説明

撮像装置、内視鏡

【課題】小型化を図りつつ、組み立ての際、外装部材への基板上の搭載部材の接触を回避でき、さらに基板の搭載部材が設けられた部位の位置ずれを確実に防止できる構成を具備する撮像装置を提供する。
【解決手段】基板固定部材20は、第1の部位22aが固定される固定部20aと、第2の部位22bを第1の部位22aの上面22atよりも低く押し下げてクランク状に折り曲げることにより、実装エリアAの実装面22bjを上面22atよりも低く位置させるとともに第2の部位22bの位置を固定する基板押し下げ部20bと、実装エリアAの実装面22bjに実装された電子部品151を収納するとともに、平面視した状態において実装エリアAを囲む壁部52が設けられた収納部20cと、を有し、壁部52の頂部52tは、電子部品151よりも高く、第1の部位22aの上面22at以下の高さに位置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実装エリアの実装面に搭載部材が設けられた基板と、基板が固定される基板固定部材とを具備する撮像装置、内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置、例えば、内視鏡に用いられる撮像装置は、被検体内における被検部位の像を撮像するものであり、例えば内視鏡の挿入部の挿入方向基端側(以下、単に基端側と称す)に設けられた接眼部に接続自在な撮像装置の構成が周知である。
【0003】
また、内視鏡は、使用後、確実に洗浄、消毒及び滅菌する必要がある。内視鏡の滅菌方法としては、内視鏡を、高温高圧蒸気を用いて滅菌する高温高圧蒸気滅菌処理(以下、オートクレーブ処理と称す)が周知である。
【0004】
ここで、通常、撮像装置を構成する撮像素子や、対物光学系等からなる撮像ユニットは、撮像装置の外装部材内に設けられているが、オートクレーブ処理において、撮像装置内にも高温高圧蒸気が進入する。
【0005】
この際、撮像ユニットは、高温高圧蒸気に触れると、撮像素子が故障してしまったり、対物光学系が曇ったりしてしまうことから、撮像ユニットは、外装部材内において高温高圧蒸気が進入しない場所に設けられる必要がある。
【0006】
そこで、特許文献1には、内視鏡の接眼部に装着される撮像装置において、該撮像装置の外装部材内に水密性及び気密性を有するケースを設け、該ケース内に撮像ユニットを封止することにより、撮像装置内に進入した高温高圧蒸気から撮像ユニットを保護する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−253267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、撮像装置の外装部材に、各種内視鏡操作用のスイッチ釦が設けられた構成が周知である。このような構成においては、外装部材内には、外装部材の内面に近接する位置において、スイッチ釦が接触自在なスイッチが基板等に実装されて設けられているのが一般的である。
【0009】
また、撮像装置の小型化を図るため、上述した特許文献1に示したケース上に、スイッチが実装された基板を固定する構成が考えられる。
【0010】
さらに、既知のEMC(Electromagnetic Compatibility)対策のため、基板上に、ノイズフィルタ等の電子部品が実装された構成も周知であり、また、電子部品を保護するため、基板に、絶縁性接着剤等の液状封止材料が塗布された構成も周知である。
【0011】
ここで、撮像装置の組み立ての際、上述したケース上に、ノイズフィルタ等の電子部品やスイッチ、液状封止材料が設けられた基板が固定されたものを撮像装置の外装部材内に嵌入する際、基板に実装された電子部品や液状封止材料は所定の高さを有するため、外装部材にこれらが接触してしまうことから組み立て性が悪いといった問題がある。
【0012】
また、ケースに対して基板を確実に固定しないと、外装部材内に嵌入後、基板の位置ずれにより、電子部品や液状封止材料等の搭載部材が外装部材に接触しやすいといった問題があった。
【0013】
そこで、撮像装置を大型化して、撮像装置の内部空間を大きく確保することにより、外装部材への基板上の搭載部材の接触を回避して組立性を向上させる対策が考えらえるが、これは撮像装置が大型化してしまうため好ましくない。
【0014】
また、ケースに対して基板を強固に固定するため、ケースに基板を、ネジ等を用いて固定する構成も考えられるが、基板の電子部品等が実装されている箇所は、電子部品の実装密度が高いことから、ネジの固定スペースを確保できないといった問題があった。
【0015】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、小型化を図りつつ、組み立ての際、外装部材への基板上の搭載部材の接触を回避でき、さらに基板の搭載部材が設けられた部位の位置ずれを確実に防止できる構成を具備する撮像装置、内視鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するため本発明の一態様における撮像装置は、第1の部位と該第1の部位から延出された第2の部位とを有するとともに前記第2の部位における実装エリアの実装面に搭載部材が設けられた基板と、前記基板が固定される基板固定部材とを具備する撮像装置であって、前記基板固定部材は、前記基板の前記第1の部位が固定される固定部と、前記第2の部位を前記第1の部位の前記固定部への固定面とは反対側の非固定面よりも低く押し下げてクランク状に折り曲げることにより、前記実装エリアの前記実装面を前記非固定面よりも低く位置させるとともに前記第2の部位の位置を固定する基板押し下げ部と、前記実装エリアの前記実装面に設けられた前記搭載部材を収納するとともに、平面視した状態において前記実装エリアを囲む壁部が設けられた収納部と、を有し、前記壁部の頂部は、前記搭載部材よりも高く、前記第1の部位の前記非固定面以下の高さに位置している。
【0017】
また、本発明の一態様における内視鏡は、請求項1〜10のいずれか1項に記載の撮像装置が接続自在である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、小型化を図りつつ、組み立ての際、外装部材への基板上の搭載部材の接触を回避でき、さらに基板の搭載部材が設けられた部位の位置ずれを確実に防止できる構成を具備する撮像装置、内視鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施の形態の撮像装置を備えた内視鏡システムの構成の概略を示す図
【図2】図1のカメラヘッドの構成を示す部分断面図
【図3】図2の基板固定部材に基板及びGND板が固定されたものを拡大して示す斜視図
【図4】図3中のIV-IV線に沿う基板固定部材、基板の部分断面図
【図5】図3の基板固定部材から基板を分離した状態を示す分解斜視図
【図6】図3のGND板を裏面側から示す斜視図
【図7】図5中のVII-VII線に沿う基板固定部材にGND板、基板を固定した後の断面を、気密ケース及び外装カバーとともに示す部分断面図
【図8】図3の基板固定部材を気密ケースとともに示す分解斜視図
【図9】図8の気密ケースに図3の基板固定部材を固定した状態を、基板固定部材の第1の貫通孔に基板を挿通しない状態で示す斜視図
【図10】図8の気密ケースに、図3のGND板及び基板が固定された基板固定部材を固定したものを、リヤカバー内に挿入する状態を示す部分断面図
【図11】図2のカメラヘッドのカプラ部に、内視鏡のアイピースが接続されている状態を示す斜視図
【図12】図11のカプラ部とアイピースとの接続部近傍の断面図
【図13】図11のカプラ部を拡大して後方側から示す斜視図
【図14】図2のカプラ部におけるマウント部材の上部内周面に、突起が設けられた構成を示す部分拡大断面図
【図15】従来のマウント部材の嵌入部の形状をカプラ部とともに示す拡大斜視図
【図16】図14のマウント部材の嵌入部の形状をカプラ部とともに示す拡大斜視図
【図17】図2のスペーサリングからリヤネジを外した状態を示すカメラヘッドの部分断面図
【図18】図17のリヤカバーを、図17中のXVIII方向からみた部分斜視図
