懐中電灯付リモコン送信装置
【課題】リモコン機能に障害を与えないようにできる懐中電灯付リモコン送信装置を提供する。
【解決手段】懐中電灯付リモコン送信装置10は、送信回路部11と、制御部12と、スイッチ群15を備えた入力手段14と、可視光源動作部20とを有し、入力手段14のスイッチ群15より所定のスイッチ19を入力することにより可視光源動作部20から可視光を照射する。使用者が持ったときに可視光源を覆わない位置に、可視光源動作部20を作動させる所定のスイッチ19を設ける。
【解決手段】懐中電灯付リモコン送信装置10は、送信回路部11と、制御部12と、スイッチ群15を備えた入力手段14と、可視光源動作部20とを有し、入力手段14のスイッチ群15より所定のスイッチ19を入力することにより可視光源動作部20から可視光を照射する。使用者が持ったときに可視光源を覆わない位置に、可視光源動作部20を作動させる所定のスイッチ19を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、懐中電灯機能を有して光信号通信操作を行う懐中電灯付リモコン送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ワイヤレスリモコン本体の前方に、ライトを付け、スイッチを設け、内蔵してある電池から電線により接続して電源をとる懐中電灯付リモコン送信装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5−15597号公報(図1、請求項1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
照明器具、エアコン、テレビ、ビデオ再生装置等の家電製品やAV機器等の被制御機器には、操作性を快適にするために光通信方式を使用したリモコン送信装置(リモートコントロール)が適用されている。
このようなリモコン送信装置は、被制御機器を制御する機能だけに留まらず、例えばブザーを取り付けて音により場所を知らせる等の機能を付加させて用途が拡充されてきている。
【0005】
前述した特許文献1に記載された懐中電灯付リモコン送信装置は、停電や緊急時、その他、懐中電灯がほしいときに目の前に常にあるので、探さなくてもすみ、大変便利である。
ところが、前述した特許文献1に記載された懐中電灯付リモコン送信装置は、光信号を送信するリモコンに懐中電灯機能等の光を発する機能を付加させた場合、双方の機能がいずれも光を媒体としているために被制御機器の光制御信号にノイズが乗って誤作動等が起こる。このような問題点は、特に指向性が高いLEDや可視光通信の普及に伴って発生している。
また、懐中電灯機能において使用されている光を制御させる被制御対象物が制御信号と誤認識してしまう問題があり、これらの点から懐中電灯機能に制限等を設定してリモコン機能に障害を与えないようにする必要がある。
【0006】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、リモコン機能に障害を与えないようにできる懐中電灯付リモコン送信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る懐中電灯付リモコン送信装置は、ワイヤレス信号により被制御機器を制御するための光制御信号を外部へ送信する送信回路部と、所定の条件で所定の制御信号を送信させるように前記送信回路部を制御する制御部と、使用者からの命令を電気的に指示されるスイッチ群を備えた入力手段と、可視光を照射することができる可視光源動作部とを有し、前記入力手段の前記スイッチ群より所定のスイッチを入力することにより前記可視光源動作部から可視光を照射する懐中電灯付リモコン送信装置において、前記使用者が持ったときに前記可視光源を覆わない位置に、前記可視光源動作部を作動させる所定のスイッチを設ける。
【0008】
本発明に係る懐中電灯付リモコン送信装置は、前記送信回路部の信号光源が指向性の高い部品で構成される場合、前記部品の一部の向きを中心よりも外側に向けて配置する。
【0009】
本発明に係る懐中電灯付リモコン送信装置は、前記所定のスイッチを押すことによる前記可視光源動作部によって前記可視光を照射中に、前記入力手段の前記スイッチ群により別の所定のスイッチ以外も操作して前記被制御機器を制御するための制御信号を送信する場合に、前記可視光の照射をやめ、前記制御信号を構成するパルス信号のうち最長のもの以上離して前記制御信号のみ出力を行う。
【0010】
本発明に係る懐中電灯付リモコン送信装置は、前記光制御信号が可視光通信で行われる場合、前記可視光源動作部と前記送信回路部とが同じである。
【0011】
本発明に係る懐中電灯付リモコン送信装置は、動作を検知する加速度センサまたはジャイロセンサを搭載し、前記所定のスイッチを押すことによって前記可視光源動作部により前記可視光を照射中の間に前記加速度センサまたは前記ジャイロセンサにより動きを検出していた場合、前記所定のスイッチを短時間離しても前記可視光源動作部による前記可視光の照射を中止しない。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る懐中電灯付リモコン送信装置によれば、リモコン機能に障害を与えないようにできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る第1実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置の概略ブロック図
【図2】懐中電灯付リモコン送信装置の回路構成図
【図3】懐中電灯付リモコン送信装置の外観斜視図
【図4】(A)は懐中電灯付リモコン送信装置に適用される操作ボタンのオフ状態の断面図、(B)は懐中電灯付リモコン送信装置に適用される操作ボタンのオン状態の断面図
【図5】(A)は一般的な懐中電灯の握り方を説明する外観図、(B)は一般的な懐中電灯の警察官等の握り方を説明する外観図
【図6】(A)は懐中電灯付リモコン送信装置の作用を説明する外観図、(B)は好ましくない構造を有する場合の外観図
【図7】本発明に係る第2実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置の外観図
【図8】図8(A)は懐中電灯付リモコン送信装置の光学的な特性を説明する外観図、(B)は好ましくない場合の外観図
【図9】本発明に係る第3実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置のタイムチャート
