説明

接着膜テープ収納用カセット

【課題】 接着膜テープが巻き回された供給リールをケース内に収容してその取り扱いを容易にできる接着膜テープ収納用カセットを提供する。
【解決手段】 接着膜テープ収納用カセット10は、供給リール12を収容するケース11と、供給リール12を回転自在に支持する回転支持機構20と、供給リール12の回転を停止させる回り止め機構30と、ACFテープ51の端部を固定するクランプ機構40とを備えている。回転支持機構20は、外部装置であるACF貼付装置の駆動軸に着脱自在に連結される回転軸21を有している。回転軸21の背面部21aには、駆動軸55の先端部に形成された直線状の突起部55aに嵌り合う直線状の溝部22が形成されている。直線状の溝部22は、駆動軸55と回転軸21とが軸方向に直交する方向に相対的に移動している状態で駆動軸55の直線状の突起部55aを受け入れることができるよう、その両端が開放している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネル基板や電子部品等の接着対象部材上に異方性導電膜(ACF)等の接着膜を貼り付ける接着膜貼付装置に係り、とりわけ、テープ状の接着膜を含む接着膜テープが巻き回された供給リールが装着された接着膜テープ収納用カセットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種の接着膜貼付装置として、異方性導電膜(ACF)テープが巻き回された供給リールと、この供給リールから巻き出されたACFテープを巻き取る回収リールとを備え、これらの供給リールと回収リールとの間で搬送されるACFテープからACFの一部を切り出してパネル基板や電子部品等の接着対象部材上に貼り付けるACF貼付装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
このような従来のACF貼付装置において、ACFテープが巻き回された供給リールは、巻き出し用の駆動モータの駆動軸に直接取り付けられ、駆動モータによる供給リールの回転に伴って供給リールからACFテープが巻き出されるようになっている。
【0004】
具体的には、図5に示すように、収納部12aにACFテープ51が巻き回されて収納された供給リール12は、駆動モータ61のシャフト62に固定された駆動軸63のねじ部68に挿入され、次いで、この駆動軸63のねじ部68に対して、内面にねじ部69aを有する取り付けナット69がねじ込まれる。これにより、供給リール12が駆動軸63に対して固定され、駆動モータ61による供給リール12の回転に伴って供給リール12からACFテープ51が巻き出される。なお、図5に示すように、駆動モータ61は支持体65上に固定されている。また、駆動モータ61と駆動軸63との間に位置するシャフト62は、支持体66に取り付けられた軸受け67により回転自在に支持されている。
【0005】
しかしながら、図5に示すような態様で供給リール12が固定される場合には、ACF貼付装置において供給リール12を交換する際に、取り付けナット69の取り外し、使用済みの供給リール12の取り外し、駆動軸63(ねじ部68)に対する新たな供給リール12の取り付け、駆動軸63(ねじ部68)に対する取り付けナット69の取り付け及び締め付けという、複数の作業が必要になる。このような作業は自動的に行うことが困難であり、人手により手間と時間とをかけて行う必要があった。
【特許文献1】特開2003−51517号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、接着膜テープが巻き回された供給リールをケース内に収容してその取り扱いを容易にするとともに、外部装置である接着膜貼付装置における供給リールの自動交換を容易に実現することができる接着膜テープ収納用カセットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、接着膜テープが巻き回された供給リールを収容するケースと、前記ケース内にて前記供給リールを回転自在に支持する回転支持機構と、前記回転支持機構により支持された前記供給リールの回転を停止させる回り止め機構とを備え、前記回転支持機構は、外部装置の駆動軸に着脱自在に連結される回転軸を有し、この回転軸には、前記駆動軸の先端部に形成された駆動軸側嵌合部に嵌り合う回転軸側嵌合部が形成され、この回転軸側嵌合部は、前記駆動軸と前記回転軸とが軸方向に直交する方向に相対的に移動している状態で前記駆動軸側嵌合部に嵌り合うように構成されており、前記回り止め機構は、前記回転支持機構により支持された前記供給リールの回転を停止させたときに、前記回転軸側嵌合部の向きが前記駆動軸側嵌合部の向きに合うように構成されていることを特徴とする接着膜テープ収納用カセットを提供する。
