説明

摩擦駆動装置

【課題】伝達効率のよい摩擦駆動装置を提供する。
【解決手段】本摩擦駆動装置は、サーボモータMが支持部材4によって摺動ガイド上部3aに連結されて駆動輪5をレール面2aから離して配置し、該駆動輪5と該レール面2aの双方に接触する一対の伝達輪6a,6bを駆動輪5を挟んで対向に配置するとともに摺動ガイド3と独立に配置し、これら一対の伝達輪6a,6bが上記駆動輪5を押圧しつつ互いに接近する方向に押圧力を作用させるねじりコイルばね7を上記摺動ガイド3と独立に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側面に転動体の案内溝を形成したレールと、該レールに付設され、内部に転動体を有する摺動ガイドと、該レール上で該摺動ガイドと対向する側に平坦面が形成され、該摺動ガイドが転動体を介してレールの案内溝上を転がることによって、レールに沿って移動する摺動装置、特に摺動ガイドに駆動源を設けて小型軽量で高性能な自走可能の摩擦駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術に関わる摩擦駆動装置を以下に説明する。
従来例1の駆動装置(特開平5−177488号公報)は、軸方向に沿って軌道面が形成され、かつ所定架台上に固定するための取付面を底部に有する軌道台と、前記軌道面により案内される摺動台と、出力軸が前記軸方向に対して略垂直であり、かつ前記取付面と略平行であるように前記摺動台の側面に対して取り付けられたトルク発生手段と、前記トルク発生手段の出力軸によりトルクが付与されて前記軌道台に係合して転動する駆動ローラーとから成る(特許文献1参照)。
このものは、トルク発生手段の出力軸によりトルクが付与される駆動ローラーと軌道台との直接的係合のみによってなされるため、駆動力伝達部材が不要であり、コストの低減が達成され、更に高速での駆動が容易であると共に相対的作動を行う部品の数が少ないので騒音のレベルを低く抑制できるというものである。
【0003】
従来例2の摩擦駆動機構(特開平7−51973号公報)は、駆動ローラーと、上記駆動ローラーに当接して上記駆動ローラーの回転運動を直進運動に変換する被駆動バーと、上記被駆動バーを上記駆動ローラーに押圧するために、上記被駆動バーに作用する付勢力手段とを具備する摩擦駆動機構において、上記駆動ローラーに上記駆動ローラーの変形を抑止する抑止力手段を設ける(特許文献2参照)。
このものは、被駆動バーに当接する第1の従動ローラーを付勢力手段とし、駆動ローラーに当接する第2の従動ローラーを抑止力手段として構成し、第1の従動ローラーは浮動状態でその付勢力が与えられ、第2の従動ローラーは定位置で固定されていて、抑止力手段は駆動ローラーに生じる押圧力を背後から支えるように、駆動ローラーに作用する。従って駆動ローラーのラジアル方向の力が互いに打ち消されるので、たわみが生じず、駆動ローラーの小径化が可能になるものである。
【0004】
従来例3の摺動装置(特許第3696288号公報)は、側面にボール転動溝を形成したレールと、該レールに付設され、ボール無限循環路を有する摺動ガイドとからなり、摺動ガイドに窓孔を設け、この窓孔内に伝達輪を摺動ガイド裏面から突出させてレールの表面に当接せしめ、この伝達輪の軸をバネにより斜め方向からレールヘ押圧せしめるように構成し、駆動モータで駆動する駆動輪を伝達輪に当接せしめて配設する(特許文献3参照)。
このものは、イナーシャが送り長さに関係なく一定である為、送り長さによりモータを大きくする必要はなく、レールの長さが許容する限りの無限の送りが可能となり、歯車やタイミングベルトを採用しない為、バックラッシュやベルトの延び等は一切考慮しなくてよいことになる。
【特許文献1】特開平5−177488号公報
【特許文献2】特開平7−51973号公報
【特許文献3】特許第3696288号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来例1では、駆動ローラーを軌道台に係合させるためには、加工と組立の精度に頼ることになる。また、駆動ローラー等の摩耗による経時変化で性能が悪化するという可能性もある。
【0006】
上記従来例2にあげられる付勢手段は抑止手段と一対になって構成されているため、駆動ローラーと被駆動バーの当接面に必要とされる摩擦力を得るには、大きな押圧力を両手段に与えることになり、軸受とともに装置そのものが大型化するという問題が生じる。
【0007】
