説明

揺動選別装置

【課題】 揺動選別盤で選別しようとする穀粒の種類は、同じ米粒であっても、ジャポニカ米とインデカ米とでは、形状、大きさ等が著しく異なる。又、これらの穀粒の揺動選別を行う揺動選別盤も、この選別盤面に形成される揺上凸部や、揺上凹部の広さや、深さ等の大きさ形状が選別対象物である穀粒の大きさや、形態等に適応したものであることを要す。
【解決手段】 板金材をエンボス加工等の型押し成形して表面1には多数の小さな揺上凸部2を形成すると共に、裏面3には多数の小さな揺上凹部4を形成して、これら表面1を上側にし、又は裏面3を上側にするように裏返して、これらいずれかの表面2又は裏面3を選択設定して穀粒を供給して揺動選別可能の選別面とすることのできる両面選別盤5を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
穀粒を揺動選別対象として使用する揺動選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
選別盤面に凸部を形成した揺動選別盤や、又、凹部を形成した揺動選別盤の技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4126839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
揺動選別盤で選別しようとする穀粒の種類は、同じ米粒であっても、ジャポニカ米とインデカ米とでは、形状、大きさ等が著しく異なる。又、同じく米粒であっても品種等によっても大きさが異なることがある。又、これらの穀粒の揺動選別を行う揺動選別盤も、この選別盤面に形成される凸部や、凹部の広さや、深さ等の大きさ形状が選別対象物である穀粒の大きさや、形態等に適応したものであることを要し、同じ形状の凹部、又は凸部を形成した選別盤を用いて、前記異なる種類の穀粒を的確に揺同選別することは難しい。
【0005】
この発明は、同じ選別盤を用いて前記のような著しく異なる種類の穀粒を選別しうる形態として、揺動選別盤の汎用性を図り、生産コストを低減して、経済化を図るものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、板金材をエンボス加工等の型押し成形して表面(1)には多数の小さな凸部(2)を形成すると共に、裏面(3)には多数の小さな凹部(4)を形成して、これら表面(1)を上側にし、又は裏面(3)を上側にするように裏返して、これらいずれかの表面(2)又は裏面(3)を選択設定して穀粒を供給して揺動選別可能選別面とすることのできる両面選別盤(5)を形成し、この選別盤(5)を表面(1)と裏面(3)とに振替えて揺動選別機枠(6)に多段に組付け可能としたことを特徴とする揺動選別装置の構成とする。
【0007】
一定厚さの板金材をエンボス加工方法等によって型押成形して、選別盤5の表面1には多数の小さな凸部2が形成されると共に、この同位置の裏面3には前記凸部2と対向する部分が凹曲されて凹部4として形成される。このため、前記選別盤5は、凸部2の形成された表面1を上側に向けて選別機枠6に多段に組付けて揺動選別装置を構成すると、インデカ米等の長粒種が凸部2の適応した玄米揺動選別に適応させることができる。又、ジャポニカ米等の短粒種の穀粒を揺動選別するときは、前記同一選別盤5を一旦選別機枠6から取外して裏面3の凹部4を上側に向けて選別機枠6に着替えて、この凹部4の上側面側に穀粒を供給して揺動選別する。
【0008】
