説明

折り畳み式ダクトおよび折り畳み式ダクト用ハゼ継手

【課題】 取付現場における断熱処理や断熱材の廃材の発生をなくすことができる折り畳み式ダクトを提供する。
【解決手段】 断熱性でボード状の壁板51を四方に配設して筒状とし、壁板51の側縁部に、この側縁に沿って延びるハゼ部材52、53を配設する。隣接する壁板51の第1のハゼ部材52のダブルハゼ52bと第2のハゼ部材53のシングルハゼ53bとが係合して回動自在なスピンハゼ2Aが形成され、スピンハゼ2Aを回動させることで壁板51が重なるように全体が折り畳んだ状態となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、折り畳み可能な折り畳み式ダクトおよび、この折り畳み式ダクトに使用するハゼ継手に関する。
【背景技術】
【0002】
断面が矩形(四角形)な角ダクトなどにおいて、折り畳みが可能な折り畳み式ダクトが知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。この折り畳み式ダクトは、例えば、鉄板などの4つの壁板で筒状に構成され、壁板と壁板との接合部である角部が回動自在であり、角部を回動させて壁板が重なるように全体を折り畳む(偏平させる)ことができるようになっている。また、折り畳んだ状態から角部を回動させて、筒状に展開することができるものである。このような折り畳み式ダクトは、ダクトを生産する工場からダクトを取り付ける取付現場(建設現場など)までの運搬費用や、ダクトの保管費用などを軽減するために、開発され、使用されている。すなわち、折り畳むことでダクトの容積を小さくし、運搬容積や保管容積などを小さくして費用を軽減することができるものである。
【特許文献1】特開2004−003821号公報
【特許文献2】特開2003−114044号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、ダクトの取付現場においては、結露の防止などのために、必要に応じてダクトに断熱処理を施している。すなわち、ダクトを天井内などの所定の取付場所に取り付けた後に、必要に応じて、グラスウール製でシート状(帯状)の断熱材などをダクトの外周に巻き付けている。このような断熱処理は、折り畳み式ダクトの場合も同様であり、折り畳んだ状態でダクトを取付現場に搬入し、ダクトを筒状に展開して所定の取付場所に取り付ける。その後、必要に応じて、断熱材をダクトの外周に巻き付けるなどしている。
【0004】
しかしながら、このような断熱処理は、ダクトが天井内などに取り付けられた状態で行うため、施工がしづらく、施工に多大な労力と時間とを要するばかりでなく、取付現場において断熱材の廃材が発生し、廃棄処理などを要することになる。特に近年、建設現場などにおいては、建設・施工スケジュールや、廃棄処理費などを含む建設・施工費用などが厳しく制限、管理されており、迅速にダクトの断熱処理を行うとともに、取付現場に廃材を発生させないことなどが急務となっている。
【0005】
そこでこの発明は、取付現場における断熱処理や断熱材の廃材の発生をなくすことができる折り畳み式ダクトおよび折り畳み式ダクト用ハゼ継手を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、断熱性でボード状の壁板を四方に配設して筒状とし、前記壁板の側縁部に、この側縁に沿って延びるハゼ部材が配設され、隣接する前記壁板のハゼ部材とハゼ部材とが係合して回動自在な角部が形成され、前記角部を回動させることで前記壁板が重なるように全体が折り畳んだ状態となる折り畳み式ダクトである。
【0007】
この発明によれば、角部を回動させて壁板を展開すると、断熱性の壁板が筒状に配設されたダクトが形成され、この状態から角部を回動させて壁板を重ねるようにすると、ダクトが折り畳まれた状態となる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の折り畳み式ダクトにおいて、前記ハゼ部材は、前記側縁に沿って前記側縁部を挟持するように配設されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の折り畳み式ダクトにおいて、前記壁板を筒状に展開した状態で隣接する前記壁板の側縁部と側縁部との隙間(空隙)を埋める断熱性の補充部材を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の折り畳み式ダクトにおいて、前記壁板にフランジ部材が配設され、前記壁板を筒状に展開した状態で前記フランジ部材が環状に配置されてフランジを形成することを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、断熱性でボード状の壁板の側縁部に配設可能で、前記壁板の側縁に沿って延びる第1のハゼを有する第1のハゼ部材と、断熱性でボード状の壁板の側縁部に配設可能で、前記壁板の側縁に沿って延び前記第1のハゼと回動自在に係合する第2のハゼを有する第2のハゼ部材と、を備えることを特徴とする折り畳み式ダクト用ハゼ継手である。