上記従来例3のものは、伝達輪を駆動輪とレールの間に設けて、該伝達輪を押圧する押圧方向を駆動輪の軸に対して斜め方向に設定しているが、このような構成では、押圧力は小さくできるものの摺動ガイドの前進と後退で伝達輪に作用する駆動力が逆方向になり、駆動輪の回転に伴う伝達輪の食い込み方向と飛び出し方向を考慮すると、結局、飛び出しを防止するのに必要な大きさの押圧力を与えなければならないという課題が残る。この押圧力はバネを介して摺動ガイド本体と伝達輪の軸に作用するため、伝達輪の軸を受ける軸受は大型化せざるを得ない。
【0008】
以上の各装置は、駆動源が移動する場合と固定される場合とがあるが、いずれにしても、駆動力の伝達効率をよくするには、レール面に当接する伝達部位の配設の仕方に課題が集約されるといえる。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、上記問題を解消すべく、レール面に当接する伝達輪の配設の仕方を工夫し、駆動力の伝達効率のよい摩擦駆動装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明に係る摩擦駆動装置は、側面に転動体の案内溝を形成したレールと、該レールに付設され、内部に転動体を有する摺動ガイドと、該レール上で該摺動ガイドと対向する側に平坦面が形成され、該転動体がレールの案内溝上を転がることによって摺動ガイドがレールに沿って移動する摺動装置であって、レールの平坦面に平行、且つ移動方向に直角な回転軸をもつ駆動源が設けられるとともに該回転軸に駆動輪が設けられた摩擦駆動装置において、
上記駆動源が支持手段によって摺動ガイドに連結されて上記駆動輪をレール平坦面から離して配置し、該駆動輪と該レール平坦面の双方に接触する一対の伝達輪を駆動輪を挟んで対向に配置するとともに上記摺動ガイドと独立に配置し、これら一対の伝達輪が上記駆動輪を押圧しつつ互いに接近する方向に押圧力を作用させる押圧手段を上記摺動ガイドと独立に設けたことを特徴とするものである(請求項1)。
上記構成より、上記一対の伝達輪を摺動ガイドと独立に配置し、上記押圧手段でこれら一対の伝達輪が上記駆動輪を押圧しつつ互いに接近する方向に押圧力を作用させるので、伝達輪が上記押圧力及び上記駆動輪と上記レール面との各当接によって位置決めされる。そして、上記押圧手段が摺動ガイドと独立したかたちで伝達輪に作用し、この押圧手段が駆動輪、伝達輪、レールの各当接面にプリロードを与えるので、一方の伝達輪が駆動輪の駆動力をレールに伝達するときは、一方の伝達輪が駆動輪とレールの間に食い込み、他方の伝達輪は駆動輪とレールから遠ざかる方向の力を受ける。逆に、他方の伝達輪が駆動力を伝達する場合は、一方の伝達輪が駆動輪から遠ざかることになる。従って、押圧手段の小さな押圧力で各伝達輪を押圧しておくだけで、駆動に際しては伝達輪が駆動力に応じて駆動輪とレールに適宜食い込むので、駆動力の変化に対しても摺動ガイドはスリップすることなく確実に摺動できる。その結果、駆動輪の回転に伴う抵抗が無視でき、伝達効率のよい摩擦駆動装置を構成することができる。
【0011】
また、このものでは、一対の伝達輪は、摺動ガイドとはフリーに設けられているので、摺動ガイドに工作機械のスライダーテーブル等が載置される等してこの摺動ガイドに上方から大きな負荷がかかっても、この負荷は一対の伝達輪には及ばない。
【0012】
(2)上記一対の伝達輪は、支持軸を有し、上記押圧手段は、上記支持軸を付勢する付勢手段で構成することができる(請求項2)。
これにより、摺動ガイドの始動・停止時にプリロードを与えることができるので、当接面において静摩擦と動摩擦が入れ替わっても瞬間的なスリップを生じることがない。従って、小さな駆動力に対しては押圧力が小さくなるので、伝達輪や駆動輪の摩耗量が少なくなり、寿命も大幅に向上する。なお、付勢手段としては、圧縮及び引張コイルばね、ねじりコイルばね、板ばねあるいは樹脂や金属などの弾性を利用した弾性体が適宜使用される。
【0013】
(3)また、上記一対の伝達輪は、支持軸を有し、上記押圧手段は、上記支持軸をテーパの楔作用で押圧するクサビ部材で構成してもよい(請求項3)。
これにより、駆動力の大小にかかわらず略一定の押圧力を一対の伝達輪に作用させることができ、一対の伝達輪の揺動を防止して駆動輪の伝達力をレール平坦面に対して効率よく伝達することができる。また、クサビ部材を用いることによって組み立て後に上記押圧力の微調整が可能である。
【0014】
(4)上記駆動源の支持手段を摺動ガイドに対してレール平坦面の直角方向に移動且つ固定可能に構成してもよい(請求項4)。
