説明

情報端末装置で実行されるプログラム

【課題】ポストペイ方式を採用した電子決済においても、ユーザの使いすぎを未然に防止できる管理サーバやプログラムを提供する。
【解決手段】決済を管理する管理サーバとの間で、読取書込装置を介して無線通信を行う携帯可能な端末装置の制御部が実行する制御プログラムであって、前記端末装置は、入力部と、表示部と、時計部とを有し、当該表示部に表示するため累積決済金額データ及び日時データと今回決済した単位決済金額データと、更に、直前に決済した日時データと直前の決済から今回の決済までの期間を定めた所定期間を記憶する記憶部とを備えてなり、前記制御プログラムは前記記憶部に記憶した前記直前に決済した日時データと前記今回の決済の日時データが前記所定の期間内であった場合、前記表示部に前記累積決済金額データと、今回決済された単位決済金額データを表示し、前記入力部の操作が行われて初めて前記今回の決済金額データの表示を消去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
情報端末装置で行われた決済を管理する管理サーバ及び決済が行われる情報端末装置で実行されるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、おサイフケータイ(登録商標)と称され、市場に投入されている決済サービスが存在する。このサービスは、外部とのデータの送受信が非接触で可能な非接触ICカードを内蔵させた携帯電話を用いるものである。外部の決済サーバと通信回線網(有線/無線)を通じて接続されたPOSに接続されたカードインターフェイスモジュールに携帯電話をかざして、携帯電話内の非接触ICカードで認証を行って、認証処理後に決済を行う。
このおサイフケータイで行われる決済の多くは、プリペイド方式の電子決済で行われているが、クレジットカード会社との連携によりポストペイ方式でカード決済を行えるようなものも存在する。このような電子決済において、決済の安全や信頼を高めるために、従来からセキュリティに関する提案がされている(たとえば、特許文献1参照)。これは、カードの決済額が過去に利用した累積決済額を超えた(異常決済)場合には、ユーザ認証を行うものである。
このようなおサイフケータイに限らず、異常決済が行われた場合、カード会社によっては、カード所有者に対してオペレータから電話が入って口頭で確認を行う人為的サービスを実行しているところも存在する。また、最近では、コンビニやスーパーなどにおける小額決済に限って、サインや暗証番号の入力を不要としているカード会社も存在する。暗証番号の入力を前提として決済を実行するものとしては、特許文献2が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2006−148463号公報
【特許文献2】 特開2003−016398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現金を用いて決済を行う場合には、物理的に紙幣や貨幣などを移動させる行為があるために、使用者が感覚的に使用した金額を把握することができ、手持ちの紙幣や貨幣を超えての買い物は行うことができない。しかし、電子決済の場合には、視覚的に見える物としてのお金が動くわけではなく、電子マネーが電子的に移動する。よって、当初は、プリペイド方式のEdy(エディ)(登録商標)や航空会社がマイル(搭乗距離)等から独自の電子マネーをポイント換算してカード内のICにチャージして使用するマイレージシステムのようなものが多かった。さらに、近年では、上述したように、ポストペイ方式で、予め設定された限度額で決済する方式が徐々に採用されつつある。ここで問題になるのが、使いすぎである。ところが、上述した従来技術は、業者サイドからのセキュリティ性の提案や、他人による不正使用等の事故が発生しても、使用限度額を低く抑えるような観点からの技術の提案でしかなかった。
また、プリペイド方式の場合には、予めデポジットした金額が表示されるようになっているが、ポストペイ方式の場合にはデポジットされていないのでこのような表示はなされないし、限度額とその時点までの金額に関しても個人情報の漏洩などから表示されない。個人情報の漏洩で懸念される問題から、例えば、店舗などのPOSに個人のカードの累積使用金額データを送信しない方が好ましい。想像すれば明らかであるが、店舗の店員などの個人の累積決済金額が知られてしまうことは誰しも好まないはずである。
さらに、ポストペイ方式で問題となると想定されるのが、前述したように暗証番号が不要な小額決済の場合である、自らがカードリーダに携帯電話やICカードをかざして決済を実行するのであれば、問題が発生する可能性も低くなるが、店員に携帯電話やカードを預けて決済を行う場合には、間違って複数回の決済が行われてしまったり、購入していない商品の決済が不正に行われた後に真性な決済が行われたりすると、例え、カード利用控えとしてのレシートを返却してもらったとしてもカードの所有者は不正にカードが利用されたことを、月次の精算書が郵送されてくるまでは気づくことがないであろう。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ポストペイ方式を採用した電子決済においても、ユーザの使いすぎを未然に防止できるプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
決済を管理する管理サーバとの間で、読取書込装置を介して無線通信を行う携帯可能な端末装置の制御部が実行する制御プログラムであって、
前記端末装置は、入力部と、表示部と、時計部とを有し、当該表示部に表示するため累積決済金額データ及び前記時計部で得られた日時データと関連して記憶される今回決済した単位決済金額データと、更に、直前に決済した日時データと直前の決済から今回の決済までの期間を定めた所定期間を記憶する記憶部とを更に備えてなり、前記制御プログラムは前記端末装置の制御部に以下の処理を実行する、前記記憶部に記憶した前記直前に決済した日時データと前記今回の決済の日時データが前記所定の期間内でなあった場合に前記表示部に前記累積決済金額データと、今回決済された単位決済金額データを表示し、前記入力部の操作が行われて初めて前記今回の決済金額データを表示消去する。
前述した後払い方式とは、いわゆるポストペイ方式を意味し、決済をした後に、その清算処理を行う方式である。本明細書において、決済とは、ユーザが商品またはサービスの代価として金を支払う意思を示すデータを、決済端末を介して送信する電子決済を意味する。すなわち、後払い方式においては、決済の意思表示をした後に、商品またはサービスの代価として金を支払う場合に、硬貨や紙幣などの実際の現金で支払うのではなく、電子データを送受信することによって決済に対応した清算として支払いを行うことを意味する。
また、決済情報は、決済を行ったユーザを識別する情報、決済が行われた日時、その決済で用いられるクレジット番号、決済が行われた加盟店(店舗)、決済の対象となった商品やサービス、決済金額などの決済に関連する情報をいう。
上述した構成によれば、所定期間に決済された決済金額の総額(累積決済金額)を情報端末装置に送信する。情報端末装置のユーザは、累積決済金額について認識することができるので、使いすぎているか否かについて判断したり自覚したりすることができ、後払い方式においても適切にかつ計画的に使用することができる。
一般的に、決済端末装置はユーザの手の届くところに設置されるが、店舗によっては、例えばテーブル会計等、一旦店員に決済端末装置を預け、店員がユーザとして決済を代行する場合がある。このような場合に、ユーザは、例えば、同席者との関係等により、どの決済サービスシステムを用いるかを口頭で店員に伝え難い場合がある。本発明によれば、決済を行う前に、事前に、どの決済サービスシステムを利用するかを設定しておけるので、利便性に優れる。
一般的に、決済端末装置はユーザの手の届くところに設置されるが、店舗によっては、例えばテーブル会計等、一旦店員に決済端末装置を預け、店員がユーザとして決済を代行する場合がある。このような場合に、ユーザは店員による決済が適正に行われたか否かを事後的に確認したいという要請がある。また、そのような事後的な確認機能を備えていれば、店員による不正決済を未然に防ぐ抑止力となり、延いては決済サービスの普及に寄与する。
例えば、後払い方式により決済機能を有する決済サービスシステムにおけるユーザの使用限度額が50万円である場合、システム上では50万円まで使用することが可能であるが、実際にユーザが50万円まで使うことは稀であり、ユーザは、システム上での使用限度額とは別に、自分のなかでの限度額(例えば月極めのお小遣い等)を決めていることが多い。従来、その自分のなかでの限度額を決めていたのは「財布」であった。すなわち、ユーザは、財布に、使用可能な額の現金だけを入れることにより、事実上、自分のなかでの限度額を決めていたのである。しかし、情報端末装置を用いた決済では、「財布」の役割を担うものがなかったため、ユーザは、あとどれくらい使用してもよいのか(即ち、「財布」のなかの残金)を把握できないという問題があった。本発明は、この課題を見事に解決したものである。
差額を数値的に表示することは、数値自体の表示だけではなく、例えば、目盛を用いた表示、絵柄の数による表示等、数値を可視化した表示を含む概念である。
また、差額を段階的に評価した評価結果としては、特に限定されず、例えば、対比金額に対する差額の割合が20%以上であれば、情報端末装置に設けられたランプが青色に点灯し、該割合が20%未満10%以下になると、ランプが黄色に点灯し、該割合が10%未満0%以上になると、ランプが赤色に点灯する、というように、対比金額に対する差額の割合を段階的に評価したものや、差額が1万円以上であれば、決済データを受信した際にランプが所定期間にわたって点灯し、差額が5000円以上1万円未満であれば、ランプが比較的低速で点滅し、差額が5000円未満であれば、ランプが比較的高速で点滅するというように、差額自体を段階的に評価したものであってもよい。なお、差額の評価は、累積決済金額と対比金額とを評価することによって行ってもよい。
従来、「財布」の内容を確認するのは、通常、決済を行うタイミングであり、このときに、財布の内容が確認されていたので、別途、財布の内容を確認するために財布を開く必要はなかった。しかし、決済サービスシステムでは、決済時に残り使用可能金額を確認することができず、別途、インターネットを介して、ウェブ上で残り使用金額を確認しなければならないため、例えば、ログインのためのユーザ名やパスワードの入力、ダウンロードに要する時間等、アクセスの手間が煩雑であった。また、電波状況によっては、インターネットを介して、残り使用可能金額を行えない場合もあった。このような事態は、実際の「財布」に置き換えれば、「財布」を開いて内容を確認する手間が煩雑であったり、周辺環境によって「財布」を開いて内容を確認することができなかったりする事態であり、ユーザの利便性の観点から好ましい事態ではなかった。本願発明は、このような問題を見事に解決し、決済サービスシステムにおける情報端末装置を「財布」に近づけ、決済サービスシステムの利便性を高めるものである。