【0012】
この発明によれば、壁板を四方に配設し、隣接する壁板の側縁部にそれぞれ第1のハゼ部材と第2のハゼ部材とを配設する。そして、第1のハゼ部材の第1のハゼと第2のハゼ部材の第2のハゼとを係合して、壁板を環状に連結する。第1のハゼ部材と第2のハゼ部材との係合部である角部を回動させて壁板を展開すると、壁板が筒状に配設され、角部を回動させて壁板を重ねるようにすると、ダクトが折り畳まれた状態となる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、断熱性の壁板でダクトが構成されているため、このダクトを取付現場に搬入し、ダクトを筒状にして所定の取付場所に取り付けることで、断熱性のダクトが取り付けられたことになる。つまり、取付現場においてダクトに断熱処理を施す必要がなくなり、断熱処理に要する労力と時間とをなくすことができるとともに、取付現場における断熱材の廃材の発生をなくすことができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、ハゼ部材が壁板の側縁部を挟持するように配設されているため、ハゼ部材の配設が強固になるとともに、壁板が脆い材質などであってもその側縁部がハゼ部材で保護、補強される。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、隣接する壁板の側縁部と側縁部との隙間(空隙)を埋めるように補充部材を配設することで、その隙間も断熱され、ダクトの断熱性が向上する。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、壁板を筒状に展開するだけでフランジが形成されるため、このダクトを他のダクトなどに接続する際に別途フランジを設ける必要がなく、接続作業を容易、迅速に行うことができる。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、壁板の側縁部に第1のハゼ部材と第2のハゼ部材とを配設して、第1のハゼと第2のハゼとを係合することで、折り畳み式ダクトが形成される。このため、同一の素材や部材を大きさや形状が異なる折り畳み式ダクトに適用することが可能となる。つまり、折り畳み式ダクトの大きさや形状に合わせて断熱性のボードを所定の大きさに切断して壁板とし、この壁板の大きさなどに合わせて各ハゼ部材を切断して壁板の側縁部に配設することで、所望の大きさや形状の折り畳み式ダクトを形成することができる。この結果、素材(素形材)や部材を共用化して、製造コストや保管、管理コストなどを削減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0019】
図1は、この発明の実施の形態に係る折り畳み式ダクト1を示す斜視図である。この折り畳み式ダクト1は主として、ダクト本体2と、補充部材3と、コーナーピース4とを備えている。
【0020】
ダクト本体2は、図2に示すように、4枚の壁板ユニット5を四方に配設して、断面が四角形な筒状とした角ダクトである。各壁板ユニット5は、図3に示すように、壁板51と、第1のハゼ部材(ハゼ部材)52と、第2のハゼ部材(ハゼ部材)53と、第1のフランジ板(フランジ部材)54と、第2のフランジ板(フランジ部材)55とを備えている。
【0021】
壁板51は、断熱性で平ボード状のケイカル(珪酸カルシウム)板で構成され、その板厚は必要な断熱性能や強度などに応じて設定されているが、鉄板製やアルミ製などの従来のダクトの壁板の板厚(0.数mm〜数mm程度)に比べて、数倍以上厚いもの(20mm程度以上)となっている。また、壁板51の板面の大きさ、形状は、折り畳み式ダクト1の大きさ、形状に合わせて設定されている。つまり、素形材(素材)としてのケイカル板を折り畳み式ダクト1の大きさ、形状に合わせて所定の大きさ、形状に切断し、壁板51としている。ここで、図3中の壁板51における右側の側縁部を右側縁部51aとし、左側の側縁部を左側縁部51bとし、上側の側縁部を上側縁部51cとし、下側の側縁部を下側縁部51dとする。
【0022】
