチルカメラに着脱可能に取り付けられた情報記録媒体たるICメモリカード10に書き込まれる。
【0020】
なお、上記記録モードにおいて、撮像系2のホワイトバランス調整時等での出力信号のゲインは、システムコントローラ19を介してコントロールされ、また、光学系1の絞りもシステムコントローラ19を介してコントロールされる。そして、該システムコントローラ19には、後述する管理情報判別手段と、管理情報の初期化手段と、管理情報復元手段等が内蔵されている。
【0021】
次に、上述のように記録した映像データを再生する場合の信号の流れに沿って、該電子スチルカメラについての説明を続ける。
【0022】
上記ICメモリカード10から読み出されたデータは、データバス20を通ってコーダ/デコーダ8に入力され、該コーダ/デコーダ8のデコーダ部において上記圧縮処理されたデータを元に戻す伸長処理が施される。この伸長されたデータは、DCT/IDCT回路7において逆DCT処理されてフレームメモリ6に書き込まれる。全てのデータの伸長処理が終了すると、今度はフレームメモリ6からデータがメモリコントローラ5のコントロールによって読み出されて、その出力がディジタルプロセス11によって例えばNTSCに準拠したビデオ信号に変換処理される。そして、D/A(ディジタル/アナログ)変換回路12によってアナログ信号に変換されて、バッファ13により例えば75Ωインピーダンス整合をとられた後に、電子ビューファインダ(以下、EVFと略記する)14において撮影者に観察可能に画像が再生される。そしてこれと同時に、該ビデオ信号は外部への映像出力端子15へ出力されるようになっている。
【0023】
該電子スチルカメラは、日付けや時刻等の文字情報を生成して画面上にオンスクリーン表示を行うキャラクタジェネレータ16と、各種の動作モード等を表示するLCD表示部17と、各種の操作を行う操作部18とを有している。そして、上述の各構成要素は、システムコントローラ19により制御されるようになっている。また、本カメラは、各種のマニュアル操作が可能であるが、そのときの設定値を設定用メモリ21に記憶しておき、以後の操作時に該設定値を呼び出すことによって、同一の操作を再現することができる。
【0024】
なお、上記ICメモリカード10等の記録媒体に記録するときには、例えば、パソコン上で認識可能なフォーマット、具体的には後述するDOSフォーマットに変換して記録するようになっている。
【0025】
次に、上記操作部18等の配置について詳述する。
【0026】
図2および図3の本実施例の電子スチルカメラの外観図には、上記操作部18等の配設状態が示されている。なお、図2は、該カメラの平面図、また、図3は、図2のA矢視図であって、同カメラの接眼部より見た図である。
【0027】
図2に示すように、該カメラ本体上面の中央部には、上述したLCD表示部48が配設されており、後述する各操作等の表示がなされるようになっている。該LCD表示部48の一側方には、テレ,ワイドモード選択用のズームスイッチ(以下、ZOOMスイッチと記載する)T31,W32が配設されている。
【0028】
また、上記ZOOMスイッチT31,W32の図中、下方にはアップスイッチ(以下、UPスイッチと記載する)33,ダウンスイッチ(以下、DOWNスイッチと記載する)34が配設されている。これらのスイッチ33,34は、該カメラが記録モード時にあるときには、モードの調整、たとえば、ホワイトバランスの微調整,シャッタースピードの変更,露出補正値の変更,パワーフォーカスのフォーカシング等に使用され、また、再生モード時には、コマ送り、コマ戻しに使用されるようになっている。
【0029】
次に、図2において、上記LCD表示部48の下方に配設されている前記操作部18を構成する操作スイッチ群の機能について説明する。
【0030】
図中、ホワイトバランススイッチ(以下、WBスイッチと記載する)35は、記録モード時に、ホワイトバランスモードの変更に使用される。
【0031】
以下、ビューイレーズスイッチ(以下、VIEW ERASEスイッチ、または、ERASEスイッチと記載する)36は、記録モード時には、押している間だけ直前に記録された画像が再生され、再生モード時には、コマ消去スイッチとして使用される。