【図10】本発明に係る第4実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置の回路構成図
【図11】本発明に係る第5実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置の回路構成図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る複数の実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明に係る第1実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置10は、ワイヤレス信号により被制御機器を制御するための光制御信号を外部へ送信する送信回路部である制御信号送信回路部11と、マイコン13が内蔵され、所定の条件で所定の制御信号を送信させるように制御信号送信回路部11を制御する制御部12と、使用者からの命令を電気的に指示される第1操作ボタン16と第2操作ボタン17と第3操作ボタン18と第4操作ボタン19とからなるスイッチ群である操作ボタン群15を備えた入力手段14と、可視光を照射することができる可視光源動作部である可視光出力回路部20とを備える。
【0015】
図2に示すように、懐中電灯付リモコン送信装置10は、電源21が持ち運びし易いように1.5Vの単3乾電池を2本直列に繋がれて装備されている。
制御信号送信回路部11は、電源ラインに接続された電流制限用の抵抗R1を介してアノードが接続された送信用LED22を備え、送信用LED22のカソードがPNP型のスイッチング素子TR1のエミッタに接続され、スイッチング素子TR1のベースが抵抗R2を介してマイコン13に接続されている。マイコン13は内蔵された内部発振クロックを使用して動作する。
制御信号送信回路部11は、マイコン13のポートがハイレベルのときに信号を出力しない。制御信号送信回路部11は、マイコン13のポートがローレベルになることによりスイッチング素子TR1がオンされて、電源ラインからの電流により送信用LED22が発光される。
【0016】
入力手段14は、操作ボタン群15に有する第1操作ボタン16と第2操作ボタン17と第3操作ボタン18と第4操作ボタン19とが、プルアップ抵抗R3とプルアップ抵抗R4とプルアップ抵抗R5とプルアップ抵抗R6とを介して電源ラインにそれぞれ接続されている。第1操作ボタン16と第2操作ボタン17と第3操作ボタン18と第4操作ボタン19とは、制御部12のマイコン13に接続されており、押下操作されないときは、マイコン13の所定のポートの電位がそれぞれハイレベルである。第1操作ボタン16と第2操作ボタン17と第3操作ボタン18と第4操作ボタン19とが押下操作されることにより、マイコン13の所定のポートがローレベルになってマイコン13が認識する。
【0017】
可視光出力回路部20は、電源ラインに接続された電流制限用の抵抗R7を介してアノードが接続された可視光LED23を備え、可視光LED23のカソードがPNP型のスイッチング素子TR2のエミッタに接続され、スイッチング素子TR2のベースが抵抗R8を介してマイコン13に接続されている。
可視光出力回路部20は、マイコン13のポートがローレベルになることによりスイッチング素子TR2がオンされ、電源ラインからの電流により可視光LED23が発光されて照射が行われる。
【0018】
図3に示すように、懐中電灯付リモコン送信装置10は、第1操作ボタン16と第2操作ボタン17と第3操作ボタン18とが、使用者が握る本体部24の中央部に配置されており、第4操作ボタン19が、第1操作ボタン16と第2操作ボタン17と第3操作ボタン18とから離れた本体部24の端部寄りに配置されている。
第1操作ボタン16は被制御機器である照明器具(図8参照)1を100%の出力で点灯させる信号を送信するために使用される。第2操作ボタン17は照明器具1を50%の出力で点灯させる信号を送信するために使用される。第3操作ボタン18は照明器具1を消灯させる信号を送信するために使用される。第4操作ボタン19は可視光LED23を点灯させるために使用される。
送信用LED22は、本体部24の先端部の両側に一対に配置されている。可視光LED23は送信用LED22の間に配置されている。
第1操作ボタン16と第2操作ボタン17と第3操作ボタン18と第4操作ボタン19とは、送信用LED22および可視光LED23から十分に離れた位置に配置されている。
【0019】
次に、第1操作ボタン16と第2操作ボタン17と第3操作ボタン18と第4操作ボタン19の内部構造について説明する。第1操作ボタン16と第2操作ボタン17と第3操作ボタン18と第4操作ボタン19とはいずれも同様の構造であるために、ここでは、第1操作ボタン16についてのみ説明する。
図4(A)に示すように、第1操作ボタン16は、ケース25内に、操作ノブ26と、操作ノブ26に係合された弾性を有する常開可動接片27と、固定接点である一対の回路接続部28,29とを備える。
【0020】
第1操作ボタン16は、操作ノブ26が押下されないとき、常開可動接片27に蓄積されている弾性反発力により操作ノブ26がオフ位置A1にある。回路接続部28,29は電気的に接続されていない。
図4(B)に示すように、第1操作ボタン16は、操作ノブ26が押下されることにより、常開可動接片27に抗して操作ノブ26がオン位置A2まで移動され、回路接続部28,29が電気的に接続される。操作ノブ26が押下されなくなると、常開可動接片27に蓄積されている弾性復元力により操作ノブ26がオフ位置A1に戻されて常開状態となる。
【0021】
次に、一般的な懐中電灯100の持ち方について説明する。
図5(A)に示すように、一般的な使用者は、懐中電灯100の上面に配置されたスイッチ101を操作し易いように、スイッチ101の手前に親指を配置して親指以外の他の指で懐中電灯100を握る。
図5(B)に示すように、警察官等は、不審者に襲われた場合に直ちに対応できるように、図5(A)とは反対にして、スイッチ101とは反対の側に親指を配置し、親指以外の他の指をスイッチ101側に配置して懐中電灯100を握る。
【0022】
次に、懐中電灯付リモコン送信装置10の持ち方について説明する。
図6(A)に示すように、使用者は、親指を第4操作ボタン19に位置させた状態で、他の指を第1操作ボタン16と第2操作ボタン17と第3操作ボタン18とに接近させて本体部24を握る。そのため、使用者の指は、送信用LED22および可視光LED23から離れた位置に配置される。
