説明

戸袋付引き戸ユニット

【課題】床仕上げ工事を問わずに設置することが可能で、施工現場への搬送・搬入と引き戸の取り付け、取り外しを容易にできる戸袋付引き戸ユニットを提供する。
【解決手段】建物の壁部Bに組み込まれ内装壁材5によって両面が塞がれる戸袋4と出入り口としての開口部3を備える引き戸枠1と、この引き戸枠1内に取り付けられる引き戸2とを備えている。引き戸枠1は、戸袋4を形成する戸袋構成部1−1と、施工現場において戸袋構成部1−1に並設されて組み立て接合される開口構成部1−2とで構成され、開口構成部1−2は、戸袋4の戸袋口6を形成するように枠組み配置される戸袋構成部1−1の前後一対の戸袋口縦枠7,7から開口部3を形成するように所定の間隔をおいて組み立て配置される戸先側縦枠15と、この戸先側縦枠15と戸袋口縦枠7,7との上端を接合するように組み立て配置される上横枠16とで形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、戸袋付引き戸ユニットに係り、詳しくは建物の基礎壁、特に間仕切壁などの壁部の内部に組み込まれて該壁部の内装壁材によって前後両面が塞がれる戸袋を一側に備え、他側には出入り口としての開口部を備えている戸袋付引き戸ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、日本の狭い住宅事情やバリアフリー住宅化などの観点から、開き戸(開き扉)に比べて間取り上の制約、例えば、扉を開けるための空間の確保などの制約を受けずに設置が可能で、しかも、開き戸のように押したり、手前に引くなどの動作が不要で、開閉が容易な引き戸が見直されてきている。特に、マンションなどの集合住宅では狭いスペースを広くするため間取り設計の自由度が高く、しかも、開けた状態において開き戸のように扉やレバーなどが飛び出て邪魔になることがないことなどから引き戸が注目されている。
このような住宅事情などに着目して開発された戸袋付引き戸ユニットは、例えば、特許文献1において提案されている。
【0003】
この特許文献1に記載の戸袋付引き戸ユニットは、引き戸枠と引き戸とを備えている。
引き戸枠は、引き戸の閉じ側となる戸先側縦枠及び引き戸の開き側となる戸尻側縦枠、この戸先側縦枠と戸尻側縦枠の上端及び下端をそれぞれ接合する上下の横枠によって方形枠状に枠組み形成されている。
そして、戸先側縦枠と戸尻側縦枠との略中間に、上下の横枠にわたり接合されるように前後一対の戸袋口縦枠を取り付け配置し、この前後一対の戸袋口縦枠を境に、その一側の戸尻側縦枠との間に引き戸を収納させる戸袋を備えると共に、他側の戸先側縦枠との間に出入り口としての開口部を備えている。
つまり、この従来の戸袋付引き戸ユニットは、引き戸枠の一側半分側を、前後両面から間仕切壁などの建物の壁部を構築する内装壁材で塞ぎ、この内装壁材の間に形成された空間を、引き戸が収納される戸袋としている。これにより、戸袋の向きによる使い勝手の制約がなくなり、また、各部屋の間仕切壁の壁面として活用されるようにしている。そして、引き戸枠の残る他側半分側を出入り口としての開口部としている。
【特許文献1】特開平10−46923号公報(段落番号0008、0014及び0021、図1〜図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、内装壁材を貼り付けるなどの内装工事によって構築される間仕切壁を主に利用して間取り設計に応じた各部屋を配置するマンションなどの集合住宅においては、床面の床仕上げ内装工事として二つのタイプがある。その一つ目が、コンクリート打ちされた基礎床面から適宜の高さの床下空間を確保するように床上げされた状態でフローリング張りなどを施す床上げ内装工事である。二つ目が、基礎床面に直接フローリング張りなどを施す直張り内装工事である。
ちなみに、床上げにより確保された床下空間は、配管や配線、そして床暖房器具などの設置スペースとして活用されるものである。
【0005】
しかしながら、前記した従来の戸袋付引き戸ユニットは、床上げ内装工事によって床面を仕上げる施工現場では使用することができるが、直張り内装工事によって床面を仕上げる施工現場においては、出入り口としての開口部の開口下(下辺部)に存在している引き戸枠の下横枠が、フローリング張りなどを基礎床面に直接施す上で邪魔になり、使用することができないという問題を有していた。
【0006】
また、戸袋部分と開口部部分とが上下の横枠によって一体に連設されて枠組み形成されている従来の戸袋付引き戸ユニットの引き戸枠は、工場などから施工現場への搬送・搬入が面倒で、手間が掛かるものとなっていた。
つまり、近年、建物の各部屋の出入り口としての開口高さは、2000〜2200cmというように従来の開口高さ(例えば、1800〜1900cm)に比べて高くなってきている。そのために、引き戸枠自体も大型化になって、搬送するときなどに嵩張り易く、特に、現場における搬入作業が面倒で手間が掛かるなどの問題を有していた。