【図19】図18中のXIX-XIX線に沿うリヤカバーの部分断面図
【図20】図2の撮像ユニットを示す斜視図
【図21】図20の撮像ユニットを、図20とは異なる方向からみた斜視図
【図22】図20中のIIXII-IIXII線に沿う撮像ユニットをリヤケースとともに示す断面図
【図23】図2のフロントカバーの先端側を、リングを除いて示す部分斜視図
【図24】図23のフロントカバーの先端側の溝にリングを装着した状態を示す部分斜視図
【図25】図24中のIIXV-IIXV線に沿うフロントカバーの断面図
【図26】図24のリングを示す斜視図
【図27】図2のリヤカバーの基端側を示す部分斜視図
【図28】図27のリヤカバーの基端側から、リング及びリヤネジが外された状態を示す部分斜視図
【図29】図27のリングを示す斜視図
【図30】従来のカプラ部の形状を示すカメラヘッドの斜視図
【図31】従来のカメラヘッドにおける内視鏡が接続される接続部材の構成を示す斜視図
【図32】本構成のカメラヘッドの接続部材の変形例の構成を示す斜視図
【図33】図32中のIIIXIII-IIIXIII線に沿うカメラヘッドの断面図
【図34】図20の固定枠に第2の基板のリジット部が固定された状態を拡大して示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。尚、以下に示す実施の形態においては、撮像装置は、内視鏡に接続される撮像装置を例に挙げて説明する。
【0021】
図1は、本実施の形態の撮像装置を備えた内視鏡システムの構成の概略を示す図である。
図1に示すように、内視鏡システム1は、内視鏡2と、該内視鏡2に接続自在な撮像装置であるカメラヘッド3と、内視鏡2に照明光を供給する光源装置4と、カメラヘッド3からの撮像信号に対して信号処理等を行うカメラコントロールユニット(CCU)5と、該CCU5から出力される映像信号を表示するモニタ6とを有して主要部が構成されている。
【0022】
内視鏡2は、細長な挿入部7と、該挿入部7の基端側に設けられた挿入部7よりも太径の把持部8と、該把持部8の挿入方向Sの基端(以下、単に基端と称す)に設けられた接眼部(以下、アイピースと称す)9とを有して主要部が構成されている。
【0023】
また、内視鏡2の把持部8の側部に設けられている口金に、一端が光源装置4にコネクタ11を介して着脱自在なライトガイドケーブル10の他端が接続自在となっている。このことにより、光源装置4内の図示しないランプから発光された光は、ライトガイドケーブル10を介して、内視鏡2に供給され、挿入部7の挿入方向Sの先端(以下、単に先端と称す)に設けられた図示しない照明窓から被検体内に照射される。
【0024】
照明光によって照明された被検体内の像は、挿入部7の先端に設けられた図示しない対物光学系に光学像が結像され、該結像された光学像は、挿入部7内に設けられた図示しないリレーレンズ等を介して、アイピース9内に設けられたレンズに入射されることから、作業者がアイピース9を介して光学像を観察することができるようになっている。
【0025】
また、上述したように、内視鏡2のアイピース9に、カメラヘッド3が接続自在である。カメラヘッド3からはカメラケーブル12が延出されており、該カメラケーブル12の延出端は、該延出端に設けられたコネクタ13を介してCCU5に着脱自在となっている。
【0026】
CCU5は、カメラヘッド3からカメラケーブル12を介して送信された撮像信号に基づいて画像信号を生成し、被検体内の像を、内視鏡画像としてモニタ6に表示させるものである。
【0027】
次に、図2を用いて上述したカメラヘッド3の具体的な構成を説明する。図2は、図1のカメラヘッドの構成を示す部分断面図である。
【0028】
図2に示すように、カメラヘッド3は、カプラ部15と、該カプラ部15に先端が固定された外装部17とを有して主要部が構成されている。
【0029】
カプラ部15は、内視鏡2のアイピース9が接続される部材であり、内部にアイピース9を固定する際用いるマウント部材31を有している。また、マウント部材31の基端の外周に対して、外装部17の先端が固定されている。
【0030】
また、カプラ部15は、マウント部材31に対して挿入方向Sに直交する高さ方向Mに後述するバネ71(図11参照)等を介して移動自在となるよう接続されている。尚、カプラ部15の移動構造及びカプラ部15のマウント部材31に対するアイピース9の接続固定構造は後述する。
【0031】
外装部17は、フロントカバー17aと、該フロントカバー17aの基端に接続自在なリヤカバー17bとから主要部が構成されている。フロントカバー17aの細径に形成された先端17akが、マウント部材31の基端の外周に固定されている。
【0032】
尚、フロントカバー17aとリヤカバー17bとは、パッキン18を介して水密に接合自在となっている。パッキン18は、フロントカバー17aとリヤカバー17bとの接続部位から外装部17内への外部からの水等の進入を防止する。
【0033】
また、フロントカバー17a及びリヤカバー17bの一側面には、高さ方向Mに沿って複数の貫通孔が形成されており、該貫通孔には、内視鏡2を操作する用の複数のスイッチ釦19が嵌入されている。
【0034】
また、リヤカバー17bの基端には、該リヤカバー17bの先端をフロントカバー17aの基端に対してパッキン18を介して挿入方向Sの前方(以下、単に前方と称す)に押し付けて固定する用の後述するリヤネジ50が、水密用のパッキンを介して当接自在である。
【0035】
また、外装部17内には、ケース部材である金属から構成された気密ケース16が設けられている。
【0036】
気密ケース16は、フロントケース16aと、該フロントケース16aの基端に接続された中間ケース16cと、該中間ケース16cの基端に接続されたリヤケース16bと、該リヤケース16bの基端に固定されたハーメチックコネクタ16dとから主要部が構成されている。
【0037】
尚、フロントケース16aの先端側は、フロントカバー17aの先端側の内周面及びマウント部材31の基端の内周面に対して固定されている。また、ハーメチックコネクタ16dは、リヤケース16bに対して溶接等によって固定されている。
【0038】
気密ケース16と外装部17との間であって、気密ケース16の上面に、基板固定部材20が、位置精度良く固定されており、該基板固定部材20の上面には、基板22が固定されている。
【0039】
基板22の実装面となる上面には、複数のスイッチ釦19に対向する位置に、該スイッチ釦19が接触自在となるよう複数のスイッチ21が設けられている。尚、基板固定部材20と基板22の詳しい構成は後述する。
【0040】
気密ケース16の内部には、撮像ユニット100が設けられている。具体的には、気密ケース16の内部には、複数のレンズ30を保持するレンズ枠51と、プリズム43と、複数の撮像素子33と、各種基板等の電気部品等が設けられている。
【0041】
より具体的には、フロントケース16aの先端には、観察窓30aが固定されている。観察窓30aは、カメラヘッド3のカプラ部15に、内視鏡2のアイピース9が接続された際、アイピース9内のレンズに対して、挿入方向Sにおいて対向して位置する。
【0042】
また、気密ケース16の内部において、観察窓30aの挿入方向の後方(以下、単に後方と称す)に、レンズ枠51によって保持された複数のレンズ30が設けられており、該複数のレンズ30の結像位置に、プリズム枠143によって保持されたプリズム43が位置しており、該プリズム43の出射面に対向する位置に、CCD等の、例えば3つの撮像素子33が位置している。
【0043】
尚、各撮像素子33は、撮像素子基板32にそれぞれ固定されており、また、プリズム枠143及び撮像素子基板32は、気密ケース16内に設けられた後述する固定枠80(図20参照)に対して固定されている。また、レンズ枠51の基端側及び後述する固定枠80(図20参照)の先端側は、中間ケース16cの内周面に対して固定されている。
【0044】
また、気密ケース16内において、3つの撮像素子33の後方に、第1の基板35及び第2の基板38が位置している。
【0045】
