説明

折版及び屋根

【課題】施工時間がかからず遮音性能が良好な折版を提供する。
【解決手段】山部21と谷部25とが設けられた屋根用の折版2である。そして、折版2の裏面には、振動を熱エネルギーに変換して吸収する制振塗料40が塗装される。
また、この折版2を重ね合わせて形成される屋根である。そして、折版2の敷設方向の両端には、一対の山部21,21が設けられ、山部21には頂面22と膨出部23と窪み部24とが設けられて、一方の折版の膨出部23が、他方の折版の膨出部33に嵌合されるとともに他方の折版の窪み部34に掛止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折版及び屋根に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅などの屋根として、山部と谷部とが交互に設けられた折版を重ね合わせた折版屋根が知られている。
【0003】
この折版屋根を構成する折版は、一般に薄い鋼板によって形成されているため、雨滴が当たることで騒音が生じるという問題があった。このため、折版の裏面には、発泡体やグラスウールなどの防音材を設置することが多い。
【0004】
一方、このように防音材を設置する折版では、平面状の折版の裏面に防音材を積層した後にこれを折り曲げて山部や谷部を設けるため、防音材を厚くすることが困難で充分な遮音性能を得ることが困難であった。
【0005】
そこで、例えば特許文献1には、スチレン・イソプレンブロックコポリマーと無機粉体とポリオレフィン系樹脂とからなる樹脂組成物で形成した制振シートを折版の裏面に積層した折版が開示されている。この構成によれば、制振シートの厚さを薄くしても遮音効果と騒音発生の抑制効果を高めることができるうえに、簡単な作業工程で折版を製作できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3315614号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記した特許文献1の折版では、取付金具に対する嵌合部分などで制振シートが剥がれないように細心の注意を払って施工する必要があり、施工時間がかかっていた。
【0008】
そこで、本発明は、施工時間がかからず遮音性能が良好な折版と屋根とを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明の折版は、山部と谷部とが設けられた屋根用の折版であって、前記折版の裏面には、振動を熱エネルギーに変換して吸収する制振塗料が塗装されることを特徴とする。
【0010】
また、前記折版の略水平な部分の裏面には前記制振塗料が塗装される塗装部が設けられるとともに、略水平でない部分の裏面には塗装されない無塗装部が設けられる構成とすることができる。
【0011】
さらに、前記折版の建物の構造体への取付部には前記制振塗料が塗装されない無塗装部が設けられる構成とすることができる。
【0012】
そして、前記制振塗料は、高分子を母材とし、前記母材中に、前記母材における双極子モーメント量を増加させるベンゾトリアゾール基を持つ化合物、及びジフェニルアクリレート基を持つ化合物の中から選ばれた1種若しくは2種以上からなる活性成分が含まれている構成とすることができる。
【0013】
また、本発明の屋根は、上記したいずれかに記載の折版を重ね合わせて形成される屋根であって、前記折版の敷設方向の両端には、一対の前記山部が設けられ、前記山部には、略平坦に形成された頂面と、前記頂面の両側に形成された膨出部と、前記膨出部の下縁に形成された窪み部と、が設けられて、一方の折版の前記膨出部が、他方の折版の前記膨出部に嵌合されるとともに他方の折版の前記窪み部に掛止されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
このように、本発明の折版は、山部と谷部とが設けられた屋根用の折版であって、折版の裏面には、振動を熱エネルギーに変換して吸収する制振塗料が塗装されている。
【0015】
このため、あらかじめ制振塗料を塗装しておくことで施工が簡単であり、制振塗料によって振動を吸収することで遮音性能が良好になるうえ、制振塗料が折版に直接塗装されることで長期の使用によっても剥がれることなく耐久性の高い折版となる。
【0016】