【0032】
また、+/−スイッチ37は、記録モード時に、露出モードの変更に使用される。フォーカススイッチ(以下、FOCUSスイッチと記載する)38は、記録モード時に、オートフォーカスあるいはパワーフォーカスのフォーカスモードの変更に使用される。
【0033】
ストロボスイッチ(以下、STスイッチと記載する)39は、記録モード時に、ストロボモードの変更に使用される。ピクチャースイッチ(以下、PICTUREスイッチ)40は、記録モード時に、色合い,色濃さ等の変更に使用される。再生モードでは、メモリカードの画像データの設定に使用される。ドライブスイッチ(以下、DRIVEスイッチと記載する)41は、記録モード時には、記録スピードモードの変更に使用され、再生モード時には、再生スピードの変更に使用される。
【0034】
モードスイッチ(以下、MODEスイッチと記載する)42は、記録モード時に、圧縮モード,非圧縮モードの変更に使用される。再生モードでは外部端子より出力されるビデオ信号にキャラクタ表示信号を重畳するオンスクリーンモードの指示等に利用される。タイムスイッチ(以下、TIMEスイッチと記載する)43は、時間の設定やブザーのオンオフ操作に使用される。パワースイッチ(以下、POWERスイッチと記載する)44は、本実施例のカメラのパワーオン・オフ操作に使用される。トリガスイッチ45は、撮影動作を指示するのに使用される。
【0035】
上記各操作スイッチ群のさらに下方の、カメラ本体縁部には、記録モードと再生モードの切り換え、または、画像伝送時の送信モードと受信モードとの切り換えに使用するCAMERA/PLAY切り換えスイッチ46と、記録モード時に、フルオート撮影モードとマニュアル撮影モードとの切り換え、または、該カメラを伝送モードに設定するためのAUTO/MANUAL切り換えスイッチ47とが配設されている。また、カメラ本体の手前側側面には、該カメラの前記EVF14のための接眼部49が配設されている。
【0036】
次に、本実施例のカメラにおけるWB(ホワイトバランス)調整について説明する。
【0037】
本実施例のカメラでは、WB微調整処理として、WB補正点を1つの軸上で設定できるようにして、より容易なWBの手動の微調整処理を可能とするものである。
【0038】
即ち、この手動WB微調整は、図14のカラーベクトル平面上の黒体の色温度の変化に沿った(黒体の色温度と相関のある)一の軸であるI軸(註:ここに言うI軸とは、テレビジョンの色情報を表わすべくQ軸と対をなすI軸と同義でなく単に図14に表記された軸を示す記号に過ぎない)に沿ってホワイトバランス状態を表わす点を移動させるに対応した調整を行うことによって行われる。
【0039】
そして、本実施例ではWB微調整を行う場合、上記I軸の傾斜データをメモリに記憶しておき、まず、補正調整点として、図14の晴れているときの点P0、または、曇のときの点P1、または、夕焼けときの点P2の何れかを選択する。更に、それぞれのポイントにおいてWB調整手段(尚、WB調整手段としては、システムコントローラ及びメモリの一部も含まれる)としてのUP/DOWNスイッチ33,34を操作して、上記I軸の傾斜に沿ってWB補正中心を移動し、WBの微調整を行う。
【0040】
このように本実施例のカメラにおけるWB微調整は簡単な操作で行うことができ、また、この調整を行うことによって、使用者が所望する微妙な色あいでの撮影を行うことができる。
さて、従来の上記図10の初期化処理において、消去動作の途中でメモリカードが引き抜かれたり、装置の電源が切られてしまうと、ブートセクタは正常な状態で書き込まれ、また、ディレクトリエントリも消去されているが、FATの消去が完了していない状態でメモリカードが取り出されることも有り得る。
【0041】
通常、メモリカードにおいては、FATの各データが「0」である範囲の大きさによりその空き容量を判別する。従って、上述のようにFATの消去が完了していないものでは、その分だけ小容量であると判別されてしまう。
【0042】
なお、現在検索しているファイルからFATデータのチェーンを追跡して行けば、正規のFATと異常なFATとの区別がつくので、修正することは可能であるが、例えば、カメラ等の画像記録再生装置等でそこまでのチェック処理をメモリカードの挿入の度に実行することは不適当である。このようなチェック処理は、パソコン等においても、単独のチェックコマンドで実行される程度であって、通常の操作時には行われていない処理である。
