説明

携帯用ペット飲食容器

【課題】 携帯に便利で、簡単に組立られる携帯用ペット飲食容器を提供する。【解決手段】 携帯時には、ビニール製シート103をペットボトル101の胴部周囲に巻き付けて、ボタン109Bとボタン107A、ボタン111Aとボタン105Bとを接合する。ペットに水をあげる場合には、ボタン109Bとボタン107A、ボタン111Aとボタン105Bとを分離し、このビニール製シート103をペットボトル101の胴部周囲から外す。その後、対となるボタン105Aと105B、ボタン107Aと107B、ボタン109Aと109B、ボタン111Aと111Bをそれぞれ接合して四隅を立設させることで、皿120を作る。ペットボトル101の内部に収容された水をこの皿120に出すことで、ペットに水をあげることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯用ペット飲食容器に係わり、特に携帯に便利で、簡単に組立られる携帯用ペット飲食容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、犬等のペットのための携帯用水分与飲み器として図7に示すものが知られている(特許文献1参照)。
この携帯用水分与飲み器10は、ペットボトル形状の水容器12の先端部に弁組立体16が配設されており、この弁組立体16はピン34により軸支されている。そして、携帯時にはこのピン34を中心に水容器12が回動されて飲み皿14内に収納されるようになっている。一方、ペットに対して水を与えるときには水容器12を飲み皿14から取り出して倒立させる。
【0003】
弁組立体16の先端には作動アーム32が形成されており、この作動アーム32が飲み皿14内部から突設された停止部材50に当接されると弁組立体16が柔軟な材料からできているため歪む。このことにより、出口スリット36が開かれ、水容器12に収納された水が出てくるようになる。
【特許文献1】特表2002−510470号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この携帯用水分与飲み器10では、人が水容器12を保持していないと倒れてしまい、せっかく供給された水が飲み皿14よりこぼれてしまう。また、水容器12に入れられた水はペット専用のものであり、人が飲むことはできない。
【0005】
本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたもので、携帯に便利で、簡単に組立られる携帯用ペット飲食容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため本発明は、ペットボトル等の容器の胴回りに巻回されるシートと、該シートを前記ペットボトル等の容器に巻回した後に該巻回状態を保持するため該シートに配設された該シート同士を固着若しくは解除自在とする着脱手段とを備えた携帯用ペット飲食容器であって、前記シートを前記ペットボトル等の容器から取り外し後、着脱手段の固着によりペットの飲食容器が作製されることを特徴とする。
【0007】
シートは柔軟性を有し、ペットボトル等の容器の胴回りに巻回自在である。このシートには着脱手段が配設されており、ペットボトル等の容器の胴回りに巻回後にシート同士を固着することで止められるようになっている。
【0008】
ペットに対して飲食を提供しようとする際には、このシートをペットボトル等の容器から取り外し後、着脱手段の固着によりペットの飲食容器を作製する。
【0009】
このことにより、ペットボトル等の容器を持ち運ぶような気持ちで同時にペットの飲食容器を持ち運ぶことができる。ペットの飲食容器の専用のスペースも不要であり、旅行等の際には便利である。
【0010】
ペットの飲食容器はシート状態から簡単に作製できるので、外出時にペットに簡単に水をあげることができる。作製されたペットの飲食容器は、人が保持することなく地面等に載置することができる。また、ペットボトル等に入った飲料水は人が直接飲むこともできる。シートには、人が把持し易いように把持部を備えるようにしてもよい。着脱手段はシート同士を固着若しくは解除自在とする機能とペットの飲食容器を作製する機能の両方の機能を兼用するようにされてもよいが、それぞれ独立した機能を有するようにされてもよい。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本発明によれば、ペットボトル等の容器の胴回りにシートを巻回して持ち運び可能とし、このシートからペットの飲食容器を作製自在としたので、外出時にペットに簡単に水をあげることができる。ペットの飲食容器の専用のスペースも不要であり、旅行等の際には便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の実施形態の全体側面図を図1に、正面図を図2に、斜視図を図3に示す。但し、図1と図3とはペットボトルが左右異なった向きに置かれたときの様子を示している。図1において、携帯用ペット飲食容器100は、市販の飲料水の入ったペットボトル101と、この胴部周囲に巻かれてボタン止めされたビニール製シート103とから構成されている。
【0013】