従って、送信用LED22および可視光LED23から離れた位置に第1操作ボタン16と第2操作ボタン17と第3操作ボタン18と第4操作ボタン19とが配置されることにより、送信用LED22および可視光LED23を覆うことがないので、送信用LED22および可視光LED23の光学的な特性に影響を与えることがない。
【0023】
これに対して、図6(B)に示すように、第1操作ボタン16と第2操作ボタン17と第3操作ボタン18と第4操作ボタン19とが送信用LED22および可視光LED23に近接して配置されている場合、使用者の指等により送信用LED22および可視光LED23が覆われる。そのため、送信用LED22および可視光LED23が十分に機能を発揮できない。
【0024】
次に、懐中電灯付リモコン送信装置10の動作について説明する。
照明器具1を100%の出力で点灯させる光制御信号を送信する場合、まず、第1操作ボタン16が押下される。第1操作ボタン16の押下によりマイコン13の所定のポートがローレベルになるために、マイコン13は格納されているメモリから制御信号送信回路部11に所定の信号波形を与える。このとき、照明器具1は家電製品協会フォーマットの信号に対応しており、照明器具1に対して家電製品協会フォーマットに対応した信号波形が与えられる。照明器具1に搭載されている不図示の受光モジュールがフィルター回路を有するために、ローレベルの出力時のみ、36.7kHzであって+Duty66.7%の信号波形ではないと認識しないために、信号波形のローレベル部分が、36.7kHzであって+Duty66.7%のPWM波形にて送信される。
【0025】
次に、懐中電灯として使用する場合、第4操作ボタン19が押下される。第4操作ボタン19の押下によりマイコン13の所定のポートが接地されるために、マイコン13は可視光出力回路部20に対してローレベルの信号を与える。このとき、マイコン13は第4操作ボタン19の回路接続部28,29の端子電位を30msec毎に監視しており、ハイレベルの状態となるまでの間、可視光出力回路部20の可視光LED23が可視光を照射する。
【0026】
以上、説明した第1実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置10によれば、送信用LED22および可視光LED23から離れた位置に第1操作ボタン16と第2操作ボタン17と第3操作ボタン18と第4操作ボタン19とが配置されることにより、使用者が握った際に送信用LED22および可視光LED23を覆うことがないので、送信用LED22および可視光LED23の光学的な特性に影響を与えることがない。
【0027】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置について説明する。
なお、以下の各実施形態において、前述した第1実施形態と重複する構成要素や機能的に同様な構成要素については、図中に同一符号あるいは相当符号を付することによって説明を簡略化あるいは省略する。
【0028】
図7に示すように、本発明に係る第2実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置30は、制御信号送信回路部11に有する一対の送信用LED31が指向性の高い部品であり、送信用LED31が可視光LED23の両側においてそれぞれ外側に向けて配置されている。
一般的に、懐中電灯付リモコン送信装置30用の不図示の操作基板は、コスト面を考慮して単一の枚数で作成される。懐中電灯付リモコン送信装置30は、単一枚数の操作基板において一対の送信用LED31がそれぞれ外側に向けて実装されている。
【0029】
図8(A)に示すように、懐中電灯付リモコン送信装置30は、使用者に握られて使用される際に、照明器具1等の被制御機器が使用者の位置よりも高い位置にあっても、送信用LED31がそれぞれ外側に向けて配置されているために、送信用LED31からの光制御信号が照明器具1に向けて発光されて照明器具1により検出される。
これに対して、図8(B)に示すように、外側に向いて配置されていない送信用LED32を有する場合、送信用LED32からの光制御信号が照明器具1に検出されない。
【0030】
第2実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置30によれば、外側に向いて配置された送信用LED31からの光制御信号を照明器具1が確実に検出できる。
【0031】
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置について説明する。
本発明に係る第3実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置40は、第4操作ボタン19が押下されることにより、可視光出力回路部20の可視光LED23が可視光を照射しているときに、第1操作ボタン16または第2操作ボタン17が押下されて光制御信号が送信される場合、可視光出力回路部20の可視光LED23からの可視光の照射を中止し、光制御信号を構成するパルス信号のうち最長のもの以上離して光制御信号のみ出力を行う。
【0032】
図9に示すように、一般的に、家電用に使用されているリモコン送信機は、家電製品協会が推奨するフォーマットに準拠されている。このフォーマットでは、一番長いパルスがトレーラーパルスであり、それ以下の長さがリーダーパルスか0パルスか1パルスのいずれかである。可視光と光制御信号との間がトレーラーパルス以下の長さである場合、誤認識されることがあるので、送信タイミングを見計らって、家電製品協会が推奨するフォーマットのトレーラーパルス以上離す。
【0033】
第3実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置40によれば、可視光と光制御信号との間がトレーラーパルス以下の長さである場合、送信タイミングを見計らって、家電製品協会が推奨するフォーマットのトレーラーパルス以上離ことにより誤認識を回避できる。
【0034】
(第4実施形態)
次に、本発明に係る第4実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置について説明する。
