説明

折畳み砕土作業機

【課題】 折畳み駆動装置が、作業機の外部の露出されているため、外部の干渉物と衝突して壊されたり、代掻き作業時に泥水を被りやすく故障しやすいおそれがあった。
【解決手段】 側部作業体2L、2Rを中央作業体1の上方へ折畳み駆動機構4により折り畳み可能に連結される折畳み砕土作業機において、
中央作業体1及び側部作業体2L、2Rのそれぞれに折畳回動軸30を回動中心として互いに回動可能な回動フレーム50、51を設け、
折畳み駆動機構4の少なくとも折畳み駆動装置40の全部又は一部が、回動フレーム50、51の中に設けられる折畳み砕土作業機による。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、砕土作業機であって、中央部の中央作業体と左右の延長部分である側部作業体を有し、左右の側部作業体を中央作業体側に折畳むことにより作業幅を調節したり、移動時に両側部作業体を折り畳んで走行することが可能な折畳み砕土作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
砕土作業機において、中央部分と左右の延長部分を有し、左右の延長部分を中央部分側へ折り畳む構造を有する折畳み砕土作業機は、様々なものが知られている。特開平10−295113号公報(従来技術1)には、「折り畳み農作業機のロック方法」の開示がある。従来技術1には「トラクタの後部に3点リンクヒッチ機構を介して農作業機の長さ方向中央部分を昇降可能に装着し、上記トラクタから農作業機の中央部分に動力を伝達すると共に、上記中央部分に対し、該中央部分から左右両側に延出している作業機部分を、それぞれ中央部分側に折り畳み可能とし、上記作業機部分を作業状態に展開したときにロック装置によりロックするようにした農作業機において、上記農作業機を中央部分と左右の作業機部分とに3分割し、該中央部分の左右の端部と左右の作業機部分の内端部とをそれぞれ回転支点によりほぼ180°回転可能に連結し、上記左右の作業機部分にガイド溝を有するガイド板を固設し、上記ガイド溝に嵌挿するガイドピンを一端部に設けた回転アームの他端部を上記中央部分側に軸支し、該回転アームの中間部に、基端を中央部分側に支持した油圧シリンダのピストン先端を連結して、該油圧シリンダの伸縮作動により左右の作業機部分を折り畳み・展開可能とすると共に、上記油圧シリンダの伸縮作動により上記ロック装置を作動させるようにしたことを特徴とする折り畳み農作業機のロック方法」の記載がある。
【0003】
また、特開2001−352807号公報(従来技術2)は、「折り畳み農作業機」に関し、「折り畳み農作業機1は、作業機本体2と、この作業機本体2の両端部にそれぞれ折り畳み可能に設けた延長作業機体4,4と、砕土ロータリー3と、延長砕土ロータリー5とを備える。延長砕土ロータリー5は砕土ロータリー3の回転で回転する。砕土ロータリー3と両延長砕土ロータリー5とで砕土する状態と、砕土ロータリー3といずれか一方の延長砕土ロータリー5とで砕土する状態と、砕土ロータリー3のみで砕土する状態とに切り換えることができる。」という装置の開示がある。
【0004】
そして従来技術2の「作業機折畳み手段53」に関しては特許文献2の段落0037乃至段落0041に以下の記載がある。「作業機折畳み手段53は、作業機本体2の両端部に前記延長作業機体4をそれぞれ折畳み可能に支持したリンク機構54と、これらリンク機構54を介して前記延長作業機体4を、前記作業機本体2上に折り畳んだ状態及び前記作業機本体2の砕土ロータリー3の両端部に移動しこの延長砕土ロータリー5にて前記砕土ロータリー3の作業幅を延長した状態に回動させるシリンダー装置55とを有している。また、前記リンク機構54は、前記主フレーム6の両端部に固定された一対の本体側固定リンク56と、この一対の本体側固定リンク56に対向し前記延長作業機体4の端部に固定された一対の延長側固定リンク57と、前記一対の本体側固定リンク56の先端部と前記一対の延長側固定リンク57の先端部とを回動自在に連結した連結ピン58と、基端部を支軸59にて回動自在に軸支し一方の先端部を前記一対の本体側固定リンク56に、他方の先端部を前記一対の延長側固定リンク57にそれぞれ支軸60にて回動自在に軸支した一対の可動リンク61とを有している。