折り畳みコンテナにおける起倒用側板のロック構造
【課題】起倒用側板の外面にカード差しなどを設けた場合であっても、簡単にロック部材でロックできる。
【解決手段】折り畳みコンテナ1の起倒用側板9の下端部に外側方に向けて下突縁部10を突設する。下突縁部10に上孔11を形成し、起倒用側板9が垂直姿勢となった状態で下突縁部10の下面が載置される底板の外端部の部位に上記上孔11と上下方向に連通する下孔12を形成する。起倒用側板9が垂直姿勢となった状態で上下に連通する上孔11と下孔12との後側の内面をほぼ連続させると共に上に行くほど手前側となるように傾斜させ、上端が頭部14となり且つ下端に引掛け部15を備えたロック部材16を上下に連通する上孔11と下孔12とに挿入して上孔11の上面側に頭部14を位置させると共に下孔12の下面側に引掛け部15を位置させてロックする。
【解決手段】折り畳みコンテナ1の起倒用側板9の下端部に外側方に向けて下突縁部10を突設する。下突縁部10に上孔11を形成し、起倒用側板9が垂直姿勢となった状態で下突縁部10の下面が載置される底板の外端部の部位に上記上孔11と上下方向に連通する下孔12を形成する。起倒用側板9が垂直姿勢となった状態で上下に連通する上孔11と下孔12との後側の内面をほぼ連続させると共に上に行くほど手前側となるように傾斜させ、上端が頭部14となり且つ下端に引掛け部15を備えたロック部材16を上下に連通する上孔11と下孔12とに挿入して上孔11の上面側に頭部14を位置させると共に下孔12の下面側に引掛け部15を位置させてロックする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳みコンテナにおける起倒用側板のロック構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、矩形状の底板と、底板の上方に配置した矩形枠状の口枠と、底板の対向する一対の辺と口枠の対向する一対の辺との間にそれぞれ配置した折り畳み用側板と、底板の対向する他の一対の辺と口枠の対向する他の一対の辺との間にそれぞれ配置した起倒用側板と、口枠に開閉自在に取付けた蓋板とを具備し、起倒用側板の上端を口枠に回動自在に連結して起倒用側板を起倒自在とし、折り畳み用側板を上半分の上側板と下半分の下側板とで構成して上側板の上端を口枠に回転自在に連結すると共に下側板の下端を底板に回転自在に連結し且つ上側板の下端と下側板の上端を回転自在に連結した折り畳みコンテナが知られている。
【0003】
従来、蓋板は口枠に対してロック部材によりロックするようになっているが、起倒用側板は底板に対してロックしていないのが一般的であった。
【0004】
上記のような折り畳みコンテナにおいて、箱状に組み立てて内部に収納物を収納し、口枠を蓋板で閉じた状態において、起倒用側板を外から押して起倒用側板が内側に回動することで、折り畳みコンテナ内の収納物を取り出すことが可能となる。このため、折り畳みコンテナに収納物を収納して保管や搬送している場合に、起倒用側板を回動して収納物が盗まれるおそれがある。
【0005】
一方、2部材に連通する孔を設けて該連通する孔に特許文献1や特許文献2に示されるようなロック部材でロックするものが知られている。このロック部材は上端が頭部となり且つ下端に引掛け部を備えたもので、上下に連通する孔にロック部材を挿通し上の孔の面側に頭部を位置させると共に下の孔の下面側に引掛け部を位置させてロックするようになっている。
【0006】
そこで、起倒用側板の面板の下端部に外側方に向けて下突縁部を突設し、該下突縁部に上孔を形成し、起倒用側板が垂直姿勢となった状態で下突縁部の下面が載置される底板の外端部の部位に上記上孔と上下方向に連通する下孔を形成し、上端が頭部となり且つ下端に引掛け部を備えた特許文献1や特許文献2に示されるようなロック部材を起倒用側板の外面に沿わせて上方から下方に差込操作して上下に連通する上孔と下孔とに挿入して上孔の上面側に頭部を位置させると共に下孔の下面側に引掛け部を位置させてロックすることにより、収納物の盗難防止を行うようにすることが考えられる。
【0007】
しかしながら、上記の特許文献1や特許文献2に示されたロック部材を用いて起倒用側板の下端部を底板にロックしようとしても、起倒用側板の面板が邪魔になってロック部材によるロック作業がし難いという問題があり、特に、起倒用側板の面板部分には外面にカード差しを設けたり、あるいは、面板の外面部分に面板と一体にリブを突設したりすることがあるが、このような場合には、ロック部材を起倒用側板の面板の外面に沿って上方から下方に差し込んで連結しようとしても、カード差しやリブが邪魔になってロック部材の差込み作業ができないという問題がある。
【特許文献1】実開平4−117711号公報
【特許文献2】実開平5−96524号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、折り畳みコンテナを組み立てた状態で起倒用側板を底板にロック部材によりロックするのが簡単且つ確実にでき、特に、起倒用側板の外面にカード差しなどを設けた場合であっても、簡単にロック部材でロックできる折り畳みコンテナを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明に係る折り畳みコンテナにおける起倒用側板のロック構造は、矩形状の底板2と、底板2の上方に配置した矩形枠状の口枠3と、底板2の対向する一対の辺と口枠3の対向する一対の辺との間にそれぞれ配置した折り畳み用側板4と、底板2の対向する他の一対の辺と口枠3の対向する他の一対の辺との間にそれぞれ配置した起倒用側板9と、口枠に開閉自在に取付けた蓋板7とを具備し、起倒用側板9の上端を口枠3に回動自在に連結して起倒用側板9を起倒自在とし、折り畳み用側板4を上半分の上側板5と下半分の下側板6とで構成して上側板5の上端を口枠3に回転自在に連結すると共に下側板6の下端を底板2に回転自在に連結し且つ上側板5の下端と下側板6の上端を回転自在に連結した折り畳みコンテナ1において、起倒用側板9の下端部に外側方に向けて下突縁部10を突設し、該下突縁部10に上孔11を形成し、起倒用側板9が垂直姿勢となった状態で下突縁部10の下面が載置される底板の外端部の部位に上記上孔11と上下方向に連通する下孔12を形成し、上記起倒用側板9が垂直姿勢となった状態で上下に連通する上孔11と下孔12との後側の内面をほぼ連続させると共に上に行くほど手前側となるように傾斜させ、上端が頭部14となり且つ下端に引掛け部15を備えたロック部材16を上下に連通する上孔11と下孔12とに挿入して上孔11の上面側に頭部14を位置させると共に下孔12の下面側に引掛け部15を位置させてロックすることを特徴とするものである。
