説明

手動印刷装置

【課題】印刷に適した速度や方向が確認可能な手動印刷装置を提供する。
【解決手段】筐体2上部に、適正速度へのガイドを表示する速度表示部24と適正方向へのガイドを表示する方向表示部25とが設けられている。速度表示部24は、左が頂点で右が底辺の略三角形の形状をなし、5つの点灯部からなっている。左側にある点灯部が点灯されるほど速く走行させるように促し、右側にある点灯部が点灯されるほど遅く走行させるように促す。方向表示部25は、8方向を示す点灯可能な矢印部からなっており、点灯している矢印部の方向へ手動印刷装置1を走行させると適正方向となるように表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被記録媒体上で手動で走査することにより印刷を実行する手動印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、様々な被記録媒体に対して所望の場所に印刷を行うための装置として、手動式の印刷装置が提案されている。この手動印刷装置によれば、被記録媒体上で使用者が手動印刷装置を任意の速度で手動により走査すると、手動印刷装置の移動量に応じて記録ヘッドを駆動制御して印刷が行われる。この手動印刷装置の移動量は、手動印刷装置が被記録媒体上を走行するための手段として回転自在に設けられている走行ローラの回転量に基づいて検出される。このような手動印刷装置においては、使用者は所望の方向に装置を走査することができるが、走査方向を予め指定しておき、その方向に応じて印刷の制御を行うことも提案されている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開平9−300723号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような手動印刷装置においては、使用者が装置を走査する速度が一定でなく、常に印刷に適した速度を保つことが難しいため、印刷の出来上がり品質が低下することがある。また、使用者が装置を走査する方向も自由にできるために歪んでしまい、印刷結果にずれやゆがみが出ることがある。そして、印刷結果がどのような品質になるのかは、実際に印刷してみないとわからないという問題があった。
【0004】
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、印刷に適した速度や方向が確認可能な手動印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の手動印刷装置は、被記録媒体上を手動走査されることにより当該被記録媒体上に印刷を行う手動印刷装置であって、手動走査されたことにより走行移動する走行手段と、被記録媒体上を前記走行手段により走行されたときに、被記録媒体上に文字や図形からなる画像を記録する記録ヘッドと、前記走行手段により走行される方向の適正値又は走行速度の適正値の少なくとも一方を記憶した適正値記憶手段と、前記走行手段により走行された方向又は走行速度の少なくとも一方を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された検出値と前記適正値記憶手段に記憶された適正値とを比較し、その差が所定範囲内に収まっているか否かを判断する判断手段と、前記判断手段による判断結果を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
また、本発明の請求項2に記載の手動印刷装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記適正値を設定する設定手段を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の請求項3に記載の手動印刷装置は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記検出値を前記適正値に近づけるためのガイド値を算出する算出手段を備え、前記表示手段は、前記算出手段により算出されたガイド値を表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の請求項1に記載の手動印刷装置は、操作者により手動印刷装置が被記録媒体上を走行されると、走行方向又は走行速度の少なくとも一方を検出し、その検出値を予め記憶されている適正値と比較する。そして、検出値と適正値との差が所定範囲内に収まっているか否かを判断し、判断結果を表示する。従って、表示を確認することにより、適切な走行方向や走行速度となっているかどうかを操作者が知ることができ、品質の高い印刷を行うことができる。
【0009】