【0007】
そこで、本発明は、前記課題を解消するために創案されたものであり、施工現場の床仕上げ工事内容を問わずに設置することが可能で、しかも、施工現場への搬送・搬入と現場における組み立て施工性に優れた戸袋付引き戸ユニットを提供、さらには、内装仕上げ工事が完了した後で、引き戸を引き戸枠の枠内に後付により取り付けることができるように改良された戸袋付引き戸ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために本発明は、請求項1では、建物の壁部に組み込まれて該壁部の内装壁材によって両面が塞がれる戸袋を一側に備え、他側には出入り口としての開口部を備える引き戸枠と、この引き戸枠内に取り付けられる引き戸と、を有する戸袋付引き戸ユニットにおいて、前記引き戸枠は、前記戸袋を形成するように枠組みされた戸袋構成部と、この戸袋構成部に並設されて前記開口部を形成するように組み立て接合される開口構成部と、で構成され、前記開口構成部は、前記戸袋の戸袋口を形成するように、前記戸袋構成部に枠組み配置される前後一対の戸袋口縦枠と平行で、該戸袋口縦枠から所定の間隔にて組み立て配置される戸先側縦枠と、この戸先側縦枠と前記戸袋口縦枠との上端を連結するように組み立て配置される上横枠と、で略逆向きL字形に形成されていることを特徴とする。
ここで、前記戸袋構成部は、工場において枠組み形成された状態で、施工現場へ搬送・搬入されるものであり、前記開口構成部は、施工現場へ搬送・搬入された後に、施工現場において、前記戸袋構成部に並設されて組み立て接合されるものである。
また、前記戸袋構成部の前記前後一対の戸袋口縦枠は、前記戸袋の戸袋口を強化する補強材を略全長に沿わせて備えていることが好適なものになる(請求項2)。
【0009】
請求項1に記載の構成によれば、引き戸枠は出入り口としての開口部の下辺部側に、下横枠が存在しない。つまり、引き戸枠の開口構成部は、戸先側縦枠とこの戸袋口縦枠との上端を連結するように組み立て配置される上横枠とで略逆向きL字形に形成されている。これにより、コンクリート打ちされた基礎床面から床下空間を確保するようにフローリング張りなどを施す床上げ内装工事は勿論、基礎床面にフローリング張りなどを直接施す直張り内装工事の施工現場においても設置することができる。
また、引き戸枠を、引き戸を収納する戸袋を形成する戸袋構成部と、各部屋への出入り口となる開口部を形成する開口構成部とで構成し、この開口構成部を施工現場において戸袋構成部に並設させて組み立て接合するようにしている。これにより、引き戸枠の施工現場への搬送・搬入を、戸袋構成部と、開口構成部とに分けて行うことができる。しかも、開口構成部は、戸先側縦枠と上横枠とにより構成されていることで、引き戸枠をより一層コンパクトに嵩張らない状態で、戸袋構成部及び引き戸と共に施工現場へ搬送・搬入することができる。
【0010】
そして、請求項2のように構成することにより、戸袋の戸袋口を形成する前後一対の戸袋口縦枠に備えた補強材によって、引き戸が出入りする戸袋口の開口強度を強化するための剛性を前後一対の戸袋口縦枠に付与することができる。これにより、引き戸枠の戸袋構成部を、建物の壁部を構成する壁下地構造材として、出入り口としての開口部を開口する壁部の内部に内在させることができる。つまり、内装壁材を戸袋構成部の前後両面に貼り付けるなどの工事を、建物の一連の内装仕上げ工事として行うことができる。
【0011】
請求項3では、前記戸先側縦枠は、前記引き戸が閉じられたときに、該引き戸の戸先が当接する化粧縁材を取り外し可能に備えている請求項1または請求項2に記載の戸袋付引き戸ユニットであって、前記戸先側縦枠から前記前後一対の戸袋口縦枠までの間隔が、前記引き戸の戸幅以上であり、前記化粧縁材から前記前後一対の戸袋口縦枠までの間隔が、前記引き戸の戸幅以下であることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、化粧縁材を戸先側縦枠に備えない状態では、出入り口としての開口部を形成する戸先側縦枠から前後一対の戸袋口縦枠までの間隔が引き戸の戸幅以上であることで、開口部から引き戸枠の枠内に引き戸を取り付けることができる。
つまり、引き戸枠を建物の壁部に設置し、内装壁材の貼り付け、クロス張りなどを施すなどの一連の内装工事が完了した後に、引き戸を引き戸枠の枠内に後付けにより取り付けることができる。そして、引き戸を取り付けた後に、化粧縁材を戸先側縦枠に全長に沿わせて備えた状態では、化粧縁材から前後一対の戸袋口縦枠までの間隔は引き戸の戸幅以下になることで、引き戸は引き戸枠から不用意に外れることがなく、出入り口としての開口部を確実に閉じることができる。
また、引き戸などのメンテナンスを行なうときには、化粧縁材を戸先側縦枠から取り外すことで、引き戸を引き戸枠の枠内から容易に取り外すことができる。