そして、前記一対の本体側固定リンク56と前記一対の延長側固定リンク57とは略同形状で略三角形状に形成され、これら先端部は前記作業機本体2と前記延長作業機体4との対向する端部間に向かってそれぞれ突出され、互いに重ね合わせた状態で前記連結ピン58にて回動自在に連結されている。また、前記一対の可動リンク61のうち、前記一対の本体側固定リンク56に軸支した一方の可動リンク61は略く字形状に形成され、前記一対の延長側固定リンク57に軸支した他方の可動リンク61は伸直状に形成されている。また、前記シリンダー装置55は、シリンダー本体62と、このシリンダー本体62に進退自在に設けられたシリンダーロッド63とを有し、前記シリンダー本体62の基端部は支軸64にて前記主フレーム6に回動自在に軸支され、前記シリンダーロッド63の先端部が前記一対の可動リンク61の基端部に支軸59にて回動自在に軸支されている。前記シリンダー装置55は油圧シリンダー装置にて形成されている。(特許文献2の段落0037乃至段落0041参照)
【特許文献1】特開平10−295113号公報
【特許文献2】特開2001−352807号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術1の折り畳み農作業機のロック方法における折り畳み駆動装置である油圧シリンダ及び従来技術2の折り畳み農作業機の折畳み手段53のシリンダー装置(油圧シリンダ)55は、作業機の外部に露出されているため、折畳み駆動装置である油圧シリンダ等のシリンダー装置が、外部の干渉物と衝突して壊されたり、代掻き作業時に泥水を被りやすく故障しやすいおそれが高かった。
【0006】
更に、従来技術1及び従来技術2の折り畳み農作業機の折畳み駆動装置のシリンダーは、シリンダーロッドを伸長することによって側部作業装置が展開状態になり、シリンダーロッドを縮短することによって側部作業装置が折り畳まれた状態になる構成であるが、この場合折畳み駆動装置のシリンダーの位置が、折畳回動軸より上側になり、中央作業体の上方へ突出して設ける必要があるため、作業機自体が大きくなり外部の干渉物と干渉し易いため、損傷のおそれがある課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、中央作業体と左右の側部作業体の3部分からなり、側部作業体を中央作業体の両端部から上方へ折畳み駆動機構により折り畳み可能に連結される折畳み砕土作業機において、
中央作業体及び側部作業体のそれぞれに折畳回動軸を回動中心として互いに回動可能な回動フレームを設け、
折畳み駆動機構の少なくとも折畳み駆動装置の全部又は一部が、回動フレームの中に設けられることを特徴とする折畳み砕土作業機を提案する。
【0008】
また、中央作業体と左右の側部作業体の3部分からなり、側部作業体を中央作業体の両端部から上方へ折畳み駆動機構により折り畳み可能に連結される折畳み砕土作業機において、
中央作業体及び側部作業体のそれぞれに折畳回動軸を回動中心として互いに回動可能な回動フレームを設け、
折畳み駆動機構の少なくとも折畳み駆動装置の全部又は一部が、回動フレームの中に設けられるとともに、
中央作業体は、中央砕土ロータリーと、ロータリー上面を覆うロータリ上面カバーと、中央整地板とを有し、左右の各側部作業体は、それぞれ側部砕土ロータリーと、側部整地板とを有し、
折畳み駆動機構の折畳み駆動装置が、砕土ロータリーと折畳回動軸との間に位置することを特徴とする折畳み砕土作業機を提案する。
【0009】
更に、回動フレームに、着脱可能な点検保護カバーを設けた0007欄又は0008欄記載の折畳み砕土作業機を提案する。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、左右の側部作業体を中央作業体へ折り畳む折畳み駆動機構の構成部材の中で少なくとも折畳み駆動装置の全部又は一部が、回動フレームの中に設けられて外部から干渉されないように構成されているので、作業中に外部の物と衝突したり、代掻き作業時に泥水を被ることがなくなった。
【0011】
更に、折畳み駆動機構の折畳み駆動装置が、砕土ロータリーと折畳回動軸との間に位置させたことにより、折畳み駆動機構が作業体から外方(上方)へ従来と比べ突設しないため作業機全体がコンパクトになり、扱いやすくなった。
【0012】