第1のハゼ部材52は鉄板製で、装着板52aとハゼ板52bとから構成されている。装着板52aは、断面がコ字状で壁板51の右側縁部51aの側縁に沿って延び、コ字状の開口幅が壁板51の板厚とほぼ同寸法に設定されている。また、ハゼ板52bは装着板52aの側片52aとほぼ同寸法で、この側片52aに接合され、外側(装着板52aの非開口側)の縁部にダブルハゼ(第1のハゼ)52bが形成されている。このダブルハゼ52bは断面がカール状で、装着板52aの長手方向つまり右側縁部51aの側縁に沿って延び、後述するシングルハゼ(第2のハゼ)53bと回動自在に係合するようになっている。
【0023】
このような第1のハゼ部材52は、長尺の素形材を切断して、所定の長さに設定されている。すなわち、上記のような装着板52aとハゼ板52bから構成される長尺の(例えば数mの)素形材を製造し、この素形材を壁板51の右側縁部51aの長さに合わせて切断して、所定の長さにしている。そして、このような第1のハゼ部材52が、図4〜6に示すように、装着板52aの開口部が壁板51の右側縁部51aに装着した状態で、つまり右側縁部51aを板厚方向に挟持(カバー)するように、取り付けられている。
【0024】
第2のハゼ部材53は、シングルハゼ53bを除いて第1のハゼ部材52とほぼ同等の構成であるため、主として異なる点について説明する。すなわち、ハゼ板53bの外側(装着板53aの非開口側)の縁部にシングルハゼ53bが形成されている。このシングルハゼ53bは断面がカール状で、ダブルハゼ52bと回動自在に係合するようになっている。すなわち、図7に示すように、ダブルハゼ52bとシングルハゼ53bとが係合して回動自在なスピンハゼ(角部)2Aが形成されている。また、ダブルハゼ52bとシングルハゼ53bとの間には、気密性を保つためのチューブ状のガスケット6が装着されている。このような第2のハゼ部材53が、図4〜6に示すように、装着板53aの開口部が壁板51の左側縁部51bに装着した状態で、つまり左側縁部51bを板厚方向に挟持するように、取り付けられている。
【0025】
そして、後述するようにして各壁板ユニット5を連結し、例えば図7(a)に示すように、隣接するハゼ板52bとハゼ板53bとが直角に位置する状態(ダクト本体2が筒状に展開した状態)から、第2のハゼ部材53のハゼ板53bを第1のハゼ部材52のハゼ板52b側に押す。すると、ダブルハゼ52bを軸としてシングルハゼ53bが回動し、つまりスピンハゼ2Aが回動し、図7(b)に示すように、第2のハゼ部材53が第1のハゼ部材52側に移動する。以上のような第1のハゼ部材52と第2のハゼ部材53とによって折り畳み式ダクト用ハゼ継手が構成される。
【0026】
第1のフランジ板54は鉄板製で、断面が略L字形のアングル材状であり、取付面部54aには、後述するコーナーピース4を固定するために凸状に折り曲げられた凸部54bが長手方向に沿って形成されている。このような第1のフランジ板54は、長尺の素形材を切断して、所定の長さに設定されている。すなわち、上記のような断面形状を有する長尺の(例えば数mの)素形材を製造し、この素形材を壁板51の上側縁部51cの長さに合わせて切断して、所定の長さにしている。また、図中54dは、フランジ面部54cから取付面部54a側に垂直に折り曲げられたカシメ部である。
【0027】
このような第1のフランジ板54が、図4〜6に示すように、壁板51の上側縁部51cに沿って配設されている。すなわち、取付面部54aが上側縁部51cの板面51e側の上縁に沿って配置され、両端部がハゼ部材52、53で覆われた状態で、ビス7によって共締めされている。これによって、第1のフランジ板54とハゼ部材52、53とが壁板51に固定されている。
【0028】
第2のフランジ板55は、第1のフランジ板54と同等な構成で、第1のフランジ板54と同様にして、壁板51の下側縁部51dに沿って配設されている。そして、後述するようにして各壁板ユニット5を連結し、各壁板ユニット5を筒状に展開すると、図2、8に示すように、各第1のフランジ板54のフランジ面部54cが同一平面上で四角い環状に配置されて、上側のフランジ2Bを形成する。同様に、各第2のフランジ板55のフランジ面部55cが同一平面上で四角い環状に配置されて、下側のフランジ2Bを形成するようになっている。
【0029】
このような壁板ユニット5を4枚連結してダクト本体2が形成されている。すなわち、隣接する壁板ユニット5のダブルハゼ52bとシングルハゼ53bとを係合し、4枚の壁板ユニット5を環状に連結している。さらに、ダブルハゼ52bとシングルハゼ53bとの間にガスケット6を挿入、装着して、ダクト本体2が形成されている。そして、ダブルハゼ52bとシングルハゼ53bとの係合部であるスピンハゼ2Aを回動させて各壁板ユニット5を展開すると、図8に示すように、断面が四角形なダクト本体2が形成される。また、この状態から、スピンハゼ2Aを回動させて壁板ユニット5を重ねるようにすると、図9に示すように、ダクト本体2が折り畳まれた状態となる。