なお、決済サービスシステムとしては、特に限定されず、既存のシステムとしては、例えば、Edy(登録商標)、Suica(登録商標)、nanaco(登録商標)、WAON(登録商標)、ICOCA(登録商標)、PASMO(登録商標)等の先払い方式(プリペイド)の決済サービスシステム、iD(登録商標)、QUICPay、PiTaPa(登録商標)等の後払い方式(ポストペイ)の決済サービスシステムを挙げることができる。
【発明の効果】
【0006】
携帯可能は情報端末装置を用いて電子決済を、表示部の決済金額によって決済額を確認することが可能となる。また、決済データがカードや携帯電話などの携帯可能な情報端末装置の表示部で表示されるので、例えば、情報端末装置を預けて他人が決済した場合でも返却された情報端末装置の表示部の決済金額によって決済額を確認することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】 第1実施形態の決済管理システム100の概要を示すブロック図である。
【図2】 管理サーバ140の機能の概略を示すブロック図である。
【図3】 携帯電話10の機能の概略を示すブロック図である。
【図4】 ICカード50の機能の概略を示すブロック図である。
【図5】 管理サーバ140で実行される決済金額データを処理するためのサブルーチンを示すフローチャートである。
【図6】 管理サーバ140で実行される累積期間を設定するためのサブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】 管理サーバ140のデータベースに記憶される決済データベース150(a)と、累積期間データベース152(b)とを示す表である。
【図8】 携帯電話10で実行される累積決済金額を表示するためのサブルーチンを示すフローチャートである。
【図9】 携帯電話10の表示部16に表示される累積金額の例を示す図である。
【図10】 ICカード50で実行される累積決済金額を印字するためのサブルーチンを示すフローチャートである。
【図11】 ICカード50の表面に印字される累積金額の例を示す図である。
【図12】 変形例のフローチャートである。
【図13】 第2実施形態に係るICカード550を模式的に示す正面図である。
【図14】 ICカード550の内部構成を示すブロック図である。
【図15】 ICカード550で実行される決済サービスシステム選択処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図16】 (a)〜(d)は、図15に示す処理が実行されるときに表示装置554に表示される画像を模式的に示す図である。
【図17】 ICカード550で実行される対比金額設定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図18】 (a)〜(c)は、図17に示す処理が実行されるときに表示装置554に表示される画像を模式的に示す図である。
【図19】 報知態様選択テーブルの一例を示す図である。
【図20】 ICカード550で実行される決済完了表示処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図21】 履歴テーブルの一例を示す図である。
【図22】 (a)〜(c)は、表示装置554に表示される決済履歴画像を模式的に示す図である。
【図23】 ICカード550で実行される決済サービスシステム切替処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図24】 (a)、(b)は、図23に示す処理が実行されるときに表示装置554に表示される画像を模式的に示す図である。
【図25】 第2の実施形態に係る決済管理システムにおいて実行される処理を示すフローチャートである。
【図26】 ICカード550で実行されるデポジット決済処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
<<決済管理システム100の概要>>
図1は、本発明の実施の形態の決済管理システム100の概要を示すブロック図である。決済管理システム100は、主に、決済端末120と管理サーバ140とからなる。
<決済端末120>
決済端末120は、読取書込装置122を有する。読取書込装置122は、携帯電話10やICカード50と通信をするための装置であり、いわゆるリーダ/ライタである。携帯電話10やICカード50には非接触ICチップ(後述する22及び58)が設けられており、非接触ICチップを介して、携帯電話10やICカード50は、読取書込装置122と通信をすることができる。なお、非接触ICチップだけでなく、接触ICチップなどの読取書込装置122と通信できる素子を、携帯電話10やICカード50に設けてもよい。
決済端末120は、携帯電話10やICカード50に設けられた非接触ICチップと読取書込装置122とを介して、携帯電話10の記憶部18やICカード50の記憶部56に記憶された各種のデータや情報を、携帯電話10やICカード50から取得することができる。
なお、携帯電話10やICカード50に設けられた非接触ICチップと読取書込装置122との間の通信は、双方向通信可能である。したがって、携帯電話10やICカード50から読取書込装置122にデータや情報を送信することができるとともに、読取書込装置122から携帯電話10やICカード50に対してもデータや情報を送信することができる。このようにしたことにより、後述するように、累積決済金額を管理サーバ140で算出し、その累積決済金額を管理サーバ140から携帯電話10やICカード50に送信でき、送信された累積決済金額を携帯電話10やICカード50で表示することができる。
また、携帯電話10やICカード50と読取書込装置122との間で双方向通信ができる場合には、読取書込装置122から正確な日時を示す日時情報を携帯電話10やICカード50に送信するのが好ましい。このようにすることで、携帯電話10やICカード50において、決済情報を記憶させる場合には、決済した正確な日時を決済情報に含めて記憶させることができる。なお、上述したように、決済情報は、決済を行ったユーザを識別する情報、決済が行われた日時、その決済で用いられるクレジット番号、決済が行われた加盟店(店舗)、決済の対象となった商品やサービス、決済金額などの決済に関連する情報をいう。
例えば、携帯電話10の記憶部18やICカード50の記憶部56に、そのユーザの決済情報を記憶させるように構成した場合には、決済を行った正確な日時を記憶させる必要がある。このため、携帯電話10やICカード50と読取書込装置122との間で双方向通信ができる場合には、読取書込装置122から正確な日時を示す日時情報を送信し、携帯電話10やICカード50において、正確な日時を保つことができるようにするのが好ましい。このように、携帯電話10やICカード50において、決済情報を記憶させるようにした場合には、通信できない環境においても、これまでに行った決済の履歴を表示させることができる。また、通信費をかけることなく、決済の履歴を表示させることができる。
また、セキュリティ等の観点から、携帯電話10やICカード50に設けられた非接触ICチップと読取書込装置122との間の通信が、片方向通信の場合もあり得る。つまり、携帯電話10やICカード50から読取書込装置122にデータや情報を送信することができるが、読取書込装置122から携帯電話10やICカード50に対しては送信することができない場合である。このような場合には、管理サーバ140で算出した累積決済金額を示すメールを生成し、生成したメールを携帯電話10に送信することで、累積決済金額を携帯電話10で表示することができる。
決済端末120は、通信装置124を有する。通信装置124は、主に、通信インターフェイス回路(図示せず)からなる。通信装置124は、読取書込装置122に電気的に接続されている。さらに、通信装置124には、決済ネットワーク130が通信可能に接続されている。後述するように、決済ネットワーク130には、管理サーバ140が通信可能に接続されている。この決済ネットワーク130を介して、決済端末120は、携帯電話10やICカード50から取得した各種のデータや情報を管理サーバ140に送信したり、管理サーバ140から送信された各種のデータや情報を受信したりすることができる。
上述した決済端末120が決済端末装置に相当し、携帯電話10又はICカード50が情報端末装置に相当する。
<管理サーバ140>
管理サーバ140は、図2に示すように、主に、制御部142と記憶部144と通信部146とデータベース部148とからなる。管理サーバ140は、クレジットカード会社やユーザの口座を有する銀行などの各種の金融機関が所有したり管理したりするサーバである。なお、ここでは、クレジットカード会社には、加盟店管理会社(アクワイアラー)やカード発行会社(イシュアー)やブランドなどがある。また、管理サーバ140は、決済や支払いなどを管理することができる機関や組織が所有したり管理したりするサーバであればよい。さらに、管理サーバ140は、金融機関のみならず、金融機関を監視する第三者の機関や組織が所有したり管理したりするサーバでもよい。
制御部142は、主に、CPU(中央処理装置)やROM(リードオンリーメモリ)や入出力バスやI/Oポートなどからなる。ROMには、後述する図5及び図6に示すサブルーチンのプログラムなどの各種の制御用のプログラムが記憶されており、CPUによって所定のタイミングでROMから読み出されて実行される。
記憶部144は、主に、RAM(ランダムアクセスメモリ)などからなる。記憶部144には、図5及び図6に示すサブルーチンが実行されたときに使用される変数の値などが記憶される。
通信部146は、主に、通信インターフェイス回路(図示せず)からなる。通信部146には、決済ネットワーク130が通信可能に接続されている。この通信部146を介して、携帯電話10やICカード50から送信された各種のデータ(ユーザを特定するための識別データを含む)や情報を管理サーバ140で受信したり、管理サーバ140で演算や生成した各種のデータや情報を携帯電話10やICカード50に送信したりすることができる。
データベース部148は、主として、決済データベース150と累積期間データベース152とからなる。
決済データベース150は、決済情報を記憶する。決済情報は、決済が行われた日時、その決済で用いられるクレジット番号、決済が行われた加盟店(店舗)、決済の対象となった商品やサービス、決済金額などの決済に関連する情報をいう。
具体的には、決済データベース150は、図7(a)に示すように、主に、ユーザIDと決済日時と決済金額と決済内容とからなる。ユーザIDは、ユーザ本人であることを認証するための情報であり、ユーザが管理サーバ140における管理の対象となっている者であること示す情報である。決済日時は、携帯電話10やICカード50を決済端末120と通信させることによって決済をした日時である。決済金額は、この決済の対象となった金額であり、ポストペイ方式においては、後日、クレジットカードなどによって清算される金額である。また、決済内容は、決済の対象となった商品や、決済をした商店などの決済の内容を示す情報である。
累積期間データベース152は、図7(b)に示すように、主に、ユーザIDと累積期間の開始日及び終了日とからなる。ユーザIDは、上述したように、ユーザ本人を認証するための情報である。累積期間は、累積決済金額を算出する対象となる決済が行われた期間であり、開始日はその期間の初日であり、終了日はその期間の末日である。