このように同一形態の選別盤5であっても、この表面1と裏面3との両面に形押成型による凹凸面の形態に形成されるものであるから、この裏面3の凹部4に一粒、乃至数粒の穀粒が嵌合して揺動選別可能の形態であれば、表面1の揺動凸部2における穀粒の揺動選別の適応規制は少ないものであるから、表面1、及び裏面3の両面共に異なる種類の穀粒の選別に使用することができ、従って、これに応じて選別盤5の表面1、裏面3に振替えて選別機枠6に取付けることによって選別適応性を拡大することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、選別盤(5)の表面(1)側の凸部(2)と裏面(3)側の凹部(4)は、同位相位置において、表面(1)側に突出して裏面(3)側に窪むように凹凸成形して、かつ、これら凹部(2)及び揺上部(4)の揺上方向の同一端側に穀粒を係止する係止縁(7)(8)を形成し、これと反対側に表面(1)、又は裏面(3)に亘って傾斜の傾斜面(9)(10)を形成したことを特徴とする請求項1に記載の揺動選別装置とする。
【0010】
前記のように選別盤5は、表面1側の凸部2と裏面3側の凹部4が、同位相位置において形成されて、しかも、これら凸部2の係止縁7と凹部4の係止縁8が表、裏両面に相対向して形成され、かつ、凸部2や凹部4の係止縁7、8と反対側に形成される傾斜面9、10相互が表、裏両面1、3に相対向して形成されるものであるから、エンボス加工方法等による型押成形によって、簡単、容易、正確に形成される。又、この選別盤5を表面1と裏面3とに振替えて選別機枠6に装着する場合は、前記揺動凸部2の係止縁7、及び傾斜面9と、揺動凹部4の係止縁8、及び傾斜面10との関係位置が反対方向に形成されているから、揺動凹部2を上向きにして装着するときは、この選別盤5を選別機枠6に対して180度旋回させた状態で装着することによって、凹部4の係止縁8をこの選別盤5の揺上方向に向けて設置できる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、選別盤(5)を多段形態にして装着する揺動選別機枠(6)を、前側を開放部(11)として、左右両側面部(12)(13)と後側(14)により平面視コ字状の箱型形態として構成し、この左右両側面(12)(13)間に亘って各段毎の選別盤(5)の下面を支持するための連結桟(15)の両端部を連結配置し、前側の開放部(11)側から各連結桟(15)上に選別盤(5)を差込んで載置し、各選別盤(5)の連結桟(15)に対する支持部を連結具(20)で固定することを特徴とする請求項1、又は2に記載の揺動選別装置とする。
【0012】
前記選別盤5を多段形態に装着するための選別機枠6は、平面視で略コ字状の箱型形態とし、前側面に開放部11を形成して、この左右両側面部12、13と後側面部14を板材で形成している。左右両側面部12、13間に亘って適宜選別盤5の配置高さ間隔毎に連結桟15を連結して、この各段の連結桟15上面毎に、前記選別盤5を前側開放部11から差込んで支持させることができる。各連結桟15の上面に差込んだ選別盤5の左右両側縁部16、17と、後側縁部18を選別機枠6の各対向する左右両側面部12、13、及び後側面部14に接当させて、各選別盤5の下面は前記連結桟15で支持される。この支持部をもボルト、ナット等からなる連結具20で固定して、一段毎取付け構成して行く。このようにして各段に装着された選別盤5は、選別盤5の底面部が連結桟15上面に支持して取付けられために、前記揺動選別機枠6と一体的揺動の多段揺動選別盤として、選別盤5毎に局部的な振動歪み等を生じ難く正確で安定した揺動選別作用を維持する。又、各段の選別盤5の開放部11から出し入れ、乃至着脱、及び選別機枠6外周部からの連結具19、20による連結固定操作等を的確に簡単に行うことができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、前記選別盤5は、左右両側縁部16、17の前、後端部を上面側、又は下面側へ直角状に適宜高さに形成されるサイドフランジ21、22として、前記選別盤5を開放部11から奥側へ差し込むと共に、これらサイドフランジ21、22の前、後端部を揺動選別機枠6角支柱57部のフランジ穴23、24に差込んで嵌合保持させる。
【0014】
