説明

投擲ゲーム用レーン

【課題】ボウリングに代表されるレーン上の投擲対象物に投擲を行うゲームにおいて、レーン上に投球タイミングをずらしたり、投擲体の移動に変化を与えたりする仕組みを形成することを課題とする。
【解決手段】投擲ゲーム用レーンとしてレーン本体と、レーン本体上を移動する投擲体に対し障害を付与する障害付与手段とにより構成し、好適には、前記障害付与手段は、時間に応じてレーン上を移動する投擲体の移動をほぼ邪魔しない通過可能状態と、当該投擲体の移動を邪魔する通過困難状態の2態様に変化する障害物により形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はボウリングのような平らなレーン上の投擲対象に、ボール等を移動させて投擲するゲームに用いられるレーンに関する。
【背景技術】
【0002】
ボウリングは、レーンに並べられたピンにボールを投球し、倒れたピンの数を競うゲームである。このレーンには、両側にガーター溝が設けられるが、レーン上に障害となるものが設けられることはない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、ボウリングのような繊細なゲームにおいては、投球までのルーティーンが非常に重要になるといわれている。そこで、レーンにこのルーティーンを邪魔することで投球リズムを狂わせるような仕組みがあると、ボウリングゲームに新たな楽しみを付与できると考えられる。また、レーンにボウリングボールの移動を邪魔したり、移動方向を変化させたりすることによってもボウリングゲームにバリエーションを加えることができると考えられる。
また、本願発明者は特願2006−155780においてボウリングボールに代えて、レーン上を滑らせる投擲体を提案しており、また、特願2006−284850においてカーリングとボウリングを混合したゲームを行うためのレーンを提案しているが、前者ようなボウリングボールでない投擲体を用いる場合や、投擲対象がカーリングのようなエリアなどの場合でも同様の楽しみを付加することが考えられる。
本発明は、このような事情に鑑み、ボウリングに代表されるレーン上の投擲対象物に投擲を行うゲームにおいて、レーン上に投球タイミングをずらしたり、投擲体の移動に変化を与えたりする仕組みを形成することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明は次のような構成を有する。
請求項1に記載の発明は、レーン本体と、レーン本体上を移動する投擲体に対し障害を付与する障害付与手段とを有する投擲ゲーム用レーンである。
請求項2に記載の発明は、前記投擲ゲーム用レーンにおいて、前記障害付与手段は、時間に応じてレーン上を移動する投擲体の移動をほぼ邪魔しない通過可能状態と、当該投擲体の移動を邪魔する通過困難状態の2態様に変化する障害物により形成されるものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の投擲ゲーム用レーンにおいて、前記障害物は、レーン本体の幅方向の少なくとも一部を遮る、棒体もしくは板体であって、床面に垂直な回動軸回りに回動することで、通過可能状態と通過困難状態の2態様に変化するものである。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の投擲ゲーム用レーンにおいて、前記障害物は回動軸が長手方向に沿った縁部に設けられ、先端が投擲方向に向う状態をとることで通過可能状態となり、先端がレーン上に位置し、斜めに傾くことで通過困難状態となるものである。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の投擲ゲーム用レーンにおいて、前記障害物は、一定速度で回転しているものである。
請求項6に記載の発明は、請求項3又は4に記載の投擲ゲーム用レーンにおいて、前記障害物は、間欠的に通過可能状態と通過困難状態の2態様に変化するものである。
請求項7に記載の発明は、請求項3から6のいずれかの投擲ゲーム用レーンにおいて、 前記障害物は、レーンの長手方向に往復運動を行うものである。
【0005】
請求項8に記載の発明は、請求項2に記載の投擲ゲーム用レーンにおいて、前記障害物は、上下動するものであり、レーン表面にほぼ一致又は没入した状態もしくはレーン表面から所定以上の高さをとることで通過可能状態となり、レーン表面から所定高さ以内に存するように突出することで通過困難状態となるものである。