【0008】
なお、本発明において、前記駆動軸側嵌合部は直線状の突起部からなり、前記回転軸側嵌合部は直線状の溝部からなり、前記回転軸側嵌合部としての前記直線状の溝部は、前記駆動軸と前記回転軸とが軸方向に直交する方向に相対的に移動している状態で前記駆動軸側嵌合部としての前記直線状の突起部を受け入れるよう、その両端が開放していることが好ましい。
【0009】
また、本発明において、前記回転支持機構は、前記回転軸に前記供給リールを着脱自在に装着するための装着機構をさらに有することが好ましい。
【0010】
さらに、本発明において、前記回り止め機構は、前記回転支持機構の前記回転軸の側面に形成された孔に嵌り合う回り止めピンと、この回り止めピンを前記回転軸の前記孔へ向けて付勢する付勢機構とを有することが好ましい。
【0011】
さらに、本発明において、前記ケースは、当該ケースを前記外部装置に位置決めするための位置決め部を有することが好ましい。ここで、前記ケースは、前記位置決め部によって前記外部装置に立設状態で位置決めされることが好ましい。
【0012】
さらに、本発明においては、前記回転支持機構により支持された前記供給リールから繰り出された接着膜テープの端部を固定するクランプ機構をさらに備えることが好ましい。
【0013】
なお、本発明において、前記接着膜テープは、異方性導電膜テープであることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、接着膜テープが巻き回された供給リールをケース内に収容するとともに、ケース内にて供給リールを回転自在に支持する回転支持機構の回転軸が、外部装置である接着膜貼付装置の駆動軸に着脱自在に連結されるように構成しているので、供給リールの取り扱いを容易にするとともに、外部装置である接着膜貼付装置における供給リールの自動交換を容易に実現することができる。
【0015】
また、本発明によれば、外部装置である接着膜貼付装置の駆動軸に着脱自在に連結される回転支持機構の回転軸に、駆動軸と回転軸とが軸方向に直交する方向に相対的に移動している状態で駆動軸側嵌合部に嵌り合う回転軸側嵌合部を設けているので、駆動軸と回転軸との連結を容易に行うことができる。また、回り止め機構により、回転軸側嵌合部の向きが駆動軸側嵌合部の向きに合うような状態で供給リールの回転を停止させることができるので、駆動軸と回転軸との連結をより容易に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
まず、図1乃至図4により、本発明の一実施の形態に係る接着膜テープ収納用カセットの構成について説明する。ここで、図1は接着膜テープ収納用カセット示す平面図、図2は図1に示す接着膜テープ収納用カセットのII−II線に沿った断面図、図3は図1に示す接着膜テープ収納用カセットのIII方向から見た側面図、図4は図1に示す接着膜テープ収納用カセットのIV−IV線に沿った断面図である。
【0018】
図1乃至図4に示すように、本実施の形態に係る接着膜テープ収納用カセット10は、テープ状の剥離紙上にテープ状の接着膜である異方性導電膜(ACF)が形成されたACFテープ51を収納するためのものであり、ACFテープ51が巻き回された供給リール12を収容するケース11と、ケース11内にて供給リール12を回転自在に支持する回転支持機構20と、回転支持機構20により支持された供給リール12の回転を停止させる回り止め機構30と、回転支持機構20により支持された供給リール12から繰り出されたACFテープ51の端部を固定するクランプ機構40とを備えている。なお、ケース11内に収容される供給リール12は、ACFテープ51が巻き回されて収納される収納部12aを有している。
【0019】