【0010】
起倒用側板9が垂直姿勢となった状態で上下に連通する上孔11と下孔12にロック部材16を挿入するに当たって、上下に連通する上孔11と下孔12との後側の内面をほぼ連続させると共に上に行くほど手前側となるように傾斜しているので、ロック部材16を手前側程上となるように傾斜させた状態で挿入することができて、起倒用側板9の外面にカード差し25が設けてあっても、該カード差し25に邪魔されることなくロック部材16を挿入して簡単に起倒用側板9を底板2にロックすることができて、収納物の盗難を防止することができる。
【0011】
また、起倒用側板9が垂直姿勢となった状態で上下に連通する上孔11と下孔12との前側の内面をほぼ垂直に連続させることが好ましい。このような構成とすることで、
このような構成とすることで、斜めに傾斜させて挿入したロック部材を挿入後に、上下に連通する上孔11と下孔12との前側の内面のほぼ垂直に連続する部分に沿わせてロック部材16を垂直姿勢にすることができ、ロック状態で頭部14が傾かないようにできる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1記載の発明にあっては、起倒用側板が垂直姿勢となった状態で上下に連通する上孔と下孔との後側の内面をほぼ連続させると共に上に行くほど手前側となるように傾斜させてあるので起倒用側板の外面側に邪魔されず、ロック部材を斜めにして挿入することで簡単且つ確実ロック作業ができる。
【0013】
また、請求項2記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加え、起倒用側板が垂直姿勢となった状態で上下に連通する上孔と下孔との前側の内面をほぼ垂直に連続させてあるので、ロック部材を挿入後に、上下に連通する上孔と下孔との前側の内面のほぼ垂直に連続する部分に沿わせてロック部材を垂直姿勢にすることができ、ロック状態で頭部が傾かず、外観が良くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0015】
本実施形態の折り畳みコンテナ1は、図13に示すように、合成樹脂により形成した矩形状の底板2と、底板2の上方に配置した合成樹脂により形成した矩形枠状の口枠3と、底板2の対向する一対の辺と口枠3の対向する一対の辺との間にそれぞれ配置した折り畳み用側板4と、底板2の対向する他の一対の辺と口枠3の対向する他の一対の辺との間にそれぞれ配置した合成樹脂により形成した起倒用側板9、口枠3に回動自在に取付けた蓋板7とを具備している。
【0016】
折り畳み用側板4は合成樹脂により形成した上半分の上側板5と、合成樹脂により形成した下半分の下側板6とで構成してあり、上側板5の下端と下側板6の上端とが中間軸支部8により回動自在に連結してあって折り畳み用側板4は上下方向の中間部分で内側に折り畳み自在となっている。
【0017】
底板2の対向する一対の辺と口枠3の対向する一対の辺との間にそれぞれ上記の構成の折り畳み用側板4が配置されて、中間部分で折り畳み自在となった折り畳み用側板4の上側板5の上端を矩形状(図に示す実施形態では長方形状)の口枠3の対向する一対の辺(図においては対向する長辺)に上軸支部31により回動自在に連結してあると共に、下側板6の下端を矩形状(図に示す実施形態では長方形状)の底板2の対向する一対の辺(図においては対向する長辺)に下軸支部32により回動自在に連結してある。
【0018】
口枠3の対向する他の一対の辺(実施形態では短辺)にはそれぞれ起倒用側板9の上端が上軸部33により回動自在に連結してあって、起倒用側板9が起倒自在となっている。
【0019】
矩形枠状をした口枠3の上面には開口部を開閉する合成樹脂製の2枚の蓋板7を軸支部3aにより回動自在に取付けてある。2枚の蓋板7の各先端には互いに重複する重複片を設けて、該重複片に相互に噛み合って係合する凹凸係合部(図示せず)をそれぞれ設ける。
【0020】
更に、蓋板7の側端部の口枠3に重なる部分に孔22が設けてあり、蓋板7で口枠3の開口部を閉じて蓋板7の側端部を口枠3に重ねた状態で、上記蓋板7に設けた孔22が口枠3の上面部に設けた孔23と上下に連通して蓋用ロック孔24を構成するようになっている。
【0021】
起倒用側板9は面板9aの外周縁部に外側方に向けて周突縁部26が一体に突設してある。この周突縁部26は、起倒用側板9の下端縁から外側方に一体に突設した下突縁部10と、起倒用側板9の上端縁から外側方に一体に突設した上突縁部27と、起倒用側板9の両側端縁から外側方に一体に突設した側突縁部28とで構成してある。
【0022】
図8に示すように下突縁部10には下係止部38が設けてあり、該下係止部38は図5に示すようにL字状をしており、下突縁部10の上記一対の下係止部38の間の部分(つまり下突縁部10の中央部)が下方に開口した中央凹部17となっており、下突縁部10の上面片の中央凹部17の上底部に該当する部位に上孔11が形成してある。
【0023】