請求項9に記載の発明は、請求項3から8のいずれかに記載の投擲ゲーム用レーンにおいて、前記障害物は、複数設けられるとともに、各障害物の通過可能状態及び通過困難状態に変化するタイミングが異なるものである。
請求項10に記載の発明は、請求項1に記載の投擲ゲーム用レーンにおいて、前記障害付与手段を、先端側がレーン本体の長手方向に移動可能に前記レーン本体の上方から垂下する棒体としたものである。
請求項11に記載の発明は、請求項2から10のいずれかの投擲ゲーム用レーンにおいて、前記障害付与手段は投擲体が当たったことを感知するセンサーが設けられるものである。
請求項12に記載の発明は、請求項1又は2の投擲ゲーム用レーンにおいて、 前記障害付与手段は、エアコンプレッサーとエアコンプレッサーから送られる空気をレーン本体上を移動する投擲体に対し吹き付けるノズルとから構成されるものである。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の投擲ゲーム用レーンにおいて、前記レーン本体の前記ノズルが設けられる区間をトンネル状に覆う覆いが設けられたものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に記載の発明は、投擲用のレーン本体に投擲体の移動に対する障害を付与する障害付与手段を設けることで、投擲時に障害を受けないように投擲したり、障害により投擲体の進行方向が変化したりするので、投擲ゲームに新たな楽しみを付加することができる。
請求項2に記載の発明は、障害物が時間に応じて通過可能状態と、通過困難状態の2態様に変化するので、投擲の際に通過可能状態となるタイミングで投擲する場合に投擲タイミングのリズムを狂わせることができる。
請求項3に記載の発明は、障害物を回動軸回りに回動する棒体もしくは板体により形成することで、簡易な構成とでき、回動軸をレーン本体外に設ければ、レーン本体を加工する必要をなくすことができる。
請求項4に記載の発明は、障害物が通過可能状態においてレーン縁部に沿って設けられることになり、ガーターとなる可能性をより低くでき、また、通過困難状態においては、斜めに傾くことで、投擲体が当たると、投擲体移動する角度を変えることができる。
請求項5に記載の発明は、棒体もしくは板体からなる障害物が回動軸回りに常に回動している状態であるので、投球タイミングを障害物の回動を目視しながら調整することができ、比較的投擲タイミングをとりやすくすることができる。
請求項6に記載の発明は、間欠的に変化するので、投球タイミング計ることが困難であり、より投球を難しくすることができる。
【0007】
請求項7に記載の発明は、障害物がさらにレーンの長手方向に往復運動することで、さらに、投擲タイミングを計りにくくすることができる。
請求項8に記載の発明は、障害物をレーン上に上下動するものとすることにより、投擲タイミングがずれたとき投擲体が障害物をすり抜けたり、乗り越えたりすることとなり、スリル感を投擲に付加することができる。
請求項9に記載の発明は、障害物を複数設け、通過可能状態と通過困難状態に変化するタイミングを異ならせることで、より投擲タイミングを計ることが複雑になり、投擲を困難にすることができる。
請求項10に記載の発明は、レーン本体を加工する必要がなく、また、投擲体の移動に対して比較的影響を与えない障害とすることができる。
請求項11に記載の発明は、投擲体が当たったことを検知するセンサーを設けることで、センサーの出力に応じて、種々の電気的動作を行わせることができ、ゲームにより楽しみを付加することができる。
請求項12に記載の発明は、空気を吹き付けることで投擲体の移動を変化させることで、どのように変化するかが予測しづらく、また、吹き付ける方向によっては、投擲体に勢いをつけることもできる。
請求項13に記載の発明は、ノズルを含むレーンの区間にトンネル状の覆いを設けることで、ノズルから噴出す空気が拡散することが覆いにより防がれるので、より空気による影響を投擲体に付与することができる。