各選別盤5の左右両側縁部16、17の端部に形成のサイドフランジ21、22をこれら対向する選別機枠6のフランジ穴23、24に差込んで取付嵌合保持させる。又、選別盤5を取外すときは、逆にこのサイドフランジ21、22部をフランジ穴23、24から外すものである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明は、同一選別盤5を表面1の凸部2を上側面にして選別機枠6に取付けることによってインデカ米の揺動選別作用を行い、又、裏面3の凹部4を上側面に振替えて選別機枠6に取付けてジャポニカ米の揺動選別作用を行うように、同一選別盤5を表面1と裏面3とに単に振替えて使用するため、異種形態に応じた穀粒の選別を好適に行うことができ、構成が簡単であり、揺動選別装置として主要構成部分である選別盤5の共用化により経済的に構成することができ、操作も容易である。
【0016】
請求項2に記載の発明は、選別盤5の表面1の凸部2部と、裏面3の凹部4を、同位相位置の表裏両面において、正逆に凸曲凹曲させるように型押加工方法等によって形成するものであり、しかも、各揺上係止部としての係止縁7、8や、揺同による穀粒の摺動案内を行わせる傾斜面9、10等が同位相位置において表面1と、裏面3との対向位置に形成されるものであるから、これらの成形を薄く広い板金材で簡単、容易に、しかも正確に形成することができ、選別機枠6に表面1と裏面3とを振替えて、しかもこの選別盤5の向きを正、逆方向向けるように選択して装着することによって簡単に着替えて使用することができ、選別盤5の選別両域を広くして使用でき、共用化することができる。
【0017】
請求項3に記載の発明は、前記選別盤5を多段に装着し、しかも表面1と裏面3を振替えて装着することのある選別機枠6が、前側を開放部11とした平面視コ字状の箱型値形態とするものであるから、各選別盤5の開放部11からの出し入れが行い易く、又、各選別盤5の下面を支持する連結桟15に対する支持部を連結具20で直接固定するため、選別盤5が揺動によって局部的に振動を起したり歪みを生ずるようなことは少く、安定した揺動選別作用を行わせることができる。又、各段の選別盤5毎の連結具20による連結固定操作を、盤面の上側から行って、着脱操作を行い易くするものである。
【0018】
請求項4に記載の発明は、選別盤5は、左右両側縁部16、17を選別木枠6の側面部12、13の内側に沿わせるようにして、開放部11から奥側へ差し込んで、この端部のサイドフランジ23、24部を選別機枠6奥端部の支柱57部のフランジ穴23、24に差込んで取付保持させるものであるから、選別盤5の剛性を高めると共に、簡潔的な構成として、選別機枠6に対する取付固定状態、及び揺動選別作用を安定させることができる。又、選別盤の着脱操作を簡単容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】籾摺選別機の正面図。
【図2】選別盤の平面図。
【図3】選別盤の底面部。
【図4】選別盤のA−A線断面図。
【図5】選別盤のB−B線断面図。
【図6】選別盤のB−B線断面図。
【図7】選別盤の揺動選別作用を示す斜視図と、その一部の拡大側面図。
【図8】選別機枠部の斜視図。
【図9】選別盤の取付け形態を示す斜視図と、その一部の側面図。
【図10】選別盤の実施例を示す表面部と、裏面部の斜視図。
【図11】選別盤の実施例を示す表面部と、裏面部の斜視図。
【図12】選別盤の取付け状態を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図面に基づいて、籾摺選別機の選別装置として多段選別盤5からなる揺動選別装置25を構成する形態で、籾摺ロール26からなる籾摺装置27の左右方向一側に配置し、この籾摺装置27で摺出された摺出米を選別風路28で風選させて、摺出米を受けるオーガ29から昇降機30を経て、揺動選別装置25上の供給ホッパ31へ搬送し、この供給ホッパ31から供給される摺出米を供給シュート32の供給口33から各段の選別盤5上へ供給して、揺動選別を行うものである。この籾摺装置27は、上部に籾米を籾摺ロール26間に供給する籾ホッパ34を設け、前記選別風路28は側方の吸引排塵機35の駆動によって起風され選別風を、前記揺動選別装置25底部の籾選別口36や、混合米選別口37等から吸引して、前記選別風路28を通して、排塵筒38から機外へ排風する形態である。
