説明

情報提示装置、情報提示方法、コンピュータプログラム、農業教示システム、農業教示方法

【課題】圃場に供給すべき農薬や肥料等の適正な使用方法等の有用な情報を、使用者に対してよりタイムリーに提示することが可能で、また、個々の農家が他の優れた農家のノウハウ等を簡単に習得することが可能な情報提示装置、情報提示方法、コンピュータプログラム、農業教示システム、及び農業教示方法を提供する。
【解決手段】本発明は、所定の品目を栽培するための圃場に供給すべき農薬及び肥料の少なくとも何れか一方の供給物質の使用前に、使用者に対して当該供給物質の使用制限に関する使用制限情報を提示し且つ当該供給物質の少なくとも使用量を示す使用量情報を記憶する情報提示装置であって、使用回数記憶手段と、表示手段と、提示手段と、入力要求手段と、使用情報記憶手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
農作物等の品目を栽培するための圃場に供給すべき農薬及び肥料の少なくとも何れか一方の供給物質の適正な使用方法等の有用な情報を、使用者に提示することが可能な情報提示装置及び農業教示システム等の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、就職難という問題や日本国の食物自給率が低いという問題等を受けて、若年層の間でも農業に対する関心が非常に高まっており、Uターン就農を望む者や農業への新規参入を望む者が増加してきている。しかしながら、素人が農業に従事していくことは簡単なことでなく、Uターン就農を望む者や農業への新規参入を望む者は、様々な農業技術、ノウハウ等を習得する必要がある。また、農薬取締法の改正や、栽培履歴の記帳運動を含め農業環境が大きく変わろうとしている。
【0003】
一方で、従来から、農業に従事する者を支援することが可能なコンピュータシステムが種々提案されている。一例として、特許文献1には、各農作物生産者の各農地において生産される農作物の種類、品種、作付け面積、過去の収穫実績及び各農地における輪作形態等の生産情報を記録した生産情報データベースと、食品製造業者等の各需要者が必要とする農作物の種類、品種、使用時期及び使用量等を記録した需要情報データベースを備え、最低生産量算出手段により前記生産情報に基づいてそれぞれの時期の各農地における各農作物の最低生産量の予測値を算出し、該予測値に基づいて、供給配分決定手段により需要者への農作物の供給配分を農作物の種類、品種、供給可能時期毎に決定する農業支援システムが開示されている。
【特許文献1】特開2005−151851号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来、個々の農家に対して、例えば圃場に供給すべき農薬や肥料等の適正な使用方法等の有用な情報を、使用者に対してよりタイムリーに提示することが可能な装置及びシステム等は知られておらず、また、個々の農家が他の優れた農家のノウハウ等を簡単に習得することが可能な装置及びシステム等は知られていなかった。
【0005】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、圃場に供給すべき農薬や肥料等の適正な使用方法等の有用な情報を、使用者に対してよりタイムリーに提示することが可能で、また、個々の農家が他の優れた農家のノウハウ等を簡単に習得することが可能な情報提示装置、情報提示方法、コンピュータプログラム、農業教示システム、及び農業教示方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、所定の品目を栽培するための圃場に供給すべき農薬及び肥料の少なくとも何れか一方の供給物質の使用前に、使用者に対して当該供給物質の使用制限に関する使用制限情報を提示し且つ当該供給物質の少なくとも使用量を示す使用量情報を記憶する情報提示装置であって、複数の前記供給物質のそれぞれについての使用制限回数及び使用実績回数を記憶する使用回数記憶手段と、使用者により入力手段を介して選択された圃場に対して使用可能な一又は複数の前記供給物質を示す供給物質情報を表示させる表示手段と、前記表示された供給物質のうちから選択された一の前記供給物質についての使用制限回数に基づく使用制限情報を提示する提示手段と、前記選択された一の前記供給物質についての使用実績回数が使用制限回数に達していない場合には、当該供給物質の少なくとも使用量の入力を使用者に対して促す入力要求手段と、前記促しに応じて前記使用者により入力手段を介して入力された使用量を示す使用量情報を、前記圃場を示す圃場情報に対応付けて記憶し且つ当該供給物質についての使用実績回数に1加算して記憶する使用情報記憶手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報提示装置において、前記表示手段は、前記圃場に対して予め設定された一又は複数の害敵を示す情報を表示すると共に、前記表示された害敵のうちから選択された一の前記害敵に対して有効な一又は複数の前記供給物質を示す情報を表示させることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の情報提示装置において、前記使用回数記憶手段は、さらに、各前記供給物質の含有成分のそれぞれについての使用制限回数及び使用実績回数を記憶し、前記入力要求手段は、前記選択された一の前記供給物質の含有成分についての使用実績回数が使用制限回数に達していない場合には、当該供給物質の少なくとも使用量の入力を促すことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の情報提示装置において、前記含有成分のそれぞれについての使用制限回数及び使用実績回数は、複数の前記供給物質間で共通することを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の情報提示装置において、前記表示手段は、前記選択された圃場に対して予め設定された面積に応じた前記供給物質の推奨使用量の範囲を表示させ、前記促しに応じて前記使用者により入力手段を介して入力された使用量が前記推奨使用量の範囲内にあるか否かを判別する判別手段を更に備え、前記入力された使用量が前記推奨使用量の範囲内にない場合、前記使用情報記憶手段は、当該使用量を示す使用量情報を記憶せず、前記表示手段は、エラー表示を行うことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れか一項に記載の情報提示装置において、前記表示手段は、使用者からの入力手段を介した指示に応じて、前記記憶された前記使用量情報を前記圃場毎に表示させることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の何れか一項に記載の情報提示装置において、前記提示手段は、前記供給物質の使用時期に基づく使用制限情報を提示することを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7の何れか一項に記載の情報提示装置において、前記圃場に対して使用可能な一又は複数の前記供給物質を示す供給物質情報、前記圃場の栽培計画情報を含む圃場に関する情報、及び前記使用者に関する情報が、事前に登録されていることを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、所定の品目を栽培するための圃場に供給すべき農薬及び肥料の少なくとも何れか一方の供給物質の使用前に、使用者に対して当該供給物質の使用制限に関する使用制限情報を提示し且つ当該供給物質の少なくとも使用量を示す使用量情報を記憶する情報提示方法であって、複数の前記供給物質のそれぞれについての使用制限回数及び使用実績回数を記憶する工程と、使用者により入力手段を介して選択された圃場に対して使用可能な一又は複数の前記供給物質を示す供給物質情報を表示させる工程と、前記表示された供給物質のうちから選択された一の前記供給物質についての使用制限回数に基づく使用制限情報を提示する工程と、前記選択された一の前記供給物質についての使用実績回数が使用制限回数に達していない場合には、当該供給物質の少なくとも使用量の入力を使用者に対して促す工程と、前記促しに応じて前記使用者により入力手段を介して入力された使用量を示す使用量情報を、前記圃場を示す圃場情報に対応付けて記憶し且つ当該供給物質についての使用実績回数に1加算して記憶する工程と、を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載のコンピュータプログラムの発明は、コンピュータを、請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報提示装置として機能させることを特徴とする。
【0016】
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報提示装置において記憶されている前記使用者に関する情報、前記供給物質に関する情報、前記圃場に関する情報、当該圃場における作業についての記帳情報、及び当該圃場の土壌情報を取得し当該情報に基づいて所定の処理を行う情報処理装置を備える農業教示システムであって、前記情報処理装置は、前記使用者に関する情報、前記供給物質に関する情報、前記圃場に関する情報、前記記帳情報、及び前記土壌情報のうちの少なくとも何れか1つの情報を複数の前記情報提示装置から取得する情報取得手段と、前記複数の前記情報提示装置から取得した情報を表示させる制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の農業教示システムにおいて、前記情報処理装置は、前記閲覧データを、ネットワークを介して接続された端末装置に送信して表示させるものであって、前記情報処理装置は、前記端末装置において指定された条件を満たす圃場を特定し、当該特定した圃場についての情報を抽出する抽出手段を更に備え、前記制御手段は、前記抽出した情報が対比可能なように一覧形式で記述された閲覧データを作成してこれを前記端末装置に送信して表示させることを特徴とする。
【0018】
請求項13に記載の発明は、請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報提示装置において記憶されている、生産者の圃場における作業についての記帳情報を取得し当該情報に基づいて所定の処理を行う情報処理装置を備える農業教示システムであって、前記情報処理装置は、前記記帳情報を複数の前記情報提示装置から取得する情報取得手段と、前記取得された記帳情報から計算対象のパラメータを抽出し、抽出したパラメータに基づいて生産者毎の評価値を算出する評価値算出手段と、前記算出された評価値に基づく情報を表示させる制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0019】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の農業教示システムにおいて、前記抽出されるパラメータは複数種類あり、前記評価値算出手段は、各前記パラメータに応じた重み付けを前記評価値の算出に用いることを特徴とする。