【0043】
そこで、本実施例では、情報記録媒体の初期化の敏速な処理が可能であって、情報記録媒体の正常な初期化処理が実行されなかった場合であっても、その後、上記記録媒体の取り扱い上、不都合が生じることなく、また、正常な初期化を行うことができるようにしている。
【0044】
本実施例のカメラにおける、メモリカード10の初期化処理について、図4のサブルーチンのフローチャートにより説明する。
【0045】
ERASEスイッチ36とUPスイッチ33を押圧して、カメラを初期化モードに設定し、そこで、トリガスイッチ45を押圧するとメモリカード10の上記初期化処理が開始される。
【0046】
まず、第1管理情報領域のブートセクタを読み込み(ステップS1)、管理情報判別手段により、該ブートセクタ情報が当該装置に対して適合するものであるかをチェックする(ステップS2)。該ブートセクタ情報が不適正であった場合は、ブートセクタ以下の管理領域、即ち、ブートセクタの第1の管理領域とFAT、および、ディレクトリエントリの第2の管理領域と、主情報記憶領域であるデータ領域のデータを全て初期化するフォーマット処理を実行する(ステップS7)。
【0047】
また、該ブートセクタ情報が当該装置に適合するものの場合は、管理情報初期化手段により、一旦、上記ブートセクタを変更し、ブートセクタ情報が適正でない状態にして(ステップS3)、ディレクトリエントリの消去とFATの初期化を実行する(ステップS4,S5)。その後、管理情報復元手段により、上記ブートセクタを元に戻し、適合するブートセクタとし(ステップS6)、初期化を終了する。
【0048】
前述したように図10に示した従来のメモリカードの初期化処理の場合、消去の途中でカードが引き抜かれてしまうと、ブートセクタは正常であるが、ディレクトリエントリとFAT間が不整合状態となる。そのようなカードをカメラに挿入すると、記録可能なデータ領域が極端に狭められた状態で使用するか、あるいは、記録不可能といった状態になった。
【0049】
しかし、本実施例のカメラにおいては、上記初期化処理を行うことにより、もし、処理の途中で引き抜かれたメモリカード10は、ブートセクタが該当する装置に適合するデータではないので、カメラに挿入しても使用できない状態になっており、記録等での不具合が生じない。また、そのカードを、再度、初期化すると、ブートセクタが適正なものではないことから、必ず上記図4におけるステップS7のフォーマットによる初期化が行われる。
【0050】
本実施例のカメラにおいては、上記自動判別による初期化とは別に、強制的に上記ステップS7のフォーマットを実行することも可能である。この処理は、ERASEスイッチ36とDOWNスイッチ34を押圧することによって、上記強制的初期化モードに設定し、そこで、トリガスイッチ45を押圧すると、メモリカード10の上記強制的に管理領域とデータ領域の双方のフォーマット処理が開始される。
【0051】
なお、メモリカード10の初期化処理において、該初期化処理の途中で記録されたデータを保存しておく必要がわかったような場合、従来では上記初期化動作を中断しても上記データを再生することはできなかった。そのような場合でも、該当するデータに対応するディレクトリエントリとFATがまだ消去されていなければ、再生が可能であるとする変形例を提案することができる。
【0052】
この変形例における初期化処理では、図9に示すブートセクタにおいて、データ処理に直接関係のないエリア、例えば、メーカ名、および、バージョン番号のエリアにチェック用のフラグを書き込んでおく。その場合、他のブートセクタの変更はしない。そして、上述のような理由で初期化を中断した場合、そのメモリカードを引き抜いて、パソコンに挿入することによって、データの再生を行うことができる。即ち、パソコン上で上記フラグをチェックして消去中のデータの再生モードに設定し、まだ消去されていないデータの範囲であれば、復活させることができる。
【0053】