【0021】
又、前記揺動選別装置25の側方には玄米昇降機39を設け、玄米選別口40から排出される玄米を玄米口41へ取出すことができる。この玄米昇降機39の上部には風選棚42が形成されて、前記吸引排塵機35に吸引される一連の吸引筒43、44を、この吸引口45に連結させて、玄米を風選する形態としている。前記選別風路28には二番物を受けて取出すオーガ47を設けている。前記揺動選別装置25の混合米選別口37に取出された混合米は、オーガ29で受けられて昇降機30へ搬送され、籾選別口36に取出された籾米は、籾揚穀機46を経て籾ホッパ34へ還元される。
【0022】
ここにおいて、板金材をエンボス加工等の型押し成形して表面1には多数の小さな凸部2を形成すると共に、裏面3には多数の小さな凹部4を形成して、これら表面1を上側にし、又は裏面3を上側にするように裏返して、これらいずれかの表面2又は裏面3を選択設定して穀粒を供給して揺動選別可能の選別面とすることのできる両面選別盤5を形成し、この選別盤5を表面1と裏面3とに振替えて選別機枠6に多段に組付けて、これら裏面1、裏面3で異種類の穀粒を揺動選別する揺動選別装置の構成とする。
【0023】
一定厚さの板金材をエンボス加工方法等によって型押成形して、選別盤5の表面1には多数の小さな凸部2が形成されると共に、この同位置の裏面3には前記凸部2と対向する部分が凹曲されて凹部4として形成される。このため、前記選別盤5は、凸部2の形成された表面1を上側に向けて選別機枠6に多段に組付けて揺動選別装置を構成すると、ジャポニカ米等の揺動凸部2の適応した玄米揺動選別に適応させることができる。又、インデカ米等の穀粒を揺動選別するときは、前記同一選別盤5を一旦選別機枠6から取外して裏面3の凹部4を上側に向けて選別機枠6に着替えて、この凹部4の上側面側に穀粒を供給して揺動選別する。
【0024】
このように同一形態の選別盤5であっても、この表面1と裏面3との両面に形押成型による凹凸面が齟齬、乃至正逆の形態に形成されるものであるから、この裏面3の凹部4に一粒、乃至数粒の穀粒が嵌合して揺動選別可能の形態であれば、表面1の揺動凸部2における穀粒の揺動選別の適応規制は少ないものであるから、表面1、及び裏面3の両面共に異なる種類の穀粒の選別に使用することができ、従って、これに応じて選別盤5の表面1、裏面3に振替えて選別機枠6に取付けることによって選別適応性を拡大することができる。
【0025】
又、前記選別盤5の表面1側の凸部2と裏面3側の凹部4は、同位相位置において、表面1側に突出して裏面3側に窪むように齟齬させて凹凸成形して、かつ、これら凹部2及び揺上部4の揺上方向の同一端側に穀粒を係止する係止縁7、8を形成し、これと反対側に表面1、又は裏面3に亘って傾斜の傾斜面9、10を形成する。
【0026】
前記のように選別盤5は、表面1側の凸部2と裏面3側の凹部4が、同位相位置において形成されて、しかも、これら凸部2の係止縁7と凹部4の係止縁8が表、裏両面に相対向して形成され、かつ、凸部2や凹部4の係止縁7、8と反対側に形成される傾斜面9、10相互が表、裏両面1、3に相対向して形成されるものであるから、エンボス加工方法等による型押成形によって、簡単、容易、正確に形成される。
【0027】
又、この選別盤5を表面1と裏面3とに振替えて選別機枠6に装着する場合は、前記揺動凸部2の係止縁7、及び傾斜面9と、揺動凹部4の係止縁8、及び傾斜面10との関係位置が反対方向に形成されているから、揺動凹部2を上向きにして装着するときは、この選別盤5を選別機枠6に対して180度旋回させた状態で装着することによって、凹部4の係止縁8をこの選別盤5の揺上方向に向けて設置できる。
【0028】