これにより、支持部材の移動によってレールと駆動装置との位置関係を変化させて、駆動輪の回転半径を変えることができるので、レールに対する摺動ガイドの速度を任意に変更することができる。さらに、駆動輪や伝達輪の材質や摩擦係数に対応した接触角度を適宜得ることができる。
【0015】
(5)また、2つの摺動ガイドが同一のレール上に配置されるとともに上記駆動源の支持手段が各摺動ガイドをまたぐように付設され、各摺動ガイド間に上記駆動輪と上記一対の伝達輪とが配置されるように構成してもよい(請求項5)。
この場合、2つの互いの摺動ガイドの位置関係を維持したまま、駆動装置が常にレールの平坦面に対して平行に移動することができるので、レールが曲線であっても、伝達輪が常にレールに当接して摺動ガイドの移動を可能にする。
【0016】
(6)また、上記駆動輪、上記伝達輪、上記レール平坦面の各接触面に潤滑剤を介在させてもよい(請求項6)。
これにより、駆動輪、伝達輪、レールの各接触面の防錆効果とともにより安定した強固な駆動力が得られる。また、潤滑剤にトラクションドライブに供されるトラクション油又はトラクショングリースを採用して弾性流体潤滑状態で駆動すると、比較的大きなトラクション係数によって、上記伝達輪は小さな押圧力で大きな駆動力が得られる。
【0017】
(7)一方、他の本発明に係る摩擦駆動装置は、側面に転動体の案内溝を形成したレールと、該レールに付設され、内部に転動体を有する摺動ガイドと、該レール上で該摺動ガイドと対向する側に平坦面が形成され、該転動体がレールの案内溝上を転がることによって摺動ガイドがレールに沿って移動する摺動装置であって、レールの平坦面に平行、且つ移動方向に直角な回転軸をもつ駆動源が設けられるとともに該回転軸に駆動輪が設けられた摩擦駆動装置において、
上記駆動源が支持手段によって摺動ガイドに連結されて上記駆動輪をレール平坦面から離して配置し、該駆動輪と該レール平坦面の双方に接触する一対の伝達輪を上記摺動ガイドに軸支させて駆動輪を挟んで対向に配置するとともに、これら一対の伝達輪が上記駆動輪を押圧しつつ互いに接近する方向に押圧力を作用させる押圧手段として、伝達輪の支持軸をテーパの楔作用で押圧するクサビ部材を少なくとも一方の伝達輪の支持軸の両端に設けたことを特徴とする(請求項7)。
このものでは、伝達輪に対する押圧手段としてクサビ部材を用いることによって組み立て後に伝達輪に対する上記押圧力の微調整が可能であるから、対向する伝達輪が互いに接近する方向に等しい力の押圧力を作用させて、この一対の伝達輪を介して駆動輪の伝達力をレール平坦面に対して効率よく伝達することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によれば、押圧手段が摺動ガイドと独立したかたちで伝達輪に作用するので、押圧手段からの押圧力の反力を受けるための大きな軸受は不要で、前進と後退の両方向への滑らかな摺動が可能となり、また、装置全体を小型軽量化することも可能である。従って、一対の伝達輪によって駆動輪の駆動力をレール平坦面に対して効率よく伝達でき、摺動ガイドの前進・後退、始動・制動、加速・減速が滑らかに行われ、且つ高精度な位置決めが可能となる。
【0019】
また、他の本発明(請求項7)では、組み立て後でも伝達輪に対する押圧力の微調整が可能であるから、この一対の伝達輪を介して駆動輪の伝達力をレール平坦面に対して効率よく伝達することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(実施の形態1)
本発明に係る摩擦駆動装置1は、図1及び図2に示すように、直線状に延びるレール2と、このレール2上を自在に移動する摺動ガイド3とを有する。レール2は、その上面には平坦なレール面2aが左右に平行に形成され、また、レール2の両側面にはそれぞれ転動体のボールが対接する溝部2bが形成されている。レール面2aと溝部2bは、レール2の長手方向に沿って直線状に形成されている。摺動ガイド3は、断面門型に形成され、レール2の上面に対向配置される摺動ガイド上部3aと、レール2の側面に対向配置される摺動ガイド側部3bとを有している。
【0021】
摺動ガイド側部3bには、溝部2bと嵌り合う断面形状を有する凸形に形成され、これらによって摺動ガイド3とレール2の相対位置が決定され、また、摺動ガイド側部3bには、進行方向後方のボールを順次進行方向前方へと循環させる循環路が形成されている。なお、転動体としては、このボールに代えて、摺動ガイド側部3b内に軸支されたローラーとし、このローラーを転動状態でレール2の溝部2bに当接させてもよい。
【0022】