【0030】
補充部材3は、ダクト本体2を筒状に展開した状態で隣接する壁板ユニット5の側縁部と側縁部との隙間を埋める部材である。すなわち、図10に示すように、断面が四角形な筒状で可撓性(変形能)を有する断熱ケース31の筒内に、グラスウールなどの断熱材32が充填され、全体が断熱性の高い部材となっている。そして、図8に示すように、隣接する壁板ユニット5の側縁部と側縁部との隙間に配置した際に、隣接する壁板51の側端と側端との空隙(内角)を埋めるように、補充部材3の断面形状が設定されている。すなわち、補充部材3を配置することよって、壁板51が隙間なく環状に連結するようになっている。
【0031】
コーナーピース4は金属製で、図11に示すように、略平板状でL字形をしており、角部には取付孔4aが形成されている。また、外周縁と内周縁とにはそれぞれ、板面に対して垂直な外周縁片4bと内周縁片4cとが形成され、角部の内縁には、板面に対してほぼ垂直に延びる突出片4dが形成されている。そして、上記のようにして補充部材3が配置されたダクト本体2の各コーナに、このコーナーピース4を配設するものである。すなわち、図12に示すように、補充部材3の角に突出片4dを当接した状態で、板面を各フランジ板54、55のフランジ面部54c、55c上に配置する。この際、凸部54b、55bが内周縁片4cの直上に位置し、各フランジ板54、55のカシメ部54d、55dを外周縁片4b側に折り曲げてカシメる。これにより、コーナーピース4が第1のフランジ板54または第2フランジ板55に固定され、コーナーピース4によってダクト本体2の筒状状態が維持されるとともに、ダクト本体2とコーナーピース4とによって補充部材3が挟持される。
【0032】
次に、このような構成の折り畳み式ダクト1の取付方法などについて説明する。まず、ダクトを生産する工場や保管倉庫などで上記のようにして形成したダクト本体2を、スピンハゼ2Aを回動させて折り畳み、その状態で取付現場(建設現場など)まで搬送する。次に、スピンハゼ2Aを回動させて各壁板ユニット5を展開し、ダクト本体2を筒状にする。続いて、壁板ユニット5の側縁部と側縁部との隙間に補充部材3を配置し、上記のようにしてコーナーピース4を取り付ける。これにより、ダクト本体2と補充部材3とコーナーピース4とが一体化される。このような折り畳み式ダクト1のフランジ2Bの外面(フランジ面部54c、55cの外向き側の面)にガスケットを取り付けて、所望の位置に取り付ける(吊り込む)。そして、フランジ2Bを介して他のダクトなどと接続するものである。
【0033】
以上のように、この折り畳み式ダクト1によれば、断熱性の壁板51でダクト1の周壁が構成されているため、このダクト1を取付現場に搬入して取り付けることで、断熱性のダクト1が取り付けられたことになる。つまり、取付現場においてダクト1に断熱処理を施す必要がなくなり、断熱処理に要する労力と時間とをなくすことができるとともに、取付現場における断熱材の廃材の発生をなくすことができる。しかも、ダクト本体2を筒状に展開するだけでフランジ2Bが形成されるため、別途フランジを設ける必要がなく、接続作業を容易、迅速に行うことができる。
【0034】
また、ハゼ部材52、53が壁板51の側縁部51a、51bを挟持(カバー)するように配設されているため、ハゼ部材52、53の配設が強固になるとともに、壁板51が脆い材質などであってもその側縁部51a、51bがハゼ部材52、53で保護、補強される。しかも、隣接する壁板ユニット5の側縁部と側縁部との隙間を埋めるように補充部材3が配設されているため、全周が隙間なく断熱材で覆われ、ダクト1の断熱性が向上する。さらには、折り畳み式ダクト1の吊り込みの精度不良によってダクト1(ダクト本体2)に歪みが発生する場合であっても、この歪みが補充部材3で吸収され、ダクト本体2への応力を抑制することが可能となる。
【0035】
また、ダクト1の大きさや形状が異なる場合であっても、同じ素形材を使用することが可能となる。すなわち、ダクト1の大きさや形状に合わせて、上記のように素形材を切断し、所定の大きさや形状の壁板51や、所定の長さのハゼ部材52、53、フランジ板54、55を形成する。そして、これらを組み付けることで所定の大きさ、形状の壁板ユニット5、さらにはダクト本体2、ダクト1を形成することができる。この結果、素形材を共用化して、製造コストや保管、管理コストなどを削減することが可能となる。さらには、複数の大きさ、形状の壁板ユニット5を製作、保管し、必要に応じて必要な大きさ、形状の壁板ユニット5を組み合わせることで、所望の大きさ、形状のダクト本体2(ダクト1)を任意に形成することが可能となる。つまり、複数の標準的な壁板ユニット5を製作、保管することで、これらの壁板ユニット5を異なる大きさ、形状のダクト1に共用することが可能となる。ここで、壁板ユニット5は単体として保管、管理できるため、積み重ねて保管することなどが可能となり、保管コストや管理コストを削減することが可能となる。