以上のように、本実施例では、情報記録媒体を主情報の未記録、または、未記録と同等な状態に初期化する場合、第1の管理情報領域の管理情報を判別し、第1の管理情報領域の管理情報が該当する情報取り扱い装置に適合しているときは、一旦、上記第1の管理情報領域に適合しない管理情報を記録して、第2の管理情報領域を初期化し、その後、第1の管理情報領域に適合した元の管理情報を書き込むようにしたので、情報記録媒体の正常な初期化処理が実行されなかった場合、その情報記録媒体を使用不能とし、不都合が生じないようにすると同時に、また、該記録媒体の正常な初期化処理を行うことが可能となる。
【0054】
次に、本実施例のカメラにおけるデータ消去処理について説明する。
【0055】
従来のカメラ等の画像記録再生装置におけるデータ領域に記録されるデータファイルとしては、図11,12,13のフォーマットに示すような3種類のファイルが作成される。図11に示すフォーマットのデータファイルは、1コマの画像データファイルを示し、記録日時,フィールド/フレーム等のヘッダ情報と圧縮画像データである画像データとで構成される。図12は、音声記録可能なカメラにおいて生成されるファイルである1コマの音声データファイルのフォーマットを示し、ヘッダ情報と圧縮音声データである音声データとで構成される。また、図13は、1ディレクトリエントリに対応する画像ファイルと音声ファイル等の組み合わせの関係を示すリレーションデータファイルのフォーマットを示し、規格情報が記録されるヘッダ情報とファイル相互間の関連情報が記録されるリレーション情報とで構成されている。
【0056】
さて、本実施例におけるデータの消去処理においては、上記画像ファイルの1コマ消去と音声ファイルの1コマ消去が可能であるが、更に、リレーションファイルのデータに基づいて画像ファイルとともに、該画像ファイルに対応する音声ファイルを一括して消去することが可能である。
【0057】
勿論、画像ファイルの全コマ消去、また、音声ファイルの全コマ消去も可能である。
【0058】
なお、本実施例のカメラにおいて、再生時での1コマ消去を行う場合のキーの操作としては、切り換えスイッチ46を「PLAY」側に切り換え、VIEWスイッチと兼用のERASEスイッチ36を押圧しながらレリーズスイッチ45を操作して消去を実行する。
【0059】
一方、記録後に直前の記録画像データを再生する、所謂、レックレビュー再生機能があるが、この再生機能は、切り換えスイッチ46はCAMERA側のままで、ビュー(VIEW)スイッチと兼用のERASEスイッチ36を押圧している間、上記レックレビュー再生機能が働く。そこで、該レックレビュー再生の画像データを消去する場合は、そのままレリーズスイッチ45を押圧すればよい。
【0060】
このように、本実施例のカメラにおいては、上述のようにVIEWスイッチとERASEスイッチとを兼用していることから、上記通常の再生時の1コマ消去動作と、レックレビュー再生データの消去動作が同じような操作で実行でき、使用者に違和感を抱かせることがない。
【0061】
本実施例のカメラにおいては、前述したようにデータ領域に記録されるものとして画像データファイル以外に音声データ,リレーションデータ,パソコン用データ等のファイルが記録される。通常の再生時には、それら画像データファイル以外のファイルのデータと未記録データ部も含めて黒のミュート画面として再生される。そこで、本実施例では、画像データファイル以外のデータを再生中であることを知らせるため、オンスクリーン表示、および、LCD表示部17に該当するコマNO.を点滅表示させる。
【0062】
また、音声データ,リレーションデータ,未記録部等のデータの違いにより点滅の速さを異ならせることも可能である。あるいは、ミュート画面の色を上記データの違いにより異ならせることも可能である。例えば、未記録部は黒ミュート、音声ファイルは青ミュート、パソコン用ファイルは、赤ミュート等にすることによって、使用者は一目で識別できる。
【0063】
また、再生時において、未記録ファイルや音声ファイル等画像ファイル以外を読み飛ばして再生することも可能である。このような再生によると使用者は、意味のない未記録コマのミュート画面などを見る必要がなく、能率的に検索することができる。
【0064】