【0020】
請求項15に記載の発明は、請求項13又は14に記載の農業教示システムにおいて、前記抽出されるパラメータは複数種類あり、前記評価値算出手段は、各前記パラメータの大小に応じて算出される得点を積算して前記評価値を算出することを特徴とする。
【0021】
請求項16に記載の発明は、請求項13乃至15の何れか一項に記載の農業教示システムにおいて、前記制御手段は、前記算出された評価値のうち最も高い評価値に対応する生産者に関する情報を表示させることを特徴とする。
【0022】
請求項17に記載の発明は、請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報提示装置において記憶されている前記使用者に関する情報、前記供給物質に関する情報、前記圃場に関する情報、当該圃場における作業についての記帳情報、及び当該圃場の土壌情報を取得し当該情報に基づいて所定の処理を行う情報処理装置を用いた農業教示方法であって、前記情報処理装置は、前記使用者に関する情報、前記供給物質に関する情報、前記圃場に関する情報、前記記帳情報、及び前記土壌情報のうちの少なくとも何れか1つの情報を複数の前記情報提示装置から取得する工程と、前記複数の前記情報提示装置から取得した情報を表示させる工程と、を備えることを特徴とする。
【0023】
請求項18に記載の発明は、請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報提示装置において記憶されている、生産者の圃場における作業についての記帳情報を取得し当該情報に基づいて所定の処理を行う情報処理装置を用いた農業教示方法であって、前記情報処理装置は、前記記帳情報を複数の前記情報提示装置から取得する工程と、前記取得された記帳情報から計算対象のパラメータを抽出し、抽出したパラメータに基づいて生産者毎の評価値を算出する工程と、前記算出された評価値に基づく情報を表示させる工程と、を備えることを特徴とする。
【0024】
請求項19に記載のコンピュータプログラムの発明は、コンピュータを、請求項11乃至16の何れか一項に記載の農業教示システムに備えられる情報処理装置として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
請求項1から10に係る発明によれば、ある品目の栽培に当たって、例えば土作り、播種、定植、施肥、防虫、防菌、除草、収穫、又は出荷等の作業を行う作業者は、情報提示装置を使用して、当該作業に関する記録を簡単に行うことができる。そして、その記録の際、情報提示装置は、圃場に供給すべき供給物質の適正な使用方法等の有用な情報を、作業者に対してよりタイムリーに提示することができ、しかも、作業者が圃場に対して供給物資を過剰に散布することを事前に防止することができる。
【0026】
また、請求項11〜19に係る発明によれば、個々の農家が他の優れた農家のノウハウ等を簡単に習得することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態について詳細に説明する。
[1.農業教示システムの概要]
先ず、図1を参照して、農業教示システムの概要について説明する。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態に係る農業教示システムSに概要構成例を示す図である。
【0029】
図1に示すように、携帯型端末1k(k=1,2,・・・n(自然数)の何れか)、パーソナルコンピュータ(以下、PCという)2k、及び情報管理サーバ3等を備えて構成されている。なお、携帯型端末1kは、本発明における情報提示装置を構成する一例であり、情報管理サーバ3は、本発明における情報処理装置を構成する一例であり、PC2kは、本発明における端末装置を構成する一例である。
【0030】
携帯型端末1kは、専用ケーブル(例えば、USBケーブル)を介してPC2kに接続しPC2kとの間でデータの送受信を行うことが可能になっている。また、携帯型端末1k間では、無線通信(例えば、赤外線による無線通信、或いはBluetoothによる無線通信等)によりデータの送受信を行うことが可能になっている。一方、PC2kは、ブラウザを有し、インターネット等から構築されるネットワークNWを介して情報管理サーバ3に接続し、情報管理サーバ3との間でデータの送受信を行うことが可能になっている。なお、携帯型端末1k及びPC2kは、各農家の使用者(作業者)Ukにより使用される。
【0031】
そして、各農家の使用者Ukは、携帯型端末1kを用いて、所定の品目(例えば、みず菜、トマト、きゅうり等の農作物)の栽培計画を立て、栽培記録を行うことができるようになっている。
【0032】
この栽培計画では、使用者Ukは、品目の栽培のための各種作業の計画を立てその期間を記録することができる。一方、栽培記録では、使用者Ukは、上記各種作業を実際に行う年月日等を記録することができる。
【0033】
また、栽培は、育苗ステージと、圃場(品目を栽培するための場所)ステージに大別される。育苗ステージにおける作業としては、例えば、土作り、播種、施肥、防虫、防菌、除草、及び圃場への定植が挙げられる。また、圃場ステージにおける作業としては、例えば、土作り、播種、定植、施肥、防虫、防菌、除草、収穫、及び出荷が挙げられる。
【0034】
また、栽培記録には、作業前に行う事前記録(通常記録)と作業後に行う事後記録がある。
【0035】
事前記録の場合、携帯型端末1kは、例えば圃場ステージにおいて圃場に供給(散布)すべき農薬及び肥料の少なくとも何れか一方の供給物質(以下、「資材」という)の使用前(つまり、施肥、防虫、防菌、又は除草等の作業前)に、使用者Ukの操作指示にしたがって当該使用者Ukに対して当該資材の使用制限に関する使用制限情報を提示し且つその資材の使用年月日を示す使用年月日情報、及び資材の少なくとも使用量を示す使用量情報をメモリに記憶したり、または、例えば育苗ステージにおいて品目としての苗に供給すべき資材の使用前(つまり、施肥、防虫、防菌、又は除草等の作業前)に、使用者Ukの操作指示にしたがって当該使用者Ukに対して当該資材の使用制限に関する使用制限情報を提示し且つその資材の使用年月日を示す使用年月日情報、及び資材の少なくとも使用量を示す使用量情報を記憶するようになっている。
【0036】
一方、事後記録の場合、携帯型端末1kは、例えば圃場ステージ又は育苗ステージにおいて供給すべき資材の使用後(つまり、施肥、防虫、防菌、又は除草等の作業後)に、使用者Ukの操作指示にしたがって当該使用者Ukに対して当該資材の使用制限に関する使用制限情報を提示し且つその資材の使用年月日を示す使用年月日情報、及び資材の少なくとも使用量を示す使用量情報を記憶するようになっている。
【0037】
なお、資材が農薬の場合、後述するように、使用量の他にも、使用者Ukの操作指示にしたがって農薬の希釈倍率を示す希釈倍率情報等も記憶される。また、農薬といった場合、希釈化された農薬(例えば、2000倍に希釈された農薬)も含み、希釈された農薬の場合、上記使用量は希釈された農薬の使用量を示す。
【0038】
更に、品目の収穫作業後の事後記録では、携帯型端末1kは、圃場ステージにおいて収穫された品目の収穫量を示す収穫量情報、及び出荷量を示す出荷量情報等も使用者Ukの操作指示にしたがって記憶することになる。
【0039】
以上のように携帯型端末1kに記憶された各種情報は、各携帯型端末1kから各PC2k経由で情報管理サーバ3に集約、整理等されて各使用者Ukに提供されることになる。
[2. 携帯型端末1kの構成及び機能等]
次に、図2等を参照して、携帯型端末1kの構成及び機能等について説明する。
【0040】
図2は、携帯型端末1kの概要構成例を示す図である。
【0041】
図2に示すように、携帯型端末1kは、使用者からの操作指示を受け付ける各種操作ボタンを備える入力手段としての操作部101、各種情報を表示するディスプレイを備える表示部102、各種情報を音声出力するスピーカを備える音声処理部103、他の携帯型端末1kとの間で無線通信を行うための無線通信部104、PC2kに接続するためのPC接続部105、バーコードを読み取るバーコードリーダ106、オペレーティングシステム(O/S),各種プログラム及びデータ等を記憶する記憶部(例えば、ハードディスク或いはメモリカード)107(本発明における使用回数記憶手段及び使用情報記憶手段の一例)、CPU,ROM,及びRAM等から構成された制御部108、及び携帯型端末1kの各部に電源を供給する電源部(例えば、充電電池)109等を備えて構成されており、これらの構成要素は、システムバス110を介して相互に接続されている。このような構成の携帯型端末1kは、使用時には使用者により持ち運ばれる一方、非使用時には図示しない専用のクレードル(Cradle)にセットされることにより電源部109に充電されるようになっている。
【0042】
記憶部107には、農薬の基礎情報(農薬に関する情報)が格納される農薬情報ファイル、肥料の基礎情報(肥料に関する情報)が格納される肥料情報ファイル、使用者の基礎情報(使用者に関する情報)が格納される使用者情報ファイル、圃場の基礎情報及び栽培計画情報(圃場に関する情報)が格納される圃場情報ファイル、作業についての記帳情報が格納される記帳情報ファイル、及び圃場の土壌情報が格納される土壌情報ファイル等が記憶されている。
(2.1 各ファイルの内容)
図3は、農薬情報ファイル及び肥料情報ファイルに格納される情報例を示す図である。
【0043】
図3に示すように、農薬情報ファイル51及び肥料情報ファイル52は、品目を示す品目情報(例えば、品目の名称及び品目に一意に割り当てられた品目ID(例えばバーコード))に対応付け(紐付け)られており品目毎に存在する。また、農薬情報ファイル51に規定される農薬、及び肥料情報ファイル52に規定される肥料は、上記対応付けられた品目に対して効果があるとして選定されたものである。また、農薬情報ファイル51にて規定される農薬は一つとは限らず、品目によっては複数規定される場合もある(肥料情報ファイル52についても同様)。農薬情報ファイル及び肥料情報ファイルは、品目情報に対応付けずに、品目とは独立して設けるようにしても良い。
【0044】
また、図3の例では、農薬情報ファイル51には、農薬を示す農薬情報(例えば、農薬の名称及び農薬に一意に割り当てられた農薬ID(例えばバーコード))、農薬の使用量(推奨使用量)を示す推奨使用量情報、農薬の使用制限回数を示す使用制限回数情報、農薬の使用制限時期を示す使用制限時期情報、農薬の希釈倍率(推奨希釈倍率)を示す推奨希釈倍率情報、農薬の含有成分を示す含有成分情報(例えば、含有成分の名称)、農薬の適用害敵(例えば、害虫)を示す適用害敵情報(例えば、当該害敵の名称)、農薬使用に当たっての使用制限等の注意事項を記したコメントを示すコメント情報、農薬の単価を示す単価情報、及び農薬の荷姿を示す荷姿情報等が登録(格納(農薬毎に対応付けられて格納))されるようになっている。
【0045】