第1の基板35及び第2の基板38は、後述する固定枠80(図20参照)に固定されている。尚、第2の基板38は、リジット部38aとフレキシブル部38b、38cとから主要部が構成されている。即ち、第2の基板38は、リジットフレキシブル基板から構成されている。
【0046】
第1の基板35からは、フレキシブル基板34が延出されており、該延出端は、後述する固定枠80(図20参照)に固定された接続コネクタ138に電気的に接続されている。
【0047】
また、第2の基板38のリジット部38aからもフレキシブル部38cが延出されており、該延出端が接続コネクタ138に電気的に接続されている。また、接続コネクタ138には、各撮像素子基板32が電気的に接続されている。
【0048】
第1の基板35は、例えば、撮像素子33を駆動するために用いられる基板であり、また、第2の基板38は、例えば、映像信号をデジタル信号に変換して伝送するためのA/D変換用の基板である。
【0049】
第2の基板38において、フレキシブル部38bの端部は、コネクタ39に電気的に接続されている。
【0050】
ハーメチックコネクタ16dは、底部と該底部の外周縁部から後方に延出する円筒部とから主要部が構成されており、底部には、挿入方向Sに沿って底部を貫通する導電ピン42が複数設けられている。
【0051】
これにより、底部の先端側の面に設けられた基板120と底部の基端側の面に設けられた円筒部内に位置する基板45とは、導電ピン42によって電気的に接続されている。尚、基板120は、コネクタ39に電気的に接続されている。
【0052】
また、導電ピン42には、上述した基板22の後述する第2の部位22b(図3参照)の端部が電気的に接続されている。即ち、基板22と基板45とは、ハーメチックコネクタ16d内において、半田付け等によって固定されている。
【0053】
また、ハーメチックコネクタ16dの基端に、ケーブルコネクタ41の先端が固定されている。ケーブルコネクタ41の基端に、スペーサリング179が固定されており、スペーサリング179の内周面には、カメラケーブル12の先端が接続されている。
【0054】
カメラケーブル12の内部には、図示しない複数の電気コードが収納されており、該電気コードの先端は、ケーブルコネクタ41内まで延出され、基板45に電気的に接続されている。
【0055】
また、カメラケーブル12の外周面には、カメラケーブル12の急激な屈曲を防止する折れ止め44が被覆されている。また、折れ止め44の外周には、上述したリヤネジ50が移動自在に被覆されている。
【0056】
さらに、スペーサリング179の外周面には、雄ネジが形成されており、該雄ネジに、リヤネジ50の雌ネジが螺合自在となっている。
【0057】
スペーサリング179の雄ネジにリヤネジ50の雌ネジを螺合すると、リヤネジ50は前進することから、リヤネジ50が当接するリヤカバー17bを前方に押圧することにより、フロントカバー17aの基端に対して、パッキン18を押し潰しながら、リヤカバー17bの先端が前方に付勢力を以て当接する。このことにより、当該部位の水密性が確保される。また、当然、リヤカバー17bの基端とリヤネジ50との間のパッキンも潰れることにより、該部位における水密性が確保される。
【0058】
次に、気密ケース16の上面に固定される基板固定部材20、基板固定部材20に固定される基板22の構造について、図3〜図10を用いて説明する。
【0059】
図3は、図2の基板固定部材に基板及びGND板が固定されたものを拡大して示す斜視図、図4は、図3中のIV-IV線に沿う基板固定部材、基板の部分断面図、図5は、図3の基板固定部材から基板を分離した状態を示す分解斜視図、図6は、図3のGND板を裏面側から示す斜視図、図7は、図5中のVII-VII線に沿う基板固定部材にGND板、基板を固定した後の断面を、気密ケース及び外装カバーとともに示す部分断面図である。
【0060】
また、図8は、図3の基板固定部材を気密ケースとともに示す分解斜視図、図9は、図8の気密ケースに図3の基板固定部材を固定した状態を、基板固定部材の第1の貫通孔に基板を挿通しない状態で示す斜視図、図10は、図8の気密ケースに、図3のGND板及び基板が固定された基板固定部材を固定したものを、リヤカバー内に挿入する状態を示す部分断面図である。
【0061】
図3に示すように、基板22は、基板固定部材20に固定されるものであり、第1の部位22aと、該第1の部位22aから後方に延出された第2の部位22bとから主要部が構成されている。
【0062】
尚、基板22は、少なくとも第2の部位22bがフレキシブル基板から構成されていれば良いが、第1の部位22aもフレキシブル基板から構成されていても構わない。即ち、基板22自体がフレキシブル基板から構成されていても構わない。
【0063】
また、基板22の第2の部位22bは、第1の部位22aよりも、挿入方向S及び高さ方向Mに直交する幅方向Nにおいて、幅狭に形成されている。
【0064】
また、図3に示すように、基板22の第2の部位22bにおいて、実装エリアAにおける実装面22bjに、搭載部材である電子部品151が実装されている。尚、電子部品151としては、上述したノイズフィルタ等が挙げられる。
【0065】
基板固定部材20は、例えば樹脂から構成されており、基板22が固定されるとともに、気密ケース16の上面に対して固定されるものであり、図3、図5、図8、図9に示すように、固定部20aと、基板押し下げ部20bと、収納部20cとから主要部が構成されている。
【0066】
固定部20aは、基板22の第1の部位22aが固定される部位であり、挿入方向Sにおいて、前半部よりも後半部が、幅方向Nにおいて幅広に形成されているとともに、第1の部位22aと略同じ外形形状に形成されている。
【0067】
また、図3、図5、図8、図9に示すように、固定部20aの両側面において、挿入方向Sにおける後半部の先端側には、幅方向Nの外側に張り出す張り出し部56が形成されている。
【0068】
張り出し部56は、気密ケース16に基板固定部材20を固定した状態において外装部17内に嵌入された際、リヤカバー17bの内周面に当接することにより、リヤカバー17bに対して基板固定部材20が幅方向Nに移動してしまうのを防止するものである。
【0069】
また、図8に示すように、固定部20aの底面に、高さ方向Mにおいて気密ケース16側に延出する突起171が、例えば2本形成されている。
【0070】
突起171は、気密ケース16の上面に形成された有底穴16xに嵌入することにより、気密ケース16に対する基板固定部材20の位置決めを行う他、リヤカバー17bを外した際、リヤカバー17bとともに、気密ケース16の上面から基板固定部材20が外れてしまうのを防ぐ部材である。
【0071】
さらに、図3、図5、図8に示すように、固定部20aの底面において、突起171よりも後方位置に、高さ方向Mにおいて気密ケース16側に突出する例えば2本の凸部170が形成されている。尚、凸部170の突出高さは、リヤケース16bの上面に形成された後述する段部Dの高さ以下に形成されている。
【0072】
凸部170は、気密ケース16に基板固定部材20を固定した状態において、外装部17内に嵌入された際、基板押し下げ部20bの基端面20bk(図8参照)がリヤカバー17bの内周面によって前方に押圧されることにより、リヤケース16bの上面に形成された段部Dに先端側の面が接触する。このことにより、気密ケース16に対する基板固定部材20の挿入方向Sにおける位置決めが行われる。
【0073】
また、図3、図5、図8、図9に示すように、固定部20aの上面において、先端及び基端に、幅方向Nに沿って、高さ方向Mにおいて気密ケース16とは反対側に起立する土手部53がそれぞれ形成されている。
【0074】
土手部53は、基板固定部材20に基板22が固定された状態において、図10に示すように、リヤカバー17b内に挿入する際、リヤカバー17bの内周面に、固定部20aに固定された基板22の第1の部位22aが接触してしまうことを防ぐ部材である。
【0075】