【0013】
また、請求項4では、前記引き戸が吊持式により前記出入り口としての開口部を開閉するように、前記引き戸枠の枠内に取り付けられている請求項1から請求項3の何れか1項に記載の戸袋付引き戸ユニットであって、前記引き戸枠の前記開口部から前記戸袋に至るまでの枠内において、前記引き戸を開閉可能に吊持するレール部材を取り外し可能に備えていることを特徴とする。
ここで、前記戸袋構成部の上横枠と前記開口構成部の上横枠に嵌め合わせ重合させた状態で、前記戸先側縦枠の上端から前記戸袋構成部の戸袋の奥側に枠組み配置される戸尻側縦枠の上端に至るように組み付け配置される上上横桟枠を備えていることが好適なものとなる(請求項5)。
【0014】
請求項4に記載の構成によれば、出入り口としての開口部を吊持式により開閉する引き戸であっても、前記した請求項3に記載のように、引き戸を引き戸枠の枠内から取り外した後に、該枠内からレール部材を取り外すことができる。これにより、レール部材に溜まったゴミなどを取り除くなどのメンテナンスを容易に行うことができる。そして、請求項5のように構成することにより、引き戸枠の戸袋構成部と開口構成部との上辺部は、戸袋構成部及び開口構成部の両上横枠と、この両上横枠に嵌め合わせ重合されて戸尻側縦枠と戸先側縦枠との上端同士を接合するように取り付けられる上横桟枠と、の二重壁構造(所謂二重梁構造)によって高い剛性が付与されることになる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る戸袋付引き戸ユニットは、以上のように構成されていることで、建物の壁部に壁面と略面一に取り付け設置される引き戸枠は、出入り口としての開口部の開口下に下横枠が存在しない。つまり、引き戸枠の開口構成部は略逆向きL字形に形成されていることで、床上げや直張りなどの施工現場の床仕上げ内装工事を問わずに設置することができる。
また、施工現場への搬送・搬入と現場における組み立て施工性に優れ、さらには、内装壁材を貼り付けるなどの一連の内装工事が完了した後に、引き戸を引き戸枠の枠内に後付けにより取り付けることができる。これにより、引き戸や化粧縁材などが工事中に傷つかないように防ぐための養生が不要となる。また、引き戸などをメンテナンスするときに、引き戸枠の枠内から引き戸を容易に取り外すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係る戸袋付引き戸ユニットの実施形態を示す斜視図であり、図2は、同戸袋付引き戸ユニットの戸袋構成部と開口構成部、引き戸を示す分解された斜視図である。そして、図3は、同戸袋付引き戸ユニットを建物の壁部に設置した状態を示す縦断正面図であり、図4は、図3のIV−IV線に沿った一部を省略して示す横断面図であり、図5は、図3のV−V線に沿った一部を省略して示す縦断面図であり、図6は、図3のVI−VI線に沿った一部を省略して示す横断面図である。
なお、本実施形態では、戸袋付引き戸ユニットの「左右方向」、「前側(正面)」、「後側(背面)」などの語は、戸袋付引き戸ユニットが図1に示す姿勢にある場合を基準として用いられる。
【0017】
≪戸袋付引き戸ユニットの説明≫
図1に示すように、戸袋付引き戸ユニットA(以後、単に「引き戸ユニット」と称する)は、鉄またはアルミニウムなどからなる所望の金属製型材を用いて枠組み形成される引き戸枠1と、この引き戸枠1の枠内に吊持式(吊懸け式)によって開閉可能に取り付けられる引き戸2とを備えて構成されている。
本実施形態の引き戸ユニットAは、左開き式の1枚の引き戸2を備えたものであり、引き戸枠1の左右方向の中間部から一側(図1において左側)が、引き戸2を収納する戸袋領域となっており、他側(図1において右側)が、引き戸2によって開閉される各部屋などへの出入り口としての開口部領域となっている。
【0018】
≪引き戸枠の説明≫
引き戸枠1は、建物の各部屋などの出入り口としての開口部3を開口する建物の壁部Bに、壁面と略面一に揃えた壁厚内で取り付け設置される骨組構造体であり、図1及び図2に示すように、引き戸2を開いたときに収納させる戸袋4を形成する戸袋構成部1−1と、この戸袋構成部1−1に並設させて開口部3を形成するように組み立て接合される開口構成部1−2とを備えて構成されている。
【0019】
≪戸袋構成部の説明≫
戸袋構成部1−1は、開口部3を閉じる引き戸2が全開まで開けられたときに、引き戸2を略完全に収納することができる程度の奥行きを有する戸袋4を、建物の壁部Bを構築するために貼り付けられる内装壁材5を取り付けるための壁下地構造材の一部として、壁部B内に内設するように、該壁部Bに組み込まれるものである。
この戸袋構成部1−1は、図1及び図2に示すように、前後一対の戸袋口縦枠7,7と、戸袋4の奥側(図1の左側)に配置される戸尻側縦枠8と、この戸尻側縦枠8と戸袋口縦枠7,7の上端間に両上端を接合するように配置される上横枠9と、下端間に両下端を接合するように配置される下横枠10とから枠組み形成されている。