ここで、農薬の使用量は、例えば単位面積当たりの推奨使用量の範囲(例えば、10a当たり100〜300l(リットル))で規定される。また、農薬の使用制限回数は、例えば一ステージにおいて使用可能な上限回数で規定され、当該回数が多い農薬もあれば少ない農薬もある。また、農薬の使用制限時期は、例えば所定の作業(収穫)の数日前というように日で規定される。農薬の希釈倍率は、例えば推奨希釈倍率の範囲(例えば、2000〜3000倍)で規定される。また、農薬の含有成分は、例えば複数規定され、含有成分毎に、当該含有成分の使用制限回数を示す使用制限回数情報(例えば、使用可能な上限回数で規定)が対応付けられている。
【0046】
一方、図3の例では、肥料情報ファイル52には、肥料を示す肥料情報(例えば、肥料の名称)、肥料の使用量(推奨使用量)を示す推奨使用量情報、肥料の使用制限回数を示す使用制限回数情報、肥料のNPK(窒素、リン酸、カリ)値を示すNPK情報、肥料の有機窒素割合を示す有機窒素割合情報、肥料使用に当たっての注意事項を記したコメントを示すコメント情報、肥料の単価を示す単価情報、及び肥料の荷姿を示す荷姿情報等が登録(格納(肥料毎に対応付けられて格納))されるようになっている。なお、図3の例では、肥料については、農薬のように、使用制限時期が規定されていないが、これを規定する場合もある。また、肥料については、含有成分及びその使用制限回数が規定されていないが規定される場合もある。
【0047】
なお、農薬情報ファイル51と肥料情報ファイル52は、例えばシステム管理者により作成され、例えば使用者Ukによる携帯型端末1kの入手時(例えば、購入時又は貸与時)に記憶部107に事前記憶されるか、或いは、情報管理サーバ3からPC2k経由で携帯型端末1kに提供され記憶部107に記憶されることになる。また、農薬情報ファイル51と肥料情報ファイル52には、携帯型端末1kにおいても、使用者Ukによる操作部101からの入力により上記基礎情報を追加することができる。更に、農薬情報ファイル51と肥料情報ファイル52は、例えば携帯型端末11から携帯型端末12に無線通信部104を介して提供可能になっている。
【0048】
図4は、使用者情報ファイル、圃場情報ファイル、記帳情報ファイル、及び土壌情報ファイルに格納される情報例を示す図である。
【0049】
図4に示すように、使用者情報ファイル53及び圃場情報ファイル54は、携帯型端末1kの使用者Ukに対して一意に割り当てられた使用者IDに対応付け(紐付け)られている。
【0050】
また、図4の例では、使用者情報ファイル53には、使用者Ukの氏名、地域(例えば、都道府県で示したり、これより広い範囲(例えば関東、関西)で示される)、住所等(電話番号及び電子メールアドレスを含む)、年代(例えば、30代、年齢でも良い)を示す情報が登録(格納)されるようになっている。かかる使用者情報ファイル53は、例えば使用者Ukによる携帯型端末1kの入手時(例えば、購入時又は貸与時)に記憶部107に事前記憶されるか、或いは、使用者Ukによる操作部101からの入力により記憶される。
【0051】
一方、圃場情報ファイル54には、圃場を示す圃場情報(例えば、圃場の名称及び品目に一意に割り当てられた圃場ID(例えばバーコード))、当該圃場で栽培される品目を示す品目情報、圃場が存在する地番(例えば、町名で示したり、地域より狭い範囲(例えば芝公園2丁目、芝公園1丁目)で示される)を示す地番情報、圃場の住所を示す住所情報、圃場の面積を示す面積情報、圃場における作業計画期間を示す作業計画期間情報等が登録(格納(圃場毎に対応付けられて格納))されるようになっている。かかる圃場情報ファイル54は、使用者Ukによる操作部101からの、圃場情報、品目情報、地域情報、及び住所情報の入力により作成され、記憶されるようになっている。また、圃場情報ファイル54に登録される圃場は一つとは限らず、使用者Ukによっては複数登録される場合もある。
【0052】
また、上記圃場における作業計画期間は、例えば当該圃場における各種作業毎の開始予定期間及び終了予定期間(各種作業の計画期間を総合したものが栽培期間となる)であり、上述した栽培計画において、使用者Ukによる操作部101から入力により圃場情報ファイル54に登録されるようになっている。
【0053】
更に、記帳情報ファイル55及び土壌情報ファイル56は、圃場を示す圃場情報に対応付け(紐付け)られており圃場毎に存在する。図4の例では、記帳情報ファイル55には、種々ある作業のうち、圃場ステージにおける防虫、施肥、収穫、出荷について示されている(その他にも、土作り、播種、定植、防菌、除草等が登録可能である)。また、育苗ステージにおける各種作業についての記帳情報ファイルもあるが、これについては図示を省略している。
【0054】
ここで、防虫については、当該作業を示す作業情報(例えば、作業の名称)、使用資材(つまり、農薬)を示す使用資材情報、当該資材の使用年月日を示す使用年月日情報、当該資材の使用量を示す使用量情報、当該資材の希釈倍率を示す希釈倍率情報、及び防虫の発生状況(例えば、多い、少ない等)を示す発生状況情報が登録(格納)されている(なお、この他にも使用者により入力されたコメント(例えば、気温、湿度等の情報)を登録できる)。
【0055】
また、施肥については、当該作業を示す作業情報(例えば、作業の名称)、使用資材(つまり、肥料)を示す使用資材情報、当該資材の使用年月日を示す使用年月日情報、及び当該資材の使用量を示す使用量情報が登録(格納)されている(なお、この他にも使用者により入力されたコメント(例えば、気温、湿度等の情報)、肥料のNPK値を示すNPK情報、及び肥料の有機窒素割合を示す有機窒素割合情報を登録できる)。
【0056】
また、収穫については、当該作業を示す作業情報、当該圃場における品目の収穫年月日を示す収穫年月日情報、及び当該品目の収穫量を示す収穫量情報が登録(格納)されている。また、出荷については、当該作業を示す作業情報、当該品目の出荷年月日を示す出荷年月日情報、当該品目の出荷量を示す出荷量情報、及び当該品目の取引金額を示す取引金額情報が登録(格納)されている。
【0057】
これらの記帳情報は、上述した栽培記録(事前記録又は事後記録)において、使用者Ukによる操作部101からの入力(記帳)により記帳情報ファイル55に格納される。
【0058】
また、土壌情報ファイル56には、当該圃場における品目の栽培前の土壌診断値(例えば、例えば当該圃場における土壌のNPK値)を示す栽培前土壌診断値情報、及び当該圃場における品目の栽培後の土壌診断値を示す栽培後土壌診断値情報等が登録(格納)されている。
【0059】
ところで、防虫、防菌、及び除草の作業において(総称して防除という)圃場で使用される農薬の使用制限回数及び当該農薬の含有成分の使用制限回数は、それぞれ、上記農薬情報ファイル51により決められているため、農薬の使用実績回数及び含有成分の使用実績回数が、それらの使用制限回数をそれぞれ上回らないように管理される。
(2.2 管理テーブルの内容)
図5は、農薬及び含有成分の使用制限回数と使用実績回数を管理するための管理テーブル(農薬情報に対応付けて使用制限回数と使用実績回数を管理)の一例を示す図である。このような管理テーブルは、例えば制御部108におけるRAMの所定の記憶領域に展開されるようになっており、記憶部102に記憶保存される。
【0060】
図5(A)の例は、農薬Aに対応する管理テーブルを示しており、農薬Aの使用制限回数及びその含有成分αの使用制限回数はともに「5」になっており、農薬Aの使用実績回数は「2」に、その含有成分αの使用実績回数は「3」になっている。一方、図5(B)の例は、農薬Bに対応する管理テーブルを示しており、農薬Bの使用制限回数及びその含有成分βの使用制限回数はともに「4」になっており、農薬Bの含有成分αの使用制限回数は「5」になっている。そして、農薬Bの使用実績回数及びその含有成分βの使用制限回数はともに「1」になっており、農薬Bの含有成分αの使用実績回数は「3」になっている。なお、含有成分αは、農薬A及び農薬Bの双方に含まれる。
【0061】
例えば防虫において農薬Aの使用に係る記帳が行われた場合、図5(A)の管理テーブルにおいて、当該農薬Aの使用実績回数に1加算され(「2」→「3」になる)、かつ当該農薬Aの含有成分αの使用実績回数にも1加算される(「3」→「4」になる)とともに、図5(B)の管理テーブルにおいて、当該農薬Bの含有成分αの使用実績回数にも1加算される(「3」→「4」になる)ことになる。つまり、含有成分のそれぞれについての使用制限回数及び使用実績回数は、複数の農薬間で共通するようになっている。
【0062】
なお、図5の管理テーブルでは、各農薬毎に含有成分の使用制限回数及び使用制限回数を管理しているが、含有成分を農薬とは独立させて管理しても良い。
(2.3 携帯型端末1kの動作)
以上の携帯型端末1kの構成において、制御部108は、記憶部107に記憶されたプログラムを読み出し実行することにより、使用者Ukによる操作部101からの操作指示にしたがって、栽培計画及び栽培記録を行うための処理を行うようになっており、本発明における表示手段、提示手段、判別手段、及び入力要求手段として機能するようになっている。
【0063】
制御部108は、使用者Ukによる操作部101らの操作指示にしたがって表示部102におけるディスプレイ上に画面を表示させる制御を行う。
【0064】
図6は、表示部102におけるディスプレイ上に表示された画面の遷移例の一部を示す図である。
【0065】
携帯型端末1kにおいて電源オンがなされると、栽培計画及び栽培記録等を行うためのプログラムが起動し、ログイン処理(例えば、使用者Ukが自身の使用者ID及びパスワードを入力することにより)後、例えば図6に示すような画面61(中央の画面)が表示される。かかる画面61には、3つの項目選択部61a,61b,61cが設けられている。使用者Ukは、操作部101を操作して各項目選択部61a,61b,61cに設けられた矢印ボタン61d,61e,61fを指定して、それぞれプルダウン表示される項目リストの中から所望の項目を選択することにより、例えば図6に示すような画面62〜65が表示されることになる。なお、この他にも事前登録画面等種々あるが図示を省略する。また、画面61〜65には、通常記録(事前記録)と事後記録の何れか一方を選択するためのラジオボタン(画面61の符号61g及び61h部)が設けられており、更に、項目選択部61a,61b,61cにおいて選択された3つの項目の組み合わせに応じた処理を実行させるための選択ボタン(画面61の選択ボタン61i)が設けられている。
【0066】
そして、例えば、項目選択部61a,61b,61cにおいて、例えば、図6に示す画面62のように、それぞれ、栽培計画、栽培計画、及び栽培計画の立案が選択された後、使用者Ukにより選択ボタンが指定されると、圃場における作業計画期間等を入力するための画面に遷移され当該作業計画期間等が登録(圃場情報ファイル54に登録)可能になっている。
【0067】