図10に示すように、本発明に係る第4実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置50は、光制御信号が可視光通信で行われる場合に適用されるものとして制御信号送信回路部と可視光出力回路部とを単一とした制御信号兼可視光出力回路部51を備える。
【0035】
制御信号兼可視光出力回路部51は、電源ラインに接続された電流制限用の抵抗R9を介してアノードが接続された送信兼可視光LED52を備え、送信兼可視光LED52のカソードがPNP型のスイッチング素子TR3のエミッタに接続され、スイッチング素子TR3のベースが抵抗R10を介してマイコン13に接続されている。
【0036】
第4実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置50によれば、簡素な回路構成になるために、部品点数を大幅に削減できる。
【0037】
(第5実施形態)
次に、本発明に係る第5実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置について説明する。
図11に示すように、本発明に係る第5実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置60は、使用者の動作を検知する状態検知部61を備える。
状態検知部61は、加速度センサ62を備えており、加速度センサ62は、電源ラインにカソードが接続された保護ダイオードD1,保護ダイオードD2,保護ダイオードD3のアノードがマイコン13へのセンシング信号ラインに接続され、接地ラインにアノードが接続された保護ダイオードD4,保護ダイオードD5,保護ダイオードD6のカソードがマイコン13へのセンシング信号ラインに接続されている。
なお、状態検知部61は、加速度センサ62に代えて、ジャイロセンサ等を適用してもよい。
【0038】
懐中電灯付リモコン送信装置60は、状態検知部61により移動が検出されると、その状態信号をアナログ出力でマイコン13に与える。マイコン13は、その出力をA/D変換することによりデジタル信号として認識し、予め定められた誤差範囲を考慮した値を超えた変化があった場合、使用者が歩いていると認識する。マイコン13は、通常時に、状態検知部61により移動が検出されても可視光出力回路部20へ制御信号を与えず、第4操作ボタン19が押下されている論理と、状態検知部61により移動が検出された論理とのAND論理に基づき、誤差を含めて例えば3secの間に変化がないと認識されるまで可視光出力回路部20へ制御信号を与える。
【0039】
懐中電灯付リモコン送信装置60は、お年寄り等の握力が弱った人が使用する場合、第4操作ボタン19を押し続けながら移動するときに、力が弱く点灯状態と不点灯状態とを繰り返す状態になると、光が不安定な状態で目に届くために、かえって周りが見え難くなってしまうことがある。人は歩く等の移動を行う際に体の重心を移動させるために、懐中電灯付リモコン送信装置60に、その振動が伝わる。
【0040】
そこで、懐中電灯付リモコン送信装置60は、第4操作ボタン19が押下されて可視光出力回路部20の可視光LED23が可視光を照射中の間に、状態検知部61により動きが検出された場合、第4操作ボタン19が短時間離されても可視光出力回路部20の可視光LED23による可視光の照射を中止しない。そして、可視光が出力されている間は、状態検知部61により動きが検出されなくなるまで可視光の照射を中止しない。
【0041】
第5実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置60によれば、お年寄り等の握力が弱った人に対してやさしく制御できる。
【0042】
なお、本発明の懐中電灯付リモコン送信装置において制御信号送信回路部,制御部,マイコン,操作ボタン群等は、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形や改良等が可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 照明器具(被制御機器)
10,30,40,50,60 懐中電灯付リモコン送信装置
11 制御信号送信回路部(送信回路部)
12 制御部
14 入力手段
15 操作ボタン群(スイッチ群)
19 第4操作ボタン(スイッチ)
20 可視光出力回路部(可視光源動作部)
23 可視光LED(可視光)
61 状態検知部(加速度センサ,ジャイロセンサ)
【技術分野】
【0001】
本発明は、懐中電灯機能を有して光信号通信操作を行う懐中電灯付リモコン送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ワイヤレスリモコン本体の前方に、ライトを付け、スイッチを設け、内蔵してある電池から電線により接続して電源をとる懐中電灯付リモコン送信装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5−15597号公報(図1、請求項1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
照明器具、エアコン、テレビ、ビデオ再生装置等の家電製品やAV機器等の被制御機器には、操作性を快適にするために光通信方式を使用したリモコン送信装置(リモートコントロール)が適用されている。
このようなリモコン送信装置は、被制御機器を制御する機能だけに留まらず、例えばブザーを取り付けて音により場所を知らせる等の機能を付加させて用途が拡充されてきている。
【0005】
前述した特許文献1に記載された懐中電灯付リモコン送信装置は、停電や緊急時、その他、懐中電灯がほしいときに目の前に常にあるので、探さなくてもすみ、大変便利である。
ところが、前述した特許文献1に記載された懐中電灯付リモコン送信装置は、光信号を送信するリモコンに懐中電灯機能等の光を発する機能を付加させた場合、双方の機能がいずれも光を媒体としているために被制御機器の光制御信号にノイズが乗って誤作動等が起こる。このような問題点は、特に指向性が高いLEDや可視光通信の普及に伴って発生している。
また、懐中電灯機能において使用されている光を制御させる被制御対象物が制御信号と誤認識してしまう問題があり、これらの点から懐中電灯機能に制限等を設定してリモコン機能に障害を与えないようにする必要がある。