【0008】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1に実施形態1に係る投擲ゲーム用レーンAの一部拡大斜視図を示す。投擲ゲーム用レーンAはレーン本体Lと障害付与手段とから構成される。レーン本体Lは、一般的なボーリングレーンとほぼ同様の構成を有する。
障害付与手段は、レーン本体Lの左右に設けられる。各障害付与手段は、垂直に立設される棒体からなる、図示しない第1の駆動装置により中心軸回りに回動するように基端部を保持される回動軸11と、回動軸11の側面先端近傍に、水平に支持されるウレタンの棒体からなる障害物12と、レーン本体Lの横に設けられるレーン本体Lに沿った長穴であって、前記回動軸11の基端を内部に設けられる第2の駆動手段により移動可能に支持する移動ガイド13とから構成される。各駆動手段はモーターにより作動するものであり、ギア、リンク機構、ベルト機構などの公知手段を用いて動力を伝えるものである。駆動手段は図示しない制御手段により制御される。ここでは、第1の駆動手段はランダムに障害物12を図の実線の状態から図の想像線の位置に回動させ、また、図の実線の位置に戻すように制御される。第2の駆動手段は、一定速度で、回動軸11がレーン本体Lの長手方向に往復運動するように制御される。障害物12が実線の位置にあるときは投擲体であるボウリングボールの移動を邪魔する通過困難状態であり、障害物12が想像線の位置にあるときは、ボウリングボールの移動をほぼ邪魔しない通過可能状態となる
【0009】
以上のような構成を有する投擲ゲーム用レーンAは、通常のボウリングと同じようにしてゲームを行う。この際、障害物12がランダムに開閉するので、プレーヤーは障害物11が開いたタイミングを見計らって投球を行う必要があり、投球リズムを合わせることが困難となり、ゲームをより難しくすることができる。
【0010】
(実施形態2)
図2に実施形態2に係る投擲ゲーム用レーンBの一部拡大斜視図を示す。投擲ゲーム用レーンBは、やはりレーン本体Lと障害付与手段とから構成され、レーン本体Lは、一般的なボーリングレーンとほぼ同様の構成を有する。
障害付与手段は、レーン本体Lの左右に設けられる。各障害付与手段は、垂直に立設されるパイプ体からなる支持軸21と、支持軸21の側面レーン本体側に設けられる垂直方向に形成される長穴23と、長穴23内を第3の駆動手段により上下に移動可能に基端を支持される、水平に延びるウレタンの棒体からなる障害物22とから構成される。支持軸21及び長穴23の大きさは、障害物22が長穴23の最上部に位置したときに、障害物22の下縁がボウリングボールの高さよりも高くなるように設定される。また、第3の駆動手段はモーターにより作動するものであり、ギア、リンク機構、ベルト機構などの公知手段を用いて動力を伝えるものであって、図示しない制御手段によって障害物22をランダムに上下に動かすように制御される。そして、障害物22が想像線の位置にあるときは投擲体であるボウリングボールの移動を邪魔する通過困難状態であり、障害物22が実線の位置にあるときは、ボウリングボールの移動をほぼ邪魔しない通過可能状態となる
【0011】
以上のような構成を有する投擲ゲーム用レーンBも、通常のボウリングと同じようにしてゲームを行う。この際、障害物22がランダムに上下するので、プレーヤーは障害物22が上方に位置するタイミングを見計らって投球を行う必要があり、やはり投球リズムを合わせることが困難となり、ゲームをより難しくすることができる。
【0012】
(実施形態3)
図3に実施形態3に係る投擲ゲーム用レーンCの一部拡大斜視図を示す。投擲ゲーム用レーンCは、やはりレーン本体Lと障害付与手段とから構成され、レーン本体Lは、一般的なボーリングレーンとほぼ同様の構成を有する。
障害付与手段は、実施形態2に係るものと同じであるが、レーン本体Lの左右に3つずつ設けられる。そして、各第3の駆動手段は、図示しない制御手段により、それぞれの傷害物22が、異なるタイミングでランダムに上下動するように制御される。
【0013】
以上のような構成を有する投擲ゲーム用レーンCは実施形態2に係る投擲ゲーム用レーンBと比較して、3つの障害物がランダムに移動するので、さらに、タイミングを計ることが困難となり、ゲームをさらに難しくすることができる。
【0014】
(実施形態4)
図4に実施形態4に係る投擲ゲーム用レーンDの一部拡大斜視図を示す。投擲ゲーム用レーンDは、やはりレーン本体Lと障害付与手段とから構成され、レーン本体Lは、一般的なボーリングレーンとほぼ同様の構成を有する。