即ち、所定の間隔での再生処理として、画像データを高速でサーチするための連続再生と、一定時間毎の再生画像を送るインターバル再生とがあるが、この高速サーチ処理は、高速検索やデモンストレーション時に使用される機能であって、画像データ以外は再生する必要がない。従って、これらの機能が働いているときには、上記音声ファイル,未記録ファイル等はスキップして画像ファイルのみを再生することによって非常に使い勝手をよくすることができる。
【0065】
次に、本実施例のカメラにおける各種記録処理について説明する。
【0066】
前述したように、1コマの画像データファイルには、その画像データのデータ形式等を記録するためにヘッダ情報が付加されている。本実施例のカメラでは、このヘッダに、カメラの撮影情報、例えば、シャッタスピード,露出情報,WB(ホワイトバランス)情報,色調整情報,フォーカス段数情報,ストロボ感光情報等を記録している。従って、フルオートで撮影したときであっても、撮影後、上記ヘッダ情報を参照することによって、上記各種の撮影情報を知ることでができる。
【0067】
更に、上記ヘッダに記録されている撮影情報に基づき撮影条件を設定して撮影を行うこともできるが、その撮影処理について、図5,6のフローチャートによって説明する。
【0068】
図5のフローチャートにおいて、ステップS11において、切り換えスイッチ46を「PLAY」側に切り換え、再生モードに設定する。そして、UP/DOWNスイッチ33,34を操作して、撮影条件を参照しようとする画像の再生コマを表示させ、PICTUREスイッチ40により該コマNO.を指定する。ステップS12にて、サブルーチン「撮影モードのセット」処理が呼び出され、実行される。
【0069】
該サブルーチン「撮影モードのセット」においては、図6に示すように該当するコマの画像ファイルのヘッダ情報からシャッタスピード,露出情報等の撮影情報を読み出し、その撮影情報に基づいて撮影条件がセットされる(ステップS21,22)。
【0070】
その後、図5のステップS13において、切り換えスイッチ46を「CAMERA」側に切り換え、カメラを撮影モードに設定する。ステップS14にて、すでにセットされている撮影条件での撮影を実行する。
【0071】
このようにして、過去の撮影画面での撮影条件を複雑な設定操作もなく再現でき、また、別の撮影者による撮影済みのメモリカードがあれば、その撮影画面の撮影条件をそのまま適用することも可能である。
【0072】
つぎに、本実施例のカメラによるインターバル撮影について説明する。
【0073】
従来の電子スチルカメラシステムによるインターバル撮影は知られている撮影方法であるが、このインターバル撮影においては、撮影期間中、電源はオン状態が保たれていた。電源が電池であるシステムでは、消費電力量が大きいことから長い時間のインターバル撮影は困難であった。
【0074】
インターバル撮影の期間中、必ずしも常時オン状態を保つ必要はないことから、本実施例のカメラにおいては、撮影の待ち時間中は、パワーオフに近いスタンバイ状態として、電力の消費を抑えるようにした。そして、撮影毎の数十秒前にパワーオンとして、撮影に備える。この撮影準備時間にストロボチャージ,オートWB等の処理を行うことになる。また、インターバル撮影中はズーミングを禁止し、撮影画角が変化してフォーカシングがずれることを防止している。
【0075】
また、インターバル時間は従来一定に決められていたものが多かったが、本実施例のものは、あるインターバル時間をプリセット値として保有しておき、その値をUP/DOWNスイッチ33,34等によって細かく変化させて書き換えることができる。該設定値はシステムコントローラ19を介して設定用メモリ21に記憶される。そして、同じようなインターバル撮影を行う場合、いちいち面倒な操作をすることなく、上記設定用メモリ21に記憶される値を読み出し、容易にインターバル時間を設定することができる。なお、パワーオフ状態にしてもこの設定値データは保持される。
【0076】
図7は、上記インターバル撮影のサブルーチンのフローチャートである。
【0077】