【0006】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、リモコン機能に障害を与えないようにできる懐中電灯付リモコン送信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る懐中電灯付リモコン送信装置は、ワイヤレス信号により被制御機器を制御するための光制御信号を外部へ送信する送信回路部と、所定の条件で所定の制御信号を送信させるように前記送信回路部を制御する制御部と、使用者からの命令を電気的に指示されるスイッチ群を備えた入力手段と、可視光を照射することができる可視光源動作部とを有し、前記入力手段の前記スイッチ群より所定のスイッチを入力することにより前記可視光源動作部から可視光を照射する懐中電灯付リモコン送信装置において、前記使用者が持ったときに前記可視光源を覆わない位置に、前記可視光源動作部を作動させる所定のスイッチを設ける。
【0008】
本発明に係る懐中電灯付リモコン送信装置は、前記送信回路部の信号光源が指向性の高い部品で構成される場合、前記部品の一部の向きを中心よりも外側に向けて配置する。
【0009】
本発明に係る懐中電灯付リモコン送信装置は、前記所定のスイッチを押すことによる前記可視光源動作部によって前記可視光を照射中に、前記入力手段の前記スイッチ群により別の所定のスイッチ以外も操作して前記被制御機器を制御するための制御信号を送信する場合に、前記可視光の照射をやめ、前記制御信号を構成するパルス信号のうち最長のもの以上離して前記制御信号のみ出力を行う。
【0010】
本発明に係る懐中電灯付リモコン送信装置は、前記光制御信号が可視光通信で行われる場合、前記可視光源動作部と前記送信回路部とが同じである。
【0011】
本発明に係る懐中電灯付リモコン送信装置は、動作を検知する加速度センサまたはジャイロセンサを搭載し、前記所定のスイッチを押すことによって前記可視光源動作部により前記可視光を照射中の間に前記加速度センサまたは前記ジャイロセンサにより動きを検出していた場合、前記所定のスイッチを短時間離しても前記可視光源動作部による前記可視光の照射を中止しない。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る懐中電灯付リモコン送信装置によれば、リモコン機能に障害を与えないようにできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る第1実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置の概略ブロック図
【図2】懐中電灯付リモコン送信装置の回路構成図
【図3】懐中電灯付リモコン送信装置の外観斜視図
【図4】(A)は懐中電灯付リモコン送信装置に適用される操作ボタンのオフ状態の断面図、(B)は懐中電灯付リモコン送信装置に適用される操作ボタンのオン状態の断面図
【図5】(A)は一般的な懐中電灯の握り方を説明する外観図、(B)は一般的な懐中電灯の警察官等の握り方を説明する外観図
【図6】(A)は懐中電灯付リモコン送信装置の作用を説明する外観図、(B)は好ましくない構造を有する場合の外観図
【図7】本発明に係る第2実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置の外観図
【図8】図8(A)は懐中電灯付リモコン送信装置の光学的な特性を説明する外観図、(B)は好ましくない場合の外観図
【図9】本発明に係る第3実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置のタイムチャート
【図10】本発明に係る第4実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置の回路構成図
【図11】本発明に係る第5実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置の回路構成図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る複数の実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明に係る第1実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置10は、ワイヤレス信号により被制御機器を制御するための光制御信号を外部へ送信する送信回路部である制御信号送信回路部11と、マイコン13が内蔵され、所定の条件で所定の制御信号を送信させるように制御信号送信回路部11を制御する制御部12と、使用者からの命令を電気的に指示される第1操作ボタン16と第2操作ボタン17と第3操作ボタン18と第4操作ボタン19とからなるスイッチ群である操作ボタン群15を備えた入力手段14と、可視光を照射することができる可視光源動作部である可視光出力回路部20とを備える。
【0015】
図2に示すように、懐中電灯付リモコン送信装置10は、電源21が持ち運びし易いように1.5Vの単3乾電池を2本直列に繋がれて装備されている。
制御信号送信回路部11は、電源ラインに接続された電流制限用の抵抗R1を介してアノードが接続された送信用LED22を備え、送信用LED22のカソードがPNP型のスイッチング素子TR1のエミッタに接続され、スイッチング素子TR1のベースが抵抗R2を介してマイコン13に接続されている。マイコン13は内蔵された内部発振クロックを使用して動作する。
制御信号送信回路部11は、マイコン13のポートがハイレベルのときに信号を出力しない。制御信号送信回路部11は、マイコン13のポートがローレベルになることによりスイッチング素子TR1がオンされて、電源ラインからの電流により送信用LED22が発光される。
【0016】
入力手段14は、操作ボタン群15に有する第1操作ボタン16と第2操作ボタン17と第3操作ボタン18と第4操作ボタン19とが、プルアップ抵抗R3とプルアップ抵抗R4とプルアップ抵抗R5とプルアップ抵抗R6とを介して電源ラインにそれぞれ接続されている。第1操作ボタン16と第2操作ボタン17と第3操作ボタン18と第4操作ボタン19とは、制御部12のマイコン13に接続されており、押下操作されないときは、マイコン13の所定のポートの電位がそれぞれハイレベルである。第1操作ボタン16と第2操作ボタン17と第3操作ボタン18と第4操作ボタン19とが押下操作されることにより、マイコン13の所定のポートがローレベルになってマイコン13が認識する。
【0017】
可視光出力回路部20は、電源ラインに接続された電流制限用の抵抗R7を介してアノードが接続された可視光LED23を備え、可視光LED23のカソードがPNP型のスイッチング素子TR2のエミッタに接続され、スイッチング素子TR2のベースが抵抗R8を介してマイコン13に接続されている。