障害付与手段は、レーン本体Lの左右に設けられる。各障害付与手段は、垂直に立設される棒体からなる、図示しない第4の駆動装置により中心軸回りに回動するように基端部を保持される回動軸31と、回動軸31の側面先端近傍に、水平に支持されるウレタンの棒体からなる障害物32とから構成される。各駆動手段はモーターにより作動するものであり、ギアなどの公知手段を用いて動力を伝えるものである。それぞれの回動軸31は第4の駆動手段によって同じ方向に一定速度で回転している。そして、それぞれの障害物32、32がレーン本体Lを直角に横切る位置において、それぞれが一直線に並ぶように設定されている。障害物32が実線の位置のようにレーン上にあるときは投擲体であるボウリングボールの移動を邪魔する通過困難状態であり、障害物32が想像線の位置のようにレーン上にないときは、ボウリングボールの移動をほぼ邪魔しない通過可能状態となる。
【0015】
以上のような構成を有する投擲ゲーム用レーンDも、通常のボウリングと同じようにしてゲームを行う。この際、障害物32が一定方向に回転しているので、回転する動きを目で追いながら障害物32が開くタイミングを見計らって投球を行うことができるので、投球リズムを合わせる必要があるが、比較的タイミングをとりやすくすることができる。
【0016】
(実施形態5)
図5に実施形態5に係る投擲ゲーム用レーンEの一部拡大斜視図を示す。投擲ゲーム用レーンEは、やはりレーン本体Lと障害付与手段とから構成される。レーン本体Lは、一般的なボーリングレーンとほぼ同様の構成を有するが、後述する溝43が表面に形成されている。
障害付与手段は、レーン本体Lの左右に設けられる垂直に立設されるパイプ体からなる、内部に後述する障害物42を巻き取るリールが設けられたリール体41、41と、各リール体41、41内のリールに巻き取られる帯状の2本の紐体からなり、この2本の紐体の先端を棒体42aにより連結固定される障害物42と、障害物42の棒体42aを基端部で垂直に立設固定する、レーン本体Lを横切るスリット状の穴である溝43とから構成される。リール体41内のリールは、内蔵するバネによって障害物42を形成する帯体を巻き取るように付勢されている。また、溝43内部では前記棒体42aの基端部が第5の駆動手段により溝43に沿って移動するように形成されている。2本の棒体42aは、ボウリングボールが通ることができる距離だけ離れて互いに固定され、この状態で溝43内をスライドするように形成されている。第5の駆動手段もモーターにより作動するものであり、ギア、リンク機構、ベルト機構などの公知手段を用いて動力を伝えるものであり、一定速度で、棒体42a、42a間の隙間が往復運動をするようになっている。溝42a上の任意の位置において、棒体42a、42a間の隙間が位置するときは、投擲体であるボウリングボールの移動をほぼ邪魔しない通過可能状態となり、この隙間が位置しないときは、ボウリングボールの移動を邪魔する通過困難状態となる。
【0017】
以上のような構成を有する投擲ゲーム用レーンEも、通常のボウリングと同じようにしてゲームを行う。この際、障害物42を避けるためには、左右にスライドする隙間を通るように投球する必要があり、このためには投球リズムのみならず、投球のコースも正確であることが求められるので、より、ゲームを難しくすることができる。
【0018】
(実施形態6)
図6に実施形態6に係る投擲ゲーム用レーンFの一部拡大斜視図を示す。投擲ゲーム用レーンEは、やはりレーン本体Lと障害付与手段とから構成される。レーン本体Lは、一般的なボーリングレーンとほぼ同様の構成を有する。
障害付与手段は、レーン本体Lの左右に設けられる4つの空気を噴射するノズル51と、ノズル51にエアーを送る図示しないエアコンプレッサーと、ノズル51を含めてレーン本体Lの一部の区間の上部をトンネル状に覆う覆い52とから構成される。エアコンプレッサーは図示しない制御手段により制御され、間欠的に空気をノズル51に供給するようになっている。ノズル51が空気を噴射しないときは、投擲体であるボウリングボールの移動をほぼ邪魔しない通過可能状態となり、ノズル51が空気を噴射するときは、ボウリングボールの移動を邪魔する通過困難状態となる。
【0019】