また、請求項3に係る発明では、回動フレームに、着脱可能な点検保護カバーを設けた構成としたため、回動フレームの中に設けた折畳み駆動装置の被覆度が向上し、より外部からの干渉物との衝突を防止できるとともに、点検保護カバーが着脱可能なので折畳み駆動装置の保守点検等を行うとき容易に作業を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
この発明の実施形態について図1乃至図14に基づいて説明する。図1は、この発明の実施形態である折畳み砕土作業機の側部作業体を作業状態に展開した状態の側面図、図2は同じく折畳み砕土作業機の側部作業体を作業状態に展開した状態の背面図、図3は同じく折畳み砕土作業機の側部作業体を折り畳んだ状態の背面図、図4は同じく折畳み砕土作業機の駆動伝達図、図5は同じく折畳み砕土作業機の側部作業体を折り畳んだ状態を示す側面説明図、図6乃至図9は同じく折畳み砕土作業機の図1におけるA矢視図であり、右側部作業体を展開状態から折畳み状態にする作動説明図であり、中央作業体回動フレーム及び点検保護カバー部分を切欠した駆動説明図、図10乃至図13は、図6乃至図9に対応し、それぞれ要部を拡大し一部切欠した折畳み駆動機構の駆動説明図、図14は、同じく図10のBB線断面図である。
【0014】
この発明の実施形態である折畳み砕土作業機は、中央作業体1と、中央作業体1の左右に作業幅を延長する左右の側部作業体2L,2Rとの3部分から構成されている。中央作業体1と左右の各々の側部作業体2L、2Rは、各々の側部作業体2L、2Rを中央作業体1の上方へ左右の折畳み可能に連結している。3は、中央作業体1と左右の各側部作業体2L、2Rとの折畳部である。
【0015】
中央作業体1は、左右方向に亘って設けられる中央砕土ロータリー10及びパイプ状のセンターフレーム11を有する。センターフレーム11は、中央部に入力ケース12を設け、入力ケース12から入力軸12aが前方へ突設され、トップマスト19aと入力ケース12の両側に設けたロアピン19bはトラクタ3点リンク機構(図示せず)に連結され、入力軸12aへはトラクタPTO軸より駆動伝達するようユニバーサルジョイントが連結される。入力軸12aは、ベベルギア12bを介してセンターフレーム11内に設けられている出力軸11aに伝動可能に連結している。
【0016】
センターフレーム11の片側に伝動チェーンケース13を設けており、出力軸11aから伝動チェーンケース13内に設けられているスプロケット13a、ローラチェーン13bを介して中央砕土ロータリー10の中央回転軸10aに回転伝動可能に連結する。10bは、中央回転軸10aに周囲幅方向に亘って多数設けられている砕土爪である。
【0017】
中央回転軸10aは、図5に図示するように左右両端部に中央側クラッチ爪14を設けており、左右の側部作業体2L、2Rの側部回転軸20a、20a端部の側部クラッチ爪20bと接続して回転伝動可能な構成である。
【0018】
中央砕土ロータリー10は、上面に中央ロータリー上面カバー15を設けている。中央ロータリ上面カバー15は、その後端辺に中央第1整地板16を第1整地板回動軸16aを介して上下回動可能に設けている。中央第1整地板16は、その後端辺(若しくは下端辺)に中央第2整地板17を第2整地板回動軸17aを介して上下回動可能に設けている。160は第1レーキ、161は第2レーキであり、ともに中央第1整地板16に設けられている。
【0019】
中央第2整地板17は、その上面で整地板操作手段18である整地板操作ロッド18a、整地板操作アーム18b、操作レバー18cに連結しており、操作ロッド18aと連結している操作レバー18cによって中央第1整地板16と中央第2整地板17とを、回動固定及び固定解除を行う。
【0020】
19は装着フレームであり、トップマスト19a及びロアピン19bによってトラクタに連結される。
【0021】
左右の側部作業体2L、2Rは、それぞれ左右方向に亘って設けられ側部回転軸20aを有する側部砕土ロータリー20、その上面に側部ロータリー上面カバー21を設けている。側部ロータリ上面カバー21は、その後端辺に側部第1整地板22を第1整地板回動軸22aを介して上下回動可能に設けている。側部第1整地板22は、その後端辺(若しくは下端辺)に側部第2整地板23を上下回動可能に設けている。側部第1整地板22には、第1レーキ220、第2レーキ221を設けている。
【0022】