このうち、ケース11は、供給リール12の大きさに対応する大きさを持つ略矩形状の壁部11aと、壁部11aの外周部に形成された縁部11bとを有している。ここで、ケース11の縁部11bのうちケース11の下部に位置する部分には、位置決め孔38が形成された2つの隆起部11cが形成されている。なお、ケース11の隆起部11cに形成された位置決め孔38は、外部装置であるACF貼付装置(図示せず)に接着膜テープ収納用カセット10を位置決めするためのものである。すなわち、位置決め孔38は、ACF貼付装置(図示せず)に設けられた位置決めピン(図示せず)を受け入れるように構成されており、位置決め孔38に位置決めピン(図示せず)が嵌り合うことにより、ケース11がACF貼付装置(図示せず)に立設状態で位置決めされるようになっている。また、ケース11の縁部11bのうちケース11の上部に位置する部分には、カセット交換装置(図示せず)等に設けられた支持ピンを受け入れる支持孔13が形成されている。さらに、ケース11の縁部11bのうちケース11の側部に位置する部分には、クランプ機構40を設けるための開口部11dが形成されている。
【0020】
回転支持機構20は、ケース11の壁部11aを背面側から前面側へ貫くように設けられており、外部装置であるACF貼付装置(図示せず)の駆動軸(図2及び図4の符号55参照)に着脱自在に連結される回転軸21を有している。なお、回転軸21は、軸受け24,25を介してケース11の壁部11aに取り付けられており、ケース11の壁部11aに対して回転自在に支持されている。また、回転軸21は、外部装置であるACF貼付装置(図示せず)の駆動軸(図2及び図4の符号55参照)側に位置する背面部21aと、供給リール12側に位置する前面部21bとからなり、これらの背面部21a及び前面部21bがボルト23を介して互いに堅固に固定されている。
【0021】
ここで、回転軸21を回転させる駆動機構は図5に示す従来のものとほぼ同様の構成を備えているが、駆動軸の先端部にねじ部が設けられていない点、及び、取り付けナットが取り付けられない点で異なっている。具体的には、回転軸21を回転させる駆動機構は、図2及び図4に示すように、その先端部に直線状の突起部(駆動軸側嵌合部)55aが形成された駆動軸55を備えている。
【0022】
そして、このような駆動機構を前提として、回転軸21の背面部21aには、図1、図2及び図4に詳細に示されているように、駆動軸55の先端部に形成された直線状の突起部55aに嵌り合う直線状の溝部(回転軸側嵌合部)22が形成されている。ここで、直線状の溝部22は、駆動軸55と回転軸21とが軸方向に直交する方向(例えば図2の矢印の方向参照)に相対的に移動している状態で駆動軸55の直線状の突起部55aを受け入れることができるよう、その両端が開放している。
【0023】
また、回転軸21の前面部21bには、供給リール12を着脱自在に装着するための装着機構26が設けられている。装着機構26は、ボルト27と、ボルト27の両側に配置された一対の爪28と、これらの爪28を外側に付勢するばね29とを有しており、ばね29の作用により付勢された爪28が供給リール12の中心孔12bに嵌り合うことにより、供給リール12がケース11に装着されるようになっている。
【0024】
回り止め機構30は、ケース11の壁部11aの背面側に配置されており、回転支持機構20の回転軸21の側面に形成された孔21cに嵌り合う回り止めピン31と、回り止めピン31を支持する回り止めアーム32とを有している。このうち、回り止めアーム32は、支軸33を中心として揺動するようケース11の壁部11aの背面側に取り付けられている。また、回り止めアーム32には、ばね37の一端が取り付けられるばね係止部35が設けられている。ここで、ばね37の他端は、ケース11の壁部11aの背面側に設けられたばね係止部36に取り付けられており、ばね37の作用により、回り止めピン31が回転軸21の孔21cへ向けて付勢されるようになっている。そして、ばね37の作用により付勢された回り止めピン31が回転軸21の孔21cに嵌り合うと、供給リール12を支持する回転軸21の回転が停止する。ここで、このようにして回転が停止した回転軸21は所定の向き(すなわち、回転軸21の背面部21aに形成された直線状の溝部22が上下方向に延びるような向き)になっている。なお、回り止めアーム32、支軸33、ばね係止部35,36及びばね37により付勢機構が構成されている。
【0025】
クランプ機構40は、クランプ本体41と、クランプ本体41を支持するクランプアーム42とを有している。このうち、クランプアーム42は、支軸43を中心として揺動するようケース11の壁部11aの背面側に取り付けられている。また、クランプアーム42には、ばね46の一端が取り付けられるばね係止部44が設けられている。ここで、ばね46の他端は、ケース11の壁部11aの背面側に設けられたばね係止部45に取り付けられており、ばね46の作用により、クランプ本体41がクランプ用当接部47へ向けて付勢されるようになっている。なお、クランプ用当接部47は、ケース11の壁部11aの前面側に取り付けられている。また、ケース11の壁部11aの前面側には、支軸49を中心として回転する繰り出し用ローラ48が設けられており、供給リール12から繰り出されたACFテープ51を繰り出し用ローラ48及びクランプ用当接部47を介してケース11の外部まで導くことができるようになっている。なお、このようにして導かれたACFテープ51の端部は、ばね46の作用により付勢されたクランプ本体41とクランプ用当接部47との間で挟持されるようになっている。