また、図3、図5〜図9に示すように、固定部20aの上面において、挿入方向Sの前半部に、高さ方向Mにおいて、気密ケース16とは反対側に起立する2本の突起54が形成されているとともに、固定部20aの上面における挿入方向Sの後半部に、高さ方向Mにおいて、気密ケース16とは反対側に突起54よりも高く起立する2本の突起55が形成されている。
【0076】
各突起54、55は、気密ケース16に基板固定部材20を固定した状態において、外装部17内に嵌入された際、突起54の頂面54s(図3参照)がフロントカバー17aの内周面に当接するとともに、突起55の頂面55s(図3参照)もリヤカバー17bの内周面に当接することにより、基板固定部材20の外装部17に対する高さ方向Mの位置を固定するものである。
【0077】
さらに、図5に示すように、固定部20aの上面において、先端部、基端部、及び中央部における幅方向Nの各端部に、ネジ孔20ahがそれぞれ形成されている。
【0078】
また、図5に示すように、固定部20aの上面に、気密ケース16とは反対側に突起54よりも低く起立する複数の凸部144が形成されている。
【0079】
さらに、図8に示すように、固定部20aにおいて、先端部、基端部、及び中央部に、高さ方向Mに貫通する複数の貫通孔20asがそれぞれ形成されている。
【0080】
また、図3、図5、図7に示すように、固定部20aの上面には、固定部20aと基板22の第1の部位22aとの間に挟み込まれるGND板57が固定される。尚、GND板57は、外形形状が固定部20aと略同じ形状に形成されている。
【0081】
GND板57は、金属の板状部材から形成されており、図5、図6に示すように、固定部20aの複数の凸部144が嵌入する複数の孔57jと、突起54、55が貫通する高さ方向Mに貫通する孔57iと、ネジ孔20ahに対向する高さ方向Mに貫通する複数の孔57hが形成されている。
【0082】
尚、孔57jに凸部144が嵌入し、孔57iに突起54、55が貫通することにより、固定部20aに対してGND板57が位置決めされる。このことにより、ネジ孔20ahに対して孔57hは対向して位置するとともに、後述する複数のフィンガ部66(図6参照)は、貫通孔20asに対向して位置する。
【0083】
また、凸部144は、孔57jに嵌入後、基板22の第1の部位22aに形成されたスイッチ21に対向して位置することにより、スイッチ21がスイッチ釦19によって押下されたとしても、スイッチ21は樹脂から形成された凸部144に接触することから、GND板57に接触してしまうことが無い。即ち、スイッチ21がGND板57に接触することに起因するショートを防止することができる。
【0084】
また、GND板57は、図5〜図7に示すように、底面から高さ方向Mにおいて気密ケース16側に延出する複数本の金属から形成されたフィンガ部66を有している。
【0085】
フィンガ部66は、固定部20aに形成された複数の貫通孔20asを介して、固定部20aの底面よりも高さ方向Mにおいて気密ケース16側に延出するものであり、金属から構成された気密ケース16の上面に接触することによって、GND板57に導通する基板22の第1の部位22aのGNDを接地して、上述したEMC対策を図るものである。尚、気密ケース16は、カメラケーブル12を介して接地されている。
【0086】
尚、フィンガ部66は、後述するネジが貫通される孔57jの近傍に設けられていることにより、フィンガ部66形成に伴うGND板57の変形が防止されている。
【0087】
ここで、基板22の第1の部位22aには、突起54、55が貫通する高さ方向Mに貫通する孔22aiと、ネジ孔20ah、孔57hに対向する複数の孔22ahが高さ方向Mに貫通するように複数形成されている。
【0088】
尚、孔22aiに突起54、55に貫通することにより、固定部20a、GND板57に対して第1の部位22aの位置決めがなされる。このことにより、ネジ孔20ah、孔57hに対して孔22ahは対向して位置する。
【0089】
また、図示しないネジが、孔22ah、孔57hを介してネジ孔20ahに螺合固定されることにより、第1の部位22aの固定面22acにおけるGNDは、GND板57に密着することによりGND板57に導通するとともに、固定部20aに対して、第1の部位22a及びGND板57が固定される。
【0090】
この際、上述したように、突起54、55により、第1の部位22a及びGND板57は、固定部20aに対して位置精度良く固定される。
【0091】
また、基板22の第1の部位22aには、上述した複数のスイッチ21が、高さ方向Mの上方に凸設されている。尚、各スイッチ21は、上述したように、第1の部位22a及びGND板57が、固定部20aに対して位置精度良く固定され、基板固定部材20が、気密ケース16の上面に対して位置精度良く固定されることから、スイッチ釦19に対向して精度良く位置する。
【0092】
また、図3、図5に示すように、基板押し下げ部20bは、基板22の延在方向と一致する挿入方向Sにおいて、固定部20aの基端に隣接して位置しており、基板固定部材20において、高さ方向Mに貫通して形成された第1の貫通孔58と、該第1の貫通孔58によって基板固定部材20に形成された第1の貫通孔58の基端側の縁部60とから主要部が構成されている。
【0093】
基板押し下げ部20bは、基板22の第2の部位22bを、第1の部位22aの固定面22acとは反対側の非固定面となる上面22atよりも低く押し下げて、図3に示すようにクランク状に折り曲げることにより、実装エリアAの実装面22bjを、上面22atよりも低く位置させるとともに、第2の部位22bの位置を固定するものである。
【0094】
具体的には、図3〜図5に示すように、基板22の第2の部位22bが、第1の貫通孔58に挿通されることにより、図4に示すように、実装面22bjが接触する縁部60の底部60tによって、第2の部位22bが第1の部位22aの上面22atよりも押し下げられてクランク状に折り曲げられる。
【0095】
この際、底部60tに実装面22bjが弾性力を以て接触することにより、第2の部位22bの挿入方向Sにおける位置が固定される。
【0096】
尚、第2の部位22bは、基板押し下げ部20bによって押し下げられた後、実装エリアAが、図3、図4に示すように収納部20cに位置する。
【0097】
収納部20cは、実装エリアAの実装面22bjに実装された電子部品151を収納するとともに、平面視した状態で、実装エリアAを囲む壁部52を有する。
【0098】
具体的には、収納部20cは、基板固定部材20において、第1の貫通孔58の基端に縁部60を介して隣接して形成された、基板固定部材20を高さ方向Mに沿って貫通する第2の貫通孔59と、該第2の貫通孔59によって基板固定部材20に形成された第2の貫通孔59を囲む壁部52とから主要部が構成されている。尚、先端側に位置する壁部52は、上述した基板押し下げ部20bを構成する縁部60を兼ねている。
【0099】
尚、収納部20cにおいて、基板22の第2の部位22bにおける実装面22bjは、図4に示すように、壁部52の底部52tに弾性力を以て接触して位置していることにより、実装エリアAにおいて、実装面22bjに実装された電子部品151は、第2の貫通孔59を介して高さ方向Mの上方に露出している。
【0100】
また、この状態において、図4に示すように、第2の部位22bに収納部20cに位置する部位の裏面は、補強板62によって、気密ケース16の上面に固定されていても構わない。
【0101】
補強板62は、第2の部位22bの実装エリアAにおける実装面22bjに、電子部品151を実装しやすくするため、第2の部位22bの実装エリアの湾曲を防止するものである。
【0102】
さらに、図4に示すように、電子部品151を保護する目的に加え、実装面22bjへの電子部品151の実装強度を向上させる目的から、収納部20cの第2の貫通孔59の空間Kに、搭載部材である液状封止材料61が塗布されていても構わない。
【0103】
尚、空間Kは、壁部52によって覆われていることから、空間Kに液状封止材料61を塗布する際、塗布しやすいばかりか、液状封止材料61を壁部52の頂部52jよりも高さ方向Mに低く塗布しやすい。
【0104】
