説明

情報提示システム

【課題】簡単で安価なシステム構成であっても効果的に情報を提示することができる情報提示システムを提供する。
【解決手段】利用者の存在又は動作を検出する複数のセンサ(1)〜(7)と、表示又は音声出力を行う入力装置12を含み、利用者により操作される操作入力部24と、複数のセンサにより検出された複数のセンサ信号を取得するセンサ情報取得部15と、センサ情報取得部15により取得された複数のセンサ信号の組み合わせに基づいて、ユーザインターフェース表示部21による表示形態及び/又は音声出力形態を変更するユーザインターフェース変更部22とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者の操作に応じて各種情報を提示する情報提示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、利用者の活動を推定する技術が提案されている。この技術は、室内や公共の空間にセンサを配置し、センサにより検出されたセンサ信号の組み合わせ(シーケンス)に基づいて利用者の活動を推定し、各種の支援を行う。
【0003】
例えば特許文献1に記載されたユーザ支援システムは、センサ信号に基づいてユーザの動作を時間軸で評価する。このユーザ支援システムは、ユーザの動作に連続性があるか否かに基づいてユーザの状態を推定し、支援方法を決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−084828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1等の技術では、時間軸を考慮した高度な演算処理、及び、ユーザの動作に応じてどのような支援を行うかのマッチング処理が必要であった。
【0006】
また、従来の技術では、公共の空間にて多数のユーザの活動を推定する必要があったため、ICタグ等による高価な装置を設置して、個人を特定する必要があった。
【0007】
更に、従来の技術では、ユーザがシステムを利用する場面が多彩であったため、効果的にユーザの支援を行うことが困難であった。
【0008】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、簡単で安価なシステム構成であっても効果的に情報を提示することができる情報提示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決する第1の発明に係る情報提示システムは、利用者の存在又は動作を検出する複数のセンサと、表示又は音声出力を行うユーザインターフェース部を含み、利用者により操作される入力手段と、前記複数のセンサにより検出された複数のセンサ信号を取得するセンサ情報取得手段と、前記センサ情報取得手段により取得された複数のセンサ信号の組み合わせに基づいて、前記インターフェース部による表示形態及び/又は音声出力形態を変更するユーザインターフェース変更手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
第1の発明に係る情報提示システムであって、第2の発明は、前記センサ情報取得手段は、各センサ信号を取得した時刻情報を取得し、前記ユーザインターフェース変更手段は、前記各センサ信号の時刻情報の組み合わせに基づいて、前記ユーザインターフェース部による表示形態及び/又は音声出力形態を変更することを特徴とする。
【0011】
第1の発明に係る情報提示システムであって、第3の発明は、前記各センサが設置された空間の属性情報を記憶したセンサテーブルを有し、前記センサ情報取得手段は、各センサ信号を出力したセンサの空間の属性情報を取得し、前記ユーザインターフェース変更手段は、前記各センサ信号を出力したセンサの空間の属性情報の組み合わせに基づいて、前記ユーザインターフェース部による表示形態及び/又は音声出力形態を変更することを特徴とする。
【0012】
第1の発明に係る情報提示システムであって、第4の発明は、前記各センサが設置された空間の属性情報を記憶したセンサテーブルを有し、前記ユーザインターフェース変更手段は、前記センサ信号を出力したセンサの空間の属性情報に基づいて、音量を変化させることを特徴とする。
【0013】
第1乃至第4の何れかの発明に係る情報提示システムであって、第5の発明は、前記複数のセンサのうち、少なくとも2つのセンサは、前記入力手段に含まれるボタンと住宅外の利用者により操作されるインターホン装置のボタンであることを特徴とする
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数のセンサ信号の組み合わせに基づいて、インターフェース部による表示形態及び/又は音声出力形態を変更するので、利用者の行動に基づいてユーザインターフェースを変化させることができる。したがって、本発明によれば、複数のセンサにより検出されたセンサ信号の組み合わせを解析するという簡単で安価なシステム構成であっても、効果的に利用者の状況に応じた情報を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態として示す情報提示システムを含む住宅の一構成例を示す概略図である。
【図2】本発明の第1実施形態として示す情報提示システムに含まれる情報表示装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【図3】情報表示装置のセンサ設置場所記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【図4】情報表示装置の外観構成の一例を示す斜視図である。
【図5】高齢者用ユーザインターフェースの一例を示す図である。
【図6】緊急事態用ユーザインターフェースの一例を示す図である。