また、折版の略水平な部分の裏面には制振塗料が塗装される塗装部が設けられるとともに、略水平でない部分の裏面には塗装されない無塗装部が設けられる。
【0017】
したがって、塗装部によって雨滴による振動を吸収して騒音を防止しつつ、無塗装部を設けることで全体の費用の増加を抑制できる。
【0018】
さらに、折版の建物の構造体への取付部には制振塗料が塗装されない無塗装部が設けられることで、制振塗料が取付金具などによって削り落とされることがなくなり、いっそう屋根全体の耐久性を高めることができる。
【0019】
そして、制振塗料は、高分子を母材とし、母材中に、母材における双極子モーメント量を増加させるベンゾトリアゾール基を持つ化合物、及びジフェニルアクリレート基を持つ化合物の中から選ばれた1種若しくは2種以上からなる活性成分が含まれている。
【0020】
したがって、制振塗料に外力が加わった状態では、化合物が高分子主鎖の動きを束縛して、振動を摩擦熱に変換して吸収することができる。
【0021】
また、本発明の屋根は、上記したいずれかに記載の折版を重ね合わせて形成される屋根であって、折版の敷設方向の両端には、一対の山部が設けられ、山部には、略平坦に形成された頂面と、頂面の両側に形成された膨出部と、膨出部の下縁に形成された窪み部と、が設けられて、一方の折版の膨出部が、他方の折版の膨出部に嵌合されるとともに他方の折版の窪み部に掛止される。
【0022】
したがって、このような形状によって必要な止水性能を維持しつつも折版どうしを強固に連結するとともに、裏面に塗装された制振塗料によって遮音性能が良好で耐久性が高い屋根となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施例1の折版の構成を説明する断面図である。
【図2】屋根の全体構成を説明する斜視図である。
【図3】折版の勘合部分の構成を拡大して説明する断面図である。
【図4】実施例1の折版の遮音性能を説明するグラフである。
【図5】実施例2の折版の構成を説明する断面図である。
【図6】実施例2の屋根の構成を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0025】
まず、図2を用いて本発明の折版2を備える屋根1の全体構成を説明する。
【0026】
なお、図示しないが、本実施例の屋根1は、建物ユニットに設置されるものである。この建物ユニットは、4本の角形鋼管などの柱と、柱の下端間を連結する4本の鋼製の床梁と、柱の上端間を連結する4本の鋼製の天井梁51(図2参照)と、からなる骨組み構造体によって構成されている。
【0027】
そして、本発明の屋根1は、図2に示すように、一方の折版2と他方の折版3とが重ね合わされて形成されており、建物の構造体としての天井梁51に取付金具52によって取付けられている。
【0028】
この天井梁51は、C字断面の鋼材によって形成されるものであり、対向する天井梁(不図示)との間には野縁(不図示)が架け渡され、この野縁に石膏ボード(不図示)が貼られて天井が形成される。なお、隣接する野縁の間には断熱材が設置されている。
【0029】
また、取付金具52は、鋼板によって略L字状に形成されるもので、上部の両側には円弧状の掛止部52aが設けられ、天井梁51の上側フランジの上面に固定されている。
【0030】
そして、本実施例の折版2は、鋼板を折り曲げて形成されるものであり、図1に示すように、上方に突出した山部21と、下方に突出した谷部25と、山部21と谷部25とを繋ぐ傾斜部28と、を備えており、裏面の略全面には制振塗料40が塗装されている。
【0031】
山部21には、略平坦状に形成された頂面22と、この頂面22の両側に形成された円弧状の膨出部23と、この膨出部23の下縁に形成された溝状の窪み部24と、が設けられている。
【0032】
また、谷部25には、略平坦状に形成された底面26と、この底面26の中央を一段低くした溝部27と、が設けられている。
【0033】
したがって、図3に示すように、一方の折版2の端部の山部21の膨出部23が、他方の折版3の端部の山部31の膨出部33の下側に嵌合されるとともに、この一方の膨出部23は他方の窪み部34に掛止されることで、両方の折版2,3が相互に固定される。
【0034】