【0036】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、この実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、この実施の形態では、壁板51がケイカル板で構成されているが、ベニヤ板や石膏ボード、その他の断熱ボードで構成してもよい。また、ダクト本体2がストレートな角ダクトの場合について説明したが、ダクト本体2がL字状のエルボや、S字状に湾曲したエスカンなどのダクトに対しも適用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】この発明の実施の形態に係る折り畳み式ダクトを示す斜視図である。
【図2】図1の折り畳み式ダクトのダクト本体の斜視図である。
【図3】図2のダクト本体の壁板ユニットの分解斜視図である。
【図4】図2のダクト本体の壁板ユニットの正面図である。
【図5】図2のダクト本体の壁板ユニットの平面図である。
【図6】図2のダクト本体の壁板ユニットの側面図である。
【図7】図2のダクト本体のダブルハゼとシングルハゼとの係合状態を示し、隣接するハゼ板が直角に位置する状態(a)と、隣接するハゼ板がほぼ平行に位置する状態(b)を示す図である。
【図8】図2のダクト本体を筒状に展開した状態を示す平面図である。
【図9】図2のダクト本体を折り畳んだ状態を示す平面図である。
【図10】図1の折り畳み式ダクトの補充部材の斜視図である。
【図11】図1の折り畳み式ダクトのコーナーピースの斜視図である。
【図12】図11のコーナーピースの配設状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0038】
1 折り畳み式ダクト
2 ダクト本体
2A スピンハゼ(角部)
2B フランジ
3 補充部材
4 コーナーピース
5 壁板ユニット
51 壁板
52 第1のハゼ部材(ハゼ部材)
52b ダブルハゼ(第1のハゼ)
53 第2のハゼ部材(ハゼ部材)
53b シングルハゼ(第2のハゼ)
54 第1のフランジ板(フランジ部材)
55 第2のフランジ板(フランジ部材)
6 ガスケット
7 ビス


【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱性でボード状の壁板を四方に配設して筒状とし、
前記壁板の側縁部に、この側縁に沿って延びるハゼ部材が配設され、
隣接する前記壁板のハゼ部材とハゼ部材とが係合して回動自在な角部が形成され、
前記角部を回動させることで前記壁板が重なるように全体が折り畳んだ状態となる折り畳み式ダクト。
【請求項2】
前記ハゼ部材は、前記側縁に沿って前記側縁部を挟持するように配設されていることを特徴とする請求項1に記載の折り畳み式ダクト。
【請求項3】
前記壁板を筒状に展開した状態で隣接する前記壁板の側縁部と側縁部との隙間を埋める断熱性の補充部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の折り畳み式ダクト。
【請求項4】
前記壁板にフランジ部材が配設され、前記壁板を筒状に展開した状態で前記フランジ部材が環状に配置されてフランジを形成することを特徴とする1項に記載の折り畳み式ダクト。
【請求項5】
断熱性でボード状の壁板の側縁部に配設可能で、前記壁板の側縁に沿って延びる第1のハゼを有する第1のハゼ部材と、
断熱性でボード状の壁板の側縁部に配設可能で、前記壁板の側縁に沿って延び前記第1のハゼと回動自在に係合する第2のハゼを有する第2のハゼ部材と、
を備えることを特徴とする折り畳み式ダクト用ハゼ継手。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−36495(P2009−36495A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−203052(P2007−203052)
【出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【出願人】(591014042)株式会社久米設計 (16)
【出願人】(000169499)高砂熱学工業株式会社 (287)
【出願人】(591225394)株式会社新富士空調 (17)
【Fターム(参考)】