底板2の上面外周部には突縁部30が一体に突設してあり、底板2の短辺の突縁部30の内面部の中央部においては図8に示すように底板2の一部が上方に突出した支持突部18(この支持突部18の下面側は下方に開口した凹部となっている)となっており、支持突部18に下孔12が設けてある。また、短辺側の突縁部30の支持突部18の両側方の部位から内方に向けて下被係止部39が突設してある。
【0024】
また、起倒用側板9の両側端部には側係止部40が設けてあり、また、折り畳み用側板4を構成する上側板5と下側板6との両端部にはそれぞれ側被係止部41が設けてある。
【0025】
そして、折り畳み用側板4を起立させて垂直姿勢にした状態で、口枠3と起倒用側板9の上端部とを軸支する軸部を中心に起倒用側板9を回動して起倒用側板9を起立させた場合、起倒用側板9の下突縁部10の下面が底板2の上面側に当接すると共に、起倒用側板9の両側端面が垂直姿勢となっている折り畳み用側板4の端部内面に当接し、更に、下係止部38が下被係止部39に着脱自在に係止すると共に、側係止部40が側被係止部41に係止して起倒用側板9と折り畳み用側板4とが着脱自在に連結される。
【0026】
この場合、下突縁部10の中央部分においては、中央凹部17の上底部である上面片が支持突部18上に載置され、上孔11と下孔12とが上下に連通するようになっている。
【0027】
上記上下に連通する上孔11と下孔12とでロック孔13が形成されるものであり、該ロック孔13は、起倒用側板9の起立姿勢をロックする時にロック部材16を挿入するための孔として用いるものである。
【0028】
起倒用側板9を上記のように起立させて垂直姿勢とした状態で上下に連通する上孔11と下孔12によりロック孔13を形成するのであるが、このロック孔13を構成する上下に連通する上孔11の後側の内面と下孔12の後側の内面(つまりロック孔13の後側の内面)は図7(a)に示すように上に行くほど手前側となるように傾斜させてある。
【0029】
また、ロック孔13を構成する上下に連通する上孔11の前側の内面と下孔12の前側の内面(つまりロック孔13の前側の内面)は図7(a)に示すようにほぼ垂直に連続する面となっている。
【0030】
なお、添付図面に示す実施形態では上孔11と下孔12とで構成したロック孔13は前後よりも左右方向が長い横長孔となっており、ロック孔13を構成する上下に連通する上孔11の左右両側の内面と下孔12の左右両側の内面(つまりロック孔13の左右両側の内面)は図7(b)に示すようにほぼ垂直に連続する面となっている。
【0031】
上記のような構成の折り畳みコンテナ1は、使用に当たっては、両折り畳み用側板4を起立させて垂直姿勢とし、次いで、両起倒用側板9を起立させて箱形状に組み立てた状態で、蓋板7を開けて、内部に収納物を収納し、次に蓋板7を閉じることで、収納物を収納した状態で搬送したり、保管したりするものである。また、収納物を収納しない非収納時には、両起倒用側板9を回動して略水平姿勢として口枠3内に位置させ、次に、両起倒用側板9を中間軸支部8を中心に内側に折り畳むことで、全体をコンパクトに折り畳むことができる。
【0032】
ところで、箱形状に組み立てて収納物を収納した状態で、蓋板7及び起倒用側板9を回動して開くことができないように、ロックして保管及び搬送する場合がある。
【0033】
この場合は、蓋板7を口枠3にロック部材16により連結して蓋板7が開かないようにロックし、また、起倒用側板9を底板2にロック部材16により連結して起倒用側板9が開かないようにロックするものである。
【0034】
すなわち、蓋板7を閉じた状態で、上下に連通する孔22、62よりなる蓋用ロック孔24に図13に示すようなロック部材16を挿通してロックする。
【0035】
また、起倒用側板9を起立させて略垂直姿勢にした状態で、上下に連通する上孔11と下孔12とで構成するロック孔13に図11に示すようなロック部材16を挿通してロックする。
【0036】
ロック部材16は合成樹脂により一体に形成されたもので、上端に頭部14を備え、下端に引掛け部15を備えている。図14に示す実施形態においては、幅広となった頭部14から軸部19を一体に突設し、軸部19の先端部の両側面から弾性を有する引掛け部15がそれぞれ斜め上方に向けて一体に突設してあってV字状となっている。また、軸部19の頭部14からの突出基部の前後面に前膨出部20と後膨出部21とが一体に突出してあり、前後膨出部20、21の上部はロック孔13の上端部の大きさとほぼ同じ大きさとなっている。また、前後膨出部20、21の下部の前後はそれぞれ傾斜面となっていて、前後膨出部20、21の下部の前面はそれぞれ下に行くほど前面又は後面側に向けて下り傾斜しており、更に、前後膨出部20、60の下部の左右はそれぞれ傾斜面となっていて、前後膨出部20、21の下部の左右側面はそれぞれ下に行くほど左又は右の側面側に向けて下り傾斜している。
【0037】
上記のような構成のロック部材16を蓋用ロック孔24に挿通するには、ロック部材16の軸部19の下端部のV字状をした引掛け部15を蓋用ロック孔24に上方から差し込むものであり、引掛け部15が弾性変形して両側の引掛け部15の上端同士が近づくように弾性変形しながら蓋用ロック孔24を通過し、引掛け部15の上端が蓋用ロック孔24の下端を通過すると元のV字状に弾性復元し、引っ掛け部15が上方への抜け止めとなる。これにより、孔22の上面側に頭部14が位置すると共に孔23の下面側に引掛け部15が位置しロックされることになる。
【0038】
この場合、蓋用ロック孔24の上方には障害物がないので、蓋用ロック孔24の真上からロック部材16を蓋用ロック孔24に差し込む作業が行える。
【0039】