【0026】
なお、回り止め機構30の回り止めアーム32及びクランプ機構40のクランプアーム42にはそれぞれ、回り止めアーム32及びクランプアーム42を外部機構としてのカセット解放機構(図示せず)により駆動するための駆動用突起部39,50が設けられている。
【0027】
次に、このような構成からなる接着膜テープ収納用カセット10の使用方法について説明する。
【0028】
まず、最初の状態として、接着膜テープ収納用カセット10には、供給リール12が装着されていないものとする。
【0029】
この状態で、接着膜テープ収納用カセット10に装着されるべき供給リール12として、収納部12aにACFテープ51が巻き回されて収納された供給リール12を準備し、ケース11の壁部11aの前面側に位置付ける。
【0030】
次に、回転支持機構20の回転軸21の前面部21bと供給リール12の中心孔12bとを位置決めし、供給リール12の中心孔12bを回転軸21の前面部21bに設けられた装着機構26へ向けて押し込む。すると、供給リール12の中心孔12bが装着機構26を通過する過程で、ばね29の作用に抗して爪28が一旦内側に引き寄せられた後、供給リール12の中心孔12bが装着機構26を通過した時点で、爪28が外側に付勢される。これにより、ばね29の作用により付勢された爪28が供給リール12の中心孔12bに嵌り合い、供給リール12がケース11に装着される。
【0031】
その後、供給リール12からACFテープ51の端部を繰り出し、クランプ機構40により固定する。具体的には、供給リール12から繰り出されたACFテープ51を繰り出し用ローラ48及びクランプ用当接部47の順に導き、クランプ用当接部47からACFテープ51が一定の長さだけ外部に飛び出した状態で、当該ACFテープ51の端部を、ばね46の作用により付勢されたクランプ本体41とクランプ用当接部47との間で挟持する。
【0032】
また、供給リール12から繰り出されたACFテープ51の端部を固定した後、回り止め機構30により、回転支持機構20により支持された供給リール12の回転を停止させる。具体的には、回転支持機構20の回り止めピン31を、回転支持機構20の回転軸21の側面に形成された孔21cに位置付け、ばね37の作用により、回り止めアーム32を介して付勢された回り止めピン31が回転軸21の孔21cに嵌り合うようにする。これにより、供給リール12を支持する回転軸21の回転が停止する。なお、このようにして回転が停止した回転軸21は所定の向き(すなわち、回転軸21の背面部21aに形成された直線状の溝部22が上下方向に延びるような向き)になっている。
【0033】
その後、このような状態の接着膜テープ収納用カセット10を上方から下方に向かって移動させ、外部装置であるACF貼付装置(図示せず)に設けられた位置決めピン(図示せず)が、ケース11の下部に形成された位置決め孔38に嵌り合うようにして、ケース11をACF貼付装置(図示せず)に立設状態で位置決めする。
【0034】
なおこのとき、ACF貼付装置(図示せず)の駆動軸55の先端部に形成された直線状の突起部55aは、上方から下方に向かって移動する接着膜テープ収納用カセット10の回転支持機構20の回転軸21の背面部21aに形成された溝部22を横切るような位置に配置されており、接着膜テープ収納用カセット10をACF貼付装置(図示せず)に位置決めする過程で、ACF貼付装置(図示せず)の駆動軸55と回転支持機構20の回転軸21との間の連結も行われる。
【0035】
このようにしてACF貼付装置(図示せず)の駆動軸55と接着膜テープ収納用カセット10の回転支持機構20の回転軸21とが連結されると、ACF貼付装置(図示せず)が稼働され、駆動軸55が回転する。ここで、駆動軸55の回転は駆動軸55の突起部55aに嵌り合う溝部22を介して回転支持機構20の回転軸21に伝えられ、軸受け24,25により支持された回転軸21が回転する。これにより、回転軸21の前面部21bに装着された供給リール12が回転され、供給リール12の収納部12aに巻き回されて収納されたACFテープ51が巻き出される。