本撮影処理においては、ステップS31にて撮影開始指示を確認し、ステップS32にて1コマ目の撮影を実行する。その直後、カメラはスタンバイ状態に移行し、同時にズーム駆動を禁止状態とする(ステップS33)。ステップS34でインターバル設定時間より数十秒少ない所定の時間が経過するのを待ち、その時間の経過後、ステップS35で電源オンの状態とする。そして、ステップS36でストロボチャージとオートWB処理を行って、ステップS37に進み、インターバル時間が経過するのを待ち、ステップS38で撮影を開始する。ステップS39で所定のコマ数の撮影終了、または、撮影時間の経過をチェックし、撮影が終了するまではステップS33に戻る。
【0078】
上記インターバル撮影の処理は、同様にインターバル再生にも当てはめることができる。即ち、切り換えスイッチ46を再生モードに切り換える。DRIVEスイッチ41によりインターバル再生を指定する。また、ズームスイッチ31,32を操作して、インターバル時間を秒単位で設定する。この設定時間は、前記設定用メモリ21に記憶され、パワーオフ状態にしても上記設定値は、保持される。そして、再度インターバル再生を実行するときに参照する。
【0079】
なお、上記のインターバル再生においては、普通数秒であるインターバル時間そのものを可変としたが、一時的に高速検索コマ送りを実行するために、上記設定インターバル時間を変化させることなく、ワンタッチでインターバル時間を短くすることができるように構成すると更に使い勝手のよいカメラとすることができる。上記ワンタッチ操作を、例えば、UP/DOWNスイッチ33,34の操作によって行うようにして、該スイッチ33,34を押圧することによってコマ送りのスピードの一時的な高速処理ができる。
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば、カラーベクトル平面上の一つの点を選ぶという分かり易い操作によってホワイトバランスは略々適切な状態に調節され、更に、黒体の色温度と相関を有する一の軸に沿って、当該一つの点を移動させるに対応した簡易な操作によってホワイトバランスの微調整を行うことができるこの種の装置が実現されるが、この微調整においては、本情報取り扱い装置が再生モードに設定されているときには再生画像の変更操作に適用される操作部材に対する操作に応動するようにして調整が行われるため、操作部材の数を徒に増加させることなく高品位な画像を得るための微妙な操作までが可能な装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す電子スチルカメラのブロック構成図である。
【図2】上記図1のカメラの外観を示す平面図である。
【図3】上記図2のA矢視図である。
【図4】上記図1のカメラにおける「メモリカードの初期化」処理のフローチャートである。
【図5】上記図1のカメラにおける「記憶データに基づく撮影処理」のフローチャートである。
【図6】上記図5の「記憶データに基づく撮影処理」中でコールされるサブルーチン「撮影データのセット」処理のフローチャートである。
【図7】上記図1のカメラにおける「インターバル撮影」処理のフローチャートである。
【図8】従来の情報取り扱い装置に適用されるメモリカードのメモリ領域の構成を示す図である。
【図9】上記図8のメモリカードのブートセクタのフォーマットを示す図である。
【図10】従来の情報取り扱い装置における「メモリカードの初期化」処理のフローチャートである。
【図11】従来の情報取り扱い装置に適用されるメモリカードのデータ領域のうち画像データの構成を示す図である。
【図12】従来の情報取り扱い装置に適用されるメモリカードのデータ領域のうち音声データの構成を示す図である。
【図13】従来の情報取り扱い装置に適用されるメモリカードのデータ領域のうちリレーションデータの構成を示す図である。
【図14】従来のビデオカメラのWB調整の処理に適用されるカラーベクトル平面上のI軸特性を示す図である。
【符号の説明】
19 システムコントローラ
(管理情報判別手段,管理情報の初期化手段,管理情報復元手段)
101 ブートセクタ
(第1の管理情報領域)
102 FAT領域
(第2の管理情報領域)
103 ディレクトリ領域
(第2の管理情報領域)
104 データ領域(主情報領域)
ステップS2 管理情報判別手段
ステップS3,4,5 管理情報の初期化手段