一方、ロック部材16をロック孔13に挿通するには、ロック孔13の上孔11が面板9aの下端から外側方に突出した下突縁部10に設けてあるため、上孔11の上方のすぐ後方に面板9aが位置することになり、蓋用ロック孔24にロック部材16を挿通する場合のように、ロック部材16を手で持ってロック孔13の真上から挿通する作業をしようとすると、面板9aが邪魔になって真上からの挿通作業がきわめてしにくく、特に、図11(a)のように面板9aの外面にカード差し25などの突出装備品を設けたり、あるいは面板9aの外面にリブを一体に突設する場合があるが、このような場合など、カード差し25などの突出装備品やリブが面板9aよりも更に前方に突出するため、ロック部材16の差し込みに当たって、カード差し25などの突出装備品やリブに作業者の手やロック部材16が当たって実質的に差し込めなくなるが、本発明においては、上下に連通する上孔11と下孔12との後側の内面をほぼ連続させると共に上に行くほど手前側となるように傾斜させてあるので、図12に示すように、ロック部材16を手前側程上となるように傾斜させた状態で挿入することができ、これにより、面板9aの外面やカード差し25に邪魔されることなく、ロック部材16の軸部19の下端部のV字状をした引掛け部15をロック孔13に斜め上方から差し込み、引掛け部15が弾性変形して両側の引掛け部15の上端同士が近づくように弾性変形しながらロック孔13を通過し、引掛け部15の上端がロック孔13の下端を通過すると元のV字状に弾性復元し、引っ掛け部15が上方への抜け止めとなり、これにより、上孔11の上面側に頭部14が位置すると共に下孔12の下面側に引掛け部15が位置しロックされることになる。
【0040】
このようしてロック部材16をロック孔13に挿通することで起倒用側板9を底板2に連結することで起倒用側板9が回動しないようにロックするものである。
【0041】
ここで、起倒用側板9が垂直姿勢となった状態で上下に連通する上孔11と下孔12との前側の内面をほぼ垂直に連続させることで、斜めに傾斜させて挿入したロック部材を挿入後に、上下に連通する上孔11と下孔12との前側の内面のほぼ垂直に連続する部分に沿わせてロック部材16を垂直姿勢にすることができ、ロック状態で頭部14が傾かないようにできることになり、外観が良くなる。
【0042】
ロック部材16を垂直姿勢にした場合、軸部19の頭部14からの突出基部の前後面に突出した前膨出部20の前面と後膨出部21の後面とがロック孔13の上部である上孔11の内部の内前面と後内面とに当接又は近接対向してロック部材16の垂直姿勢を保持し、ロック部材16が傾いてがたつかないようになっている。
【0043】
上記ロック部材16によるロックを解除するには、合成樹脂製のロック部材16の軸部19の頭部14からの突出基部を図15のようにカッタにより切断することで、自重で又は軸部19の上端の切断面を上方から押すことで、図15(a)のように支持突部18の下面側の下方に開口した凹部から底板2外に排出したり、あるいは、図15(b)に示すように口枠3に設けた外側方に開口した凹部から口枠3の外側方に排出したりする。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の折り畳みコンテナを箱状に組み立てた状態の斜視図である。
【図2】同上の箱状に組み立てた状態の側面図である。
【図3】同上の折り畳み用側板の口枠及び底板への軸支部分の断面図である。
【図4】同上の起倒用側板の口枠への軸支部分の拡大断面図である。
【図5】同上の起倒用側板の下端部の下係止部を底板に設けた下被係止部に係止する部分の拡大断面図である。
【図6】同上の起倒用側板の側端部の側係止部を折り畳み用側板の側被係止部に係止する部分の拡大断面図である。
【図7】(a)は同上の起倒用側板の上孔と底板の下孔とが上下に連通してロック用孔を構成している状態の拡大側面断面図であり、(b)は拡大正面断面図である。
【図8】同上の起倒用側板と底板とを分解側断面図である。
【図9】(a)は同上の蓋板の孔と口枠の孔とが上下に連通して蓋用ロック孔を構成している状態の拡大側面断面図であり、(b)は拡大正面断面図である。
【図10】同上の折り畳みコンテナをロック用部材でロックした状態の斜視図である。
【図11】(a)は同上のロック用孔にロック用部材を挿通してロックした状態を示す正面断面図であり、(b)は側面断面図である。
【図12】同上のロック用孔にロック用部材を斜めにして差し込んでいる状態を示す説明図である。
【図13】(a)は同上の蓋用ロック孔にロック用部材を挿通してロックした状態を示す正面断面図であり、(b)は側面断面図である。
【図14】同上に用いるロック用部材を示し、(a)は側面図であり、(b)は正面図であり、(c)は下面図である。
【図15】(a)は同上のロック用孔からロック用部材を取り外す説明図であり、(b)は蓋用ロック孔からロック用部材を取り外す説明図である。
【符号の説明】
【0045】
1 折り畳みコンテナ
2 底板
3 口枠
4 折り畳み用側板
5 上側板
6 下側板
9 起倒用側板
10 下突縁部
11 上孔
12 下孔
14 頭部
15 引掛け部
16 ロック部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳みコンテナにおける起倒用側板のロック構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、矩形状の底板と、底板の上方に配置した矩形枠状の口枠と、底板の対向する一対の辺と口枠の対向する一対の辺との間にそれぞれ配置した折り畳み用側板と、底板の対向する他の一対の辺と口枠の対向する他の一対の辺との間にそれぞれ配置した起倒用側板と、口枠に開閉自在に取付けた蓋板とを具備し、起倒用側板の上端を口枠に回動自在に連結して起倒用側板を起倒自在とし、折り畳み用側板を上半分の上側板と下半分の下側板とで構成して上側板の上端を口枠に回転自在に連結すると共に下側板の下端を底板に回転自在に連結し且つ上側板の下端と下側板の上端を回転自在に連結した折り畳みコンテナが知られている。
【0003】
従来、蓋板は口枠に対してロック部材によりロックするようになっているが、起倒用側板は底板に対してロックしていないのが一般的であった。
【0004】