可視光出力回路部20は、マイコン13のポートがローレベルになることによりスイッチング素子TR2がオンされ、電源ラインからの電流により可視光LED23が発光されて照射が行われる。
【0018】
図3に示すように、懐中電灯付リモコン送信装置10は、第1操作ボタン16と第2操作ボタン17と第3操作ボタン18とが、使用者が握る本体部24の中央部に配置されており、第4操作ボタン19が、第1操作ボタン16と第2操作ボタン17と第3操作ボタン18とから離れた本体部24の端部寄りに配置されている。
第1操作ボタン16は被制御機器である照明器具(図8参照)1を100%の出力で点灯させる信号を送信するために使用される。第2操作ボタン17は照明器具1を50%の出力で点灯させる信号を送信するために使用される。第3操作ボタン18は照明器具1を消灯させる信号を送信するために使用される。第4操作ボタン19は可視光LED23を点灯させるために使用される。
送信用LED22は、本体部24の先端部の両側に一対に配置されている。可視光LED23は送信用LED22の間に配置されている。
第1操作ボタン16と第2操作ボタン17と第3操作ボタン18と第4操作ボタン19とは、送信用LED22および可視光LED23から十分に離れた位置に配置されている。
【0019】
次に、第1操作ボタン16と第2操作ボタン17と第3操作ボタン18と第4操作ボタン19の内部構造について説明する。第1操作ボタン16と第2操作ボタン17と第3操作ボタン18と第4操作ボタン19とはいずれも同様の構造であるために、ここでは、第1操作ボタン16についてのみ説明する。
図4(A)に示すように、第1操作ボタン16は、ケース25内に、操作ノブ26と、操作ノブ26に係合された弾性を有する常開可動接片27と、固定接点である一対の回路接続部28,29とを備える。
【0020】
第1操作ボタン16は、操作ノブ26が押下されないとき、常開可動接片27に蓄積されている弾性反発力により操作ノブ26がオフ位置A1にある。回路接続部28,29は電気的に接続されていない。
図4(B)に示すように、第1操作ボタン16は、操作ノブ26が押下されることにより、常開可動接片27に抗して操作ノブ26がオン位置A2まで移動され、回路接続部28,29が電気的に接続される。操作ノブ26が押下されなくなると、常開可動接片27に蓄積されている弾性復元力により操作ノブ26がオフ位置A1に戻されて常開状態となる。
【0021】
次に、一般的な懐中電灯100の持ち方について説明する。
図5(A)に示すように、一般的な使用者は、懐中電灯100の上面に配置されたスイッチ101を操作し易いように、スイッチ101の手前に親指を配置して親指以外の他の指で懐中電灯100を握る。
図5(B)に示すように、警察官等は、不審者に襲われた場合に直ちに対応できるように、図5(A)とは反対にして、スイッチ101とは反対の側に親指を配置し、親指以外の他の指をスイッチ101側に配置して懐中電灯100を握る。
【0022】
次に、懐中電灯付リモコン送信装置10の持ち方について説明する。
図6(A)に示すように、使用者は、親指を第4操作ボタン19に位置させた状態で、他の指を第1操作ボタン16と第2操作ボタン17と第3操作ボタン18とに接近させて本体部24を握る。そのため、使用者の指は、送信用LED22および可視光LED23から離れた位置に配置される。
従って、送信用LED22および可視光LED23から離れた位置に第1操作ボタン16と第2操作ボタン17と第3操作ボタン18と第4操作ボタン19とが配置されることにより、送信用LED22および可視光LED23を覆うことがないので、送信用LED22および可視光LED23の光学的な特性に影響を与えることがない。
【0023】
これに対して、図6(B)に示すように、第1操作ボタン16と第2操作ボタン17と第3操作ボタン18と第4操作ボタン19とが送信用LED22および可視光LED23に近接して配置されている場合、使用者の指等により送信用LED22および可視光LED23が覆われる。そのため、送信用LED22および可視光LED23が十分に機能を発揮できない。
【0024】
次に、懐中電灯付リモコン送信装置10の動作について説明する。
照明器具1を100%の出力で点灯させる光制御信号を送信する場合、まず、第1操作ボタン16が押下される。第1操作ボタン16の押下によりマイコン13の所定のポートがローレベルになるために、マイコン13は格納されているメモリから制御信号送信回路部11に所定の信号波形を与える。このとき、照明器具1は家電製品協会フォーマットの信号に対応しており、照明器具1に対して家電製品協会フォーマットに対応した信号波形が与えられる。照明器具1に搭載されている不図示の受光モジュールがフィルター回路を有するために、ローレベルの出力時のみ、36.7kHzであって+Duty66.7%の信号波形ではないと認識しないために、信号波形のローレベル部分が、36.7kHzであって+Duty66.7%のPWM波形にて送信される。
【0025】
次に、懐中電灯として使用する場合、第4操作ボタン19が押下される。第4操作ボタン19の押下によりマイコン13の所定のポートが接地されるために、マイコン13は可視光出力回路部20に対してローレベルの信号を与える。このとき、マイコン13は第4操作ボタン19の回路接続部28,29の端子電位を30msec毎に監視しており、ハイレベルの状態となるまでの間、可視光出力回路部20の可視光LED23が可視光を照射する。
【0026】
以上、説明した第1実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置10によれば、送信用LED22および可視光LED23から離れた位置に第1操作ボタン16と第2操作ボタン17と第3操作ボタン18と第4操作ボタン19とが配置されることにより、使用者が握った際に送信用LED22および可視光LED23を覆うことがないので、送信用LED22および可視光LED23の光学的な特性に影響を与えることがない。
【0027】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置について説明する。
なお、以下の各実施形態において、前述した第1実施形態と重複する構成要素や機能的に同様な構成要素については、図中に同一符号あるいは相当符号を付することによって説明を簡略化あるいは省略する。
【0028】