また、例えば、使用者Ukは、項目選択部61a,61bにおいて、それぞれ、栽培記録及び育苗ステージを選択した後、項目選択部61cにおいて、図6に示す画面63のようにプルダウン表示された作業項目リスト63aの中から栽培記録を行うべき作業を選択することができるようになっており、当該作業の選択後、選択ボタンを指定すると、育苗ステージにおける当該選択された作業についての記録を行うための画面に移行される。一方、例えば、使用者Ukは、項目選択部61a,61bにおいて、それぞれ、栽培記録及び圃場ステージを選択した後、項目選択部61cにおいて、図6に示す画面64のようにプルダウン表示された作業項目リスト64aの中から栽培記録を行うべき作業を選択することができるようになっており、当該作業の選択後、選択ボタンを指定すると、圃場ステージにおける当該選択された作業についての記録を行うための画面に移行される。
【0068】
図7は、圃場ステージにおける作業についての記録を行うための画面の遷移例を示す図である。
【0069】
ここで、図7及び図8を参照して、圃場ステージにおける防虫の作業についての事前記録(通常記録)が行われる場合の制御部108の処理を説明する。なお、図8は、圃場ステージにおける防虫の作業についての事前記録のための処理の一例を示すフローチャートである。
【0070】
図6に示す画面64において、栽培記録、圃場ステージ、及び防虫が選択された後、使用者Ukにより選択ボタンが指定されると、制御部108は、図8に示す処理を開始し、当該作業を示す作業情報を一時RAMの所定領域に格納し(後に記帳情報ファイル55に登録するため)、圃場選択等の処理を行う(ステップS1)。この圃場選択等の処理において、制御部108は、先ず、対象となる(例えば、作業計画期間(例えば、2007/09/01-2007/10/01)が現時点を含む圃場)圃場の名称及びこれに対応付けられている品目(当該圃場で栽培される品目)の名称を上述した圃場情報ファイル54から読み込んで当該圃場の名称等が表示された図7に示す画面71を表示部102におけるディスプレイ上に表示させる。
【0071】
図7の例では、画面71における圃場リスト欄71aに、上記読み込まれた圃場及び品目の名称のリストが表示されており、当該リストにおける各圃場及び品目の名称は、使用者Ukによる操作部101の操作により上下移動するカーソル71bにより選択可能になっている。
【0072】
また、使用者Ukは、操作部101を操作してバーコードリーダ106により、圃場に割り当てられたバーコードを読み取らせることができる。バーコードリーダ106よりバーコードが読み取られると、制御部11は、当該バーコードに対応する圃場の名称を圃場情報ファイル54から検索して当該圃場の名称及びこれに対応付けられている品目の名称を圃場リスト欄71aの表示させる(例えば、圃場リスト欄71aの最上段に表示)。これによれば、例えば多くの圃場が登録されていた場合であっても、使用者Ukはカーソル71bを移動させて圃場リスト欄71a中から所望の圃場を探す手間を省くことができる。なお、読み取られたバーコードは、バーコード入力部71cに表示されることになる。このようなバーコードは、例えば使用者Ukの自宅や圃場近辺の壁等に張られた圃場マップに掲載される。図9は、ある使用者Ukの圃場マップの一例を示す図である。
【0073】
また、図7に示す画面71には、参照ボタン71dが設けられており、使用者Ukが操作部101を操作して参照ボタン71dを指定すると、カーソル71bにより名称が選択されている圃場について既に登録された情報を閲覧するための圃場カレンダの画面(例えば、後述する図10に示す画面82)が表示されることになる。
【0074】
更に、図7に示す画面71には、選択ボタン71eが設けられており、使用者Ukが操作部101を操作して選択ボタン71eを指定すると、制御部108は、カーソル71bにより名称が選択されている圃場を選択し、当該圃場を示す圃場情報を上記RAMに一時格納された作業情報に対応付けて格納し、農薬選択等の処理(ステップS2)に移行する。
【0075】
この農薬選択等の処理において、制御部108は、先ず、上記選択された圃場に対して使用可能な一又は複数の農薬の名称を農薬情報ファイル51から読み込んで当該農薬の名称等が表示された図7に示す画面72を表示部102におけるディスプレイ上に表示させる。なお、圃場に対して使用可能な農薬は、当該圃場に対応付けられている品目情報に対応付けられている農薬である。
【0076】
図7に示す画面72には、農薬検索タブ72aと害敵検索タブ72bが設けられており、画面72は農薬検索タブ72aが選択(デフォルト設定)されている場合の画面である。
【0077】
図7の例では、画面72における農薬リスト欄72cに、上記読み込まれた農薬の名称のリストが表示されており、当該リストにおける各農薬の名称は、使用者Ukによる操作部101の操作により上下移動するカーソル72dにより選択可能になっている。また、当該カーソル72dで名称が選択された農薬については、その使用実績回数及び使用制限回数が管理テーブルから取得され、図7に示す画面72における使用実績回数表示欄72eに使用実績回数が表示され、使用制限回数表示欄72fに使用制限回数が表示されるようになっている(画面73でも同様)。
【0078】
また、使用者Ukは、操作部101を操作してバーコードリーダ106により、農薬に割り当てらたバーコード(例えば、農薬の容器の外側表面に記載)を読み取らせることができる。バーコードリーダ106よりバーコードが読み取られると、制御部11は、当該バーコードに対応する農薬の名称を農薬情報ファイル51から検索して当該農薬の名称を農薬リスト欄72cの表示させる(例えば、農薬リスト欄72cの最上段に表示)。
【0079】
更に、図7に示す画面72には、次へボタン72hが設けられており、使用者Ukが操作部101を操作して次へボタン72hを指定すると、制御部108は、カーソル72dにより名称が選択されている農薬を選択し、選択された農薬を使用者Ukに確認させるための画面74の表示を経て(画面74に設けられた“はい”ボタン74aの指定後)、当該選択された農薬を示す使用資材情報及び当該農薬の使用年月日(例えば、本日)を示す使用年月日情報を、上記RAMに一時格納された作業情報及び圃場情報に対応付けて格納し、農薬の使用時期制限表示処理(ステップS3)に移行する。
【0080】
一方、図7に示す画面72において、使用者Ukが操作部101を操作して害敵検索タブ72bを指定すると、制御部108は、上記選択された圃場に対して使用可能な一又は複数の農薬に対応付けられている適用害敵の名称を農薬情報ファイル51から読み込み、当該適用害敵のうち一つの適用害敵を選択(デフォルト設定)する。そして、制御部108は、当該選択した適用害敵に対応付けられている一又は複数の農薬(当該害敵に対して有効な農薬)の名称を農薬情報ファイル51から読み込み、当該適用害敵の名称及び当該農薬の名称等が表示された図7に示す画面73を表示部102におけるディスプレイ上に表示させる。これにより、使用者Ukは、害敵から使用農薬を選択することができる。
【0081】
図7の例では、画面73における害敵リスト欄73aに、上記読み込まれた害敵の名称のリストが表示されているとともに、画面73における農薬リスト欄73cに、上記読み込まれた農薬(害敵リスト欄73aでカーソル73bにより名称が選択されている害敵に対して有効な農薬)の名称が表示されている。ここで、害敵リスト欄73aにおける各害敵の名称は、使用者Ukによる操作部101の操作により上下移動するカーソル73bにより選択可能になっており、当該カーソル73bにより新たな害敵の名称が選択された場合、当該害敵に対応付けられている一又は複数の農薬(当該害敵に対して有効な農薬)の名称が農薬情報ファイル51から読み込まれ農薬リスト欄73cに表示されることになる。
【0082】
また、当該画面73には、画面72と同様、次へボタンが設けられており、使用者Ukが操作部101を操作して次へボタンを指定すると、制御部108は、カーソル73dにより名称が選択されている農薬を選択し、選択された農薬を使用者Ukに確認させるための画面74の表示を経て(画面74に設けられた“はい”ボタン74aの指定後)、農薬の使用時期制限表示処理(ステップS3)に移行する。
【0083】
次に、ステップS3における使用時期制限表示処理においては、制御部108は、上記選択された農薬に対応付けられている使用制限時期を示す使用制限時期情報及び農薬使用に当たっての使用時期制限の注意事項を記したコメントを示すコメント情報を農薬情報ファイル51から読み込み、使用制限時期情報及びコメント情報が表示された図7に示す画面75を表示部102におけるディスプレイ上に表示させる。これにより、農薬の使用時期に基づく使用制限情報が使用者Ukに対して提示されることになる。なお、農薬の使用時期に基づく使用制限情報は、音声処理部103を通じてスピーカから音声出力されるように構成しても良い。
【0084】
図7に示す画面75には、OKボタン75aが設けられており、使用者Ukが操作部101を操作してOKボタン75aを指定すると、制御部108は、選択された一の農薬に対応する管理テーブルを参照し、当該農薬についての使用実績回数が使用制限回数に達しているか否かを判別する(ステップS4)。そして、当該農薬についての使用実績回数が使用制限回数に達している場合には(ステップS4:YES)、制御部108は、使用回数制限の注意事項(使用制限回数に達している場合の注意事項)を記したコメントを示すコメント情報を農薬情報ファイル51から読み込み、当該コメント情報が表示された図7に示す画面77を表示部102におけるディスプレイ上に表示(つまり、エラー表示)させ(ステップS5)、当該画面77に設けられたOKボタン(図示せず)が指定されると、上記RAMに一時格納された作業情報及び圃場情報等を破棄し(つまり、事前記録は行わない)、当該処理を終了する。これにより、上記選択された農薬についての使用制限回数に基づく使用制限情報が使用者Ukに対して提示されることになり、当該使用者Ukが当該圃場に対して当該農薬を過剰に散布することを事前に防止することができる。なお、使用制限回数に基づく使用制限情報は、音声処理部103を通じてスピーカから音声出力されるように構成しても良い。
【0085】
一方、上記選択された農薬についての使用実績回数が使用制限回数に達していない場合には(ステップS4:NO)、制御部108は、使用回数制限の注意事項(使用制限回数に達していない場合の注意事項)を記したコメントを示すコメント情報を農薬情報ファイル51から読み込み、当該コメント情報が表示された図7に示す画面76を表示部102におけるディスプレイ上に表示(確認表示:使用制限回数に基づく使用制限情報の提示(音声出力でも良い))させ(ステップS6)、当該画面76に設けられたOKボタン76aが指定されると、希釈倍率入力処理(ステップS7)に移行する。
【0086】
なお、上記選択された農薬についての使用実績回数が使用制限回数に達していない場合には(ステップS4:NO)、制御部108は、更に、当該農薬に対応する管理テーブルを参照し、当該農薬の含有成分についての使用実績回数が使用制限回数に達しているか否かを判別し、達している場合には、ステップS5に移行するように構成しても良い。これにより、当該農薬について使用制限回数に達していなくとも、当該農薬の含有成分を有する別の農薬が既に使用されている場合に、その成分についての過剰散布を事前に防止することができる。なお、上記農薬の含有成分についての使用実績回数が使用制限回数に達していない場合、ステップS6に移行されることになる。