上記のような折り畳みコンテナにおいて、箱状に組み立てて内部に収納物を収納し、口枠を蓋板で閉じた状態において、起倒用側板を外から押して起倒用側板が内側に回動することで、折り畳みコンテナ内の収納物を取り出すことが可能となる。このため、折り畳みコンテナに収納物を収納して保管や搬送している場合に、起倒用側板を回動して収納物が盗まれるおそれがある。
【0005】
一方、2部材に連通する孔を設けて該連通する孔に特許文献1や特許文献2に示されるようなロック部材でロックするものが知られている。このロック部材は上端が頭部となり且つ下端に引掛け部を備えたもので、上下に連通する孔にロック部材を挿通し上の孔の面側に頭部を位置させると共に下の孔の下面側に引掛け部を位置させてロックするようになっている。
【0006】
そこで、起倒用側板の面板の下端部に外側方に向けて下突縁部を突設し、該下突縁部に上孔を形成し、起倒用側板が垂直姿勢となった状態で下突縁部の下面が載置される底板の外端部の部位に上記上孔と上下方向に連通する下孔を形成し、上端が頭部となり且つ下端に引掛け部を備えた特許文献1や特許文献2に示されるようなロック部材を起倒用側板の外面に沿わせて上方から下方に差込操作して上下に連通する上孔と下孔とに挿入して上孔の上面側に頭部を位置させると共に下孔の下面側に引掛け部を位置させてロックすることにより、収納物の盗難防止を行うようにすることが考えられる。
【0007】
しかしながら、上記の特許文献1や特許文献2に示されたロック部材を用いて起倒用側板の下端部を底板にロックしようとしても、起倒用側板の面板が邪魔になってロック部材によるロック作業がし難いという問題があり、特に、起倒用側板の面板部分には外面にカード差しを設けたり、あるいは、面板の外面部分に面板と一体にリブを突設したりすることがあるが、このような場合には、ロック部材を起倒用側板の面板の外面に沿って上方から下方に差し込んで連結しようとしても、カード差しやリブが邪魔になってロック部材の差込み作業ができないという問題がある。
【特許文献1】実開平4−117711号公報
【特許文献2】実開平5−96524号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、折り畳みコンテナを組み立てた状態で起倒用側板を底板にロック部材によりロックするのが簡単且つ確実にでき、特に、起倒用側板の外面にカード差しなどを設けた場合であっても、簡単にロック部材でロックできる折り畳みコンテナを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明に係る折り畳みコンテナにおける起倒用側板のロック構造は、矩形状の底板2と、底板2の上方に配置した矩形枠状の口枠3と、底板2の対向する一対の辺と口枠3の対向する一対の辺との間にそれぞれ配置した折り畳み用側板4と、底板2の対向する他の一対の辺と口枠3の対向する他の一対の辺との間にそれぞれ配置した起倒用側板9と、口枠に開閉自在に取付けた蓋板7とを具備し、起倒用側板9の上端を口枠3に回動自在に連結して起倒用側板9を起倒自在とし、折り畳み用側板4を上半分の上側板5と下半分の下側板6とで構成して上側板5の上端を口枠3に回転自在に連結すると共に下側板6の下端を底板2に回転自在に連結し且つ上側板5の下端と下側板6の上端を回転自在に連結した折り畳みコンテナ1において、起倒用側板9の下端部に外側方に向けて下突縁部10を突設し、該下突縁部10に上孔11を形成し、起倒用側板9が垂直姿勢となった状態で下突縁部10の下面が載置される底板の外端部の部位に上記上孔11と上下方向に連通する下孔12を形成し、上記起倒用側板9が垂直姿勢となった状態で上下に連通する上孔11と下孔12との後側の内面をほぼ連続させると共に上に行くほど手前側となるように傾斜させ、上端が頭部14となり且つ下端に引掛け部15を備えたロック部材16を上下に連通する上孔11と下孔12とに挿入して上孔11の上面側に頭部14を位置させると共に下孔12の下面側に引掛け部15を位置させてロックすることを特徴とするものである。
【0010】
起倒用側板9が垂直姿勢となった状態で上下に連通する上孔11と下孔12にロック部材16を挿入するに当たって、上下に連通する上孔11と下孔12との後側の内面をほぼ連続させると共に上に行くほど手前側となるように傾斜しているので、ロック部材16を手前側程上となるように傾斜させた状態で挿入することができて、起倒用側板9の外面にカード差し25が設けてあっても、該カード差し25に邪魔されることなくロック部材16を挿入して簡単に起倒用側板9を底板2にロックすることができて、収納物の盗難を防止することができる。
【0011】
また、起倒用側板9が垂直姿勢となった状態で上下に連通する上孔11と下孔12との前側の内面をほぼ垂直に連続させることが好ましい。このような構成とすることで、
このような構成とすることで、斜めに傾斜させて挿入したロック部材を挿入後に、上下に連通する上孔11と下孔12との前側の内面のほぼ垂直に連続する部分に沿わせてロック部材16を垂直姿勢にすることができ、ロック状態で頭部14が傾かないようにできる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1記載の発明にあっては、起倒用側板が垂直姿勢となった状態で上下に連通する上孔と下孔との後側の内面をほぼ連続させると共に上に行くほど手前側となるように傾斜させてあるので起倒用側板の外面側に邪魔されず、ロック部材を斜めにして挿入することで簡単且つ確実ロック作業ができる。
【0013】
また、請求項2記載の発明にあっては、上記請求項1記載の発明の効果に加え、起倒用側板が垂直姿勢となった状態で上下に連通する上孔と下孔との前側の内面をほぼ垂直に連続させてあるので、ロック部材を挿入後に、上下に連通する上孔と下孔との前側の内面のほぼ垂直に連続する部分に沿わせてロック部材を垂直姿勢にすることができ、ロック状態で頭部が傾かず、外観が良くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0015】