【0020】
なお、図示を省略しているが、戸袋構成部1−1は、工場においてタッピングビスを用いたビス止め、または、ビス止めと溶接との併用による接合によって枠組み形成された状態で、施工現場に搬送・搬入されるものである。
【0021】
そして、本実施形態では、戸袋4の戸袋口6を形成するように、前後に配置される前後一対の戸袋口縦枠7,7は、図4に示すように、平面視で適宜の幅を有する接合片部7aと、この接合片部7aから外向きに、そして引き戸2に平行、さらに内向きに折り曲げられた内向き開口で略コの字形を呈する取付部7bと、を備えた枠構造に形成されている。
【0022】
接合片部7aは、上横枠9と下横枠10の一端が接合されると共に、戸袋構成部1−1をその前後両面から塞ぐように貼り付けられる内装壁材5が両面テープや接着剤などの適宜の固着手段によって取り付けられるようになっている。一方、取付部7bには全長に沿わせて補強材11が取り付けられている。
ちなみに、内装壁材5は、石膏ボードやその他の高い強度を有する高強度材料から形成されている壁ボードである。
【0023】
補強材11は、金属やアルミニウムなどの所望の金属製材料からなる角パイプを用いて形成されている。この補強材11は、図4に示すように、前後一対の戸袋口縦枠7,7の取付部7b内に、両面テープや接着剤、そしてタッピングビスを用いたビス止めによる併用によって取り付けられるように形成されている。これにより、前後一対の戸袋口縦枠7,7の高さ方向は勿論、戸袋口6の開口間隔を一定に保つように、前後一対の戸袋口縦枠7,7に強靭な強度を付与することができる。
【0024】
また、前後一対の戸袋口縦枠7,7の取付部7bの表面には、建物の基礎床面Cにフローリングを貼り付けるなどの床張り、そして、壁部Bのクロス張りなどの一連の内装仕上げ工事が終了した後に、化粧縁枠12が取り付けられる。この化粧縁枠12は、両面テープや接着剤などの適宜の固着手段によって取り付けられるようになっている(図4参照)。
【0025】
戸尻側縦枠8は、横断面が略コの字形を呈する部材(型材)を用いて形成されている。この戸尻側縦枠8は、開口部3を閉じる引き戸2が全開状態まで開けられたときに、引き戸2を略完全に収納することができる程度の奥行きを有する戸袋4を形成するように、前後一対の戸袋口縦枠7,7から所定の間隔をおいた戸袋4の奥側に枠組み立設される。
この戸尻側縦枠8は、戸袋構成部1−1を建物の壁部Bに内在させるように、該壁部Bに組み込み設置する際に、内装壁材5を貼り付けるために建物の基礎床面Cから天井面Dに向けて鉛直に立設されて配置される壁下地構造材となる支柱B−1に沿わせてビス止め、溶接などの適宜の固着手段によって支持させるようにしている(図3および図4参照)。
【0026】
また、図3及び図4に示すように、戸尻側縦枠8の内側における高さ方向の適所にはゴムやその他の緩衝部材からなる戸当り13が備えられていて、開口部3を閉じる引き戸2が全開まで開かれたときに、引き戸2の戸尻2aが受け止められるようにしている。また、図5に示すように、戸袋口6の下部に位置する下横枠10には引き戸2の振れを防ぐための振れ止め具14が備えられている。
【0027】
上横枠9及び下横枠10は、断面が略コの字形を呈する部材(型材)から前後一対の戸袋口縦枠7,7と戸尻側縦枠8とを接合する長さ、つまり、戸袋口6から戸袋4の奥側に至る戸袋構成領域に相当する長さに形成されている。そして、上横枠9は、下向き開口の状態で前後一対の戸袋口縦枠7,7の上端と戸尻側縦枠8の上端とを接合するように枠組み配置される。下横枠10は、上向き開口の状態で前後一対の戸袋口縦枠7,7の下端と戸尻側縦枠8の下端とを接合するように枠組み配置される。
【0028】
≪開口構成部の説明≫
開口構成部1−2は、施工現場に搬送・搬入された後に、施工現場において、戸袋構成部1−1の前後一対の戸袋口縦枠7,7側に並設されて組み立てられることで、各部屋などの出入り口としての開口部3を枠組み形成するものである。この開口構成部1−2は、図1及び図2に示すように、前後一対の戸袋口縦枠7,7から所定の間隔をおいて平行に組み立て配置される戸先側縦枠15と、この戸先側縦枠15の上端と戸袋構成部1−1とを接合するように組み立て配置される上横枠16とを備えている。
【0029】
戸先側縦枠15は、断面が略コの字形を呈する部材(型材)から戸袋構成部1−1の戸尻側縦枠8と同じ長さ(高さ)に形成されている。
この戸先側縦枠15は、図2及び図4に示すように、角形パイプ材からなる下地材17を備えている。これにより、戸先側縦枠15の強度を強化すると共に、引き戸2が閉じられたときに、引き戸2の戸先2bが当たる化粧縁材18を、タッピングビス19によって取り外し可能に備えるように形成されている。下地材17は、予め工場において戸先側縦枠15に溶接などにより取り付けられる。