折畳部3は、中央作業体1と各側部作業体2L、2Rの折畳部分に設けられており、折畳み駆動機構4によって、側部作業体2L、2Rに設けられた側部作業体回動フレーム50と、中央作業体1に設けられた中央作業体回動フレーム51とを回動可能に連結する折畳回動軸30を中心に各側部作業体2L、2Rを中央作業体1の上面へ180度折り畳む。
【0023】
折畳み駆動機構4は、中央作業体1の中央ロータリー上面カバー15から左右の側部作業体2L、2Rの側部ロータリー上面カバー21の外面に亘って設けられる。折畳み駆動機構4は、折畳み駆動装置40と、リンクアーム41と、解除用ピン42と、固定解除用リンク43と、固定解除用ロット44と、固定解除用フック45と、スライドレール46と、折畳回動軸30と、側部作業体回動フレーム50と、中央作業体回動フレーム51とを有する。この実施例では折畳み駆動装置40は、電動シリンダ40であるが、油圧シリンダ、エアシリンダでもよい。
【0024】
電動シリンダ40は、シリンダロッド40a、シリンダ本体40bからなり、シリンダロッド40aは、先端にロッド先端部40c、ロッド先端部40cにローラー軸40d、ローラー軸の40dの両側にローラー40eを設けており、ローラー40eで図14に示すようにスライドレール46に移動自在に係合している。シリンダ本体40bは、中央作業体1の幅方向に向いて中央ロータリー上面カバー15に固定されており、シリンダロッド40aを側部作業体方向へ伸縮可能に設けられている。
【0025】
シリンダロッド40bは、その先端に設けたロッド先端部40cでリンクアーム41の中央側端部41aと回動可能に連結している。リンクアーム41は、全体が円弧状の板状体であり中央側端部41aとは、逆側の端部近傍にシリンダロッドがスライドする方向に長い長円状の長孔41bを設けており、長孔41bは、側部作業体回動フレーム50の面から突出する回動ピン500と係合している。
【0026】
リンクアーム41は、長孔41bのある方の端部で、解除用ピン42の一端部に当接している。解除用ピン42は、ピン回動軸42aを回動中心として回動可能に設けてある。ピン回動軸42aは、固定解除用リンク43と固定されて連結しており、固定解除用リンク43は、固定解除用ロット44を介して、固定解除用フック45に連結している。
【0027】
固定解除用フック45は、フック回動軸45aを中心に回動可能であり、固定解除用ロット44の端部と回動可能に連結端部45cで連結している。固定解除用フック45は、フック回動軸45aを挟んで連結端部45cと反対側に凹部からなるフック45bを形成しており、フック45bは、側部作業体2L、2Rに固定されて設けられるフックピン45dと係合及び係合解除可能である。固定解除用フック45は、フック回動軸45aに設ける捩りバネによって常にフックピン45d方向に付勢回動している(図10の矢印方向)。
【0028】
スライドレール46は、シリンダロッド40aの伸縮する方向に設けられており、内面で図14に示すようにシリンダロッド40aの先端に設けられるローラー40eと嵌合しており、シリンダロッド40aとリンクアーム41の移動を方向づけている。30は折畳み回動軸であり、側部作業体回動フレーム50の回動中心であるとともに側部作業体回動フレーム50と中央作業体回動フレーム51とを連結させている。
【0029】
折畳み駆動機構4は、少なくとも折畳み駆動装置40である電動シリンダ40の全部又は一部を、側部作業体回動フレーム50又は/及び中央作業体回動フレーム51の中に設けている。この実施形態では、側部作業体回動フレーム50は、向かい合った並行な2枚の板状体からなり、中央作業体回動フレーム51は、下面が開口する断面コ字形の角筒体からなる。
【0030】
この実施形態では、中央作業体回動フレーム51の中央側に点検保護カバー6を着脱自在にボルト等により取り付けており、電動シリンダ40は、中央作業体回動フレーム51と点検保護カバー6によって全部が被覆されているが、折畳み駆動機構4の固定解除用リンク43、固定解除用ロット44、固定解除用フック45は、側部作業体回動フレーム50及び中央作業体回動フレーム51の外側に設けられている。
【0031】
また、他の実施形態として折畳み駆動機構4の少なくとも電動シリンダ40の全部又は一部は、側部作業体回動フレーム50の中に設けてもよい。更に、側部作業体回動フレーム50側にも点検保護カバー6を着脱できる構成としてもよい。
【0032】