また、本発明の請求項2に記載の手動印刷装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、適正値を設定可能としたので、印刷内容により適切な適正値を設定することができる。
【0010】
また、本発明の請求項3に記載の手動印刷装置は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、検出値を適正値に近づけるためのガイド値を算出して表示するようにしたので、どのようにすれば適切な走行方向や走行速度となるかを表示により確認できるため、より簡単に品質の高い印刷を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態にかかる手動印刷装置について図面を参照して説明する。図1は、手動印刷装置1の外観を示す斜視図である。図2は、手動印刷装置1の筐体2を取り外した状態の斜視図である。
【0012】
図1に示すように、手動印刷装置1は、ユーザが把持しやすい大きさの略直方体形状の筐体2を有している。図2に示すように、手動印刷装置1の内部には、走行手段である回転可能なローラ3と、ローラ3の回転に伴って回転するX方向ローラ31及びY方向ローラ32とが設けられている。また、Y方向ローラ32の近傍には、インクジェット式の記録ヘッド23が設けられている。
【0013】
X方向ローラ31はXエンコーダ21のエンコーダギア33に接続され、X方向ローラ31の回転力はエンコーダギア33に伝えられる。エンコーダギア33には、所定の間隔でスリットが設けられており、エンコーダギア33の回転によってON/OFFされるフォトインタラプタ34によってX方向ローラ31の回転数及び回転速度が検出される。同様に、Y方向ローラ32はYエンコーダ22のエンコーダギア35に接続され、Y方向ローラ32の回転力はエンコーダギア35に伝えられる。エンコーダギア35には、所定の間隔でスリットが設けられており、エンコーダギア35の回転によってON/OFFされるフォトインタラプタ36によってY方向ローラ32の回転数及び回転速度が検出される。尚、Xエンコーダ21及びYエンコーダ22が本発明の検出手段に相当する。
【0014】
また、図1に示すように、筐体2の上部には、適切な走行速度へのガイドを表示するための速度表示部24と、適切な走行方向へのガイドを表示するための方向表示部25とが設けられている。これらの表示部には、Xエンコーダ21及びYエンコーダ22から検出される現在の走行速度及び走行方向と、既定値又はユーザによってあらかじめ設定される適正な走行速度及び走行方向とを比較して、適正な速度・方向に近づけるためにはどのように操作すればよいかが表示される。尚、速度表示部24及び方向表示部25が本発明の表示手段に相当する。
【0015】
具体的には、速度表示部24は、左が頂点で右が底辺の略三角形の形状をなし、5つの点灯部からなっている。左側にある点灯部が点灯されるほど速く走行させるように促し、右側にある点灯部が点灯されるほど遅く走行させるように促すことを意味している。すなわち、最左部51が点灯すれば「もっと速く」、左中部52が点灯すれば「やや速く」、中央部53が点灯すれば「適正速度」、右中部54が点灯すれば「やや遅く」、最右部55が点灯すれば「もっと遅く」を意味している。
【0016】
また、方向表示部25は、8方向を示す点灯可能な矢印部からなっており、点灯している矢印部の方向へ手動印刷装置1を走行させると適正方向となるように表示される。すなわち、左矢印41が点灯したら「左方向へ走行」、左上矢印42が点灯したら「記録媒体の左斜め上方向へ走行」、上矢印43が点灯したら「記録媒体の上方向へ走行」、右上矢印44が点灯したら「記録媒体の右斜め上方向へ走行」、右矢印45が点灯したら「右方向へ走行」、右下矢印46が点灯したら「記録媒体の右斜め下方向へ走行」、下矢印47が点灯したら「記録媒体の下方向へ走行」、左下矢印48が点灯したら「記録媒体の左斜め下方向へ走行」というガイドを意味している。
【0017】
上記構成の手動印刷装置1の筐体2をユーザが把持し、筐体2側面に設けられた印刷ボタン15(図3参照)を押しつつ、記録媒体(図示外)上をローラ3を接触させながら走行させることにより、外部装置から供給された印刷データが記録媒体上に印刷される。そして、印刷実行中に、現在の走行方向及び走行速度が検出され、速度表示部24及び方向表示部25にガイドが表示される。尚、以下の説明では、手動印刷装置1の適正な走行方向は図1の矢印方向であるものとする。
【0018】