上述した制御部142が累積決済金額制御装置に相当し、記憶部144が決済情報記憶装置に相当する。
<メールサーバ170>
決済管理システム100は、さらに、汎用ネットワーク160を介してメールサーバ170にも接続されている。決済管理システム100は、メールアドレスデータベース172を有する。メールアドレスデータベース172には、ユーザIDとメールアドレスとが関連付けられて記憶されている。ここで、メールアドレスは、ユーザの携帯電話10のものである。
管理サーバ140で算出した累積決済金額を示す情報をユーザIDとともに、汎用ネットワーク160を介して管理サーバ140からメールサーバ170に送信する。メールサーバ170は、累積決済金額を示す情報に基づいてメールを生成する。次いで、ユーザIDに用いてメールアドレスデータベース172を検索して、ユーザIDに対応するメールアドレスを取得する。メールサーバ170は、生成したメールを取得したメールアドレスに送信する。メールサーバ170から送信されたメールは、基地局180を介して携帯電話10に送信される。
このように、累積決済金額を示すメールを携帯電話10に送信することで、累積決済金額を携帯電話10で表示することができる。上述したように、セキュリティ等の観点から、携帯電話10と読取書込装置122との間の通信を片方向通信にせざるを得ない場合もある。このような場合であっても、累積決済金額を示すメールを携帯電話10に送信して、累積決済金額を携帯電話10で表示することができる。
<携帯電話10>
図3は、携帯電話10の機能の概略を示すブロック図である。携帯電話10は、主に、入力部12と制御部14と表示部16と記憶部18と通信部20と非接触ICチップ22とからなる。
入力部12は、主としてキーボードやボタンなどからなり、ユーザが操作することによって、キーボードやボタンに応じた文字情報などを入力することができる。この入力部12をユーザが操作することによって、累積期間の開始日と終了日とを入力して設定することができる。
制御部14は、CPU(中央処理装置)やROM(リードオンリーメモリ)や入出力バスやI/Oポートなどからなる。ROMには、後述する図8に示すサブルーチンのプログラムなどの各種の制御用のプログラムが記憶されており、CPUによって所定のタイミングでROMから読み出されて実行される。
表示部16は、主として、液晶表示ディスプレイからなる。表示部16には、ユーザが入力部12を操作することによって、入力された文字情報などが表示されたり、後述する送受信部24を介して管理サーバ140から送信されてきた各種の情報やデータが表示されたりする。例えば、後述するように、管理サーバ140から送信された累積決済金額を表示部16に表示する。このようにすることで、所定の累積期間に決済した金額の総額をユーザに視認させることができる。
記憶部18は、主に、部分的に書き換え不可の領域と書き換え可能な領域を設定可能なフラッシュメモリからなるRAM(ランダムアクセスメモリ)などからなる。フラッシュメモリを採用することによって、バックアップ電源がなくても消去処理を実行しない限りデータが消去されてしまうことはない。また、記憶部18には、図8に示すサブルーチンが実行されたときに使用される変数の値などが記憶される。さらに、前記記憶部18の書き換え不可に設定している領域には、ユーザを識別するための識別データが記憶されており、書き換え可能に設定している領域には、後述する決済データや累積決済金額データが記憶されている。本実施例では、一つのメモリに領域を分けて書き換え可能な領域と書き換え不可能な領域を形成しているが、これに限定されるものではない。例えば、書き換え可能な領域をマスクROMなどの物理的に書き換え不可としている半導体メモリを採用し、書き換え可能な領域をフラッシュメモリやSRAMを採用して物理的に別々のメモリで構成しても良い。
また、管理サーバ140から送信されてきた各種の情報やデータが記憶される。例えば、管理サーバ140から送信された累積決済金額が記憶部18に記憶される。さらに、ユーザが入力部12を操作することによって、入力された各種の情報なども記憶部18に記憶される。
通信部20は、主に、無線通信インターフェイス回路(図示せず)からなる。通信部20には、通信部20を介して、携帯電話10の近くの基地局180と無線通信を行うことができる。この無線通信により音声情報の送受信を行うことができる。携帯電話10には、マイクやスピーカ(図示せず)が設けられており、無線通信による音声情報の送受信により他の携帯電話との間で通常の会話をすることができる。また、基地局180との無線通信により、文字情報や静止画像情報や動画像情報の送受信も、センタサーバや他の携帯電話との間で行うことができる。
非接触ICチップ22は、主に、送受信部24からなる。送受信部24は、アンテナを有し、決済端末120の読取書込装置122との通信を行う。送受信部24を介して、決済端末120の読取書込装置122との通信により受信した決済データ等の各種のデータや情報は、上述した記憶部18に記憶される。また、記憶部18に記憶された各種のデータや情報は、読み出されて、決済端末120の読取書込装置122に送信される。
決済端末120の読取書込装置122の近くでユーザが携帯電話10をかざすことによって、携帯電話10の非接触ICチップ22と決済端末120の読取書込装置122との間で通信をすることができ、この通信によって決済が行われる。決済が行われることに応じて、決済端末120から管理サーバ140に決済情報が送信される。この決済情報には、決済データベース150に記憶されることになるユーザIDと決済日時と決済金額と決済内容とが含まれる。
上述した表示部16が表示装置に相当し、記憶部18が記憶装置に相当する。
<ICカード50>
ICカード50は、薄板状の形状を有し、プラスチック等の可撓性を有する材料からなる。ICカード50は、主に、制御部52と表示部54と記憶部56と非接触ICチップ58とからなる。
制御部52は、CPU(中央処理装置)やROM(リードオンリーメモリ)や入出力バスやI/Oポートなどからなる。ROMには、後述する図10に示すサブルーチンのプログラムなどの各種の制御用のプログラムが記憶されており、CPUによって所定のタイミングでROMから読み出されて実行される。
表示部54は、ICカード50の表面に形成されており、電子ペーパー等のリライタブルペーパーからなる。リライタブルペーパーは、ある温度で顕色剤と結合して発色し,別の温度になると顕色剤と分離して色が消える素材、例えば、ロイコ染料からなる。このように、リライタブルペーパーからなるICカード50を所定の専用プリンタにセットすることによって、ICカード50の表面の印字情報を繰り返し書き換えることができる。なお、リライタブルペーパーとして、コレステリック液晶などの表示素子を使用して書き換え可能にしてもよい。
記憶部56は、主に、RAM(ランダムアクセスメモリ)などからなる。記憶部56には、図10に示すサブルーチンが実行されたときに使用される変数の値などが記憶される。また、管理サーバ140から送信されてきた各種の情報やデータが記憶される。さらに、前記記憶部56の書き換え不可に設定している領域には、ユーザを識別するための識別データが記憶されており、書き換え可能に設定している領域には、後述する決済データや累積決済金額データが記憶されている。本実施例では、一つのメモリに領域を分けて書き換え可能な領域と書き換え不可能な領域を形成しているが、これに限定されるものではない。例えば、書き換え可能な領域をマスクROMなどの物理的に書き換え不可としている半導体メモリを採用し、書き換え可能な領域をフラッシュメモリやSRAMを採用して物理的に別々のメモリで構成しても良い。前記累積決済金額データは、例えば、管理サーバ140から送信されたデータや、ICカード50内の制御部52によって累積加算されたデータが含まれる。
非接触ICチップ58は、主に、送受信部60からなる。送受信部60は、アンテナを有し、決済端末120の読取書込装置122との通信を行う。送受信部60を介して、決済端末120の読取書込装置122との通信により受信した各種のデータや情報は、上述した記憶部56に記憶される。また、記憶部56に記憶された各種のデータや情報は、読み出されて、決済端末120の読取書込装置122に送信される。
決済端末120の読取書込装置122の近くでユーザがICカード50をかざすことによって、ICカード50の非接触ICチップ58と決済端末120の読取書込装置122との間で通信をすることができ、この通信によって決済が行われる。決済が行われることに応じて、決済端末120から管理サーバ140に決済情報が送信される。この決済情報には、決済データベース150に記憶されることになるユーザIDと決済日時と決済金額と決済内容とが含まれる。
上述した表示部54が表示装置に相当し、記憶部56が記憶装置に相当する。
<<決済金額データ処理>>
図5は、管理サーバ140で実行される決済金額データを処理するためのサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、決済端末120において決済処理が行われたか否かを判断する(ステップS511)。この判断は、ユーザが携帯電話10やICカード50を決済端末120にかざすことによって、決済端末120で決済処理が行われたことを示す情報や、決済金額や決済の対象や決済が行われた店舗などの決済処理に関する情報が、決済端末120から管理サーバ140に送信されたか否かを判断することによって行うことができる。
決済端末120において決済処理が行われていないと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。決済端末120において決済処理が行われたと判別したとき(YES)には、決済端末120からユーザIDを受信する(ステップS513)。このユーザIDは、決済をした者を特定できる情報であればよい。具体的には、携帯電話10の使用者やICカード50の所有者を特定できる情報であり、携帯電話10やICカード50のシリアル番号などがある。なお、このユーザIDを受信する処理は、このタイミングで実行しなくてもよい。例えば、携帯電話10やICカード50と決済端末120との間で、通信不能状態から通信可能状態に変化したときのタイミングなどに、ユーザIDを受信するようにしてもよい。
次に、受信したユーザIDを用いて、決済端末120と通信したユーザが正当なユーザであるか否かを判断する(ステップS515)。これは、不正なユーザIDを用いた管理サーバへのアクセスを排除するためのものである。正当なユーザでないと判別したとき(NO)には、正当なユーザでない旨の情報を決済端末120に送信し(ステップS517)、本サブルーチンを終了する。このようにすることで、決済端末120の管理者に正当なユーザでないことを報知することができる。
一方、正当なユーザであると判別したとき(YES)には、決済端末120において行われた決済の金額を示す決済金額データを受信する(ステップS519)。受信した決済金額データと決済日時とをユーザIDに対応付けて決済データベース150に記憶させる(ステップS521)。例えば、図7(a)に示すような決済データベース150に、ユーザIDと決済日時と決済金額とを記憶させる。このようにすることで、ユーザID毎に、決済日時と決済金額の履歴を的確に管理することができる。