【0030】
上横枠16は、断面が略コの字形を呈する部材(型材)から開口部3の開口幅に相当する長さに形成されている。
この上横枠16は、図1及び図2に示すように、戸袋構成部1−1の戸尻側縦枠8と開口構成部1−2の戸先側縦枠15とを接合するように施工現場において組み立て配置される後記する上横桟枠20の長さ方向の一半分側に被さるように嵌め合わせ重合されて、該上横桟枠20が戸尻側縦枠8と戸先側縦枠15との上端の間にわたり組み立て配置される。これにより、上横枠16は、開口部3の上辺部に位置するように配置される(図3参照)。
このように、上横枠16と上横桟枠20とを嵌め合わせ重合させることで、その断面形状は角パイプと同じ角形断面形状となり、しかも、断面開口における両側辺部は二重壁構造になることで(図5参照)、高い剛性を開口部3の上辺部に付与することができる。
また、上横枠16は、その長さ方向数ヶ所において上横桟枠20にタッピングビス19により結合されている。これにより、上横枠16と上横桟枠20との一体化が図れるようにしている(図5参照)。
【0031】
≪上横桟枠の説明≫
上横桟枠20は、図2に示すように、下向き開口で枠組み配置される戸袋構成部1−1の上横枠9と、同じく下向き開口で組み立て配置される開口構成部1−2の上横枠16とに嵌め合わせ重合させた状態で、戸袋構成部1−1の戸尻側縦枠8の上端側と開口構成部1−2の戸先側縦枠15の上端側とを接合するように枠組み配置されるものである。
この上横桟枠20は、断面が略コの字形を呈する部材(型材)から戸尻側縦枠8と戸先側縦枠15とに至る長さに形成されている。そして、この上横桟枠20の両端側には接合部21が折り曲げ形成されている。
これにより、上横桟枠20は、図2及び図5に示すように、上向き開口の状態で、なおかつ、戸袋構成部1−1の上横枠9と開口構成部1−2の上横枠16とに嵌め合わせ重合され状態でタッピングビス19によって戸尻側縦枠8と戸先側縦枠15とを接合するように組み立て配置される(図6参照)。
【0032】
そして、上横桟枠20の下面部にはレール部材22が取り外し可能に取り付けられており、このレール部材22に滑車23を介して引き戸2を吊持されて、該引き戸2を引き戸枠1の枠内に取り付けられるようにしている。つまり、引き戸2は、引き戸枠1の開口部3から戸袋4に至るまでレール部材22に沿った滑車23の転動によって開閉するように、引き戸枠1の枠内に吊持されている。
【0033】
≪レール部材の説明≫
レール部材22は、図2及び図5に示すように、下向き開口の略コの字形で、開口両縁から互いに向き合うように内向きに折り曲げた折り曲げ片部(後記する滑車23が転動する滑車受け片部)を備えた断面形状に形成されている。そして、このレール部材22は、上横桟枠20と略同じ程度の長さに形成されると共に、連設する上辺部には長さ方向に一定の間隔をおいて複数ヶ所に着脱係止孔24を備えている。
【0034】
この着脱係止孔24は、図6に示すように、レール部材22の長さ方向に所定の幅にて開口する係止孔部24aと、この係止孔部24aの一端側において所定の口径にて開口する係脱孔部24bとから略鍵孔形状に形成されている。これにより、レール部材22を、段付きビス25を用いて上横桟枠20の下面に取り外し可能に備えることができるようにしている(図5参照)。
つまり、図6に実線で示すように、レール部材22の一端側を戸先側縦枠15の化粧縁材18に突き合わせた状態では段付きビス25によって着脱係止孔24の係止孔部24aが係止される(図2参照)。これにより、レール部材22は上横桟枠20の下面に取り付けられる。
そして、図6に二点鎖線で示すように、レール部材22の他端側が戸尻側縦枠8に突き当たるまでレール部材22を戸尻側縦枠8方向に向けてスライドさせることで、着脱係止孔24の係脱孔部24bが段付きビス25と一致する。これにより、段付きビス25に対する着脱係止孔24の係止状態が解除されてレール部材22を上横桟枠20から取り外すことができる。
このように、レール部材22を取り外し可能に引き戸枠1の枠内に取り付けることで、レール部材22にゴミなどが溜まって滑車23の動きが悪くなったときや、滑車23自体の回転が悪くなったときなどのメンテナンスなどにおいて大変有効になる。特に、引き戸枠1の戸袋4内において取り付けられるレール部材22のレール部分においては外部(室内)からのメンテナンスはできないが、レール部材22を引き戸枠1から取り外せることで、そのメンテナンスが可能になる。
【0035】
また、レール部材22には、図2及び図6に示すように、定着孔26が設けられており、定着ビス27を用いてレール部材22を上横桟枠20に移動不能に定着させるようにしている。つまり、レール部材22を上横桟枠20から取り外すときには、定着ビス27を取り外してレール部材22を戸尻側縦枠8方向に向けてスライドさせることで、レール部材22を取り外すことができる。