一方、摺動ガイド上部3aには、サーボモータMとの間に支持部材4が備えられる。そして、図2に示すように、この摺動ガイド3の内部に形成する空所30には、サーボモータMとつながった回転軸Jと連動して回転する駆動輪5と、駆動輪5及びレール面2aと当接状態に配置した一対の伝達輪6a,6bとが設けられていて、この駆動輪5と伝達輪6a,6bは、駆動輪5の回転駆動に伴って伝達輪6が回転する摩擦伝動機構を構成している。
【0023】
伝達輪6は、左右のレール面2a上に対応して前後に2個ずつ配置して合計4個設けられている。この伝達輪6は、摺動ガイド3との関係では空所30内にフリーに配設されている。なお、伝達輪6は、左右のレール面2aをまたぐようなローラ長の長いものを前後に1個ずつ配置して合計2個設けるようにしてもよい。そして、前後の各伝達輪6a,6bは、上記駆動輪5を両側から挟んで駆動輪5とレール面2aに対して当接状態となり、且つ伝達輪6a,6b同士が接触しないように配置されている。すなわち、前後の各伝達輪6a,6bは、駆動輪5との当接点を通る接線がレール面2aに対して接触角度θ°になるように配置されるとともに伝達輪6と駆動輪5との間の摩擦係数をμとしたとき、接触角度θ°が、関係式「tan(θ/2)≦μ」となるように設定されている。
【0024】
上記関係式が満足されないときは各当接面が空転して、駆動輪5の回転を伝達輪6及びレール2に伝達することができなくなるおそれがあるが、上記関係式の条件を満足しつつ、上記関係式の両辺の差が大きくなるほど、摺動ガイド3の確実な駆動が可能となる。しかし、当接面への過剰な押圧力は伝達効率を低下させるため、より好適な伝達効率と駆動を可能にするには、上記関係式を満足しつつ、関係式の両辺ができる限り等しくなるように設定する必要がある。
【0025】
このような設定条件で組み立てられた摺動ガイド3内部の伝達輪6a,6bには、それぞれ支持軸Ja,Jbが設けられ、支持軸Ja,Jbを駆動輪5の方向に押圧力Qで付勢するねじりコイルばね7が配置される。すなわち、このねじりコイルばね7は、伝達輪6a,6bが接近する方向に力が作用するように支持軸Ja,Jbに取り付けられて、支持軸Ja,Jbを側方からの押圧力Qで押圧するようにしている。このねじりコイルばね7は、摺動ガイド3と独立したかたちで伝達輪6a,6bに作用する。これにより、各伝達輪6a,6bは、摺動ガイド3ではなく、この押圧力Q及び駆動輪5とレール面2aとの各当接面によって位置決めされる。なお、これら支持軸Ja,Jbも、空所30内でフリーとなっており、摺動ガイド3とは独立に配設されている。
【0026】
そして、上記摩擦駆動装置1がレール2上を移動する過程を図2に基づいて説明する。
摺動ガイド上部3aに取り付けられたサーボモータMの駆動により回転軸Jが回転すると、回転軸Jに結合された駆動輪5が矢印方向に回転し、この駆動輪5に当接している伝達輪6aが駆動輪5に対して逆方向に回転するとともに、レール面2aの転がり抵抗と駆動輪5と伝達輪6aとの間の摩擦係数μによって、接線方向の力Fは、伝達輪6aが駆動輪5とレール面2aに食い込む方向に作用する。このとき、伝達輪6bは伝達輪6aと同じように回転するが、接線方向の力Fは伝達輪6bが飛び出す方向に作用し、結果的に伝達輪6bの支持軸Jbにはプリロードであるねじりコイルばね7のわずかな押圧力Qが生じているだけとなる。一方、サーボモータMが逆転して、駆動輪5が図2の矢印とは逆の方向に回転したときは、伝達輪6bが駆動輪5とレール面2bに食い込み、伝達輪6aが飛び出だす方向に移動することになる。
【0027】
従って、ねじりコイルばね7による小さな押圧力Qで各伝達輪6a,6bを押圧しておくだけで、駆動に際しては伝達輪5が駆動力に応じて駆動輪5とレール面2aに適宜食い込むので、駆動力の変化に対しても摺動ガイド3はスリップすることなく確実に摺動できる。その結果、駆動輪5の回転に伴う抵抗が無視でき、伝達効率のよい摩擦駆動装置を構成することができる。また、ねじりコイルばね7により前後の支持軸Ja,Jbを付勢することで、小さな駆動力に対しては接線方向の力Fが小さくなるので、伝達輪5や駆動輪6a,6bの摩耗量が少なくなり、本装置の寿命も大幅に向上する。
【0028】
以上のように、本実施の形態1の摩擦駆動装置によれば、押圧手段のねじりコイルばね7が摺動ガイド3と独立したかたちで各伝達輪6a,6bに作用するので、ねじりコイルばね7からの押圧力の反力を受けるための大きな軸受は不要で、前進と後退の両方向への滑らかな摺動が可能となり、また、装置全体を小型軽量化することも可能である。従って、一対の伝達輪6a,6bによって駆動輪5の駆動力をレール面2aに対して効率よく伝達でき、摺動ガイド3の前進・後退、始動・制動、加速・減速が滑らかに行われ、且つ高精度な位置決めが可能となる。