【図7】本発明の第1実施形態として示す情報提示システムにおけるシステム制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】センサ情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【図9】情報表示装置のユーザインターフェースを高齢者用ユーザインターフェースに変更した様子を示す斜視図である。
【図10】センサ情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【図11】情報表示装置のユーザインターフェースを緊急事態用ユーザインターフェースに変更した様子を示す斜視図である。
【図12】センサ情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【図13】本発明の第2実施形態として示す情報提示システムに含まれる情報表示装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【図14】情報表示装置のセンサ設置場所記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【図15】情報表示装置のセンサシーケンスメニュー候補記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【図16】住宅内における利用者の移動とセンサとの関係を示す図である。
【図17】センサ情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【図18】本発明の第2実施形態として示す情報提示システムにおけるシステム制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図19】情報表示装置のユーザインターフェースを、AVコンテンツ情報を優先して表示させるためのメニュー画面を示す斜視図である。
【図20】本発明の第3実施形態として示す情報提示システムに含まれる情報表示装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【図21】住宅内における情報表示装置、電気錠センサ、インターホン装置の関係を示す図である。
【図22】インターホン装置の外観構成の一例を示す斜視図である。
【図23】標準ユーザインターフェースの一例を示す図である。
【図24】来訪者対応ユーザインターフェースの一例を示す図である。
【図25】帰宅対応ユーザインターフェースの一例を示す図である。
【図26】本発明の第3実施形態として示す情報提示システムにおけるシステム制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図27】検出情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【図28】情報表示装置のユーザインターフェースを帰宅対応ユーザインターフェースに変更した様子を示す斜視図である。
【図29】検出情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【図30】情報表示装置のユーザインターフェースを来訪者対応ユーザインターフェースに変更した様子を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態として示す情報提示システムは、例えば、図1に示すような住宅1内に備えられる。住宅1には、1階(1F)に玄関、廊下、階段、台所、南窓があり、2階(2F)にAVルーム、和室がある。この情報提示システムは、玄関に人感センサ(1)、廊下に人感センサ(2)、台所に人感センサ(3)、南窓に衝撃センサ(4)、階段に人感センサ(5)が設置されている。また、情報提示システムは、AVルームに人感センサ(6)、和室に人感センサ(7)が設置されている。
【0018】
また、情報提示システムは、玄関付近に、住宅1の利用者Pが各種の情報を入手できるようなユーザインターフェース部を備えた情報表示装置10が設置されている。情報表示装置10は、例えば、図2に示すような機能的な構成を有する。
【0019】
情報表示装置10は、システム制御部11、入力装置(入力手段)12、センサ設置場所記憶部13、時刻管理部14、センサ情報取得部15及びセンサ情報記憶部16を備える。
【0020】
システム制御部11は、情報表示装置10の動作を統括的に制御する。システム制御部11は、例えばCPU、メモリ、制御プログラム等からなる。なお、このシステム制御部11の動作については、後に詳述する。
【0021】
入力装置12は、システム制御部11の制御に従って、利用者Pに対して、情報表示装置10のユーザインターフェースを提供する。入力装置12は、ユーザインターフェース(UI)表示部21、ユーザインターフェース(UI)変更部22、音声発生部23及び操作入力部24を含む。
【0022】
ユーザインターフェース表示部21は、利用者Pが選択可能なメニュー画面、当該メニュー画面により選択された情報を含む情報画面を表示する。音声発生部23は、各種の音声を出力する。これらユーザインターフェース表示部21及び音声発生部23は、ユーザインターフェース変更部22により表示形態及び/又は音声出力形態が変更されるユーザインターフェース部として機能する。
【0023】
ユーザインターフェース変更部22は、システム制御部11の制御に従って、ユーザインターフェース表示部21及び音声発生部23による表示形態及び/又は音声出力形態を変更する。
【0024】
操作入力部24は、利用者Pの操作を入力する。操作入力部24は、例えば、ユーザインターフェース表示部21の表示画面に内蔵されたタッチパネル機構や押ボタン等を含む。操作入力部24は、利用者Pがユーザインターフェース表示部21に表示されたメニュー画面における情報を見たい場合や、メニュー画面に提示された制御を行いたい場合などに、利用者Pにより操作される。
【0025】