次に、図3を参照して、手動印刷装置1の制御系の構成を説明する。図3は、手動印刷装置1の電気的構成を説明するブロック図である。図3に示すように、手動印刷装置1には、手動印刷装置1全体の制御をつかさどるCPU10が設けられ、このCPU10には、制御プログラムや各種の既定値を記憶したROM11と、外部装置から供給される印刷データや、走行速度及び走行方向の適正値を記憶するRAM12と、印刷開始を指示する印刷ボタン15とが接続されている。また、CPU10には、Xエンコーダ21及びYエンコーダ22と、記録ヘッド23を制御するヘッド駆動制御部13と、速度表示部24及び方向表示部25を制御する表示制御部14とが接続されている。尚、RAM12が本発明の適正値記憶手段に相当する。
【0019】
次に、以上の構成からなる手動印刷装置1の印刷動作について、図4〜図6を参照して説明する。図4は、手動印刷装置1の印刷処理の流れを示すフローチャートである。図5は、印刷処理の中で実行される方向表示処理のフローチャートである。図6は、印刷処理の中で実行される速度表示処理のフローチャートである。印刷の対象となる印刷データは、パーソナルコンピュータ等の外部装置から送信され、RAM12に記憶される。
【0020】
手動印刷装置1の電源がONされると、まず、RAM12のクリア、印刷方向・印刷速度の適正値のリセット等の初期設定が行われる(S10)。次に、印刷方向や印刷速度の適正値について、ユーザによる入力がなされ、既定値から変更されているか否かを判断する(S20)。図示しないが、印刷方向や印刷速度の適正値は、予め定められた範囲内で、ユーザが適宜設定可能である。ここでは手動印刷装置1は入力手段を持たないので、外部装置に接続して入力を受け付けるようにすればよい。
【0021】
方向・速度の適正値のユーザ設定がある場合には(S20:YES)、適正値を既定値からユーザ設定値に変更し、RAM12に記憶する(S30)。ユーザ設定値がない場合には(S20:NO)、そのままS40に進む。
【0022】
次に、表示制御部14を制御して、速度表示部24及び方向表示部25への表示を開始する(S40)。次に、印刷ボタン15が押され、筐体2が走行されることにより、印刷操作が開始されたか否かを判断する(S50)。操作が開始されていない場合は(S50:NO)、そのまま待機する。操作が開始された場合には(S50:YES)、次に、Xエンコーダ21及びYエンコーダ22の値を取得する(S60)。
【0023】
次に、取得したエンコーダの値と、RAM12に記憶されている適正値とを比較して、方向のガイドを表示する方向表示処理(S70)、速度のガイドを表示する速度表示処理(S90)を実行する。方向表示処理及び速度表示処理の詳細については、図5及び図6を参照して後述する。
【0024】
そして、RAM12から印刷データを読み出し、ヘッド駆動制御部13により記録ヘッド23を駆動して、印刷を実行する(S110)。次に、RAM12に記憶されている全印刷データの印刷が終了したか否かを判断する(S120)。全印刷データの印刷が終了していなければ(S120:NO)、S60に戻り、S60〜S110を繰り返す。RAM12内の全印刷データの印刷が終了したら(S120:YES)、方向表示部及び速度表示部の表示を終了する(S130)。そして、電源がOFFされたか否かを判断し(S140)、電源がOFFにされたときは(S140:YES)、処理を終了する。電源がOFFにされていなければ(S140:NO)、S50に戻り、印刷操作がなされるのを待つ。
【0025】
次に、図5を参照して、図4のS70で実行される方向表示処理について説明する。方向表示処理が開始されると、まず、Yエンコーダ22の値が「0」か否かを判断する(S71)。先に述べたように、今、図1の矢印方向へ手動印刷機1を進めていきたいので、Yエンコーダ22の値が「0」であれば(S71:YES)、Y方向へのずれはないから、そのまま左方向へ進めていけばよい。そこで、左矢印41を点灯し(S72)、印刷処理に戻る。
【0026】
Yエンコーダ22の値が「0」でない場合は(S71:NO)、次に、Yエンコーダ22の値が「0」よりも大きいか否かを判断する(S73)。Yエンコーダ22の値が「0」よりも大きい場合には(S73:YES)、続いて、Xエンコーダ21の値が「0」より大きいか否かを判断する(S74)。Xエンコーダ21の値も「0」より大きい場合には(S74:YES)、さらに、Yエンコーダ22の値をXエンコーダ21の値で割った値が「0.41」よりも小さいか否か、すなわち、tan(45°/2)よりも小さいか否かを判断する(S75)。Y/Xが「0.41」よりも小さい場合には(S75:YES)、Y方向へのずれはほとんどないので、左矢印41を点灯し(S72)、印刷処理に戻る。
【0027】
また、Y/Xが「0.41」以上の場合には(S75:NO)、左下矢印48を点灯し(S76)、印刷処理に戻る。
【0028】