【0029】
また、このものでは、一対の伝達輪6a,6bは、摺動ガイド3とはフリーに設けられているので、摺動ガイド3に工作機械のスライダーテーブル等が載置される等してこの摺動ガイド3に上方から大きな負荷がかかっても、この負荷は一対の伝達輪6a,6bには及ばない。従って、伝達輪6a,6bは、レール面2aに対して常に一定の力で接触することができ、その結果、例え摺動ガイド3に大きな負荷がかかる環境下でも、伝達輪6の摩耗量が多くなることもなく伝達輪6の高耐久性を保持することができる。
【0030】
次に、図3には、サーボモータMとつながった回転軸Jをレール2から遠ざけたり近づけたりして駆動輪5と伝達輪6との互いの回転半径を変化させたものを示す。この操作によって駆動輪5とレール2の相対速度を変化させることができる。ここでのサーボモータMは、図2に示すように、支持部材4にボルト8で固定され、支持部材4にはレール2と直角方向(上下方向)に延びる長穴9が穿設されるとともに摺動ガイド上部3aにはボルト8が螺合されていて、長穴9の適切な位置でボルト8を締め付けることによって、サーボモータMを適宜な位置で固定できるように構成されている。従って、駆動輪5とレール2との相対速度を変えたり、材質の異なる駆動輪5又は伝達輪6を使用する場合、駆動輪5と伝達輪6との当接点を通る接線がレール面2aに対して為す接触角度θ°を任意に変化させることができる。
【0031】
図3(a)は、伝達輪6にエンジニアリングプラスチックを採用したもので、エンジニアリングプラスチックの縦弾性係数は、他の樹脂に比べて大きくて変形しにくく、摩擦係数もμ=0.4程度の大きさなので(駆動輪5は金属製)、回転軸Jとレール面2aとの距離をLaと小さくして、接触角度θa=43°とすることができる。なお、伝達輪6に採用できるエンジニアリングプラスチックには、機械的強度に優れた、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアリレート(PAR)、ポリサルホン(PSF)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンエーテル(PPE、PPO)などがあり、強化材料のガラスや炭素を含有したポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミド(PA)などが例示される。
【0032】
一方、図3(b)は、トラクション油を使用してトラクションドライブで摺動ガイド3を駆動するときであって、この場合は、トラクション係数を加味した駆動輪5と伝達輪6との間の摩擦係数がμ=0.12程度の大きさになるので、回転軸Jとレール面2aとの距離をLbと大きくして、接触角度はθb=13°となる。このように接触角度θbが小さくなると、伝達輪6a,6bが接触するおそれがあるので、この場合は、一方の伝達輪6aは進行方向右側の平坦面2aに、他方の伝達輪6bは進行方向左側の平坦面2aにそれぞれ当接させれば、伝達輪6a,6b同士の接触を防ぐことができる。
接触角度θの大きさは、同じ接線力Fでも伝達輪6の食い込みの力に影響するので、接触角度θが大きくなるほど効率のよい摩擦駆動装置を構成することができる。
【0033】
図4は、2つの摺動ガイド31,32を一本のレール2上に配置して、摺動ガイド31,32の外部でそれらの間をまたぐように支持部材4aが懸架され、支持部材4aと摺動ガイド31,32がレール2のレール面2aに直角なピン12で連結されている。支持部材4aにはサーボモータMが取り付けられ、駆動輪5、前後の伝達輪6a,6b、レール2とが前述のように、tan(θ/2)≦μの当接状態を維持したかたちで組み立てられている。
【0034】
このような構成では、従来技術に関わる摺動ガイド3をそのまま使用して、サーボモータM付きの摩擦駆動装置1を構成することができるので、大型化に対応できるとともにレール2が曲線をなしている場合でも採用することができる。
さらに、図1に示すように、スケール10がレール2と平行に配置され、摺動ガイド3に備え付けられたセンサ11がスケール10の信号を検出して、摺動ガイド3の位置をサーボモータMで制御することもできる。この場合は、摩擦駆動におけるレール2と摺動ガイド3との間に生じる微小な滑りによる位置変化を修正して、高精度な位置決め制御が可能となる。
【0035】
(実施の形態2)