【0087】
次に、ステップS7における希釈倍率入力処理においては、制御部108は、先ず、上記選択された農薬の希釈倍率(推奨希釈倍率)を示す推奨希釈倍率情報を農薬情報ファイル51から読み込み、当該推奨希釈倍率の範囲が表示された図7に示す画面78を表示部102におけるディスプレイ上に表示させる。
【0088】
図7の画面78における符号78a部には、上記推奨希釈倍率の範囲が表示されており、更に、当該画面78には、希釈倍率入力欄78b及び次へボタン78cが設けられている。そして、使用者Ukが、操作部101を操作して、使おうとしている農薬の希釈倍率を希釈倍率入力欄78bに入力し、次へボタン78cを指定すると、制御部108は、当該入力された希釈倍率が推奨希釈倍率の範囲内にあるか否かを判別する(ステップS8)。当該入力された希釈倍率が推奨希釈倍率の範囲内にある場合には(ステップS8:YES)、制御部108は、当該入力された農薬の希釈倍率を示す希釈倍率情報を、上記RAMに一時格納された作業情報及び圃場情報に対応付けて格納し、使用量入力処理(ステップS10)に移行する。一方、当該入力された希釈倍率が推奨希釈倍率の範囲内にない場合には(ステップS8:NO)、制御部108は、希釈倍率制限の注意事項を記したコメントを示すコメント情報を農薬情報ファイル51から読み込み、当該コメント情報(例えば、希釈倍率が推奨の下限値(2000倍)を下回っていますなどの情報)が表示された画面(図示せず)を表示部102におけるディスプレイ上に表示(つまり、エラー表示)させ(ステップS9)、当該画面に設けられたOKボタン(図示せず)が指定されると、ステップS7に戻る。これにより、農薬の希釈倍率が適正値範囲外になることを事前に防止することができる。
【0089】
ここで、上記希釈倍率が推奨希釈倍率の範囲内にあるか否かの判断において、推奨希釈倍率の上限値(ここでは、3000倍)を超えてもステップS10に移行しないように構成しても良い。つまり、推奨希釈倍率の下限値を下回らなければエラーにはしなくても良い。
【0090】
次に、ステップS10における使用量入力処理においては、制御部108は、先ず、上記選択された農薬の使用量(推奨使用量)を示す推奨使用量情報を農薬情報ファイル51から読み込み、当該農薬の推奨使用量の範囲(例えば、10a当たりの推奨使用量の範囲)が表示された図7に示す画面79を表示部102におけるディスプレイ上に表示させると共に、上記選択された圃場に対して予め設定された面積を示す面積情報を圃場情報ファイル54から読み込み、当該面積に応じた農薬の推奨使用量の範囲を計算し(例えば、当該面積が15aであったとすると、上記10a当たりの推奨使用量の範囲を15a当たりの推奨使用量の範囲に換算)、当該計算後の推奨使用量の範囲を、図7に示すように画面79の符号79a部に表示させる。これにより、使用者Ukは、選択した実際の圃場の面積に応じた農薬の推奨使用量を即座に把握することができる。
【0091】
そして、図7に示す画面79には、使用量入力欄79b及び次へボタン79cが設けられている。これにより、当該農薬の使用量の入力が使用者Ukに対して促されることになる。そして、使用者Ukが、当該使用量の入力の促しに応じて、操作部101を操作して、使おうとしている農薬の使用量を使用量入力欄79bに入力し、次へボタン79cを指定すると、制御部108は、当該入力された使用量が推奨使用量の範囲内にあるか否かを判別する(ステップS11)。当該入力された使用量が推奨使用量の範囲内にある場合には(ステップS11:YES)、制御部108は、当該入力された農薬の使用量を示す使用量情報を、上記RAMに一時格納された作業情報及び圃場情報に対応付けて格納し、発生状況入力処理(ステップS13)に移行する。一方、当該入力された使用量が推奨使用量の範囲内にない場合には(ステップS11:NO)、制御部108は、当該使用量を示す使用量情報を格納せず、使用量制限の注意事項を記したコメントを示すコメント情報を農薬情報ファイル51から読み込み、当該コメント情報(例えば、使用量が推奨の上限値(450l)を超えていますなどの情報)が表示された画面(図示せず)を表示部102におけるディスプレイ上に表示(つまり、エラー表示)させ(ステップS12)、当該画面に設けられたOKボタン(図示せず)が指定されると、ステップS10に戻る。これにより、農薬の使用量が適正値範囲外になることを事前に防止することができる。
【0092】
ここで、上記使用量が推奨使用量の範囲内にあるか否かの判断において、推奨使用量の下限値(ここでは、150l)を下回ってもステップS13に移行しないように構成しても良い。つまり、推奨使用量の上限値を超えなければエラーにはしなくても良い。
【0093】
次に、ステップS13における発生状況入力処理においては、制御部108は、先ず、図7に示す画面80を表示部102におけるディスプレイ上に表示させる。
【0094】
図7に示す画面80には、発生状況リスト欄80a、コメント入力欄80c、及び次へボタン80dが設けられている。この発生状況リスト欄80aには、発生状況(予防のため(害虫が多いか否かは定かではないが予防のために散布)、少ない(害虫が少ない)、多い(害虫が多い))のリストが表示されており、各発生状況は、使用者Ukによる操作部101の操作により上下移動するカーソル80bにより選択可能になっている(この発生状況により農薬を散布した理由を後から分かる)。
【0095】
また、使用者Ukは、操作部101を操作して、自身が気づいたこと等をコメント入力欄80cに入力することができる。そして、使用者Ukが操作部101を操作して、次へボタン80dを指定すると、制御部108は、上記カーソル80bにより選択されている発生状況を示す発生状況情報と、上記コメント入力欄80cに入力されたコメントとを、上記RAMに一時格納された作業情報及び圃場情報に対応付けて格納し、栽培記録(事前記録)を確認させるための画面(図示せず)の表示を経て(当該画面に設けられたOKボタン(図示せず)の指定後)、上記RAMに圃場情報に対応付けられて一時格納されている作業情報、使用年月日情報、使用資材情報、希釈倍率情報、使用量情報、及び発生状況情報等を、圃場情報に対応付けて記帳情報ファイル55に登録し(ステップ14)、且つ上記農薬についての使用実績回数及びその含有成分についての使用実績回数に1加算して記憶(管理テーブルを更新)し(ステップS15)、当該処理を終了する。こうして、栽培記録(事前記録)が完了することになる。
【0096】
なお、防虫の作業についての事前記録が行われる場合を例にとって説明したが、圃場ステージにおける防菌及び除草の作業についても図8に示す処理で事前記録を行うことができる。また、育苗ステージにおける防虫、防菌、除草の作業についても図8に示す処理で事前記録を行うことができるが、この場合、上記ステップS1で圃場が選択される代わりに品目が選択されることになる。また、その他の作業(施肥、収穫、出荷、土壌)についても、図6に示す画面64における作業項目リスト64aの中から選択することにより、当該作業についての記録を行うことができる。また、土壌の作業についての記録の対象は、栽培前土壌新診断値及び栽培後土壌診断値であり、これらの情報は使用者Ukにより入力され土壌情報ファイル56に登録されることになる。
【0097】
以上説明したように、使用者Ukは、携帯型端末1kを用いて各作業に当たって栽培記録を行うことができ、その際に圃場に供給すべき農薬や肥料等の適正な使用方法等の有用な情報を、使用者Ukに対してよりタイムリーに提示することができるので、使用者Ukの記憶に頼らずに、安全で安心な農作物を栽培することができる。しかも、各農薬についての使用制限回数及び使用実績回数を管理しておき、携帯型端末1kを農薬の使用前に、事前に登録された複数の農薬の名称を表示し、表示された農薬のうちから選択された一の農薬についての使用実績回数が使用制限回数に達しているか否かを判別し、達している場合には、エラー表示して事前記録は行わないようにし、達していない場合には、当該農薬の希釈倍率や使用量等の入力を使用者Ukに対して促して入力させて圃場情報に対応付けて記憶する(つまり、事前記録を行う)ように構成したので、当該使用者Ukが当該圃場に対して当該農薬を過剰に散布することを事前に防止することができ、農薬取締法違反等を未然に防ぐこともできる。また、これにより、農業への新規参入を望む者等であっても、スムースに農業に従事させることができる。
【0098】
また、選択された農薬についての使用実績回数が使用制限回数に達していない場合でも、当該農薬の含有成分についての使用実績回数が使用制限回数に達しているか否かを判別し、達している場合には、エラー表示して事前記録は行わないように構成すれば、当該農薬について使用制限回数に達していなくとも、当該農薬の含有成分を有する別の農薬が既に使用されている場合に、その成分についての過剰散布を事前に防止することができる。
【0099】
以上のように記憶された(記帳情報ファイル55等に登録された)情報は、例えば、図6に示す画面65における3つの項目選択部において、それぞれ、栽培計画、カレンダ表示、カレンダ表示と選択され選択ボタンが指定されることにより表示されるカレンダの画面において閲覧可能となる。
【0100】
図10は、カレンダの画面の遷移例を示す図である。図10に示す画面81は、カレンダの初期画面である。当該画面81において、使用者Ukは、操作部101を操作して、期間選択部81a部で閲覧対象の期間を選択し、育苗カレンダタブ81bと圃場カレンダタブ81cのうち圃場カレンダタブ81cを選択し、圃場の状態(全て、栽培中、栽培終了)リスト欄81dで何れかの圃場の状態をカーソル81eにて選択して、次へボタン81fを指定すると、制御部108は、図10に示す画面82を表示部102におけるディスプレイ上に表示させる。この画面82には、各圃場における作業時期が一目でわかるように黒丸が表示されたカレンダ表示部82bが設けられている。このカレンダ表示部82bにおけるカーソル82cにより選択された行に対応する圃場の名称、当該圃場で栽培される品目の名称及び栽培期間が符号82a部に表示されることになる。
【0101】
そして、使用者Ukにより詳細ボタン82fが指定されると、図10に示す画面83が表示部102におけるディスプレイ上に表示される。この画面83には、画面82におけるカーソル82cにより選択された行に対応する圃場に関する詳細な情報が表示される。また、当該画面83に設けられた栽培タブ83aが使用者Ukにより指定されると、図10に示す画面84が表示部102におけるディスプレイ上に表示される。この画面84には、記録された作業の年月日を示す一覧が表示される。
【0102】
このようなカレンダの画面により、使用者Ukは一目で対象圃場についての作業時期を把握することができ、その作業等についての詳細を迅速に確認することができる。
【0103】
また、携帯型端末1kの記憶部107に記憶されている農薬情報ファイル51、肥料情報ファイル52、使用者情報ファイル53、圃場情報ファイル54、記帳情報ファイル55、及び土壌情報ファイル56は、携帯型端末1kから専用ケーブルを介してPC2kに送信可能になっている。例えば、使用者Ukが操作部101を操作して送信したいファイルを選択することにより、当該選択されたファイルがPC2kに送信される。