センサ設置場所記憶部13は、住宅1に設置された各種のセンサの空間の属性情報を含むセンサテーブルを記憶している。センサ設置場所記憶部13には、例えば、図3に示すようなセンサテーブルを記憶している。このセンサテーブルには、センサ名と、設置場所と、センサ種別と、情報表示装置10までの距離とが対応付けられて記憶されている。このセンサテーブルは、住宅1の建築時などに、情報表示装置10の設置作業者により作成されて、記憶される。
【0026】
センサ情報取得部15は、住宅1に設置されたセンサ(1)〜(7)と接続されている。センサ情報取得部15は、人感センサが人の存在、動作を検知した時に、当該人感センサからセンサ信号が供給される。また、センサ情報取得部15は、衝撃センサが衝撃を検知した時に、当該衝撃センサからセンサ信号が供給される。ここで、衝撃センサ(7)は、南窓の衝撃を検知したときにセンサ信号を出力するものである。しかし、南窓の衝撃が人の行動に起因して発生するため、衝撃センサ(7)は、人の動作を検知するセンサとしても機能することとなる。
【0027】
時刻管理部14は、現在時刻を計時している。時刻管理部14は、センサ情報取得部15の要求に応じて、現在時刻がセンサ情報取得部15に取得される。
【0028】
センサ情報記憶部16は、センサ情報取得部15によりセンサ信号が取得されたことに応じて、センサ名及び検出時刻を記憶する。センサ情報取得部15は、センサ信号を取得したときに、当該センサ信号に含まれる識別子に基づいて、当該センサ信号を出力したセンサ名を取得し、時刻管理部14により管理されている現在時刻を取得する。これにより、センサ情報記憶部16は、センサ情報取得部15から供給されたセンサ名及び検出時刻を時間軸に沿って蓄積できる。
【0029】
このような情報表示装置10は、例えば、図4に示す外観構成となっている。情報提示システムは、例えば、筐体31に、スピーカ32、表示ディスプレイ33、マイク34、押ボタン35が設けられている。
【0030】
標準ユーザインターフェースが選択された場合、情報表示装置10の表示ディスプレイ33には、ユーザインターフェースとして、例えば図4に示すようなメニュー画面を表示させる。このメニュー画面には、例えば、戸締りボタン41a、来訪者ボタン41b、電力消費ボタン41c、伝言メモボタン41d、天気予報ボタン41e、その他ボタン41fを含む。これらのボタンは、表示ディスプレイ33に内蔵されたタッチパネル機構により、利用者Pの押圧操作が検出可能となっている。
【0031】
戸締りボタン41aが押されると、情報表示装置10は、例えば住宅1内の窓の施錠状態を表示する。来訪者ボタン41bが押されると、情報表示装置10は、来訪者の履歴情報を表示する。電力消費ボタン41cが押されると、情報表示装置10は、電力消費の履歴情報を表示する。伝言メモボタン41dが押されると、情報表示装置10は、電話やインターホン等を介して記録された伝言メモに関する情報を表示する。天気予報ボタン41eが押されると、情報表示装置10は、これからの天気に関する情報を表示する。これらのボタンが押されたことに応じて表示する情報は、予め住宅1のセンサや錠装置、インターホン装置、電気機器、Webブラウザと通信を行うことによって、情報表示装置10が取得しておく。
【0032】
高齢者用ユーザインターフェースが選択された場合、情報表示装置10の表示ディスプレイ33には、ユーザインターフェースとして、例えば図5に示すようなメニュー画面を表示させる。このメニュー画面には、例えば、家族連絡(1)ボタン42a、病院連絡(1)ボタン41b、呼出ボタン42cを含む。また、この高齢者用ユーザインターフェースは、図4、図6に示すユーザインターフェースと比較して、文字サイズが大きくなっている。これらのボタンは、表示ディスプレイ33に内蔵されたタッチパネル機構により、利用者Pの押圧操作が検出可能となっている。
【0033】
家族連絡(1)ボタン42aが押されると、情報表示装置10は、例えば、予め番号(1)として登録されている家族の携帯電話に発信する動作を行い、マイク34及びスピーカ32を介して通話可能な状態にする。病院連絡(1)ボタン42bが押されると、情報表示装置10は、例えば、予め番号(1)として登録されている病院に発信する動作を行い、マイク34を介して通話可能な状態にする。呼び出しボタン42cが押されると、情報表示装置10は、スピーカ32から放音することによって、住宅1内の家族を呼び出す動作を行う。
【0034】
セキュリティ関連ユーザインターフェースが選択された場合、情報表示装置10の表示ディスプレイ33には、ユーザインターフェースとして、例えば図6に示すようなメニュー画面を表示させる。このメニュー画面には、例えば、火災通報ボタン43a、ブレーカOFFボタン43b、スプリンクラボタン43c、侵入通報ボタン43d、煙排出ボタン43e、及び、その他ボタン43fを含む。これらのボタンは、表示ディスプレイ33に内蔵されたタッチパネル機構により、利用者Pの押圧操作が検出可能となっている。
【0035】
火災通報ボタン43aが押されると、情報表示装置10は、予め登録されている火災通報の通報先に発信する動作を行う。ブレーカOFFボタン43bが押されると、情報表示装置10は、住宅1内のブレーカをオフにする制御を行う。スプリンクラボタン43cが押されると、情報表示装置10は、住宅1内のスプリンクラを稼働にする制御を行う。侵入通報ボタン43dが押されると、情報表示装置10は、予め侵入通報先として登録されている番号に発信する動作を行う。煙排出ボタン43eが押されると、情報表示装置10は、住宅1内の煙排出口を開状態にする制御を行う。その他ボタン43fが押された場合、情報表示装置10は、他のメニュー項目を含むメニュー画面を表示させる。
【0036】
このような情報提示システムにおいて、システム制御部11は、図7に示すような処理手順に従って動作する。
【0037】
先ずステップS101において、システム制御部11は、センサ情報記憶部16から最新の記憶情報を取得する。センサ情報記憶部16には、例えば図8等に示すように、上段から下段に向けて新しい情報が蓄積されている。
【0038】