さらに、下側の一方の折版2の山部21には、この山部21の形状に嵌合する掛止部52aを有する取付金具52が嵌合されて、屋根1が建物の構造体としての天井梁51に固定される。
【0035】
この取付金具52は、鋼板などの金属によって形成されるもので、L字状に折り曲げられた本体部と、本体部の上端の両側に突出した掛止部52a,52aと、によって構成されている。
【0036】
そして、この両側の掛止部52a,52aの幅は、折版2の対向する窪み部24,24間の距離よりも狭く形成されているため、嵌合する際には互いに弾性変形したうえで嵌合する。
【0037】
また、制振塗料40は、振動を熱エネルギーに変換して吸収するものであり、折版2の裏面の略全体に所定の厚みをもって塗装されている。
【0038】
この制振塗料40は、高分子を母材とし、母材中には、母材における双極子モーメント量を増加させるベンゾトリアゾール基を持つ化合物、及びジフェニルアクリレート基を持つ化合物の中から選ばれた1種若しくは2種以上からなる活性成分が含まれている。
【0039】
また、この高分子として、プラスチック系では、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ABS、ポリプロピレン、ポリアセタール、塩素化ポリエチレン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、ポリウレタン、などを用いることができる。
【0040】
さらに、この高分子として、ゴム系では、ニトリルゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、塩化ゴム、などを用いることができる。
【0041】
なお、この制振塗料40の厚みは、高分子の材質にもよるが、遮音性能と耐久性能の両方を得ることができるように、折版2の板厚と略同一程度か、板厚よりもやや厚い程度に形成することが好ましい。
【0042】
次に、本実施の形態の折版2の作用・効果について説明する。
【0043】
(1)このように、本実施例の折版2は、山部21と谷部25とが設けられた屋根用の折版2であって、折版2の裏面には、振動を熱エネルギーに変換して吸収する制振塗料40が塗装されている。
【0044】
このため、制振塗料40を塗装しておくことで施工時間がかからず、制振塗料40によって振動を吸収することで遮音性能が良好になるうえ、制振塗料40が折版2に直接塗装されることで長期の使用によっても剥がれることなく耐久性の高い折版となる。
【0045】
すなわち、一般に、雨音は雨滴の衝突によって折版2が振動することで折版2が音源となって発生するほか、折版2の振動が取付金具52を介して天井梁51に固体音として伝播することで発生する。つまり、屋根1では、折版2が音源となるのと同時に、固体音を伝播する媒体となる。
【0046】
加えて、この制振塗料40は、工場において塗装しておくことで強固に折版2と一体化されているため、施工現場で細心の注意を払わなくても剥がれてしまう可能性は低く施工時間がかからない。
【0047】
そこで、折版2に制振塗料40を塗装して、折版2の振動を熱エネルギーに変換することで、折版2からの発音を防止するとともに、固体音として伝播することを防止できる。
【0048】
この制振塗料40による遮音性能について実験した結果を図4に示す。この図4には、1時間当たり100mmの散水量(降雨量)、散水装置設置高さ4mの室内における騒音測定結果を周波数別に示している。そして、折版2の厚さは0.6mmで、制振塗料40は厚さ1.0mm(850g/m)としている。
【0049】
なお、図中のN−35,N−40,N−45,N−50,N−55は、室内騒音の基準曲線であり、ある基準曲線を下回るとき、その最小の基準曲線の呼び方により騒音等級を表すものである。
【0050】
図4に示すように、塗装なしの場合には、N値はN−50となっているが、制振塗料40を塗装すると、N−35となっているため、3段階の改善がみられる。これは、住宅における生活実感との対応では、「大きく聞こえる」から「小さく聞こえる」に改善したことを示している。
【0051】
加えて、この制振塗料40は、従来の制振シートのように硬化した後に貼設されるものではなく塗装されるものであるため、剥がれ落ちてしまうことはなく、長期の耐久性を維持できる。
【0052】