本実施形態の折り畳みコンテナ1は、図13に示すように、合成樹脂により形成した矩形状の底板2と、底板2の上方に配置した合成樹脂により形成した矩形枠状の口枠3と、底板2の対向する一対の辺と口枠3の対向する一対の辺との間にそれぞれ配置した折り畳み用側板4と、底板2の対向する他の一対の辺と口枠3の対向する他の一対の辺との間にそれぞれ配置した合成樹脂により形成した起倒用側板9、口枠3に回動自在に取付けた蓋板7とを具備している。
【0016】
折り畳み用側板4は合成樹脂により形成した上半分の上側板5と、合成樹脂により形成した下半分の下側板6とで構成してあり、上側板5の下端と下側板6の上端とが中間軸支部8により回動自在に連結してあって折り畳み用側板4は上下方向の中間部分で内側に折り畳み自在となっている。
【0017】
底板2の対向する一対の辺と口枠3の対向する一対の辺との間にそれぞれ上記の構成の折り畳み用側板4が配置されて、中間部分で折り畳み自在となった折り畳み用側板4の上側板5の上端を矩形状(図に示す実施形態では長方形状)の口枠3の対向する一対の辺(図においては対向する長辺)に上軸支部31により回動自在に連結してあると共に、下側板6の下端を矩形状(図に示す実施形態では長方形状)の底板2の対向する一対の辺(図においては対向する長辺)に下軸支部32により回動自在に連結してある。
【0018】
口枠3の対向する他の一対の辺(実施形態では短辺)にはそれぞれ起倒用側板9の上端が上軸部33により回動自在に連結してあって、起倒用側板9が起倒自在となっている。
【0019】
矩形枠状をした口枠3の上面には開口部を開閉する合成樹脂製の2枚の蓋板7を軸支部3aにより回動自在に取付けてある。2枚の蓋板7の各先端には互いに重複する重複片を設けて、該重複片に相互に噛み合って係合する凹凸係合部(図示せず)をそれぞれ設ける。
【0020】
更に、蓋板7の側端部の口枠3に重なる部分に孔22が設けてあり、蓋板7で口枠3の開口部を閉じて蓋板7の側端部を口枠3に重ねた状態で、上記蓋板7に設けた孔22が口枠3の上面部に設けた孔23と上下に連通して蓋用ロック孔24を構成するようになっている。
【0021】
起倒用側板9は面板9aの外周縁部に外側方に向けて周突縁部26が一体に突設してある。この周突縁部26は、起倒用側板9の下端縁から外側方に一体に突設した下突縁部10と、起倒用側板9の上端縁から外側方に一体に突設した上突縁部27と、起倒用側板9の両側端縁から外側方に一体に突設した側突縁部28とで構成してある。
【0022】
図8に示すように下突縁部10には下係止部38が設けてあり、該下係止部38は図5に示すようにL字状をしており、下突縁部10の上記一対の下係止部38の間の部分(つまり下突縁部10の中央部)が下方に開口した中央凹部17となっており、下突縁部10の上面片の中央凹部17の上底部に該当する部位に上孔11が形成してある。
【0023】
底板2の上面外周部には突縁部30が一体に突設してあり、底板2の短辺の突縁部30の内面部の中央部においては図8に示すように底板2の一部が上方に突出した支持突部18(この支持突部18の下面側は下方に開口した凹部となっている)となっており、支持突部18に下孔12が設けてある。また、短辺側の突縁部30の支持突部18の両側方の部位から内方に向けて下被係止部39が突設してある。
【0024】
また、起倒用側板9の両側端部には側係止部40が設けてあり、また、折り畳み用側板4を構成する上側板5と下側板6との両端部にはそれぞれ側被係止部41が設けてある。
【0025】
そして、折り畳み用側板4を起立させて垂直姿勢にした状態で、口枠3と起倒用側板9の上端部とを軸支する軸部を中心に起倒用側板9を回動して起倒用側板9を起立させた場合、起倒用側板9の下突縁部10の下面が底板2の上面側に当接すると共に、起倒用側板9の両側端面が垂直姿勢となっている折り畳み用側板4の端部内面に当接し、更に、下係止部38が下被係止部39に着脱自在に係止すると共に、側係止部40が側被係止部41に係止して起倒用側板9と折り畳み用側板4とが着脱自在に連結される。
【0026】
この場合、下突縁部10の中央部分においては、中央凹部17の上底部である上面片が支持突部18上に載置され、上孔11と下孔12とが上下に連通するようになっている。
【0027】
上記上下に連通する上孔11と下孔12とでロック孔13が形成されるものであり、該ロック孔13は、起倒用側板9の起立姿勢をロックする時にロック部材16を挿入するための孔として用いるものである。
【0028】
起倒用側板9を上記のように起立させて垂直姿勢とした状態で上下に連通する上孔11と下孔12によりロック孔13を形成するのであるが、このロック孔13を構成する上下に連通する上孔11の後側の内面と下孔12の後側の内面(つまりロック孔13の後側の内面)は図7(a)に示すように上に行くほど手前側となるように傾斜させてある。
【0029】
また、ロック孔13を構成する上下に連通する上孔11の前側の内面と下孔12の前側の内面(つまりロック孔13の前側の内面)は図7(a)に示すようにほぼ垂直に連続する面となっている。
【0030】
なお、添付図面に示す実施形態では上孔11と下孔12とで構成したロック孔13は前後よりも左右方向が長い横長孔となっており、ロック孔13を構成する上下に連通する上孔11の左右両側の内面と下孔12の左右両側の内面(つまりロック孔13の左右両側の内面)は図7(b)に示すようにほぼ垂直に連続する面となっている。
【0031】
上記のような構成の折り畳みコンテナ1は、使用に当たっては、両折り畳み用側板4を起立させて垂直姿勢とし、次いで、両起倒用側板9を起立させて箱形状に組み立てた状態で、蓋板7を開けて、内部に収納物を収納し、次に蓋板7を閉じることで、収納物を収納した状態で搬送したり、保管したりするものである。また、収納物を収納しない非収納時には、両起倒用側板9を回動して略水平姿勢として口枠3内に位置させ、次に、両起倒用側板9を中間軸支部8を中心に内側に折り畳むことで、全体をコンパクトに折り畳むことができる。