Yエンコーダ22の値が「0」よりも大きく(S73:YES)、Xエンコーダ21の値が「0」以下の場合には(S74:NO)、次に、Yエンコーダ22の値をXエンコーダ21の値で割った値が「−0.41」よりも大きいか否か、すなわち、tan(-45°/2)よりも大きいか否かを判断する(S77)。Y/Xが「−0.41」よりも大きい場合には(S77:YES)、Y方向へのずれはほとんどないので、左矢印41を点灯し(S78)、印刷処理に戻る。
【0029】
また、Y/Xが「−0.41」以下の場合には(S77:NO)、左下矢印48を点灯し(S79)、印刷処理に戻る。
【0030】
Yエンコーダ22の値が「0」以下の場合には(S73:NO)、次に、Xエンコーダ21の値が「0」より大きいか否かを判断する(S80)。Xエンコーダ21の値が「0」より大きい場合には(S80:YES)、次に、Yエンコーダ22の値をXエンコーダ21の値で割った値が「−0.41」よりも大きいか否か、すなわち、tan(-45°/2)よりも大きいか否かを判断する(S81)。Y/Xが「−0.41」よりも大きい場合には(S81:YES)、Y方向へのずれはほとんどないので、左矢印41を点灯し(S83)、印刷処理に戻る。
【0031】
また、Y/Xが「−0.41」以下の場合には(S81:NO)、左上矢印42を点灯し(S82)、印刷処理に戻る。
【0032】
Yエンコーダ22の値が「0」以下で(S73:NO)、Xエンコーダ21の値も「0」以下の場合には(S80:NO)、次に、Yエンコーダ22の値をXエンコーダ21の値で割った値が「0.41」よりも小さいか否か、すなわち、tan(45°/2)よりも小さいか否かを判断する(S84)。Y/Xが「0.41」よりも小さい場合には(S84:YES)、Y方向へのずれはほとんどないので、左矢印41を点灯し(S83)、印刷処理に戻る。
【0033】
Y/Xが「0.41」以上の場合には(S84:NO)、左上矢印42を点灯し(S85)、印刷処理に戻る。
【0034】
以上の方向表示処理により、左方向に走査したい場合に、ユーザがどの方向に向けて手動印刷装置1を操作すればよいかが方向表示部25の8方向の矢印の点灯により示されるので、そのガイドに従ってユーザが手動印刷装置1を動かすことにより、適切な方向に印刷がなされ、品質の高い印刷結果を得ることができる。尚、本実施形態では、左方向にまっすぐ走査したい場合(設定された適正値が左方向である場合)について説明したが、適正値は左方向に限らず、適宜設定することができる。
【0035】
次に、図6を参照して、図4のSS90で実行される速度表示処理について説明する。速度表示処理が開始されると、まず、Xエンコーダ21及びYエンコーダ22から検出された現在速度Xを設定値で割った値が「0」以上「0.8」以下であるか否かを判断する(S91)。Xを設定値で割った値が「0」以上「0.8」以下である場合には、現在速度は設定値よりも相当遅いので、「もっと速く」を意味する速度表示部25の最左部51を点灯し(S92)、印刷処理に戻る。
【0036】
Xを設定値で割った値が「0」から「0.8」の間にない場合には(S91:NO)、次に、「0.8」より大きく「0.9」よりも小さいか否かを判断する(S93)。Xを設定値で割った値が「0.8」より大きく「0.9」よりも小さい場合には、現在速度は設定値よりもまだ遅いので、「やや速く」を意味する左中部52を点灯し(S94)、印刷処理に戻る。
【0037】
Xを設定値で割った値が「0.8」超「0.9」未満の間にない場合には(S93:NO)、次に、Xを設定値で割った値が「0.9」以上「1.1」以下の間にあるか否かを判断する(S95)。Xを設定値で割った値が「0.9」以上「1.1」以下であれば(S95:YES)、ほぼ適正な速度であるから、「適正速度」を意味する中央部53を点灯し(S96)、印刷処理に戻る。
【0038】
Xを設定値で割った値が「0.9」から「1.1」の間にない場合には(S95:NO)、次に、Xを設定値で割った値が「1.1」より大きく「1.2」よりも小さいか否かを判断する(S97)。Xを設定値で割った値が「1.1」超「1.2」未満の場合には(S97:YES)、現在速度は設定値よりもやや速いので、「やや遅く」を意味する右中部54を点灯し(S98)、印刷処理に戻る。
【0039】
Xを設定値で割った値が「1.1」超「1.2」でない場合には(S97:NO)、Xを設定値で割った値は「1.2」以上であり、現在速度は適正値よりも相当速くなっているので、「もっと遅く」を意味する最右部55を点灯し(S99)、印刷処理に戻る。
【0040】