以上のような構成を有する投擲ゲーム用レーンFも、通常のボウリングと同じようにしてゲームを行う。この際、トンネル状の覆い52を通る際にエアーを噴射されると、ボウリングボールは方向を変えたり、予期しない加速を与えられたりすることとなる。これにより、投球技術以外に偶然性によりボウリングボールの投球方向や威力が変わるので、ゲームに偶発的要素を加えることができる。
【0020】
(実施形態7)
図7に実施形態7に係る投擲ゲーム用レーンGの一部拡大斜視図を示す。投擲ゲーム用レーンGは、やはりレーン本体Lと障害付与手段とから構成される。レーン本体Lは、一般的なボーリングレーンとほぼ同様の構成を有するが、後述する穴62が複数表面に形成されている。
障害付与手段は、レーン本体Lの表面に設けられる複数の穴62と、穴62から図示しない第6の駆動手段により出没動させられる円柱体からなる障害物61とから構成される。障害物61は、最下端位置において、上面がほぼレーン本体L表面と一致するようになっている。障害物61を駆動する第6の駆動手段もモーターにより作動するものであり、ギア、リンク機構、ベルト機構などの公知手段を用いて動力を伝えるものである。そして、図示しない制御手段により、駆動手段は制御され、各障害物61の出没動はそれぞれ異なるタイミングで行われるようになっている。障害物61が没入状態にあるときは、投擲体であるボウリングボールの移動をほぼ邪魔しない通過可能状態となり、障害物61が突出状態にあるときは、ボウリングボールの移動を邪魔する通過困難状態となる。
【0021】
以上のような構成を有する投擲ゲーム用レーンGも、通常のボウリングと同じようにしてゲームを行う。この際、障害物61を避けるためには、ランダムに出没する障害物61を避けて投球する必要があり、このためには投球リズムを狂わせるとともに、コース取りも計算することも要求されるので、ゲームの困難性を増すことができる。
【0022】
(実施形態8)
図8に実施形態8に係る投擲ゲーム用レーンHの一部拡大斜視図を示す。投擲ゲーム用レーンHは、やはりレーン本体Lと障害付与手段とから構成される。レーン本体Lは、一般的なボーリングレーンとほぼ同様の構成を有するが、障害付与手段がレーン上に形成される。
障害付与手段は、レーン本体Lの上面両縁部の後端近傍に設けられる。各障害付与手段は、垂直に立設される棒体からなる、中心軸回りに回動するように基端部を保持される回動軸71と、回動軸71の側面先端近傍に、水平に支持されるウレタンの棒体からなる障害物72とから構成される。回動軸71は、図の実線で示す障害物72を斜めに保持した状態から、障害物72がレーン本体Lに対して垂直になるような方向には回動できないようになっているとともに、図の想像線のように障害物72がレーン本体Lの後方に先端がほぼ真直ぐに向かう、レーン本体Lの長手方向に平行になる回動位置よりも回動できないようになっている。さらに、回動軸71は、図示しないロータリーダンパーにより想像線の位置から実線の位置に向かって回動する方向に付勢されている。障害物72が実線の位置のように斜めに傾いているときは投擲体であるボウリングボールの移動を邪魔する通過困難状態であり、障害物72が想像線の位置のようにレーンに平行のときは、ボウリングボールの移動をほぼ邪魔しない通過可能状態となる。
【0023】
以上のような構成を有する投擲ゲーム用レーンHも、通常のボウリングと同じようにしてゲームを行う。この際、障害物72にボウリングボールが当たると、障害物72はダンパーにより緩やかに回動し、ボウリングボールを内側に向かうように導く、障害付与手段は、レーン本体Lの後端近傍、即ち、ピンの近くに設けられているので、ボウリングボールはピンに向かっていくこととなる。即ち、障害付与手段によって、通常はガーターになるボウリングボールがピンに向かうようになり、投球技術が低いプレーヤーもガーターを避けて多くのピンを倒せるようになり、このようなプレーヤーもゲームをより楽しめるようにすることができる。
【0024】
(実施形態9)
図9に実施形態9に係る投擲ゲーム用レーンIの一部拡大斜視図を示す。投擲ゲーム用レーンIは、やはりレーン本体Lと障害付与手段とから構成される。レーン本体Lは、一般的なボーリングレーンとほぼ同様の構成を有するが、障害付与手段がレーン上に形成される。