次のステップS102において、システム制御部11は、ステップS101にて取得した最新の記憶情報が、人感センサ(1)による検知か否かを判定する。人感センサ(1)による検知である場合には、ステップS103に処理を進め、そうでない場合には、ステップS111に処理を進める。
【0039】
ステップS103において、システム制御部11は、センサ情報記憶部16から、2番目に新しい人感センサにより得た情報を取得する。
【0040】
次のステップS104において、システム制御部11は、ステップS101にて取得した最新のセンサ名及び検出時刻と、ステップS103にて取得した2番目に新しいセンサ名及び検出時刻とを比較して、双方の時間間隔及びセンサ間の距離を求める。そして、システム制御部11は、当該双方の時間間隔及びセンサ間の距離から、利用者Pの移動速度を算出する。
【0041】
次のステップS105において、システム制御部11は、ステップS104にて算出した利用者Pの移動速度が、2.5Km/h以下か否かを判定する。利用者Pの移動速度が2.5Km/h以下である場合には、ステップS106に処理を進め、そうでない場合には、ステップS107に処理を進める。なお、2.5Kmという値は、あくまでも一例であり、後述するように、高齢者か否かを判定できる値であれば良い。
【0042】
ステップS107において、システム制御部11は、ステップS104にて算出した利用者Pの移動速度が、5Km/h以上か否かを判定する。利用者Pの移動速度が5Km/h以上である場合には、ステップS108に処理を進め、そうでない場合には、ステップS109に処理を進める。なお、5Kmという値は、あくまでも一例であり、後述するように、緊急事態か通常状態かを判定できる値であれば良い。
【0043】
ステップS106において、システム制御部11は、利用者Pが高齢者と判断し、高齢者用ユーザインターフェースを選択する。
【0044】
例えば、図8に示すように、センサ情報記憶部16に対してセンサ名及び検出時刻が記録した場合、人感センサ(2)から人感センサ(1)に移動したのに要した時間は3秒となる。また、センサ設置場所記憶部13から人感センサ(2)と人感センサ(1)との距離は、2メートルである。これにより、システム制御部11は、利用者Pの移動速度が2.4Km/hと判断できる。これにより、ステップS105の判定は、肯定判定となり、システム制御部11は、高齢者用ユーザインターフェースを選択できる。ユーザインターフェース変更部22は、図9に示すように、表示ディスプレイ33に表示するユーザインターフェースを、高齢者用ユーザインターフェースに切り替えるようユーザインターフェース表示部21を制御する。
【0045】
ステップS108においては、システム制御部11は、異常事態が発生したと判断し、セキュリティ関連ユーザインターフェースを選択する。
【0046】
例えば、図10に示すように、センサ情報記憶部16に対してセンサ名及び検出時刻が記録した場合、人感センサ(2)から人感センサ(1)に移動したのに要した時間は1秒となる。また、センサ設置場所記憶部13から人感センサ(2)と人感センサ(1)との距離は、2メートルである。これにより、システム制御部11は、利用者Pの移動速度が7Km/hと判断できる。この場合、ステップS107の判定は、肯定判定となり、システム制御部11は、セキュリティ関連ユーザインターフェースを選択できる。ユーザインターフェース変更部22は、図11に示すように、表示ディスプレイ33に表示するユーザインターフェースを、セキュリティ関連ユーザインターフェースに切り替えるようユーザインターフェース表示部21を制御する。
【0047】
ステップS109において、システム制御部11は、標準ユーザインターフェースを選択する。このように、システム制御部11は、利用者Pの移動速度が通常の範囲内であるときには、利用者Pが標準的な状態と判断できる。
【0048】
次のステップS110において、システム制御部11は、ステップS106、ステップS108又はステップS109の何れかにより選択されたユーザインターフェースを表示させる。
【0049】
一方、ステップS102にて否定判定された後のステップS111において、システム制御部11は、衝撃センサ(4)による検知か否かを判定する。衝撃センサ(4)による検知である場合には、ステップS112に処理を進め、そうでない場合には、処理を終了する。例えば、図12に示すように、衝撃センサ(4)からのセンサ信号をセンサ情報取得部15が入力したときに、ステップS111の判定が肯定判定となる。
【0050】
ステップS112において、システム制御部11は、センサ情報記憶部16から、最後に取得された人感センサの記憶情報を取得する。図12の場合、システム制御部11は、人感センサ(7)のセンサ名を最後の記録情報として取得できる。
【0051】
次のステップS113において、システム制御部11は、ステップS112にて取得された人感センサと情報表示装置10との距離を、センサ設置場所記憶部13から取得する。図12の場合、システム制御部11は、人感センサ(7)と情報表示装置10との距離が4メートルとして取得できる。
【0052】
次のステップS114において、システム制御部11は、ステップS113により取得した人感センサと情報表示装置10との距離が4メートル以上か否かを判定する。距離が4メートル以上である場合には、ステップS115に処理を進め、そうでない場合には、ステップS116に処理を進める。なお、4メートルという値は、あくまでも一例であり、後述するように、音量を大きくして利用者Pに通知することが必要か否かを判定できる値であれば良い。
【0053】
ステップS116において、システム制御部11は、ステップS113により取得した人感センサと情報表示装置10との距離が2メートル以上か否かを判定する。距離が2メートル以上である場合には、ステップS117に処理を進め、そうでない場合には、ステップS118に処理を進める。なお、2メートルという値は、あくまでも一例であり、後述するように、音量を中又は小にして利用者Pに通知することが必要か否かを判定できる値であれば良い。