また、図4に示すように、空間Kに塗布された液状封止材料61上に、頂部52jよりも高さ方向Mに高くならなければ、蓋体63が載置されていても構わない。
【0105】
また、図8に示すように、収納部20cの基端の壁部52の底部側には、第2の部位22bを後方に引き出す用の切り欠き20ckが形成されている。
【0106】
また、図4に示すように、壁部52の頂部52jは、壁部52の底部52tに第2の部位22bの実装面22bjが接触して収納部20cに電子部品151が収納されている状態において、電子部品151及び液状封止材料61、蓋体63の上面よりも高さ方向Mにおいて高く、さらに、第1の部位22aの上面22at以下の高さに位置している。
【0107】
このことにより、図10に示すように、基板固定部材20に基板22が固定された状態において、リヤカバー17b内に挿入する際、リヤカバー17bの内周面には、壁部52の頂部52jが接触することがあっても、電子部品151や液状封止材料61が接触することがないため、電子部品151や液状封止材料61が破損してしまったり、接触に伴い、リヤカバー17b内への挿入性が低下してしまったりすることがない。
【0108】
このように、本実施の形態においては、基板固定部材20の固定部20aに基板22の第1の部位22aがネジによって固定された状態において、基板22における電子部品151が実装エリアAに実装された第2の部位22bが、基板22に形成された第1の貫通孔58に挿通されることにより、第2の部位22bは、クランク状に折り曲げられて、第1の部位22aの上面22atより高さ方向Mにおいて低く位置するとともに、第2の部位22bが、縁部60の底部60tに弾性力を以て接触することにより、第2の部位22bの挿入方向Sにおける位置が固定されると示した。
【0109】
また、収納部50cにおいて、電子部品151を囲む壁部52の頂部52jは、基板22の第1の部位22aの上面22atよりも高さ方向Mにおいて低く位置するとともに、電子部品151や液状封止材料61よりも高さ方向Mにおいて高く位置すると示した。
【0110】
このことによれば、カメラヘッド3の組み立て時において、図10に示すように、リヤカバー17b内に、後方に向かって気密ケース16の上面に固定された、基板22が固定された基板固定部材20を挿入していく際、リヤカバー17bの内周面には、壁部52の頂部52jが接触することがあっても、電子部品151や液状封止材料61が接触してしまうことは無い。
【0111】
さらには、電子部品151や液状封止材料61は、周囲が壁部52によって覆われているため、これら搭載部材に対して外部からの接触を壁部52が防ぐことができる。
【0112】
よって、電子部品151や液状封止材料61等の搭載部材が破損してしまうことが無い他、これら搭載部材のリヤカバー17bへの接触に伴い、組み立て性が低下してしまうことが無い。さらには、リヤカバー17bへの電子部品151や液状封止材料61の接触を避けるため、リヤカバー17bの内部空間を大きく確保する目的からリヤカバー17bを大型化する必要がない。
【0113】
また、縁部60の底部60tへの接触により、ネジを用いずに、容易に第2の部位22bの実装エリアAにおける挿入方向Sの位置を固定することができる。
【0114】
以上から、小型化を図りつつ、組み立ての際、外装部17への基板22上の搭載部材の接触を回避でき、さらに基板22の実装エリアAの位置ずれを確実に防止できる構成を具備するカメラヘッド3及び、該カメラヘッド3が接続される内視鏡2を提供することができる。
【0115】
尚、本実施の形態においては、カメラヘッド3は、内視鏡2が接続自在なものを例に挙げて示したが、内視鏡以外のものに用いるカメラヘッドにも適用可能なことは云うまでもない。
【0116】
図11は、図2のカメラヘッドのカプラ部に、内視鏡のアイピースが接続されている状態を示す斜視図、図12は、図11のカプラ部とアイピースとの接続部近傍の断面図、図13は、図11のカプラ部を拡大して後方側から示す斜視図である。
【0117】
ところで、上述したように、カメラヘッド3のカプラ部15には、内視鏡2のアイピース9が接続自在である。
【0118】
この接続構造を簡単に説明すると、図12に示すように、カプラ部15内に設けられたマウント部材31の上部には、幅方向Nの端部において、それぞれ高さ方向Mに貫通する貫通孔31vが形成されており、該貫通孔31vには、図11、図12に示すように、一端がカプラ部15の高さ方向Mの上側部位に固定され、他端がカプラ部15の高さ方向Mの下側部位15nt(図13参照)に固定された心棒70が挿通されている。
【0119】
これにより、上述したように、マウント部材31は、フロントカバー17aの先端17akに固定されていることから、マウント部材31に対して、カプラ部15が高さ方向Mの上下に移動自在となっている。
【0120】
また、心棒70の外周において、カプラ部15の下側部位15ntと、マウント部材31の上部との間には、高さ方向Mに沿って細長なバネ71が挿通されている。尚、バネ71は、上端がマウント部材31の上部に固定され、下端がカプラ部15の下側部位15ntに固定されていることにより、常にカプラ部15を、図示しないストッパ部によって規制される長さまで押し上げている。
【0121】
よって、カプラ部15にアイピース9を接続する際は、カプラ部15を高さ方向Mの下方に押し下げることにより、バネ71の伸張力に抗して高さ方向Mに沿ってバネ71を圧縮させ、カプラ部15の高さ方向Mに細長な円の開口15i(図13参照)を介して、アイピース9をマウント部材31の嵌入部31w(図12参照)に嵌入させ、その後、カプラ部15から手を離すと、開口15iの下側に位置するアイピース9への接触面15qが、アイピース9に接触し、バネ71の伸張力を利用して、接触面15qがアイピース9をマウント部材31の上部に押し付けることによりアイピース9は固定されるのである。
【0122】
尚、マウント部材31の上部においてアイピース9が接触する部位や接触面15qは、アイピース9に沿った形状に形成されている。
【0123】
ここで、内視鏡2にカメラヘッド3を接続して被検体内の内視鏡観察を行う際、観察視野を変えるため、挿入部7、即ち、アイピース9を、該アイピース9がカプラ部15に接続固定された状態のまま回転させることがある。
【0124】
しかしながら、マウント部材31は金属から形成されているため、アイピース9が回転しても摩耗は少ないが、カプラ部15は樹脂から構成されているため、アイピース9が接触する接触面15qは、回転に伴い摩耗してしまうといった問題があった。
【0125】
このような問題に鑑み、本構成においては、図12に示すように、カプラ部15において、アイピース9の固定状態においてアイピース9が接触する接触面15qが曲面形状に形成されている。
【0126】
このことによれば、固定状態において、曲面形状を有するアイピース9が回転したとしてもアイピース9は、曲面形状を有する接触面15qに接触したまま滑らかに回転するため、接触面15qが摩耗してしまうことを低減することができる。
【0127】
図14は、図2のカプラ部におけるマウント部材の上部内周面に、突起が設けられた構成を示す部分拡大断面図、図15は、従来のマウント部材の嵌入部の形状をカプラ部とともに示す拡大斜視図、図16は、図14のマウント部材の嵌入部の形状をカプラ部とともに示す拡大斜視図である。
【0128】
ところで、カプラ部15におけるマウント部材31のアイピース9の嵌入部31wは、アイピース9の径と同径に形成されていることが好ましい。また、アイピース9の外形が円形を有している場合には、図15に示すように、嵌入部31wの外形形状も円形に形成されていることが好ましい。
【0129】
ここで、カプラ部15にアイピース9が接続されている状態において、アイピース9が回転されたり、内視鏡2の挿入部7に対して、挿入部7の先端が被検体に接触したりする等により煽られるような力が付与されると、カプラ部15、即ち嵌入部31wに対してアイピース9が傾いて(折れて)しまい、それに伴い発生する乱反射等によって、配線等が撮像素子33に映り込んでしまうといった問題があった。
【0130】