これにより、レール部材22の一端側を戸先側縦枠15に突き合わせて着脱係止孔24の係止孔部24aを段付きビス25に係止させたレール部材22の取り付け状態において、引き戸2の開閉によってレール部材22が不用意にスライド移動することを防ぐことができる。
【0036】
≪引き戸の説明≫
引き戸2の上辺部には、図1及び図2に示すように、左右2ヵ所に滑車23が備えられており、この滑車23を介してレール部材22に吊持されてスライド移動するように、引き戸2は引き戸枠1の枠内に取り付けられる。
【0037】
なお、図示を省略しているが、滑車23は、ワンタッチ操作により引き戸2から切り離す(分離する)ことができるように形成されている。これにより、メンテナンスなどのためにレール部材22を引き戸枠1の枠内から取り外すときには、滑車23から引き戸2を切り離し、後記するように、引き戸2を引き戸枠1の枠内から取り外すことで、滑車23を備えた状態でレール部材22を引き戸枠1の枠内から容易に取り外すことができるようにしている。
【0038】
そして、本実施形態では、図3に示すように、引き戸2の戸幅(横長さ)L以上(好ましくは戸幅Lと略同一)になるように、開口構成部1−2の戸先側縦枠15から戸袋構成部1−1の前後一対の戸袋口縦枠7,7までの間隔L1が設定されている。そして、戸先側縦枠15に化粧縁材18が取り付けられた状態では、化粧縁材18から前後一対の戸袋口縦枠7,7までの間隔L2が引き戸2の戸幅L以下になるように設定されている。
【0039】
このように、引き戸2の戸幅Lに対し、戸先側縦枠15から前後一対の戸袋口縦枠7,7までの間隔L1と化粧縁材18から前後一対の戸袋口縦枠7,7までの間隔L2とを設定することにより、化粧縁材18が戸先側縦枠15に取り付けられている状態では、引き戸2は開口部3から不要に外れることなく、開口部3を確実に閉じることができる。
そして、化粧縁材18を戸先側縦枠15から取り外した状態では、引き戸2を開口部3から平行に移動させて取り外すことができる。これにより、引き戸2を滑車23から切り離し、引き戸2を引き戸枠1の枠内から容易に取り外すことが可能になる。換言すれば、フローリング張りやクロス張りなどの一連の内装仕上げ工事が完了した後で、引き戸2を引き戸枠1の枠内に後付けで取り付けることができる。
【0040】
次に、以上のように構成される本実施形態に係る引き戸ユニットAの引き戸枠1を建物の壁部Bに組み付けて設置するときの取り付け方について説明する。
図7は、本実施形態に係る引き戸ユニットを建物の壁部に設置するときの組み立て及び組み付け手順を説明するために供した斜視図である。ここでは、図2及び図6を適宜参照しながら説明する。
【0041】
まず、図2に示すように、開口構成部1−2の戸先側縦枠15の上端側に、上横枠16を予め備えた上横桟枠20の一端側の接合部21と上横枠16の一端側とを複数本のタッピングビス19によって接合する。これにより、図7の(a)に示すように、略逆向きL字形の開口構成部1−2を組み立てる。このとき、上横桟枠20の下面には滑車23を備えたレール部材22を、段付きビス25を用いて備えておくことが望ましい。これは、引き戸ユニットAを壁部Bに設置した後にレール部材22を取り外すときの状態などを確認する意味を含めて行なう。
【0042】
そして、図7の(b)に示すように、壁下地構造材となる支柱B−1に沿わせて戸袋構成部1−1を立て掛け支持させた後に、この戸袋構成部1−1の前後一対の戸袋口縦枠7,7の間の戸袋口6から略逆向きL字形に組み立てられた開口構成部1−2を立て掛けながら、上横桟枠20の他半部側を戸袋構成部1−1の上横枠9に対して下から嵌め合わせ重合するように、開口構成部1−2を戸袋構成部1−1側に組み込む。
このようにして、戸袋構成部1−1側に対して開口構成部1−2を組み込んだ状態で、戸袋構成部1−1の戸尻側縦枠8の上端側に、複数本のタッピングビス19によって上横桟枠20の他端側の接合部21を接合する(図6参照)。これにより、壁部Bに対する引き戸枠1の取り付け設置が完了する。このとき、タッピングビスと併用して一部を溶接などにより結合させることもできる。また、必要に応じて戸袋構成部1−1の上横枠9に対して上横桟枠20をタッピングビス、溶接などにより結合させるもよい。
【0043】
なお、以上説明した引き戸枠1の壁部Bに取り付け設置するための組み付け手順は一例であって、これに限定されるものではない。例えば、戸袋構成部1−1を壁部Bの支柱B−1に沿わせて立て掛ける作業に並行して開口構成部1−2の戸先側縦枠15をも同じく支柱B−1に沿わせて立て掛け、この状態で、上横桟枠20を戸先側縦枠15の上端側と戸袋構成部1−1の戸尻側縦枠8の上端側に対して接合することもできる。要するに、施工現場に応じた手順で引き戸枠1の開口構成部1−2は戸袋構成部1−1に並設するように組み付けられるものである。
【0044】