次に、管理サーバの決済データベース150を検索して、所定の累積期間内に過去の決済があったか否かを判断する(ステップS523)。ここで、累積期間とは、累積金額を算出するための所定の期間をいう。後述するように、累積期間は、開始日から終了日までの期間であり、開始日及び終了日はユーザが設定することができる。この累積期間における決済金額が、すなわち、開始日から終了日までの間に決済された金額の総和が累積金額となる。
ステップS523の判断処理で、累積期間内に過去の決済があったと判別したとき(YES)には、決済データベース150に記憶されている決済金額のうち、累積期間内にあるものを読み出し、それらの総和を算出して累積決済金額とする(ステップS525)。次に、算出した累積決済金額を決済端末120に送信し(ステップS527)、本サブルーチンを終了する。
上述したステップS523の判断処理で、累積期間内に過去の決済がなかったと判別したとき(NO)には、過去の累積決済金額は存在しない旨を決済端末120に送信する(ステップS529)。この累積期間内に過去の決済がなかったと判別したことは、今回、ステップS519で受信した決済金額しかないことを意味する。このため、決済金額の総和を算出する必要がないので、過去の累積決済金額は存在しない旨を決済端末120に送信すればよい。
後述するように、ステップS527の処理によって、決済端末120に送信された累積決済金額は、携帯電話10又はICカード50に表示される。このように、携帯電話10又はICカード50に累積決済金額を表示することによって、累積期間内における過去の全ての決済金額(累積決済金額)をユーザに視認及び自覚させることができ、使いすぎていないかどうかの判断をする機会をユーザに与えることができる。
さらに、この図5に示した決済金額データ処理において、算出した累積決済金額が所定の金額を超えたか否かを判断し、越えた場合には、ステップS527の処理で、累積決済金額とともに、超えたことを示す情報を情報端末装置に送信するようにしてもよい。このようにすることで、累積決済金額だけでなく、累積決済金額が所定の金額を超えたことも、情報端末装置を介してユーザに報知及び警告することができ、ユーザに使用状況を自覚させる可能性を高めることができる。
また、ユーザは、複数のクレジットカードを使用している場合も多い。このようなことに対応できるように、図7(a)に示した決済データベース150に、クレジットカードの番号も含めるようにする。このようにすることで、複数のクレジットカードを用いて決済をしている場合であっても、クレジットカード毎に累積決済金額を算出できるので、情報端末装置において複数のクレジットカードについての決済を一括して管理できる。また、複数のクレジットカードの各々の累積決済金額の総額を算出して、情報端末装置に送信するようにしてもよい。このようにすることで、複数のクレジットカードを使い分けているような場合であっても、累積決済金額の総額を情報端末装置に表示させて、使用の状況をユーザに認識させることができる。
<<累積期間設定処理>>
図6は、管理サーバ140で累積期間を設定するためのサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、ユーザIDを受信する(ステップS611)。上述したように、携帯電話10の使用者やICカード50の所有者を特定できる情報であり、携帯電話10やICカード50のシリアル番号などがよい。受信したユーザIDを用いて、決済端末120と通信したユーザが正当なユーザであるか否かを判断する(ステップS613)。これは、上述したステップS515と同様の判断処理である。正当なユーザでないと判別したとき(NO)には、本直ちにサブルーチンを終了する。
一方、正当なユーザであると判別したとき(YES)には、開始日を受信したか否かを判断する(ステップS615)。この処理は、例えば、ユーザが携帯電話10のキーを操作することによって入力された開始日を、管理サーバ140が受信したか否かを判断する処理である。開始日を受信したと判別したとき(YES)には、受信した開始日のデータを管理サーバ140の記憶部144に記憶させる(ステップS617)。
次に、終了日を受信したか否かを判断する(ステップS619)。この処理も、例えば、ユーザが携帯電話10のキーを操作することによって入力された終了日を、管理サーバ140が受信したか否かを判断する処理である。終了日を受信したと判別したとき(YES)には、受信した終了日のデータを管理サーバ140の記憶部144に記憶させる(ステップS621)。
なお、上述した開始日や終了日の入力は、携帯電話に限られることはなく、ネットワークを介して管理サーバに通信できるもの、例えば、ネットワークに接続されたパーソナルコンピュータなどでもよい。
上述したステップS621の処理を実行した後、受信した開始日と終了日とで確定するか否かを判断する(ステップS623)。この判断処理は、確定するか否かのメッセージを携帯電話10に送信して、これに応じてユーザが確定する旨の情報を携帯電話10から送信したか否かを判断する処理である。確定しないと判別したとき(NO)には、再び開始日と終了日とを受信できるようにするために、ステップS615に処理を戻す。一方、確定すると判別したとき(YES)には、管理サーバ140の記憶部144に記憶させた開始日と終了日とを累積期間データベース152に記憶させ(ステップS625)、本サブルーチンを終了する。
上述したステップS615の判断処理で、開始日を受信していないと判別したとき(NO)、又はステップS619の判断処理で、終了日を受信していないと判別したとき(NO)には、デフォルトの累積期間を設定し(ステップS627)、デフォルトの累積期間を累積期間データベース152に記憶させ(ステップS625)、本サブルーチンを終了する。
上述したデフォルトの累積期間は、予め定められた期間であり、例えば、毎月26日を開始日とし、その翌月の25日を終了日とした1ヶ月間を累積期間とすることができる。また、クレジット会社などの金融機関の毎月の締め日を終了日にし、その前月の締め日の次の日を開始日にしてもよい。このようにすることで、ユーザの作業処理を煩雑にすることなく、開始日と終了日と定めて累積期間を設定することができる。
上述したように、ユーザは、複数のクレジットカードを使用している場合も多い。このようなことに対応できるように、図7(b)に示した積期間データベース152に、クレジットカード毎の累積期間を含めるようにしてもよい。このようにすることで、複数のクレジットカードを用いて決済をしている場合であっても、クレジットカード毎に期間を定めて、累積決済金額を算出できるので、情報端末装置において複数のクレジットカードについての決済を一括して管理できる。
<<累積決済金額表示処理>>
図8は、携帯電話10で実行される決済金額又は累積決済金額を表示するためのサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、管理サーバ140から累積決済金額が送信されたか否かを判断する(ステップS811)。管理サーバ140から累積決済金額が送信されたと判別したとき(YES)には、送信された累積決済金額を表示部16に表示して(ステップS813)、本サブルーチンを終了する。
このようにすることで、管理サーバ140から累積決済金額が送信されたときには、累積決済金額が表示部16に直ちに表示されるので、ユーザは累積決済金額を視認することによって、使いすぎているか否かを迅速に判断することができる。例えば、図9(b)に示すような画面が、携帯電話10の表示部16に表示される。この図9(b)に示した例では、累積期間の開始日及び終了日と、その累積期間における累積決済金額と、その金額が所定の口座から引き落とされる支払日とが、累積決済金額が表示部16に表示される。
ステップS811の判断処理で、管理サーバ140から累積決済金額が送信されていないと判別したとき(NO)には、携帯電話10で対応しているICカードを示す画像を表示する(ステップS815)。この画像は、いわゆるアイコンとしての機能を有し、例えば、ICカードに対応するクレジットカード会社のロゴなどの画像であるのが好ましい。このようにすることで、選択すべきICカードをユーザに認識させやすくすることができる。
上述したステップS815の処理を実行することにより、図9(a)に示すような画面が、携帯電話10の表示部16に表示される。この図9(a)では、A〜Iの9種類のICカードを示す画像が表示される。このように表示することで、ICカードの選択をユーザに促すことができる。
次に、携帯電話10の入力部12をユーザが操作することによってICカードが選択されたか否かを判断する(ステップS817)。ユーザによってICカードが選択されなかったと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS817の判断処理で、ユーザによってICカードが選択されたと判別したとき(YES)には、累積決済金額を表示するか否かを判断する(ステップS819)。この判断処理は、携帯電話10の入力部12をユーザが操作することによって累積決済金額を表示する選択がされたか否かを判断する処理である。
ステップS819の判断処理で、累積決済金額を表示すると判別したとき(YES)には、累積決済金額のデータが携帯電話10の記憶部18に記憶されているか否かを判断する(ステップS821)。累積決済金額のデータが携帯電話10の記憶部18に記憶されていないと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。
一方、累積決済金額のデータが携帯電話10の記憶部18に記憶されていると判別したとき(YES)には、累積決済金額のデータを記憶部18から読み出し(ステップS823)、読み出した累積決済金額を表示部16に表示して(ステップS813)、本サブルーチンを終了する。
このステップS813の処理を実行することによって、上述したように、図9(b)に示すような画面が、携帯電話10の表示部16に表示される。
一方、上述したステップS819の判断処理で、累積決済金額を表示しないと判別したとき(NO)には、決済金額のデータが携帯電話10の記憶部18に記憶されているか否かを判断する(ステップS825)。この決済金額のデータは、これまでに、ユーザが決済した少なくとも一つの決済の金額データであり、過去の決済の履歴を示すデータを意味する。決済金額のデータが携帯電話10の記憶部18に記憶されていないと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。
一方、決済金額のデータが携帯電話10の記憶部18に記憶されていると判別したとき(YES)には、決済金額のデータを記憶部18から読み出し(ステップS827)、読み出した決済金額を表示部16に表示して(ステップS829)、本サブルーチンを終了する。
上述したステップS829の処理を実行することにより、図9(c)に示すような画面が、携帯電話10の表示部16に表示される。この図9(c)に示した例では、決済をした年月日と、そのときの決済金額とが、少なくとも一つ、例えば5回分の決済について、表示部16に表示される。