そこで、図14に示すように、本構成においては、マウント部材31の上部内周面31nの先端側に、高さ方向Mの下方に突出する突起75が形成されている。
【0131】
また、突起75が上部内周面31nに形成されていると、嵌入部31wがアイピース9と同じ径だと突起75が邪魔となり、嵌入部31wにアイピース9が嵌入し難いはずである。
【0132】
よって、本構成においては、図14に示すように、突起75を避けて、嵌入部31wに対してアイピース9が斜めから挿入しやすいよう、嵌入部31wの径が、アイピース9の径よりもBだけ大きく形成されている。
【0133】
このことから、嵌入部31wの外形形状は、図16に示すように、図15よりも高さ方向Mにおいて細長な略楕円形状に形成されている。
【0134】
このような構成によれば、カプラ部15にアイピース9が接続されている状態において、アイピース9が回転されたり、内視鏡2の挿入部7に対して、挿入部7の先端が被検体に接触したりする等により煽られるような力が付与されたとしても、突起75がアイピース9の先端側に接触することから、アイピース9が傾いてしまうことがない他、嵌入部31wからアイピース9が外れてしまうことがない。即ち、突起75は、アイピース9の折れ止めとして機能する。
【0135】
図17は、図2のスペーサリングからリヤネジを外した状態を示すカメラヘッドの部分断面図、図18は、図17のリヤカバーを、図17中のXVIII方向からみた部分斜視図、図19は、図18中のXIX-XIX線に沿うリヤカバーの部分断面図である。
【0136】
ところで、上述したように、スペーサリング179の外周面には、雄ネジが形成されており、該雄ネジに、リヤネジ50の雌ネジが螺合することにより、図17に示すように、リヤネジ50は方向Pに前進することから、リヤネジ50が当接するリヤカバー17bの基端を方向Pにおいて押圧することにより、リヤカバー17bの形状により方向Pの力は挿入方向Sに平行な方向Qの力に変換され、フロントカバー17aの基端に対して、パッキン18を挿入方向Sの前方に押し潰しながらリヤカバー17bの先端が挿入方向Sにおいて前方に付勢力を以て当接する。
【0137】
このことによって、フロントカバー17aに対してリヤカバー17bは組み立てられるが、仮にリヤカバー17bの基端内において、リヤカバー17bの基端に対してスペーサリング179が傾いて位置し、その傾いたスペーサリング179の雄ネジにリヤネジ50の雌ネジが螺合されてしまうと、リヤネジ50によってリヤカバー17bの基端を押圧する方向が方向Pから傾いてしまう。このため、フロントカバー17aの基端をリヤカバー17bの先端によって押圧する力の方向も、外装部17の周方向によって異なってしまうことから、パッキン18の潰れ方が外装部17の周方向において不均一になってしまい、フロントカバー17aの基端とリヤカバー17bの先端との間の水密を十分確保できないといった問題があった。
【0138】
よって、リヤカバー17bの基端に対して、スペーサリング179を平行に配置する必要がある。
【0139】
このような事情に鑑み、本構成においては、図2、図17〜図19に示すように、リヤカバー17bの基端の内周面における高さ方向Mの下側に、リヤカバー17bの基端に対して、ケーブルコネクタ41を平行に位置させる、例えば2つの突起75が設けられている。
【0140】
詳しくは、突起75は、ケーブルコネクタ41を、高さ方向Mの上方に押し上げることにより、ケーブルコネクタ41をリヤカバー17bの基端に対して平行となるよう位置させる。
【0141】
このことによれば、ケーブルコネクタ41の基端に固定されたスペーサリング179もリヤカバー17bの基端に対して平行に位置することから、スペーサリング179の雄ネジに対して、リヤネジ50の雌ネジを方向Pにおいて真っ直ぐ固定することができる。
【0142】
このことから、方向Pにおいてリヤカバー17bの基端をリヤネジ50によって押圧する力は、方向Qにおいて、リヤカバー17bの先端を前方に移動させる力に確実に変換されることから、パッキン18は、外装部17の周方向において均一に潰れるため、フロントカバー17aの基端とリヤカバー17bの先端との間の水密を確実に確保することができる。
【0143】
図20は、図2の撮像ユニットを示す斜視図、図21は、図20の撮像ユニットを、図20とは異なる方向からみた斜視図、図22は、図20中のIIXII-IIXII線に沿う撮像ユニットをリヤケースとともに示す断面図である。
【0144】
上述したように、撮像ユニット100は、気密ケース16(図2参照)内に設けられているが、撮像ユニット100を構成する撮像素子33は、駆動に伴い発熱する。
【0145】
しかしながら、撮像素子33は気密ケース16内に設けられているため、駆動に伴い気密ケース16内の雰囲気が撮像素子33からの熱により熱されてしまい、その結果、撮像素子33が動作保証温度よりも熱されてしまう場合があった。よって、撮像素子33の熱を、適切に放熱できる構成が望まれていた。
【0146】
そこで、本構成においては、金属から構成されたレンズ枠51の基端に対して、図20〜図22に示すように、撮像素子33の前方側、高さ方向Mの底面側及び幅方向Nの両側部側を部分的に覆う、幅方向Nの側面側から平面視した形状がL字状であって、高さ方向Mの上方から平面視した形状が上向きのコの字型の金属から構成された第1の放熱板78が固定された構成を有している。また、第1の放熱板78の基端には、第1の基板35及び第2の基板38の高さ方向Mの底面側及び幅方向Nの両側部側を部分的に覆う、高さ方向Mの上方から平面視した形状が上向きのコの字型の金属から構成された第2の放熱板79が接続された構成を有している。
【0147】
尚、プリズム43を保持するプリズム枠143及び撮像素子基板32は、上述したように、気密ケース16内に設けられた、図20、図21に示すように固定枠80に対して固定されているが、第2の放熱板79は、固定枠80に対して固定されている。
【0148】
また、第2の放熱板79の基端側に形成された複数本のフィンガ部79fは、図22に示すようにリヤケース16bに接触している。
【0149】
このような構成によれば、撮像素子33の熱は、固定枠80を介して、第2の放熱板79に伝達され、その後、第2の放熱板79に接触するリヤケース16b及び第1の放熱板78に伝達され、その後、第1の放熱板78に接触するレンズ枠51に伝達される。
【0150】
即ち、放熱面積が大きくなることから、広範囲に渡って均一に放熱が行えるため、撮像素子33の放熱性を向上させることができる。
【0151】
図23は、図2のフロントカバーの先端側を、リングを除いて示す部分斜視図、図24は、図23のフロントカバーの先端側の溝にリングを装着した状態を示す部分斜視図、図25は、図24中のIIXV-IIXV線に沿うフロントカバーの断面図、図26は、図24のリングを示す斜視図である。
【0152】
ところで、図24に示すように、フロントカバー17aの先端側において、カプラ部15のマウント部材31が接続される先端17akよりも基端側に、カメラヘッド3の外観を向上させるため、例えば社名等の文字87等が記載されたリング84が装着されていても良い。尚、リング84は、装着後、外装部17の一部を構成する。
【0153】
リング84は、図23、図25に示すように、フロントカバー17aの先端側の外周において周方向に沿って形成された溝82に対して嵌合されることにより装着される。
【0154】
しかしながら、フロントカバー17aの先端側に対してリング84をビス等で固定しようとすると、大型化してしまう他、リング84の固定部位における洗浄性が悪いといった問題があった。
【0155】
そこで、本構成においては、図25、図26に示すように、リング84の内周面には、周方向の全周に亘って溝82に嵌合される爪部84tが形成されており、爪部84tが溝82に嵌合されることにより、リング84がフロントカバー17aの先端側の外周に固定される構成を有している。
【0156】
尚、爪部84tの径方向の内径は、溝82の径方向の外径と略同じに形成されている。即ち、リング84の装着後、溝82からリング84が径方向外側に外れてしまうことは無い。
【0157】