又、前記選別盤5を多段形態にして装着する揺動選別機枠6を、前側面部を開放部11として、左右両側面部12、13と後側面部14により平面視コ字状の箱型形態として構成し、この左右両側面12、13間に亘って各段毎の選別盤5の下面を支持するための連結桟15の両端部を連結配置し、前記前側の開放部11側から各連結桟15上に選別盤5を差込んで載置し、各選別盤5の連結桟15に対する支持部を連結具20で固定する。
【0029】
前記選別盤5を多段形態に装着するための選別機枠6は、平面視で略コ字状の箱型形態とし、前側面に開放部11を形成して、この左右両側面部12、13と後側面部14を板材で形成している。左右両側面部12、13間に亘って適宜選別盤5の配置高さ間隔毎に連結桟15を連結して、この各段の連結桟15上面毎に、前記選別盤5を前側開放部11から差込んで支持させることができる。各連結桟15の上面に差込んだ選別盤5の左右両側縁部16、17と、後側縁部18を選別機枠6の各対向する左右両側面部12、13、及び後側面部14に接当させて、各選別盤5の下面は前記連結桟15で支持される。この支持部をもボルト、ナット等からなる連結具20で固定して、一段毎取付け構成して行く。このようにして各段に装着された選別盤5は、選別盤5の底面部が連結桟15上面に支持して取付けらるために、前記揺動選別機枠6と一体的揺動の多段揺動選別盤として、選別盤5毎に局部的な振動歪み等を生じ難く正確で安定した揺動選別作用を維持する。又、各段の選別盤5の開放部11から出し入れ、乃至着脱、及び選別機枠6外周部からの連結具19、20による連結固定操作等を的確に簡単に行うことができる。
【0030】
更には、前記選別盤5は、左右両側縁部16、17の左右両側部を上面側、又は下面側へ直角状に適宜高さに形成されるサイドフランジ21、22として、前記選別盤5を開放部11から奥側へ差し込むと共に、これらサイドフランジ21、22の前、後端部を揺動選別機枠6角支柱57部のフランジ穴23、24に差込んで嵌合保持させる。
【0031】
各選別盤5の左右両側縁部16、17の端部に形成のサイドフランジ21、22をこれら対向する選別機枠6のフランジ穴23、24に差込んで取付嵌合保持させる。又、選別盤5を取外すときは、逆にこのサイドフランジ21、22部をフランジ穴23、24から外すものである。
【0032】
前記揺動選別装置25の各選別盤5は、籾摺機体48に対して三次元的に傾斜させて、前後上下方向Yに往復揺動される。各選別盤5の前縁部50を、選別機枠6の開放部11に位置させて、後側縁部18を高くした傾斜面に設定し、しかも、この前縁部50は、籾選別口36側を低くし、玄米選別口40側を高く設定している。選別盤5の凸部2、又は凹部4の係止縁7、8を、前記揺動方向Yの上側に向けて装着している。従って、図7のように、選別盤5上面に供給された摺出米は、この選別盤5の揺動Yによって、表面1選別の場合は、凸部2の係止縁7によって揺上げられ、裏面3選別の場合は凹部4の係止縁8によって揺上げられて、比重の大きい玄米が傾斜面の上手側へ移動(イ)され、比重の軽い籾米がこの玄米層上面の傾斜面に沿って流下(ロ)されて、選別盤5傾斜の低い側の籾米Mと、高い側の玄米Gとに選別される。又、これらの間の中間部に両者の混入した混合米MGが選別される。前記開放部11には、各選別盤5の前縁部50の選別域を仕切る仕切板51、52を移動調節可能に設けている。
【0033】
前記選別盤5は、適宜厚さの板金材を、エンボス加工法等によって成型するもので、表面1側に凸部2を一定の間隔に形成している。平面U次状の台形形態に突出形成される凸部2は、選別盤5の左右横方向に並列して形成され、この凸部の頂端に起立つ係止縁7を横方向に向けて形成し、各前後に並列の凸部2は千鳥状に配置形成される。この凸部2の係止縁7とは反対側には緩傾斜の傾斜面9が形成される。このような表面1側の凸部2とは反対側の、裏面3側の凹部4は、短粒種のジャポニカ米を嵌合させて揺動選別する好敵の窪み容積に形成し、前記表面1側の係止縁7に対向してこの凹部4の係止縁8を形成する。又この係止縁8とは反対側には、この底面から裏面3に亘って緩傾斜の傾斜面10が前記表面1側の傾斜面9と平行形態として形成される。
【0034】