このように、決済をした年月日とそのときの決済金額とを携帯電話10の表示部16に表示することで、過去の決済の履歴をユーザに示すことができ、使いすぎているか否かを認識させることができるほか、他の者によって不正に決済されていないかどうかも、ユーザに確認させることができる。
この図8に示した累積決済金額表示処理において、ステップS813の処理によって、累積決済金額を表示部16に表示した後、所定の時間、例えば30秒経過したときに、表示部16に表示した累積決済金額を非表示にするのが好ましい。このようにすることで、他人が表示部16を見るようなことがあっても、すぐに見えなくなってしまうので、ユーザの個人情報を的確に保護することができる。
<<累積決済金額印字処理>>
図10は、ICカード50で実行される累積決済金額を印字するためのサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、ICカード50が印字可能な状態にあるか否かを判断する(ステップS1011)。上述したように、ICカード50の表面の所定の領域には、リライタブルペーパー、例えば電子ペーパーが設けられている。このリライタブルペーパーは、専用のプリンタによって、印字する情報を書き換えることができる。ステップS1011の判断処理は、このICカード50が専用プリンタにセットされて、リライタブルペーパーの部分を書き換えできる状態にあるか否かを判断するものである。ステップS1011の判断処理でICカード50が印字可能な状態にないと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS1011の判断処理でICカード50が印字可能な状態であると判別したとき(YES)には、ICカード50の記憶部56に累積決済金額が記憶されているか否かを判断する(ステップS1013)。上述したように、累積決済金額は、非接触ICチップ58を介して決済端末120と通信を行ったときに、決済端末120から送信され、ICカード50の記憶部56に記憶される。ステップS1013の判断処理で、ICカード50の記憶部56に累積決済金額が記憶されていないと判別したとき(NO)には、直ちに本サブルーチンを終了する。
ステップS1013の判断処理で、ICカード50の記憶部56に累積決済金額が記憶されていると判別したとき(YES)には、ICカード50の記憶部56に記憶されている累積決済金額のデータを読み出し(ステップS1015)、その累積決済金額をICカード50の表面に印字し(ステップS1017)、本サブルーチンを終了する。
ICカード50の印字用のプリンタが決済端末120に備えられているときには、決済端末120との通信とともに、累積決済金額の印字をすることができる。一方、ICカード50の印字用のプリンタが決済端末120に備えられていない場合には、ICカード50の印字用のプリンタにICカード50をセットすることによって、累積決済金額の印字をすることができる。
このようにすることで、図11に示すようにICカードの表面の下部に、累積決済金額が、「TOTAL:¥===,===,===」のように印字される。累積決済金額をICカードの表面に印字するようにしたことで、その時点における累積決済金額をユーザに視認させることができ、使いすぎていないかどうかを判断させることができる。また、ICカードの表面の面積やレイアウトとの関係で、図9(c)と同様の決済金額の履歴も印字するようにしてもよい。決済金額の履歴も印字することによって、他人によってICカードが不正に使用されていないかどうかもユーザは容易に確認することができる。なお、この決済金額の履歴の情報は、個人情報の保護やセキュリティの観点から、ICカード50の記憶部56には記憶させないようするのが好ましい。
携帯電話10又はICカード50に設けられた非接触ICチップ(22及び58)と決済端末120の読取書込装置122との間で双方向通信を行うことができる場合には、管理サーバ140から送信された累積決済金額を、読取書込装置122を介して携帯電話10やICカード50に送信することができる。携帯電話10やICカード50は、送信されてきた累積決済金額を表示することができる。携帯電話10の場合には、送信されてきた累積決済金額を、携帯電話10の表示部16に表示することができる。また、ICカード50の場合には、ICカード50の記憶部56に累積決済金額を記憶させておき、ICカード50が印字用のプリンタにセットされたときに、ICカード50の表面に形成されている表示部54に累積決済金額を印字する。例えば、ICカード50は、表面の表示部54をいわゆる電子ペーパーから構成し、繰り返し印字と消去とができる(書き換え(リライト)可能な)ものであればよい。
携帯電話10のアプリケーションプログラムによって、図5及び図6に示したフローチャートと同様の処理を実行するようにしてもよい。このようにすることで、携帯電話10は、管理サーバ140と同様の処理を実行することができ、累積金額を算出することができる。携帯電話10は、管理サーバ140と通信をすることなく、累積金額を算出して表示することができるので、通信費を安価にしたり、管理サーバ140と通信できない環境でも累積金額を表示したりすることができる。
本発明の実施の形態に係る特徴によれば、所定期間に決済された決済金額の総額(累積決済金額)を情報端末装置に送信するので、情報端末装置のユーザは、累積決済金額について認識することができる。すなわち、本発明の実施の形態に係る特徴は、累積決済金額をユーザが所有する情報端末装置に表示できるようにするものである。したがって、店舗に設置された決済端末に決済金額が表示されるものとは異なる。また、本発明の実施の形態に係る特徴は、後払い方式においてユーザが使いすぎることを防止するためのものである。したがって、プリペイド方式のICカードなどに残額が表示されるものとも異なる。
(変形例)
【0009】
以上説明したのが、管理サーバで累積決済金額を演算したデータを携帯電話やカードの表示領域に表示する方式である。しかし、前述したように個人情報の漏洩の問題から店舗などに設置される決済端末装置(いわゆるPOS)に、ある特定の個人の累積決済金額データを送信しない方式を採用したい場合が想定される。この想定に基づいて携帯可能な情報端末装置を以下に説明する。
ハードとしては、前述した図3と図4のハードブロック図に一点鎖線で示す時計部25と59を備えている。また、前記記憶部18及び記憶部56には、外部の決済端末装置から受信した決済データを制御部14及び52の制御の下で累積的に和を演算する演算プログラムと、累積決算金額データを累積的に加算処理する期間を管理する時限管理プログラムと、累積決済金額データの累積開始と、ゼロリセットする時期を示す時限データとを記憶している。前記時限データは、前述した入力部12の入力操作によって設定変更することもできるのは勿論である。
また、カード50の表示部54では、電子ペーパーに使用される液晶シートを採用している。変形例における携帯電話10とICカード50の決済が終了してから決済データと累積決済データが表示されるまでの制御フローは、同様の制御となるので、図12に基づいて一挙に説明する。
まず、POSなどの店舗における決済金額の入力が可能な入力インターフェイスを供えた決済端末装置として決済端末120に対して、ユーザが決済する金額の入力を受け付ける(ステップS1−1)。なお、決済端末120における各処理は、図示しない制御部によって実行される。
次に、前記インターフェイスを通じて金額の入力がなされて、電子決済を実行する入力がなされた場合、前記決済端末120は、読取書込装置122(いわゆるカードリーダ)を有効化して、携帯電話10又はICカード50に対して識別データを要求する受付処理を実行する(ステップS1−2)。
この処理中に前記携帯電話10又はICカードを読取書込装置にかざすと、前述したように、携帯電話10又はICカード内のアンテナを通じて電磁誘導起電力が発生し、記憶部18又は56の書き換え不可の領域に記憶されている識別データを要求する信号が、携帯電話10又はICカード50の通信部20又は送受信部60を通じて送信される。
この要求信号を携帯電話10又はICカード50が受信(ステップS1−3)すると、携帯電話10又はICカード50の制御部14,52は、記憶部18,56に記憶している識別データを送受信部24,60を介して、前記決済端末120に送信する(ステップS1−4)。
この識別データを決済端末120が受け取ると、決済端末120の図示しない制御部は、予め定められた識別データに対応したアドレスに位置する管理サーバ140へ受信した識別データと決済しようとしている決済金額データを転送する(S1−5)。
管理サーバ140が、決済端末120から受け取った識別データを受信すると、識別データに対応するユーザに対して定められた限度金額をその決済金額で決済をしても超えることがないか、或いは、その識別データに対応するカードが失効していなかをチェックする決済処理を実行する(ステップS1−6)。
ステップS1−6における決済の結果を、決済端末120へ可否信号として送信する(S1−7)。一方、ステップS1−6の判定結果が決済可能との判定であった場合には、前述したように累積決済金額をデータ更新する処理を実行する(ステップS1−8)。
次に、この可否信号を決済端末120が受信する(ステップS1−9)と、管理サーバ140の制御部142の決済処理によって、決済が不可能であったのか、それとも可能であったのかについての判定を決済端末120の制御部が実行する(ステップS1−10)。
ステップS1−10の判定結果が決済不可であった場合、図示しない決済端末120の表示部にエラー表示を実行する(S1−11)。
ステップS1−10の判定結果が決済可能であった場合、決済端末120の制御部は前記決済端末120に決済完了の旨を音声又は表示によって示す処理を行うとともに、携帯電話10又はICカード50の送受信部24,60を介して決済可データとしての決済金額データを送信する(S1−12)。
ステップS1−12で送信された携帯電話10又はICカード50決済金額データを受信すると、携帯電話10又はICカード50の制御部14,52は、時計部25,59によって得られる現時点の日時データが、記憶部18又は56に記憶された直前に決済した日時データとの比較において、同記憶部18又は56に記憶された所定期間内を跨っていないかを判定する(ステップS1−13)。つまり、直前の決済日から所定期間内での決済かどうかを前記時限管理プログラムと制御部14,56によって実行する。
所定期間内での決済で無かった場合、記憶部18,56に記憶された累積決済金額データをゼロリセットして、今回、決済された決済金額データを新たなデータとして記憶する準備を実行する(ステップS1−14)。
ステップS1−13で所定期間内の決済であったと制御部18,56が判定したか、或いは、ステップS1−14において、所定期間に無かったとしてゼロリセット処理が実行された後に、記憶部18と56に記憶された累積決済金額データに、今回決済する単位の決済金額データを加算する処理を、前記演算プログラムに基づいて制御部18,56が実行し、その更新された累積決済金額を記憶部18,56に記憶する(ステップS1−15)。