また、爪部84tは、図25に示すように、基端側に傾斜面84kが形成されている。このことによれば、フロントカバー17aの先端側に対して、前方からリングを装着する際、傾斜面84kは、接触するフロントカバー17aの先端側に対して滑りながら移動することから、リング84を溝82に容易に嵌入させることができる。
【0158】
また、溝82にリング84の爪部84tが嵌入した後は、爪部84tが溝82に引っ掛かるため、リング84を前方に引っ張っても、溝82からリング84が外れてしまうことがない。
【0159】
このことによれば、簡単な構成にてリング84の脱落を防げるとともに、リング84の組立バラツキを防止できる他、外装部17の大型化を防ぐことができ、さらには、固定にネジ等を用いないためリング84装着部位における洗浄性を向上させることができる。
【0160】
図27は、図2のリヤカバーの基端側を示す部分斜視図、図28は、図27のリヤカバーの基端側から、リング及びリヤネジが外された状態を示す部分斜視図、図29は、図27のリングを示す斜視図である。
【0161】
図27に示すように、リヤカバー17bの基端側にも、カメラヘッド3の外観を向上させるリング88が装着されていても構わない。
【0162】
具体的には、図28に示すようにリヤカバー17bの基端には、周方向に沿って鍵溝91が形成されており、該鍵溝91にリング88が嵌入されることにより、リヤカバー17bの基端側にリング88が装着固定される。
【0163】
尚、図27、図28に示すように、リング88の高さ方向Mの上側の外周面には、例えば「オートクレーブ処理可能」等の文字89が記載されている。よって、使用者に文字89を認識させるには、装着後のリング88の回転を防止する必要がある。
【0164】
そこで、本構成においては、図27、図28に示すように、鍵溝91に、例えば平面視した形状が半円状の凸部90を設け、図27〜図29に示すように、リング88に、凸部90に嵌合自在な平面視した形状が半円状の凹状の切り欠き88kを設けた。
【0165】
このことによれば、鍵溝91にリング88が嵌合した際、凸部90に切り欠き88も嵌合することから、鍵溝91にリング88が嵌合した状態でリング88が回転してしまうことを防止することができる。即ち、リング88、文字89の位置決めを容易に行うことができる。
【0166】
図30は、従来のカプラ部の形状を示すカメラヘッドの斜視図である。
【0167】
上述したように、カプラ部15は、マウント部材31に対して、高さ方向Mの上下に移動自在あると示した。また、カプラ部15に内視鏡2のアイピース9を接続する場合には、カプラ部15を高さ方向Mの下方に押し下げると示した。
【0168】
ここで、カプラ部15を下方に押し下げる際、通常、作業者は、カプラ部15の上面を、指等で押し下げることにより、カプラ部15を下方に押し下げる作業を行うはずである。この際、図30の示すように、カプラ部15の上面が平坦形状を有していると、または指で押下しやすいように凹んだ形状を有していると、指を用いて、カプラ部15の上面を押し下げる際、指が外装部17の上面に設けられたスイッチ釦19に接触してしまい、押下操作が行い難いといった問題があった。
【0169】
そこで、本構成においては、図11、図13に示すように、カプラ部15の上面15に高さ方向Mの上方にスイッチ釦19よりも大きく、具体的には、カプラ部15の高さ方向Mの下方への移動量よりも大きく突出する突起部15tが設けられている。尚、突起部15tの上面は、押下操作が行いやすいよう凹んだ形状に形成されていても構わない。
【0170】
このような構成によれば、作業者は、指を用いて突起部15tに対して押下操作を行えば、指がスイッチ釦19に接触してしまうことがないため、カプラ部15の押下操作性を向上させることができる。
【0171】
図31は、従来のカメラヘッドにおける内視鏡が接続される接続部材の構成を示す斜視図、図32は、本構成のカメラヘッドの接続部材の変形例の構成を示す斜視図、図33は、図32中のIIIXIII-IIIXIII線に沿うカメラヘッドの断面図である。
【0172】
上述した本実施の形態においては、カメラヘッド3に対して、カメラヘッド3のカプラ部15に、内視鏡2のアイピース9が接続自在であると示した。
【0173】
これに限らず、フロントカバー17aの先端17akからカプラ部15を取り外し、図31に示すように、代わりに円筒状の接続部材92を接続し、接続部材92内に、直接、内視鏡2のアイピース9を取り外した把持部8の基端を接続する構成であっても構わない。尚、接続部材92に対する把持部8の基端の接続構造は、後述する図33に示す構成と同じである。
【0174】
簡単に、図20に示す接続構成を説明すると、接続部材92に対して把持部8の基端を接続固定する際は、例えば左手で接続部材92を後方に押し込んで、右手で把持部8の基端側を接続部材92内に押し込み、その後左手を接続部材92から離すと、接続部材92はバネの伸張によって前方に移動し、接続部材92内の係止ピンが把持部8の基端側の外周面に形成された凹部に嵌入されることにより、把持部8の基端側は接続部材92に対して固定される。
【0175】
また、接続部材92内から把持部8の基端側を取り外す際は、再度バネの伸張力に抗して、左手で接続部材92を後方に押し込んで、係止ピンを凹部から外し、その後、右手で把持部8の基端側を前方に引き抜くことにより、把持部8の基端側は接続部材92から取り外される。
【0176】
しかしながら、把持部8の基端側の着脱において、例えば左手でバネの伸張力に抗して後方に接続部材92を押し込む際、接続部材92の外周面は滑りやすいことから、接続部材92を前方に押し込み難いといった問題があった。
【0177】
そこで、図32に示すように、本構成においては、接続部材92の外周面に、高さ方向Mの上下方向に延出する外向鍔部92tが設けられている。このことによれば、作業者は、鍔部92tを、例えば左手で後方に押し込めば、接続部材92は後方に移動することから、接続部材92の押し込み動作が行いやすくなる。
【0178】
尚、以下、図33を用いて、接続部材92の構成を簡単に説明する。
図33に示すように、接続部材92は、把持部8の基端側が内部に固定される取付部本体94を有しており、該取付部本体94の基端94eは、フロントカバー17aの先端17akの内周に対して固定されている。
【0179】
また、取付部本体94には、高さ方向Mに対向する位置に、高さ方向Mに沿った貫通孔94kが2つ形成されており、該貫通孔94kには、係止ピン95がそれぞれ嵌入されており、該係止ピン95は高さ方向Mの上下に移動自在となっている。尚、係止ピン95は、頭部95hに形成された抜け止めにより、取付部本体94の内部側に全体が抜けてしまうことが防止されている。
【0180】
さらに、取付部本体94の外周には、嵌合部材98が被覆されている。嵌合部材98は、取付部本体94の基端側に形成された段部94dに基端が接続された挿入方向Sに延在する伸張バネ133の先端が接続されており、挿入方向Sの前後に移動自在となっている。
【0181】
また、嵌合部材98の外周には、接続部材92の外装となる外装部材93の基端側がネジによって接続されている。尚、外装部材93に、上述した鍔部92tが形成されている。
【0182】
また、嵌合部材98に外装部材93が固定されていることから、外装部材93は、嵌合部材98とともに挿入方向Sの前後に移動自在となっている。
【0183】
さらに、嵌合部材98の先端の内周面に、係止ピン95の頭部95hが接触する傾斜面98tが形成されている。
【0184】
傾斜面98tに係止ピン95の頭部95hが接触している際は、伸張バネ133が自然長状態であり、係止ピン95の頭部95hの反対側の底部95uは、貫通孔94kを介して、取付部本体94の内部側に飛び出して位置する。
【0185】
また、外装部材93が伸張バネ133の付勢力に抗して後方に押し込まれると、係止ピン95の頭部95hは、傾斜面98tを滑って、傾斜面98tよりも前方に位置する。即ち、傾斜面98tに係止ピン95の頭部95hが非接触となる。この状態において、係止ピン95の底部95uは、貫通孔94k内において、取付部本体94の内部から外側に飛び出す。
【0186】