以上のように構成された本実施形態の引き戸ユニットAによれば、図2及び図7に示すように、引き戸枠1は、引き戸2を収納する戸袋4を形成する戸袋構成部1−1と、各部屋への出入り口としての開口部3を形成する開口構成部1−2とで構成され、この開口構成部1−2を施工現場において戸袋構成部1−1に並設させて組み立て接合するようにしている。これにより、引き戸枠1の施工現場への搬送・搬入を、戸袋構成部1−1と、開口構成部1−2とに分けて行うことができる。
【0045】
また、図3に示すように、引き戸枠1は開口部3の下辺部側に、下横枠が存在していない。これにより、コンクリート打ちされた基礎床面Cにフローリング張りなどを直接施す直張り内装工事の施工現場においても設置することができる。
【0046】
そして、戸袋4の戸袋口6を形成する戸袋構成部1−1の前後一対の戸袋口縦枠7,7は、全長に沿わせて補強材11を備えていることによって、引き戸2が出入りする戸袋口6の開口強度を強化するための剛性を前後一対の戸袋口縦枠7,7に付与することができる。これにより、引き戸枠1の戸袋構成部1−1を、建物の壁部Bを構成する壁下地構造材として、開口部3を開口する壁部Bの内部に内在させることができる。つまり、内装壁材5を戸袋構成部1−1の前後両面に貼り付けるなどの工事を、建物の一連の内装仕上げ工事として行うことができる。
【0047】
また、図3に示すように、化粧縁材18を戸先側縦枠15から取り外した状態では、開口部3を形成する戸先側縦枠15から前後一対の戸袋口縦枠7,7までの間隔L1が引き戸2の戸幅L以上であることで、開口部3を介して引き戸枠1の枠内から引き戸2を取り付けることができる。
つまり、引き戸枠1を建物の壁部Bに設置し、内装壁材5を貼り付けたり、クロス張り、そして床面にフローリング張りを施すなどの一連の内装工事が完了した後に、引き戸2を引き戸枠1の枠内に後付けにより取り付けることができる。換言すれば、設置後における引き戸2のメンテナンスなどのときには、化粧縁材18を戸先側縦枠15から取り外すことで、引き戸2を引き戸枠1の枠内から容易に取り外すことができる。
そして、引き戸2を後付けにより引き戸枠1の枠内に取り付けた後に、化粧縁材18を戸先側縦枠15に取り付けた状態では、化粧縁材18から前後一対の戸袋口縦枠7,7までの間隔L2は引き戸2の戸幅L以下になることで、引き戸2は引き戸枠1から不用意に外れることがなく、開口部3を確実に閉じることができる。
【0048】
また、引き戸2を引き戸枠1の枠内から取り外した後に、該枠内からレール部材22を取り外すことができることで、レール部材22に溜まったゴミなどを取り除くなどのメンテナンスを容易に行うことができる。
【0049】
[他の実施形態の説明]
図8は、他の実施形態の戸袋付引き戸ユニットを建物の壁部に設置した状態で、一部を省略して示す横断面図である。
なお、この他の実施形態に係る引き戸ユニットA−1は、引き戸枠1の戸袋構成部1−1の戸袋口6を形成する前後一対の戸袋口縦枠7−1,7−1の構成形態及びこの戸袋口縦枠7−1,7−1に対する補強材11の取付形態を変えた以外の構成要素においては、前記した実施形態と基本的に同じことから同じ構成要素に同じ符号を付することで、重複説明は省略する。
【0050】
図8に示すように、前後一対の戸袋口縦枠7−1,7−1は、平面視で適宜の幅を有する接合片部7−1aと、この接合片部7−1aから外向きに折り曲げられた取付部7−1bと、を備えた平面視で略L字形の枠構造に形成されている。取付部7−1bには全長に沿わせて補強材11が取り付けられている。
この補強材11は、フローリング張りやクロス張りなどの一連の内装仕上げ工事が完了した後に後付けによって、取付部7−1bに取り付けられるものであり、その取り付けには接着テープや接着材などの適宜の固着手段を採用することができる。
【0051】
また、前後一対の戸袋口縦枠7−1,7−1の取付部7−1b及びこの取付部7−1bに取り付けられる補強材11には、化粧枠部材31が全長に沿って被さるように取り付けられている。この化粧枠部材31は、平面視で略コの字形で、取付部7−1b及び補強材11に嵌合させた状態で取り付けられるように形成されている。
この化粧枠部材31は、補強材11が取付部7−bに取り付けられて後に後付けによって、取付部7−1b及び補強材11に取り付けられるものであり、その取り付けには接着テープや接着材などの適宜の固着手段を採用することができる。
【0052】
そして、前後一対の戸袋口縦枠7−1,7−1の取付部7−1bから戸先側縦枠15までの間隔、具体的には図8に示すように、戸先側縦枠15に取り付けられる化粧縁材30から取付部7−1bまでの間隔L1が、引き戸2の戸幅(横長さ)L以上(好ましくは戸幅Lと略同一)になるように設定されている。一方、取付部7−1bに補強材11が取り付けられた状態では、補強材11から戸先側縦枠15の化粧縁材30までの間隔L2が引き戸2の戸幅L以下になるように設定されている。