そして、記憶部18,56に更新記憶された累積決済金額データと、今回決済された単位決済金額データが携帯電話10又はICカード50の表示部16,54である液晶に表示される(ステップS1−16)。
このように、本変形例においては、管理サーバ140での累積決済金額データを得るための演算処理が、前述した実施形態とは異なり全く独立して携帯電話10又はICカード50内で実行されることになるので、個人のカード使用限度金額や累積決済金額が第三者に漏れる恐れが解消でき得る。また、携帯電話10の入力部12によって、累積決済金額を演算及び表示する期間を設定できるようにすれば、ユーザライクな期間での累積決済金額を表示することができるようになる。
さらに、今回の決済金額データを表示消去する場合、携帯電話10の入力部の入力の操作で初めて実行可能とし、更に、記憶部18には累積決済金額だけでなく、単位の決済金額データと決済日時も前記演算プログラムに基づいて制御部14が記憶するようにしているので、後に、直前の決済金額を確かめることが可能となる。
これによって、携帯電話10を店員に預けて決済してもらう場合でも、間違ってか或いは不正に複数回決済されたとしても、携帯電話10で直前と少なく1回以上前の決済金額と決済日時を表示することによって、間違いや不正がなかったかをその場で確認することができる。
一方、ICカード50の場合でも、携帯電話10と同様に、表示状態を保持する液晶の表示部54に対して、直前と少なくとも一回以上前に決済した決済金額データが表示されるので、間違いや不正がなかったかをその場で確認することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態は、以下において説明を行わない限り、第1実施形態(その変形例を含む)と同様である。従って、第1実施形態(その変形例を含む)と同様の構成又はステップについては、同様の符号を付し、その説明を省略することとする。
なお、第2実施形態における決済サービスシステム「Fhy」、「iB」及び「QIUNPai」は、説明の便宜上用いる架空の決済サービスシステムである。「Fhy」は、先払い方式(プリペイド)の決済サービスシステムであり、「iB」及び「QUINPai」は、後払い方式(ポストペイ)の決済サービスシステムである。また、「iB」及び「QUINPai」は、それぞれ別個に、預金口座からの引き落とし日が予め定められている。
<ICカード550>
図13は、第2実施形態に係るICカード550を模式的に示す正面図である。
第2実施形態においては、ICカード50にかえて、ICカード550が使用される。
ICカード550は、カード形状を有しており、その前面の中央部に表示装置554が設置されている。表示装置554は、液晶表示装置であり、その表面には、タッチパネル557(図示せず)が設けられている。また、背面には、スピーカ561(図示せず)が設けられている。側面には、所謂ジョグダイヤル555が設置されている。
ICカード550は、情報端末装置に相当する。表示装置554は、表示部に相当する。タッチパネル557及びジョグダイヤル555は、入力部に相当する。
表示装置554に表示された画像は、決済サービスシステム「Fhy」による過去の取引履歴を示す画像である。画面左上に表示された「Fhy」のロゴは、現時点で、「Fhy」が決済に使用される決済サービスシステムとして設定されていることを示している。また、「設定上限額」は、「Fhy」について設定された上限値である。この設定上限値は、システム上のユーザの限度額ではなく、ユーザが自身で設定した額である。勿論、ユーザは、設定上限値として、システム上のユーザ自身の限度額を設定することが可能であり、その場合、限度額が設置上限値と一致する。
「使用可能残額」は、「設定上限値」から累積使用額を引いた差額を示す。ただし、該差額が、デポジット(先払い方式の決済サービスシステムで使用可能な金額)の値より多い場合には、「使用可能残額」は、デポジットの値を指す。「設定上限値」及び「使用可能残額」の右側には、3つのゲージが表示されている。このゲージは、バッテリの残量を示している。画面下側には、「取引履歴」のリストが表示されている。取引リストの各行が、単位取引に対応しており、単位取引ごとに、取引時間(日時データが示す日時)と、決済金額(決済データが示す金額)とが表示されている。「取引履歴」のリストは、過去の決済データに基づいて表示されており、各決済データに基づく表示は、該決済データに対応付けられた日時データによる表示順序に基づいて並べられている。すなわち、最近の取引に関する決済データに基づく表示が最も上方に表示され、以下、新しい順に並べられている。
本実施形態では、表示部として、液晶表示装置を用いているが、本発明において、表示部は、この例に限定されない。表示部としては、例えば、電子ペーパー、EL等が挙げられる。また、入力装置に関しては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。
図14は、ICカード550の内部構成を示すブロック図である。
ICカード550は、薄板状の形状を有し、内部に、マイクロコンピュータ552と、非接触ICチップ558とを有している。
マイクロコンピュータ552は、CPU552Cと、ROM552Rと、RAM552Mとを備えている。ROM552Rは、例えば、後述する決済サービスシステム選択処理、対比金額設定処理、決済完了表示処理、決済サービスシステム切替処理、デポジット決済処理等の処理を行うためのプログラムを記憶しており、各プログラムは、CPU552Cによって所定のタイミングでROM552Rから読み出されて実行される。
RAM552Mは、書き換え不可に設定された領域と、書き換え可能な領域とを有しており、書き換え不可に設定している領域には、ユーザを識別するための識別データが記憶されており、書き換え可能に設定している領域には、後述する決済データや累積決済金額データが記憶されている。
本実施例では、一つのメモリに領域を分けて書き換え可能な領域と書き換え不可能な領域を形成しているが、これに限定されるものではない。例えば、書き換え可能な領域をマスクROMなどの物理的に書き換え不可としている半導体メモリを採用し、書き換え可能な領域をフラッシュメモリやSRAMを採用して物理的に別々のメモリで構成しても良い。更に、RAM552Mは、先払い方式の決済サービスシステム「Fhy」のデポジットを記憶する。
非接触ICチップ558は、主に、送受信回路560からなる。送受信回路560は、アンテナを有し、決済端末120の読取書込装置122との通信を行う。送受信回路560を介して、決済端末120の読取書込装置122との通信により受信した各種のデータや情報は、上述したRAM552Mに記憶される。また、RAM552Mに記憶された各種のデータや情報は、読み出されて、決済端末120の読取書込装置122に送信される。本実施形態では、複数の決済サービスシステム「Fhy」、「iB」及び「QUINPai」におけるユーザの識別データが同一の非接触ICチップ558に記憶されているが、本発明は、この例に限定されず、例えば、決済サービスシステムごとに別個の非接触ICチップが設けられたり、先払い方式の決済サービスシステムと後払い方式の決済サービスシステムとで異なる非接触ICチップが用いられたりする、というように、複数の非接触ICチップが設けられてもよい。
決済端末120の読取書込装置122の近くでユーザがICカード550をかざすことによって、ICカード550の非接触ICチップ558と決済端末120の読取書込装置122との間で通信をすることができ、この通信によって決済が行われる。決済が行われることに応じて、決済端末120から管理サーバ140に決済情報が送信される。この決済情報には、決済データベース150に記憶されることになるユーザIDと決済日時と決済金額と決済内容とが含まれる。
制御部552には、押下検出センサ555Pと、ダイヤル回転検出センサ555Dと、タッチパネル557と、時計回路559とが接続されている。押下検出センサ555Pとダイヤル回転検出センサ555Dとは、ジョグダイヤル555の動作を検出する。すなわち、押下検出センサ555Pは、ジョグダイヤル555がユーザによって押下されたことを検出する。ダイヤル回転検出センサ555Dは、ジョグダイヤル555の回転を検出する。タッチパネル557は、表示装置554の前面に設置されており、ユーザに接触された位置情報を示す信号を出力可能である。時計回路559は、当時点の日時データを出力する。
制御部552には、表示装置554と、スピーカ561とが接続されている。表示装置554は、制御部552によって制御され、後述する各種画像を表示する。スピーカ561は、報知音等の出力を行う。ICカード550は、電源部564として、非接触充電回路563と二次電池562とを備えており、電源部564は、上述した各機器に対して電力を供給する。
ここでは、ICカード550が第2実施形態に用いられるとして説明したが、ICカード550は、第1実施形態(変形例を含む)に用いられてもよい。逆に、携帯電話10又はICカード50が、第2実施形態で用いられることとしてもよい。
<<決済サービスシステム選択処理>>
図15は、ICカード550で実行される決済サービスシステム選択処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンは、決済処理が行われていないときに行われる処理である。
図16(a)〜(d)は、図15に示す処理が実行されるときに表示装置554に表示される画像を模式的に示す図である。
制御部552は、待機状態(決済処理が行われていない状態)でダイヤルが押下されたか否かを判断する(ステップS101)。具体的に、制御部552は、待機状態において押下検出センサ555Pから検出信号を受信したか否かを判断する。ダイヤルが押下されていないと判断した場合、本サブルーチンを終了する。
ステップS101において、ダイヤルが押下されたと判断した場合、制御部552は、表示装置554に、メニューを表示する処理を行う(ステップS102)。図16(a)は、このときに表示装置554に表示される画像の一例を示している。画面中央では、「システム選択」、「上限額設定」、「切替設定」及び「その他」の4つの選択肢が表示されている。ユーザは、タッチパネル557又はジョグダイヤル555のいずれかを操作し、4つの選択肢のいずれかを選択することができる。
次に、決済サービスシステム選択メニュー(「システム選択」の選択肢)が選択されたか否かを判断する(ステップS103)。決済サービスシステム選択メニューが選択されていない場合、ステップS102に処理を戻す一方、決済サービスシステム選択メニューが選択された場合、処理をステップS104に移す。
ステップS104において、制御部552は、表示装置554に、使用可能な決済サービスシステムの一覧を表示する(ステップS104)。図16(b)は、このときに表示装置554に表示される画像の一例を示している。画面中央では、「決済サービスシステムを選択して下さい。」という指示を示す画像が配置されており、その下側には、「iB」、「Fhy」、「QUINPai」のロゴが表示されており、現時点でデフォルトに設定されている「Fhy」が中央に配置されている。また、その右側には、「Fhy」についての現時点の設定内容として、「設定上限額」及び「使用可能金額」とが表示されている。