このように、エンコーダ21,22から検出される現在速度と、既定値又はユーザにより設定された速度の適正値を比較し、現在速度を適正値に近づけるためにどのように走査したらよいかを速度表示部25の矢印部の点灯によって表示している。従って、ユーザは、速度表示部25の点灯状況を確認しながら手動印刷装置1の操作を行うことができ、適正速度に近づけることが容易にできるので、品質の高い印刷結果を得やすくなる。
【0041】
以上説明したように、本実施形態の手動印刷装置1によれば、Xエンコーダ21及びYエンコーダ22から現在の走行速度及び走行方向を常時検出し、RAM12に記憶されている適正値と比較することにより、適正な速度に近づけるためのガイドを速度表示部24に表示させ、適正な方向とするためのガイドを方向表示部25に表示させる。従って、ユーザは、速度表示部24及び方向表示部25のガイド表示を確認しながら手動印刷装置1を操作することができるので、簡単に適切な走査を実行することができ、品質の高い印刷結果を得ることができる。
【0042】
尚、上記実施形態において、図4のS70の方向表示処理及びS90の速度表示処理を実行するCPU10が本発明の判断手段及び算定手段に相当する。
【0043】
尚、上記実施形態では、速度表示部24及び方向表示部25には、適正値に近づけるためのガイドを表示しているが、表示するのはガイド表示に限らない。適正値と現在値とを比較した結果そのものを表示するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】手動印刷装置1の外観を示す斜視図である。
【図2】手動印刷装置1の筐体2を取り外した状態の斜視図である。
【図3】手動印刷装置1の電気的構成を説明するブロック図である。
【図4】手動印刷装置1の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】印刷処理の中で実行される方向表示処理のフローチャートである。
【図6】印刷処理の中で実行される速度表示処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
1 手動印刷装置
2 筐体
3 ローラ
10 CPU
11 ROM
12 RAM
13 ヘッド駆動制御部
14 表示制御部
15 印刷ボタン
21 Xエンコーダ
22 Yエンコーダ
23 記録ヘッド
24 速度表示部
25 方向表示部
31 X方向ローラ
32 Y方向ローラ
33 エンコーダギア
34 フォトインタラプタ
35 エンコーダギア
36 フォトインタラプタ
41 左矢印
42 左上矢印
43 上矢印
44 右上矢印
45 右矢印
46 右下矢印
47 下矢印
48 左下矢印
51 最左部
52 左中部
53 中央部
54 右中部
55 最右部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録媒体上を手動走査されることにより当該被記録媒体上に印刷を行う手動印刷装置であって、
手動走査されたことにより走行移動する走行手段と、
被記録媒体上を前記走行手段により走行されたときに、被記録媒体上に文字や図形からなる画像を記録する記録ヘッドと、
前記走行手段により走行される方向の適正値又は走行速度の適正値の少なくとも一方を記憶した適正値記憶手段と、
前記走行手段により走行された方向又は走行速度の少なくとも一方を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された検出値と前記適正値記憶手段に記憶された適正値とを比較し、その差が所定範囲内に収まっているか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段による判断結果を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする手動印刷装置。
【請求項2】
前記適正値を設定する設定手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の手動印刷装置。
【請求項3】
前記検出値を前記適正値に近づけるためのガイド値を算出する算出手段を備え、
前記表示手段は、前記算出手段により算出されたガイド値を表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の手動印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−73974(P2008−73974A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−256577(P2006−256577)
【出願日】平成18年9月22日(2006.9.22)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】