【0054】
ステップS115において、システム制御部11は、情報表示装置10から放音する音量を「大」に設定する。
【0055】
ステップS117において、システム制御部11は、情報表示装置10から放音する音量を「中」に設定する。
【0056】
ステップS118において、システム制御部11は、情報表示装置10から放音する音量を「小」に設定する。
【0057】
ステップS119において、システム制御部11は、ステップS115、ステップS117又はステップS118の何れかにより選択された音量により、警告音を発生させる。この警告音は、例えば「窓に異常が発生しました」などがある。図12の場合、システム制御部11は、音声発生部23から音量を「大」として報知できる。
【0058】
これにより、情報提示システムは、侵入者等により南窓が割られて、衝撃センサ(4)が作動したことを情報表示装置10が検出したときに、情報表示装置10から利用者Pの距離に応じた音量で警告音を発生させることができる。
【0059】
以上説明したように、第1実施形態として示した情報提示システムによれば、複数のセンサにより検出された複数のセンサ信号を取得し、当該複数のセンサ信号の組み合わせに基づいて、インターフェース部による表示形態及び/又は音声出力形態を変更する。これにより、情報提示システムによれば、利用者Pが情報を入手するために情報表示装置10の操作入力部24に対して入力操作を行うときに、利用者Pの行動に基づいてユーザインターフェースを変化させることができる。したがって、この情報提示システムによれば、複数の人感センサにより検出されたセンサ信号の組み合わせを解析するという簡単で安価なシステム構成であっても、効果的に利用者Pの状況に応じた情報を提示することができる。
【0060】
また、この情報提示システムによれば、各センサ信号を取得した時刻情報を取得し、各センサ信号の時刻情報の組み合わせに基づいて、ユーザインターフェース部(ユーザインターフェース表示部21、音声発生部23)による表示形態及び/又は音声出力形態を変更することができる。すなわち、情報提示システムは、センサ信号を取得した時刻情報の組み合わせに応じて、利用者Pが急いでいるか否かを判定し、利用者Pの状況や年齢を推定することができ、利用者Pに応じたユーザインターフェースを提供できる。
【0061】
更に、この情報提示システムによれば、センサ信号を出力したセンサの空間の属性情報に基づいて、音量を変化させるので、例えば、眼の不自由な人向けのユーザインターフェースである場合、利用者の位置に応じた音量調整を行うことができる。また、外部からの侵入者を住人に通知する場合であっても、当該侵入者の位置と住人との距離に応じて音量を調整できる。
【0062】
[第2実施形態]
つぎに、第2実施形態に係る情報提示システムについて説明する。なお、上述の第1実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
【0063】
第2実施形態として示す情報提示システムにおける情報表示装置10は、例えば図13に示すような機能的な構成を有する。この情報表示装置10は、第1実施形態における情報表示装置10に対して、センサシーケンスメニュー候補記憶部51を備えている。
【0064】
この情報提示システムは、図1に示したシステム構成において、センサ設置場所記憶部13に、図14に示すセンサテーブルを記憶している。このセンサテーブルには、センサ名と、設置場所と、センサ種別とが対応付けられて記憶されている。このセンサテーブルは、住宅1の建築時などに、情報表示装置10の設置作業者により作成されて、記憶される。
【0065】
センサシーケンスメニュー候補記憶部51は、情報表示装置10のユーザインターフェースを変更する条件が記録されている。センサシーケンスメニュー候補記憶部51には、例えば図15に示すように、条件番号と、条件シーケンスと、移動元と、優先表示メニューとが対応付けられて記憶されている。条件シーケンスは、複数のセンサのうち、人の存在を検出するセンサ名の順序である。移動元は、移動した利用者Pが、情報表示装置10に移動した行動における行動開始位置である。これらのセンサ名の順序及び移動元は、各センサ信号を出力したセンサの空間の属性情報の組み合わせを示している。優先表示メニューは、移動元から条件シーケンスに従って利用者Pが移動したときに、情報表示装置10の表示ディスプレイ33に優先的に表示させるメニュー画面である。
【0066】
図15に示す例では、条件番号「1」、「2」に対応したセンサシーケンスを示している。条件番号「1」によれば、利用者Pが移動元の「AVルーム」から行動を開始し、人感センサ(6)、人感センサ(5)、人感センサ(2)、人感センサ(1)の順番でセンサ信号を検出した場合に、AVコンテンツ情報を優先して表示させる。すなわち、空間の属性情報の組み合わせが、AVルームから情報表示装置10への移動を表している場合には、ユーザインターフェースは、AVコンテンツ情報を含むものとされる。条件番号「2」によれば、利用者Pが移動元の「台所」から行動を開始し、人感センサ(3)、人感センサ(2)、人感センサ(1)の順番でセンサ信号を検出した場合に、料理レシピ、クッキング情報を優先して表示させる。すなわち、空間の属性情報の組み合わせが、台所から情報表示装置10への移動を表している場合には、ユーザインターフェースは、料理やレシピを含むものとされる。
【0067】
システム制御部11は、センサ設置場所記憶部13に記憶されたセンサテーブルとセンサ情報取得部15により取得された各センサとから、時間軸上で検出された複数のセンサ信号の組み合わせが、どのシーケンスに該当するかを判定する。そして、システム制御部11は、複数のセンサ信号の組み合わせが、センサシーケンスメニュー候補記憶部51に記憶されたシーケンスに該当する場合に、ユーザインターフェースを変更するようユーザインターフェース変更部22を制御する。
【0068】