次に、制御部552は、ダイヤルが回転したか否かを判断する(ステップS105)。具体的に、制御部552は、ダイヤル回転検出センサ555Dから検出信号を受信したか否かを判断する。ダイヤルが回転していないと判断した場合、処理をステップS107に移す一方、ダイヤルが回転したと判断した場合、対比金額(設定上限額)、使用金額及び残額の表示を行う(ステップS106)。図16(c)は、このときに表示装置554に表示される画像の一例を示している。画像中央では、「決済サービスシステムを選択して下さい。」という指示を示す画像が配置されており、その下側では、ダイヤルの回転に伴って、中央に「iB」が中央に配置されている。また、その右側には、「iB」についての現時点の設定内容が表示されている。このように、ジョグダイヤル555を回転させることによって、各決済サービスシステムについての現時点の設定を確認することができる。ここで、ユーザは、ジョグダイヤル555を押下することによって、設定を変更(確定)させることができる。
次に、制御部552は、ダイヤルが押下されたか否かを判断する(ステップS107)。具体的に、制御部552は、押下検出センサ555Pから検出信号を受信したか否かを判断する。検出信号を受信していないと判断した場合、処理をステップS105に戻す一方、ダイヤルが押下されたと判断した場合、表示装置554にパスワードの入力画面を表示し(ステップS108)、入力が完了すると、決済で使用する識別データ(決済サービスシステム)を選択し、RAM552Mに設定する。具体的に、各識別データに対応するフラグをRAM552Mに設定しておき、決済で使用する識別データのフラグをオンにする。その後、本サブルーチンを終了する。図16(d)は、このときに表示装置554に表示される画像の一例を示している。図16(d)では、画面左上に「iB」のロゴが表示されている。これは、現時点で、「iB」が決済に使用される決済サービスシステムとして設定されていることを示している。
<<対比金額設定処理>>
図17は、ICカード550で実行される対比金額設定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンは、決済処理が行われていないときに行われる処理である。
図18(a)〜(c)は、図17に示す処理が実行されるときに表示装置554に表示される画像を模式的に示す図である。
制御部552は、待機状態でダイヤルが押下されたか否かを判断し(ステップS120)、ダイヤルが押下されていないと判断した場合、本サブルーチンを終了する一方、ダイヤルが押下されたと判断した場合、メニューを表示する処理を行う(ステップS121、図16(a)参照)。
次に、対比金額設定メニュー(「上限額設定」の選択肢)が選択されたか否かを判断する(ステップS122)。対比金額メニューが選択されていない場合、ステップS121に処理を戻す一方、対比金額メニューが選択された場合、ステップS123に処理を移す。
ステップS123において、制御部552は、表示装置554に、対比金額入力画面を表示する(ステップS123)。図18(a)は、このときに表示装置554に表示される画像である。画面中央には、「上限額を入力して下さい。」という指示を示す画像が表示されている。その左下側には、上限額の入力欄が設けられており、その下側には、参照用として、限度額が表示されている。また、右側には、テンキーが設定されている。このとき、ユーザはタッチパネル557とジョグダイヤル555とを用いて上限額を入力することができる。なお、入力欄に入力可能な額は、限度額以下の値である。そして、上限額を入力した後、「決定」を押下することにより、入力額を設定することができる。
次に、制御部552は、入力額の入力があったか否かを判断する(ステップS124)。入力額の入力がなかったと判断した場合、ステップS123に処理を戻す一方、入力額の入力があったと判断した場合、ステップS125に処理を移す。
ステップS125において、制御部552は、表示装置554に、報知条件入力画面を表示する。図18(b)は、このときに表示装置554に表示される画像である。画面中央には、「報知条件を入力して下さい。」という指示を示す画像が表示されている。その左下には、「報知レベル数」、「パラメータ」及び「LV1」〜「LV4」が表示されている。「報知レベル数」は、報知の段階数に相当する。「パラメータ」は、比率又は差額のいずれかを選択可能である。報知レベル数は3に設定されているので、「LV1」〜「LV3」にのみ、パラメータ(比率)についての数値範囲が設けられており、「LV4」には、パラメータは設定されていない。「比率」は、(設定上限額から累積使用額を引いた差額)/設定上限額で表わされ、「差額」は、設定上限値から累積使用額を引いた差額である。「LV1」では、比率が0%以上80%以下に設定され、「LV2」では、比率が80%超90%以下に設定され、「LV3」では、比率が90超100%以下に設定されている。
このような画像が表示されているとき、ユーザは、タッチパネル557とジョグダイヤル555とを用いて、各項目に値を入力することができ、その後に、「決定」を押下することにより、入力した報知条件についての値を確定することができる。
次に、制御部552は、報知条件の入力があったか否かを判断する(ステップS126)。報知条件の入力がなかったと判断した場合、ステップS125に処理を戻す一方、報知条件の入力があったと判断した場合、ステップS127に処理を移す。
ステップS127において、制御部552は、表示装置554に、報知態様入力画面を表示する。図18(c)は、このときに表示装置554に表示される画像である。画面中央には、「報知態様を設定して下さい。」という指示を示す画像が表示されている。その下側には、報知態様を入力するためのテーブルが配置されている。各「報知LV」には、「色」、「表示」及び「音」の3項目が設けられている。「色」は、報知色、即ち表示装置554に表示される画像の色系を示している。「表示」は、表示装置554に表示される画像の表示態様を示している。「1」は、高速点滅のパターンを示し、「2」は、低速点滅のパターンを示し、「3」は、点灯のパターンを示す。
このような画像が表示されているとき、ユーザは、タッチパネル557とジョグダイヤル555とを用いて、各項目に値を入力することが可能であり、その後に、「決定」を押下することにより、入力した報知態様についての値を確定することができる。
次に、制御部552は、報知態様を入力があったか否かを判断する(ステップS128)。報知態様の入力がなかったと判断した場合、ステップS127に処理を移す一方、報知態様の入力があったと判断した場合、ステップS129に処理を移す。
ステップS129では、制御部552は、表示装置554にパスワードの入力画面を表示し、入力が完了すると、本サブルーチンを終了する。
図18に示した処理の結果は、RAM552Mの報知態様選択テーブルに格納される。
図19は、報知態様選択テーブルの一例を示す図である。
報知態様選択テーブルでは、差額の評価パラメータと、差額の評価結果と、報知態様とが対応付けられている。本実施形態において、差額の評価パラメータは、所定の期間内における累積使用額/対比金額であり、報知レベル数は3であり、報知態様として、報知色、報知表示態様及び報知音とが設定されているが、本発明は、この例に限定されない。
<<決済完了表示処理>>
決済完了処理は、図12に示す処理のステップS1−12における処理であるが、第2実施形態では、ICカード550においても、決済端末120から決済データを受信し、決済完了処理が行われる。
図20は、ICカード550で実行される決済完了表示処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
制御部552は、決済端末120から決済データを受信すると、決済データを日時データとともにRAM552Mに記憶し、RAM552Mに記憶された複数の決済データ及び設定上限値に基づいて、差額の評価パラメータを算出する(ステップS140)。その後、制御部552は、報知態様選択テーブル(図19参照)を参照し、差額の評価パラメータに応じた報知態様を選択する(ステップS141)。
次に、制御部552は、決済完了の音声及び表示を行い(ステップS142)、続いて、差額評価結果の出力を所定期間にわたって行う(ステップS143)。具体的に、図19に示す報知態様選択テーブルに基づいて、制御部552は、設定上限額に対する累積決算金額が80%以下であれば、表示装置554に青系の画像を点灯表示させる。このとき、スピーカ561から報知音の出力を行わない。また、設定上限額に対する累積決算金額が80%超90%以下であれば、表示装置554に黄系の画像を低速点滅表示させ、スピーカ561から「ピ、ピ、ピ」という報知音を出力する。また、設定上限値に対する累積決算金額が90%超100%以下であれば、表示装置554に赤系の画像を高速点滅表示させ、スピーカ561から「ピー」という報知音と出力する。ユーザは、この報知により、決済サービスシステムをどの程度利用したかを把握することができる。
このように、本発明の情報端末装置は、ユーザによって入力部を介して入力された指示に基づいて、報知条件及び報知態様を設定するように構成されていることが望ましい。また、報知態様は、複数種類の要素(画像の種類、色若しくは大きさ等、ランプの色や点灯態様等、音のパターン、メロディ、大きさ等)の組合せからなり、ユーザによって入力部を介して入力された指示に基づいて、報知態様の要素を組み合わせることができるように構成されていることが望ましい。
店舗において決済を行うために決済端末120にICカード550をかざしたときの報知態様が固定されていると、他人によってユーザの残額を把握されてしまうおそれがあり、ユーザが安心して使用できないという問題がある。これに対して、上記構成によれば、報知態様はユーザ自身がカスタマイズしたものになるため、決済時にユーザはその内容を確認することができる一方、他人によってその内容を確認されないようにすることができる。従って、ICカード550を、より実際の「財布」に近い感覚でユーザに使用させることが可能になる。
<<履歴表示>>
図20に示した処理のステップS140において、決済データは、RAM552Mにおける履歴テーブルに格納される、
図21は、履歴テーブルの一例を示す図である。
履歴テーブルでは、単位取引ごとに、決済識別番号が連番で付され、更に、その単位決済に用いた決済サービスシステムを示すデータと、決済日時(決済データを受信した日時データ)、及び決済額(決済データが示す決済額)とが記憶される。
なお、履歴テーブルに格納されるデータについて、決済データ数によって制限を設けてもよく、決済日時で制限を設けてもよい。
履歴テーブルに格納されたデータは、表示装置554に取引履歴を表示する際に用いられる。
図22(a)〜(c)は、表示装置554に表示される決済履歴画像を模式的に示す図である。
図22(a)は、メニュー画面である。ここでは、メニューとして、「全取引」、「システム別」、「期間指定」及び「設定」の選択肢が表示されている。このとき、ユーザは、タッチパネル557とジョグダイヤル555とを用いて、いずれかの選択肢を選択することができる。