図5及び図6に示すように、実施の形態2による摩擦駆動装置は、前後の伝達輪6a,6bの支持軸Ja,Jbに連結部材70を取り付け、且つ前後の伝達輪6a,6bが駆動輪5を押圧しつつ互いに接近するように一方の伝達輪6b側から反対側の伝達輪6aに向けて押圧力Qを作用させるように構成したものである。
【0036】
すなわち、この摩擦駆動装置は、前後の伝達輪6a,6bにおける支持軸Ja,Jbの両端に、金属やプラスチック等の剛体からなるコ字形の連結部材70を取り付けている。そして、他方の支持軸Jbは、図7に示すように、連結部材70に嵌合させた両端が伝達輪6bを保持する軸中央部61とテーパ状に分断されたクサビ部62X,62Yとなっており、各クサビ部62X,62Yと軸中央部61とが1本のボルトBを軸線方向に貫通させて結合したもので構成している。なお、このボルトBの頭部とクサビ部62Xの間にばね等の弾性体を挿入して、移動中の振動や加工誤差による寸法変化を吸収してもよい。図7中、Kはモータ軸MJを回転軸Jに接続する軸継手である。
【0037】
この軸中央部61とボルトBの頭部が配置される側のクサビ部62Xには貫通孔621X,611が軸線方向に設けられ、ボルトBの先端が配置される側のクサビ部62Yには雌ネジとなったネジ孔621Yが軸線方向に設けられている。軸中央部61両端面のテーパ面610と各クサビ部62X,62Yのテーパ面620X,620Yは、対向配置された伝達輪6a側に拡大傾斜するように形成されている。また、各クサビ部62X,62Yは、楕円状に形成されて連結部材70に対して回り止め状態に嵌合されている。従って、この支持軸Jbに取り付けたボルトBを締め付けて行くと、各クサビ部62X,62Yが互いに接近することによる楔作用によって、軸中央部61には対向配置された伝達輪6a側に向かう押圧力Qが生じる。
【0038】
また、この押圧力Qは、剛体の連結部材70及び駆動輪5を介して反対側の伝達輪6aの支持軸Jaにも作用し、この支持軸Jaには上記押圧力Qと対称の押圧力Q’が作用する。すなわち、上記ボルトBの締め付けにより、対向する伝達輪6a,6bが互いに接近する方向に等しい力の押圧力Q,Q’が作用することとなる。これにより、駆動力の大小にかかわらず略一定の押圧力Q,Q’を一対の伝達輪6a,6bに作用させることができ、一対の伝達輪6a,6bの揺動を防止して駆動輪5の伝達力をレール面2aに対して効率よく伝達することができる。
なお、上記支持軸Jaも、上記支持軸Jbと同様な構成を採用して対向する伝達輪6b側に向いた押圧力Q’を作用させるようにしてもよい。
【0039】
また、各支持軸Ja,Jbには、2個の伝達輪6を互いに当接させて挿通保持しているので、支持軸Ja,Jbの両端に押圧力Q,Q’が作用しても、支持軸Ja,Jbの中央が撓んで左右の伝達輪6が傾くことも防止できる。これにより、伝達輪6のローラー長の全体が駆動輪5及びレール面2aに対して略均等に当接され、サーボモータMからの回転駆動力をレール面2aに対して効率よく伝達することができる。
【0040】
その他の構成及びその作用は、上記実施の形態1のものと同様である。
従って、この実施の形態2のものも、伝達輪6が上記押圧力Q,Q’及び駆動輪5とレール面2aとの各当接面によって位置決めされ、駆動輪5の回転に伴う抵抗が無視でき、伝達効率のよい摩擦駆動装置を構成することができる。
【0041】
(実施の形態3)
図8に示すように、実施の形態3による摩擦駆動装置は、前後の伝達輪6a,6bの支持軸Ja,Jbの両端が剛直な連結部材700に保持され、且つこの連結部材700に組み込んだバネ702により一方の伝達輪6bが駆動輪5を押圧しつつ一対の伝達輪6a,6bが互いに接近するように支持軸Jbに押圧力Qを作用させる構成としたものである。
【0042】
すなわち、この摩擦駆動装置は、矩形状の上記連結部材700の側壁に水平方向に伸びる長孔91が設けられ、この長孔91に一方の伝達輪6bの支持軸Jbが接近自在に支持されている。なお、他方の伝達輪6aの支持軸Jaは連結部材700に軸支されて固定されている。また、上記連結部材700の側壁には上記長孔91に至る横孔92が設けられ、この横孔92内に押体703、バネ702、ネジ701がこの順で取付けられている。従って、伝達輪6bの支持軸Jbには、伝達輪6bが駆動輪5を押圧しつつ一対の伝達輪6a,6bが互いに接近する方向に押圧力Qが作用することとなる。また、支持軸Jaには上記押圧力Qと対称の押圧力Q’が作用する。
【0043】
その他の構成及びその作用は、上記実施の形態1のものと同様である。