次にこの発明の折畳み砕土作業機の折畳み駆動機構の作動について、右側の側部作業体2Rが展開状態から折り畳まれる作動を示す図6乃至図9、図10乃至図13に基づいて説明する。図6及び図10は、側部作業体2Rを展開状態にした状態である。展開した状態では、折畳み駆動装置40である電動シリンダ40は、シリンダロッド40aを縮短しており、固定解除用フック45は、捩りバネの付勢力によってフック45bが凹部でフックピン45dに係合している。フックピン45dは、側部作業体2L、2Rに固定されて設けられるためフックピン45dとフック45bが係合した状態では側部作業体2Rは、展開状態で固定され折り畳む方向には動かせない状態である。
【0033】
図6及び図10のとき、リンクアーム41の長孔41bと係合している回動ピン500は、長孔41bの中でシリンダ本体40bとは逆側のシリンダ本体40bから一番離れた位置に位置している。
【0034】
図7及び図11は、折畳み駆動装置40である電動シリンダ40のシリンダロッド40aを図6及び図10から矢印の方向に少し伸長させた状態になる。このときシリンダロッド40aは、ローラー40eでスライドレール46内を移動しつつ、ロッド先端部40cに連結しているリンクアーム41を移動させる。したがって、リンクアーム41の長孔41bの長円の遊び部分を移動する間は、回動ピン500を押圧するような作用を行わない。しかし同時にリンクアーム41は、この移動により端部で解除用ピン42を押圧して、解除用ピン42をピン回動軸42aを中心に図11の矢印の方向に回動させる。解除用ピン42は、回動すると固定されている固定解除用リンク43を介して固定解除用ロット44を図11の矢印方向に移動させる。固定解除用ロット44は、固定解除用フック45の連結端部45cを移動させ、固定解除用フック45を捩りバネの付勢力に抗してフック回動軸45aを中心に回動させる。この固定解除用フック45の回動により、フック45bは、フックピン45dとの係合を解除させる。フックピン45dとフック45bの係合が解除されると、側部作業体2Rは、中央作業体1に対して折畳部3の折畳み回動軸30を中心に折畳み可能状態となる。
【0035】
次に、図8及び図12は、折畳み駆動装置40である電動シリンダ40のシリンダロッド40aを更に伸長させた状態である。図7及び図11のときにフックピン45dとフック45bの係合が解除されるとともに、それ以後のシリンダロッド40aの伸長によりリンクアーム41の長孔41bが係合する回動ピン500を押す。回動ピン500が押されると折畳回動軸30を回動中心として側部作業体回動フレーム50が上方に回動される。側部作業体回動フレーム50は、側部作業体2Rに固定されており、中央作業体回動フレーム51とは回動自在に連結しているので、側部作業体2Rを上方に回動させる。
【0036】
図9及び図13は、更に折畳み駆動装置40である電動シリンダ40のシリンダロッド40aを更に伸長させて側部作業体2Rを中央作業体1の上部へ180度折り畳んだ状態を示す。
【0037】
また、逆に各側部作業体2L、2Rを中央作業体1の上側に折り畳んだ状態から展開する状態にする場合は、折畳み駆動装置40である電動シリンダ40のシリンダロッド40aを縮短させることによって行う。折畳み機構4の作動や側部作業体2L、2Rの動きは、展開状態から折畳み状態への動きの逆であり、図9、図13から順次図6、図10となり、固定解除用フック45のフック45bが捩りバネの付勢力でフックピン45dに係合され、各側部作業体2L、2Rは展開状態で固定される。
【産業上の利用可能性】
【0038】
この発明は、延長作業体である折畳み可能な側部作業体を有し、圃場において代掻き作業、土寄せ作業を行うことができる整地板を有する代掻き装置又は砕土ロータリー装置などの砕土作業機として利用可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】この発明の実施形態である折畳み砕土作業機の側部作業体を作業状態に展開した状態の側面図
【図2】同じく側部作業体を作業状態に展開した状態の背面図
【図3】同じく側部作業体を折り畳んだ状態の背面図
【図4】同じく折畳み砕土作業機の駆動伝達図
【図5】同じく側部作業体を折り畳んだ状態を示す側面説明図
【図6】同じく折畳み砕土作業機の図1におけるA矢視図であり、右側の中央作業体回動フレーム及び点検保護カバー部分を切欠した折畳み駆動機構の駆動説明図