【0032】
ところで、箱形状に組み立てて収納物を収納した状態で、蓋板7及び起倒用側板9を回動して開くことができないように、ロックして保管及び搬送する場合がある。
【0033】
この場合は、蓋板7を口枠3にロック部材16により連結して蓋板7が開かないようにロックし、また、起倒用側板9を底板2にロック部材16により連結して起倒用側板9が開かないようにロックするものである。
【0034】
すなわち、蓋板7を閉じた状態で、上下に連通する孔22、62よりなる蓋用ロック孔24に図13に示すようなロック部材16を挿通してロックする。
【0035】
また、起倒用側板9を起立させて略垂直姿勢にした状態で、上下に連通する上孔11と下孔12とで構成するロック孔13に図11に示すようなロック部材16を挿通してロックする。
【0036】
ロック部材16は合成樹脂により一体に形成されたもので、上端に頭部14を備え、下端に引掛け部15を備えている。図14に示す実施形態においては、幅広となった頭部14から軸部19を一体に突設し、軸部19の先端部の両側面から弾性を有する引掛け部15がそれぞれ斜め上方に向けて一体に突設してあってV字状となっている。また、軸部19の頭部14からの突出基部の前後面に前膨出部20と後膨出部21とが一体に突出してあり、前後膨出部20、21の上部はロック孔13の上端部の大きさとほぼ同じ大きさとなっている。また、前後膨出部20、21の下部の前後はそれぞれ傾斜面となっていて、前後膨出部20、21の下部の前面はそれぞれ下に行くほど前面又は後面側に向けて下り傾斜しており、更に、前後膨出部20、60の下部の左右はそれぞれ傾斜面となっていて、前後膨出部20、21の下部の左右側面はそれぞれ下に行くほど左又は右の側面側に向けて下り傾斜している。
【0037】
上記のような構成のロック部材16を蓋用ロック孔24に挿通するには、ロック部材16の軸部19の下端部のV字状をした引掛け部15を蓋用ロック孔24に上方から差し込むものであり、引掛け部15が弾性変形して両側の引掛け部15の上端同士が近づくように弾性変形しながら蓋用ロック孔24を通過し、引掛け部15の上端が蓋用ロック孔24の下端を通過すると元のV字状に弾性復元し、引っ掛け部15が上方への抜け止めとなる。これにより、孔22の上面側に頭部14が位置すると共に孔23の下面側に引掛け部15が位置しロックされることになる。
【0038】
この場合、蓋用ロック孔24の上方には障害物がないので、蓋用ロック孔24の真上からロック部材16を蓋用ロック孔24に差し込む作業が行える。
【0039】
一方、ロック部材16をロック孔13に挿通するには、ロック孔13の上孔11が面板9aの下端から外側方に突出した下突縁部10に設けてあるため、上孔11の上方のすぐ後方に面板9aが位置することになり、蓋用ロック孔24にロック部材16を挿通する場合のように、ロック部材16を手で持ってロック孔13の真上から挿通する作業をしようとすると、面板9aが邪魔になって真上からの挿通作業がきわめてしにくく、特に、図11(a)のように面板9aの外面にカード差し25などの突出装備品を設けたり、あるいは面板9aの外面にリブを一体に突設する場合があるが、このような場合など、カード差し25などの突出装備品やリブが面板9aよりも更に前方に突出するため、ロック部材16の差し込みに当たって、カード差し25などの突出装備品やリブに作業者の手やロック部材16が当たって実質的に差し込めなくなるが、本発明においては、上下に連通する上孔11と下孔12との後側の内面をほぼ連続させると共に上に行くほど手前側となるように傾斜させてあるので、図12に示すように、ロック部材16を手前側程上となるように傾斜させた状態で挿入することができ、これにより、面板9aの外面やカード差し25に邪魔されることなく、ロック部材16の軸部19の下端部のV字状をした引掛け部15をロック孔13に斜め上方から差し込み、引掛け部15が弾性変形して両側の引掛け部15の上端同士が近づくように弾性変形しながらロック孔13を通過し、引掛け部15の上端がロック孔13の下端を通過すると元のV字状に弾性復元し、引っ掛け部15が上方への抜け止めとなり、これにより、上孔11の上面側に頭部14が位置すると共に下孔12の下面側に引掛け部15が位置しロックされることになる。
【0040】
このようしてロック部材16をロック孔13に挿通することで起倒用側板9を底板2に連結することで起倒用側板9が回動しないようにロックするものである。
【0041】
ここで、起倒用側板9が垂直姿勢となった状態で上下に連通する上孔11と下孔12との前側の内面をほぼ垂直に連続させることで、斜めに傾斜させて挿入したロック部材を挿入後に、上下に連通する上孔11と下孔12との前側の内面のほぼ垂直に連続する部分に沿わせてロック部材16を垂直姿勢にすることができ、ロック状態で頭部14が傾かないようにできることになり、外観が良くなる。
【0042】
ロック部材16を垂直姿勢にした場合、軸部19の頭部14からの突出基部の前後面に突出した前膨出部20の前面と後膨出部21の後面とがロック孔13の上部である上孔11の内部の内前面と後内面とに当接又は近接対向してロック部材16の垂直姿勢を保持し、ロック部材16が傾いてがたつかないようになっている。
【0043】
上記ロック部材16によるロックを解除するには、合成樹脂製のロック部材16の軸部19の頭部14からの突出基部を図15のようにカッタにより切断することで、自重で又は軸部19の上端の切断面を上方から押すことで、図15(a)のように支持突部18の下面側の下方に開口した凹部から底板2外に排出したり、あるいは、図15(b)に示すように口枠3に設けた外側方に開口した凹部から口枠3の外側方に排出したりする。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の折り畳みコンテナを箱状に組み立てた状態の斜視図である。