従って、この実施の形態3のものも、伝達輪6が上記押圧力Q,Q’及び駆動輪5とレール面2aとの各当接面によって位置決めされ、駆動輪5の回転に伴う抵抗が無視でき、伝達効率のよい摩擦駆動装置を構成することができる。
【0044】
(実施の形態4)
上記実施の形態2では、図5に示すように前後の伝達輪6a,6bの支持軸Ja,Jbを連結部材70に軸支させているが、実施の形態4による摩擦駆動装置は、このような連結部材70を無くして、図9に示すように、摺動ガイド上部3aの側壁に前後の伝達輪6a,6bの支持軸Ja,Jbの両端を軸支するようにしたものである。また、サーボモータMからの回転軸Jも、摺動ガイド上部3aの側壁に軸支するようにしている。なお、一方の伝達輪6bの支持軸Jbにおいてはクサビ部62X,62Yを設けて他方の伝達輪6a側に向かう押圧力Qを生じさせるようにした構成は、上記実施の形態2のものと同様である。その際、ボルトBの頭部とクサビ部62Xの間にばね等の弾性体を挿入して、移動中の振動や加工誤差による寸法変化を吸収してもよい。
【0045】
従って、この実施の形態4のものは、ボルトBの締め付けを調節することで、摺動ガイド上部3aの加工誤差や駆動輪5、伝達輪6の組付け誤差等を吸収して、対向する伝達輪6a,6bが互いに接近する方向に等しい力の押圧力Q,Q’を一対の伝達輪6a,6bに作用させることができ、一対の伝達輪6a,6bを介して駆動輪5の伝達力をレール面2aに対して効率よく伝達することができる。
なお、実施の形態3のものも、同様に、連結部材700を無くして、摺動ガイド上部3aの側壁に伝達輪6a,6bの支持軸Ja,Jb両端を支持するようにしてもよい。
【0046】
(変形例)
(1)実施の形態1では、ねじりコイルばね7を前後の伝達輪6a,6bの支持軸Ja,Jbに取り付けるが(図2参照)、このねじりコイルばね7に代えて、図10に示すように、直線状の引張りバネ7’を前後の伝達輪6a,6bの支持軸Ja,Jb両端に取り付けて、前後の伝達輪6a,6bが駆動輪5を押圧しつつ互いに接近する方向に押圧力Qが作用するように構成してもよい。その他、各支持軸Ja,Jbに押圧力Qを作用させるものとして、板ばね、樹脂や金属などの弾性を利用した弾性体等の付勢手段が適宜使用される。
【0047】
(2)実施の形態2では、前後の伝達輪6a,6bの支持軸Ja,Jbに取り付ける剛直な連結部材70をコ字形のものとするが(図5参照)、図11に示すように、直線状の連結部材70’としてもよく、その他種々の形状の連結部材が使用される。
【0048】
(3)上記実施の形態1のものは、各支持軸Ja,Jbを摺動ガイド上部3aの側壁に支持軸Ja,Jbの軸径よりも大きい軸孔を設け、この軸孔に支持軸Ja,Jbを遊嵌させてもよい。
【0049】
(4)上記回転軸Jは、サーボモータMで片持ち状態にしただけでもよいし、回転軸Jの両端部を摺動ガイド3等に軸支するようにしてもよい。
(5)また、以上の各実施の形態及び変形例等において、駆動輪5、伝達輪6及びレール面2aの間にトラクションオイルを介在させてトラクションドライブ機構を構成してもよい。この場合、図2中に一点鎖線で示すように、トラクションオイルを含浸したフエルトFを駆動輪5に直接接触するように摺動ガイド上部3aに設け、このフエルトFを介してトラクションオイルが駆動輪5、伝達輪6及びレール面2aの接触部分に供給できるように構成してもよい。なお、上記フエルトFは、伝達輪6に直接接触するように摺動ガイド上部3aに設けてもよい。これにより、所定量のトラクションオイルを常時、駆動輪5、伝達輪6及びレール面2aの接触部分に供給可能となって効率的なトラクションドライブ機構を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】実施の形態1による摩擦駆動装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】実施の形態1による摩擦駆動装置の摺動ガイド内の摩擦伝動構造を示す断面図である。
【図3】実施の形態1における摩擦伝動機構部の要部の例を示す側面図である。
【図4】実施の形態1における摩擦伝動機構部の応用例を示す斜視図である。
【図5】実施の形態2による摩擦駆動装置の摺動ガイド内の摩擦伝動構造を示す断面図である。
【図6】実施の形態2における摩擦伝動機構部の斜視図である。
【図7】実施の形態2による摩擦駆動装置の摺動ガイド内の摩擦伝動構造を示す平面図である。
【図8】実施の形態3による摩擦駆動装置の摺動ガイド内の摩擦伝動構造を示す断面図である。
【図9】実施の形態4による摩擦駆動装置の摺動ガイド内の摩擦伝動構造を示す断面図である。