例えば、図16に示すように、AVルームから情報表示装置10に向けて利用者Pが移動した場合、センサ情報取得部15には、人感センサ(6)、人感センサ(5)、人感センサ(2)、人感センサ(1)の順でセンサ信号が供給される。これにより、センサ情報記憶部16には、図17に示すように、時間軸に沿って、センサ名が記憶される。そして、システム制御部11は、センサ情報記憶部16に記憶された時間軸上の複数のセンサ名の組み合わせと、センサシーケンスメニュー候補記憶部51に記憶された移動元及び条件シーケンスとを比較する。これにより、システム制御部11は、条件番号「1」に該当することを判定でき、情報表示装置10の表示ディスプレイ33にAVコンテンツ情報を優先的に表示させることができる。
【0069】
このような情報提示システムにおけるシステム制御部11は、例えば図18に示すような処理を行う。ここで、図16に示したように利用者Pが点線P’に沿って行動して、図17に示す情報がセンサ情報記憶部16に記憶されたときについて説明する。
【0070】
先ずステップS201において、システム制御部11は、センサ情報記憶部16から最新の記憶情報を取得する。
【0071】
次のステップS202において、システム制御部11は、ステップS201にて取得した最新の記憶情報が、人感センサ(1)による検知か否かを判定する。人感センサ(1)による検知である場合には、ステップS103に処理を進め、そうでない場合には、処理を終了する。情報表示装置10は、人感センサ(1)による検知であることを検出するまで、ステップS201、202の処理を繰り返して、図17に示す情報をセンサ情報記憶部16により取得することができる。
【0072】
ステップS203において、システム制御部11は、センサシーケンスメニュー候補記憶部51から、条件シーケンスを取得する。
【0073】
次のステップS204において、システム制御部11は、センサ情報記憶部16に記憶されたセンサ名の記憶順序と、ステップS203にて取得した条件シーケンスとを比較する。システム制御部11は、センサ情報記憶部16に記憶されたセンサ名の記憶順序の一部一致する条件シーケンスが存在するか否かを判定し、存在する場合には、ステップS205に処理を進め、存在しない場合には、ステップS206に処理を進める。
【0074】
図16の点線P’に示すように利用者Pが移動したとき、図17には、人感センサ(5)、人感センサ(6)、人感センサ(5)、人感センサ(2)、人感センサ(1)の順番でセンサ名が記録される。これに対し、条件シーケンスとしては、条件番号「1」として人感センサ(6)、人感センサ(5)、人感センサ(2)、人感センサ(1)の順番が登録されている。したがって、この条件番号「1」の条件シーケンスが、センサ情報記憶部16に記憶したセンサ名の記憶順序と一部一致することとなる。
【0075】
ステップS205において、システム制御部11は、入力装置12のユーザインターフェース表示部21により表示するメニュー画面の候補を、センサシーケンスメニュー候補記憶部51から取得する。ここで、システム制御部11は、条件番号「1」の条件シーケンスが、センサ情報記憶部16に記憶したセンサ名の記憶順序と一部一致しているので、AVコンテンツ情報を優先的に表示すると判断する。
【0076】
ステップS206において、システム制御部11は、センサ情報記憶部16に記憶したセンサ名の記憶順序が、条件シーケンスと一致していないので、標準用ユーザインターフェースを表示させると判断する。
【0077】
次のステップS207において、システム制御部11は、ステップS205又はステップS206により選択されたユーザインターフェースを表示させる。ここで、システム制御部11は、ステップS205においてAVコンテンツ情報を優先的に表示させると判断した場合、予め表示可能なメニュー項目のうち、AVコンテンツ情報に関するメニュー項目を含むメニュー画面を表示させる。このメニュー画面には、図19に示すように、Hitチャートボタン44a、音楽視聴ボタン44b、新作レビューボタン44c、レンタルDVDボタン44d、お勧めボタン44e、その他ボタン44fが含まれる。
【0078】
以上詳細に説明したように、本発明の第2実施形態として示した情報提示システムによれば、各センサ信号を出力したセンサの空間の属性情報の組み合わせに基づいて、ユーザインターフェース部(ユーザインターフェース表示部21、音声発生部23)による表示形態及び/又は音声出力形態を変更することができる。
【0079】
具体的には、利用者PがAV関連の買い物のために外出する際には、AVルームから移動を開始して玄関に至ることが多い。このことを利用し、情報提示システムは、AVルームから情報表示装置10に移動する条件シーケンスを検出した場合には、利用者Pの望むと推定されるAVコンテンツ情報をユーザインターフェースに含めることができる。また、利用者Pが食料の買い物のために外出する際には、台所の冷蔵庫の内容を確認してから移動を開始して玄関に至ることが多い。このことを利用し、情報提示システムは、台所から情報表示装置10に移動する条件シーケンスを検出した場合には、利用者Pの望むと推定される料理やレシピを含む情報をユーザインターフェースに含めることができる。
【0080】
[第3実施形態]
つぎに、第3実施形態に係る情報提示システムについて説明する。なお、上述の実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
【0081】
第3実施形態として示す情報提示システムは、図20に示すように、住宅1内の電気錠センサ61、インターフォンボタン62と接続されている。また、情報表示装置10には、押ボタン35の操作をシステム制御部11により検出して、ユーザインターフェースを変更する。このような情報提示システムは、上述した複数のセンサの一部として、複数のセンサのうち少なくとも2つのセンサが、図21に示すように、情報表示装置10に含まれるボタンと住宅1外の利用者により操作されるインターホン装置80のボタン(インターフォンボタン62)である。