【0104】
また、携帯型端末1kの記憶部107に記憶されている農薬情報ファイル51、肥料情報ファイル52、使用者情報ファイル53、圃場情報ファイル54、記帳情報ファイル55、及び土壌情報ファイル56は、携帯型端末1k間で無線通信部104を介して相互に交換することができる。
【0105】
なお、上記実施形態において、肥料の使用制限回数については特に規定しなかったが、肥料についての使用制限回数及び使用実績回数を管理テーブルで管理し、使用実績回数が使用制限回数に達していない場合に限り、農薬と同じように、事前記録を行うように構成しても良い。
[3. 情報管理サーバ3の構成及び機能等]
次に、図11等を参照して、情報管理サーバ3の構成及び機能等について説明する。
【0106】
図11は、情報管理サーバ3の概要構成例を示す図である。
【0107】
情報管理サーバ3は、図11に示すように、ネットワークNWを介してPC2kとの間で通信を行うための通信部31、オペレーティングシステム(O/S),各種プログラム及びデータ等を記憶する記憶部(例えば、ハードディスク)32、CPU,ROM,及びRAM等から構成された制御部33等を備えて構成されており、これらの構成要素は、システムバス34を介して相互に接続されている。
【0108】
制御部33は、記憶部32に記憶されたプログラムを読み出し実行することにより、例えばWebサーバとしての機能し、Webブラウザ機能を有するPC2kからのリクエスト(例えばHyperText Transfer Protocolに基づくリクエスト)に応じて、所定のページ(例えばHTML(HyperText Markup Language)データ等からなる)をネットワークNWを介してPC2kに送信したり、PC2kからアップロードされたファイルを記憶部32に記憶するための制御を行うと共に、本発明における情報取得手段、制御手段、抽出手段、及び評価値算出手段として機能するようになっている。
(3.1 情報の集約)
例えば、PC2kにおいて、情報管理サーバ3により提供されるサイトのURL(Uniform Resource Locator)がWebブラウザにより指定されることで、PC2kがネットワークNWを介して情報管理サーバ3に接続され、情報管理サーバ3から送信されたログインページがPC2kのディスプレイ上に表示される。使用者Ukは、このログインページ上に、自身の使用者ID及びパスワードを例えばキーボードにより入力してログインボタンを指定すると、情報管理サーバ3は、ログイン処理(予め登録されていた使用者ID及びパスワードとログインページ上に入力され送信されてきた使用者ID及びパスワードが一致するかの認証処理)を行い、ログインを許可した場合に、メインページをPC2kに送信する。これにより、PC2kのディスプレイ上にメインページが表示される。
【0109】
このメインページ上には、ファイル登録ボタン、及び情報閲覧ボタンが設けられており、使用者Ukがファイル登録ボタンを指定すると、PC2kのディスプレイ上にはファイル登録ページが表示されることになる。
【0110】
このファイル登録ページ上で、使用者Ukが情報管理サーバ3に登録したいファイル(例えば、使用者情報ファイル、圃場情報ファイル、記帳情報ファイル、及び土壌情報ファイル)を指定し登録ボタンを指定すると、指定されたファイルがネットワークNWを介して情報管理サーバ3に送信(アップロード)されることになる。
【0111】
なお、農薬情報ファイル及び肥料情報ファイルについては、情報が使用者Ukにより追加されない限り、同様の農薬情報ファイル及び肥料情報ファイルが情報管理サーバ3に記憶されているので、PC2kから情報管理サーバ3に送信されなくとも良い。
【0112】
このようにして各使用者Ukの携帯型端末1kは、自己の携帯型端末1kに記憶されたファイルをPC2k経由で情報管理サーバ3にアップロードすることができ、情報管理サーバ3は、アップロードされたファイルを記憶部32に記憶、各農家により記録された情報を集約することになる。
(3.2 情報の整理)
以上のように集約されたファイルにおける情報は、各農家のノウハウ等が反映された情報であり、これを有効に活用するため、当該情報は例えばXMLデータとして整理される。
【0113】
例えば、情報管理サーバ3は、予め設定された時刻が到来すると、記憶されたファイルに基づきXML(eXtensible Markup Language)データの作成処理を行う。
【0114】
図12は、情報管理サーバ3の制御部33におけるXMLデータの作成処理を示すフローチャートである。
【0115】
図12の処理において、制御部33は、携帯型端末1kからアップロードされ記憶されているファイルのうち、処理待ちの(未だXMLデータがされていない)ファイルに対応付けられた使用者IDを特定する(ステップS21)。
【0116】
次いで、制御部33は、上記特定した使用者IDが対応つけられた使用者情報ファイル及び圃場情報ファイルを読み込む(ステップS22)。
【0117】
次いで、情報管理サーバ3は、読み込んだ圃場情報ファイルに登録されている圃場情報のうち一つを特定し(ステップS23)、当該特定した圃場情報に対応付けられている記帳情報ファイル及び土壌情報ファイルを読み込む(ステップS24)。
【0118】
次いで、読み込んだ使用者情報ファイル、圃場情報ファイル、記帳情報ファイル及び土壌情報ファイルに登録されている情報のうち、予め用意されたXMLフォームデータに記述されたタグにより示される情報を抽出し、当該抽出した情報をXMLフォームデータ内に組み込んでXMLデータを作成し、当該XMLデータに上記使用者IDを対応付けて記憶部12に記憶する(ステップS25)。
【0119】
次いで、制御部33は、上記読み込んだ圃場情報ファイルに登録されている圃場情報のうち、未だ特定されていない圃場情報があるか否かを判別し(ステップS26)、ある場合には(ステップS26:YES)、ステップS23に戻り、未だ特定されていない圃場情報を特定し、ない場合には(ステップS26:NO)、ステップS27に進む。
【0120】
そして、ステップS27では、制御部33は、未だ特定されていない使用者IDがあるか否かを判別し、ある場合には(ステップS27:YES)、ステップS21に戻り、ない場合には(ステップS27:NO)、当該処理を終了する。
【0121】
こうして作成されたXMLデータの一例を図13に示す。図13の例では、1つのXMLデータで1つの圃場について情報が管理されるようになっているが、1つのXMLデータで複数の圃場について情報が管理されるように構成しても良い。
(3.3 情報の提供)
以上のように整理された情報に基づき情報閲覧ページを作成しこれを使用者Ukに対して提供する例について説明する。
【0122】
例えば、使用者Ukが、上記メインページに設けられた情報閲覧ボタンを指定すると、PC2kのディスプレイ上には条件設定ページが表示されることになる。この条件設定ページ上には、条件設定欄、閲覧項目設定欄及び検索ボタンが設けられており、使用者Ukが、上記条件設定欄において所望の条件項目(例えば、品目)を指定して当該条件項目に対応する条件(条件の内容、例えばトマト)を入力し、さらに上記閲覧項目設定欄において所望の閲覧項目(例えば、施肥時期、防除時期、収穫量、土壌診断値等のうち少なくとも一つ)を指定し、検索ボタンを指定すると、入力又は指定された条件項目、条件、及び閲覧項目を含む検索リクエストが情報管理サーバ3に送信される。なお、使用者Ukは、「条件項目」の組合せ、及び「閲覧項目」の組合せを任意に指定することができる。また、閲覧項目は、使用者Ukが特に指定しなければ、デフォルト設定された項目となる。
【0123】
情報管理サーバ3は、PC2kからの検索リクエストに応じて、情報閲覧ページの提供処理を行う。
【0124】
図14は、情報管理サーバ3の制御部33における情報閲覧ページの提供処理の一例を示すフローチャートである。
【0125】
図14の処理において、制御部33は、先ず、検索リクエストから条件項目、条件、及び閲覧項目を取得し、これらを設定する(ステップS31)。
【0126】
次いで、制御部33は、検索対象となるXMLデータの数を決定(例えば、ランダムで決定してもよいし、予め定められていても良い)し(ステップS32)、当該決定した数分のXMLデータを読み込む(ステップS33)。
【0127】
次いで、制御部33は、読み込んだXMLデータのうち一つを特定し(ステップS34)、当該特定したXMLデータから、上記設定された条件項目についての条件を満たす例えば情報(例えば、圃場)を特定し、特定した情報についての上記設定された閲覧項目に示される情報を抽出する(ステップS35)。
【0128】
次いで、制御部33は、上記XMLデータのうち、未だ特定されていないXMLデータがあるか否かを判別し(ステップS36)、ある場合には(ステップS36:YES)、ステップS34に戻り、ない場合には(ステップS36:NO)、ステップS37に進む。
【0129】
ステップS37では、制御部33は、上記圃場毎に抽出した情報が閲覧項目毎に対比可能なように一覧形式で記述された情報閲覧ページ(閲覧データの一例)を作成し、これをPC2kに送信して表示させる。これにより、PC2kのディスプレイ上に情報閲覧ページが表示される。
【0130】
図15は、使用者U1のPC21のディスプレイ上に表示された情報閲覧ページの一例を示す図である。
【0131】
図15(A)は、「条件項目:条件」として、「地域:千葉」+「品目:トマト」+「栽培時期:2007/4/1-2007/7/31」が設定され、「閲覧項目」として、「圃場の名称」、「圃場の面積」、「平均収量」、「施肥時期」、「肥料の名称」、「防除時期」、「農薬の名称」、「収穫時期」、及び「収穫量」が設定された場合の情報閲覧ページの一例を示しており(肥料や農薬の使用量等が設定されても良い)、使用者U1は、当該ページにより、該当地域の圃場における施肥時期、防除時期、及び収量等についての他の農家のノウハウを習得することができる。例えば、使用者U1は、図15(A)に示す情報閲覧ページ上で、自身の圃場と他の農家の圃場における収穫量を対比したところ、他の農家の収穫量が多いことが分かり、栽培暦(施肥時期及び防除時期)を対比してみたところ、他の農家の圃場は自身の圃場に比べて施肥が一回多くなっていることが分かる。そして、使用者U1は、他の農家の圃場では収穫10日前に肥料Bを投入している(これは、当該他の農家では収穫10日前に肥料Bを投入すると収穫量が良くなること経験上知っていた)ことに気づく。
【0132】
一方、図15(B)は、「条件項目:条件」として、「地域:千葉」+「品目:トマト」+「栽培時期:2007/4/1-2007/7/31」が設定され、「閲覧項目」として、「圃場の名称」、「圃場の面積」、「平均収量」、「土壌診断値」、「施肥時期」、「肥料の名称」、「収穫時期」、及び「収穫量」が設定された場合の情報閲覧ページの一例を示しており、使用者U1は、当該ページにより、該当地域の圃場における施肥時期、土壌診断値及び収量等についての他の農家のノウハウを習得することができる。例えば、使用者U1は、図15(B)に示す情報閲覧ページ上で、肥料Bはどのような時期に施肥するとよいかNPK(土壌内のN:窒素、P:燐酸、K:カリウム)値で調べたところ、栽培後のNPK値が栽培前のNPK値よりも低くなっていることから栽培後に施肥をしていることに気づく(つまり、収穫が終わるとNPK値を調整するため、次の栽培前にお礼肥をしている)。