前記選別盤5が図8のように平板形態である場合は、前記選別機枠6の左右側面部12、13間に亘って設けた各段の連結桟15の上面に選別盤5を載せて、この選別盤5のピン穴53と、連結桟15のピン穴54とにわたって連結具20を通して締付連結する。又、この選別盤5を裏返して取付ける場合も同様である。 又、このとき、連結具20のボルト頭部55が、選別盤5の表面1上面に適宜高さに突出する(図9)ことがあるが、これを選別穀粒層の層厚を計測するためのゲージとすることができる。
【0035】
前記選別盤5を、左右両側端に沿って側縁部16、17を形成する形態(図10)や、この一側の側縁部16を表面1に向けて形成し、他方の側縁部17を裏面3に向けて形成する形態(図11)等がある。このような側縁部16、17を形成する形態では、一部を切欠いで穀粒を供給するための供給口33に合わせることができる。
【0036】
このような側縁部16、17を形成した選別盤5を選別機枠6に取付けるとき、選別機枠6の奥側の角支柱57(角チューブ材から構成)に、縦長いフランシ穴23を形成しておき、このフランジ穴23に前記側縁部16、17の先端部のサイドフランジ21、22を嵌合させて、選別盤5を組み付ける。又、このフランジ23の内側中央部には選別盤5の嵌合する横穴56が形成されている。
【符号の説明】
【0037】
1 表面
2 凸部
3 裏面
4 凹部
5 選別盤
6 選別機枠
7 係止縁
8 係止縁
9 傾斜面
10 傾斜面
11 開放部
12 側面部
13 側面部
14 後側面部
15 連結桟
16 側縁部
17 側縁部
18 後側縁部
19 連結具
20 連結具
21 サイドフランジ
22 サイドフランジ
23 フランジ穴
24 フランジ穴
28 揺動選別装置
57 角支柱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板金材をエンボス加工等の型押し成形して表面(1)には多数の小さな凸部(2)を形成すると共に、裏面(3)には多数の小さな凹部(4)を形成して、これら表面(1)を上側にし、又は裏面(3)を上側にするように裏返して、これらいずれかの表面(2)又は裏面(3)を選択設定して穀粒を供給して揺動選別可能選別面とすることのできる両面選別盤(5)を形成し、この選別盤(5)を表面(1)と裏面(3)とに振替えて揺動選別機枠(6)に多段に組付け可能としたことを特徴とする揺動選別装置。
【請求項2】
選別盤(5)の表面(1)側の凸部(2)と裏面(3)側の凹部(4)は、同位相位置において、表面(1)側に突出して裏面(3)側に窪むように凹凸成形して、かつ、これら凹部(2)及び揺上部(4)の揺上方向の同一端側に穀粒を係止する係止縁(7)(8)を形成し、これと反対側に表面(1)、又は裏面(3)に亘って傾斜の傾斜面(9)(10)を形成したことを特徴とする請求項1に記載の揺動選別装置。
【請求項3】
選別盤(5)を多段形態にして装着する揺動選別機枠(6)を、前側を開放部(11)として、左右両側面部(12)(13)と後側(14)により平面視コ字状の箱型形態として構成し、この左右両側面(12)(13)間に亘って各段毎の選別盤(5)の下面を支持するための連結桟(15)の両端部を連結配置し、前側の開放部(11)側から各連結桟(15)上に選別盤(5)を差込んで載置し、各選別盤(5)の連結桟(15)に対する支持部を連結具(20)で固定することを特徴とする請求項1、又は2に記載の揺動選別装置。
【請求項4】
選別盤(5)は、左右両側縁部(16)(17)の前後端部を上面側、又は下面側へ直角状に適宜高さに形成されるサイドフランジ(21)(22)として、これらサイドフランジ(21)(22)の前後端部を揺動選別機枠(6)のフランジ穴(23)(24)に差込んで嵌合保持させることを特徴とする請求項1、2、又は3に記載の揺動選別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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