よって、一方、接続部材92に対して把持部8の基端側を着脱するときは、外装部材93を、鍔部92tを用いて後方に押し込めば、係止ピン95は、取付部本体94の内部から貫通孔94k内に退避することから、自由に把持部8の基端側を取付部本体94内に対して挿抜できる。
【0187】
他方、接続部材92に対して把持部8の基端側を固定するときは、外装部材93の押し込みをやめることにより、伸張バネ133によって外装部材93及び嵌合部材98は前方に移動することから、傾斜面98tに係止ピン95の頭部95hが接触することにより、貫通孔94kを介して、係止ピン95の底部95uが取付部本体94内に飛び出し、底部95uが把持部8の基端側の外周面に形成された凹部に嵌入することから、接続部材92に対して把持部8の基端側が固定される。
【0188】
図34は、図20の固定枠に第2の基板のリジット部が固定された状態を拡大して示す斜視図である。
【0189】
ところで、第2の基板38は、上述したように、固定枠80に固定されていると示した。具体的には、図34に示すように、第2の基板38のリジット部38aが、固定枠80の基端面にネジ固定されている。
【0190】
ここで、従来においては、固定枠80の基端面の4隅に対してリジット部38aの4隅をネジにより固定することによって、固定枠80の基端面に対してリジット部38aを固定していたが、より容易に固定できる構成が望まれていた。
【0191】
そこで、本構成においては、幅方向Nにおいて対向する2つの固定枠80の基端側の高さ方向の底部からL字状に、固定枠80の基端面よりも後方に突出するとともに、突出端が、幅方向Nにおいて互いに対向するよう方向Nに沿って内側に折り曲げられた腕部80kが設けられた構成を有している。
【0192】
2本の腕部80kには、第2の基板38のリジット部38aにおいて、該リジット部38aとフレキシブル部38cとの境において、リジット部38aとフレキシブル部38cとが幅方向Nにおける幅が異なることによって形成された段部38adが係止される。このことにより、リジット部38aの高さ方向Mの位置が規定される。
【0193】
さらに、この係止状態においては、2本の腕部80kは、リジット部38aの非固定面38afに対向して位置していることから、リジット部38aの段部38ad周辺部位が、挿入方向Sの後方に飛び出すことが無い他、リジット部38aとフレキシブル部38cとの境の部位が、2本の腕部80kに当接するため、リジット部38aの位置が、幅方向Nにずれてしまうことが無い。
【0194】
即ち、リジット部38aにおける段部38ad周辺部は、2本の腕部80kによって高さ方向M、幅方向N及び挿入方向Sの位置が規定されて係止されている。
【0195】
よって、固定枠80の基端面に対して、リジット部38aを固定する際、リジット部38aは、高さ方向Mの上部側のみ、角部の2箇所をネジ99によって固定すれば良いことから、リジット部38aの固定構造が簡単となる。
【0196】
また、リジット部38aの高さ方向M及び幅方向Nの位置は、腕部80kに対するリジット部38aの接触によって規定されるため、固定枠80のネジ孔に対して、ネジ99が貫通されるリジット部38に形成された孔の位置を精度良く容易に規定することができる。
【符号の説明】
【0197】
2…内視鏡
3…カメラヘッド(撮像装置)
16…気密ケース(ケース部材)
17…外装部(外装部材)
20…基板固定部材
20a…固定部
20b…基板押し下げ部
20c…収納部
22…基板
22a…第1の部位
22ac…第1の部位の固定面
22at…第1の部位の上面(非固定面)
22b…第2の部位
22bj…実装面
52…壁部
52t…壁部の頂部
58…第1の貫通孔
59…第2の貫通孔
60…縁部
60t…縁部の底部
61…液状封止材料(搭載部材)
100…撮像ユニット
151…電子部品(搭載部材)
A…実装エリア
K…空間
S…挿入方向(延在方向)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の部位と該第1の部位から延出された第2の部位とを有するとともに前記第2の部位における実装エリアの実装面に搭載部材が設けられた基板と、前記基板が固定される基板固定部材とを具備する撮像装置であって、
前記基板固定部材は、
前記基板の前記第1の部位が固定される固定部と、
前記第2の部位を前記第1の部位の前記固定部への固定面とは反対側の非固定面よりも低く押し下げてクランク状に折り曲げることにより、前記実装エリアの前記実装面を前記非固定面よりも低く位置させるとともに前記第2の部位の位置を固定する基板押し下げ部と、
前記実装エリアの前記実装面に設けられた前記搭載部材を収納するとともに、平面視した状態において前記実装エリアを囲む壁部が設けられた収納部と、
を有し、
前記壁部の頂部は、前記搭載部材よりも高く、前記第1の部位の前記非固定面以下の高さに位置していることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記基板の少なくとも前記第2の部位は、フレキシブル基板から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記基板押し下げ部は、前記基板の延在方向において前記固定部に隣接して前記基板固定部材に形成された第1の貫通孔と、該第1の貫通孔によって前記基板固定部材に形成された前記第1の貫通孔の縁部とから構成されているとともに、
前記基板の前記第2の部位が前記第1の貫通孔に貫通されることにより、前記基板固定部材の前記縁部の底部への前記第2の部位の前記実装面の接触によって、前記第2の部位が押し下げられるとともに前記第2の部位の位置が固定されることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記基板の前記第2の部位は、前記縁部の前記底部に対して、前記実装面が弾性力を有して接触することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記収納部は、前記基板の延在方向において前記縁部を介して前記第1の貫通孔に隣接して前記基板固定部材に形成された第2の貫通孔と、該第2の貫通孔によって前記基板固定部材に形成された前記壁部とから構成されており、
前記収納部において、前記第2の部位の前記実装面が前記壁部の底部に接触していることを特徴とする請求項3または4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記搭載部材は、前記基板に実装された電子部品であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記搭載部材は、さらに、前記電子部品の前記実装エリアへの実装強度を向上させるとともに、前記電子部品を保護する液状封止材料であり、
前記収納部は、前記液状封止材料が塗布される空間を構成することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記基板固定部材は、内部に撮像ユニットを封止するケース部材に対して固定されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記ケース部材に対して固定されるとともに前記基板が固定された前記基板固定部材を内部に具備する外装部材をさらに有していることを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記基板の前記第2の部位は、前記第1の部位よりも幅狭に形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の撮像装置が接続自在であることを特徴とする内視鏡。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2013−56003(P2013−56003A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195412(P2011−195412)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】