さらに、制振塗料40は、折版2の裏面の略全面に塗装される構成とすることで、折版2の全体で振動を熱エネルギーに変換できるため、遮音効果を大きくすることができる。加えて、裏面の略全面に塗装すれば、塗装部と無塗装部に塗り分けるよりも塗装工程を簡略化できる。
【0053】
そして、屋根1の裏面側には断熱材が設置されるとともに天井は石膏ボードで形成されているため、制振塗料40と断熱材と石膏ボードによる三重構造によってさらに遮音性能を高めることができる。
【0054】
(2)そして、制振塗料40は、高分子を母材とし、母材中に、母材における双極子モーメント量を増加させるベンゾトリアゾール基を持つ化合物、及びジフェニルアクリレート基を持つ化合物の中から選ばれた1種若しくは2種以上からなる活性成分が含まれている。
【0055】
したがって、制振塗料40に外力が加わった状態では、化合物が高分子主鎖の動きを束縛して、振動を摩擦熱に変換して吸収することができる。
【0056】
つまり、外力のない状態では化合物は高分子主鎖と電荷で引き合っていて安定した状態で存在するが、外力が加わった状態では特殊添加剤が高分子主鎖の動きを束縛することにより摩擦熱として大幅に変換する。
【0057】
(3)また、本実施例の屋根1は、上記したいずれかの折版2を重ね合わせて形成される屋根1であって、折版2の敷設方向の両端には、一対の山部21,21が設けられ、山部21には、略平坦に形成された頂面22と、頂面22の両側に形成された膨出部23,23と、膨出部23,23の下縁に形成された窪み部24,24と、が設けられて、一方の折版2の膨出部23が、他方の折版3の膨出部33に嵌合されるとともに他方の折版3の窪み部34に掛止される。
【0058】
したがって、このような形状によって必要な止水性能を維持しつつも折版2,3どうしを強固に連結するとともに、裏面に塗装された制振塗料40によって遮音性能が良好で耐久性が高い屋根1となる。
【0059】
この場合、従来の制振シートと異なり制振塗料40を用いることで、膨出部23,33の嵌合部分の制振シートが剥がれてしまうことはない。
【実施例2】
【0060】
以下、図5,6を用いて、前記実施例とは別の折版2Aを備える屋根1Aについて説明する。なお、前記実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号を付して説明する。
【0061】
まず、構成について説明すると、本実施例の折版2Aは、鋼板を折り曲げて形成されるものであり、図5に示すように、山部21と谷部25と傾斜部28と、を備えており、略水平な部分の裏面には制振塗料が塗装される塗装部41,42が設けられるとともに、略水平でない部分の裏面には塗装されない無塗装部43が設けられる。
【0062】
このうち谷部25の底面26に設けられた塗装部41は、谷部25の裏面の底面26に平面状に設けられており、両側の傾斜部28,28の下部まで所定の厚みをもって塗装されている。
【0063】
また、山部21の頂面22に設けられた塗装部42は、山部21の両側の膨出部23,23を除く平面状の頂面22の裏面に所定の厚みをもって平面状に塗装されている。
【0064】
さらに、無塗装部43は、折版2Aの上記した塗装部41,42以外の部分として形成されるもので、傾斜部28の下部から山部21の膨出部23までの領域として形成されている。
【0065】
このように、略水平な部分、すなわち鉛直方向の雨が略直角に当たる部分である山部21の頂面22と谷部25の底面26には塗装部41,42が形成されている。さらに、略水平でない部分、すなわち山部21の膨出部23から傾斜部28の下部までの領域には無塗装部43が形成されている。
【0066】
そして、膨出部23,23には、図6に示すように、一方の折版2Aの膨出部23が、他方の折版3Aの膨出部33の下側に嵌合され、他方の窪み部34に掛止されることで、両方の折版2A,3Aが相互に固定される。
【0067】
さらに、下側の一方の山部21には、掛止部52aを有する取付金具52が嵌合されて、屋根1Aが建物の構造体としての天井梁51に固定される。
【0068】
この場合には、取付金具52の上端面は塗装部42を介したうえで折版2Aの頂面22と接しているが、取付金具52の掛止部52aは折版2Aの無塗装部43に直接に接している。
【0069】
次に、作用・効果について説明する。
【0070】