【図7】同じく折畳み砕土作業機の図1におけるA矢視図であり、右側の中央作業体回動フレーム及び点検保護カバー部分を切欠した折畳み駆動機構の駆動説明図
【図8】同じく折畳み砕土作業機の図1におけるA矢視図であり、右側の中央作業体回動フレーム及び点検保護カバー部分を切欠した折畳み駆動機構の駆動説明図
【図9】同じく折畳み砕土作業機の図1におけるA矢視図であり、右側の中央作業体回動フレーム及び点検保護カバー部分を切欠した折畳み駆動機構の駆動説明図
【図10】同じく図6の要部を拡大し一部切欠した折畳み駆動機構の駆動説明図
【図11】同じく図7の要部を拡大し一部切欠した折畳み駆動機構の駆動説明図
【図12】同じく図8の要部を拡大し一部切欠した折畳み駆動機構の駆動説明図
【図13】同じく図9の要部を拡大し一部切欠した折畳み駆動機構の駆動説明図
【図14】同じく図10のBB線断面図
【符号の説明】
【0040】
1 中央作業体
10 中央砕土ロータリー
10a 中央回転軸
10b 砕土爪
11 センターフレーム
11 出力軸
12 入力ケース
12a 入力軸
12b ベベルギア
13 伝動チェーンケース
13a スプロケット
13b ロータチェーン
14 中央側クラッチ爪
15 中央ロータリー上面カバー
16 中央第1整地板
16a 第1整地板回動軸
160 第1レーキ
161 第2レーキ
17 中央第2整地板
17a 第2整地板回動軸
18 整地板操作手段
18a 整地板操作ロッド
18b 整地板操作アーム
18c 操作レバー
19 装着フレーム
19a トップマスト
19b ロアピン
2L、2R 左右の側部作業体
20 側部砕土ロータリー
20a、20a 側部回転軸
20b 側部クラッチ爪
21 側部ロータリー上面カバー
22 側部第1整地板
220 第1レーキ
221 第2レーキ
22a 側部第1整地板回動軸
23 側部第2整地板
23a 側部第2整地板回動軸
3 折畳部
30 折畳回動軸
4 折畳み駆動機構
40 折畳み駆動装置(電動シリンダ)
40a シリンダロッド
40b シリンダ本体
40c ロッド先端部
40d ローラー軸
40e ローラー
41 リンクアーム
41a 中央側端部
41b 長孔
42 解除用ピン
42a ピン回動軸
43 固定解除用リンク
44 固定解除用ロット
45 固定解除用フック
45a フック回動軸
45b フック
45c 連結端部
45d フックピン
46 スライドレール
5 フレーム
50 側部作業体回動フレーム
500 回動ピン
51 中央作業体回動フレーム
6 点検保護カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央作業体と左右の側部作業体の3部分からなり、側部作業体を中央作業体の両端部から上方へ折畳み駆動機構により折り畳み可能に連結される折畳み砕土作業機において、
中央作業体及び側部作業体のそれぞれに折畳回動軸を回動中心として互いに回動可能な回動フレームを設け、
折畳み駆動機構の少なくとも折畳み駆動装置の全部又は一部が、回動フレームの中に設けられることを特徴とする折畳み砕土作業機。
【請求項2】
中央作業体と左右の側部作業体の3部分からなり、側部作業体を中央作業体の両端部から上方へ折畳み駆動機構により折り畳み可能に連結される折畳み砕土作業機において、
中央作業体及び側部作業体のそれぞれに折畳回動軸を回動中心として互いに回動可能な回動フレームを設け、
折畳み駆動機構の少なくとも折畳み駆動装置の全部又は一部が、回動フレームの中に設けられるとともに、
中央作業体は、中央砕土ロータリーと、ロータリー上面を覆うロータリ上面カバーと、中央整地板とを有し、左右の各側部作業体は、それぞれ側部砕土ロータリーと、側部整地板とを有し、
折畳み駆動機構の折畳み駆動装置が、砕土ロータリーと折畳回動軸との間に位置することを特徴とする折畳み砕土作業機。
【請求項3】
回動フレームに、着脱可能な点検保護カバーを設けた請求項1又は請求項2記載の折畳み砕土作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−68418(P2007−68418A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−256164(P2005−256164)
【出願日】平成17年9月5日(2005.9.5)
【出願人】(000171746)株式会社ササキコーポレーション (192)
【Fターム(参考)】