ステップS6 管理情報復元手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像の記録動作を行うための記録モードと画像の再生動作を行うための再生モードとを選択的に設定可能になされた情報取扱い装置であって、
上記記録モードに設定されているときには、カラーベクトル平面上における黒体の色温度と相関を有する一つの軸上の複数の点によってそれぞれ表わされる複数のホワイトバランス状態の内からいずれか一つのホワイトバランス状態を選択するようになされた第1のホワイトバランス調整手段と、該第1のホワイトバランス調整手段によって上記選択されたホワイトバランス状態を上記一つの軸に沿って移動させるに対応したホワイトバランスの微調整を上記再生モードでは再生画像の変更操作に適用される操作部材への操作に基づいて行うようになされた第2のホワイトバランス調整手段とを備えたことを特徴とする情報取り扱い装置。
【請求項1】
画像の記録動作を行うための記録モードと画像の再生動作を行うための再生モードとを選択的に設定可能になされた情報取扱い装置であって、
上記記録モードに設定されているときには、カラーベクトル平面上における黒体の色温度と相関を有する一つの軸上の複数の点によってそれぞれ表わされる複数のホワイトバランス状態の内からいずれか一つのホワイトバランス状態を選択するようになされた第1のホワイトバランス調整手段と、該第1のホワイトバランス調整手段によって上記選択されたホワイトバランス状態を上記一つの軸に沿って移動させるに対応したホワイトバランスの微調整を上記再生モードでは再生画像の変更操作に適用される操作部材への操作に基づいて行うようになされた第2のホワイトバランス調整手段とを備えたことを特徴とする情報取り扱い装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【特許番号】特許第3562851号(P3562851)
【登録日】平成16年6月11日(2004.6.11)
【発行日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平6−311490
【出願日】平成6年12月15日(1994.12.15)
【分割の表示】特願平5−233683の分割
【原出願日】平成5年9月20日(1993.9.20)
【公開番号】特開平7−184217
【公開日】平成7年7月21日(1995.7.21)
【審査請求日】平成12年9月19日(2000.9.19)
【審判番号】不服2002−14201(P2002−14201/J1)
【審判請求日】平成14年7月26日(2002.7.26)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【合議体】
【参考文献】
【文献】特開昭61−292492(JP,A)
【文献】特開平3−171990(JP,A)
【文献】特開昭62−270932(JP,A)
【文献】特開平5−153455(JP,A)
【文献】特開平5−91387(JP,A)
【登録日】平成16年6月11日(2004.6.11)
【発行日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成6年12月15日(1994.12.15)
【分割の表示】特願平5−233683の分割
【原出願日】平成5年9月20日(1993.9.20)
【公開番号】特開平7−184217
【公開日】平成7年7月21日(1995.7.21)
【審査請求日】平成12年9月19日(2000.9.19)
【審判番号】不服2002−14201(P2002−14201/J1)
【審判請求日】平成14年7月26日(2002.7.26)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【合議体】
【参考文献】
【文献】特開昭61−292492(JP,A)
【文献】特開平3−171990(JP,A)
【文献】特開昭62−270932(JP,A)
【文献】特開平5−153455(JP,A)
【文献】特開平5−91387(JP,A)
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