(1)本実施例の折版2Aには、折版2Aの鉛直方向から雨滴が当たる略水平な部分の裏面には制振塗料が塗装される塗装部41,42が設けられるとともに、鉛直方向から雨滴が当たらない略水平でない部分の裏面には塗装されない無塗装部43が設けられる。
【0071】
したがって、塗装部41,42によって雨滴による振動を吸収して騒音を防止しつつ、無塗装部43を設けることで全体の費用の増加を抑制できる。
【0072】
つまり、山部21の頂面22や谷部25の底面26には、鉛直上方からの雨滴が板面に略垂直に衝突することで、衝突音が大きくなる。そこで、この衝突音の大きく発生する部位にのみ制振塗料を塗装することで、遮音性能を維持しつつ、制振塗料の使用量を抑制できる。
【0073】
(2)さらに、折版2Aの建物の構造体への取付部である膨出部23,23には制振塗料が塗装されない無塗装部43が設けられることで、制振塗料が取付金具52などによって削り落とされることがなくなり、いっそう屋根1A全体の耐久性を高めることができる。
【0074】
すなわち、取付金具52の両側の掛止部52a,52aと接触する両側の膨出部23,23には制振塗料を塗装しないことで、制振塗料が削り落とされることはなくなり、取付金具52と折版2Aの嵌合が緩むことを防止できる。
【0075】
なお、この他の構成および作用効果については、前記実施例と略同様であるため説明を省略する。
【0076】
以上、図面を参照して、本発明の実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0077】
例えば、前記実施例1,2では、折版2,2Aの膨出部23が取付金具52の掛止部52aに嵌合されて固定される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ボルト・ナットなどによって固定されるものであっても本発明を適用できる。
【符号の説明】
【0078】
1,1A 屋根
2,3 折版
2A,3A 折版
21,31 山部
22,32 頂面
23,33 膨出部
24,34 窪み部
25,35 谷部
40 制振塗料
41,42 塗装部
43 無塗装部
52 取付金具(建物の構造体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
山部と谷部とが設けられた屋根用の折版であって、
前記折版の裏面には、振動を熱エネルギーに変換して吸収する制振塗料が塗装されることを特徴とする折版。
【請求項2】
前記折版の略水平な部分の裏面には前記制振塗料が塗装される塗装部が設けられるとともに、略水平でない部分の裏面には塗装されない無塗装部が設けられることを特徴とする請求項1に記載の折版。
【請求項3】
前記折版の建物の構造体への取付部には前記制振塗料が塗装されない無塗装部が設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の折版。
【請求項4】
前記制振塗料は、高分子を母材とし、前記母材中に、前記母材における双極子モーメント量を増加させるベンゾトリアゾール基を持つ化合物、及びジフェニルアクリレート基を持つ化合物の中から選ばれた1種若しくは2種以上からなる活性成分が含まれていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の折版。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の折版を重ね合わせて形成される屋根であって、
前記折版の敷設方向の両端には、一対の前記山部が設けられ、
前記山部には、略平坦に形成された頂面と、前記頂面の両側に形成された膨出部と、前記膨出部の下縁に形成された窪み部と、が設けられて、
一方の折版の前記膨出部が、他方の折版の前記膨出部に嵌合されるとともに他方の折版の前記窪み部に掛止されることを特徴とする屋根。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−255213(P2010−255213A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−103704(P2009−103704)
【出願日】平成21年4月22日(2009.4.22)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】