障害付与手段は、レーン本体Lの上面両縁部に2つずつ設けられる。各障害付与手段は、垂直に立設される棒体からなる、中心軸回りに回動するように基端部を保持される回動軸81と、回動軸81の側面に、水平に支持されるゴムの板体からなる障害物82とから構成される。回動軸81は、図の実線で示す障害物82を斜めに保持した状態から、障害物82がレーン本体Lに対して垂直になるような方向には回動できないようになっているとともに、図の想像線のように障害物82がレーン本体Lの後方に先端が真直ぐに向かう、レーン本体Lの長手方向に平行になる回動位置よりも回動できないようになっている。さらに、回動軸81は、図示しないバネにより想像線の位置から実線の位置に向かって回動する方向に付勢されている。 障害物82が実線の位置のように斜めに傾いているときは投擲体であるボウリングボールの移動を邪魔する通過困難状態であり、障害物82が想像線の位置のようにレーン上に平行ときは、ボウリングボールの移動をほぼ邪魔しない通過可能状態となる。
【0025】
以上のような構成を有する投擲ゲーム用レーンIも、通常のボウリングと同じようにしてゲームを行う。この際、障害物82にボウリングボールが当たると、障害物82は回動するがバネにより再び戻る力が生じる、これにより、ボウリングボールは予期せぬ方向にはじかれて方向が変わることとなる。このような障害付与手段を設けることにより、ガーターを防止するとともに、反射による従来にないボウリングボールの動きを実現することができ、ゲームに従来と異なる楽しみを付加することができる。
【0026】
(実施形態10)
図10に実施形態10に係る投擲ゲーム用レーンJの一部拡大斜視図を示す。投擲ゲーム用レーンJは、やはりレーン本体Lと障害付与手段とから構成され、レーン本体Lは、一般的なボーリングレーンとほぼ同様の構成を有する。
障害付与手段は、レーン本体Lの左右に設けられる垂直に立設される棒体からなる支持柱91、91と、支持柱91、91の先端近傍間に水平に支持される水平干92と、水平干92に等間隔で回動可能に垂下する4つ棒状の障害物93とから構成される。また、この支持柱91、91の上端には幅の狭い長尺面が底面となる扁平な長い直方体上の箱体からなる表示板94が設けられ、表示板94の上部には4つのLED表示画面を有するスロット画面装置95が設けられている。障害物93の上端の回動部分は、回動するごとに、回動を検知する図示しないセンサーが設けられており、このセンサーの出力を受けて、スロット画面装置95の図示しない駆動回路によって、各LED表示画面には数字及び記号がランダムに表示されるようになっている。そして、特定の数字・記号の組み合わせが生じるとLED表示画面が点滅をするようになっている。また、表示板94の前面は、看板を取り付けることができ、看板には、ゲームの仕方などが表記される。
【0027】
以上のような構成を有する投擲ゲーム用レーンJも、通常のボウリングと同じようにしてゲームを行う。この際、ボウリングボールが障害物93に当たると障害物93は後方に回動し、これをセンサーが検出してスロット画面装置95の各LED画面がランダムに数字・記号を表記する。そして、特定の数字・記号の組み合わせとなると、LED画面が点滅する。この点滅は景品の当たりを知らせるものであり、プレーヤーは施設の管理者から景品をもらうことができる。このように、障害物93にセンサーを設けることで、センサーの検知に応じたアクションを付加すれば、従来にない楽しみをプレーヤーに提供することができる。また、障害物93を設ける支持柱91に表示板94を設けることで、ゲームの使用説明を知らせたり、コマーシャルメッセージを知らせたりすることができる。
【0028】
実施形態10においては、障害物に設けられたセンサーからの出力によって、スロットを作動させるようにしたが、このほかにもセンサー出力に応じて、ボウリングゲームの得点に影響を与えたり、ライトを点滅させたり、音声を出力したりすることができる。そして、他の実施形態に係る障害物にも、ボウリングボールが当たったことを検知するセンサーをつければ、同様のアクションを起こさせることが可能である。また、表示板の設置も、他の実施形態において障害物を設ける際に必要な部材にあわせて設置すれば、スペースの有効活用ができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施形態1に係る投擲ゲーム用レーンの一部拡大斜視図である。