【0082】
なお、第3実施形態に係る情報提示システムは、上述した第1実施形態、第2実施形態にて示した構成を省略しているが、第1実施形態、第2実施形態にて示した構成を更に備えていても良いことは勿論である。
【0083】
このインターホン装置80は、図22に示すように、筐体81に、カメラ82、スピーカ83、押ボタン84、マイク85が設けられている。このインターホン装置80は、来訪者P2が押ボタン84を押すと、カメラ82により来訪者P2を撮像すると共に、マイク85及びスピーカ83を起動する。これにより、インターホン装置80は、来訪者P2の撮像画像及び音声を情報表示装置10に供給できる。また、インターホン装置80は、情報表示装置10の音声発生部23から供給された音声信号に従って、スピーカ83から音声を出力させる。
【0084】
電気錠センサ61は、玄関の施解錠状態を検知する。電気錠センサ61は、電気錠が、施錠状態と解錠状態との間で切り替えられたときに、センサ信号を情報表示装置10に供給する。
【0085】
インターフォンボタン62は、住宅1外のインターフォン装置に備えられ、住宅1への訪問者により操作される。インターフォンボタン62は、訪問者により操作されたことに応じて、センサ信号を情報表示装置10に供給する。
【0086】
情報表示装置10は、電気錠センサ61及びインターフォンボタン62と接続された発生事象取得部71、検出情報記憶部72を備える。
【0087】
発生事象取得部71は、電気錠センサ61及びインターフォンボタン62からセンサ信号が供給される。発生事象取得部71は、電気錠センサ61により電気錠の解錠を検知した時又はインターフォンボタン62が操作された時に、センサ信号を検出情報記憶部72に記録する。なお、検出情報記憶部72に記憶した情報は、所定時間後に順次消去するものとする。
【0088】
システム制御部11は、検出情報記憶部72に記憶された電気錠センサ61、インターフォンボタン62が操作された順序に基づいて、どのようなイベントが発生したかを判断する。そして、システム制御部11は、発生したイベントに応じて、ユーザインターフェース変更部22によりユーザインターフェース表示部21のユーザインターフェースを変更する。
【0089】
このような情報提示システムにおいて、情報表示装置10は、標準ユーザインターフェースとして図23に示すようなボタン41a〜41fを含むメニュー画面を表示させている。このような標準ユーザインターフェースを表示させている場面において、各ボタンが操作されたことに応じて、情報表示装置10は、各種情報の表示を行う。
【0090】
来訪者P2の来訪があり、インターホン装置80の押ボタン84が操作された場合、情報表示装置10は、図24に示すように、来訪者対応ユーザインターフェースに変更する。この来訪者対応ユーザインターフェースには、表示ディスプレイ33に、カメラ映像44a、解錠ボタン44b、会話ボタン44c、居留守ボタン44dを含むメニュー画面を表示させる。
【0091】
解錠ボタン44aが押されると、情報表示装置10は、玄関の電気錠に解錠動作を行わせる。会話ボタン44cが押された状態において、情報表示装置10は、スピーカ32により来訪者P2の音声を出力すると共にマイク34から利用者P1の音声を出力可能とする。居留守ボタン44dを押すと、情報表示装置10は、「お名前と用件をお話下さい」といった用件録音を案内するメッセージをインターホン装置80のスピーカ83から出力させる。
【0092】
また、情報表示装置10は、住宅1の住人が帰宅した場合、図25に示すように、帰宅対応ユーザインターフェースに変更する。この帰宅対応ユーザインターフェースは、表示ディスプレイ33に、室温・湿度表示45a、エアコンOnボタン45b、伝言確認ボタン45c、セキュリティボタン45d、喚起Onボタン45e、来訪者確認ボタン45f、その他ボタン45gを含むメニュー画面を表示させる。
【0093】
エアコンOnボタン45bが押されると、情報表示装置10は、住宅1内のエアコンに対して起動する制御信号を供給する。伝言確認ボタン45cが押されると、情報表示装置10は、表示ディスプレイ33又はスピーカ32から伝言を再生等する。セキュリティボタン45dが押されると、情報表示装置10は、外出時に検出したセンサ出力等を確認するよう表示ディスプレイ33に表示を行う。喚起Onボタン45eが押されると、情報表示装置10は、住宅1内の喚起ファン等を起動させる。来訪者確認ボタン45fが押されると、情報表示装置10は、外出時においてインターホン装置80の押ボタン84が操作された履歴等を表示ディスプレイ33に表示する。その他ボタン45gが押された場合、情報表示装置10は、他のメニュー項目を含むメニュー画面を表示させる。
【0094】
このような情報提示システムにおいて、システム制御部11は、図26に示す動作を行う。
【0095】
先ずステップS301において、システム制御部11は、検出情報記憶部72から最新の記憶情報を取得する。
【0096】
次のステップS302において、システム制御部11は、ステップS301にて取得した最新の記憶情報を参照して、最新の事象が、情報表示装置10の押ボタン35が押された事象であるか否かを判定する。情報表示装置10の押ボタン35の操作である場合には、ステップS303に処理を進め、そうでない場合には、処理を終了する。
【0097】
ステップS303において、システム制御部11は、検出情報記憶部72から、2番目に新しい記憶情報を取得する。
【0098】
次のステップS304において、システム制御部11は、ステップS303にて取得した2番目の記憶情報を参照して、2番目の事象が、インターホン装置80の押ボタン84(インターフォンボタン62)が押された事象であるか否かを判定する。インターホン装置80の押ボタン84の操作である場合には、ステップS305に処理を進め、そうでない場合には、ステップS306に処理を進める。
【0099】