図7に示すように、本発明に係る第2実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置30は、制御信号送信回路部11に有する一対の送信用LED31が指向性の高い部品であり、送信用LED31が可視光LED23の両側においてそれぞれ外側に向けて配置されている。
一般的に、懐中電灯付リモコン送信装置30用の不図示の操作基板は、コスト面を考慮して単一の枚数で作成される。懐中電灯付リモコン送信装置30は、単一枚数の操作基板において一対の送信用LED31がそれぞれ外側に向けて実装されている。
【0029】
図8(A)に示すように、懐中電灯付リモコン送信装置30は、使用者に握られて使用される際に、照明器具1等の被制御機器が使用者の位置よりも高い位置にあっても、送信用LED31がそれぞれ外側に向けて配置されているために、送信用LED31からの光制御信号が照明器具1に向けて発光されて照明器具1により検出される。
これに対して、図8(B)に示すように、外側に向いて配置されていない送信用LED32を有する場合、送信用LED32からの光制御信号が照明器具1に検出されない。
【0030】
第2実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置30によれば、外側に向いて配置された送信用LED31からの光制御信号を照明器具1が確実に検出できる。
【0031】
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置について説明する。
本発明に係る第3実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置40は、第4操作ボタン19が押下されることにより、可視光出力回路部20の可視光LED23が可視光を照射しているときに、第1操作ボタン16または第2操作ボタン17が押下されて光制御信号が送信される場合、可視光出力回路部20の可視光LED23からの可視光の照射を中止し、光制御信号を構成するパルス信号のうち最長のもの以上離して光制御信号のみ出力を行う。
【0032】
図9に示すように、一般的に、家電用に使用されているリモコン送信機は、家電製品協会が推奨するフォーマットに準拠されている。このフォーマットでは、一番長いパルスがトレーラーパルスであり、それ以下の長さがリーダーパルスか0パルスか1パルスのいずれかである。可視光と光制御信号との間がトレーラーパルス以下の長さである場合、誤認識されることがあるので、送信タイミングを見計らって、家電製品協会が推奨するフォーマットのトレーラーパルス以上離す。
【0033】
第3実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置40によれば、可視光と光制御信号との間がトレーラーパルス以下の長さである場合、送信タイミングを見計らって、家電製品協会が推奨するフォーマットのトレーラーパルス以上離ことにより誤認識を回避できる。
【0034】
(第4実施形態)
次に、本発明に係る第4実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置について説明する。
図10に示すように、本発明に係る第4実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置50は、光制御信号が可視光通信で行われる場合に適用されるものとして制御信号送信回路部と可視光出力回路部とを単一とした制御信号兼可視光出力回路部51を備える。
【0035】
制御信号兼可視光出力回路部51は、電源ラインに接続された電流制限用の抵抗R9を介してアノードが接続された送信兼可視光LED52を備え、送信兼可視光LED52のカソードがPNP型のスイッチング素子TR3のエミッタに接続され、スイッチング素子TR3のベースが抵抗R10を介してマイコン13に接続されている。
【0036】
第4実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置50によれば、簡素な回路構成になるために、部品点数を大幅に削減できる。
【0037】
(第5実施形態)
次に、本発明に係る第5実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置について説明する。
図11に示すように、本発明に係る第5実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置60は、使用者の動作を検知する状態検知部61を備える。
状態検知部61は、加速度センサ62を備えており、加速度センサ62は、電源ラインにカソードが接続された保護ダイオードD1,保護ダイオードD2,保護ダイオードD3のアノードがマイコン13へのセンシング信号ラインに接続され、接地ラインにアノードが接続された保護ダイオードD4,保護ダイオードD5,保護ダイオードD6のカソードがマイコン13へのセンシング信号ラインに接続されている。
なお、状態検知部61は、加速度センサ62に代えて、ジャイロセンサ等を適用してもよい。
【0038】
懐中電灯付リモコン送信装置60は、状態検知部61により移動が検出されると、その状態信号をアナログ出力でマイコン13に与える。マイコン13は、その出力をA/D変換することによりデジタル信号として認識し、予め定められた誤差範囲を考慮した値を超えた変化があった場合、使用者が歩いていると認識する。マイコン13は、通常時に、状態検知部61により移動が検出されても可視光出力回路部20へ制御信号を与えず、第4操作ボタン19が押下されている論理と、状態検知部61により移動が検出された論理とのAND論理に基づき、誤差を含めて例えば3secの間に変化がないと認識されるまで可視光出力回路部20へ制御信号を与える。
【0039】
懐中電灯付リモコン送信装置60は、お年寄り等の握力が弱った人が使用する場合、第4操作ボタン19を押し続けながら移動するときに、力が弱く点灯状態と不点灯状態とを繰り返す状態になると、光が不安定な状態で目に届くために、かえって周りが見え難くなってしまうことがある。人は歩く等の移動を行う際に体の重心を移動させるために、懐中電灯付リモコン送信装置60に、その振動が伝わる。
【0040】
そこで、懐中電灯付リモコン送信装置60は、第4操作ボタン19が押下されて可視光出力回路部20の可視光LED23が可視光を照射中の間に、状態検知部61により動きが検出された場合、第4操作ボタン19が短時間離されても可視光出力回路部20の可視光LED23による可視光の照射を中止しない。そして、可視光が出力されている間は、状態検知部61により動きが検出されなくなるまで可視光の照射を中止しない。