【図2】同上の箱状に組み立てた状態の側面図である。
【図3】同上の折り畳み用側板の口枠及び底板への軸支部分の断面図である。
【図4】同上の起倒用側板の口枠への軸支部分の拡大断面図である。
【図5】同上の起倒用側板の下端部の下係止部を底板に設けた下被係止部に係止する部分の拡大断面図である。
【図6】同上の起倒用側板の側端部の側係止部を折り畳み用側板の側被係止部に係止する部分の拡大断面図である。
【図7】(a)は同上の起倒用側板の上孔と底板の下孔とが上下に連通してロック用孔を構成している状態の拡大側面断面図であり、(b)は拡大正面断面図である。
【図8】同上の起倒用側板と底板とを分解側断面図である。
【図9】(a)は同上の蓋板の孔と口枠の孔とが上下に連通して蓋用ロック孔を構成している状態の拡大側面断面図であり、(b)は拡大正面断面図である。
【図10】同上の折り畳みコンテナをロック用部材でロックした状態の斜視図である。
【図11】(a)は同上のロック用孔にロック用部材を挿通してロックした状態を示す正面断面図であり、(b)は側面断面図である。
【図12】同上のロック用孔にロック用部材を斜めにして差し込んでいる状態を示す説明図である。
【図13】(a)は同上の蓋用ロック孔にロック用部材を挿通してロックした状態を示す正面断面図であり、(b)は側面断面図である。
【図14】同上に用いるロック用部材を示し、(a)は側面図であり、(b)は正面図であり、(c)は下面図である。
【図15】(a)は同上のロック用孔からロック用部材を取り外す説明図であり、(b)は蓋用ロック孔からロック用部材を取り外す説明図である。
【符号の説明】
【0045】
1 折り畳みコンテナ
2 底板
3 口枠
4 折り畳み用側板
5 上側板
6 下側板
9 起倒用側板
10 下突縁部
11 上孔
12 下孔
14 頭部
15 引掛け部
16 ロック部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状の底板と、底板の上方に配置した矩形枠状の口枠と、底板の対向する一対の辺と口枠の対向する一対の辺との間にそれぞれ配置した折り畳み用側板と、底板の対向する他の一対の辺と口枠の対向する他の一対の辺との間にそれぞれ配置した起倒用側板と、口枠に開閉自在に取付けた蓋板とを具備し、起倒用側板の上端を口枠に回動自在に連結して起倒用側板を起倒自在とし、折り畳み用側板を上半分の上側板と下半分の下側板とで構成して上側板の上端を口枠に回転自在に連結すると共に下側板の下端を底板に回転自在に連結し且つ上側板の下端と下側板の上端を回転自在に連結した折り畳みコンテナにおいて、起倒用側板の下端部に外側方に向けて下突縁部を突設し、該下突縁部に上孔を形成し、起倒用側板が垂直姿勢となった状態で下突縁部の下面が載置される底板の外端部の部位に上記上孔と上下方向に連通する下孔を形成し、上記起倒用側板が垂直姿勢となった状態で上下に連通する上孔と下孔との後側の内面をほぼ連続させると共に上に行くほど手前側となるように傾斜させ、上端が頭部となり且つ下端に引掛け部を備えたロック部材を上下に連通する上孔と下孔とに挿入して上孔の上面側に頭部を位置させると共に下孔の下面側に引掛け部を位置させてロックすることを特徴とする折り畳みコンテナにおける起倒用側板のロック構造。
【請求項2】
起倒用側板が垂直姿勢となった状態で上下に連通する上孔と下孔との前側の内面をほぼ垂直に連続させて成ることを特徴とする請求項1記載の折り畳みコンテナにおける起倒用側板のロック構造。
【請求項1】
矩形状の底板と、底板の上方に配置した矩形枠状の口枠と、底板の対向する一対の辺と口枠の対向する一対の辺との間にそれぞれ配置した折り畳み用側板と、底板の対向する他の一対の辺と口枠の対向する他の一対の辺との間にそれぞれ配置した起倒用側板と、口枠に開閉自在に取付けた蓋板とを具備し、起倒用側板の上端を口枠に回動自在に連結して起倒用側板を起倒自在とし、折り畳み用側板を上半分の上側板と下半分の下側板とで構成して上側板の上端を口枠に回転自在に連結すると共に下側板の下端を底板に回転自在に連結し且つ上側板の下端と下側板の上端を回転自在に連結した折り畳みコンテナにおいて、起倒用側板の下端部に外側方に向けて下突縁部を突設し、該下突縁部に上孔を形成し、起倒用側板が垂直姿勢となった状態で下突縁部の下面が載置される底板の外端部の部位に上記上孔と上下方向に連通する下孔を形成し、上記起倒用側板が垂直姿勢となった状態で上下に連通する上孔と下孔との後側の内面をほぼ連続させると共に上に行くほど手前側となるように傾斜させ、上端が頭部となり且つ下端に引掛け部を備えたロック部材を上下に連通する上孔と下孔とに挿入して上孔の上面側に頭部を位置させると共に下孔の下面側に引掛け部を位置させてロックすることを特徴とする折り畳みコンテナにおける起倒用側板のロック構造。
【請求項2】
起倒用側板が垂直姿勢となった状態で上下に連通する上孔と下孔との前側の内面をほぼ垂直に連続させて成ることを特徴とする請求項1記載の折り畳みコンテナにおける起倒用側板のロック構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−290753(P2008−290753A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−139490(P2007−139490)
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(000010054)岐阜プラスチック工業株式会社 (108)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(000010054)岐阜プラスチック工業株式会社 (108)
【Fターム(参考)】
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