図22(b)は、「全取引」が選択されたときに表示される画像である。各決済サービスシステムにおける取引履歴が混在して表示されている。また、図22(c)は、「期間指定」が選択され、当日が選択された際に表示される画像である。このように、ICカード550によれば、ICカード550を用いて、インターネットを介さずに取引履歴の確認を行うことができる。
<<決済サービスシステム切替設定処理>>
図23は、ICカード550で実行される決済サービスシステム切替処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンは、決済処理が行われないときに実行されるサブルーチンである。
図24(a)、(b)は、図23に示す処理が実行されるときに表示装置554に表示される画像を模式的に示す図である。
制御部552は、待機状態でダイヤルが押下されたか否かを判断し(ステップS160)、ダイヤルが押下されていないと判断した場合、本サブルーチンを終了する一方、ダイヤルが押下されたと判断した場合、メニューを表示する処理を行う(ステップS161、図16(a)参照)。
次に、システム切替(「切替設定」の選択肢)が選択されたか否かを判断する(ステップS162)。システム切替メニューが選択されていない場合、ステップS161に処理を戻す一方、システム切替メニューが選択された場合、ステップS163に処理を移す。
ステップS163において、制御部552は、表示装置554に、図24(a)に示すような画像を表示することにより、第二使用決済サービスシステム選択をユーザに行わせる(ステップS163)。図24(a)に示す画面左上の「Fhy」のロゴは、現時点で、「Fhy」が決済に使用される決済サービスシステムとして設定されていることを示している。「Fhy」は、先払い方式(プリペイド)の決済サービスシステムであり、ユーザが設定した上限額は十万円であるが、既に九万五千円が用いられており、使用可能な残額は五千円となっている。
画面中央には、「セカンドシステムを選択して下さい。」という指示を示す画像が表示されている。ここでいうセカンドシステムとは、現時点で設定されている決済サービスシステム(ファーストシステム、本実施形態における「Fhy」に相当する)における使用可能金額が0円になったときに、自動的に設定される決済サービスシステムである。
上記指示を示す画像の下側には、「iB」、「QUINPai」のロゴが表示されており、現時点では、「iB」が中央に表示されている。また、その右側には、「iB」についての現時点の設定内容が表示されている。このとき、ユーザがジョグダイヤル555を回転させると、「iB」及び「QUINPai」のロゴの位置が入れ替わり、それに伴って、その右側に表示される設定内容が変更される。また、ユーザがジョグダイヤル555を押下すると、押下した時点で手前側に表示されたロゴに対応する決済サービスシステムがセカンドシステムとして設定される。
ステップS163により第二使用決済サービスシステムの選択が行われると、次に、制御部552は、表示装置554にパスワードの入力画面を表示し(ステップS164)、入力が完了すると、表示装置554に、図24(b)に示すような画像を表示し、ユーザに対して報知態様の選択を要求する(ステップS165)。図24(b)に示す画像において最上段に配置された決済サービスシステム「Fhy」(先払い方式、プリペイド)は、ファーストシステムであり、次段に配置された決済サービスシステム「iB」(後払い方式、ポストペイ)は、セカンドシステムである。画面中央には、「報知態様を選択してください。」という指示を示す画像が表示され、その下側には、報知態様を入力するためのテーブルが配置されている。該テーブルにおいて、「報知LV」は、「システム切替」に設定され、「色」、「表示」及び「音」の報知態様の要素が対応付けられている。このような画像が表示されているとき、ユーザは、タッチパネル557とジョグダイヤル555とを用いて、各項目に値を入力することが可能であり、その後に、「決定」を押下することにより、入力した報知態様についての値を確定することができる。
ステップS165の処理を実行した後、本サブルーチンを終了する。
上述したように、ICカード550において、先払い方式の決済サービスシステムがファーストシステムとして設定され、後払い方式の決済サービスシステムがセカンドシステムとして設定された場合、決済管理システムにおいては、例えば、図25に示す処理が実行される。
図25は、第2の実施形態に係る決済管理システムにおいて実行される処理を示すフローチャートである。
図25に示す処理は、要求信号受信(ステップS1−3)とIDデータ送信処理(ステップS1−4)との間にデポジット決済処理(ステップS1−3´)が行われる点を除いて、図12に示す処理と同様であるので、図12に示す処理と同様の処理については説明を省略し、デポジット決済処理について説明する。
図26は、ICカード550で実行されるデポジット決済処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
制御部552は、まず、先払い方式の決済サービスシステムにおける単位取引の金額を示す取引金額データを決済端末120から受信する(ステップS180)。次に、その単位取引の金額が先払い方式の決済サービスシステム(ファーストシステム)における使用可能金額より多いか否かを判断する(ステップS181)。
ステップS181において、単位取引の金額が先払い方式の決済サービスシステムにおける使用可能金額以下である場合、単位取引の金額の全額を先払い方式の決済サービスシステムにより決済可能である。従って、制御部552は、単位取引の全額をデポジット決済する処理を行い(ステップS182)、本処理を終了する。この場合、決済処理は、これで完了しているので、図25における、その後の処理は行われない。
一方、ステップS181において、単位取引の金額が先払い方式の決済サービスシステムにおける使用可能金額により多い場合、単位取引の金額の全額を先払い方式の決済サービスシステムにより決済することができない。従って、制御部552は、単位取引の金額のうち、先払い方式の決済サービスシステムにおける使用可能金額に相当する額のみデポジット決済する(ステップS183)。次に、制御部552は、セカンドシステムの識別データを決済に使用する識別データとしてRAM552Mに設定することにより、決済で使用する決済サービスシステムを切り替える処理を行う(ステップS184)。
続いて、制御部552は、システム切替の報知を行う(ステップS185)。例えば、図24(b)に示す報知態様が設定されている場合、制御部552は、表示装置554に緑系の画像を高速点滅させ、スピーカ561から「ピー」という報知音を出力する。これにより、ユーザは、決済に用いる決済サービスシステムが切り替えられたことを認識することができる。その後、本サブルーチンを終了し、処理を図25のステップS1−4に移す。ステップS1−4では、ICカード550から決済端末120に対し、識別データが送信されるとともに、残りの決済額を示すデータがあわせて送信される。そして、その後の処理は、残りの決済額に対して行われる。
その結果、1つの単位取引についての決済を複数の決済サービスシステムによって行うことができ、且つそのときの決済サービスシステムの切替を自動的に行うので、ユーザにとって利便性に優れる。
決済サービスシステムを利用するときに残額不足のために決済することができない事態は、ユーザにとって非常に恥ずかしいことである。かりに1つの単位取引についての決済を複数の決済サービスシステムによって行うことができたとしても、その切替を自動的に行うことができなけれぱ、結局、店舗で決済を行うときにユーザは切替を行わなければならず、恥ずかしい思いをすることになる。
本発明は、そのような課題を見事に解決したものである。また、決済サービスシステムの切替を行うときに、ユーザが設定した態様で報知が行われるため、決済サービスシステムの切替が行われたことを他人に知られることを防止することができる。
以上、第1実施形態及び第2実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下の構成を採用することができる。
上述した第2実施形態では、図25及び図26に示すように、ファーストシステムが先払い方式の決済サービスシステムであり、セカンドシステムが後払い方式の決済サービスシステムである場合について説明したが、本発明におけるファーストシステムとセカンドシステムとの組合せは、この例に限定されず、例えば、ファーストシステム及びセカンドシステムが先払い方式である組合せ、ファーストシステム及びセカンドシステムが後払い方式である組合せ、ファーストシステムが後払い方式でありセカンドシステムが先払い方式である組合せ等が挙げられる。
【符号の説明】
【0010】
10 携帯電話(情報端末装置)
16 表示部(表示装置)
18 記憶部(記憶装置)
50 ICカード(情報端末装置)
54 表示部(表示装置)
56 記憶部(記憶装置)
100 決済管理システム
120 決済端末(決済端末装置)
140 管理サーバ
142 制御部(累積決済金額制御装置)
144 記憶部(決済情報記憶装置)
550 ICカード(情報端末装置)
552 マイクロコンピュータ(制御部)
552C CPU
552R ROM(記憶部)
552M RAM(記憶部)
554 表示装置(表示部)
555 ジョグダイヤル(入力部)
555P 押下検出センサ
555D ダイヤル回転検出センサ
557 タッチパネル(入力部)
558 非接触ICチップ(記憶部)
559 時計回路(時計部)
560 送受信回路(送受信部)
561 スピーカ
562 二次電池
563 非接触充電回路
564 電源部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
決済を管理する管理サーバとの間で、読取書込装置を介して無線通信を行う携帯可能な端末装置の制御部が実行する制御プログラムであって、
前記端末装置は、入力部と、表示部と、時計部とを有し、当該表示部に表示するため累積決済金額データ及び前記時計部で得られた日時データと関連して記憶される今回決済した単位決済金額データと、更に、直前に決済した日時データと直前の決済から今回の決済までの期間を定めた所定期間を記憶する記憶部とを更に備えてなり、前記制御プログラムは前記端末装置の制御部に以下の処理を実行する、
前記記憶部に記憶した前記直前に決済した日時データと前記今回の決済の日時データが前記所定の期間内であった場合に、前記表示部に前記累積決済金額データと、今回決済された単位決済金額データを表示し、
前記入力部の操作が行われて初めて前記今回の決済金額データを表示消去する。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2013−101625(P2013−101625A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−259088(P2012−259088)
【出願日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【分割の表示】特願2009−270571(P2009−270571)の分割
【原出願日】平成21年11月27日(2009.11.27)
【出願人】(302010910)株式会社クラス・マイスター (9)
【Fターム(参考)】