【0133】
なお、上記においては、上記圃場毎に抽出された情報が閲覧項目毎に対比可能なように一覧形式で記述された情報閲覧ページが作成され表示されるように構成したが、表示形式はこれに限定されるものではなく、上記圃場毎に抽出された情報が記述された情報閲覧ページであればどのような表示形式を採っても良い。
【0134】
以上のような情報閲覧ページにより、使用者U1は、他の農家のノウハウ等を簡単に習得することができる。また、これにより、農業への新規参入を望む者等であっても、スムースに農業に従事させることができる。
【0135】
なお、情報管理サーバ3に表示部を備えさせ、上記作成された情報閲覧ページを当該表示部におけるディスプレイに表示させるように構成しても良い。また、情報管理サーバ3が、上記読み込んだXMLデータをPC2kに送信し、PC2kが上記ステップS34〜S36の処理を行い、上記圃場毎に抽出した情報が閲覧項目毎に対比可能なように一覧形式で記述された閲覧データを作成し、これをディスプレイ上に表示させるように構成しても良い。
【0136】
更に、本実施形態においては、上記集約、整理された情報に基づく最優秀農家を特定するための計算により、複数の農家のうち最も優秀な農家を特定することができ、その農家のノウハウを他の農家に対して提供することができる。最優秀農家を特定するための計算では、上記集約、整理された情報から計算対象のパラメータが抽出され、抽出されたパラメータに基づいて評価値が算出され、当該評価値の最も高い農家が最優秀農家として特定される。
【0137】
ここで、上記パラメータとしては、肥料の使用量、肥料の使用実績回数、農薬の使用量、農薬の使用実績回数、品目の単位面積(例えば1a)当たりの収穫量、品目の等級(品目の品質を表すグレード(例えば、1、2、3の数値で表され、数値が大きいほど品質が良い))、品目の栽培期間、土壌診断値等、複数種類が挙げられ、どれを計算対象のパラメータとするかは任意である。なお、品目の等級については、例えば携帯型端末1kにおいて収穫量や出荷量と同じように使用者Ukにより入力され記帳情報ファイルに組み込まれて情報管理サーバ3に送信される。
【0138】
また、上記評価値は、例えば上記各パラメータの大小に応じて算出される得点(例えば1〜100点までの幅で変動)が積算されることにより得ることができる。例えば、肥料の使用量、肥料の使用実績回数、農薬の使用量、及び農薬の使用実績回数については少ないほど良好といえるので、これが少ないほど高得点(100点に近い)になるように計算される。また、品目の単位面積当たりの収穫量、及び品目の等級については多いほど良好といえるので、これが多いほど高得点になるように計算される。また、品目の栽培期間については短期間ほど良好といえるので、これが短期間ほど高得点(100点に近い)になるように計算される。
【0139】
更に、各パラメータには、パラメータの重要度に応じた重み付けが設定されるようにし、各パラメータの大小に応じて計算された得点に対して重み付けが乗算されるようにすればより望ましい。例えば、品目の単位面積当たりの収穫量については重要度が高いといえるので、重み付けを50%とし、上記計算された得点に0.5(50%)が乗算される。また、品目の等級については次に重要度が高いといえるので、重み付けを25%とし、上記計算された得点に0.25(25%)が乗算される。また、肥料の使用量、肥料の使用実績回数、農薬の使用量、及び農薬の使用実績回数についてはその次に重要度が高いといえるので、重み付けを15%とし、上記計算された得点に0.15(15%)が乗算される。また、品目の栽培期間については重要度が低いといえるので、重み付けを10%とし、上記計算された得点に0.1(10%)が乗算される。なお、上記重要度の考え方及び重み付けはあくまで一例であり、例えば、品目の栽培期間の重要度を高くして、ある品目の栽培期間が短い圃場の評価値が高くなるようにしても良い。
【0140】
図16は、情報管理サーバ3の制御部33における最優秀農家を特定するための計算処理の一例を示すフローチャートである。図16の処理は、例えば、使用者Ukが、上記情報閲覧ページに設けられた最優秀農家特定ボタンを指定することにより、最優秀農家特定計算リクエストが情報管理サーバ3に送信されることにより開始される。なお、使用者Ukは、計算対象とすべき品目を指定することができる。
【0141】
図16の処理において、制御部33は、先ず、計算対象とすべき品目(例えば、使用者Ukにより指定された品目)を設定する(ステップS41)。
【0142】
次いで、制御部33は、設定された品目が含まれるXMLデータを読み込む(ステップS42)。
【0143】
次いで、制御部33は、読み込んだXMLデータのうち一つを特定し(ステップS43)、当該特定したXMLデータから、計算対象のパラメータを抽出する(ステップS44)。例えば、上記設定された品目が栽培される圃場に対する肥料の使用量、当該品目の単位面積当たりの収穫量、当該品目の等級、及び当該品目の栽培期間がパラメータとして抽出される。
【0144】
次いで、制御部33は、抽出した各パラメータに対応する得点を計算する(ステップS45)。かかる計算により、例えば、肥料の使用量に対する得点が80点、品目の単位面積当たりの収穫量に対する得点が90点、品目の等級に対する得点が60点、品目の栽培期間に対する得点が40点、というように算出される。
【0145】
次いで、制御部33は、算出した各パラメータに対応する得点に対して重み付けを乗算して得点調整値を計算する(ステップS46)。かかる計算により、例えば、肥料の使用量に対する得点調整値が80点×0.15=12点、品目の単位面積当たりの収穫量に対する得点調整値が90点×0.5=45点、品目の等級に対する得点調整値が60点×0.25=15点、品目の栽培期間に対する得点調整値が40点×0.1=4点、というように算出される。
【0146】
次いで、制御部33は、算出した各得点調整値を総和して合計得点を計算する(ステップS47)。
【0147】
次いで、制御部33は、算出した合計得点を評価値として、当該特定されたXMLデータに対応付けられている使用者IDに対応付けて記憶する(ステップS48)。
【0148】
次いで、制御部33は、未だ特定されていないXMLデータがあるか否かを判別し(ステップS49)、ある場合には(ステップS49:YES)、ステップS43に戻り(未だ特定されていないXMLデータを特定し上記と同様の処理を行う)、ない場合には(ステップS49:NO)、上記記憶された評価値のうち最も高い(或いは、上位所定数でもよい)評価値を特定する(ステップS50)。
【0149】
次いで、制御部33は、特定した最高評価値に対応付けられた使用者IDに対応するXMLデータから生産者(農家)を最優秀農家として特定し、その氏名等を抽出する(ステップS51)。ここで、抽出される情報としては、最優秀農家の氏名の他にも、例えば、上記条件設定ページ上で指定され設定された閲覧項目に示される情報が挙げられる。
【0150】
次いで、制御部33は、特定した最高評価値及び抽出した最優秀農家の氏名等が記述された情報閲覧ページ(評価値に基づく情報が掲載)を作成し、これをPC2kに送信して(ステップS52)表示させる。こうして、PC2kのディスプレイ上に情報閲覧ページ(例えば、最優秀農家(生産者)に関する図15に示される情報が掲載)が表示される。
【0151】
これにより、使用者U1は、最優秀の農家の圃場における施肥時期、防除時期、及び収量等についてのノウハウ等を簡単に習得することができる。また、これにより、農業への新規参入を望む者等であっても、スムースに農業に従事させることができる。
【0152】
なお、計算対象とすべき品目が複数ある場合、品目毎に評価値が算出され、当該品目の評価値が農家毎に合計され、得られた総評価値が最も高い農家が最優秀農家として特定されることになる。
【0153】
また、上記例においては、評価値に基づく情報として、最高評価値及び最優秀農家の氏名等の情報としたが、当該氏名については表示させないようにしても良い。また、例えば評価値が高い上位所定数の圃場についての情報(例えば、使用者Ukにより任意に指定された「条件項目」や「閲覧項目」に該当する情報)が記述された情報閲覧ページが表示されるように構成しても良い。例えば、品目の栽培期間の重要度を高くして、ある品目の栽培期間が短い(評価値が高い)圃場についての情報が記述された情報閲覧ページが表示されるように構成し、栽培期間の短い圃場における施肥時期、防除時期、肥料や農薬の使用量、使用回数等の全部又は一部が把握できるようにしても良い。
【0154】
また、情報管理サーバ3に表示部を備えさせ、上記作成された情報閲覧ページ(例えば、最優秀農家についての図15に示される情報が掲載)を当該表示部におけるディスプレイに表示させるように構成しても良い。また、情報管理サーバ3が、上記読み込んだXMLデータをPC2kに送信し、PC2kが上記ステップS43〜S51の処理を行い、上記特定した最高評価値及び抽出した最優秀農家の氏名等が記述された情報閲覧ページを作成し、これをディスプレイ上に表示させるように構成しても良い。
【0155】
更に、上記実施形態において、圃場ファイル54やXMLデータは、一例として、使用者IDに紐付けられて管理されるように構成したが、この他にも、圃場、又は品目等毎に紐付けられるようにし、どの情報からも情報検索が可能なよう管理されても良い。
【図面の簡単な説明】
【0156】
【図1】本発明の一実施形態に係る農業教示システムSに概要構成例を示す図である。
【図2】携帯型端末1kの概要構成例を示す図である。
【図3】農薬情報ファイル及び肥料情報ファイルに格納される情報例を示す図である。
【図4】使用者情報ファイル、圃場情報ファイル、記帳情報ファイル、及び土壌情報ファイルに格納される情報例を示す図である。
【図5】農薬及び含有成分の使用制限回数と使用実績回数を管理するための管理テーブルの一例を示す図である。
【図6】表示部102におけるディスプレイ上に表示された画面の遷移例の一部を示す図である。
【図7】圃場ステージにおける作業についての記録を行うための画面の遷移例を示す図である。
【図8】圃場ステージにおける防虫の作業についての事前記録のための処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】ある使用者Ukの圃場マップの一例を示す図である。
【図10】カレンダの画面の遷移例を示す図である。
【図11】情報管理サーバ3の概要構成例を示す図である。
【図12】情報管理サーバ3の制御部33におけるXMLデータの作成処理を示すフローチャートである。
【図13】作成されたXMLデータの一例を図13に示す。
【図14】情報管理サーバ3の制御部33における情報閲覧ページの提供処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】使用者U1のPC21のディスプレイ上に表示された情報閲覧ページの一例を示す図である。