【0036】
なお、以上のようにして供給リール12からACFテープ51が巻き出される際には、外部機構としてのカセット解放機構(図示せず)により、回り止め機構30の回り止めアーム32に設けられた駆動用突起部39、及び、クランプ機構40のクランプアーム42に設けられた駆動用突起部50が駆動される。これにより、回り止め機構30においては、ばね37の作用に抗して回り止めアーム32が外側に移動することにより回り止めピン31が回転軸21の孔21cから取り外され、これによって、供給リール12を支持する回転軸21が自由に回転することができるようになる。また、クランプ機構40においても、ばね46の作用に抗してクランプアーム42が外側に移動することによりクランプ本体41がクランプ用当接部47から引き離され、これによって、クランプ本体41とクランプ用当接部47との間をACFテープ51が自由に通過することができるようになる。
【0037】
このように本実施の形態によれば、ACFテープ51が巻き回された供給リール12をケース11内に収容するとともに、ケース11内にて供給リール12を回転自在に支持する回転支持機構20の回転軸21が、外部装置であるACF貼付装置(図示せず)の駆動軸55に着脱自在に連結されるように構成しているので、供給リール12の取り扱いを容易にするとともに、外部装置であるACF貼付装置(図示せず)における供給リール12の自動交換を容易に実現することができる。
【0038】
また、本実施の形態によれば、外部装置であるACF貼付装置(図示せず)の駆動軸55に着脱自在に連結される回転支持機構20の回転軸21の背面部21aに、駆動軸55の先端部に形成された直線状の突起部55aに嵌り合う直線状の溝部22を形成し、かつ、直線状の溝部22の両端を開放させるようにしているので、駆動軸55と回転軸21とが軸方向に直交する方向(例えば図2の矢印の方向参照)に相対的に移動している状態で駆動軸55の直線状の突起部55aに嵌り合うことが可能となり、駆動軸55と回転軸21との連結を容易に行うことができる。また、回り止め機構30により、回転軸21の背面部21aに形成された直線状の溝部22の向きが駆動軸55に形成された直線状の突起部55aの向きに合うような状態で供給リール12の回転を停止させることができるので、駆動軸55と回転軸21との連結をより容易に行うことができる。
【0039】
なお、上述した実施の形態においては、回り止め機構30により回転を停止させた回転軸21の直線状の溝部22の向きを上下方向に延びるような向きとしているが、このような停止状態での回転軸21の直線状の溝部22の向きは、駆動軸55と回転軸21とを連結する際の駆動軸55の直線状の突起部55aの向きに合わせて決められるものであり、適宜任意の向き(例えば、左右方向に延びるような向き)とすることができる。
【0040】
また、上述した実施の形態においては、外部装置であるACF貼付装置(図示せず)の駆動軸55と接着膜テープ収納カセット10の回転支持機構20の回転軸21とが互いに嵌り合うようにするため、駆動軸55の先端部に直線状の突起部55aを形成し、回転軸21の背面部21aに直線状の溝部22を形成するようにしているが、これに限らず、駆動軸55の先端部に直線状の溝部を形成し、回転軸21の背面部21aに直線状の突起部を形成するようにしてもよい。
【0041】
さらに、上述した実施の形態においては、外部装置であるACF貼付装置(図示せず)に接着膜テープ収納用カセット10を位置決めするため、接着膜テープ収納カセット10のケース11に位置決め孔38を形成し、ACF貼付装置(図示せず)に位置決めピン(図示せず)を形成するようにしているが、これに限らず、ケース11に位置決めピンを形成し、ACF貼付装置(図示せず)に位置決め孔を形成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明による接着膜テープ収納用カセットの一実施の形態を示す平面図。
【図2】図1に示す接着膜テープ収納用カセットのII−II線に沿った断面図。
【図3】図1に示す接着膜テープ収納用カセットのIII方向から見た側面図。
【図4】図1に示す接着膜テープ収納用カセットのIV−IV線に沿った断面図。
【図5】接着膜貼付装置で用いられる供給リールの従来の取り付け方法を説明するための概略断面図。
【符号の説明】
【0043】
10 接着膜テープ収納用カセット
11 ケース
11a 壁部
11b 縁部