また、図4にこのビニール製シート103が展開されたときの底面図を、図5に側面図を示す。ビニール製シート103は長方形状であり、その長辺103aはペットボトル101を一巻きしたときに所定の余裕がでる長さに調整されている。一方、短辺は103bは、ペットボトル101の胴部の高さと同程度の長さに調整されている。
【0014】
ビニール製シート103の四隅には、それぞれ対となるボタン105Aと105B、ボタン107Aと107B、ボタン109Aと109B、ボタン111Aと111Bとが配設されている。ここに付記された「A」符号はボタン底部に凹部を有するボタンであり、「B」符号はボタン底部に凸部を有するボタンである。
【0015】
次に、本発明の実施形態の作用を説明する。
携帯時には、ビニール製シート103をペットボトル101の胴部周囲に巻き付けて、ボタン109Bとボタン107A、ボタン111Aとボタン105Bとを接合する。ビニール製シート103の長辺103aはペットボトル101を一巻きしたときに所定の余裕がでる長さに調整されており、この余裕は、ボタン止めを可能とするための所要寸法である。このため、ビニール製シート103は、ペットボトル101に対し一巻きされた状態でペットボトル101の胴部周囲にほぼ密着して巻き付けられ、持ち運びされた場合でも脱落しない。
【0016】
そして、ペットに水をあげる場合には、ボタン109Bとボタン107A、ボタン111Aとボタン105Bとを分離し、このビニール製シート103をペットボトル101の胴部周囲から外す。その後、対となるボタン105Aと105B、ボタン107Aと107B、ボタン109Aと109B、ボタン111Aと111Bをそれぞれ接合して四隅を立設させることで、図6に示すような皿120を作る。
【0017】
ペットボトル101の内部に収容された水をこの皿120に出すことで、ペットに水をあげることができる。使用後には、再び、この皿120のボタン105Aと105B、ボタン107Aと107B、ボタン109Aと109B、ボタン111Aと111Bをそれぞれ分離し、ビニール製シート103を展開された状態に戻す。そして、このビニール製シート103をペットボトル101の胴部周囲に巻き付ける。
【0018】
以上により、外出時にペットに簡単に水をあげることができる。この際には、ビニール製シート103から作製した皿120を、人が保持することなく地面等に載置することができる。また、このペットボトル101に入った飲料水は人が直接飲むこともできる。更に、ペットボトル101には水だけでなく、えさを入れても、おやつを入れてもよい。
【0019】
なお、ビニール製シート103の四隅に携帯用ストラップを着脱可能な係止部材を配設するようにしてもよい。この際には、この携帯用ストラップをビニール製シート103に固着することで、肩からペットボトル101をつり下げることができる。
【0020】
更に、本実施形態では、ビニール製シート103を止めるのにボタンを用いたが、マジックテープ(R)や永久磁石、クリップ等であってもよい。ビニール製シート103は、水を通さない布製、皮製等であってもよい。また、材質に保温材を使用するようにしてもよい。この場合には、ビニール製シート103をペットボトル101の胴部周囲に巻き付けることで、ペットボトル101の保温が可能となる。ビニール製シート103の形状は、必ずしも四角形状でなくてもよく、多角形等でもよい。
更に、本実施形態では、ビニール製シート103をペットボトル101の胴部周囲に巻き付け後に止めるボタンと皿120を作るボタンとについて同一のボタンを利用するとして説明したが、それぞれの機能について独立したボタンを用意するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態の全体側面図
【図2】同上全体正面図
【図3】同上全体斜視図
【図4】ビニール製シートが展開されたときの底面図
【図5】同上側面図
【図6】ビニール製シートの四隅を立設して作製された皿
【図7】従来の犬等のペットのための携帯用水分与飲み器
【符号の説明】
【0022】
100 携帯用ペット飲食容器
101 ペットボトル
103 ビニール製シート
105、107、109、111 ボタン
120 皿

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペットボトル等の容器の胴回りに巻回されるシートと、
該シートを前記ペットボトル等の容器に巻回した後に該巻回状態を保持するため該シートに配設された該シート同士を固着若しくは解除自在とする着脱手段とを備えた携帯用ペット飲食容器であって、
前記シートを前記ペットボトル等の容器から取り外し後、着脱手段の固着によりペットの飲食容器が作製されることを特徴とする携帯用ペット飲食容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−158259(P2006−158259A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−352557(P2004−352557)
【出願日】平成16年12月6日(2004.12.6)
【出願人】(504448542)株式会社カワノe−ドッグ (3)
【Fターム(参考)】