【図10】摩擦伝動機構部の変形例を示す側面図である。
【図11】摩擦伝動機構部の他の変形例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 摩擦駆動装置
2 レール
2a レール面(レール平坦面)
3 摺動ガイド
3a 摺動ガイド上部
3b 摺動ガイド側部
4 支持部材(支持手段)
5 駆動輪
6,6a,6b 伝達輪
7 ねじりコイルばね(押圧手段、付勢手段)
7’ 引張りバネ(押圧手段、付勢手段)
30 空所
61 軸中央部
62X,62Y クサビ部(押圧手段)
70,70’,700 連結部材
91 長孔
92 横孔
702 バネ(押圧手段、付勢手段)
F 接線方向の力
J 回転軸
Ja,Jb 支持軸
M サーボモータ(駆動源)
Q,Q’ 押圧力


【特許請求の範囲】
【請求項1】
側面に転動体の案内溝を形成したレールと、該レールに付設され、内部に転動体を有する摺動ガイドと、該レール上で該摺動ガイドと対向する側に平坦面が形成され、該転動体がレールの案内溝上を転がることによって摺動ガイドがレールに沿って移動する摺動装置であって、レールの平坦面に平行、且つ移動方向に直角な回転軸をもつ駆動源が設けられるとともに該回転軸に駆動輪が設けられた摩擦駆動装置において、
上記駆動源が支持手段によって摺動ガイドに連結されて上記駆動輪をレール平坦面から離して配置し、該駆動輪と該レール平坦面の双方に接触する一対の伝達輪を駆動輪を挟んで対向に配置するとともに上記摺動ガイドと独立に配置し、これら一対の伝達輪が上記駆動輪を押圧しつつ互いに接近する方向に押圧力を作用させる押圧手段を上記摺動ガイドと独立に設けたことを特徴とする摩擦駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の摩擦駆動装置において、
上記一対の伝達輪は、支持軸を有し、
上記押圧手段は、上記支持軸を付勢する付勢手段で構成したことを特徴とする摩擦駆動装置。
【請求項3】
請求項1に記載の摩擦駆動装置において、
上記一対の伝達輪は、支持軸を有し、
上記押圧手段は、上記支持軸をテーパの楔作用で押圧するクサビ部材で構成したことを特徴とする摩擦駆動装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の摩擦駆動装置において、
上記駆動源の支持手段を摺動ガイドに対してレール平坦面の直角方向に移動且つ固定可能に構成したことを特徴とする摩擦駆動装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の摩擦駆動装置において、
2つの摺動ガイドが同一のレール上に配置されるとともに上記駆動源の支持手段が各摺動ガイドをまたぐように付設され、各摺動ガイド間に上記駆動輪と上記一対の伝達輪とが配置されるように構成したことを特徴とする摩擦駆動装置。
【請求項6】
請求項1乃至5記載の摩擦駆動装置において、
上記駆動輪、上記伝達輪、上記レール平坦面の各接触面に潤滑剤を介在させたことを特徴とする摩擦駆動装置。
【請求項7】
側面に転動体の案内溝を形成したレールと、該レールに付設され、内部に転動体を有する摺動ガイドと、該レール上で該摺動ガイドと対向する側に平坦面が形成され、該転動体がレールの案内溝上を転がることによって摺動ガイドがレールに沿って移動する摺動装置であって、レールの平坦面に平行、且つ移動方向に直角な回転軸をもつ駆動源が設けられるとともに該回転軸に駆動輪が設けられた摩擦駆動装置において、
上記駆動源が支持手段によって摺動ガイドに連結されて上記駆動輪をレール平坦面から離して配置し、該駆動輪と該レール平坦面の双方に接触する一対の伝達輪を上記摺動ガイドに軸支させて駆動輪を挟んで対向に配置するとともに、これら一対の伝達輪が上記駆動輪を押圧しつつ互いに接近する方向に押圧力を作用させる押圧手段として、伝達輪の支持軸をテーパの楔作用で押圧するクサビ部材を少なくとも一方の伝達輪の支持軸の両端に設けたことを特徴とする摩擦駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−205498(P2007−205498A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−26303(P2006−26303)
【出願日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(000100838)アイセル株式会社 (62)
【Fターム(参考)】