11c 隆起部
11d 開口部
12 供給リール
12a 収納部
12b 中心孔
13 支持孔
20 回転支持機構
21 回転軸
21a 背面部
21b 前面部
21c 孔
22 溝部(回転軸側嵌合部)
23 ボルト
24,25 軸受け
26 装着機構
27 ボルト
28 爪
29 ばね
30 回り止め機構
31 回り止めピン
32 回り止めアーム
33 支軸
35,36 ばね係止部
37 ばね
38 位置決め孔(位置決め部)
39 駆動用突起部
40 クランプ機構
41 クランプ本体
42 クランプアーム
43 支軸
44,45 ばね係止部
46 ばね
47 クランプ用当接部
48 繰り出し用ローラ
49 支軸
50 駆動用突起部
51 ACFテープ(異方性導電膜テープ)
55 駆動軸
55a 直線状の突起部(駆動軸側嵌合部)
61 駆動モータ
62 シャフト
63 駆動軸
65,66 支持体
67 軸受け
68 ねじ部
69 取り付けナット
69a ねじ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着膜テープが巻き回された供給リールを収容するケースと、
前記ケース内にて前記供給リールを回転自在に支持する回転支持機構と、
前記回転支持機構により支持された前記供給リールの回転を停止させる回り止め機構とを備え、
前記回転支持機構は、外部装置の駆動軸に着脱自在に連結される回転軸を有し、この回転軸には、前記駆動軸の先端部に形成された駆動軸側嵌合部に嵌り合う回転軸側嵌合部が形成され、この回転軸側嵌合部は、前記駆動軸と前記回転軸とが軸方向に直交する方向に相対的に移動している状態で前記駆動軸側嵌合部に嵌り合うように構成されており、
前記回り止め機構は、前記回転支持機構により支持された前記供給リールの回転を停止させたときに、前記回転軸側嵌合部の向きが前記駆動軸側嵌合部の向きに合うように構成されていることを特徴とする接着膜テープ収納用カセット。
【請求項2】
前記駆動軸側嵌合部は直線状の突起部からなり、前記回転軸側嵌合部は直線状の溝部からなり、前記回転軸側嵌合部としての前記直線状の溝部は、前記駆動軸と前記回転軸とが軸方向に直交する方向に相対的に移動している状態で前記駆動軸側嵌合部としての前記直線状の突起部を受け入れるよう、その両端が開放していることを特徴とする、請求項1に記載の接着膜テープ収納用カセット。
【請求項3】
前記回転支持機構は、前記回転軸に前記供給リールを着脱自在に装着するための装着機構をさらに有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の接着膜テープ収納用カセット。
【請求項4】
前記回り止め機構は、前記回転支持機構の前記回転軸の側面に形成された孔に嵌り合う回り止めピンと、この回り止めピンを前記回転軸の前記孔へ向けて付勢する付勢機構とを有することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の接着膜テープ収納用カセット。
【請求項5】
前記ケースは、当該ケースを前記外部装置に位置決めするための位置決め部を有することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の接着膜テープ収納用カセット。
【請求項6】
前記ケースは、前記位置決め部によって前記外部装置に立設状態で位置決めされることを特徴とする、請求項5に記載の接着膜テープ収納用カセット。
【請求項7】
前記回転支持機構により支持された前記供給リールから繰り出された接着膜テープの端部を固定するクランプ機構をさらに備えたことを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の接着膜テープ収納用カセット。
【請求項8】
前記接着膜テープは、異方性導電膜テープであることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の接着膜テープ収納用カセット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−96543(P2006−96543A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−287143(P2004−287143)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000002428)芝浦メカトロニクス株式会社 (907)
【Fターム(参考)】