これにより、フローリング張りやクロス張りなどの一連の内装仕上げ工事が完了した後で、引き戸2を引き戸枠1の枠内に後付けで取り付けることができる。つまり、前記したように、補強材11及び化粧枠部材7−1bは、後付けによる取り付けが可能であることによって、引き戸2に傷などをつけることなく、該引き戸2を後付けで引き戸枠1の枠内に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態に係る戸袋付引き戸ユニットを示す斜視図である。
【図2】同実施形態に係る戸袋付引き戸ユニットを構成する引き戸枠の戸袋構成部及び開口構成部、そして引き戸などをそれぞれ示す分解斜視図である。
【図3】同本実施形態に係る戸袋付引き戸ユニットを建物の壁部に設置した状態の一例を示す縦断正面図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿った一部を省略して示す横断面図である。
【図5】図3のV−V線に沿った一部を省略して示す縦断面図である。
【図6】図3のVI−VI線に沿った一部を省略して示す横断面図である。
【図7】本実施形態に係る戸袋付引き戸ユニットを建物の壁部に設置するときの組み立て及び組み付け手順を説明するために供した斜視図であり、(a)は、引き戸枠の開口構成部の戸先側縦枠と上横枠とを上横桟枠を介して略L字形に組み立てた状態を示す斜視図、(b)は、出入り口としての開口部が開口される壁部部位に立て掛けた戸袋構成部に対して、開口構成部を組み付ける状態を示す斜視図である。
【図8】他の実施形態に係る戸袋付引き戸ユニットを建物の壁部に設置した状態で、一部を省略して示す横断面図である。
【符号の説明】
【0054】
A、A-1 引き戸ユニット
1 引き戸枠
1−1 戸袋構成部
1−2 開口構成部
2 引き戸
2a 戸尻
2b 戸先
3 開口部(出入り口)
4 戸袋
5 内装壁材
6 戸袋口
7,7、7−1,7−1 戸袋口縦枠
8 戸尻側縦枠
9,16 上横枠
10 下横枠
11 補強材
12 化粧縁枠
15 戸尻側縦枠
18 化粧縁材
20 上横桟枠
22 レール部材
23 滑車
B 壁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の壁部に組み込まれて該壁部の内装壁材によって両面が塞がれる戸袋を一側に備え、他側に出入り口としての開口部を備える引き戸枠と、この引き戸枠の枠内に取り付けられる引き戸と、を有する戸袋付引き戸ユニットにおいて、
前記引き戸枠は、前記戸袋を形成するように枠組みされた戸袋構成部と、この戸袋構成部に並設されて前記開口部を形成するように組み立て接合される開口構成部と、で構成され、
前記開口構成部は、前記戸袋の戸袋口を形成するように、前記戸袋構成部に枠組み配置される前後一対の戸袋口縦枠と平行で、該戸袋口縦枠から所定の間隔にて組み立て配置される戸先側縦枠と、この戸先側縦枠の上端と前記戸袋構成部とを連結するように組み立て配置される上横枠と、で略逆向きL字形に形成されていることを特徴とする戸袋付引き戸ユニット。
【請求項2】
前記戸袋構成部の前記前後一対の戸袋口縦枠は、前記戸袋の戸袋口を強化する補強材を略全長に沿わせて備えていることを特徴とする請求項1に記載の戸袋付引き戸ユニット。
【請求項3】
前記戸先側縦枠は、前記引き戸が閉じられたときに、該引き戸の戸先が当接する化粧縁材を略全長に沿わせて取り外し可能に備え、
前記戸先側縦枠から前記前後一対の戸袋口縦枠までの間隔が、前記引き戸の戸幅以上であり、前記化粧縁材から前記前後一対の戸袋口縦枠までの間隔が、前記引き戸の戸幅以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の戸袋付引き戸ユニット。
【請求項4】
前記引き戸が吊持式により前記出入り口としての開口部を開閉するように、前記引き戸枠の枠内に取り付けられ、
前記引き戸枠の前記開口部から前記戸袋に至るまでの枠内において、前記引き戸を開閉可能に吊持するレール部材を取り外し可能に備えていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の戸袋付引き戸ユニット。
【請求項5】
前記戸袋構成部の上横枠と前記開口構成部の上横枠に嵌め合わせ重合させた状態で、前記開口構成部の前記戸先側縦枠の上端から前記戸袋構成部の戸袋の奥側に枠組み配置される戸尻側縦枠の上端に至るように組み付け配置される上横桟枠を備えていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の戸袋付引き戸ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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