【図2】実施形態2に係る投擲ゲーム用レーンの一部拡大斜視図である。
【図3】実施形態3に係る投擲ゲーム用レーンの一部拡大斜視図である。
【図4】実施形態4に係る投擲ゲーム用レーンの一部拡大斜視図である。
【図5】実施形態5に係る投擲ゲーム用レーンの一部拡大斜視図である。
【図6】実施形態6に係る投擲ゲーム用レーンの一部拡大斜視図である。
【図7】実施形態7に係る投擲ゲーム用レーンの一部拡大斜視図である。
【図8】実施形態8に係る投擲ゲーム用レーンの一部拡大斜視図である。
【図9】実施形態9に係る投擲ゲーム用レーンの一部拡大斜視図である。
【図10】実施形態10に係る投擲ゲーム用レーンの一部拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0030】
A、B、C、D、E、F、G、H、I、J 投擲ゲーム用レーン
12、22、32、42、61、72、82、93 障害物
11、31、71、81 回動軸
13 移動ガイド
51 ノズル
52 覆い

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーン本体と、
レーン本体上を移動する投擲体に対し障害を付与する障害付与手段と
を有する投擲ゲーム用レーン。
【請求項2】
前記障害付与手段は、時間に応じて、レーン上を移動する投擲体の移動をほぼ邪魔しない通過可能状態と、当該投擲体の移動を邪魔する通過困難状態の2態様に変化する障害物により形成される
請求項1に記載の投擲ゲーム用レーン。
【請求項3】
前記障害物は、前記レーン本体の幅方向の少なくとも一部を遮る、棒体もしくは板体であって、床面に垂直な回動軸回りに回動することで、通過可能状態と通過困難状態の2態様に変化する請求項2に記載の投擲ゲーム用レーン。
【請求項4】
前記障害物は回動軸が前記レーン本体の長手方向に沿った縁部に設けられ、先端が投擲方向にほぼ真っ直ぐに向う状態をとることで通過可能状態となり、先端がレーン上に位置し、投擲方向に向かって斜めに傾くことで通過困難状態となる請求項3に記載の投擲ゲーム用レーン。
【請求項5】
前記障害物は、前記回動軸周りに一定速度で回転している請求項3に記載の投擲ゲーム用レーン。
【請求項6】
前記障害物は、間欠的に通過可能状態と通過困難状態の2態様に変化する請求項3又は4に記載の投擲ゲーム用レーン。
【請求項7】
前記障害物は、レーンの長手方向に往復運動を行う請求項3から6のいずれか1項に記載の投擲ゲーム用レーン。
【請求項8】
前記障害物は、上下動するものであり、レーン表面にほぼ一致又は没入した状態もしくはレーン表面から一定以上の高さをとることで通過可能状態となり、レーン表面から所定範囲内の高さに存するように突出することで通過困難状態となる請求項2に記載の投擲ゲーム用レーン。
【請求項9】
前記障害物は、複数設けられるとともに、各障害物が通過可能状態と通過困難状態の2態様に変化する上下動するタイミングが異なるものである請求項2から8のいずれか1項に記載の投擲ゲーム用レーン。
【請求項10】
前記障害付与手段は、下端側がレーン本体の長手方向に移動可能に前記レーン本体の上方から垂下する棒体又は板体である請求項1に記載の投擲ゲーム用レーン。
【請求項11】
前記障害付与手段は投擲体が当たったことを感知するセンサーが設けられるものである請求項2から10のいずれか1項に記載の投擲ゲーム用レーン。
【請求項12】
前記障害付与手段は、エアコンプレッサーとこのエアコンプレッサーから送られる空気をレーン本体上を移動する投擲体に対し吹き付けるノズルとから構成されるものである請求項1又は2に記載の投擲ゲーム用レーン。
【請求項13】
前記レーン本体の前記ノズルが設けられる区間をトンネル状に覆う覆いが設けられた請求項12に記載の投擲ゲーム用レーン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−148988(P2008−148988A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−341035(P2006−341035)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【出願人】(504327513)
【出願人】(508084009)株式会社ウィルビー (5)