ステップS306において、システム制御部11は、ステップS303にて取得した2番目の記憶情報を参照して、2番目の事象が、電気錠センサ61が電気錠の解錠状態を検出した事象であるか否かを判定する。システム制御部11は、電気錠が解錠状態となった事象である場合には、ステップS307に処理を進め、そうでない場合には、ステップS308に処理を進める。
【0100】
ステップS307において、システム制御部11は、ユーザインターフェース変更部22により、ユーザインターフェース表示部21の表示を帰宅対応ユーザインターフェースに変更させる。
【0101】
すなわち、利用者P1が帰宅した場合、通常、自己の鍵により電気錠を解錠し、情報表示装置10を操作する。これにより、検出情報記憶部72には、図27に示すような検出情報を記憶する。従って、ステップS304の判定は、否定判定となる。したがって、この場合には、ステップS307において、図28に示すように、表示ディスプレイ33に帰宅対応ユーザインターフェースのメニュー画面を表示させることができる。
【0102】
ステップS305において、システム制御部11は、ユーザインターフェース変更部22により、ユーザインターフェース表示部21の表示を来訪者対応ユーザインターフェースに変更させる。
【0103】
すなわち、来訪者P2があった場合、通常、インターホン装置80の押ボタン84(インターフォンボタン62)が操作され、その後に情報表示装置10の押ボタン35が操作される。これにより、検出情報記憶部72には、図29に示すような検出情報を記憶する。従って、ステップS302、304の判定は、肯定判定となる。したがって、この場合には、ステップS309において、図30に示すように、表示ディスプレイ33に来訪者対応ユーザインターフェースのメニュー画面を表示させることができる。
【0104】
更に、情報表示装置10が押されたときに、2番目の事象がインターホン装置80の押ボタン84の操作及び電気錠センサ61による解錠の双方では無い場合には、ステップS308において、システム制御部11は、通常の使用状態と判断する。これにより、ステップS309において、システム制御部11は、標準ユーザインターフェースを表示ディスプレイ33に表示させることができる。
【0105】
以上説明したように、第3実施形態として示した情報提示システムによれば、情報表示装置10の押ボタン35とインターホン装置80の押ボタン84(インターフォンボタン62)をセンサとして用いる。これにより、情報提示システムは、当該ボタンが操作された組み合わせに応じてユーザインターフェースを変更することができ、利用者P1がメニュー操作をすることなく、適切なメニュー画面を表示して、利用者Pが望む情報を提示することができる。
【0106】
なお、上述の第1乃至第3の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0107】
1 住宅
10 情報表示装置
11 システム制御部
12 ユーザインターフェース部
13 センサ設置場所記憶部
14 時刻管理部
15 センサ情報取得部
16 センサ情報記憶部
21 ユーザインターフェース表示部
22 ユーザインターフェース変更部
23 音声発生部
24 操作入力部
31 筐体
32 スピーカ
33 表示ディスプレイ
34 マイク
35 押ボタン
51 センサシーケンスメニュー候補記憶部
61 電気錠センサ
62 インターフォンボタン
71 発生事象取得部
72 検出情報記憶部
80 インターホン装置
81 筐体
82 カメラ
83 スピーカ
84 押ボタン
85 マイク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の存在又は動作を検出する複数のセンサと、
表示又は音声出力を行うユーザインターフェース部を含み、利用者により操作される入力手段と、
前記複数のセンサにより検出された複数のセンサ信号を取得するセンサ情報取得手段と、
前記入力手段は、前記センサ情報取得手段により取得された複数のセンサ信号の組み合わせに基づいて、前記インターフェース部による表示形態及び/又は音声出力形態を変更するユーザインターフェース変更手段を備えることを特徴とする情報提示システム。
【請求項2】
前記センサ情報取得手段は、各センサ信号を取得した時刻情報を取得し、
前記ユーザインターフェース変更手段は、前記各センサ信号の時刻情報の組み合わせに基づいて、前記ユーザインターフェース部による表示形態及び/又は音声出力形態を変更することを特徴とする請求項1に記載の情報提示システム。
【請求項3】
前記各センサが設置された空間の属性情報を記憶したセンサテーブルを有し、
前記センサ情報取得手段は、各センサ信号を出力したセンサの空間の属性情報を取得し、
前記ユーザインターフェース変更手段は、前記各センサ信号を出力したセンサの空間の属性情報の組み合わせに基づいて、前記ユーザインターフェース部による表示形態及び/又は音声出力形態を変更することを特徴とする請求項1に記載の情報提示システム。
【請求項4】
前記各センサが設置された空間の属性情報を記憶したセンサテーブルを有し、
前記ユーザインターフェース変更手段は、前記センサ信号を出力したセンサの空間の属性情報に基づいて、音量を変化させることを特徴とする請求項1に記載の情報提示システム。
【請求項5】
前記複数のセンサのうち、少なくとも2つのセンサは、前記入力手段に含まれるボタンと住宅外の利用者により操作されるインターホン装置のボタンであることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の情報提示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2011−204061(P2011−204061A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−71445(P2010−71445)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】