【図16】情報管理サーバ3の制御部33における最優秀農家を特定するための計算処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0157】
1k 携帯型端末
2k PC
3 情報管理サーバ
NW ネットワーク
S 農業教示システム
31 通信部
32 記憶部
33 制御部
34 システムバス
101 操作部
102 表示部
103 音声処理部
104 無線通信部
105 PC接続部
106 バーコードリーダ
107 記憶部
108 制御部
109 電源部
110 システムバス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の品目を栽培するための圃場に供給すべき農薬及び肥料の少なくとも何れか一方の供給物質の使用前に、使用者に対して当該供給物質の使用制限に関する使用制限情報を提示し且つ当該供給物質の少なくとも使用量を示す使用量情報を記憶する情報提示装置であって、
複数の前記供給物質のそれぞれについての使用制限回数及び使用実績回数を記憶する使用回数記憶手段と、
使用者により入力手段を介して選択された圃場に対して使用可能な一又は複数の前記供給物質を示す供給物質情報を表示させる表示手段と、
前記表示された供給物質のうちから選択された一の前記供給物質についての使用制限回数に基づく使用制限情報を提示する提示手段と、
前記選択された一の前記供給物質についての使用実績回数が使用制限回数に達していない場合には、当該供給物質の少なくとも使用量の入力を使用者に対して促す入力要求手段と、
前記促しに応じて前記使用者により入力手段を介して入力された使用量を示す使用量情報を、前記圃場を示す圃場情報に対応付けて記憶し且つ当該供給物質についての使用実績回数に1加算して記憶する使用情報記憶手段と、
を備えることを特徴とする情報提示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報提示装置において、
前記表示手段は、前記圃場に対して予め設定された一又は複数の害敵を示す情報を表示すると共に、前記表示された害敵のうちから選択された一の前記害敵に対して有効な一又は複数の前記供給物質を示す情報を表示させることを特徴とする情報提示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報提示装置において、
前記使用回数記憶手段は、さらに、各前記供給物質の含有成分のそれぞれについての使用制限回数及び使用実績回数を記憶し、
前記入力要求手段は、前記選択された一の前記供給物質の含有成分についての使用実績回数が使用制限回数に達していない場合には、当該供給物質の少なくとも使用量の入力を促すことを特徴とする情報提示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報提示装置において、
前記含有成分のそれぞれについての使用制限回数及び使用実績回数は、複数の前記供給物質間で共通することを特徴とする情報提示装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の情報提示装置において、
前記表示手段は、前記選択された圃場に対して予め設定された面積に応じた前記供給物質の推奨使用量の範囲を表示させ、
前記促しに応じて前記使用者により入力手段を介して入力された使用量が前記推奨使用量の範囲内にあるか否かを判別する判別手段を更に備え、
前記入力された使用量が前記推奨使用量の範囲内にない場合、前記使用情報記憶手段は、当該使用量を示す使用量情報を記憶せず、前記表示手段は、エラー表示を行うことを特徴とする情報提示装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の情報提示装置において、
前記表示手段は、使用者からの入力手段を介した指示に応じて、前記記憶された前記使用量情報を前記圃場毎に表示させることを特徴とする情報提示装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の情報提示装置において、
前記提示手段は、前記供給物質の使用時期に基づく使用制限情報を提示することを特徴とする情報提示装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の情報提示装置において、
前記圃場に対して使用可能な一又は複数の前記供給物質を示す供給物質情報、前記圃場の栽培計画情報を含む圃場に関する情報、及び前記使用者に関する情報が、事前に登録されていることを特徴とする情報提示装置。
【請求項9】
所定の品目を栽培するための圃場に供給すべき農薬及び肥料の少なくとも何れか一方の供給物質の使用前に、使用者に対して当該供給物質の使用制限に関する使用制限情報を提示し且つ当該供給物質の少なくとも使用量を示す使用量情報を記憶する情報提示方法であって、
複数の前記供給物質のそれぞれについての使用制限回数及び使用実績回数を記憶する工程と、
使用者により入力手段を介して選択された圃場に対して使用可能な一又は複数の前記供給物質を示す供給物質情報を表示させる工程と、
前記表示された供給物質のうちから選択された一の前記供給物質についての使用制限回数に基づく使用制限情報を提示する工程と、
前記選択された一の前記供給物質についての使用実績回数が使用制限回数に達していない場合には、当該供給物質の少なくとも使用量の入力を使用者に対して促す工程と、
前記促しに応じて前記使用者により入力手段を介して入力された使用量を示す使用量情報を、前記圃場を示す圃場情報に対応付けて記憶し且つ当該供給物質についての使用実績回数に1加算して記憶する工程と、
を備えることを特徴とする情報提示方法。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報提示装置として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項11】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報提示装置において記憶されている前記使用者に関する情報、前記供給物質に関する情報、前記圃場に関する情報、当該圃場における作業についての記帳情報、及び当該圃場の土壌情報を取得し当該情報に基づいて所定の処理を行う情報処理装置を備える農業教示システムであって、
前記情報処理装置は、
前記使用者に関する情報、前記供給物質に関する情報、前記圃場に関する情報、前記記帳情報、及び前記土壌情報のうちの少なくとも何れか1つの情報を複数の前記情報提示装置から取得する情報取得手段と、
前記複数の前記情報提示装置から取得した情報を表示させる制御手段と、
を備えることを特徴とする農業教示システム。
【請求項12】
請求項11に記載の農業教示システムにおいて、
前記情報処理装置は、前記閲覧データを、ネットワークを介して接続された端末装置に送信して表示させるものであって、
前記情報処理装置は、前記端末装置において指定された条件を満たす圃場を特定し、当該特定した圃場についての情報を抽出する抽出手段を更に備え、
前記制御手段は、前記抽出した情報が対比可能なように一覧形式で記述された閲覧データを作成してこれを前記端末装置に送信して表示させることを特徴とする農業教示システム。
【請求項13】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報提示装置において記憶されている、生産者の圃場における作業についての記帳情報を取得し当該情報に基づいて所定の処理を行う情報処理装置を備える農業教示システムであって、
前記情報処理装置は、
前記記帳情報を複数の前記情報提示装置から取得する情報取得手段と、
前記取得された記帳情報から計算対象のパラメータを抽出し、抽出したパラメータに基づいて生産者毎の評価値を算出する評価値算出手段と、
前記算出された評価値に基づく情報を表示させる制御手段と、
を備えることを特徴とする農業教示システム。
【請求項14】
請求項13に記載の農業教示システムにおいて、
前記抽出されるパラメータは複数種類あり、
前記評価値算出手段は、各前記パラメータに応じた重み付けを前記評価値の算出に用いることを特徴とする農業教示システム。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の農業教示システムにおいて、
前記抽出されるパラメータは複数種類あり、
前記評価値算出手段は、各前記パラメータの大小に応じて算出される得点を積算して前記評価値を算出することを特徴とする農業教示システム。
【請求項16】
請求項13乃至15の何れか一項に記載の農業教示システムにおいて、
前記制御手段は、前記算出された評価値のうち最も高い評価値に対応する生産者に関する情報を表示させることを特徴とする農業教示システム。
【請求項17】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報提示装置において記憶されている前記使用者に関する情報、前記供給物質に関する情報、前記圃場に関する情報、当該圃場における作業についての記帳情報、及び当該圃場の土壌情報を取得し当該情報に基づいて所定の処理を行う情報処理装置を用いた農業教示方法であって、
前記情報処理装置は、
前記使用者に関する情報、前記供給物質に関する情報、前記圃場に関する情報、前記記帳情報、及び前記土壌情報のうちの少なくとも何れか1つの情報を複数の前記情報提示装置から取得する工程と、
前記複数の前記情報提示装置から取得した情報を表示させる工程と、
を備えることを特徴とする農業教示方法。
【請求項18】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の情報提示装置において記憶されている、生産者の圃場における作業についての記帳情報を取得し当該情報に基づいて所定の処理を行う情報処理装置を用いた農業教示方法であって、
前記情報処理装置は、
前記記帳情報を複数の前記情報提示装置から取得する工程と、
前記取得された記帳情報から計算対象のパラメータを抽出し、抽出したパラメータに基づいて生産者毎の評価値を算出する工程と、
前記算出された評価値に基づく情報を表示させる工程と、
を備えることを特徴とする農業教示方法。
【請求項19】
コンピュータを、請求項11乃至16の何れか一項に記載の農業教示システムに備えられる情報処理装置として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図7】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−28005(P2009−28005A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−197279(P2007−197279)
【出願日】平成19年7月30日(2007.7.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(507256153)株式会社ジェイ エスキューブ (4)
【Fターム(参考)】