【0041】
第5実施形態の懐中電灯付リモコン送信装置60によれば、お年寄り等の握力が弱った人に対してやさしく制御できる。
【0042】
なお、本発明の懐中電灯付リモコン送信装置において制御信号送信回路部,制御部,マイコン,操作ボタン群等は、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形や改良等が可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 照明器具(被制御機器)
10,30,40,50,60 懐中電灯付リモコン送信装置
11 制御信号送信回路部(送信回路部)
12 制御部
14 入力手段
15 操作ボタン群(スイッチ群)
19 第4操作ボタン(スイッチ)
20 可視光出力回路部(可視光源動作部)
23 可視光LED(可視光)
61 状態検知部(加速度センサ,ジャイロセンサ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス信号により被制御機器を制御するための光制御信号を外部へ送信する送信回路部と、
所定の条件で所定の制御信号を送信させるように前記送信回路部を制御する制御部と、
使用者からの命令を電気的に指示されるスイッチ群を備えた入力手段と、
可視光を照射することができる可視光源動作部とを有し、
前記入力手段の前記スイッチ群より所定のスイッチを入力することにより前記可視光源動作部から可視光を照射する懐中電灯付リモコン送信装置において、
前記使用者が持ったときに前記可視光源を覆わない位置に、前記可視光源動作部を作動させる所定のスイッチを設ける懐中電灯付リモコン送信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の懐中電灯付リモコン送信装置において、
前記送信回路部の信号光源が指向性の高い部品で構成される場合、前記部品の一部の向きを中心よりも外側に向けて配置する懐中電灯付リモコン送信装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の懐中電灯付リモコン送信装置において、
前記所定のスイッチを押すことによる前記可視光源動作部によって前記可視光を照射中に、前記入力手段の前記スイッチ群により別の所定のスイッチ以外も操作して前記被制御機器を制御するための制御信号を送信する場合に、前記可視光の照射をやめ、前記制御信号を構成するパルス信号のうち最長のもの以上離して前記制御信号のみ出力を行う懐中電灯付リモコン送信装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1項に記載の懐中電灯付リモコン送信装置において、
前記光制御信号が可視光通信で行われる場合、前記可視光源動作部と前記送信回路部とが同じである懐中電灯付リモコン送信装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1項に記載の懐中電灯付リモコン送信装置において、
動作を検知する加速度センサまたはジャイロセンサを搭載し、前記所定のスイッチを押すことによって前記可視光源動作部により前記可視光を照射中の間に前記加速度センサまたは前記ジャイロセンサにより動きを検出していた場合、前記所定のスイッチを短時間離しても前記可視光源動作部による前記可視光の照射を中止しない懐中電灯付リモコン送信装置。
【請求項1】
ワイヤレス信号により被制御機器を制御するための光制御信号を外部へ送信する送信回路部と、
所定の条件で所定の制御信号を送信させるように前記送信回路部を制御する制御部と、
使用者からの命令を電気的に指示されるスイッチ群を備えた入力手段と、
可視光を照射することができる可視光源動作部とを有し、
前記入力手段の前記スイッチ群より所定のスイッチを入力することにより前記可視光源動作部から可視光を照射する懐中電灯付リモコン送信装置において、
前記使用者が持ったときに前記可視光源を覆わない位置に、前記可視光源動作部を作動させる所定のスイッチを設ける懐中電灯付リモコン送信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の懐中電灯付リモコン送信装置において、
前記送信回路部の信号光源が指向性の高い部品で構成される場合、前記部品の一部の向きを中心よりも外側に向けて配置する懐中電灯付リモコン送信装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の懐中電灯付リモコン送信装置において、
前記所定のスイッチを押すことによる前記可視光源動作部によって前記可視光を照射中に、前記入力手段の前記スイッチ群により別の所定のスイッチ以外も操作して前記被制御機器を制御するための制御信号を送信する場合に、前記可視光の照射をやめ、前記制御信号を構成するパルス信号のうち最長のもの以上離して前記制御信号のみ出力を行う懐中電灯付リモコン送信装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1項に記載の懐中電灯付リモコン送信装置において、
前記光制御信号が可視光通信で行われる場合、前記可視光源動作部と前記送信回路部とが同じである懐中電灯付リモコン送信装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1項に記載の懐中電灯付リモコン送信装置において、
動作を検知する加速度センサまたはジャイロセンサを搭載し、前記所定のスイッチを押すことによって前記可視光源動作部により前記可視光を照射中の間に前記加速度センサまたは前記ジャイロセンサにより動きを検出していた場合、前記所定のスイッチを短時間離しても前記可視光源動作部による前記可視光の照射を中止しない懐中電灯付リモコン送信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−70061(P2012−70061A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−210852(P2010−210852)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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